JPH06292932A - アルミニウム合金板から成形された３ピースホイール及びその製造方法 - Google Patents
アルミニウム合金板から成形された３ピースホイール及びその製造方法Info
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- JPH06292932A JPH06292932A JP10757993A JP10757993A JPH06292932A JP H06292932 A JPH06292932 A JP H06292932A JP 10757993 A JP10757993 A JP 10757993A JP 10757993 A JP10757993 A JP 10757993A JP H06292932 A JPH06292932 A JP H06292932A
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- JP
- Japan
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- rim
- aluminum alloy
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- wheel
- disc
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルミニウム合金板製リムのボルト穴部の疲
労強度を改善し、より軽量な３ピースホイールを提供す
る。 【構成】 アルミニウム合金から成形されたアウターリ
ムとインナーリム及びディスクで構成される３ピースホ
イールにおいて、リムとディスクの締結ボルト用穴部の
リム側穴(５)周辺の表面に圧縮の残留応力が付与されて
いることを特徴としている。ポンチによる面打ち又はロ
ーラーによる加圧によって圧縮の残留応力を付与するの
が好ましい。
労強度を改善し、より軽量な３ピースホイールを提供す
る。 【構成】 アルミニウム合金から成形されたアウターリ
ムとインナーリム及びディスクで構成される３ピースホ
イールにおいて、リムとディスクの締結ボルト用穴部の
リム側穴(５)周辺の表面に圧縮の残留応力が付与されて
いることを特徴としている。ポンチによる面打ち又はロ
ーラーによる加圧によって圧縮の残留応力を付与するの
が好ましい。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム合金板から
成形されたホイールに関し、特にボルトで締結される３
ピースホイールの疲労強度の改善技術に関するものであ
る。
成形されたホイールに関し、特にボルトで締結される３
ピースホイールの疲労強度の改善技術に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
ホイールは、従来スチール製であったが、軽量化を目的
に最近ではアルミ製が多くなっている。３ピースホイー
ルは、一般に図１に示すように、アルミニウム合金板か
らスピニング、切削加工、打ち抜きによってリムを成形
し、鋳造又は鍛造、プレスによって成形されたディスク
と組み合わせて構成される。
ホイールは、従来スチール製であったが、軽量化を目的
に最近ではアルミ製が多くなっている。３ピースホイー
ルは、一般に図１に示すように、アルミニウム合金板か
らスピニング、切削加工、打ち抜きによってリムを成形
し、鋳造又は鍛造、プレスによって成形されたディスク
と組み合わせて構成される。
【０００３】アウターリムとインナーリム及びディスク
は、図２に示すようにボルト又は溶接によって結合さ
れ、ホイールとなる。ホイールは、タイヤと組み合わさ
れた後、ＪＷＬの規定に基づく回転疲労試験が実施さ
れ、所定の規格を満足しなければならない。したがっ
て、疲労強度の高い構造や材料が必要とされる。
は、図２に示すようにボルト又は溶接によって結合さ
れ、ホイールとなる。ホイールは、タイヤと組み合わさ
れた後、ＪＷＬの規定に基づく回転疲労試験が実施さ
れ、所定の規格を満足しなければならない。したがっ
て、疲労強度の高い構造や材料が必要とされる。
【０００４】しかし、本発明者は、上記回転疲労試験で
の破壊部位を詳細に調査した結果、従来の３ピースホイ
ールで、アウターリムとインナーリムをボルト締結構成
する場合、疲労破壊はボルト穴部において多く発生する
ことが判明した。
の破壊部位を詳細に調査した結果、従来の３ピースホイ
ールで、アウターリムとインナーリムをボルト締結構成
する場合、疲労破壊はボルト穴部において多く発生する
ことが判明した。
【０００５】その対策として、鋳造又は鍛造製リムであ
ればボルト穴部の肉厚のみを厚くし、疲労強度を高める
ことができるが、アルミニウム板製では、その対策では
全部位が厚肉となり軽量化が十分でないという問題が生
じる。
ればボルト穴部の肉厚のみを厚くし、疲労強度を高める
ことができるが、アルミニウム板製では、その対策では
全部位が厚肉となり軽量化が十分でないという問題が生
じる。
【０００６】本発明は、かゝる状況のもとで、アルミニ
ウム合金板製リムのボルト穴部の疲労強度を改善し、よ
り軽量な３ピースホイールを提供することを目的とする
ものである。
ウム合金板製リムのボルト穴部の疲労強度を改善し、よ
り軽量な３ピースホイールを提供することを目的とする
ものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するための手段について鋭意研究を重ねた結果、３
ピースホイールの疲労強度の改善には応力の集中するボ
ルト穴部の強度改善が最も有効であることを究明し、本
発明はこの知見に基づきなされたものである。
解決するための手段について鋭意研究を重ねた結果、３
ピースホイールの疲労強度の改善には応力の集中するボ
ルト穴部の強度改善が最も有効であることを究明し、本
発明はこの知見に基づきなされたものである。
【０００８】すなわち、本発明は、アルミニウム合金か
ら成形されたアウターリムとインナーリム及びディスク
で構成される３ピースホイールにおいて、リムとディス
クの締結ボルト用穴部のリム側穴周辺の表面に圧縮の残
留応力が付与されていることを特徴とするアルミニウム
合金製ホイールを要旨としている。
ら成形されたアウターリムとインナーリム及びディスク
で構成される３ピースホイールにおいて、リムとディス
クの締結ボルト用穴部のリム側穴周辺の表面に圧縮の残
留応力が付与されていることを特徴とするアルミニウム
合金製ホイールを要旨としている。
【０００９】また、他の本発明は、アルミニウム合金か
ら成形されたアウターリムとインナーリム及びディスク
で構成される３ピースホイールにおいて、リムとディス
クの締結ボルト用穴部のリム側穴周辺の表面に、ポンチ
による面打ち又はローラーによる加圧によって圧縮の残
留応力を付与することを特徴としている。
ら成形されたアウターリムとインナーリム及びディスク
で構成される３ピースホイールにおいて、リムとディス
クの締結ボルト用穴部のリム側穴周辺の表面に、ポンチ
による面打ち又はローラーによる加圧によって圧縮の残
留応力を付与することを特徴としている。
【００１０】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【００１１】
【００１２】圧縮の残留応力の付与がリムとディスクの
締結ボルト用穴部のリム側周辺の表面に行われることが
重要であり、これによって板厚を増加させることなく、
ホイールとしての疲労強度を高めることができる。
締結ボルト用穴部のリム側周辺の表面に行われることが
重要であり、これによって板厚を増加させることなく、
ホイールとしての疲労強度を高めることができる。
【００１３】圧縮の残留応力の付与方法としては、ショ
ットブラスト(ピーニング)による方法も考えられるが、
ポンチによる面打ち又はローラーによる加圧による方法
が簡便でコストが安く、優れている。
ットブラスト(ピーニング)による方法も考えられるが、
ポンチによる面打ち又はローラーによる加圧による方法
が簡便でコストが安く、優れている。
【００１４】ポンチによる面打ち又はローラーによる加
圧によって、締結ボルト用穴部のリム側穴周辺の表面の
みに、数％の歪を与えることにより、１０kgf／mm2程度
の圧縮の残留応力を付与することができる。
圧によって、締結ボルト用穴部のリム側穴周辺の表面の
みに、数％の歪を与えることにより、１０kgf／mm2程度
の圧縮の残留応力を付与することができる。
【００１５】圧縮の残留応力を大きくするためには、面
打ちやローラーによる加圧を行うときのアルミ材調質
は、Ｏ材やＴ４よりもＴ６の方が好ましい。
打ちやローラーによる加圧を行うときのアルミ材調質
は、Ｏ材やＴ４よりもＴ６の方が好ましい。
【００１６】なお、３ピースホイールの他の構成並びに
他の製造条件は特に制限されるものではない。
他の製造条件は特に制限されるものではない。
【００１７】次に本発明の実施例を示す。
【００１８】
【実施例１】
【００１９】ＪＩＳ６０６１-Ｏ材（５mmｔ×６００mm
φ）２枚からスピニング加工と切削によってアウターリ
ムとインナーリムに相当する部材を製作し、焼入れと時
効処理(Ｔ６処理)を行った後、両部材の所定の位置に６
mmφの締結ボルト用のドリル穴４０個をあけた。次に、
図３に示すように加圧治具６と受け金型７を用いて打撃
する方法により、すべてのドリル穴５周辺の上下両表面
を面打ちした。このようにして製作したアウターリムと
インナーリムを、別途製作したディスクとボルト締結
し、更にタイヤと組み付けて１６インチサイズの３ピー
スホイールを構成した。なお、比較例して、上記と全く
同様の方法で、但し、面打ちをせずに３ピースホイール
を製作した。
φ）２枚からスピニング加工と切削によってアウターリ
ムとインナーリムに相当する部材を製作し、焼入れと時
効処理(Ｔ６処理)を行った後、両部材の所定の位置に６
mmφの締結ボルト用のドリル穴４０個をあけた。次に、
図３に示すように加圧治具６と受け金型７を用いて打撃
する方法により、すべてのドリル穴５周辺の上下両表面
を面打ちした。このようにして製作したアウターリムと
インナーリムを、別途製作したディスクとボルト締結
し、更にタイヤと組み付けて１６インチサイズの３ピー
スホイールを構成した。なお、比較例して、上記と全く
同様の方法で、但し、面打ちをせずに３ピースホイール
を製作した。
【００２０】両ホイールをＪＷＬ規定に基づく回転疲労
試験を実施した結果、締結ボルト用穴周辺を面打ちし圧
縮の残留応力を付与した本発明例のホイールは、１００
万回の回転数においても疲労割れが生じなかったのに対
し、面打ちをしない従来タイプのホイールでは、４０万
回の回転数において疲労割れが生じた。
試験を実施した結果、締結ボルト用穴周辺を面打ちし圧
縮の残留応力を付与した本発明例のホイールは、１００
万回の回転数においても疲労割れが生じなかったのに対
し、面打ちをしない従来タイプのホイールでは、４０万
回の回転数において疲労割れが生じた。
【００２１】
【実施例２】
【００２２】ＪＩＳ６０６１-Ｏ材（５mmｔ×６００mm
φ）２枚からスピニング加工と切削によってアウターリ
ムとインナーリムに相当する部材を製作し、焼入れと時
効処理(Ｔ６処理)を行った後、両部材の所定の位置に６
mmφの締結ボルト用のドリル穴４０個をあけた。次に、
図４に示すように上下加圧ローラー８を用いて加圧しつ
つ回転させる方法により、すべてのドリル穴５周辺の上
下両表面をローラーで加圧した。このようにして製作し
たアウターリムとインナーリムを、別途製作したディス
クとボルト締結し、更にタイヤと組み付けて１６インチ
サイズの３ピースホイールを構成した。なお、比較例と
して、上記と全く同様の方法で、但し、ローラーで加圧
せずに３ピースホイールを製作した。
φ）２枚からスピニング加工と切削によってアウターリ
ムとインナーリムに相当する部材を製作し、焼入れと時
効処理(Ｔ６処理)を行った後、両部材の所定の位置に６
mmφの締結ボルト用のドリル穴４０個をあけた。次に、
図４に示すように上下加圧ローラー８を用いて加圧しつ
つ回転させる方法により、すべてのドリル穴５周辺の上
下両表面をローラーで加圧した。このようにして製作し
たアウターリムとインナーリムを、別途製作したディス
クとボルト締結し、更にタイヤと組み付けて１６インチ
サイズの３ピースホイールを構成した。なお、比較例と
して、上記と全く同様の方法で、但し、ローラーで加圧
せずに３ピースホイールを製作した。
【００２３】両ホイールをＪＷＬ規定に基づく回転疲労
試験を実施した結果、締結ボルト用穴周辺をローラーで
加圧し圧縮の残留応力を付与した本発明例のホイール
は、１００万回の回転数においても疲労割れが生じなか
ったのに対し、ローラーで加圧をしない従来タイプのホ
イールでは、４０万回の回転数において疲労割れが生じ
た。
試験を実施した結果、締結ボルト用穴周辺をローラーで
加圧し圧縮の残留応力を付与した本発明例のホイール
は、１００万回の回転数においても疲労割れが生じなか
ったのに対し、ローラーで加圧をしない従来タイプのホ
イールでは、４０万回の回転数において疲労割れが生じ
た。
【００２４】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アルミニウム合金板製リムのボルト穴部の疲労強度が顕
著に改善されるので、より軽量な３ピースホイールを提
供することができる。
アルミニウム合金板製リムのボルト穴部の疲労強度が顕
著に改善されるので、より軽量な３ピースホイールを提
供することができる。
【図１】３ピースホイールの成形、組立を説明する図で
ある。
ある。
【図２】３ピースホイールの各部各所を説明する断面図
である。
である。
【図３】本発明による面内の要領を説明する図である。
【図４】本発明によるローラー加圧の要領を説明する図
である。
である。
１ ３ピースホイール ２ リム ２1 アウターリム ２2 インナーリム ３ ディスク ４ ボルト部 ５ 締結ボルト用ドリル穴 ６ 加圧治具 ７ 受け金型 ８ 加圧ローラー
Claims (2)
- 【請求項１】 アルミニウム合金から成形されたアウタ
ーリムとインナーリム及びディスクで構成される３ピー
スホイールにおいて、リムとディスクの締結ボルト用穴
部のリム側穴周辺の表面に圧縮の残留応力が付与されて
いることを特徴とするアルミニウム合金製ホイール。 - 【請求項２】 アルミニウム合金から成形されたアウタ
ーリムとインナーリム及びディスクで構成される３ピー
スホイールにおいて、リムとディスクの締結ボルト用穴
部のリム側穴周辺の表面に、ポンチによる面打ち又はロ
ーラーによる加圧によって圧縮の残留応力を付与するこ
とを特徴とするアルミニウム合金製ホイールの製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10757993A JPH06292932A (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | アルミニウム合金板から成形された３ピースホイール及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10757993A JPH06292932A (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | アルミニウム合金板から成形された３ピースホイール及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06292932A true JPH06292932A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=14462750
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10757993A Pending JPH06292932A (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | アルミニウム合金板から成形された３ピースホイール及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06292932A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4843240A (en) * | 1987-04-17 | 1989-06-27 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Radiation image recording and read-out apparatus |
| US7228629B2 (en) * | 2003-11-10 | 2007-06-12 | Beyer Michael J | Method of spin forming an automotive wheel rim |
| TWI655111B (zh) * | 2014-01-23 | 2019-04-01 | 英商泰坦鋼製車輪有限公司 | 極大型車輛用車輪次總成及其製造方法 |
| CN110804751A (zh) * | 2019-10-14 | 2020-02-18 | 平高集团有限公司 | 在铸造金属件表面制备金属覆层的前处理方法、铸造金属件金属覆层零部件及其制备方法 |
-
1993
- 1993-04-09 JP JP10757993A patent/JPH06292932A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4843240A (en) * | 1987-04-17 | 1989-06-27 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Radiation image recording and read-out apparatus |
| US7228629B2 (en) * | 2003-11-10 | 2007-06-12 | Beyer Michael J | Method of spin forming an automotive wheel rim |
| TWI655111B (zh) * | 2014-01-23 | 2019-04-01 | 英商泰坦鋼製車輪有限公司 | 極大型車輛用車輪次總成及其製造方法 |
| CN110804751A (zh) * | 2019-10-14 | 2020-02-18 | 平高集团有限公司 | 在铸造金属件表面制备金属覆层的前处理方法、铸造金属件金属覆层零部件及其制备方法 |
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