JPH0628954B2 - 基体を有しない装飾エンブレムの製造方法 - Google Patents

基体を有しない装飾エンブレムの製造方法

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JPH0628954B2
JPH0628954B2 JP61135856A JP13585686A JPH0628954B2 JP H0628954 B2 JPH0628954 B2 JP H0628954B2 JP 61135856 A JP61135856 A JP 61135856A JP 13585686 A JP13585686 A JP 13585686A JP H0628954 B2 JPH0628954 B2 JP H0628954B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、装飾エンブレムとその製法に関し、特には
接着剤層上に印刷された表示を備え、または接着剤層上
に載置された装飾埋込体を備えたキヤップ状被覆を有す
るエンブレムとその製法に関する。
(従来の技術) 自動車および取付業界を含む多くの産業において、装飾
飾り板(plaque)およびエンブレムが広く用いられてい
る。これらの装飾エンブレムの多くは、液状可塑性樹脂
が注型されるべく金属またはプラスチックの基板上に形
成される。可塑性樹脂は架橋されて、凸レンズ状または
凸状のメニスカス形状のキャップを形成し該基板上に印
刷された装飾表示にレンズ効果を付与する。これらのエ
ンブレムは、通常、基体背面に塗布された感圧接着剤に
よって所定の表面、例えば自動車や取付物の表面に接着
される。
例えば、ワウ(waugh)の米特許第4,100,010号は、金
属、紙またはプラスチックの平滑な装飾箔を利用したプ
ラスチックのキャップ状被覆を有する装飾エンブレムの
製造方法を開示している。
この装飾箔基体上に、液状可塑性樹脂を注型し、該基体
の端壁部まで流延して当該基体上に凸状のメニスカスま
たはレンズキャップを形成する。
同様に、リード(Reed)の米国特許第4,259,388号は、
柔軟なプラスチック基体上に形成されたプラスチックの
キャップ状被覆を有する大メダルについて記述する。リ
ード(Reed)とギレオ(Gilleo)他の米国特許第4,409,
264号は、注型時における液状可塑性樹脂の流延を制限
するために、非濡れ性(non-wetting)材料またはいわ
ゆる低表面力せき止め体(low surface energy dams)
を使用することを記述している。
しかしながら、薄い金属またはプラスチックの基体が表
示を印刷しキャップ状被覆を支持するための表面を提供
することの必要性は、この種の装飾エンブレムの製造に
おいて多くの問題を提起する。
このような基体のコストはエンブレムのコストのかなり
の割合を占める。特に、この種基体は接着裏面を有しか
つ剥離ライナーもしくはその他の支持シートが備えられ
る。個々のエンブレムはキスカッティング(Kiss cutti
ng)と呼ばれるダイカッティング(die cutting)工程
によって形成されるが、そこではダイによって裏打ち支
持シートを切断することなく基体が切断される。そのと
き基材のかなりの部分が支持シートから取り除かれ(we
eding)、スクラップとして廃棄される。この取り除き
作業は大量のスクラップを生産するとともに、製造工程
に対して相当な労力および時間の消費を招くこととな
る。
このようなダイカッティング工程は、基体のエンボス工
程と同じように、基体の変形を招いたり基体切断端縁に
ぎざぎざ状のバリを生ずる原因ともなる。前記のような
変形およびぎざぎざ状端縁は基体上に液状可塑性樹脂を
注型する際に問題を提起し、該基体端縁から樹脂がオー
バーフローする原因となるであろう。
また、キスカッティングもしばしば裏打支持シートの部
分的切断を隅発的に招くこともある。もし、その支持シ
ートがワウの特許第4,100,010号におけるように真空に
よって保持されている場合には、そのときには、樹脂の
注型時に切断された支持シートを通じて真空が樹脂を引
きつけ、オーバーフローを惹起する。
さらに、可塑性樹脂および基材の伸長および収縮の差に
よって可塑性樹脂の注型時に基体の変形およびうねりが
生ずる。例えば、可塑性樹脂が架橋すると基体のうねり
を惹起するなにがしかの収縮が生ずる。
さらに、注型し、部分架橋し、物品を挿入し、再度注型
して仕上げ架橋するることによって物品を樹脂内に封入
する思想もまた一般に知られているところである。例え
ば、ブロデイ(Brody)の米国特許第3,660,211号では、
この封入される物品は2つのポリエステル樹脂間に埋設
された多色の玉虫色ボディを有する金属箔である。スミ
ス(Smith)の米国特許第3,312,197号においては、当該
物品は透明および不透明着色樹脂間に埋設されたコイン
の複製である。マイオリ(Miori)の米国特許第4,067,9
47号では、該物品は2つの異なった合成樹脂間に埋設さ
れている。また、ブリー(Bree)の米国特許第4,481,16
0号は、箔状物に合成樹脂を注型することによって予め
成形された溝内に装飾箔状物を封入する方法を開示して
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の封入方法にあっては、比較的厚く
て可撓性のない物品となり、比較的コスト高となる若干
の製造工程を含んでいた。伝統的なプラスチックのキャ
ップ状被覆を有する装飾エンブレムは、可塑性樹脂が注
型される金属、紙もしくはプラスチックの保持性のある
基体を必要としている。そのような基体のコストはエン
ブレムのコストの相当な割合を示す。加えて、スクラッ
プとして廃棄される基材の大部分を浪費する結果を招く
ダイカッティング方法を含む、多段の工程のよってエン
ブレムが作られる。
従って、該先行技術の問題点を回避し、比較的製造が安
価である装飾エンブレムおよびその製法の必要性がここ
にある。
(課題を解決するための手段) すなわち、この発明は、基体を有しない装飾エンブレム
の製造方法に係り、剥離ライナー上に感圧性接着剤の層
を形成する工程と、前記接着剤層上面の少なくとも部分
的に非粘着性表面を形成する工程と、前記非粘着性表面
上に装飾表示を形成する工程と、前記装飾表示を含む非
粘着性表面にプラスチック層を被覆する工程とからなる
ことを特徴とする。
この発明は、接着剤層の上面に装飾表示が印刷されてな
り、または接着剤層の上に装飾埋込体が載置されてなる
プラスチックのキャップ状被覆を有する装飾エンブレム
およびその製法を提供しようとするものである。
この発明の一態様によれば、基体無し装飾エンブレムは
支持シート上に感圧性接着剤の層を形成することによっ
て製造される。この感圧性接着剤の表面は、該接着剤の
上面が実質上非粘着(tack free)となって、シルクス
クリーンや他の印刷が直接その処理面に施すことができ
るように処理される。
さらに、ある実施例では、感圧性接着剤の表面が非粘着
表面に処理される前または後に、盛り上がった環状の境
界が該感圧性接着剤の一表面に形成されて少なくとも一
つの囲い込まれた装飾区域が形成される。
他の実施例では、盛り上がった環状の境界を設けること
なく、装飾表面として処理された上面に一連のエンブレ
ムデザインが形成される。
さらに他の実施例では、予め成形された埋込体が接着剤
の上面に載置されて、装飾面の形成と非粘着性への処理
の両方がなされる。
計量された架橋性の液状可塑性樹脂が該装飾面に注型さ
れる。盛り上がった端縁環状境界が使用されたときに
は、該樹脂は、該盛り上がった環状境界をオーバーフロ
ーすることなく、該装飾区域面を覆って凸状のメニスカ
スを形成する。その後該樹脂が架橋、硬化されてプラス
チックのレンズ状キャップを有する基体無し装飾エンブ
レムが提供される。
これに対して、盛り上がった環状境界を使用しない場合
には、流延、スプレーまたはラミネートによって比較的
平坦なキャップが形成される。この場合においては、集
合体から個々のエンブレムを分離するためにダイカッテ
ィング方法が用いられる。
好ましくは、この物品集合体は剥離ライナーを含む。こ
のようにこの発明の装飾物品の好ましい形成方法は、剥
離ライナー紙に支持された感圧性接着剤の層を形成する
ことを含むものである。
接着剤はスプレーまたはロールコーティングのような公
知の方法で剥離ライナーに付着される。適宜のシルクス
クリーン技術または一つながりとなった装飾埋込体の付
与によって数多くの物品デザインが該接着剤の上に形成
されることができる。
物品が形成され、プラスチック被覆が付与された後に、
複数の物品を載置したこのシートはユーザーへ配送さ
れ、そこで個々の物品が該剥離ライナーからたやすく剥
ぎ取られ、車体や取付物表面のような所定の取付面に添
着されることとなる。カバーシートの切断縁によって形
成されている盛り上がった境界は、エンブレムが集合体
から分離されるとき一種のナイフエッジのごとく作用
し、下層の接着剤がその部分において鋭く破断し、それ
によってエンブレムを明瞭な縁部を持ったものとする。
ダイカッティング操作が個々の剥離ライナー付エンブレ
ムを全体の集合体から分離するのに用いられることもあ
る。
このように、この発明は従来のエンブレムに必要とされ
ていた金属、紙あるいはプラスチック等の中間基体層を
必要とせず、かつそのようなエンブレムの成形および架
橋に伴なって付随的に生ずる問題を生ずることのないエ
ンブレムを提供するものである。
それゆえ本発明の目的は、基体を有しないエンブレムお
よびその製造方法を提供することにある。この目的およ
び他の目的さらに本発明の利点は以下の詳細な説明、添
付図面および付属の特許請求の範囲から明らかとなるで
あろう。
(実施例) 第1図はこの発明の一実施例を示す、集合体からダイカ
ットされたエンブレムの断面図、第2図は感圧性接着剤
の装飾層の一部をカバーシートとともに示した分解斜視
図、第3図は可塑性樹脂を注型する前のエンブレムの断
面図、第4図は可塑性樹脂が注型されたエンブレム集合
体の断面図、第5図は第4図の集合体から剥ぎ取られた
状態を示すこの発明のエンブレムの断面図、第6図はこ
の発明の他の実施例の一部を示す分解斜視図、第7図は
第6図の集合体からダイカットされた状態を示す物品の
断面図、第8図はこの発明の他の実施例によって製造さ
れたプラスチック被覆を有する装飾物品の断面図、第9
図はこの発明の他の実施例によって得られた装飾非粘着
層を備えたプラスチック被覆を有する装飾物品の断面図
である。
第1図および第5図は本発明の方法に従って製造され
た、基体を有しない装飾エンブレムの断面を示すもので
ある。
第1図は、エンブレムがその集合体よりダイカットさ
れ、該エンブレムが使用に供されるまでその各個別のエ
ンブレムの背面に剥離ライナーが付着されたままにある
状態を図示したものである。第4図は、エンブレムが分
離されて第5図の使用に供される以前における、複数の
エンブレムが剥離ライナー上に載置されている状態を図
示したものである。
エンブレム10は上面と下面を有する感圧性接着剤12
の層を有している。感圧性接着剤12は商業的に入手可
能な数ある接着剤のいずれであってもよく、その例とし
てはアクリル系感圧性接着剤がある。
接着剤12の下面は剥離ライナー14と接着している。
ライナー14は、エンブレムを自動車の車体、取付部の
ような所期の取付面に添着したいと望むときにエンブレ
ム10の除去を容易になすことができるように、例えば
シリコン系樹脂のような剥離剤によって覆われている。
接着剤12の上面13は以下に詳細に説明されるように
粘着性に処理される。図示したように非粘着性表面16
は接着剤12の上面13を覆っている。非粘着性表面1
6は好ましくは透明なラッカーの層であるが、粒状物の
層、例えばタルク(talc)もしくはマイカ(mica)の層
であってもよい。これに代えて近似的に0.0025mm
(0.0001インチ)以下の厚みを有する薄い光輝性
の金属調の層をホットスタンプあるいは金属蒸着によっ
て付し、表示18を印刷するための光輝なもしくは着色
した下地としてもよい。表示18は所望のいかなる装飾
であってもよく言葉、数字、シンボル、画もしくはこれ
らの組合せを含むものである。
接着剤12は、いかなる手段でもよいが、それ自体に着
色して表示18の下地として作用させてもよい。
好ましい実施例においては、架橋した透明なプラスチッ
クのレンズ状被覆体20が表示18を覆いかつ内蔵して
いる。第1図から看取されるように、レンズ状の被覆体
20の縁は接着剤12の層に接触して凸状のメニスカス
を形成している。このメニスカスは被覆体20のレンズ
効果に寄与して、印刷表示18の美観を強め、同時に堅
牢な耐候性の保護カバーを提供する。被覆体20は架橋
して透明かつ堅牢な化合物となるならば、いかなる種類
の注型可能な可塑性樹脂から形成されてもよく、好まし
くは二成分からなるポリウレタン樹脂が使用される。し
かし他の注型可能なプラスチックが使用されてもよい。
このような樹脂は熱または紫外線もしくは他の照射線に
曝すことにより架橋することができる。
さて、第2図、第3図および第4図に参照されるよう
に、本発明の基体を有しない装飾エンブレムは次の工程
によって好ましく製造される。
まず、感圧性接着剤12の層が、例えば吹き付け、ロー
ルコーティングもしくは浸漬等の適宜な手段によってラ
イナー14上に設けられる。接着剤層12は約0.05
mm(0.002インチ)から0.24mm(0.010イ
ンチ)の間の厚みに形成されるのが好ましい。
盛り上がった環状の境界が前記接着剤12の上面13に
形成される。次いで上面13は以下に詳述するように非
粘着性に処理され、その処理面に直接印刷することが可
能とされる。
この発明の好ましい実施例においては、第2図、第3図
および第4図に示すように、盛り上がった環状の境界
が、接着剤12表面上にカバーシート22を積層するこ
とによって形成される。
図示したように、カバーシート22の一または複数のエ
リア24は、ダイカッティング等によって取り除かれて
いて、対応する接着剤12の露出したエリアを現出す
る。カバーシート22の抜き取りエリア24の端縁は製
造されるエンブレム10のの最終形状に対応する。エリ
ア24は環状、楕円、正方形、矩形あるいは他の所望の
形状とすることができる。
カバーシート22は金属、厚紙、紙あるいはプラスチッ
クからなっている。しかし、それらは非吸収性の物質か
らなるか、または非吸収性に処理されているのが好まし
い。適当なプラスチックには近似的に0.1mm(0.0
04インチ)から0.2mm(0.008インチ)の厚さ
を有するスチレン樹脂またはポリエステル樹脂が含まれ
る。
好ましい実施例としては、カバーシート22が注がれる
液状可塑性樹脂に対してその表面を実質的に濡れないよ
うに(nonwetting)処理されていることである。抜き取
りエリア24が除去される前または除去後にカバーシー
ト22に付与される適当な処理剤には、例えばポリテト
ラフルオロエチレン等の弗化炭化水素およびシリコン等
が含まれる。ポリエステルのカバーシートに対する好ま
しい処理剤はポリテトラフルオロエチレンとハイパロン
(デュポン社の商標)の混合物からなるものである。塩
素化ゴムであるハイパロンは処理剤のポリエステルに対
する接着性をよくし、塗付物の伸展性を増加させる。こ
の処理剤は適当な方法によって付与されればよく、例え
ばスクリーン印刷、吹き付けまたはロールコーティング
等によって付与される。
次いで接着剤12の露出部の表面が非粘着性の上面13
に処理され、その上に表示18が直接印刷可能とされ
る。接着剤12の下面は粘着性のまま残されており、そ
れによって製品が所定の表面に貼着されるようになって
いる。接着剤12の上面13を非粘着性とする処理には
種々の方法があるが、好ましい一例は非粘着性層16を
形成する透明または着色ラッカーを上面13に上塗り
し、接着剤の上面をシールすることである。これに代え
て上面13をマイカ等の不活性粒子の微粉でまぶしても
よい。
また、これらに代わる方法として、光輝性の金属調表面
材を上面13に付与してもよい。これはホットスタンプ
用の光輝金属箔を圧着ロール等の手段によって上面13
に付与することによってなされることができる。その箔
は支持用フイルムが添着されており、そのフイルムを剥
がすことによって光輝金属の非粘着性表面16が残るこ
ととなる。金属調の非粘着性表面は銀色、金色あるいは
他の所望の色とされていてもよい。光輝金属調表面材1
6の全体の厚みは0.025mm(0.001インチ)以
下とするのが好ましい。
ひとたび接着剤12の表面13が非粘着性とされると、
適宜な表示18を直接その上に印刷しうる。この表示と
は文字、数字、言葉、シンボル、画、その他の装飾を含
むものである。印刷は、その技術分野において公知のシ
ルクスクリーン印刷を含む各種技術によってなすことが
できる。
接着剤12は、その組成物に適当な顔料あるいは塗料を
添加することにより、それ自体が着色されていてもよ
い。もし接着剤12が着色済であれば下地色を印刷する
必要性がなくなり、その場合非粘着性層を設ける必要も
省略され得る。
同様に、もし接着剤12が透明であれば、上面のエリア
は、クロームメッキ面のような基体が付与されている場
合にはその基体の彩色や光輝がそのエリアに現出される
ように、表示18によっては装飾されることなくそのま
ままに留保されるであろう。
印刷後、液状可塑性樹脂が装飾面に注型され、開放エリ
ア24を規定するカバーシート22の縁部まで流延す
る。好ましい実施例は付与される液状樹脂の量が制御さ
れ、その樹脂がカバーシート22をオーバーフローする
ことなく凸状のメニスカスを形成することである。同様
に、レンズ状とする必要がないなら比較的薄い被覆体を
作るように制御されてもよい。また、好ましいことには
前もって付与された非濡れ性(nonwetting)の弗化炭化
水素の塗布が可塑性樹脂の流れを制御するのに役立つこ
とである。注型操作をなすのに好適な装置はワウ(waug
h)の米国特許第4,100,010号により詳しく記載されてお
り、参考文献としてここに記載する。
使用される可塑性樹脂は耐摩耗性、耐衝撃性のある透明
な熱硬化性材料が好ましい。多くのプラスチックがこの
目的のために使用しうるが、耐衝撃性ポリウレタンが特
に有利である。本発明の実施に有用なポリウレタンは、
例えばポリエーテルグリコールもしくはポリエステルグ
リコール等のグルコールと脂肪族ジイソシアネートとの
反応生成物である二成分の組成物である。
注型された可塑性樹脂は架橋し、さらには硬化してレン
ズ状の被覆体20を形成する。その樹脂は加熱、または
紫外線によって架橋されるのが好ましい。ただし、使用
される組成物によっては、他の方法例えば高周波加熱、
熱風乾燥あるいは発熱を伴う架橋反応の熱でさえも利用
しうる。
上述の工程は、複数のエンブレムを有するシートサイズ
の集合体の形成に好ましく利用される。この集合体はそ
の後シート形状でユーザーのもとへ送られ、ユーザーは
使用時に個々のエンブレムをその集合体から剥離する。
前述したように、個々のエンブレムを取り囲むカバーシ
ート22の縁部が一種ナイフエッジのごとく作用して接
着剤層を鋭く切断し、第5図に示すように、被覆体を有
する装飾エンブレムが剥離ライナーから分離される。ポ
リリウレタンの被覆体は表示が形成された接着剤層に強
固に接合しており、それにより被覆エンブレムがきれい
に分離されるのである。
他の実施例においては、個々のエンブレムは切断(die-
cut)により分離される。その場合にはカバーシート2
2を使用する必要はなく他の方法が盛り上がった境界を
形成するために使用される。それらの方法はリード(Re
ed)の米国国特許第4,259,388号、ジロー(Gillo)の米
国特許第4,409,264号に教示されており、ここに参考文
献として挙げる。さらに、盛り上がった境界はエンボス
加工によって形成されてもよい。その場合には盛り上が
った境界を形成する前に接着剤の上面を非粘着性とする
のが望ましい。その余の工程は上記と同一である。切断
後、個々のエンブレムは第1図に図示のような断面を有
する。
第7図に図示した実施例では、物品30は上面と下面を
持った感圧性接着剤32の層を有している。感圧性接着
剤32については前述した通りである。接着剤32の下
面は剥離ライナー34に貼着されている。
接着剤32の上面33は、上記したように、実質的に非
粘着性となるように処理されている。図示のように、非
粘着面36は接着層32上面を覆っている。
第7図に図示した製法の一実施例においては、複数の個
々の装飾物品が単一の大きなシートまたは剥離ライナー
34のウェブに支持されている。液状可塑性樹脂が全シ
ートまたはウェブ上に注型され、塗着、スプレー、押
出、または他の手段で付着される。このような工程は全
シート上に比較的平坦なプラスチック被覆を形成する。
その後、個々の物品が切断、打抜あるいは他の手段によ
って大きなシートから分離される。このように、個々の
物品はキスカット(kiss-cut)され、すなわち剥離ライ
ナー34に至るまで切込みが入れられ、該シート上に残
される。この状態で、物品は最終ユーザーに出荷され、
ユーザーは所定の基体に貼着するために剥離ライナー3
4から個々の物品を容易に剥がして使用することができ
る。
第6図には他の製法が示される。まず、感圧性接着剤3
2が剥離ライナー34上に塗着される。次いで、該接着
剤の上面33が実質的に非粘着性とされ、そこに直接表
示38を印刷することができるように処理される。接着
剤32の下面は最終製品が所望表面に添着されることが
できるように粘着性が保持される。
ひとたび接着剤32の上面33が処理され、実質的に非
粘着性とされると、適宜の表示18がその上に直接印刷
されることができる。
接着剤32は、その組成物に適宜の顔料あるいは染料を
添加することにより、それ自体着色されていてもよい。
もし接着剤層32が着色済なら、着色下地に重ねて印刷
する必要性は省略されることができる。また、もし接着
剤層32が透明ならば、その上面に表示38によって装
飾されない部分を残しておき、それにより物品が基体に
貼着されたとき該基体(例えばクロームメッキ面)の色
もしくは光輝性をその部分を通して表わすことができ
る。
印刷後透明または着色プラスチックシート40がその組
立体に積層される。種々のプラスチックが物品に対して
望む効果、意図する外観によって利用される。そのプラ
スチック層を装飾組立体に永久に接着しておくためにプ
ラスチック層40の下面に接着剤を付与しておいてもよ
い。
再び、個々の物品は切断、型抜き、打抜きもしくは他の
方法によって大シートから分離されて、第6図に図示し
たような個々の物品を生産する。
第8図および第9図は、本発明の他の実施例によって製
造された、プラスチック被覆を有する接着性物品の断面
図を示すものである。物品50は第一の上面53と第二
の下面を持った感圧性接着剤52の層を有している。接
着剤52の下面は剥離ライナー54または他の離型性支
持体表面に貼着されている。
装飾埋込体55が次いで接着層52の上面に載置され
る。埋込体55は説明上比較的薄く平らな箔状物として
図示されている。しかしながら、埋込体55は適宜の形
状をとりうる。また、複数の埋込体が単一の物品に用い
られることもある。
図示のように、埋込体は物品の端縁まで広げられること
はない。埋込体55は金属、紙、プラスチック等から構
成される。好ましくは、ブラシ研磨、装飾またはシルク
スクリーン印刷もしくはリトグラフ印刷によって印刷さ
れたアルミニウムシートまたはアルミ合金シートから構
成される。必要に応じて立体感を出すためにエンボス加
工される。このような埋込体の高さは0.24mm(0.
01インチ)の範囲内である。
第9図に示したように、接着剤52は、その上面53が
実質的に非粘着性とされ、その上に表示58が直線印刷
可能なように適宜処理が施される。接着剤52の下面は
粘着性が残されており、それにより最終加工された物品
は所定の表面に貼着することができる。
ひとたび上面53が実質的に非粘着性に処理されると、
適宜の表示58がその上に直接印刷される。埋込体55
が、第8図のように接着剤52の上に、あるいは第9図
のように装飾面56の上に直接載置された後に、架橋性
の液状可塑性樹脂が該構成体の上面に供給される。
実施例において個々の物品が形成される場合、構造体上
に注がれた液状樹脂は構造体の縁まで流延して凸形状の
メニスカスを形成する。このメニスカスは該樹脂が架橋
されたとき形成されるプラスチックの被覆体50のレン
ズ効果に寄与する。
他方、例えば第8図もしくは第9図に示すように、比較
的平坦な被覆体が前述したように付与されることもあ
る。プラスチック層の被覆体60が架橋された後、個々
の物品は大シートからダイカット、打抜きあるいはその
他の手段により分離される。ある実施例においては、個
々の物品はキスカットされ、すなわち剥離ライナー44
に至るまで切込みが入れられ、大シート上またはロール
上に残される。この状態で最終ユーザーに出荷される。
ユーザーは所定の基体に貼着するために剥離ライナー5
4から個々の物品を容易に剥がして使用することができ
る。
(効果) 本発明の実施によって、新規な基体を有しない装飾エン
ブレム、すなわち自己保形用紙、厚紙あるいはプラスチ
ック製の基体を必要としない製品が得られ、それは自動
車用のエンブレムとして、あるいは各種の装飾体もしく
は反射体として有用なものである。
本発明を特徴ある実施例を参照しながら詳細に説明した
が、本発明の要旨からはずれることなく多くの変形例が
可能であることは明白であろう。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す、集合体からダイカ
ットされたエンブレムの断面図、第2図は感圧性接着剤
の装飾層の一部をカバーシートとともに示した分解斜視
図、第3図は可塑性樹脂を注型する前のエンブレムの断
面図、第4図は可塑性樹脂が注型されたエンブレム集合
体の断面図、第5図は第4図の集合体から剥ぎ取られた
状態を示すこの発明のエンブレムの断面図、第6図はこ
の発明の他の実施例の一部を示す分解斜視図、第7図は
第6図の集合体からダイカットされた状態を示す物品の
断面図、第8図はこの発明の他の実施例によって製造さ
れたプラスチック被覆を有する装飾物品の断面図、第9
図はこの発明の他の実施例によって得られた装飾非粘着
性を備えたプラスチック被覆を有する装飾物品の断面図
である。 10,30,50,……装飾エンブレム、12,32,
52……感圧性接着剤、14,34,54……剥離ライ
ナー、16,36,56……非粘着性表面、18,3
8,58……表示、20,60……レンズ状被覆体、2
2……カバーシート、40……プラスチック層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クライド・アール・ロックウッド アメリカ合衆国、オハイオ 43220、コロ ンバス ウッドホールロード 4631

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剥離ライナー上に感圧性接着剤の層を形成
    する工程と、 前記接着剤層上面の少なくとも部分的に非粘着性表面を
    形成する工程と、 前記非粘着性表面上に装飾表示を形成する工程と、 前記装飾表示を含む非粘着性表面にプラスチック層を被
    覆する工程 とからなることを特徴とする基体を有しない装飾エンブ
    レムの製造方法。
  2. 【請求項2】前記装飾表示の形成工程が、前記接着剤層
    上面に形成された非粘着性表面に対する表示を印刷する
    工程を含むものである特許請求の範囲第1項記載の基体
    を有しない装飾エンブレムの製造方法。
  3. 【請求項3】前記非粘着性表面の形成工程が、予め形成
    された装飾埋込体を前記接着剤層上面に載置する工程を
    含むものである特許請求の範囲第1項記載の基体を有し
    ない装飾エンブレムの製造方法。
  4. 【請求項4】前記装飾表示の形成工程が、予め成形され
    た装飾埋込体を前記接着剤層上面に載置する工程を含む
    ものである特許請求の範囲第1項記載の基体を有しない
    装飾エンブレムの製造方法。
  5. 【請求項5】前記プラスチック層の被覆工程が、架橋性
    の液状可塑性樹脂を前記装飾表示を含む非粘着性表面に
    注型し該樹脂を架橋して硬化することを含むものである
    特許請求の範囲第1項記載の基体を有しない装飾エンブ
    レムの製造方法。
  6. 【請求項6】前記プラスチック層の被覆工程に先立って
    盛り上がった環状の境界を前記感圧性接着剤層の上面に
    設けて囲い込み区域を形成し、しかる後液状可塑性樹脂
    を注型し、該樹脂を盛り上がった環状の境界の縁部まで
    流延するようにしたことを含むものである特許請求の範
    囲第5項記載の基体を有しない装飾エンブレムの製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記プラスチック層の被覆工程が、透明プ
    ラスチック層を前記装飾表示を含む非粘着性表面に積層
    することを含むものである特許請求の範囲第1項記載の
    基体を有しない装飾エンブレムの製造方法。
  8. 【請求項8】前記プラスチック層の被覆工程が、透明プ
    ラスチック層を前記装飾表示を含む非粘着性表面に押し
    出すことを含むものである特許請求の範囲第1項記載の
    基体を有しない装飾エンブレムの製造方法。
JP61135856A 1985-06-12 1986-06-11 基体を有しない装飾エンブレムの製造方法 Expired - Lifetime JPH0628954B2 (ja)

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