JPH06286070A - フィルム積層体 - Google Patents

フィルム積層体

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JPH06286070A
JPH06286070A JP5072658A JP7265893A JPH06286070A JP H06286070 A JPH06286070 A JP H06286070A JP 5072658 A JP5072658 A JP 5072658A JP 7265893 A JP7265893 A JP 7265893A JP H06286070 A JPH06286070 A JP H06286070A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】親水性塗料、水性インキ、水性エマルジョンな
どを含む各種水性塗布液との濡れ性が良く、その製造に
おいても、環境上の問題、労働衛生上の問題がなく、フ
イルム表面と十分な密着性を有した均一なプライマー層
を有するフィルム積層体を提供すること。 【構成】フィルムシートの少なくとも片面に水性高分子
粘着剤及び水性樹脂を含むプライマー層を形成したフィ
ルム積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム積層体に関す
るものである。さらに詳しくは、ビデオプリンター用感
熱記録体、製図用プロッター用紙、印刷紙、インキジェ
ット用紙、熱転写記録用紙等を形成する際に、それらの
支持体として、水溶性又は水分散性の水性塗布液を塗布
する上で特に好適なフィルム積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルフィルムやポリプ
ロピレンフイルムなどのプラスチックフィルムは表面の
凝集力が高く、塗料、インキ、などの受容性に乏しい。
特に表面は疎水性であるため、水性高分子物質等との濡
れ性が悪く接着性が劣っている。このため、水性高分子
物質を含む塗液を塗布しようとすると、ハジキが多発し
たり、たとえ塗工出来たとしても塗布膜とフイルム表面
との密着性が劣り容易にはがれてフィルム表面から塗布
膜が脱落してしまう。
【0003】この問題を解決するために、例えば、ポリ
プロピレンの表面と合成樹脂層との濡れ性を良くし、密
着性を強固にする為に、フィルム表面にコロナ放電処理
を施す方法(特公昭48ー29316)、窒素あるい
は、他のガス雰囲気下でコロナ放電処理を施す方法(特
公平2ー24855)、紫外線照射処理、プラズマ処
理、火炎処理を施してフィルム表面を活性化した後、合
成樹脂層を形成する手段が適用されている。
【0004】なるほど、これらのフィルム表面活性化手
段は、結合力の増大に伴う濡れ性、接着性の向上は期待
しうる。しかしながら、このように得られた活性は経時
的に低下するという欠点がある。従って以上に挙げたフ
イルム表面の活性化手段は、必ずしも満足できるもので
はない。フイルム表面の受容性を高める他の方法とし
て、種々の薬剤で表面を溶解膨潤または、部分溶解する
エッチング法がある。これは、フイルム表面を、酸、ア
ルカリ、アミン塩、トリクロル酢酸、フェノール類など
と接触せしめて該フイルム表面をエッチングし、表面近
傍の結晶配向を分解、溶解、すると同時に凝集性を低下
せしめてバインダー樹脂との接着性を高めようとするも
のである。
【0005】しかしながら、この方法に用いられる薬剤
には、取扱い上危険を伴ったりするものがある。また、
大気中に薬剤の揮発物が放出される恐れがあり、作業環
境の汚染がないよう万全の注意が必要であるなど実用面
で種々の問題をかかえている。以上説明したエッチング
法に類似する方法としてあらかじめフィルム表面にベー
スフィルムとは異質の表面層(プライマー層)を形成し
たあと、目的とする塗液を被覆形成する方法がある。
【0006】例えば、ポリエステルフイルム表面のプラ
イマー層形成(プライマー処理)による接着性の向上の
方法は、多くの場合、有機溶剤に溶解した塗液をフイル
ム表面に塗布することにより達成されている。かかる方
法は、製造中の有機溶剤による環境汚染、安全、衛生上
の問題を招来し、製造工程に悪影響を及ぼすこともある
ので、有機溶剤の使用は、極力最小限にとどめる必要が
ある。
【0007】従って、プライマー層をフイルム表面に形
成しようとる場合、水を溶媒とした組成物を用いる事が
工程的、経済的、及び安全上からも最も好ましい。この
ような水を媒体としたプライマー組成物が従来から提案
されている、例えば、特公昭46−10193にはアセ
トンに対する分散性を有し、かつ水分散性を有するポリ
ウレタンが開示されている。又、特開昭61−2335
39には、カルボン酸塩などを有する水性ポリウレタン
を水性メラミンで架橋させてなるプライマー組成物が提
示されている。又、特開昭63−118249には水性
塩化ビニリデン樹脂を主成分にしたブライマー層が開示
されている。
【0008】これらのプライマー層を積層したフイルム
はわずかに存在する表面官能基と反応するような物質を
塗布する事によって、濡れ性及び密着性が向上する。し
かし、これらの処理液は、いずれも、架橋反応を利用し
て強固にフイルム表面と接着させようとする為、塗布直
後では架橋反応が不十分な場合が多く、フイルム表面と
の接着力が不十分で容易にはがれる。これを防ぐ為、強
固な接着力が発生するまである程度の時間放置してから
使用したりする必要がある。このため高速に製造するこ
とには適していない。
【0009】又、水媒体系といってもフィルム表面との
濡れ性を良くするために、アルコール、アセトン等の水
に対して溶解性の高い有機溶媒を水と併用する必要があ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の方
法では、形成したプライマー層表面の親水化が不十分な
ため、親水性塗料、水性インキ、水性エマルジョンなど
を含む塗布液との濡れ性が悪かったり、プライマー層形
成のために環境上の問題、労働衛生上の問題があつた
り、フイルム表面と十分な密着性を有した均一なプライ
マー層が得られにくいという欠点があった。
【0011】本発明は上記のような問題点を解決して、
フイルム表面と十分な密着性を有し、各種水性塗布液と
の濡れ性が良好なプライマー層を有するフィルム積層体
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフィルム積
層体は、フィルムシートの少なくとも片面に水性高分子
粘着剤及び水性樹脂を含むプライマー層を形成したフィ
ルム積層体である。
【0013】
【作用】プラスチックフィルムは一般に一軸あるいは二
軸に溶融延伸してシート状に成形する。さらに、フイル
ム成形時の静電気防止の為、帯電防止剤を少量含有させ
たり、加工適性改良の為、可塑剤、顔料等を添加して製
造する。ところが、これらフイルムに水性塗布液を塗工
すると、樹脂中の可塑剤や帯電防止剤、界面活性剤が経
時的にフィルム表面に析出することがあり、フィルム表
面の親水性にバラッキができ、ハジキが発生する。この
為、感熱記録層などを形成するための水性塗布液からな
る塗料で均一な塗布層を形成しようとしても、その表面
親水性の経時変化のため安定に均一な塗布層を得る事が
出来ない。
【0014】本発明者等は、これらのフィルム表面加工
時の諸問題を解決するため鋭意研究の結果、有機溶剤を
含まない特定の水性塗布液によりフィルム表面にプライ
マー層を形成した後、目的とする感熱記録層等の塗布層
を形成すればよいことを見いだし本発明に至った。水の
みを含む媒体系によって、本質的に親水性の劣るフィル
ム表面に均一に親水性を付与し、かつ、フィルム表面と
の密着性を格段に向上させるプライマー層を形成するこ
とは、従来常識では、不可能と思われていた。ところ
が、本発明において発明者らは、柔軟性の高い水性高分
子粘着剤(ガラス転移点が低い水性高分子粘着剤)をプ
ライマー層形成用の水性塗料に含有させる事によりその
常識を覆し、水のみを含む媒体系によって、本来、親水
性の劣るフィルム表面に均一に親水性を付与し、かつ、
フィルム表面との密着性を格段に向上させるプライマー
層を形成することが可能であることを見出した。また、
その上に目的の感熱記録層等の塗工層を形成する際に
は、ハジキ等が発生せず、更には形成された塗工層と強
固な密着性を有するプライマー層を備えたフイルム積層
体であることが分かった。
【0015】本発明に用いられるプライマー層形成用の
水性塗料は水性高分子粘着剤を含むものである。この水
性高分子粘着剤は、一般に粘着加工紙に用いられる粘着
剤はもちろん、木工用など各種材料の水溶性あるいは水
分散性の水性接着剤をも含むものである。この水性高分
子粘着剤のガラス転移点は0度以下、さらにはマイナス
15度以下、さらに好ましくはマイナス30度程度以下
であることが望ましい。
【0016】水性高分子粘着剤としては例えば、(1) ア
クリル系共重合体樹脂であるアクリル酸エステル、メタ
アクリル酸エステル共重合体樹脂等と(2) エチレン系共
重合体樹脂であるエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン酢酸ビニル塩化ビニル共重合体、スチレンブタジエン
ラテックス等がある。 (1) アクリル系共重合体樹脂の場合はガラス転移点の低
いブチルエステル、2エチルヘキシルエステル等を主成
分とするものが挙げられる。
【0017】(2) エチレン系共重合体樹脂の場合はエチ
レン単位を主成分とするもので、ガラス転移点の低いも
のが挙げられる。 水性高分子粘着剤のガラス転移点が常温以下となると、
一般に、接着性、粘着性が増加するためフィルム基体と
の密着性は向上するが。塗布表面同士等のブロッキング
や張り付きの問題が発生する。特に、フイルムロールの
製造時は大きな張力がかかって、強力に抑えつけられる
為、プライマー層表面とフィルム基体裏面が強固に張り
付く場合(ブロッキング)がある。
【0018】この問題を解決するため、水性高分子粘着
剤のガラス転移点を変化させたり、したが決定的なガラ
ス転移点をみいだすことはできなかった。次に水性高分
子粘着剤に離型剤、滑剤を加えることで粘着性を制御
し、ブロッキングを防ごうとしたが、目的を果たすため
には非常に多くの離型剤が必要であったりして、弊害も
多く決定的な方法になりえなかった。
【0019】このような種々の試行を繰り返す中で、発
明者らはプライマー層形成用の水性塗料に水性高分子粘
着剤に加えて水溶性あるいは水分散性の水性樹脂を含ま
せることによって、粘着性を制御できることを見出し
た。また更に、離型剤、滑剤を添加して使用することも
可能である。すなわち、水性樹脂を含むことで粘着性が
制御され、ブロッキングを防ぐようにできる。そして、
この粘着性の制御に離型剤、滑剤を水性樹脂に加えて併
用することも良いということである。
【0020】この水性樹脂には、粘着性を有しない天然
高分子材料である酸化デンプン、エーテル化デンプン、
エステル化デンプン、天然デンプン、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、カゼイン等がある。粘
着性を有しない合成高分子材料であるポリビニルアルコ
ール、スチレンブタジエン共重合体、スチレンアクリル
酸エステル共重合体、メタアクリル酸エステル共重合体
等、各種ラテツクス、酢酸ビニルクロトン酸共重合体樹
脂などがある。これらの合成高分子材料は、粘着性を有
さないようにするためにスチレン成分を主成分とした
り、メチルエステル等の成分を主成分とするものであ
る。これらの水性樹脂の粘着性を有しない程度はガラス
転移点で10度以上、好ましくは30度以上である。
【0021】驚くべきことに、以上のなかでも、デンプ
ン、セルロース系樹脂が粘着性の防止、濡れ性維持、密
着性の向上に格段の効果がある。プライマー層上に水性
塗布液を塗布する際に、塗布方法によってはプライマー
層を構成する樹脂が溶解し、塗布層とプライマー層の密
着性を低下させる場合がある。そのような場合は、これ
ら水性樹脂の一部又は全部に熱硬化性成分を有する水性
樹脂を使用し、それを硬化、縮合してプライマー層を構
成する樹脂を溶解しにくくさせることが良い。この場
合、粘着剤のもつ接着性が低下するがガラス転移点が充
分低い粘着剤を使用しておれば必要な密着性を保てる。
【0022】さらに、これらの水性樹脂のほかに、必要
とあれば、離型性を有する物質、例えば、ポリオレフィ
ン系炭化水素を主成分としたワックス、ポエチレン、ポ
リプロピレンなどの水分散乳化液、シリコン、フツソ原
子を主成分とする離型剤、脂肪酸金属石鹸などを添加す
ることができる。本発明のプライマー層形成用の水性塗
料における水性高分子粘着剤の配合比は5%から50
%、併用される水性樹脂は、20%から90%の範囲で
ある。尚、本発明では特記しない限り重量%、重量部で
ある。
【0023】本発明のプライマー層形成用の水性塗料は
上記成分を主とするがフイルム表面への濡れ性を補助す
る目的で各種界面活性剤を混入する事が出来る。かかる
界面活性剤はプライマー層形成用の水性塗料の表面張力
を40dyn/cm以下に低下することができる物が好
ましい。界面活性剤としては例えば、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アル
キルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級
アンモニュウム塩クロライド、アルキルアミン塩酸塩、
などが挙げられる。
【0024】さらに本発明の効果を消失しない範囲で、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フィラー、無機
フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤、などを添加す
ることが出来る。特にフィルムロール製造時の空気の抱
き込み等の加工性を向上させる目的で、粒状成分であ
る、顔料、有機フィラー、ワックスを極少量添加すると
よい。
【0025】フイルム表面へのプライマー層形成用の水
性塗料の塗布は、通常の塗布工程すなわちフイルム延伸
工程と同時におこなっても良い。又、延伸工程と切り放
して塗布する工程でも良い。しかし、延伸工程と切り放
して行う塗布工程では、塵を巻き込み安いので、クリー
ンな雰囲気で塗布するように注意することが必要であ
る。又、プライマー層のフィルムへの密着性を更に高め
る上でフィルム表面にあらかじめコロナ放電処理、エッ
チング処理を施すことはより好ましい。
【0026】かかる観点よりフイルムの片面あるいは、
両面にプライマー層を形成する。プライマー層形成用の
水性塗料の固形分濃度は通常30%以下であり、10%
以下がさらに好ましい、塗布量は、0.05g/m2
ら10g/m2 であり、さらには0.1g/m2 から2
g/m2 が好ましい。以上のようにして得られるフィル
ム積層体は磁気テープ、フロッピーディスク、X線写真
フィルム等の支持体としても用いられるものである。
【0027】塗布方法としては、公知の任意の方法が適
用でき、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、
ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコー
ト、含浸コート、カーテンコートなどを単独あるいは組
み合わせて適用するとよい。
【0028】
【実施例】
実施例1 60ミクロンの厚さのポリプロピレンフィルム表面(本
フィルムはコロナ処理等はあらかじめ施されていないも
のである。)に、以下の組成(いずれも乾燥重量比率)
のプライマー層形成用の塗液を液量として10g/m2
となるようメイヤーバーで塗布した。 粘着剤 5部 (メタクリル酸メチルエステル10部と2エチルヘキシ
ルエステル90部の共重合体ラテックス粘着剤) でんぷん エースA 15部 (王子コンスターチ社製 酸化デンプン) カルボキシメチルセルロース 5部 ポリエチレンワックス乳化物 1部 水 1000部
【0029】実施例2、実施例3、実施例4、 実施例1の粘着剤の替わりに、異なるガラス転移点をも
つ粘着剤として、実施例2:スミカフレックス920
(住友化学社製のエチレン酢酸ビニル共重合体、Tg=
-40 ℃) 、実施例3:スミカフレックス753(同上、
Tg=-15 ℃) 、実施例4:スミカフレックス702
(同上、Tg=0 ℃) を用いた以外は同様にしてプライ
マー層を形成した。
【0030】実施例5 実施例1の水性樹脂であるデンプンの替わりに、スミカ
フレックス752(住友化学社製のエチレン酢酸ビニル
共重合体、Tg=15℃) を用いた以外は同様にしてプラ
イマー層を形成した。
【0031】比較例1 実施例1の粘着剤の替わりに、比較的ガラス転移点の高
い粘着剤としてスミカフレックス752(住友化学社製
のエチレン酢酸ビニル共重合体、Tg=15℃)を用いた
以外は同様にしてプライマー層を形成した。
【0032】比較例2 実施例1の粘着剤の替わりに、比較的ガラス転移点の高
い粘着剤としてスミカフレックス850(住友化学社製
のエチレン酢酸ビニル塩化ビニル共重合体、Tg=30
℃) を用いた以外は同様にしてプライマー層を形成し
た。
【0033】比較例3 実施例1の水性樹脂であるデンプンの替わりに、スミカ
フレックス702(住友化学社製のエチレン酢酸ビニル
共重合体、Tg=0℃) を用いた以外は同様にしてプラ
イマー層を形成した。
【0034】比較例4 実施例と同様のフイルム支持体の表面をコロナ放電処理
をおこなうことによってプライマー層を形成した。
【0035】比較例5 ポリエチレンイミン水分散液をメチルアルコールで30
%希釈し塗布液とし同様にフィルム表面にプライマー層
としての塗膜を形成した。
【0036】〔特性評価の方法〕以下のような項目につ
いて評価をおこなった。 (1) 濡れ性:製作したフイルム積層体表面に感熱記録体
塗料を塗布しそのハジキ発生の状況を評価した。発生状
況はハジキ発生個数で評価した。 1m2 あたり 0個 ◎ 10個未満 〇 10個以上 △ 全面にハジク × 〇以上は使用可能なハジキのレベルである。
【0037】(2) 密着性:製作したフイルム積層体表面
にセロハンテープを張り付け急激に剥離することにより
表面のプライマー層がどれくらい剥離するか観察し評価
した。 まったくはがれない ◎ わずかにはがれる 〇 散発的にはがれる △ 全体が完全にはがれる × 〇以上は使用可能な密着性のレベルである。
【0038】(3) 粘着性(ブロッキング):プライマー
層の面と別のフイルムの基材の面を重ね合わせ単位平方
センチあたり10Kgの圧力で押圧しその後の剥離状態
を観察した。 全く接着せず、容易に剥離する ◎ わずかに接着するが、剥離する 〇 接着しているが、剥離できる △ 剥離できない(プライマー層が剥げたりする) × 〇以上は使用可能な粘着性(ブロッキング)のレベルで
ある。以上の評価試験の結果等を以下の表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】〔評価結果〕実施例1〜4から、水性高分
子粘着剤のガラス転移点が低い程、濡れ性が良く、プラ
イマー層とフィルム表面の密着性が高くなる。ただし、
ガラス転移点が非常に低くなると、粘着性(ブロッキン
グ)が増大する傾向がみられる。実施例4から水性高分
子粘着剤のガラス転移点が0度程度まではプライマー層
とフィルム表面の密着性が保てることが分かる。
【0041】比較例1及び2から水性高分子粘着剤のガ
ラス転移点が0度から高くなればなるほど、充分な密着
性や濡れ性を得られなくなることが分かる。実施例5と
比較例3から、水性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重
合体のような粘着剤(比較的ガラス転移点が低く粘着性
を示すもの)を使用する場合は、そのガラス転移点が0
度程度とあまり低い場合、粘着性の制御性が悪くなり、
ブロッキングの発生があるということが分かる。
【0042】比較例4から特公昭48-29316に挙げられる
ようなコロナ放電によってプライマー層を形成した場合
は密着性がまだ充分でないことが分かる。比較例5から
水性樹脂を有機溶媒に溶解してプライマー層を形成した
場合も密着性がまだ充分でないことが分かる。又、以上
の実施例で使用したプライマー層形成用の水性塗料はフ
ィルム表面との濡れ性も非常に良いものであったので、
アルコール、アセトン等の水に対して溶解性の高い有機
溶媒を併用する必要が全く無かった。
【0043】このようにして得られたフィルム積層体は
ビデオプリンター用感熱記録体、製図用プロッター用
紙、印刷紙、インキジェット用紙、熱転写記録用紙等を
形成する際に、それらの支持体として、水溶性又は水分
散性の水性塗布液を塗布する上で特に好適なフィルム積
層体になる。さらに、他の水性塗布加工に適した支持体
として、磁気テープ、フロッピーディスク、X線写真フ
イルムなどの支持体に用いるに好適なプラスチックフイ
ルム積層体になる。
【0044】
【発明の効果】親水性塗料、水性インキ、水性エマルジ
ョンなどを含む各種水性塗布液との濡れ性が良く、その
製造においても、環境上の問題、労働衛生上の問題がな
く、フイルム表面と十分な密着性を有した均一なプライ
マー層を有するフィルム積層体である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムシートの少なくとも片面に水性高
    分子粘着剤及び水性樹脂を含むプライマー層を形成した
    フィルム積層体。
  2. 【請求項2】水性高分子粘着剤のガラス転移点が0度以
    下である請求項1記載のフイルム積層体。
  3. 【請求項3】水性樹脂のガラス転移点が10度以上であ
    る請求項1又は2記載のフイルム積層体。
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