JPH06293664A - β3−アドレナリン作動薬の新規医薬用途 - Google Patents

β3−アドレナリン作動薬の新規医薬用途

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JPH06293664A
JPH06293664A JP7832793A JP7832793A JPH06293664A JP H06293664 A JPH06293664 A JP H06293664A JP 7832793 A JP7832793 A JP 7832793A JP 7832793 A JP7832793 A JP 7832793A JP H06293664 A JPH06293664 A JP H06293664A
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JP
Japan
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ulcer
hydrogen
carboxy
adrenergic
compound
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Application number
JP7832793A
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English (en)
Inventor
Isamu Yamaguchi
勇 山口
Hiroshi Kodama
弘 児玉
Kazuyoshi Kuratani
和良 倉谷
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Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式 【化1】 〔式中、R1 はハロゲン;R2 は低級アルキル、R3
水素、またはR2 とR3は結合して低級アルキレンを形
成する;R4 はカルボキシもしくはエステル化カルボキ
シで置換された低級アルコキシ、R5 は水素、またはR
4 とR5 は結合してカルボキシもしくはエステル化カル
ボキシで置換された低級アルキレンジオキシを形成す
る。〕で表される化合物等のβ3 −アドレナリン作動薬
を有効成分として含有する潰瘍の予防および/または治
療剤。 【効果】 β3 −アドレナリン作動薬は胃潰瘍、十二指
腸潰瘍等の消化性潰瘍に対して優れた抗潰瘍作用を示
し、潰瘍の予防および/または治療剤として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β3 −アドレナリン作
動薬を有効成分として含有する潰瘍の予防および/また
は治療剤に関するものであり、医薬の分野において有用
である。
【0002】
【従来技術】β−アドレナリン受容体はβ1 、β2 およ
びβ3 のサブタイプに分類される。β1 −アドレナリン
受容体は主に心臓に存在し、心機能亢進に関与する受容
体であり、β2 −アドレナリン受容体は主に血管、子
宮、気管支に存在し、気管支拡張、平滑筋の弛緩に関与
する受容体である。近年の研究により、β1 、β2 のい
ずれにも分類されないβ−アドレナリン受容体が、褐色
脂肪細胞(brown adipocyte)および白色脂肪細胞(whit
e adipocyte)の細胞表面、および大腸に存在することが
見出された。この第三のβ−アドレナリン受容体はβ3
−アドレナリン受容体と呼ばれる。β3 −アドレナリン
受容体を刺激することにより脂肪分解およびエネルギー
消費が促進されることから、β3 −アドレナリン作動薬
は抗肥満薬または抗糖尿病薬として有用であることが報
告されている(J. Med. Chem. 35,3081-3084 (1992))
【0003】ところで、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の消化
性潰瘍の治療においては、酸分泌抑制剤が第一選択剤と
して使用されることが多い。非ステロイド系抗炎症剤
(NSAID)を投与中の患者には、その副作用として
しばしば幽門部に潰瘍の形成が認められるが、この潰瘍
は従来の抗潰瘍剤(酸分泌抑制剤)では十分な治療効果
が得られず、臨床上の問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、胃潰
瘍、十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍等の潰瘍の予防および
/または治療に有用な新規薬剤を提供することである。
特にNSAIDの副作用として発生する幽門部の潰瘍に
対しても有効な潰瘍の予防および/または治療剤を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、β
3 −アドレナリン作動薬が上記潰瘍の予防および/また
は治療に有効であるとの新たな知見に基づき本発明を完
成した。すなわち、本発明はβ3 −アドレナリン作動薬
を有効成分として含有する潰瘍の予防および/または治
療剤(以下、単に抗潰瘍剤ということもある)である。
【0006】本発明においてβ3 −アドレナリン作動薬
とは、β1 −アドレナリン受容体(例えばモルモットの
心房に存在する受容体等)およびβ2 −アドレナリン受
容体(例えばラットの子宮に存在する受容体等)に対す
る刺激作用に比較して、β3−アドレナリン受容体(例
えばラットの脂肪細胞の表面に存在する受容体、ラット
の大腸に存在する受容体等)に対する刺激作用が強い薬
物を意味する。受容体に対する刺激作用の強さは、最大
反応の50%を示す濃度EC50を指標として比較するこ
とができる。例えば、モルモット心拍数の増加
(β1 )、ラット子宮の自動運動の低下(β2 )、ラッ
ト大腸の自動運動の低下(β3 )等の反応におけるEC
50を指標にして各受容体に対する刺激作用の強さを比較
することができる(Br. J. Pharmacol. 100, 831-839
(1990) 参照) 。
【0007】β3 −アドレナリン作動薬の例としては、
特開昭63−27426号公報、特開昭64−6615
2号公報、特開昭62−63549号公報、特開昭56
−5444号公報、特開平4−210663号公報、米
国特許第5061727号、国際公開番号WO92/1
8461等に記載された化合物が挙げられるが、これら
に限定されるものではなく、公知のあるいは新規なβ3
−アドレナリン作動薬を本発明において使用することが
できる。
【0008】本発明においてβ3 −アドレナリン作動薬
として使用し得る公知の化合物をいくつか以下に例示す
る。 一般式(1):
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、nは1または2、Aa はフェニ
ル、2−フロオロフェニル、3−クロロフェニル、また
は3−トリフルオロメチルフェニル、R1aはヒドロキ
シ、低級アルコキシカルボニル、カルボキシおよびカル
バモイルからなる群より選択される官能基、またはO−
a 基(ここでRa は低級アルコキシカルボニルおよび
カルボキシから選択される官能基で置換された低級アル
キルまたは低級アルケニル)であり、R2aおよびXa
ともに水素、Wa は単結合、Ya は水素、またはA1a
CH(OH)−CH2 −基(ここで、Aa と同じである
1aは、フェニル、2−フロオロフェニル、3−クロロ
フェニル、または3−トリフルオロメチルフェニルであ
る)、Za は低級アルキルである。〕で表される化合物
またはその薬理的に許容される塩(特開昭63−274
26号公報)。
【0011】 一般式(2):
【0012】
【化3】
【0013】〔式中、Xb は水素、ハロゲン、トリフル
オロメチルまたは低級アルキルを表す。Wb はメチル
を、Qb は水素を表すか、あるいはWb とQb は結合し
てエチレン基を形成する。R1bは低級アルキルを表
す。〕で表される化合物またはその薬理的に許容される
塩(特開昭64−66152号公報)。
【0014】 一般式(3):
【0015】
【化4】
【0016】〔式中、Xc は水素、ハロゲン、トリフル
オロメチルまたは低級アルキルを表す。Rc は水素、置
換基を有しまたは有しない低級アルキル(該置換基は、
炭素数3〜7のシクロアルキル、ヒドロキシ、低級アル
コキシ、カルボキシ、もしくは低級アルコキシカルボニ
ルである)、炭素数3〜7のシクロアルキルまたは低級
アルカノイルを表す。〕で表される化合物またはその薬
理的に許容される塩(特開昭62−63549号公
報)。
【0017】 一般式(4):
【0018】
【化5】
【0019】〔式中、R1dは水素、フッ素、塩素、臭
素、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メチル、メトキ
シ、アミノ、ホルムアミド、アセトアミド、メチルスル
ホニルアミド、ニトロ、ベンジルオキシ、メチルスルホ
ニルメチル、ウレイド、トリフルオロメチルまたはp−
メトキシベンジルアミノを表し、R2dは水素、フッ素、
塩素、臭素またはヒドロキシを表し、R3dは水素、塩
素、臭素またはヒドロキシを表し、R4dは水素またはメ
チルを表し、R5dは水素またはメチルを表し、R6dは水
素、フッ素、塩素、メチル、メトキシまたはヒドロキシ
を表し、Xd は酸素原子または単結合を表し、Yd は炭
素数1〜6のアルキレンまたは単結合を表し、Z d は炭
素数1〜10のアルキレン、アルケニレンまたはアルキ
ニレンを表す。〕で表される化合物またはその薬理的に
許容される塩、そのエステルまたはアミド(特開昭56
−5444号公報)。
【0020】 一般式(5):
【0021】
【化6】
【0022】〔式中、Ee は水素、炭素数1〜4のアル
キル、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ニトロ、
ハロゲンまたはトリフルオロメチルを示し、Le は水
素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキ
シ、フェニル、ニトロまたはハロゲンを示すか、あるい
はEe およびLe は互いに結合して次の基 −CH=C
H−CH=CH−または−CH2 −CH2 −CH2 −C
2 −を示し、Ge は水素、クロロ、ヒドロキシまたは
−OG1e基を示す(ここで、G1eは置換基としてヒドロ
キシ、炭素数1〜4のアルコキシ、炭素数1〜4のアル
コキシカルボニル、カルボキシ、または炭素数3〜7の
シクロアルキルを有していてもよい炭素数1〜4のアル
キル;炭素数3〜7のシクロアルキル;または炭素数2
〜4のアルカノイルを示す)。〕で表される化合物また
はその薬理的に許容される塩(特開平4−210663
号公報)。
【0023】 一般式(6):
【0024】
【化7】
【0025】〔式中、R1fおよびR4fは、同一または異
なって、水素、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4
のアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメ
チル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシカ
ルボニル、炭素数1〜4のチオアルキル、スルホニルお
よびスルフィニルからなる群より選択される基、Xf
【0026】
【化8】
【0027】(式中、R8fは水素、炭素数1〜4のアル
キルおよび炭素数1〜4のアシルからなる群より選択さ
れる基、Yf はカルボニルおよびチオカルボニルから選
択される基を示す。)で表される二価の基を示し、R2f
およびR3fは、同一または異なって、水素または炭素数
1〜4のアルキルを示し、R5fおよびR6fは水素、カル
ボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシメチル、−
CH2 OCH2 COOR 7fおよび−CH2 OCH2 CH
2 OR7f(ここで、R7fは水素または炭素数1〜4のア
ルキルを示す)からなる群より選択される基を示す。た
だし、R5fおよびR6fは共に水素ではない。〕で表され
る化合物またはその薬理的に許容される塩(米国特許第
5061727号)。
【0028】 一般式(7):
【0029】
【化9】
【0030】〔式中、R1gは水素またはハロゲン、R2g
はハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アリールオ
キシ、低級アルコキシ、ハロゲン化低級アルコキシ、ニ
トロ、シアノ、アミノまたはアシルアミノ、R3gは水素
またはハロゲン、R4gは水素または低級アルキル、R5g
は水素または低級アルキル、R6gは水素、ヒドロキシま
たは低級アルキル、R7gは水素または低級アルキル、R
8gは水素またはハロゲン、R9gはカルボキシまたはエス
テル化カルボキシ、Ag は低級アルキレンを表す。ただ
し、R1gが水素、R2gがハロゲン、R3gが水素である場
合、R4gが低級アルキル;R5gが低級アルキル;R6g
ヒドロキシまたは低級アルキル;またはR 8gがハロゲン
である。〕で表される化合物またはその薬理的に許容さ
れる塩(国際公開番号WO92/18461)。
【0031】β3 −アドレナリン作動薬の好ましい例と
しては、一般式(8):
【0032】
【化10】
【0033】〔式中、R1 はハロゲンを表し、R2 は低
級アルキルを、R3 は水素を表すか、またはR2 および
3 は結合して低級アルキレンを形成する、R4 はカル
ボキシもしくはエステル化カルボキシで置換された低級
アルコキシを、R5 は水素を表すか、またはR4 および
5 は結合してカルボキシもしくはエステル化カルボキ
シで置換された低級アルキレンジオキシを形成する。〕
で表される化合物またはその薬理的に許容される塩が挙
げられる。
【0034】β3 −アドレナリン作動薬のより好ましい
例としては、(R* ,R* )−(±)−〔4−〔2−
〔2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル
アミノ〕プロピル〕フェノキシ〕酢酸メチル、(R,
R)−5−〔2−〔2−(3−クロロフェニル)−2−
ヒドロキシエチルアミノ〕プロピル〕−1,3−ベンゾ
ジオキソール−2,2−ジカルボン酸、および(R,
R)−5−〔2−〔2−(3−クロロフェニル)−2−
ヒドロキシエチルアミノ〕プロピル〕−1,3−ベンゾ
ジオキソール−2,2−ジカルボン酸ジメチルエステル
またはそれらの薬理的に許容される塩が挙げられる。
【0035】本明細書における各置換基の定義の好適な
例を次に説明する。「低級」なる語は、特に断りのない
限り、炭素原子数1〜6を意味するものである。「ハロ
ゲン」は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素であり、好
ましくは塩素である。「低級アルキル」の好適な例とし
ては、直鎖または分枝鎖低級アルキル、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキ
シル等が挙げられる。「低級アルキレン」および「低級
アルキレンジオキシ」における低級アルキレン部分の好
適な例としては、直鎖または分枝鎖低級アルキレン、例
えばメチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、
テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、エ
チルエチレン等が挙げられる。「低級アルコキシ」の好
適な例としては、直鎖または分枝鎖低級アルコキシ、例
えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ等が
挙げられる。「エステル化されたカルボキシ」として
は、置換または非置換の低級アルコキシカルボニル(例
えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシ
カルボニル、2−ヨードエトキシカルボニル、2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニル等)、置換または非
置換のアリールオキシカルボニル(例えばフェノキシカ
ルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、2−ナフ
チルオキシカルボニル等)、置換または非置換のアリー
ル低級アルコキシカルボニル(例えばベンジルオキシカ
ルボニル、フェネチルオキシカルボニル、ベンジルヒド
リルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカル
ボニル等)等が挙げられる。より好ましくは低級アルコ
キシカルボニルである。
【0036】薬理的に許容される塩は慣用の無毒性塩で
あり、無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸
塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、蟻酸塩、酢酸
塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、
フマール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼ
ンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)、アルカリ
金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アル
カリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩等)、アミノ酸
との塩(アルギニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン
酸塩等)等が挙げられる。
【0037】β3 −アドレナリン作動薬として例示した
上記の公知化合物は上記文献に記載の方法またはその変
法により製造することができる。なお、β3 −アドレナ
リン作動薬に不斉炭素原子による立体異性体が存在する
場合、各々の立体異性体およびそれらの混合物も本発明
におけるβ3 −アドレナリン作動薬に包含される。
【0038】β3 −アドレナリン作動薬は消化性潰瘍等
の潰瘍に対して優れた抗潰瘍作用を示し、ヒトまたは動
物における胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍等の潰
瘍の予防および/または治療剤として有用である。特に
幽門部の潰瘍の予防および/または治療剤として有用で
ある。
【0039】β3 −アドレナリン作動薬は、カプセル
剤、マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉末、トロー
チ剤、丸剤、軟膏、坐剤、注射剤、懸濁剤、シロップ剤
等の慣用の医薬製剤の形で、経口、非経口(静脈内、皮
下および筋肉内注射を含む)または外用(局所)投与す
ることができる。
【0040】上記の医薬製剤は、例えばスクロース、デ
ンプン、マンニット、ソルビット、ラクトース、グルコ
ース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム等の賦形剤、例えばセルロース、メチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロ
リドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコ
ール、スクロース、デンプン等の結合剤、例えばデンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
デンプン、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、ク
エン酸カルシウム等の崩壊剤、例えばステアリン酸マグ
ネシウム、エアロシル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等の滑択剤、例えばクエン酸、メントール、グリシ
ン、オレンジ末等の矯味剤、例えば安息香酸ナトリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパ
ラベン等の保存剤、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウ
ム、酢酸等の安定化剤、例えばメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン、ステアリン酸アルミニウム等の懸濁
化剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース等の
分散剤、例えば水等の希釈剤、例えばカカオバター、白
色ワセリン、ポリエチレングリコール等の基材ワックス
のような製剤化に慣用の有機または無機の各種担体を用
いる常法によって製造することができる。医薬製剤中の
有効成分の量は、所望の治療(または予防)効果を生じ
るに足りる量であればよく、例えば経口または非経口投
与で0.01mg/kg〜100mg/kgである。
【0041】β3 −アドレナリン作動薬は通常、単位投
与量0.1mg/個体〜1000mg/個体を1日当たり1
〜4回投与することができる。しかしながら、上記の投
与量は患者の年齢、体重、症状または投与法によって適
宜増減してもよい。
【0042】
【実施例】以下、試験例および実施例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 試験例 インドメタシン誘発ラット幽門部潰瘍モデルにおける抗
潰瘍作用 (1)試験方法 スプラーグ・ドーリー(Sprague-Dawley)系雄ラット
(体重180〜210g)を24時間絶食し、その後1
時間再摂食(自由摂食)させた。再摂食終了後、直ちに
32mg/kgのインドメンタシン(0.5%メチルセ
ルロース溶液で懸濁調製)を背部皮下に投与した。イン
ドメタシンの投与と同時に下記の化合物1または化合物
2(0.5%メチルセルロース溶液で懸濁調製)を背部
皮下に投与した(投与量0.01、0.1、1mg/k
g)。コントロール群には0.5%メチルセルロース溶
液のみを投与した。投与後ラットを再び絶食下におき、
6時間後にラットをCO2 気流下で屠殺し、胃を摘出し
2%ホルマリン−生理食塩水溶液で固定した。潰瘍発生
部位を見やすくするために、屠殺15分前に1%のエバ
ンスブルー−生理食塩水溶液(0.8ml/ラット)を
ラットの尾静脈内に投与した。胃は大湾曲に沿って切開
し、幽門部に発生した潰瘍の面積を測定した。
【0043】(2)試験化合物 (R* ,R* )−(±)−〔4−〔2−〔2−(3−ク
ロロフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ〕プロピ
ル〕フェノキシ〕酢酸メチル臭化水素酸塩(化合物1)
(R,R)−5−〔2−〔2−(3−クロロフェニル)
−2−ヒドロキシエチルアミノ〕プロピル〕−1,3−
ベンゾジオキソール−2,2−ジカルボン酸ジメチルエ
ステルシュウ酸塩(化合物2)
【0044】(3)試験結果 本試験条件下では胃潰瘍はそのほとんどが幽門部に発生
する。表1に結果を示す。β3 −アドレナリン作動薬は
用量依存的に幽門部潰瘍の形成を抑制し、そのED50
はそれぞれ0.03mg/kg(化合物1)、0.04
mg/kg(化合物2)であった。
【0045】
【表1】
【0046】本発明の製剤例を以下に示す。 実施例1(カプセル剤) 化合物1(前記) 5mg 乳糖 80mg 上記成分を混合し、これを通常の硬ゼラチンカプセルに
充填してカプセル剤とする。 実施例2(カプセル剤) 化合物2(前記) 5mg 乳糖 65mg 上記成分を混合し、これを通常の硬ゼラチンカプセルに
充填してカプセル剤とする。
【0047】
【発明の効果】β3 −アドレナリン作動薬は、胃潰瘍、
十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍に対して優れた抗潰瘍作用
を示し、ヒトまたは動物における胃潰瘍、十二指腸潰瘍
等の消化性潰瘍等の潰瘍の予防および/または治療剤と
して有用である。特に非ステロイド系抗炎症剤の副作用
として発生する幽門部の潰瘍に対しても顕著に優れた抗
潰瘍作用を示し、幽門部潰瘍の予防および/または治療
剤として有用である。さらに、β3 −アドレナリン作動
薬を有効成分とする本発明の抗潰瘍剤は、β 1 およびβ
2 −アドレナリン受容体に対する作用に比較してβ3
アドレナリン受容体に対する作用が強いため、β1 およ
びβ2 −アドレナリン受容体に対する作用に基づく副作
用(例えば、心拍数の増加等)が少ないという利点を有
する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β3 −アドレナリン作動薬を有効成分と
    して含有する潰瘍の予防および/または治療剤。
  2. 【請求項2】 β3 −アドレナリン作動薬が一般式: 【化1】 〔式中、R1 はハロゲンを表し、R2 は低級アルキル
    を、R3 は水素を表すか、またはR2 およびR3 は結合
    して低級アルキレンを形成する、R4 はカルボキシもし
    くはエステル化カルボキシで置換された低級アルコキシ
    を、R5 は水素を表すか、またはR4 およびR5 は結合
    してカルボキシもしくはエステル化カルボキシで置換さ
    れた低級アルキレンジオキシを形成する。〕で表される
    化合物またはその薬理的に許容される塩である請求項1
    記載の潰瘍の予防および/または治療剤。
JP7832793A 1993-04-05 1993-04-05 β3−アドレナリン作動薬の新規医薬用途 Pending JPH06293664A (ja)

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