JPH0628744Y2 - 多連切替スイツチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は多連切替スイッチ装置、特にそのモード切替ボ
タン復帰機構の改良に関するものである。

［従来の技術］ 多種機器の制御装置等に多連切替スイッチ装置が広く使
用されており、機器の制御状態を所定モードへ切替制御
するため重要な役割を果たしている。

例えば車両用空間制御装置にもこのような多連切替スイ
ッチ装置が用いられる場合がある。

第４図には多連切替スイッチ装置を用いた車両用空調制
御装置の外観が示されている。

図において、ハウジング１０の車室内側は意匠パネル１
２から構成され、該意匠パネル１２上には風向切替ボタ
ン１４、エアコンを駆動制御するエアコンモード切替ボ
タン１６及びエコノミーモード切替ボタン１８、吸気口
切替ボタン２０、温度設定用スライドノブ２２、風量切
替用スライドノブ２４が配列されている。

また、各ボタンの下方には該ボタンの切替状態を操作者
へ容易に認識させるためのインジケータ２６，２８，３
０，３２が配置されている。

そして、通常、この種の車両用空調制御装置は車両のフ
ロントパネル中央に配置され、操作者は適当なボタンあ
るいはノブ操作を行うことで所望の車室内環境を得るこ
とが可能となっている。

ところで、近年運転者は頻繁に操作する切替ボタンを運
転者の操作し易い位置に配置することを要望しており、
例えば第５図に示すごとく風向切替ボタン１４のうち特
に頻繁に操作するオートモード切替ボタン１４ａを車両
空調制御装置本体から分離してハンドルあるいは各種メ
ータ近傍に配置することが行われている。

このような車両用空調制御装置に用いられる多連切替ス
イッチ装置としては第６図に示すようなものが公知であ
る。

図において、意匠パネル１２の内側には多連切替スイッ
チ装置３４が配置されており、該多連切替スイッチ装置
３４から突出したスイッチノブ３６，３８，４０にはそ
れぞれマニュアルモード設定用の風向切替ボタン１４
ｂ，１４ｃ，１４ｄが固定されている。

そして、オートモード設定用の風向切替ボタン１４ａは
前述したように離隔配置されており、スイッチノブ４２
に固定されている。

図示例において、スイッチノブ３６，３８，４０はそれ
ぞれ選択的に押入・ロック可能に形成されており、各ス
イッチノブは連結接点４４，４６，４８を有する。

各連結接点に対応して固定接点５０，５２，５４が設け
られ、例えばスイッチノブ３６の連結接点４４は３個の
固定接点５０ａ，５０ｂ，５０ｃのうち２個の接点を選
択的に導通可能とする。

また、スイッチノブ４２もほぼ同様な構成を有し、連結
接点５６及び固定接点５８ａ，５８ｂ，５８ｃを有する
が、該スイッチノブ４２は単に押入可能に形成されてい
るのみでロックはされない。

該スイッチノブ４２の固定接点５８ｃは接地されてお
り、接点５８ｂは復帰ノブ６０を出入制御するソレノイ
ド６２を介して電極６４に接続されている。

なお、各スイッチノブ３６，３８，４０，６０の切欠部
３６ａ，３８ａ，４０ａ，６０ａには各ノブに対応した
開口を有する連動板６６が係止されており、該連動板６
６はバネ６８により各切欠部方向へ付勢されている。

図示例に係る多連切替スイッチ装置は以上のように構成
され、次にその動作について説明する。

第６図（Ａ）に示す状態において、マニュアルモード設
定用のスイッチノブ３６，３８，４０はそれぞれ復帰状
態にあり、スイッチノブ３６においては固定接点５０ａ
と５０ｃが、またスイッチノブ３８においては固定接点
５２ａと５２ｃが、スイッチノブ４０においては固定接
点５４ａと５４ｃがそれぞれ導通状態にあり、風向切替
はオートモードに設定されている。

この状態から、同図（Ｂ）に示すように切替ボタン１４
ｃが押入操作されると、これに伴いスイッチノブ３８は
押し下げられ、切欠部３８ａの斜面に沿って連動板６６
が摺動されて切欠部３８ｂに係止される。

従って、スイッチノブ３８は押入状態にロックされ、連
結接点４６により固定接点５２ｂと５２ｃが連結され所
望の風向モード切替を行う。なお、その際に他のスイッ
チノブ３６あるいは４０が押入・ロック状態にあった場
合には、前記連動板６６の摺動に伴い復帰されることと
なる。

次に、同図（Ｃ）に示すようにオートモード設定用の切
替ボタン１４ａを押入操作するとスイッチノブ４２が押
し下げられ、連結接点５６により固定接点５８ｂと５８
ｃが導通状態となる。この結果、ソレノイド６２に通電
され、該ソレノイド６２は復帰ノブ６０を引下げる。従
って、連結板６６は切欠部６０ａの斜線に沿って右方向
に移動し、前記押入・ロック状態にあったスイッチノブ
３８を復帰する。

従って、前記（Ａ）に示した状態と同様となり、空調装
置の風向制御モードはオートモードに制御されることと
なる。

以上のようにして、図示例に係る多連切替スイッチ装置
によれば、モード切替ボタンの押入・ロックにより切替
スイッチを所定モードへ切替制御することが可能である
とともに、復帰ボタンの押入により前記モード切替ボタ
ンを全て復帰させ、特定のモードへ切替制御することが
可能となる。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来技術の問題点 ところが、このような従来の多連切替スイッチ装置を用
いた場合には、モード切替ボタンが全て復帰したにもか
かわらず、復帰ボタンを押し続けると、復帰アクチュエ
ータが損傷してしまうことがあるという問題点があっ
た。

この点を第７図に基づき更に詳細に説明する。

第７図には前記第６図に示した多連切替スイッチ装置の
電気回路が示されており、同一部分には同一符号を付し
て説明を省略する。

図からも明らかなように、マニュアルモード切替用のス
イッチノブ３６，３８，４０が復帰状態にあり、切替ス
イッチ７０，７２，７４もそれぞれオートモード制御状
態にあるにもかかわらず、復帰ボタンを構成するオート
モード設定用の切替ボタン１４ａの押入を続けると、ソ
レノイド６２には切替ボタン１４ａの押入時間通電が接
続されることとなり、該ソレノイド６２が加熱・損傷し
てしまうことがある。

無論、切替ボタン１４ａを押入操作し、接点５８ｂと５
８ｃが導通状態となった後に一定時間だけソレノイド６
２に通電するような単安定マルチバイブレータ等を用い
た回路構成をとることも可能ではあるが、この場合には
装置価格が上昇してしまうという問題点を生じる。

考案の目的 本考案は前記従来技術の問題点に鑑みなされたものであ
り、その目的は回路構成を複雑化することなく、例え復
帰ボタンを押入操作し続けたとしても復帰アクチュエー
タが損傷することのない多連切替スイッチ装置を提供す
ることにある。

［問題点を解決するための手段］ 前記目的を達成するために、本考案に係る多連切替スイ
ッチ装置は、モード切替ボタンのいずれかが押入・ロッ
ク状態にあるときのみ復帰アクチュエータの作動を可能
とする復帰アクチュエータ制御機構を備えたことを特徴
とする。

［作用］ 本考案に係る多連切替スイッチ装置は前述した手段を有
するので、いずれかのモード切替ボタンが押入・ロック
状態にある場合に、復帰ボタンを押入操作すると、復帰
アクチュエータの作動により押入・ロック状態にあるモ
ード切替ボタンが復帰する。更に復帰ボタンを押入し続
けても、モード切替ボタンはいずれも復帰状態にあるの
で、復帰アクチュエータ制御機構が復帰アクチュエータ
の作動を不可能とし、復帰アクチュエータが損傷してし
まうことはない。

なお、モード切替ボタンがいずれも復帰状態にある場合
に復帰ボタンを押入操作しても前記と同様に復帰アクチ
ュエータ制御機構は復帰アクチュエータの作動を不可能
とするので復帰アクチュエータの損傷を確実に防止する
ことができる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の好適な実施例を説明す
る。

第１図には本考案の適用された多連切替スイッチ装置の
好適な実施例が示されており、前記第７図と対応する部
分には図番１００を加えて示し説明を省略する。

本考案において特徴的なことは、モード切替ボタンのい
ずれかが押入・ロック状態にあるときのみ復帰アクチュ
エータの作動を可能とする復帰アクチュエータ制御機構
を備えたことであり、このために本実施例においては、
復帰スイッチ１７６の固定接点１５８ｃと、切替スイッ
チ１７０，１７２，１７４のそれぞれの固定接点１５０
ｂ，１５２ｂ，１５４ｂを連結し、さらに各切替スイッ
チの固定接点１５０ｃ，１５２ｃ，１５４ｃと電源１６
４をソレノイド１６２を介して連結している。

本実施例に係る多連切替スイッチ装置の電気回路は以上
のように形成され、次にその作用について第２図に基づ
き説明する。

まず、第２図（Ａ）において、マニュアルモード設定用
のモード切替ボタン１１４ｃが押入・ロック状態にあ
り、切替スイッチ１７２ではモード切替ボタン１１４ｃ
と連動した連結接点１４６により固定接点１５２ｂと１
５２ｃが導通されている。そして、このスイッチ切替状
態で、例えば車両用空調装置は所定の空調モードに制御
されることとなる。

この状態で、第２図に（Ｂ）に示すごとくオートモード
設定用の切替ボタン、すなわち復帰ボタン１１４ａを押
入操作すると、該復帰ボタン１１４ａと連動した連結接
点１５６が固定接点１５８ｂと１５８ｃとを導通し、こ
の結果、電源１６４からソレノイド１６２，切替スイッ
チ１７２，復帰スイッチ１７６を介して電流が流れる。

従って、ソレノイド１６２が起動し、モード切替ボタン
１１４ｃのロック状態を解除し復帰させる。

更に、第２図（Ｃ）に示すように、切替ボタン１１４ｃ
が復帰した後も復帰ボタン１１４ａを押入操作し続けた
としても、切替スイッチ１７２において固定接点１５２
ｂと１５２ｃは導通しておらず、電源１６４からは電流
が流れない。

従って、ソレノイド１６２は起動せず、無論長時間の電
流導通により加熱損傷してしまうこともない。

以上説明したように、本実施例に係る多連切替スイッチ
装置によれば、回路構成を何ら複雑化することなく復帰
アクチュエータの損傷を確実に防止することが可能とな
る。

更に、第３図には本考案に係る多連切替スイッチ装置の
他の実施例が示されている。

本実施例において特徴的なことは、２つのモードボタン
群２００及び３００を有し、いずれかのモード切替ボタ
ン群のモード切替ボタンが押入・ロックされている状態
で他のモード切替ボタン群のいずれかのモード切替ボタ
ンが押入操作されると、前記モード切替ボタン群の切替
ボタンを全て復帰させることにある。

すなわち、本実施例において、モード切替ボタン群２０
０は２個のモード切替ボタン２０２，２０４を有し、ま
たモード切替ボタン群３００は同じく２個の切替ボタン
３０２，３０４を有する。

各モード切替ボタンの構造はほぼ同様であり、ここでは
モード切替ボタン２０２について説明する。

図において、モード切替ボタン２０２は切替スイッチ２
０６，２０８を有し、それぞれの連結接点２１０，２１
２が前記モード切替ボタン２０２と連動して所定の固定
接点を連結動作するよう構成されている。

そして、切替スイッチ２０６と隣接するモード切替ボタ
ン２０４の切替スイッチ２１４のそれぞれの固定接点２
０６ａ，２１４ａはソレノイド２１８を介して電源２２
０に接続され、切替スイッチ２０８，２１６の固定接点
２０８ａ，２１６ａは接地されている。

また、切替スイッチ２０６の固定接点２０６ｂは切替ス
イッチ２１４，３０８，３１６のそれぞれの固定接点２
１４ｂ，３０８ｂ，３１６ｂに接続され、切替スイッチ
２０８の固定接点２０８ｂは切替スイッチ２１６，３０
６，３１４の固定接点２１６ｂ，３０６ｂ，３１４ｂに
接続されている。

本実施例に係る多連切替スイッチ装置の電気回路は概略
以上のように構成され、次にその動作について説明す
る。

まず切替ボタン２０２が押入・ロック状態にあり、切替
スイッチ２０６においては固定接点２０６ａと２０６ｂ
が連結接点２１０によって導通され、また切替スイッチ
２０８においては固定接点２０８ａと２０８ｂが連結接
点２１２によって導通状態となっている。

この状態で、切替ボタン２０４が押入・ロックされたと
しても、モード切替ボタン群３００のいずれかのモード
切替ボタンが押入・ロック状態にない限りソレノイド２
１８には通電されず、モード切替ボタン２０２が復帰し
てしまうことはない。

これに対し、モード切替ボタン２０２が押入・ロック状
態にあり、更にモード切替ボタン３０２が押入・ロック
されると、切替スイッチ３０６の固定接点３０６ａと３
０６ｂが、また切替スイッチ３０８の固定接点３０８ａ
と３０８ｂがそれぞれ導通状態となり、電源２２０から
ソレノイド２１８，切替スイッチ２０６，切替スイッチ
３０８を介して接地端へ電流が導通されソレノイド２１
８が起動する。

この結果、モード切替ボタン２０２は復帰し、切替スイ
ッチ２０６はオフ状態となるためソレノイド２１８への
通電は停止される。

従って、以上の説明においては、モード切替ボタン３０
２がモード切替ボタン２０２，２０４の復帰ボタンとし
て使用されるが、該復帰ボタンとしてのモード切替ボタ
ン３０２が押入・ロックされるものであっても、前記第
１図に示した実施例と同様ソレノイドの加熱損傷は確実
に防止することが可能となる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案に係る多連切替スイッチ装
置によれば、モード切替ボタンのいずれかが押入・ロッ
ク状態にあるときのみ復帰アクチュエータの作動を可能
とする復帰アクチュエータ制御機構を備えたことによ
り、モード切替ボタンが復帰した状態で復帰ボタンを押
入し続けたとしても復帰アクチュエータを加熱損傷から
確実に保護することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る多連切替スイッチ装置の好適な一
実施例を示す説明図、 第２図は第１図に示した多連切替スイッチ装置の作用の
説明図、 第３図は本考案に係る多連切替スイッチ装置の他の実施
例を示す説明図、 第４図は多連切替スイッチ装置を用いた従来の車両用空
調制御装置の外観斜視図、 第５図は復帰ボタンをモード切替ボタンから離隔配置し
た車両用空調制御装置の説明図、 第６図は従来の多連切替スイッチ装置の説明図、 第７図は第６図に示した多連切替スイッチ装置の問題点
の説明図である。 １４ａ，１１４ａ……オートモード設定用切替ボタン
（復帰ボタン） １４ｂ，１４ｃ，１４ｄ，１１４ｂ，１１４ｃ，１１４
ｄ……マニュアルモード設定用切替ボタン（モード切替
ボタン） ３４……多連切替スイッチ装置 ６２，１６２……ソレノイド（復帰アクチュエータ） ７０，７２，７４，１７０，１７２，１７４……切替ス
イッチ ７６，１７６……復帰スイッチ。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】選択的に押入・ロックされ、対応する切替
   スイッチを所定モードへ切替制御する複数のモード切替
   ボタンと、 前記モード切替ボタンを全て復帰する復帰アクチュエー
   タと、 前記モード切替ボタン群と離隔配置され、押入操作によ
   り、前記復帰アクチュエータを駆動する復帰ボタンと、 を含む多連切替スイッチ装置において、 前記モード切替ボタンのいずれかが押入・ロック状態に
   あるときのみ復帰アクチュエータの作動を可能とする復
   帰アクチュエータ制御機構を備えたことを特徴とする多
   連切替スイッチ装置。
2. 【請求項２】実用新案登録請求の範囲（１）記載の装置
   において、復帰アクチュエータ制御機構は、 モード切替ボタンが押入状態にあるときに導通可能とさ
   れる切替スイッチと、 復帰アクチュエータと、 復帰ボタンの押入操作により導通可能とされる復帰スイ
   ッチと、 を直列接続して形成されることを特徴とする多連切替ス
   イッチ装置。
3. 【請求項３】実用新案登録請求の範囲（１）又は（２）
   記載の装置において、復帰ボタンは押入・ロックされる
   ことを特徴とする多連切替スイッチ装置。
4. 【請求項４】実用新案登録請求の範囲（３）記載の装置
   において、復帰ボタンはその押入・ロックにより対応す
   る切替スイッチを所定モードへ切替制御することを特徴
   とする多連切替スイッチ装置。