JPH06288097A - 折り畳み式全天候シェルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 シェルターの組立及び解体を容易化する。 【構成】 むな木部で回動自在に枢着された左右一対の
屋根板５と、各屋根板５の軒げた部で回動自在に枢着さ
れた左右一対の側壁板６とから折り畳み自在な小屋形に
組み立てられ、左右の屋根板５，５相互はむな木部付近
において着脱自在な火打材７で所定角度に傾斜した屋根
形に連結固定され、屋根板５と側壁板６相互は軒げた部
付近において着脱自在な火打材８で連結固定されてお
り、屋根板５及び側壁板６は金属製方形枠と、これに張
り付けた可撓性シートとから構成され、側壁板６の下端
面にはローラが取付けられていることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、建築物の建築中にお
いて建築部上を覆って雨天等に拘らず晴天と同様なドラ
イな作業環境で施工を可能とした折り畳み式全天候シェ
ルターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ビル等の建築物の建築施工途中
においては雨や雪などに対して現場の上方に遮幣物がな
いため、雨天等、天候不順な日には施工を中断せざるを
得ない場合が少なくなかった。

【０００３】そのため最近出願人らは、多層階建築物の
建設用地の周囲に沿って外足場を組立て、この外足場上
に建設用地の上方を覆う伸縮式屋根型のシェルターを組
立てて水平移動自在に支持し、多層階建築物の上層階へ
の進行に応じて順次段階的に外足場を上方に組増ししな
がら、その都度その上端部にシェルターを上昇設置する
ようにした方法を開発し、既に特許出願した（特願平４
−２１２０３０号）。

【０００４】この屋根型シェルターとしては、外足場上
に設置したレールの上に多層階建築物の建設用地上を跨
ぐように屋根トラスを所要間隔で所要数移動自在に配列
し、それらの上面にキャンバスシートなどの可撓性シー
トを一連に張付けて伸縮自在としたものが提案されてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】屋根型シェルターの屋
根トラスは、これを構成する鋼材をボルト締めにより組
み立てて組立解体自在とすることで、繰り返し使用に際
して部材の保管、運搬が可能となるが、屋根トラスの鋼
材数やボルト数が多く、その組立解体は必ずしも容易で
ないと共に、可撓性シートの貼り付け並びに取り外しや
折り畳みの作業もかなりの手間を要するという問題があ
った。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は前記従来の課
題を解決するために、むな木部で回動自在に枢着された
左右一対の屋根板５と、各屋根板５の軒げた部で回動自
在に枢着された左右一対の側壁板６とから折り畳み自在
な小屋形に組み立てられ、左右の屋根板５，５相互はむ
な木部付近において着脱自在な火打材７で所定角度に傾
斜した屋根形に連結固定され、屋根板５と側壁板６相互
は軒げた部付近において着脱自在な火打材８で連結固定
されており、屋根板５及び側壁板６は金属製方形枠５
ａ，６ａと、これに張り付けた可撓性シート５ｂ，６ｂ
とから構成され、側壁板６の下端面にはローラ１２が取
付けられていることを特徴とする折り畳み式全天候シェ
ルターを提案するものである。

【０００７】

【作用】シェルター４は、むな木部で回動自在に枢着さ
れた左右一対の屋根板５と、各屋根板５の軒げた部で回
動自在に枢着された左右一対の側壁板６とから折り畳み
自在に連結して構成されているため、折り畳み時には四
枚の板を一連に折り重ねたコンパクトな形態として狭い
スペースにも多量に保管又は運搬することが可能となる
と共に、組立時には屋根板５と側壁板６とを一連に連結
したまま展開するだけで容易に組み立てることができ
る。

【０００８】左右の屋根板５，５相互はむな木部付近に
おいて着脱自在な火打材７で所定角度に傾斜した屋根形
に連結固定され、屋根板５と側壁板６相互は軒げた部付
近において着脱自在な火打材８で連結固定されており、
屋根板５及び側壁板６は金属製方形枠５ａ，６ａと、こ
れに張り付けた可撓性シート５ｂ，６ｂとから構成され
ているため、軽量で部材点数や工数も少なく、シェルタ
ーの組立及び解体作業が極めて単純で、作業時間やコス
トを低減することが可能となる。

【０００９】側壁板６の下端面にはローラ１２が取付け
られているため、組み立てたシェルター４をレール３上
に載せて移動させることができ、シェルター設置部から
の機材の出し入れに際して一連に連結したシェルターの
一部を容易に移動して、シェルター設置部を開放するこ
とができる。

【００１０】

【実施例】図４及び図５に示すように、地上に構築すべ
きビルや橋脚等の構造物１に沿って平行に組み立てられ
た外足場２上に、あるいは地下構造物１’の掘削部の周
辺上に型鋼からなるレール３が設置され、このレール３
上に小屋形のシェルター４が構造物１，１’の構築部上
を跨ぐように複数移動自在に設置されている。

【００１１】シェルター４は図１〜図３に示すように、
むな木部で回動自在に枢着された左右一対の屋根板５
と、各屋根板５の軒げた部で回動自在に枢着された左右
一対の側壁板６とから折り畳み自在な小屋形に組み立て
られており、左右の屋根板５，５相互はむな木部付近に
おいて火打材７で所定角度に傾斜した屋根形に連結固定
され、また屋根板５と側壁板６相互は軒げた部付近にお
いて火打材８で連結固定されている。

【００１２】屋根板５は図６に示すように、金属角パイ
プ等からなる方形枠５ａと、これに紐掛けにより張り付
けたキャンバスシート等の可撓性シート５ｂとからな
り、左右の方形枠５ａ，５ａ相互はむな木部において図
７に示すように蝶番９により回動自在に枢着されてい
る。

【００１３】側壁板６は屋根板と同様に、金属角パイプ
等からなる方形枠６ａと、これに紐掛けにより張り付け
たキャンバスシート等の可撓性シート６ｂとからなり、
この方形枠６ａとこれに隣接する屋根板５の方形枠５ａ
相互は軒げた部において図８に示すように蝶番１０によ
り回動自在に枢着されている。

【００１４】なお、蝶番９，１０は小屋組の内側又は外
側のいずれに取付けてもよい。

【００１５】火打材７，８は図７及び図８に示すよう
に、左右の屋根板５の方形枠５ａあるいは側壁板６の方
形枠６ａに設けたブラケット１１に両端をボルト・ナッ
トで締結することにより着脱自在に取付けられている。

【００１６】側壁板６の方形枠６ａの下端面にはローラ
１２が取付けられ（図１,３参照）、これによってシェ
ルター４はレール３に沿って走行自在に設置されると共
に、方形枠６ａの下端に下向きにストッパーボルト１３
がねじ込み調整自在に支承され、必要に応じてこれを回
転しながら下方に突出させてレール３に圧接することに
より、シェルター４を固定できるようになっている。

【００１７】前後に隣接する所要数のシェルター４，４
同士は図３に示すように、それらの方形枠５ａ，５ａ及
び６ａ，６ａ同士をボルト１４で締結することにより連
結一体化されており、レール３の端部側に位置するシェ
ルター４の端部側の妻面は図２に示すように左右２枚の
可撓性シート１５，１５で覆い、これらの可撓性シート
１５，１５の合わせ面を紐等で接合及び切り離し自在に
結合することにより、この合わせ面を開閉自在として必
要に応じてこの妻面から機材等を出し入れできるように
構成する。

【００１８】屋根板５，５相互の連結部及び屋根板５と
側壁板６との連結部、あるいは前後に連結一体化したシ
ェルター４，４の連結部は図９に示すように、可撓性シ
ート５ｂ，６ｂの一側端縁部に基端を取付けたラップシ
ート１６で覆い、その先端を他側端縁部にベルベットフ
ァスナー１７等で止着することにより封鎖する。

【００１９】上記構成のシェルター４は、未使用時には
図１０に示すように屋根板５と側壁板６を可撓性シート
５ｂ，６ｂを張り付けたまま四枚重ねの連結状態でコン
パクトに折り畳んだシェルター組立キットとして倉庫等
に収納しておき、使用時にこの折り畳み状態で現場に運
搬し、連結状態のまま各屋根板５と側壁板６を図１１〜
図１４に示すように順次展開しながら組み立てる。

【００２０】展開組立に際しては、先ず図１１に示すよ
うに屋根板５，５のむな木部で板全体をクレーン等で吊
上げ、屋根板５，５の軒げた部にそれぞれロープ１８，
１９を連結してその一方のロープ１８をアンカー２０に
連結し、他方のロープ１９を巻き上げウインチ等の引張
装置に連結してこれを引張りながら図１２のように屋根
板５，５を所定角度に開いて、相互を火打材７で連結固
定する。

【００２１】次いで図１３に示すように、左右の側壁板
６を屋根板５の外側に開き出しながら屋根板５，５をク
レーン等で吊上げ、鉛直状態の側壁板６と屋根板５とを
火打材８で連結固定して小屋形のシェルター４を形成す
る。

【００２２】上記組立途中において各屋根板５，５ある
いはこれと側壁板６との隣接部分を適宜ラップシート１
６で封鎖し、また同時に少なくとも２組のシェルター組
立キットを用意しておいて、これらの屋根板５と側壁板
６を前後に並べてボルト１４で締結する（予め、２組の
シェルター組立キットを締結一体化した状態で折り畳ん
で保管したものであってもよい）。

【００２３】以上のようにして組み立てたシェルター４
をクレーンで吊り上げて構造物２の構築部上を跨ぐよう
にレール３上に順次移動自在に設置し、風に舞い上がら
ないように適宜箇所をワイヤー２１を介して周辺にアン
カーする。

【００２４】

【発明の効果】以上の通りこの発明によれば、シェルタ
ーの折り畳み時には四枚の板を一連に折り重ねたコンパ
クトな形態として狭いスペースにも多量に保管又は運搬
することが可能となると共に、組立時には屋根板と側壁
板とを一連に連結したまま展開するだけで容易に組み立
てることができると共に、軽量で部材点数や工数も少な
く、シェルターの組立及び解体作業が極めて単純で、作
業時間やコストを低減することが可能となる。

【００２５】また、組み立てたシェルターをレール上に
載せて移動させることができ、シェルター設置部からの
機材の出し入れに際して一連に連結したシェルターの一
部を容易に移動して、シェルター設置部を開放すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のシェルターの設置状態を示す正面
図。

【図２】この発明のレール端部側のシェルターの設置状
態を示す正面図。

【図３】この発明のシェルターの側面図。

【図４】この発明のシェルターによる施工状態の一例を
示す斜視図。

【図５】この発明のシェルターによる施工状態の他の例
を示す斜視図。

【図６】この発明に係る屋根板及び側壁板の構成を示す
部分正面図。

【図７】この発明に係る屋根板の連結状態を示す部分正
面図。

【図８】この発明の屋根板と側壁板の連結状態を示す部
分正面図。

【図９】この発明に係るラップシートの取付状態を示す
縦断面図。

【図１０】この発明のシェルターの折り畳み状態を示す
斜視図。

【図１１】この発明のシェルターの組立状態の一態様を
示す斜視図。

【図１２】この発明のシェルターの組立状態の他の態様
を示す斜視図。

【図１３】この発明のシェルターの組立状態の他の態様
を示す斜視図。

【図１４】この発明のシェルターの組立完了状態を示す
斜視図。

【符号の説明】

１ 構造物 １’ 地下構造物 ２ 外足場 ３ レール ４ シェルター ５ 屋根板 ５ａ 方形枠 ５ｂ 可撓性シート ６ 側壁板 ６ａ 方形枠 ６ｂ 可撓性シート ７ 火打材 ８ 火打材 ９ 蝶番 １０ 蝶番 １１ ブラケット １２ ローラ １３ ストッパーボルト １４ ボルト １５ 可撓性シート １６ ラップシート １７ ベルベットファスナー １８ ロープ １９ ロープ ２０ アンカー ２１ ワイヤー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 むな木部で回動自在に枢着された左右一
   対の屋根板と、各屋根板の軒げた部で回動自在に枢着さ
   れた左右一対の側壁板とから折り畳み自在な小屋形に組
   み立てられ、前記左右の屋根板相互はむな木部付近にお
   いて着脱自在な火打材で所定角度に傾斜した屋根形に連
   結固定され、前記屋根板と側壁板相互は軒げた部付近に
   おいて着脱自在な火打材で連結固定されており、前記屋
   根板及び側壁板は金属製方形枠とこれに張り付けた可撓
   性シートとから構成され、前記側壁板の下端面にはロー
   ラが取付けられていることを特徴とする折り畳み式全天
   候シェルター。