JPH06284706A

JPH06284706A - 低ノイズ直流定電圧回路

Info

Publication number: JPH06284706A
Application number: JP5073863A
Authority: JP
Inventors: Toshio Masuda; 敏雄増田
Original assignee: Fujitsu Telecom Networks Ltd
Current assignee: Fujitsu Telecom Networks Ltd
Priority date: 1993-03-31
Filing date: 1993-03-31
Publication date: 1994-10-07
Anticipated expiration: 2014-06-23
Also published as: JP2911084B2

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、低ノイズ直流定電圧回路に関し、
チョッパ方式の長所を保持しながら、かつ経済的な構成
でノイズを厳しく抑圧することを目的とする。【構成】入力直流電流を断続した後平滑化するチョッ
パ・スムーサ手段１と、前記チョッパ・スムーサ手段１
の入力電圧からその低周波成分だけを、前記低周波成分
に最適な伝達条件で通過させる低周波適合手段11と、前
記チョッパ・スムーサ手段１の出力電圧からその高周波
成分だけを、前記高周波成分に最適な伝達条件で通過さ
せる高周波適合手段12と、所定の直流基準電圧を発生す
る基準電圧発生手段10と、前記低周波適合手段11の出力
と前記高周波適合手段12の出力とを前記基準電圧発生手
段10の出力電圧と比較する電圧比較手段13と、前記電圧
比較手段13の比較出力を受けて前記チョッパ・スムーサ
手段１の通電時間幅の制御を行うチョッパ制御手段14と
で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、チョッパ型直流変換電
源装置の出力に含まれるチョッパ周波数リップル等のノ
イズを、厳しく抑圧する低ノイズ直流定電圧回路に関す
る。

【０００２】従来この目的のために、平滑回路やノイズ
フィルタ等の出力回路の高周波応答特性を高めたり、Ｓ
Ｄ(Series Dropper ＝直列電圧逓降器）を用いたりして
来たが、いずれも十分でなかった。

【０００３】

【従来の技術】図３は、従来のチョッパ型直流変換電源
装置の構成の一例を示す。同図中、１はチョッパ、２は
パルス変成器、３はリアクトル（パルス変成器２リセッ
ト用）、４は整流器、５は平滑回路、６はノイズフィル
タで、７は電圧検出制御回路である。

【０００４】また図４は、図３中整流器４の入力点にお
ける断続電流Ｉの波形図である。図３において、入力直
流電圧Ｖ_Iはまずチョッパ１において数十kHz のチョッ
パ周波数で断続された後、パルス変成器２を経て図４の
波形の断続電流Ｉとして整流器４に加えられ整流され
る。パルス変成器２の２次側には直列にリアクトル３が
接続されており、これにリセット信号が印加されると、
図４に示した断続電流Ｉの立上り部分が斜線を施した印
加期間τだけ削られるから、整流器４の出力電圧はこれ
に対応する値だけ低下する。

【０００５】さて整流器４の出力電圧は、平滑回路５で
平滑化され、更にノイズフィルタ６においてノイズを抑
圧された後、出力直流電圧Ｖ_Oとなって負荷に供給され
る。出力直流電圧Ｖ_Oは同時に電圧検出制御回路７にも
加えられ、ここで電圧Ｖ_Oの上昇下降に応動して時間幅
τが増減する前記リセット信号に変換し、前記リアクト
ル３に印加する。

【０００６】上述のような回路構成により、出力電圧は
高精度で一定に保たれ、また少なくとも商用周波数成分
のリップルによるノイズは十分厳しく抑圧することがで
きるが、数十kHz のチョッパ周波数成分のリップルによ
るノイズは、通常の平滑回路やノイズフィルタ等ではな
かなか抑圧が困難である。

【０００７】ところが近年、例えばスペクトラムアナラ
イザ(Spectrum Analyzer) 等の高精度測定器用電源を始
めとして、単に定電圧特性が優れているだけでなく、混
入ノイズ成分に対する規格の非常に厳しい電源装置が強
く要求されている。

【０００８】このような要求に対応する最も手っ取り早
い対策は、図３中の平滑回路４やノイズフィルタ６等の
出力回路の高周波応答特性を向上させる方法である。ま
た、チョッパ方式に代えて、ＳＤ(Series Dropper)方式
を採用する方法もある。

【０００９】図５は、ＳＤ(Series Dropper)方式の構成
略図である。同図中、８は変圧器、４は整流器、Ｑは直
流電圧調整用トランジスタ、９はアナログ制御回路であ
る。この方式ではチョッパは用いず、直流電圧の制御は
前記アナログ制御回路９と前記直流電圧調整用トランジ
スタＱとによって行われる。したがってチョッパ周波数
のリップルノイズの導入はあり得ない。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来技術によれば、例えば平滑回路やノイズフィ
ルタ等の出力回路の高周波応答特性を向上させる方法で
は、その実現性に経済的な限度があり、またＳＤ(Serie
s Dropper)を採用する方法では、チョッパ方式による電
力損失の減少や部品装置の小型化によるコンパクト化等
の折角の長所を享受できない難点がある。

【００１１】したがって、本発明の目的は、従来技術の
上述のような難点を除き、チョッパ方式による長所を保
持しながら、かつ経済的な構成でノイズを厳しく抑圧で
きる低ノイズ直流定電圧回路を提供する点にある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】図１は、本発明の原理ブ
ロック図である。同図中、１はチョッパ・スムーサ手
段、10は基準電圧発生手段、11は低周波適合手段、12は
高周波適合手段、13は電圧比較手段で、14はチョッパ制
御手段である。

【００１３】さて、既述の目的を達成するため、本発明
は図１に示すように、下記の構成とする。すなわち、入
力直流電流を断続した後平滑化するチョッパ・スムーサ
手段１と、前記チョッパ・スムーサ手段１の入力電圧か
らその低周波成分だけを、前記低周波成分に最適な伝達
条件で通過させる低周波適合手段11と、前記チョッパ・
スムーサ手段１の出力電圧からその高周波成分だけを、
前記高周波成分に最適な伝達条件で通過させる高周波適
合手段12と、所定の直流基準電圧を発生する基準電圧発
生手段10と、前記低周波適合手段11の出力と前記高周波
適合手段12の出力とを前記基準電圧発生手段10の出力電
圧と比較する電圧比較手段13と、前記電圧比較手段13の
比較出力を受けて前記チョッパ・スムーサ手段１の通電
時間幅の制御を行うチョッパ制御手段14とで構成する。

【００１４】

【作用】本発明の原理ブロックを示す図１において、チ
ョッパ・スムーサ手段１は入力直流電流を断続(Choppin
g)した後平滑化(Smoothing，ただし本格的な平滑化は下
記の他の複数ブロックで行なわれる) する。

【００１５】低周波適合手段11は前記のチョッパ・スム
ーサ手段１の入力電圧から低周波成分だけを通過させる
最適な伝達条件を設定するとともに、その低周波成分だ
けを通過させる。また、高周波適合手段12は前記のチョ
ッパ・スムーサ手段１の出力電圧から高周波成分だけを
通過させる最適な伝達条件を設定するとともに、その、
高周波成分だけを通過させる。

【００１６】基準電圧発生手段10は所定の高精度の直流
基準電圧を発生する。そして、電圧比較手段13は、前記
低周波適合手段11の出力と前記高周波適合手段12の出力
とを前記基準電圧発生手段10の出力電圧と比較する。更
に、チョッパ制御手段14は、前記電圧比較手段13の比較
出力を受けて前記チョッパ・スムーサ手段１の通電時間
幅の制御を行い、回路全体として低周波成分および高周
波成分のノイズの厳しく抑圧された直流定電圧を得るこ
とができる。

【００１７】低周波成分と高周波成分との検出点を分離
し、それぞれの周波数帯毎に電圧比較手段13入出力間の
最適伝達条件（伝達関数）を設定できるので、同一点か
ら全周波数帯を検出する場合のように、伝達関数に関与
する部品に異常に大きいか小さい定数を必要とすること
はない。

【００１８】

【実施例】図２は、本発明の一実施例を示す回路図であ
る。同図中、Ｑ，ＣおよびＲはそれぞれトランジスタ、
コンデンサおよび抵抗を示し、使用個所に従って番号を
添記してある。またＯＡはオペアンプ（演算増幅器）で
あり、ＳＲは直列制御電源(Seris Regulator) である。

【００１９】Q-1 はチョッパとして使われ、Q-2 はQ-1
の通電時間幅の制御に使われる。オペアンプＯＡは約１
００kHZ までの高周波特性の優れた高精度の電圧比較回
路として用いるので、その比較基準となる高精度の基準
電圧を、高精度の基準電圧を発生できる前記ＳＲから供
給する。

【００２０】本発明の原理ブロックを示す図１と、図２
との対応関係は次のとおりである。すなわち、図１中の
チョッパ・スムーサ手段１に対応するものは図２中のQ-
1とC-0 およびR-0 とであり、基準電圧発生手段10に対
応するものはＳＲであり、低周波適合手段11に対応する
ものはR-1 およびR-2 であり、高周波適合手段12に対応
するものはC-1 およびR-3 とC-2 およびR-4 とであり、
電圧比較手段１３およびチョッパ制御手段14に対応する
ものは、それぞれオペアンプＯＡおよびトランジスタQ-
2 である。

【００２１】さて、入力直流電圧Ｖ_IはR-1 およびR-2
からなる電位差計接続で分割されてオペアンプＯＡの−
入力に印加される。その＋入力にはＳＲ出力の高精度の
基準電圧が印加されており、既述のようにオペアンプＯ
Ａは高精度の電圧比較回路として使われているので、チ
ョッパQ-1 と、その通電時間幅を制御するチョッパ制御
トランジスタQ-2 と、スムーサとして動作するC-0 およ
びR-0 との総合動作によって、出力直流電圧Ｖ_Oの直流
成分は一定に保たれるとともに、少なくとも商用周波数
成分のリップルは厳しく抑圧される。

【００２２】一方、R-3 およびC-1 の数十kHz のチョッ
パ周波数帯におけるインピーダンスは、R-1 およびR-2
の抵抗値よりも遙かに小さくなるように設計されている
ので、出力直流電圧Ｖ_Oに含まれるチョッパ周波数成分
のリップルは、R-3 およびC-1 を通って電圧比較回路Ｏ
Ａの−入力に印加される。更に、R-3 およびC-1 とR-4
およびC-2 と電圧比較回路ＯＡとの総合伝達関数が数十
kHz のチョッパ周波数帯において最適となるように設計
されているので、ＯＡの端子OUT からは最適レベルの制
御信号が出力され、チョッパQ-1 と、チョッパ制御トラ
ンジスタQ-2 との総合動作によって、チョッパ周波数成
分のリップルによるノイズは厳しく抑圧される。

【００２３】〔作用〕の項で述べたように、低周波（商
用周波数）成分と高周波（チョッパ周波数）成分との検
出点を分離しているので、伝達関数関与部品、例えはC-
2 は約１００pFで済むが、もしも両検出点を同一とし出
力点に置くと仮定すると、理論的にはC-2 には約０. ０
１μF が必要となり、しかも実験的にはこの値に設定し
てみても良い結果が得られない。

【００２４】従来技術では、せいぜい２０〜５０mV程度
にしか抑圧できなかったチョッパ周波数成分のノイズ
が、この実施例によれは２００〜５００μV にまで、す
なわち約１／１００に抑圧できる。

【００２５】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、、簡
単かつ経済的な構成でノイズを厳しく抑圧でき、しかも
チョッパ方式による長所を保持することのできる低ノイ
ズ直流定電圧回路が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理ブロック図である。

【図２】本発明の一実施例の回路図である。

【図３】従来のチョッパ方式電源のブロック図である。

【図４】図３中整流器入力電流の波形図である。

【図５】ＳＤ方式電源の構成略図である。

【符号の説明】１チョッパ 10 基準電圧発生手段 11 低周波適合手段 12 高周波適合手段 13 電圧比較手段 14 チョッパ制御手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】入力直流電流を断続した後平滑化するチ
ョッパ・スムーサ手段（１）と、前記チョッパ・スムーサ手段（１）の入力電圧からその
低周波成分だけを、前記低周波成分に最適な伝達条件で
通過させる低周波適合手段(11)と、前記チョッパ・スムーサ手段（１）の出力電圧からその
高周波成分だけを、前記高周波成分に最適な伝達条件で
通過させる高周波適合手段(12)と、所定の直流基準電圧を発生する基準電圧発生手段（10)
と、前記低周波適合手段(11)の出力と前記高周波適合手段(1
2)の出力とを前記基準電圧発生手段(10)の出力電圧と比
較する電圧比較手段(13)と、前記電圧比較手段(13)の比較出力を受けて前記チョッパ
・スムーサ手段（１）の通電時間幅の制御を行うチョッ
パ制御手段(14)とで構成することを特徴とする低ノイズ
直流定電圧回路。