JPH06288094A - Pc鋼より線の緊張・定着方法およびpc鋼より線緊張装置 - Google Patents

Pc鋼より線の緊張・定着方法およびpc鋼より線緊張装置

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JPH06288094A
JPH06288094A JP9513693A JP9513693A JPH06288094A JP H06288094 A JPH06288094 A JP H06288094A JP 9513693 A JP9513693 A JP 9513693A JP 9513693 A JP9513693 A JP 9513693A JP H06288094 A JPH06288094 A JP H06288094A
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Hideshi Nogami
秀史 野上
Masayoshi Fukai
正良 深井
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KOKUDO BOSAI GIJUTSU KK
SANSUI ENG KK
Moritani Industrial Products Co Ltd
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KOKUDO BOSAI GIJUTSU KK
SANSUI ENG KK
Moritani Industrial Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 確認試験後における、緊張装置の取り外しを
伴わない緊張・定着作業への移行を可能とする。 【構成】 アンカーヘッド28とクリアランスプレート32
とが、固定部材36による固定解除のもとで、ジャッキチ
ェアー14に対して移動可能となっている。そして、ジャ
ッキチェアー14に対するクリアランスプレート32の固定
状態においてのみ、PC鋼より線へのアンカーヘッド28の
固定が、定着用くさび30を伴うPC鋼より線の縮小のもと
で可能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、山留め、地すべり抑
止、斜面安定および各種構造物の補強等を目的とするグ
ランドアンカー工事に用いられるPC鋼より線の緊張・定
着方法およびPC鋼より線緊張装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、地すべり抑止、斜面安定等に
使用されるグランドアンカー工事におけるPC鋼より線の
緊張、定着は、支圧板とジャッキとの間にジャッキチェ
アーを介在するとともに、ジャッキ後方でPC鋼より線に
プリングヘッドを一時的に固定して組み立てたPC鋼より
線緊張装置によって行われている。
【0003】一般に、このようなグランドアンカー工事
においては、アンカー自身の耐力を確認するための、い
わゆる確認試験が、PC鋼より線の緊張・定着作業前に行
われている。確認試験において、PC鋼より線は、PC鋼よ
り線緊張装置によって、設計荷重より大きな試験荷重
(確認荷重ともいわれる)のもとで緊張される。
【0004】そして、確認試験の終了後、緊張装置によ
って、PC鋼より線を設計荷重より小さな定着荷重のもと
で再度緊張し、PC鋼より線に定着用くさび、アンカーヘ
ッドからなる定着具をPC鋼より線に固定して、PC鋼より
線を、対象構造物に対してプレストレストを導入し、定
着している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、公知のPC鋼
より線緊張装置での作業においては、確認試験時におけ
るPC鋼より線の定着を防ぐために、通常、PC鋼より線に
定着用くさびを装着しない状態で確認試験を行い、試験
終了後、PC鋼より線に定着用くさびを配設、装着して、
定着荷重のもとでのPC鋼より線の緊張、定着を行ってい
る。つまり、上記のような公知の構成においては、確認
試験の後、一度、PC鋼より線緊張装置を取り外し、定着
用くさびを装着した後、再度、緊張装置を組み立てなが
ら取り付けて、PC鋼より線の緊張、定着作業を行わなけ
ればならない。
【0006】ここで、ジャッキを含む緊張装置の重量
は、一般に、100Kg 程度とされ、広い現場等において
は、通常、クレーン等の機械での作業によって、その組
み立てを伴う取り付けおよび取り外し等の作業を行って
いる。
【0007】しかし、クレーン等の機械の設置の容易で
ない地形の作業現場や狭い作業現場等においては、複数
の作業者の手作業のもとで緊張装置の取り付けおよび取
り外し等の作業を行わなければならないため、確認試験
を含めた緊張、定着の際の作業の工程数が多いと、その
分だけ作業者に大きな負担を強いることになる。そのた
め、クレーン等の設置の容易でない作業現場における、
作業者の安全性が十分に確保できなくなる虞れがある。
【0008】この発明は、確認試験を行った後、緊張装
置を一旦取り外すことなく緊張、定着作業に移行できる
PC鋼より線の緊張・定着方法およびPC鋼より線緊張装置
の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明のPC鋼より線の緊張・定着方法によれば、
アンカーヘッド、ジャッキ間に、ジャッキチェアーの中
をアンカーヘッドとともに移動可能なクリアランスプレ
ートが配設されている。クリアランスプレートは、PC鋼
より線の伸長に伴うアンカーヘッドからの所定量だけの
定着用くさびの飛び出しの保障のもとで、アンカーヘッ
ドに対するPC鋼より線の伸長を可能としている。
【0010】そして、ジャッキチェアーに対するクリア
ランスプレートの固定、固定解除を固定装置によって切
換え可能とし、クリアランスプレートの固定解除時にお
ける、PC鋼より線の伸縮に連動したアンカーヘッド、ク
リアランスプレートの一体的な移動のもとで、アンカー
ヘッドの固定を伴わない、確認試験時のPC鋼より線の緊
張を可能としている。また、アンカーヘッドに対する定
着用くさびの飛び出しのもとで、クリアランスプレート
の固定時での緊張時におけるPC鋼より線の伸長を確保
し、PC鋼より線の縮小に伴う定着用くさびの嵌着によっ
て、定着作業時におけるアンカーヘッドの固定を可能と
している。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
について詳細に説明する。
【0012】図1に示すように、この発明に係るPC鋼よ
り線緊張装置10は、ジャッキ12と、ジャッキの載置され
たジャッキチェアー14と、ジャッキ後方でPC鋼より線16
に一時的に固定されたプリングヘッド18とを具備して組
み立てられ、PC鋼より線の緊張状態における定着具20で
の固定によって、PC鋼より線を対象構造物22に対して定
着可能に構成されている。
【0013】プリングヘッド18は、たとえば、PC鋼より
線16の回りへの緊張用くさび24の嵌着によって、PC鋼よ
り線に対して一時的に固定され、ジャッキ12の伸長動作
に伴うプリングヘッドの移動のもとで、PC鋼より線の牽
引、つまりは緊張が可能となっている。
【0014】ジャッキ12は、たとえば、基部12a 、可動
部12b を有する油圧式に構成され、基部に対する可動部
の伸縮動作によって、PC鋼より線16の緊張、緊張解除が
切換え可能となっている。また、ジャッキ12の載置され
るジャッキチェアー14は、たとえば、ジャッキの可動部
12b の遊挿可能な貫通した中空部14a を有するパイプ状
に形成され、対象構造物サイドの支圧板26の段部への遊
嵌のもとで配設されている。
【0015】そして、支圧板26に隣接した位置に、定着
具20が配設されている。定着具20として、通常、アンカ
ーヘッド28と定着用くさび30との組み合わせが利用さ
れ、PC鋼より線16の回りへの定着用くさびの嵌着によっ
て、PC鋼より線へのアンカーヘッドの固定が可能となっ
ている。
【0016】なお、このようなPC鋼より線緊張装置10の
基本的な構成は公知であり、その基本的な構成自体はこ
の発明の趣旨でないため、各構成部材についての詳細な
説明等は省略する。
【0017】このような緊張装置10は、グランドアンカ
ー工事を行う現場において組み立てられる。まず、たと
えば、アジャストプレート31等を介して、支圧板26が対
象構造物サイドに配設されるとともに、アンカーヘッド
28、ジャッキチェアー14がPC鋼より線16に対して順次取
り付けられる。そして、ジャッキチェアー14への載置に
よって、ジャッキ12を取り付けるとともに、ジャッキ後
方におけるPC鋼より線16へのプリングヘッド18の固定に
よって、緊張装置10が、PC鋼より線を緊張・定着可能な
状態に組み立てられる。
【0018】ここで、この発明においては、アンカーヘ
ッド28が、ジャッキチェアー14の中空部内に遊挿される
とともに、図1を見るとわかるように、ジャッキの可動
部12b とアンカーヘッド28との間に、ジャッキチェアー
の中空部内を移動可能な円板状のクリアランスプレート
32が配設されている。
【0019】クリアランスプレート32は、凹部32a のも
とでアンカーヘッド28との間に形成された隙間34によっ
て、アンカーヘッドからの所定量だけの定着用くさび30
の飛び出しを保障可能に形成されている。隙間34の奥
行、つまりは定着用くさび30の飛び出しの所定量は、定
着用くさび30によってアンカーヘッド28に対するPC鋼よ
り線16の伸長を妨げない程度に設定される。
【0020】このような構成では、隙間34によって保障
された定着用くさび30の飛び出しのもとで、定着用くさ
び、つまりはアンカーヘッド28に対するPC鋼より線16の
伸縮が確保されている。
【0021】そして、クリアランスプレート32をジャッ
キチェアー14に対して固定する固定装置36が、たとえ
ば、ジャッキチェアーに設けられている。
【0022】図1に加えて図2を見るとわかるように、
固定装置36は、たとえば、クリアランスプレート32の係
合溝38に係合可能な係合片40を有して形成されている。
固定装置36の係合片40は、たとえば、ジャッキチェアー
の中空部14a に沿った円弧を持つ略半月形状に形成され
て、ジャッキチェアー14の挿通孔42に遊挿され、ねじ44
a 、ナット44b の組み合わせからなる支持部材44によっ
て、挿通孔内に位置する図2の格納位置と、中空部14a
に突出した図3の突出位置との間で移動可能に支持され
ている。
【0023】図3に示すように、このような構成におい
ては、ナット44b の回転操作のもとで、ねじ44a が係合
片40とともにジャッキチェアー14の軸線の直交方向に移
動し、係合片の突出位置における、係合溝38への係合片
の挿入、係合によって、クリアランスプレート32がジャ
ッキチェアーに対して固定される。
【0024】なお、図1に示すように、このような固定
装置36は、たとえば、図中の上下位置のような、180 °
離反した2箇所にそれぞれ設けられている。
【0025】グランドアンカー工事における作業時にお
いては、通常、PC鋼より線16の定着作業前に、PC鋼より
線、対象構造物間のアンカー耐力等を確認する確認試験
が行われる。確認試験においては、設計荷重より大きな
確認荷重(試験荷重ともいう)のもとで、PC鋼より線16
が緊張され、対象構造物22にPC鋼より線を定着すること
なく、試験荷重は一旦解除される。
【0026】ここで、この発明のPC鋼より線緊張装置10
によって行われるPC鋼より線の緊張・定着方法によれ
ば、クリアランスプレート32の固定解除時、つまりはジ
ャッキチェアー14に対するアンカーヘッド28、クリアラ
ンスプレートの可動時に、確認試験が行われる。
【0027】たとえば、図1、図2に示すようなクリア
ランスプレート32の固定解除時に、ジャッキ12を後方
(図中矢印方向)に伸長させ、プリングヘッド18ととも
にPC鋼より線16を確認荷重のもとで牽引、緊張すると、
摩擦等に起因するPC鋼より線、定着用くさび30間の係止
力のもとで、アンカーヘッド28が、図4に示すように、
PC鋼より線の伸長に連動して、クリアランスプレート32
とともにPC鋼より線の伸長方向に移動する。
【0028】そして、確認荷重のもとでアンカー耐力を
確認した後、ジャッキの可動部12bを初期位置に戻せ
ば、PC鋼より線16の復元力によって、アンカーヘッド2
8、クリアランスプレート32がいずれも初期位置に戻さ
れる。
【0029】つまり、クリアランスプレート32の固定解
除時においては、PC鋼より線16の伸縮に連動して、定着
用くさび30がアンカーヘッド28と一体的に移動するた
め、PC鋼より線の縮小時においても、PC鋼より線へのア
ンカーヘッド28の固定、つまりはPC鋼より線の定着は行
われない。そのため、この発明においては、定着用くさ
び30を装着した状態での確認試験が行える。
【0030】また、確認試験終了後の定着作業時におい
ては、図3、図5に示すように、固定装置のナット44b
の回転操作によって、略半月形状の係合片40をジャッキ
チェアー14の中空部内に突出させ、クリアランスプレー
トの係合溝38への係合片の挿入、係合のもとで、クリア
ランスプレート32が、ジャッキチェアーに対して固定さ
れる。
【0031】クリアランスプレート32の固定時において
PC鋼より線16を緊張すると、PC鋼より線の伸長に連動し
たアンカーヘッド28、クリアランスプレートの移動が生
じないため、伸長時における、定着用くさびに対するPC
鋼より線の移動が可能となる。
【0032】そして、定着荷重でのPC鋼より線16の牽
引、緊張後、ジャッキの可動部12b を初期位置方向に移
動させれば、PC鋼より線に与えられた緊張力が解除され
て、PC鋼より線が自己の復元力のもとで縮小しようとす
る。このとき、定着用くさび30は、PC鋼より線16の縮小
に伴って、当該方向に移動しようとするため、PC鋼より
線の縮小のもとで、定着用くさびが、PC鋼より線の回り
に嵌着される。すると、アンカーヘッド28がPC鋼より線
16の対応する位置に固定され、PC鋼より線に与えられた
荷重の導入された状態でアンカーヘッド、支圧板26間が
係合され、PC鋼より線が対象構造物22に対して定着され
る。
【0033】上記のように、この発明のPC鋼より線の緊
張、定着方法によれば、PC鋼より線緊張装置10を取り外
すことなく、固定装置36によるクリアランスプレート32
の固定、固定解除の切換えのもとで、確認試験から定着
作業に移行できる。つまり、緊張装置10の取り付け、取
り外しは、確認試験前の組み立てを伴う取り付け作業、
および、定着後の取り外し作業の各1工程で済むため、
作業者への負担が最低限に抑えられる。
【0034】そのため、クレーン等の機械の設置困難な
地形や広さ等のような、作業者の手作業の要求される作
業現場等においても、作業者に過剰な負担を強いること
がなく、安全性が十分に改善される。
【0035】そして、確認試験から定着作業への移行時
における、緊張装置の取り付け、取り外し作業、およ
び、定着用くさび30の装着作業が省略できるため、作業
が複雑化することもなく、作業性も改善される。
【0036】また、この発明のPC鋼より線緊張装置10に
よれば、上記のPC鋼より線の緊張・定着方法が適切に遂
行でき、確認試験前の取り付け作業から定着作業後の取
り外し作業までの作業性、安全性が十分に改善される。
【0037】そして、クリアランスプレート32をアンカ
ーヘッド28とジャッキ12との間に配設して、ジャッキチ
ェアー14の中空部内に遊挿すれば足りるため、PC鋼より
線緊張装置10の組み立てを伴う取り付け作業を複雑化す
ることもなく、この点においても、作業性が改善され
る。
【0038】ここで、実施例においては、固定装置36を
ジャッキチェアー14の図中上下の2箇所に有する構成と
して例示されているが、ジャッキチェアーに対するクリ
アランスプレート32の移動を阻止すれば足りるため、固
定装置の配設位置はこれに限定されない。
【0039】また、図示のような2箇所に限定されず、
たとえば、ジャッキチェアー14の円周上の1箇所または
3箇所等に、固定装置36を設ける構成としてもよい。し
かしながら、図示のような180 °離反した2箇所に、固
定装置36を配設すれば、強度、安定性に優れた固定装置
が得られるとともに、操作数が抑制できるため、固定
時、固定解除時の操作性が向上される。
【0040】更に、固定装置36は、係合片40と支持部材
44との組み合わせとして具体化されているが、係合溝38
との係合のもとで、ジャッキチェアー14に対するクリア
ランスプレート32の移動を阻止可能であれば足りるた
め、これに限定されず、他の手段から固定装置を構成し
てもよい。
【0041】しかしながら、係合片40と支持部材44との
組み合わせによって、固定装置36を形成すれば、ナット
44b の回転操作のもとで、係合片の移動が得られるた
め、クリアランスプレート32の固定、固定解除時におけ
る操作性が、確実に向上される。
【0042】また、係合片40は、略半月形状に形成され
ているが、クリアランスプレートの係合溝38との係合の
もとで、クリアランスプレート32をジャッキチェアー14
に対して固定すれば足りるため、係合片の形状はこれに
限定されない。
【0043】しかしながら、ジャッキチェアーの中空部
14a の周縁に沿った円弧を持つ略半月形状から係合片40
を形成すれば、クリアランスプレートの係合溝38との接
触面積が大きくとれ、クリアランスプレート32が安定し
た状態で固定できるため、この点においても、安全性が
確保される。
【0044】そして、ジャッキチェアーの中空部14a の
周縁に沿った円弧とすることによって、係合片40が均等
に突出、格納されるため、中空部内での部分的な突出等
が確実に防止できる。つまり、係合片40の突出、格納、
つまりはクリアランスプレート32の固定、固定解除が確
実に切換えられるため、この点からも、操作性、安全性
が向上される。
【0045】上述した実施例は、この発明を説明するた
めのものであり、この発明を何等限定するものでなく、
この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも
全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0046】
【発明の効果】上記のように、この発明に係るPC鋼より
線の緊張・定着方法によれば、PC鋼より線緊張装置を取
り外すことなく、確認試験から定着作業に移行できるた
め、緊張装置の取り付け、取り外し作業が各1工程で済
む。そのため、着座者の手作業による緊張装置の取り付
け、取り外しの要求される作業現場等においても、作業
者への負担が最低限に抑えられ、作業者の安全性が十分
に改善される。
【0047】そして、確認試験から定着作業への移行時
における、緊張装置の取り外し作業、および、定着用く
さびの挿着作業が省略できるため、作業が複雑化するこ
ともなく、作業性も改善される。
【0048】また、この発明のPC鋼より線緊張装置によ
れば、上記のPC鋼より線の緊張・定着方法が適切に遂行
でき、確認試験前の取り付け作業から定着作業後の取り
外し作業までの作業性、安全性が十分に改善される。
【0049】そして、クリアランスプレートをアンカー
ヘッドとジャッキとの間に配設して、ジャッキチェアー
の中に移動可能に配設すれば足りるため、PC鋼より線緊
張装置の組み立てを伴う取り付け作業を複雑化すること
もなく、この点においても、作業性が改善される。
【0050】また、クリアランスプレートの凹部によっ
て、アンカーヘッドからの定着くさびの飛び出しを保障
する隙間を形成すれば、追加部材等を必要としないとと
もに、隙間に誤差が生じ難いため、アンカーヘッドに対
するPC鋼より線の伸長が容易に確保できる。
【0051】そして、係合片と支持部材との組み合わせ
によって、固定装置を形成すれば、ナットの回転操作の
もとで、係合片の移動が得られるため、クリアランスプ
レートの固定、固定解除時の操作性が確実に向上され
る。
【0052】更に、係合片をジャッキチェアーの内周縁
に沿った部分的な円弧を持つ略半月形状とすれば、安定
した状態でのクリアランスプレートの固定が得られるた
め、安全性が向上される。
【0053】そして、ジャッキチェアーの内周縁に沿っ
た円弧とすることによって、ジャッキチェアーの挿通孔
内における、係合片の均等な突出、格納が得られるた
め、中空部内での部分的な突出等が確実に防止できる。
そのため、クルアランスプレートの固定、固定解除が確
実に切換えられ、この点からも、操作性、安全性が向上
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】上半部を破断した、初期状態におけるこの発明
に係るPC鋼より線緊張装置の概略側面図である。
【図2】図1の線A−Aに沿った断面図である。
【図3】図5の線B−Bに沿った断面図である。
【図4】クリアランスプレートの固定解除時(確認試験
時)における、PC鋼より線の緊張状態での、上半部破断
のPC鋼より線緊張装置の概略側面図である。
【図5】クリアランスプレートの固定時(定着作業時)
における、PC鋼より線の緊張状態での、上半部破断のPC
鋼より線緊張装置の概略側面図である。
【符号の説明】
10 PC鋼より線緊張装置 12 ジャッキ 14 ジャッキチェアー 16 PC鋼より線 18 プリングヘッド 20 定着具 22 対象構造物 28 アンカーヘッド 30 定着用くさび 32 クリアランスプレート 34 隙間 36 固定装置 38 係合溝 40 係合片 44 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深井 正良 東京都江東区東砂6−20−13−501

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支圧板とジャッキとの間にジャッキチェ
    アーを介在するとともに、ジャッキ後方でPC鋼より線に
    プリングヘッドを一時的に固定して組み立てたPC鋼より
    線緊張装置によって、PC鋼より線を対象構造物に対して
    緊張し、支圧板に隣接する箇所での、アンカーヘッド、
    定着用くさびからなる定着具による固定によって、PC鋼
    より線を、対象構造物に対してプレストレストを導入し
    て定着するPC鋼より線の緊張・定着方法において、 アンカーヘッド、ジャッキ間でジャッキチェアーの中を
    アンカーヘッドとともに移動可能に配設されたクリアラ
    ンスプレートにより、PC鋼より線の伸長に伴うアンカー
    ヘッドからの所定量だけの定着用くさびの飛び出しを保
    障して、アンカーヘッドに対するPC鋼より線の伸長を可
    能にするとともに、ジャッキチェアーに対するクリアラ
    ンスプレートの固定、固定解除を固定装置によって切換
    え可能とし、 クリアランスプレートの固定解除時における、PC鋼より
    線の伸縮に連動したアンカーヘッド、クリアランスプレ
    ートの一体的な移動のもとで、アンカーヘッドの固定を
    伴わない、確認試験時のPC鋼より線の緊張を可能とし、 定着作業時にクリアランスプレートを固定してアンカー
    ヘッドの移動を規制し、アンカーヘッドに対する定着用
    くさびの飛び出しのもとで、緊張に伴うPC鋼より線の伸
    長を確保するとともに、緊張解除後のPC鋼より線の縮小
    に伴う定着用くさびの嵌着によるアンカーヘッドの固定
    によって、PC鋼より線を、対象構造物に対してプレスト
    レストを導入して定着することを特徴としたPC鋼より線
    の緊張・定着方法。
  2. 【請求項2】 対象構造物サイドの支圧板とジャッキと
    の間に、ジャッキの載置されるパイプ状のジャッキチェ
    アーを介在するとともに、ジャッキ後方でPC鋼より線に
    プリングヘッドを一時的に固定して組み立てられるPC鋼
    より線緊張装置において、 定着用くさびの嵌着のもとでPC鋼より線に固定される定
    着具のアンカーヘッドが、ジャッキチェアー内に遊挿さ
    れるとともに、PC鋼より線の伸長に伴うアンカーヘッド
    からの所定量だけの定着用くさびの飛び出しを保障する
    クリアランスプレートが、ジャッキチェアー内のアンカ
    ーヘッド、ジャッキ間で移動可能に形成、配設され、 ジャッキチェアーに対するクリアランスプレートの移動
    を阻止可能な固定装置が、ジャッキチェアーに設けら
    れ、クリアランスプレートの固定解除時における、PC鋼
    より線の伸縮に連動したアンカーヘッド、クリアランス
    プレートの一体的な移動のもとで、アンカーヘッドの固
    定を伴わないPC鋼より線の緊張を可能とするとともに、 クリアランスプレートの固定に伴うアンカーヘッドの移
    動規制によって、アンカーヘッドに対する定着用くさび
    の飛び出しのもとで、緊張に伴うPC鋼より線の伸長のみ
    を確保し、緊張解除後のPC鋼より線の縮小に伴う定着用
    くさびの嵌着によって、アンカーヘッドをPC鋼より線に
    固定可能としたことを特徴とするPC鋼より線緊張装置。
  3. 【請求項3】 クリアランスプレートの凹部によって、
    アンカーヘッドからの定着用くさびの所定の飛び出し量
    に相当する隙間が形成され、隙間内での定着用くさびの
    飛び出しによって、緊張時における、アンカーヘッドに
    対するPC鋼より線の伸長が確保される請求項2記載のPC
    鋼より線緊張装置。
  4. 【請求項4】 クリアランスプレートの外周面の少なく
    とも一部に、所定の係合溝が形成されるとともに、 係合溝に挿入、係合可能な係合片と;係合片をジャッキ
    チェアーの軸線に直交する方向に移動可能に支持する支
    持部材と;を有する固定装置が、ジャッキチェアーに設
    けられ、 支持部材の操作による、ジャッキチェアー内面からの係
    合片の突出時に、クリアランスプレートをジャッキチェ
    アーに対して固定する請求項2または3記載のPC鋼より
    線緊張装置。
  5. 【請求項5】 係合片が、ジャッキチェアーの内周縁に
    沿った部分的な円弧を持つ略半月形状に形成されるとと
    もに、クリアランスプレートの係合溝が、対応する形状
    の凹部として形成された請求項4記載のPC鋼より線緊張
    装置。
JP9513693A 1993-03-31 1993-03-31 Pc鋼より線の緊張・定着方法およびpc鋼より線緊張装置 Expired - Fee Related JP2725132B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102033261B1 (ko) * 2018-12-31 2019-10-16 정삼식 웨지의 설치 구조가 개선된 재긴장 장치 및 이를 이용한 재긴장 시공방법
CN113738115A (zh) * 2021-08-19 2021-12-03 中铁十六局集团第五工程有限公司 一种钢绞线张拉防护装置

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