JPH06289539A - 写真感光材料 - Google Patents

写真感光材料

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JPH06289539A
JPH06289539A JP3094394A JP3094394A JPH06289539A JP H06289539 A JPH06289539 A JP H06289539A JP 3094394 A JP3094394 A JP 3094394A JP 3094394 A JP3094394 A JP 3094394A JP H06289539 A JPH06289539 A JP H06289539A
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JP3094394A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nakanishi
健 中西
Sumio Nishikawa
純生 西川
Tadashi Takehana
匡 竹花
Hiroyuki Tamaoki
宏行 玉置
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステルフィルム支持体と写真乳剤層と
の接着力が高湿条件下においても低下せず、また低湿条
件下に放置しても写真乳剤層に亀裂の発生がない写真感
光材料を提供する。 【構成】 ポリエステルフィルム支持体上に、第一下塗
層、第二下塗層及び乳剤層が順に形成されてなる写真感
光材料であって、該第一下塗層が、ポリウレタンラテッ
クスとエポキシ化合物またはジクロロ−s−トリアジン
誘導体との硬化層であり且つ第二下塗層がゼラチンから
なる親水性コロイド層であることを特徴とする写真感光
材料、及び第一下塗層が、300%以下の破断伸度また
は130kg/cm2以上の100%伸びにおける応力を有す
るポリマーからなり且つ第二下塗層がゼラチンからなる
親水性コロイド層であることを特徴とする写真感光材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真感光材料に関するも
ので、特に写真感光材料のポリエステルフィルム支持体
の下塗層に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より写真感光材料用支持体として、
その優れた透明性からポリエチレンテレフタレート、ト
リ酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリオレフィンラミネート、紙等が多く用いられてい
る。しかしながら、これら高分子物質の支持体は、いず
れも疎水性の表面を有するため、これら支持体上にゼラ
チンが主である親水性コロイドからなる写真乳剤層を強
固に接着させることは非常に困難である。この様な欠点
を克服するために試みられた従来技術における、疎水性
支持体の表面処理としては、(1)薬品処理、機械的処
理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処
理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸処理、などの表面活性処理した
のち、直接写真乳剤を塗布して接着力を得る方法と、
(2)一旦これらの表面処理した後、下塗層を設けこの
上に写真乳剤層を塗布する方法との二法がある。これら
のうち(2)の方法がより有効であり広く行われてい
る。これらの表面処理はいずれも、本来は疎水性であっ
た支持体表面に、多少とも極性基を形成させること、表
面の接着に対してマイナスの要因になる薄層を除去する
こと、表面の架橋密度を増加させ接着力を増加させるも
のと思われ、その結果として下塗層用溶液中に含有され
る成分の極性基との親和力が増加することや、接着表面
の堅牢度が増加することに等により、下塗層と支持体表
面との接着性が向上すると考えられる。
【0003】また、下塗層の塗布の方法としても種々の
工夫がおこなわれており、第一層として支持体によく接
着する層を設け、その上に第二層としてゼラチン層を塗
布形成する所謂、重層法と、疎水性基と親水性基との両
方を含有する樹脂層を一層のみ塗布する単層法がある。
単層法としては、例えば、写真感光材料用支持体として
代表的なものであるポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステルフィルムに有機溶剤を塗布して、表面に凹凸
を形成し(投錨効果の付与)、この上にゼラチンからな
る下塗層を形成する方法が、支持体と乳剤層とを強固に
接着させるのに効果的であり、実施されている。しかし
ながら、有機溶剤を用いる為、作業環境が劣悪になるこ
と、火災が発生し易いこと等の問題があるだけでなく、
大気汚染にもつながる恐れがあり、有機溶剤を用いない
下塗層の形成方法が望まれている。
【0004】有機溶剤を用いない下塗層の形成方法とし
て、高分子物質の第一下塗層とゼラチンの第二下塗層か
らなる二層の下塗層を水系で形成する方法が、種々提案
されている。例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブ
タジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無
水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料と
する共重合体を初めとして、ポリエチレンイミン、エポ
キシ樹脂グラフト化ゼラチン、ニトロセルロースなどの
多くの樹脂についてその適性が検討されている。
【0005】特にポリエステルフィルム支持体と親水性
ハロゲン化銀乳剤層との間に実用に耐え得る充分な接着
力を得る下塗方法を完全に水系で行うために、第一下塗
層として、特に塩化ビリニデン系共重合体、ジエン系共
重合体の検討が行われている。支持体と乳剤層とを強固
に接着させる方法としては、ジエン系単量体(例、ブタ
ジエン、イソプレン)を一成分とする共重合体を単独
で、またはジクロロトリアジン誘導体などの適当な架橋
剤と併用した第一下塗層の使用が有効である(例えば、
特開昭60−26944号公報、特開昭61−1055
43号公報及び特開昭61−107343号公報)。
【0006】しかしながら、支持体の両面に上記の第一
下塗層、その上にゼラチンの第二下塗層を形成し、そし
てこれらの層上の片面に乳剤層、もう一方の面にバック
層を塗布した感光材料を、低湿条件下においた場合(1
0〜30%RH)、乳剤層及びバック層に亀裂が入りや
すい。これはジエン系共重合体の弾性率が低いため乳剤
層の湿度変化にようる収縮が起こり、応力が発生するた
めと考えられる。
【0007】また、塩化ビニリデン系単量体を一成分と
する共重合体を単独で、またはエポキシ化合物及びジク
ロロトリアジン誘導体とを併用した第一下塗層を使用す
ると、疎水性支持体と乳剤層との間の接着性が向上する
(例えば、特開平1−180537号公報、特開平1−
209443号公報及び特開平3−109545号公
報)。上記第一下塗層を用いた場合、先に記載したジエ
ン系下塗層に見られる湿度変化により生じる亀裂は発生
しないが、高湿条件下に長時間置かれた場合(80%R
H以上の湿度下で3日間以上)、下塗層と疎水性支持体
の間の接着力が低下し、疎水性支持体と親水性ハロゲン
化銀乳剤との接着力が著しく低下する。
【0008】上記のジエン系、塩化ビニリデン系共重合
体はそれぞれ異なった欠点を有しており、今までのとこ
ろ次の二つの条件、すなわち、長時間の高湿条件下に
おいて写真乳剤層と疎水性支持体の間の接着力を低下さ
せないこと、低湿条件下において写真乳剤層に亀裂が
はいらないこと、を共に満足する素材がみいだされてい
ない。
【0009】また、上記のような二層の下塗層を有する
従来の写真フィルムは、現像処理時に処理機のローラー
に異物が付着する等の原因で、写真乳剤層が押圧により
傷つくことが多い。このような傷は、乾燥処理後にピン
ホールと呼ばれる欠陥個所となるとの問題がある。ピン
ホールは乳剤層を厚くすることにより解決できるが、均
一な乾燥が困難となる等の問題が発生する。さらに、支
持体上に形成された第一下塗層上に、第二下塗層を形成
した時、周囲の湿度変化によりレチキュレーションと呼
ばれる下塗層の網状しわ(凹凸)が発生し、この上に高
速で乳剤層やバック層が塗布された場合に塗布ムラが発
生するとの問題がある。上記レチキュレーションは環境
湿度をコントロールすることにより防止は可能である
が、含水率変化により乳剤層、バック層の硬化反応の速
度が影響されるため、有効な防止策はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
にポリエステルフィルム支持体と写真乳剤層との接着力
を高湿条件下に長時間放置されるような過酷な条件にお
いても低下させない下塗層を有する写真感光材料を提供
にすることにある。第二に低湿条件下に長時間放置され
るような条件においても写真乳剤層に亀裂の発生がない
下塗層を有する写真感光材料を提供にすることにある。
第三は、均一な皮膜で、フィルムの透明度を低下させな
い下塗層を有する写真感光材料を提供にすることにあ
る。第四に写真乳剤層用塗布液の塗布性が良好となるよ
う、レチキュレーションの発生がほとんどない下塗層を
有する写真感光材料を提供にすることにある。第五は、
ピンホールの発生がほとんどない下塗層を有する写真感
光材料を提供にすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ポ
リエステルフィルム支持体上に、第一下塗層、第二下塗
層及び乳剤層が順に形成されてなる写真感光材料であっ
て、該第一下塗層が、ポリウレタンラテックスとエポキ
シ化合物またはジクロロ−s−トリアジン誘導体との硬
化層であり、且つ第二下塗層がゼラチンからなる親水性
コロイド層であることを特徴とする写真感光材料により
達成される。
【0012】上記本発明の写真感光材料の好ましい態様
は、下記の通りである。 1)ポリウレタンラテックスの皮膜が、300%以下の
破断伸度または130kg/cm2以上の100%伸びにおけ
る応力を有する上記写真感光材料。 2) ポリウレタンラテックスが、ポリカーボネート系
ポリオール、脂肪族ポリエステル系ポリオール及びポリ
エチレンテレフタレートポリオールからる群より選ばれ
る少なくとも一種のポリオールとポリイソシアネートか
ら誘導されるポリウレタンのラテックスである上記写真
感光材料。 3) ポリウレタンラテックスが、ポリカーボネート系
ポリオールとポリイソシアネートから誘導されるポリウ
レタンのラテックスである上記写真感光材料。 4) ポリウレタンラテックスが、脂肪族ポリエステル
系ポリオール及びポリエチレンテレフタレート単位含有
ポリエステル系ポリオールからる群より選ばれる少なく
とも一種のポリオールとポリイソシアネートから誘導さ
れるポリウレタンのラテックスである上記写真感光材
料。 5) ポリウレタンラテックスの平均粒子径が、0.0
1〜0.5μm(更に好ましくは0.03〜0.1μ
m)の範囲にある上記写真感光材料。 6) ポリウレタンラテックスの融点が、100〜18
0℃(更に好ましくは120〜160℃)の範囲にある
上記写真感光材料。 7)ジクロロ−s−トリアジン誘導体が、2、4−ジク
ロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンのナトリウム塩
である上記写真感光材料。 8)エポキシ化合物が、四個以上の(好ましくは四個ま
たは五個)エポキシ基を有する化合物である上記写真感
光材料。 9)エポキシ化合物が、四個以上の(好ましくは四個ま
たは五個)エポキシ基を有するソルビトール化合物また
はソルビタン化合物である上記写真感光材料。 10)ポリエステルフィルム支持体は、二軸延伸処理さ
れている上記写真感光材料。 11)ポリエステルフィルム支持体の乳剤層が設けられ
ていない側の表面にも第一下塗層及び第二下塗層が形成
されている上記写真感光材料。 12)ポリエステルフィルム支持体の乳剤層が設けられ
ていない側の表面にも第一下塗層、第二下塗層及びバッ
ク層がこの順で形成されている上記写真感光材料。
【0013】上記目的は、ポリエステルフィルム支持体
上に、第一下塗層、第二下塗層及び乳剤層が順に形成さ
れてなる写真感光材料であって、該第一下塗層が、30
0%以下の破断伸度または130kg/cm2以上の100%
伸びにおける応力を有するポリマーからなり、且つ第二
下塗層がゼラチンからなる親水性コロイド層であること
を特徴とする写真感光材料によっても達成される。
【0014】上記本発明の写真感光材料の好ましい態様
は、下記の通りである。 1)上記破断伸度が、5〜270%である上記写真感光
材料。 2)上記100%伸びにおける応力が、130〜400
kg/cm2である上記写真感光材料。 3)第一下塗層が、上記ポリマーとジクロロ−s−トリ
アジン誘導体またはエポキシ化合物との硬化層からな上
記写真感光材料。 4)第一下塗層が、上記ポリマーとジクロロ−s−トリ
アジン誘導体との硬化層からな上記写真感光材料。 5)第一下塗層が、上記ポリマーと2、4−ジクロロ−
6−ヒドロキシ−s−トリアジンのナトリウム塩との硬
化層からなる上記写真感光材料。 6)該ポリマーが、ポリウレタンラテックス、アクリル
樹脂ラテックスまたはスチレン/ブタジエン共重合体ラ
テックスである上記写真感光材料。 7)ポリエステルフィルム支持体の乳剤層が設けられて
いない側の表面にも第一下塗層及び第二下塗層が形成さ
れている請求項1に記載の写真感光材料。 8)ポリエステルフィルム支持体は、二軸延伸処理され
ている上記写真感光材料。
【0015】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明において、ポリエステルフィルム支持体としては、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ1,4−シク
ロヘキサンジメチレンテレルタレート及びポリエチレン
−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキ
シレートからなるフィルムを挙げることができる。中で
も、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、
特に2軸延伸、熱固定されたポリエチレンテレフタレー
トフィルムが、安定性、強靭さなどの点からも特に好ま
しい。
【0016】支持体の厚さに特に制限はないが、15〜
500μmの範囲が一般的で、特に40〜200μの範
囲のものが取扱易さ、汎用性などの点から有利であり好
ましい。また、支持体は、透明でもよいし、染料化ケイ
素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含
有していても良い。
【0017】本発明の第一下塗層は、ポリウレタンラテ
ックスとエポキシ化合物またはジクロロ−s−トリアジ
ン誘導体との硬化層であるか、300%以下の破断伸度
または100%伸びにおける応力が130kg/cm2以上で
あるポリマーからなる層である。
【0018】本発明の第一下塗層に用いられるポリウレ
タンラテックスを形成するポリウレタンのポリオールと
しては、例えば、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、デカメチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、p−キシリレングリコール、ピナコー
ル、プロピレングリコール、ヒドロベンゾイン、ベンゾ
ピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シク
ロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジオール、ビス(4−オキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン、1,1−
ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4
−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オ
キシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オ
キシフェニル)プロパン及び1,1−ビス(4−オキシ
フェニル)ブタンの炭酸エステルのグリコール類;及び
テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びフマ
ル酸の中の少なくとも一つと、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、p−キシリレングリコー
ル、ピナコール、プロピレングリコール、ヒドロベンゾ
イン、ベンゾピナコール、シクロペンタン−1,2−ジ
オール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘ
キサン−1,4−ジオール、ビス(4−オキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,
1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−
ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−オキシフェニル)プロパン及び1,1−ビス
(4−オキシフェニル)ブタンの中の少なくとも一つと
の組合わせにより合成されたエステルを挙げることがで
きる。本発明に用いられるポリウレタンのポリオールと
してはポリカボネート、脂肪族ポリエステルあるいはポ
リエチレンテレフタレート含有ポリエステルであること
が好ましい。
【0019】また、本発明に用いられるポリウレタンラ
テックスを形成するポリウレタンのイソシアネートとし
ては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネー
ト、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシ
アネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメ
チレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネ
ート、デカメチレンジイソシアネート、シクロヒキサン
ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、
o−フェニレンジイソシアネート、メチル−2,5−フ
ェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、イソホロジイソシア
ネート及び1,5−ナフチレンジイソシアネートを挙げ
ることができる。
【0020】上記本発明の好ましいポリウレタンのう
ち、ポリカボネート系ポリウレタンとしては、下記の構
造[1]:
【0021】
【化1】 (但し、nは200〜400の範囲の値である)を有す
るものが好ましく、脂肪族ポリエステル系ポリウレタン
としては、下記の構造[2]:
【0022】
【化2】 (但し、X1 は-C2H4-、-C3H6-又は-C4H8-であり、Y1
は-C6H12- 、-C7H14- 又は-C8H16- であり、Z1 はフェ
ニレン又は-C6H12- であり、そしてnは200〜400
の範囲の値である。)を有するものが好ましく、そして
ポリエチレンテレフタレート単位含有ポリエステル系ポ
リウレタンとしては、下記の構造[3]:
【0023】
【化3】 (但し、X2 は-C2H4-、-C3H6-又は-C4H8-であり、Y2
は-C6H12- 、-C7H14- 又は-C8H16- であり、Z2 はフェ
ニレン又は-C6H12- であり、nは100〜300の範囲
の値であり、そしてmは50〜150の範囲の値であ
る。)を有するものが好ましく、そしてポリエチレンテ
レフタレート単位含有ポリエスを有するものが好まし
い。
【0024】上記好ましいポリウレタン(上記構造式
[1]〜[3])をエマルジョン化することにより、対
応するポリウレタンラテックスを作製することができ
る。得られるエマルジョンは、一般にカルボキシ基を
0.2〜0.4ミリモル/gの量で、及び/又は水酸基
を0.1〜0.3ミリモル/gの量で有する。本発明に
用いられるポリウレタンラテックスはウレタンエラスト
マーを界面活性剤を使用せず水中に分散させたものであ
る自己乳化型ポリウレタンであることが好ましく、アニ
オン性で自己乳化型の(カルボン酸塩あるいはスルホン
酸塩を有する)ポリウレタンラテックスであることが好
ましい。ポリウレタンラテックスの平均粒径は、0.0
1〜0.5μmの範囲が好ましく、更に0.03〜0.
1μmの範囲が好ましい。またポリウレタンラテックス
の融点は、100〜180℃の範囲が好ましく、更に1
20〜160℃の範囲が好ましい。
【0025】上記300%以下(好ましくは5〜270
%)での破断伸度を有するか、または100%伸びにお
ける応力が130kg/cm2以上(好ましくは130〜40
0kg/cm2)であるポリマーとしては、この物性を満足す
るポリマーであれば良く、その種類は限定されない。好
ましいポリマーとしては、前記のポリウレタン、アクリ
ル酸エステルのホモポリマーあるいは共重合体などのア
クリル樹脂およびスチレン/ブタジエンゴム(SBR)
等のジエン系ポリマーを挙げることができる。また、T
g(ガラス転移温度)が、20℃以上のものが好まし
く、更に60〜90℃のものが好ましい。また、スチレ
ン/ブタジエンゴムは、スチレンの含有率が65重量%
以上のポリマーが好ましい。更に、ゲル分率が90%以
上のポリマーが好ましい。さらにこれらのポリマーと併
用して、ポリ塩化ビニリデン(ホモモリマー又はコポリ
マー)を使用することができる。このようなポリマーは
ラテックスであることが好ましい。また上記ポリマー
は、ジクロロ−s−トリアジン誘導体またはエポキシ化
合物と共に使用されて架橋されていることが好ましい。
【0026】また、上記ポリマーの第一下塗層を有する
従来の写真フィルムは、現像処理時に処理機のローラー
に異物が付着する等の原因で、写真乳剤層が押圧により
傷つくことがほとんどなく、従って、乾燥処理後のピン
ホールもほとんど発生しない。さらに、第一下塗層上に
第二下塗層を形成した時、周囲の湿度変化によりレチキ
ュレーションと呼ばれる第二下塗層の網状しわ(凹凸)
が発生しないため、この上に高速で乳剤層やバック層が
塗布された時に塗布ムラが発生することがほとんどな
い。
【0027】本発明の第一下塗層では、ジクロロ−s−
トリアジン誘導体またはエポキシ化合物が上記ポリウレ
タンラテックスの架橋剤として使用され、また上記特定
の物性を有するポリマーとも併用することが好ましい。
ジクロロ−s−トリアジン誘導体としては、例えば次式
【0028】
【化4】 及び
【0029】
【化5】
【0030】(但し、Aは、アルキル基、環状アルキル
基、アリール基、アルアルキル基、金属又は水素原子を
表わし、R1 及びR2 は、アルキル基、環状アルキル
基、アリール基、アルアルキル基又は−NHR3 (但
し、R3 はアルキル基又はアシル基を表わす)を表わ
し、R1 とR2 は、互いに結合していても、あるいは
O、SまたはN−R4 (但し、R4 はアルキル基を表わ
す)を含む5〜6員の環を形成していてもよい。)A
は、炭素原子数1〜8アルキル基(特にメチル、イソプ
ルピル、n−ブチル及びオクチルが好ましい)、メチル
または塩素で置換されていても良いフェニル基、ベンジ
ル基、またはナトリウムであることが好ましく、R1
びR2 は、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基
(特にメチル、n−ブチル及びドデシルであることが好
ましい)、メチルまたは塩素で置換されていても良いフ
ェニル基、ベンジル基、アニリノ基、シクロヘキシル
基、あるいはR1 とR2 がエチレン基で、これらがOま
たはS、N−CH3 を介して結合して6員の環を形成す
ることが好ましい。
【0031】上記ジクロロ−s−トリアジン誘導体は、
ポリウレタンラテックス(固形分)あるいは上記特定の
ポリマーに対して0.001重量%から200重量%含
有されるていることが好ましく、さらに0.01〜20
重量%が好ましく、特に0.01〜5重量%が好まし
い。上記ジクロロ−s−トリアジン誘導体としては、下
記の構造を有する2、4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
s−トリアジンのナトリウム塩が特に好ましい。
【0032】
【化6】
【0033】また、エポキシ化合物(エポキシ系架橋
剤)としては、エポキシ化合物の官能基(エポキシ基)
数としては三個以上であることが好ましく、さらに四個
以上であることが好ましく、特に四個または五個である
ことが好ましい。そしてエポキシ化合物が、四個以上
(好ましくは四個または五個)のエポキシ基を有するソ
ルビトール化合物またはソルビタン化合物であることが
最も好ましい。上記エポキシ化合物は、ポリウレタンラ
テックス(固形分)あるいは上記特定のポリマーに対し
て0.001〜200重量%含有されることが好まし
く、さらに0.01〜20重量%が好ましく、特に0.
1〜20重量%が好ましい。上記エポキシ系架橋剤の具
体的な例としては次に示すようなものを挙げることがで
きる。
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】架橋剤としては、上記以外に下記のものを
併用しても良い。例えば、米国特許第3325287
号、同3288775号、同3549377号、ベルギ
ー特許第6602226号等に記載のトリアジン系化合
物;米国特許第3291624号、同3232764
号、フランス特許第1543694号、英国特許第12
70578号記載のジアルデヒド系化合物;米国特許第
3091537号、特公昭49−26580号等に記載
のエポキシ系化合物;米国特許第3642786号等に
記載のビニル系化合物;米国特許第3392024号に
記載のアジリン系化合物;米国特許第3549378号
に記載のエチレンイミン系化合物;及び特開昭63−1
25357号公報に記載のメラミン化合物を挙げること
ができる。
【0037】第一下塗層には、膨潤剤として、所望によ
り、例えばフェノール、レゾルシン等を添加してもよ
く、その添加量は第一下塗層用塗布液1リットルあたり
1〜10gである。第一下塗層には、親水性ポリマーを
使用しても良く、例えばゼラチンの如き天然ポリマー、
ポリビニルアルコール、酢酸ビニルー無水マレイン酸共
重合体、アクリル酸−アクリルアミド共重合体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、などの合成ポリマーを挙
げることができる。本発明では、さらにブロッキング防
止剤としてマット剤(二酸化ケイ素、ポリメチルアクリ
レート、ポリスチレン)や、メチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール等を用いることも可能である。
【0038】本発明に係る第一下塗層用塗布液は、一般
によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、
エアナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコー
ト法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ある
いは、米国特許第2681294号明細書に記載のポッ
パーを使用するエクストルージョンコート法等により塗
布することができる。下塗層上にさらに第二下塗層を設
ける場合は、必要に応じて、米国特許第2761791
号、同3508947号、同2941898号および同
3526528号明細書、尾崎等著「コーティング工
学」253頁(1973年朝倉書店発行)などに記載さ
れた方法により二層以上の層を同時に塗布することが出
来る。
【0039】本発明に係る第一下塗層および第一下塗層
上に設けられる第二下塗層の塗布量としては、固体分と
して、ポリエステルフィルム支持体の一平方メートルあ
たり0.01〜10gが好ましく、特に0.2〜3gで
あることが好ましい。本発明においては、第一下塗層上
に、第二下塗層としてゼラチンを主成分とする親水性コ
ロイド層が設けられる。
【0040】本発明で使用することができるゼラチン以
外の親水性ポリマーの例としては、フタル化ゼラチン、
マレイン化ゼラチンなどのアシル化ゼラチン、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の
セルロース誘導体、アクリル酸、メタクリル酸もしくは
アミドなどをゼラチンにグラフトさせたグラフト化ゼラ
チン、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシアルキル
アクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリド
ン・酢酸ビニル共重合体、カゼイン、アガロース、アル
ブミン、アルギン酸ソーダ、ポリサツカライド、寒天、
でんぷん、グラフトでんぷん、ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンイミンアシル化合物、及びアクリル酸、メタ
クリル酸アクリルアミド、N−置換アクリルアミド及び
N−置換メタクリルアミドなどの単独もしくは共重合
体、あるいはそれらの部分加水分解物など合成もしくは
天然の親水性高分子化合物を挙げることができる。これ
らのものは、単独もしくは混合して使用できる。
【0041】上記の如き親水性ポリマーに、必要に応じ
て、帯電防止剤、架橋剤、マット剤、ブロッキング防止
剤等を加えることができる。
【0042】次に本発明の用いられる写真乳剤層につい
て簡単に述べる。写真乳剤層のバインダー(親水性有機
保護コロイド)としては、例えば、ゼラチン、フタル化
ゼラチン、マレイン化ゼラチンなどのアシル化ゼラチ
ン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、アクリル酸、メタクリ
ル酸もしくはアミド(アクリルアミド等)などをゼラチ
ンにグラフトさせたグラフト化ゼラチン、ポリビニルア
ルコール、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリ
ビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重
合体、カゼイン、アガロース、アルブミン、アルギン酸
ソーダ、ポリサッカライト、寒天、てんぷら、グラフト
でんぷん、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンア
シル化物、及びこれらの部分加水分解物などの合成もし
くは天然の親水性高分子化合物を挙げることができる。
これらの材料は、単独もしくは混合して使用できる。
【0043】バインダーを上記の如き親水性高分子化合
物とするものであれば、その中に何が添加されているか
は本発明においては特に重要ではないが、これらの親水
性バインダーには、通常、ハロゲン化銀あるいは拡散転
写写真法で用いられる硫化銀等物理現像核、またジアゾ
化合物などの感材をはじめ各種の添加剤、カプラー、乳
化重合、ラテックスポリマーなどが添加される。
【0044】上記写真乳剤層に用いられる種々の素材、
例えばハロゲン化銀粒子、化学増感剤、染料、ポリマー
ラテックス、界面活性剤、ゼラチン硬膜剤、カラーカプ
ラー、退色防止剤、帯電防止剤、マット剤等に関しては
特に制限はなく、例えばリサーチディスクロージャー
(Research Disclosure )176巻22〜31頁(19
78年12月)の記載を参考にすることが出来る。
【0045】本発明は必ずしも必要ではないが、コロナ
放電処理等の表面処理を、疎水性支持体だけでなく、高
分子物質より成る下塗層上および/または第二下塗層上
に行ってもよく、その場合処理後の層間の接着力が向上
する。次に、本発明を以下の実施例によりさらに具体的
に説明するが、これにより本発明の実施例の態様が限定
されるものではない。また、上記乳剤層が設けられてい
ない、支持体の反対側の表面に設けられた第二下塗層の
上には、バック層を設けることが好ましい。
【0046】実施例を記載するに先立って各種の試験方
法を説明する。 (フィルム支持体と乳剤層との接着性) 1)乳剤塗布後、および処理(現像、定着、水洗)後、
それぞれについて、乳剤層の表面に3〜5mm間隔に縦
横6本の切り目をナイフでいれ、5×5個のます目を作
り、このます目にセロハンテープ(ニットーポリエステ
ル粘着テープNo.31、日東電工(株)製)を付着さ
せ、次いでそのテープを剥離して剥離により除去された
乳剤層のます目の数を数え、その数の多少によりフィル
ム支持体と乳剤層との接着性を評価した。ます目の数が
0のものをAA、1〜2のものBB、3〜4のものをCC、5
以上のものをDDとして表わした。 2)処理液中での接着性の評価を下記のように行なっ
た。処理液中で、乳剤層の端部を指で強く15回繰り返
し擦り、末端より剥離した乳剤層の長さにより評価し
た。乳剤層が全く剥離しなかったものをAA、末端より剥
離した長さが2mm未満のものをBB、2〜4mmのもの
をCC、そして4mmを超えるものをDDとした。 上記処理は、処理液としては、現像液にLDS−715
(富士写真フイルム(株)製)を、定着液にLF−30
8(富士写真フイルム(株)製)を用いて、皿現像処理
方法によって行なった。これらの評価において、写真材
料として使用できるものはAA〜BBのクラスのものであ
る。
【0047】(高湿条件下におけるフィルム支持体と乳
剤層との接着性) 1)乳剤塗布後、処理液で処理(現像、定着、水洗)を
行い、その後、高湿条件下(25℃−90%RH)で3
日間以上放置したのち、乳剤層の表面に3〜5mm間隔
に縦横6本の切り目をナイフでいれ、5×5個のます目
を作り、このます目にセロハンテープを付着させ、次い
でそのテープを剥離して剥離により除去された乳剤層の
ます目の数を数えその数の多少により、フィルム支持体
と乳剤層との接着性を評価した。ます目の数が0のもの
をAA、1〜2のものBB、3〜4のものをCC、5以上のも
のをDDとして表わした。 2)処理液中での接着性の評価を下記のように行なっ
た。処理液中で、乳剤層の端部を指で強く15回繰り返
し擦り、末端より剥離した乳剤層の長さにより評価し
た。乳剤層が全く剥離しなかったものをAA、末端より剥
離した長さが2mmのものをBB、2〜4mmのものをC
C、そして4mmを超えるものをDDとした。上記処理
は、処理液としては、現像液にLDS−715(富士写
真フイルム(株)製)を、定着液にLF−308(富士
写真フイルム(株)製)を用いて、皿現像処理方法によ
って行なった。これらの評価において、写真材料として
使用できるものはAA〜BBのクラスのものである。
【0048】(低湿条件下における亀裂)現像したフィ
ルム及び乳剤塗布直後のフィルムをそれぞれ6×8cm
の大きさに裁断し、手にハンドクリームを塗りその手で
フィルム上に2箇所指紋をつけ、そのフィルムを常温〜
60℃の真空中で一週間放置し、その後取り出したフィ
ルムの表面の亀裂を目視で観察した。その際、現像済み
のものは下からの透過光で観察し、乳剤塗布直後のもの
は反射光で観察した。亀裂の全くないものをAA、指紋の
回りにかすかに亀裂があるものをCC、亀裂の多いものを
DDとして表わした。写真材料として使用できるものは評
価がAAのものである。
【0049】
【実施例】
【0050】[実施例1]二軸延伸された厚さ100μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム上にコロナ放
電処理を行い、下記の組成より成る第一下塗層(下塗
層)用の塗布液を塗布量が約6cc/m2 となるように
ワイヤーバーコーターにより塗布し、185℃にて1分
間乾燥しして第一下塗層(本発明の下塗層)を設けた。
次にフィルムの反対側の面にも同様にして第一下塗層を
設けた。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(固形分40%、融点120℃、 平均粒径:0.1μm、ポリオールはポリカーボネート) 13.6g エポキシ化合物(デナコールEX−614B(約4個の エポキシ基を有するソルビトールポリグリシジルエーテル)、 ナガセ化成(株)製) 0.7g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 85.6g 上記ポリウレタンラテックスは、前記ポリウレタンの構
造[1]を有するポリマーから作製されたものである。
【0051】上記の両面の第一下塗層上に下記の組成か
らなる第二下塗層用塗布液を塗布量が約9cc/m2
なるように片面ずつ両面に塗布し、二層の下塗層が被覆
されたフィルムを作製した。 (第二下塗層用塗布液) ゼラチン 1g 酢酸 0.3cc 蒸留水 99cc
【0052】次に上記被覆フィルムの一方の側に下記組
成(1)のハロゲン化銀乳剤層用塗布液を乾燥厚さ6.
0μm(塗布銀量5.0g/m2 )になるように塗布し
た。さらにハロゲン化銀乳剤層上に下記組成(2)の保
護層を塗布し、この反対側には下記組成(3)に従って
ゼラチンバック層を乾燥厚さ5μmになるように塗布
し、写真感光材料を作製した。
【0053】 組成(1)(ハロゲン化銀乳剤層) ゼラチン 5g/m2 塩沃臭化銀(Cl:80モル% Br:19.5モル% I:0.5モル%) 塩化金酸 0.1g/m2 ポリエチレンアクリレートラテックス(米国特許第3525620号 明細書実施例3で用いられているものと同じ) 1.5g/m2 増感色素:3−アリル−5−[2−(1−エチル)−4メチル− 2テトラゾリン−5イリデン−エチリデン]ローダニン 6mg/m2 カブリ防止剤:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a−7 ソトラザインデン 30mg/m2 ポリオキシエチレン化合物 20mg/m2 ゼラチン硬化剤:2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−s− トリアジン・ナトリウム塩 60mg/m2 界面活性剤:p−ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 40mg/m2
【0054】 組成(2)(保護層) ゼラチン 1g/m2 マット剤:平均粒子径3.0〜4.0μmのポリメチル メタクリレート 0.05g/m2 界面活性剤:p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.03g/m2 ゼラチン硬化剤:2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−S− トリアジン・ナトリウム塩 0.01g/m2
【0055】 処方(3)バック層処方 ゼラチン 5g/m2 ゼラチン硬化剤:2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−S− トリアジン・ナトリウム塩 0.01g/m2 マット剤(上記保護層に使用したものと同じ) 0.03g/m2 ポリエチレンアクリレートラテックス (上記乳剤層に使用したものと同じ) 50g/100gゼラチン 染料 0.3g/m2 下記の染料(1):(2):(3)の (1):(2):(3)=1:1:1(重量比)の混合
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
【0058】
【化11】
【0059】[実施例2]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(実施例1で使用されたものと同じもの)13.6g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 75.3g
【0060】[実施例3]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(実施例1で使用されたものと同じもの)13.6g エポキシ化合物(デナコールEX−651A(約4個の エポキシ基を有するソルビタンポリグリシジルエーテル)、 ナガセ化成(株)製;固形分1%) 68.2g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 18.1g
【0061】[参考例1]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(実施例1で使用されたものと同じもの)13.6g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 85.3g
【0062】[比較例1]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(固形分43%、 スチレン/ブタジエン=32/68、重量比) 26.0g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 18.4g ラウリルベンジンスルホン酸ナトリウム1%水溶液 2.0g 蒸留水 53.8g
【0063】[比較例2]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用し、塗布量が約9
cc/m2 となるように塗布した以外は実施例1と同様
にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) 塩化ビニリデンラテックス(塩化ビニリデン:メタクリル酸: メチルアクリレート:メチルメタクリレート:アクリロニト リル=90:1:4:4:1、固形分:50%) 19.0g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン ナトリウム塩4.0%溶液 7.0g 水酸化ナトリウム4%水溶液 1.1g コロイド状シリカ 3.5g 蒸留水 69.4g
【0064】[実施例4]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(実施例1で使用されたものと同じもの)13.6g エポキシ化合物(デナコールEX−614B(ソルビトール ポリテトラグリシジルエーテル)、ナガセ化成(株)製) 0.7g 蒸留水 86.4g
【0065】[実施例5]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(実施例1で使用されたものと同じもの)13.6g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 蒸留水 76.4g
【0066】[参考例2]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液)(組成1) ポリウレタンラテックス(実施例1で使用されたものと同じもの)13.6g 蒸留水 86.4g
【0067】[実施例6]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(固形分30%、融点150℃、 平均粒径:0.02μm、ポリオールは脂肪族ポリエステル) 18.1g エポキシ化合物(デナコールEX−614B、 ナガセ化成(株)製) 0.9g 蒸留水 81.0g 上記ポリウレタンラテックスは、前記ポリウレタンの構
造[2](X1 :-C2H4-、Y1 :-C6H12- Z1 :フェニ
レン)を有するポリマーから作製されたものである。
【0068】[参考例3]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液)(組成1) ポリウレタンラテックス(ポリオールは脂肪族ポリエステル、 実施例6で使用されたものと同じもの) 18.1g 蒸留水 11.9g
【0069】[実施例7]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(固形分30%、融点120℃、 平均粒径:0.02μm、ポリオールはポリエチレン テレフタレート単位含有ポリエステル) 18.1g エポキシ化合物(デナコールEX−614B(分子内に エポキシ基を平均4個有する)、ナガセ化成(株)製) 0.9g 蒸留水 81.0g 上記ポリウレタンラテックスは、前記ポリウレタンの構
造[3](X2 :-C2H4-、Y2 :-C6H12- Z2 :フェニ
レン)を有するポリマーから作製されたものである。
【0070】[参考例4]実施例1において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
1と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液)(組成1) ポリウレタンラテックス(ポリオールはポリエチレンテレフタレート 単位含有ポリエステル実施例7で使用されたものと同じもの) 18.1g 蒸留水 81.9g
【0071】得られた14種類の写真感光材料につい
て、フィルム支持体と写真乳剤層との接着及び低湿での
亀裂の評価を、前記の評価方法に従い行った。その結果
表1に示す。
【0072】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 接 着 性 亀裂 乳剤塗布後 処理液中 処理後 高湿度下 ──────────────────────────────────── 実施例1 AA AA AA AA AA 実施例2 AA AA AA AA AA 実施例3 AA AA AA AA AA 参考例1 DD DD DD DD − ──────────────────────────────────── 比較例1 AA AA AA AA CC 比較例2 AA AA AA CC AA ──────────────────────────────────── 実施例4 AA AA AA AA AA 実施例5 AA AA AA AA AA 参考例2 DD DD DD DD − ──────────────────────────────────── 実施例6 AA AA AA AA AA 参考例3 DD DD DD DD AA ──────────────────────────────────── 実施例7 AA AA AA AA AA 参考例4 DD DD DD DD AA ────────────────────────────────────
【0073】表1より、比較例1は高湿条件下での接着
性が良好であるが、低湿で亀裂が発生することのないと
の条件を満足しない。また、比較例2は低湿で亀裂を発
生しないが、高湿条件下での接着性が充分でない。ここ
で、本発明に係る写真感光材料は実施例1〜7の結果か
ら明らかなように、低湿で亀裂が発生することのない条
件および高湿条件下で接着性が良好との条件を共に満足
している。
【0074】また、写真感材は参考例1と実施例1〜
3、参考例2と実施例4及び5、参考例3と実施例6そ
して参考例4と実施例7との比較から明らかなように、
架橋剤を添加しない場合、接着性が著しく低下すること
から、充分な接着性を得るためには架橋剤が不可欠であ
る。
【0075】さらに、下記の実施例8〜14に示すよう
に写真感光材料作製し、得られた写真感光材料につい
て、前記のフィルム支持体と乳剤層との接着力、高湿条
件下におけるフィルム支持体と乳剤層との接着性及び低
湿条件下における亀裂の発生の評価に加えて、下記の第
一下塗層に使用のポリマーの伸度100%時の応力及び
切断時の伸度、及び第二下塗層のレチキュレーション
(下塗層の網状しわの発生)及びピンホールについても
評価した。
【0076】(第一下塗層のポリマーの応力及び伸度)
コロナ処理を施したテフロンフィルムを表面が平滑な台
の上に固定し、10cm角にくり抜かれた厚さ0.5m
mのガラスの板の枠をテフロンフィルム上に置き固定す
る。テフロンフィルム(くり抜かれた領域)上に試験を
行なうポリマーの水分散体を数ml滴下してガラス棒に
て枠の隅まで均一になるように伸ばす。滴下量は最終膜
厚が50μm程度になるように調節する。25℃、80
%RHの条件下で一日乾燥させた後、185℃で3分間
熱処理し、さらに25℃、50%RHの条件下で一日放
置する。試験フィルムをテフロンフィルムから剥し、欠
陥のない部分を引張試験用サンプルとする。このサンプ
ルの引張試験は、日本工業規格の加硫ゴム物理試験方法
(K 6301−1975)に従って行なった。伸度が
100%に達した時の応力及びフィルム切断時の伸度を
測定する。
【0077】(第二下塗層のレチキュレーション(下塗
層の網状しわの発生))乾燥直後の下塗層が形成された
フィルムを30℃、30%RHの恒温恒湿室内に入れ
て、この状態で下塗層表面の凹凸の程度をヘイズ(白濁
度)として評価する。ヘイズは、ヘイズメーター(ND
H−1001P/SZ−Σ90型、日本電色工業(株)
製)にて測定し、恒温恒湿室内に入れた直後のヘイズと
30分後のヘイズの差(Δ)を求めて、レチキュレーシ
ョンの程度を評価した。ヘイズの差(Δ)が1%以下の
ものをAA、(Δ)が1%を超えて3%以内のものをCC、
そして3%を超えるるものをDDとした。
【0078】(ピンホールの発生)自動現像機の水洗工
程から乾燥工程に移る段階で、写真フィルムを抜き取
り、写真フィルムの写真乳剤層面と#320のサンドペ
ーパーの粗目の面とを合わせた状態で、乾燥工程に送り
込み乾燥を終了させる。このように処理された写真フィ
ルムを、高照度シャーカステン上でピンホール(白抜け
となる)の発生状態を観察した。ピンホールの発生がほ
とんどないものをAA、不明瞭ではあるがピンホールの発
生が認められるものをCC、そしてピンホールの発生がは
っきりとあるものをDDとして表わした。
【0079】[実施例8]二軸延伸された厚さ100μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム上に真空中で
グロー放電処理を施し、下記の組成より成る第一下塗層
用の塗布液を塗布量が約6cc/m2 となるようにワイ
ヤーバーコーターにより塗布し、185℃にて1分間乾
燥しして第一下塗層(本発明の下塗層)を設けた。次に
フィルムの反対側の面にも同様にして第一下塗層を設け
た。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(固形分30%、 ユーコートUX−4560、三洋化成(株)製) 18.1g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 70.8g 後の工程は実施例1と同様にして実施し、写真感光材料
を作製した。
【0080】[実施例9]実施例8において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
8と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(固形分30%、 スーパーフレックス110、第一工業(株)製) 18.1g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 70.8g
【0081】[実施例10]実施例8において、第一下
塗層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施
例8と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(固形分30%、 スーパーフレックス126、第一工業(株)製) 18.1g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 70.8g
【0082】[実施例11]実施例8において、第一下
塗層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施
例8と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) アクリル樹脂ラテックス(固形分27%、 C−37、日本アクリル(株)製) 20.1g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 68.8g
【0083】[実施例12]実施例8において、第一下
塗層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施
例8と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス (スチレン:ブタジエン:アクリル酸:ジビニルベンゼン =65:29:2:1、固形分30%) 1.1g 塩化ビニリデンラテックス(塩化ビニリデン:メタクリル酸: メチルアクリレート:メチルメタクリレート:アクリロニト リル=90:1:4:4:1、固形分:50%) 8.7g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 79.1g
【0084】[比較例3]実施例8において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
8と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) アクリル樹脂ラテックス(固形分27%、 JP−198、日本アクリル(株)製) 20.1g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 68.8g
【0085】[比較例4]実施例8において、第一下塗
層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施例
8と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス (スチレン:ブタジエン:アクリル酸:アクリル酸メチル =59:37:2:2、固形分30%) 18.1g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 10.0g 水酸化カリウム4%水溶液 1.1g 蒸留水 70.8g
【0086】[実施例13]固有粘度0.68のポリエ
チレンテレフタレートを280℃にて溶融し、約50℃
の冷却ドラムに押し出し、次いで約100℃にてロール
延伸により縦方向に3.5倍に延伸し、下記の組成より
成る第一下塗層用の塗布液を塗布量が約12cc/m2
となるようにワイヤーバーコーターにより塗布し、18
5℃にて1分間乾燥しして第一下塗層(本発明の下塗
層)を設けた。次にフィルムの反対側の面にも同様にし
て第一下塗層を設けた。 (第一下塗層用塗布液) ポリウレタンラテックス(固形分30%、 ユーコートUX−4560、三洋化成(株)製; 実施例8で使用したものと同じ) 36.2g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 20.0g 水酸化カリウム4%水溶液 2.2g 蒸留水 41.6g
【0087】次いで、160℃にて横方向に3.5倍に
延伸し、220℃で熱処理を行なうことにより厚さ10
0μmの二軸延伸下塗層被覆ポリエステルフィルムを作
製した。得られたフィルムの表面にコロナ放電処理を施
した後、実施例1と同じ様にフィルムの第一下塗層上に
実施例1の第二下塗層を形成し、二層の下塗層が被覆さ
れたフィルムを作製した。後の工程は実施例1と同様に
して実施し、写真感光材料を作製した。
【0088】[実施例14]実施例13において、第一
下塗層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実
施例13と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス (スチレン:ブタジエン:アクリル酸:ジビニルベンゼン =65:29:2:1、固形分30%) 7.2g 塩化ビニリデンラテックス(塩化ビニリデン:メタクリル酸: メチルアクリレート:メチルメタクリレート:アクリロニト リル=90:1:4:4:1、固形分:50%) 17.4g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 20.0g 水酸化カリウム4%水溶液 2.2g 蒸留水 53.2g
【0089】[比較例5]実施例13において、第一下
塗層用塗布液を下記の組成のものを使用した以外は実施
例13と同様にして写真感光材料を作製した。 (第一下塗層用塗布液) スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス (スチレン:ブタジエン:アクリル酸:アクリル酸メチル =59:37:2:2、固形分30% 比較例4で使用したものと同じ) 36.2g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩1.6%溶液 20.0g 水酸化カリウム4%水溶液 2.2g 蒸留水 41.6g
【0090】得られた写真感光材料について、第一下塗
層に使用したポリマーの物性を前記の引張試験に従い行
い、そしてフィルム支持体と写真乳剤層との接着性、低
湿での亀裂の発生、レチキレーション等の評価を、前記
の評価方法に従い行った。その結果を、表2及び表3に
示す。
【0091】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 第一下塗層のポリマー [使用実施例] 破断伸度 100%伸びでの (%) 応力(kg/cm2) ──────────────────────────────────── ポリウレタンラテックス[実施例8、13] 250 300 (ユーコートUX-4560 ) ──────────────────────────────────── ポリウレタンラテックス[実施例9] 13 −− (スーパーフレックス110) ──────────────────────────────────── ポリウレタンラテックス[実施例10] 140 280 (スーパーフレックス126) ──────────────────────────────────── アクリル樹脂ラテックス[実施例11] 80 −− (C−37) ──────────────────────────────────── スチレン/ブタジエン [実施例12、14] 230 150 共重合体ラテックスとポリ塩化ビニリデンラテックスの混合物 ──────────────────────────────────── アクリル樹脂ラテックス[比較例3] 980 25 (JP−198) ──────────────────────────────────── スチレン/ブタジエン [比較例4、5] 490 20 共重合体ラテックス(St:Bd:AA:MA=59:37:2:2) ────────────────────────────────────
【0092】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 接 着 性 レチキュ ピン 亀裂 塗布後 処理液中 処理後 高湿度下 レーション ホール ──────────────────────────────────── 実施例8 AA AA AA AA AA AA AA 実施例9 AA AA AA AA AA AA AA 実施例10 AA AA AA AA AA AA AA 実施例11 AA AA AA AA AA AA AA 実施例12 AA AA AA AA AA AA AA ──────────────────────────────────── 比較例3 AA AA AA AA DD DD DD 比較例4 AA AA AA AA DD DD DD ──────────────────────────────────── 実施例13 AA AA AA AA AA AA AA 実施例14 AA AA AA AA AA AA AA ──────────────────────────────────── 比較例5 AA AA AA AA CC CC DD ────────────────────────────────────
【0093】表3から明らかなように、本発明に係る写
真感光材料(実施例8〜14)は、低湿で亀裂が発生す
ることがなく、またピンホール及びレチキュレーション
の発生もない。接着性についても問題がない。
【0094】
【発明の効果】本発明の第一下塗層は、ポリエステルフ
ィルム支持体表面に強固に接着し、また、この上に設け
られる乳剤層と接着性に優れた第二下塗層とも強固に接
着している。これらの接着力は、高湿条件下に長時間放
置されるような過酷な条件においても低下することがな
い。さらに、第一下塗層は強靭な膜であるので低湿条件
下に長時間放置されるような場合においても写真乳剤層
に亀裂の発生させることもない。従って、本発明の写真
感光材料は、種々な条件において上記のように安定して
優れた特性を示す写真感光材料と言うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉置 宏行 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルム支持体上に、第一
    下塗層、第二下塗層及び乳剤層が順に形成されてなる写
    真感光材料であって、該第一下塗層が、ポリウレタンラ
    テックスとエポキシ化合物またはジクロロ−s−トリア
    ジン誘導体との硬化層であり、且つ第二下塗層がゼラチ
    ンからなる親水性コロイド層であることを特徴とする写
    真感光材料。
  2. 【請求項2】 ポリウレタンラテックスが、皮膜状態で
    300%以下の破断伸度または130kg/cm2以上の10
    0%伸びにおける応力を有する請求項1に記載の写真感
    光材料。
  3. 【請求項3】 ポリウレタンラテックスが、ポリカーボ
    ネート系ポリオール、脂肪族ポリエステル系ポリオール
    及びポリエチレンテレフタレート系ポリオールからなる
    群より選ばれる少なくとも一種のポリオールとポリイソ
    シアネートから誘導されるポリウレタンのラテックスで
    ある請求項1に記載の写真感光材料。
  4. 【請求項4】 エポキシ化合物が、四個以上のエポキシ
    基を有する化合物である請求項1に記載の写真感光材
    料。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルム支持体上に、第一
    下塗層、第二下塗層及び乳剤層が順に形成されてなる写
    真感光材料であって、該第一下塗層が、300%以下の
    破断伸度または130kg/cm2以上の100%伸びにおけ
    る応力を有するポリマーからなり、且つ第二下塗層がゼ
    ラチンからなる親水性コロイド層であることを特徴とす
    る写真感光材料。
  6. 【請求項6】 第一下塗層が、上記ポリマーとジクロロ
    −s−トリアジン誘導体またはエポキシ化合物との硬化
    層からなる請求項5に記載の写真感光材料。
  7. 【請求項7】 該ポリマーが、ポリウレタンラテック
    ス、アクリル樹脂ラテックスまたはスチレン/ブタジエ
    ン共重合体ラテックスである請求項5に記載の写真感光
    材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100451442B1 (ko) * 2001-11-12 2004-10-06 엘지전선 주식회사 트리아진 고리를 주쇄로 하는 폴리유레아계 감광성 고분자액정 배향제와 이를 이용한 액정 배향막
JP2008235467A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Mitsubishi Paper Mills Ltd 導電性材料前駆体および導電性材料

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