JPH062903B2 - 靭性のすぐれた厚鋼板の製造法 - Google Patents

靭性のすぐれた厚鋼板の製造法

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JPH062903B2
JPH062903B2 JP20012884A JP20012884A JPH062903B2 JP H062903 B2 JPH062903 B2 JP H062903B2 JP 20012884 A JP20012884 A JP 20012884A JP 20012884 A JP20012884 A JP 20012884A JP H062903 B2 JPH062903 B2 JP H062903B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は靱性にすぐれた、かつ板厚方向の材質差の少い
厚鋼板の製造法に関するものである。
(従来の技術) 従来の厚鋼板の制御圧延、制御冷却製造法は、鋼片又は
鋼塊を加熱した後、主としてオーステナイト未再結晶域
に到来する迄温度を下げて、そこで有効な圧下を行い、
その後強制冷却を行う方法がとられていたため、その際
の温度低下は、自由放冷によるため温度低下の待ち時間
が長く、この放冷中にオーステナイト結晶粒が成長粗大
化することによる混粒の発生、靱性の劣化等が起り、必
ずしも均一な材質を得ることが出来なかった。
また、圧延を中断して強制冷却を行う方法としては、特
公昭49−7293号公報記載の方法があるが、これは
粗圧延材を変態終了温度近傍まで強制冷却した後、再加
熱して粗圧延材の温度を均一にした後仕上圧延をする方
法で、冷却と再加熱による変態によって、オーステナイ
ト結晶粒の微細化を意図したものである。
この方法によれば、細粒化による靱性向上は、ある程度
は期待出来るが、著しい強度上昇は期待出来ず、又、板
厚の大きい鋼板の製造は困難である。また圧延の途中
で、板全体をAr3点以下の温度に迄冷却した後、再びAc3
点以上の温度に迄加熱するため、エネルギー経済的にも
問題が大きく、圧延時間が長いという面でも実生産に適
していない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記のような従来法の欠点を排除し得る靱性
と溶接性に優れ、特に板厚方向の材質の差の少い厚鋼板
を省合金、省工程で製造する方法を提供する。
(問題点を解決するための手段、作用) 本発明は、仕上圧延後の板厚方向のオーステナイト粒変
差による変態温度の差を利用して、強制冷却後の板厚方
向の硬さ分布を均一又はそれに近づけること及び再加熱
前のオーステナイト粒度を或る程度細粒化し、更に鋼片
厚み方向のオーステナイト粒度に差をつけて、再加熱時
圧延作業に必要な最低限度の加熱のみを行い、オーステ
ナイト未再結晶域の圧下を、最低必要限度にとどめて、
圧延能率をあげることを目的とするものである。
即ち本発明の要旨とするところは、鋼片又は鋼塊をAc3
点以上に加熱し、粗熱間圧延した後、或いは連続鋳造鋼
片を特に加熱を行わず熱間で粗圧延した後、或いは連続
鋳造鋼片を冷却途中で、該鋼片の平均温度が815℃以上1
020℃以下になる迄、水冷による強制冷却を行うと共
に、該鋼片の少くとも表面下20mm迄を、Ar3点以下にな
る迄冷却し、次いで該鋼片を加熱炉に入れて、オーステ
ナイト粒度が粗大化しないAr3〜1100℃の温度範囲で加
熱後、鋼片を抽出し、更に、オーステナイト未再結晶域
の温度範囲の圧延を、最小限にとどめる能率熱間圧延を
行い、以後、冷却後のフェライト粒度を細かくするか、
板厚方向に出来るだけ少い硬さ分布をもつように、硬化
組織を保持せしめるようにした後、500度までの冷却速
度が、2℃/S〜40℃/Sになる水冷却を施こす工程
を含む厚鋼板の製造方法にある。
この場合、仕上圧延後の水冷却は製造すべき鋼種によ
り、鋼板の表面温度が、300℃以下迄水冷却を止めない
場合、300℃〜Ar1点の間の温度で停止する場合、更に改
めてAc1点以下の温度に迄再加熱する場合を含み、特に
制限は加えない。
以下本発明を詳細に説明する。
最初の鋼片又は鋼塊の粗圧延は、再加熱後、仕上圧延迄
の圧下スケジュールを考慮し、適当な圧下率をとるが、
通常0〜80%である。従って仕上圧延後の製品厚みが
大きい場合は、粗圧延を行わない場合もあり得る。
次いで水冷を行うが、鋼片は平均温度で815℃以上1020
℃以下迄冷却する。この冷却の方法は、少くとも片面0.
3m3/min・m2以下の冷水によるノズルの噴流又はラミナ
ーフローによる冷却が望ましい。上記強制水冷の終了温
度は、平均で815℃以上1020℃以下とする。この温度を
超えると、鋼片厚み方向の温度勾配のため、厚み中心は
未だ温度が高く、続く鋼片の再加熱温度を超えて、オー
ステナイト結晶粒が部分的再結晶を起し、靱性劣化の原
因となる。
強制水冷終了温度は、鋼片の表面下少くとも20mm迄
を、Ar3温度以下望ましくはAr1温度以下にする。こうす
ることにより表面部のみを変態点を通過させ、細粒化さ
せることが出来る。表面の細粒化は表面の焼き入れ性を
低下させるため、圧延後の強制冷却によって、表面部の
硬さが異常に高くなるのを防ぎ、表面部の靱性を向上さ
せる。また、細粒化により脆性破壊の破面単位が細かく
なり靱性が向上する効果もある。
鋼片は引続き加熱炉に入れられて加熱が行われるが、こ
の場合の加熱温度は、その後続いて行われる圧延で、目
的とする製品の最終仕上厚みに迄圧延する必要最低温度
が望ましく、又、加熱後オーステナイト粒の粗大化を防
止出来る範囲のAr3〜1100℃の間の温度に限定する。
この場合、鋼片の厚み方向の温度分布は、装入時の鋼片
についていた厚み方向の温度分布を、全て消滅して均一
化してしまう必要はなく、厚みの大きな鋼板に圧延する
場合は、むしろ厚み方向の温度分布を或る程度有する方
が、つまり鋼片表面温度が、厚み中心温度より低い方
が、プロセス完了後の板厚方向の材質差を小さくするす
るには、又鋼片中心のザク等の欠陥圧着には望ましい。
圧延は、加熱温度を最小必要限度低くとっているため
に、細粒化のための圧延を特に必要せず、高能率圧延が
可能である。従って圧延条件は特に規定されない。
仕上圧延後、水冷による強制冷却を行うが、水冷開始温
度は、Ar3−50℃以上Ar3+100℃以下とする。これ
は、製造しようとする鋼板の化学成分と特性により異な
り、水冷後下部ベイナイトや、マルテンサイトなどの硬
化組織を得ようとする場合は、Ar3点以上が必要であ
る。水冷後フェライトとパーライト或いは上部ベイナイ
トの混合組織を得ようとする場合は、Ar3点−20℃迄
の温度であれば、事実上支障はない。
又水冷時の冷却速度についても、目的とする鋼種により
異なるが、比較的薄い鋼板から、厚い鋼板迄含め、板厚
中心の冷却速度がAr3+100〜Ar3−50℃の温度範囲
から、少くとも500℃迄の平均冷却速度で、2℃/se
c〜40℃/secになるように冷却することが必要であ
る。
下限冷却速度設定は、加工オーステナイトからの冷却
で、細粒のフェライトとパーライト、或いは上部ベイナ
イトの混合組織を得る目的又は一定値の硬化組織を得る
目的で、板厚の大きい場合を考えれば必要であり、上限
設定は、これ以上の冷却速度で冷却することは、反って
得られる硬化組織が、逆に靱性を劣化せしめるからであ
る。
水冷は、常温附近迄行う場合と、300℃〜Ar1点の比
較的高い温度で停止する場合があるが、前者は、水冷後
主として硬化組織を得る目的の場合、後者は主としてフ
ェライト+パーライト或いは上部ベイナイトの混合細粒
組織を得る場合で、製造しようとする鋼種によって異な
る。又、水冷後焼戻し熱処理を行ってもよいことは勿論
である。
又、本発明は、オーステナイト状態での板厚方向の粒度
調整による板厚方向材質の均一化効果と、粗粒化防止に
よる靱性向上、仕上圧延と強制冷却により強度向上効
果、靱性向上効果、炭素当量低減による溶接性向上効果
を目的とするため、本発明法が適用される対象鋼の成分
範囲については、制限を設けない。
上述の如く、本発明の成分は特に限定しないが、溶接性
の観点からC0.25%(wt%以下略)、Si0.5%、Mn
3.0%が好ましく、細粒と脱酸のため0.005Al0.2
%添加の鋼に適用される。
さらに必要によってCu、Ni,Cr,Moを各1%以下、Nb,
V,Tiを各0.1%以下の範囲で、一種又は二種以上を加
えても本発明の主旨に影響するものではない。
(実施例) 次に本発明を実施例にもとづいて説明する。
まず第1表に示す代表的な成分の供試鋼について、第2
表に示す本発明および従来法を適用した場合の機械的性
質を第3表に示す。又、第4表に示す数個の合金元素を
含む供試鋼について、第5表に示す本発明及び従来法を
適用した場合の機械的性質を第6表に示す。なお、第1
表、第4表には各鋼のAr点の温度をあわせて示す。
本発明は鋼の化学成分にかかわらず厚鋼板の材質を向上
させる製造法に関するものであるため、同一の化学成分
の鋼について本発明法と従来法を適用した場合の材質を
比較することにより本発明の効果を確認することができ
る。一般に同一の化学成分の鋼の強度を高めると靱性が
劣化することは良く知られているため、材質向上効果の
確認のためには強度と靱性のバランスで見る必要があ
る。特に本発明は靱性の向上と板厚方向の材質差を少な
くすることを目的としているため、靱性については板表
面部と板中心部の両者について比較する必要がある。
第1図は鋼A−1,A−2,A−3,A−4,B−1,
B−2,B−3,C−1,C−2,D−1,D−2の引
張強度(TS)と靱性(vTs)バランスを示したもので
ある。
まず鋼Aについて比較する。本発明鋼A−1,A−2は
比較鋼A−3に比べてTSが高くかつ板表面と中心部の
靱性差がきわめて小さく板厚方向に均一な材質であるこ
とが分かる。また比較鋼A−4は本発明鋼と比べて強度
は遜色ないが靱性レベルは板表面と中心部ともに低い。
鋼Bについて比較すると、本発明鋼B−2は比較鋼B−
3に比べ強度は同程度であるが靱性は遥かに良好であ
る。また、本発明鋼B−1は比較鋼B−3に比べて引張
強度が4Kgf/mm2以上も高いにもかかわらず靱性も同等
以上の値を示している。
鋼Cについて比較すると、本発明鋼C−1は比較鋼C−
2に比べて強度も高く、また、靱性も遥かに良好であ
る。
鋼Dについて比較すると、本発明鋼D−1は強度も高く
靱性も良い。なおかつ板表面と中心部の靱性差も非常に
小さい。これに比して比較鋼D−2は強度も低く靱性に
も劣る。なおかつ板表面と中心部の靱性差も非常に大き
くなっている。
第2図は鋼E−1,E−2,F−1,F−2,G−1,
G−2の引張強度(TS)と靱性(vTs)バランスを
示したものである。
これらの鋼はいずれも常温までの強制冷却後焼き戻しを
した鋼で硬化組織となっている。本発明鋼はE,F,G
いずれも比較鋼に比して大幅に靱性が改善されている。
焼き入れ性が高くTSの高い鋼F,Gの比較鋼F−2,
G−2では表層部が硬化し過ぎて靱性が劣化しているの
に対し、本発明鋼F−1,G−1では表層部が焼き入れ
前に細粒であったために焼き入れ性が低化し、表層部の
靱性が特に改善されている。TSは表層部硬化の差がで
て、比較鋼の方がやや高いが本発明鋼でも十分なTSが
得られており、強度−靱性バランスで見れば本発明鋼の
材質の優位性は明らかである。
(発明の効果) 本発明によれば、得られた鋼板が、板厚方向の材質均一
化効果、強度及び靱性の向上効果及び溶接性の向上効果
等を有するもので、従来焼入れ焼戻しあるいは制御冷却
で、多量の合金元祖を用いて製造していた鋼板を、省合
金、又は省工程で同等又はそれ以上の材質を供給するこ
とが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明鋼と比較鋼の引張強度(TS)と靱性
(vTs)バランスの図表を示す。第2図は本発明鋼と
比較鋼の引張強度(TS)と靱性(vTs)バランスの
図表を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼片又は鋼塊を熱間圧延した後、又は連続
    鋳造ままの鋼片を、平均温度が815℃以上1020℃以下
    で、かつ表面より20mm以下の表面側が、Ar温度以下
    になるように強制冷却し、ついで該鋼片の表面温度が、
    再びAr〜1100℃の温度範囲になるまで加熱し、仕上
    げ圧延を行い、引続いてAr+100℃〜Ar−50℃
    の温度より、2℃/S〜40℃/Sの冷却速度で強制冷却
    を行うことを特徴とする靱性のすぐれた厚鋼板の製造
    法。
JP20012884A 1984-09-25 1984-09-25 靭性のすぐれた厚鋼板の製造法 Expired - Lifetime JPH062903B2 (ja)

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EP2340897A1 (de) * 2009-12-23 2011-07-06 Voestalpine Grobblech GmbH Thermomechanisches Behandlungsverfahren für Grobbleche

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