JPH06284182A

JPH06284182A - 携帯電話機

Info

Publication number: JPH06284182A
Application number: JP7219593A
Authority: JP
Inventors: Yukinori Kimura; 幸則木村; Shoichi Kurita; 正一栗田; Katsuhiko Kaya; 克彦嘉屋
Original assignee: Fujitsu Ltd
Current assignee: Fujitsu Ltd
Priority date: 1993-03-30
Filing date: 1993-03-30
Publication date: 1994-10-07

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は無線式携帯電話機に関し、本来の利
用者以外の人に利用させないようにする十分なセキュリ
ティ機能を有し、また、落としたりした場合に、拾った
人が容易に本来の利用者に連絡することができることを
目的とする。【構成】セキュリティ制御部１１は、セキュリティボ
タン２３、電源スイッチ２２の操作に応じて、指紋読み
取り部１２、指紋登録部１３、指紋照合比較部１５、指
紋一時記憶部１４を制御し、指紋の登録、照合を行わ
せ、かつ、セキュリティ状態とセキュリティ解除状態の
切り換えを行う。また、緊急通報制御手段１１は、緊急
通報用ボタン２４が押下される毎に、複数の緊急通報先
の中で、優先順位の高い順に、発呼する緊急通報先を切
り換え、ディスプレイ２５に緊急通報先を表示し、電話
機能部１７を制御して、緊急通報用電話番号記憶部１９
から読み出した緊急通報先の電話番号へ発呼する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は携帯電話機に係り、特
に、セキュリティ機能を有する無線式携帯電話機に関す
る。

【０００２】近年、無線を利用した携帯電話機が普及し
てきており、これに伴い、ここ数年、携帯電話機の忘れ
物が増加している。忘れ物の携帯電話機を拾った人が、
これを悪用する可能性があるため、拾った人に携帯電話
機を利用させないようにする必要がある。また、落とし
主への連絡が容易にできることが必要とされている。

【０００３】

【従来の技術】従来の携帯電話機においては、他人に使
わせたくないときは、携帯電話機のボタン操作で、ロッ
クをかけることで、発信、メモリダイヤルの呼び出し、
登録等の電話機能を使えなくすることができるようにな
っている。このロックの解除には、例えば４桁の番号を
入力する方法をとっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の携帯電
話機では、ロック解除に、例えば４桁の番号をいちいち
入力しなければならず、操作が面倒である上、４桁の番
号を忘れた場合には、正当な利用者であるにも係わら
ず、使用できない事態が生じる。このため、このロック
機能は、殆ど使われていないのが現状である。

【０００５】従って、携帯電話機を落としたり、忘れた
りしたときに、ロックがかかっている確率は、従来の携
帯電話機では、非常に小さく、携帯電話機を拾った人に
よる悪用を防止できる可能性が低いという問題がある。

【０００６】また、携帯電話機を拾った人が、善意で落
とし主に連絡したくても、落とした人の電話番号が分か
らないので、連絡できないという問題がある。

【０００７】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、本来の利用者以外の人に利用させないようにする十
分なセキュリティ機能を有し、また、落としたり、忘れ
たりしたときに、拾った人が容易に本来の利用者に連絡
することができる携帯電話機を提供することを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、発
信、受信、及び通話等の電話機能を受け持つ電話機能部
と、メッセージ、又は通話先電話番号等を表示するディ
スプレイを備えた携帯電話機において、本来の利用者の
指紋を登録する指紋登録手段と、利用者の指紋と上記指
紋登録手段に登録された本来の利用者の指紋を照合する
指紋照合手段と、電話機の利用が制限された状態で利用
者の操作により電話機利用要求を受けたときに、指紋が
登録されていない場合は上記指紋登録手段を制御して指
紋登録を行わせ、指紋登録がされている場合は、上記指
紋照合手段を制御して、利用者と本来の利用者の指紋の
照合を行わせて、一致したときだけ電話機の利用が可能
な状態とし、利用者の操作により電話機利用制限要求を
受けたとき、及び電源が断のときは、電話機の利用が制
限された状態にする安全機能制御手段と、複数の緊急通
報先の電話番号を記憶する緊急通報用電話番号記憶手段
と、緊急通報用ボタンが押下される毎に、上記複数の
緊急通報先の中で、優先順位の高い順に、順次、発呼す
る緊急通報先を切り換えて選択し、前記ディスプレイに
上記選択した緊急通報先を表示するとともに、上記電話
機能部を制御して、上記緊急通報用電話番号記憶手段か
ら読み出した上記選択した緊急通報先の電話番号へ発呼
する緊急通報制御手段とを有する構成とする。

【０００９】

【作用】請求項１の発明では、指紋による利用者のチェ
ックが行えるため、簡単な操作により、電話機の利用が
制限された状態と、電話機の利用が可能な状態の切り換
えが行え、かつ、電源断のときには、必ず電話機の利用
が制限された状態となる。このため、落としたり、忘れ
たときに、電話機の利用が制限された状態にある確率を
極めて高くすることができる。

【００１０】また、緊急通報用ボタンを押下する毎に、
複数の緊急通報先の中で、優先順位の高い順に、順次、
発呼する緊急通報先を切り換えて選択し、ディスプレイ
に上記選択した緊急通報先を表示する。このため、複数
の緊急通報先から、通報先を容易に選択して、通報を行
うことを可能とする。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の一実施例の構成図を示す。図
１は、指紋によるセキュリティ機能を有する携帯電話機
の構成図である。図１の携帯電話機１０には、発信、通
話等の電話機能を受け持つ電話機能部１７、メッセージ
や電話先の番号等を表示するディスプレイ２５を制御す
るディスプレイ制御部１８が設けられている。また、携
帯電話機１０の各回路に電源を供給する電源部２０、電
源スイッチ２２が設けられている。

【００１２】また、指紋の読み取りを行う指紋読み取り
部１２、読み取った指紋を登録して格納する指紋登録部
１３、登録した指紋と入力された指紋を照合する指紋照
合比較部１５、入力された指紋を一時記憶する指紋一時
記憶部１４、セキュリティ機能、及び緊急通報に係わる
制御を行うセキュリティ制御部１１を備える。

【００１３】また、利用者がセキュリティ機能を行わせ
るためのセキュリティボタン２３、緊急通報用ボタン２
４を備えている。また、セキュリティ機能に関係する音
声メッセージを生成する、音声メッセージ部１６を備え
る。

【００１４】また、電話機能部１７には、緊急通報用の
電話番号メモリ部１９、タイマー２１を備えている。

【００１５】次に、本実施例でのセキュリティ機能に係
わる動作ついて説明する。図２は、セキュリティボタン
の押下と電源スイッチのオン・オフによる電話機状態の
変化を示す。本実施例では、電源オン時には、電話利用
可能状態であるセキュリティ解除状態１０１と、受信機
能以外の機能が使用できないセキュリティ状態１０２と
を有する。また、電源オフのときには、受信機能も使用
できないセキュリティ状態１０３となる。

【００１６】図２（Ａ）に示すように、電源がオフでセ
キュリティ状態１０３のときに、電源スイッチ２２がオ
ン又はセキュリティボタン２３が押下された場合は、セ
キュリティチェック機能作動状態１０４になり、セキュ
リティ制御部１１は、電源をオンにすると共に、セキュ
リティチェック機能を働かせるように、指紋読み取り部
１２、指紋登録部１３、指紋照合比較部１５、指紋一時
記憶部１４を制御する。

【００１７】また、図２（Ａ）に示すように、電源がオ
ンでセキュリティ状態１０２のときに、セキュリティボ
タン２３が押下された場合には、セキュリティチェック
機能作動状態１０４になり、セキュリティ制御部１１
は、セキュリティチェック機能を働かせるように、指紋
読み取り部１２、指紋登録部１３、指紋照合比較部１
５、指紋一時記憶部１４を制御する。

【００１８】また、図２（Ｂ）に示すように、電源がオ
ンでセキュリティ解除状態１０１のときに、セキュリテ
ィボタン２３が押下された場合は、セキュリティ制御部
１１は、電話機能部１７を制御して、携帯電話機１０を
受信機能以外利用できないセキュリティ状態１０２にす
る。

【００１９】セキュリティ状態にする方法としては、電
源スイッチ２２、セキュリティボタン２３、緊急通報用
ボタン２４、及び受信ボタン以外の電話機上の全てのボ
タンをロックする方法や、セキュリティ制御部１１及び
電話機能部１７のプログラム上で、セキュリティボタン
２３、電源スイッチ２２、緊急通報用ボタン２４、及び
受信ボタン以外のボタン操作を無視する方法がある。

【００２０】また、図２（Ｂ）に示すように、電源がオ
ンのセキュリティ解除状態１０１又はセキュリティ状態
１０２のときに、電源スイッチ２２がオフになった場合
は、セキュリティ制御部１１は、受信機能も使用できな
いセキュリティ状態１０３にした後、電源部２０を制御
して電源を切断する。

【００２１】次に、セキュリティチェック機能に関する
動作ついて説明する。図３は、セキュリティチェック機
能に関する動作の説明図を示す。図３で、セキュリティ
状態２０１は、電源オンのセキュリティ状態１０２、又
は電源オフのセキュリティ状態１０３のいずれかであ
る。

【００２２】セキュリティ状態２０１のときに、電源ス
イッチ２２がオンになるか、セキュリティボタン２３が
押下されて、かつ、利用者の指紋登録が行われていない
場合は、指紋登録機能作動状態２０２になる。

【００２３】セキュリティ制御部１１は、この指紋登録
作動状態２０２では、先ず、電話機能部１７を制御し
て、ディスプレイ２５上に指紋登録を指示するメッセー
ジを出させる。次に、セキュリティ制御部１１は、指紋
読み取り部１２を制御して指紋の読み取りを行わせ、指
紋登録部１３を制御して、読み取った指紋を指紋登録部
１３に登録して格納させる。

【００２４】なお、指紋登録が終了した後は、電源オン
のセキュリティ状態１０２又は電源オフのセキュリティ
状態１０３のいずれかの、元のセキュリティ状態２０１
に戻る。

【００２５】なお、指紋読み取り部１２は、携帯電話機
１０上に設けられた指紋読み取り窓より、指紋の読取を
行う。指紋の読み取り方法としては、例えば、指紋読み
取り窓に押しつけられた指紋を、携帯電話機１０内部に
取り付けたＣＣＤカメラ等のセンサで読み取る方法をと
る。

【００２６】セキュリティ状態２０１のときに、電源ス
イッチ２２がオンになるか、セキュリティボタン２３が
押下されて、かつ、本来の利用者の指紋登録が行われて
いる場合は、セキュリティチェック状態１０４となり、
下記のように、指紋の照合を行う。

【００２７】セキュリティ制御部１１は、指紋入力状態
２０３において、先ず、電話機能部１７を制御して、デ
ィスプレイ２５上に指紋入力を指示するメッセージを出
させる。次に、セキュリティ制御部１１は、指紋読み取
り部１２を制御して指紋の読み取りを行わせ、指紋一時
記憶部１４を制御して、読み取った指紋を指紋一時記憶
部１４に格納させる。

【００２８】次の、指紋照合比較状態２０４では、セキ
ュリティ制御部１１の制御により、指紋照合比較部１５
は、指紋登録部１３から供給される登録されている指紋
と、一時記憶部１４から供給される入力された指紋とを
比較照合して、指紋の一致、不一致を、セキュリティ制
御部１１に通知する。

【００２９】セキュリティ制御部１１は、上記指紋照合
比較の結果、指紋が一致の場合は、電話機を利用できる
セキュリティ解除状態１０１にする。また、このとき、
指紋一時記憶部１４に格納された指紋を消す。

【００３０】セキュリティ制御部１１は、上記指紋照合
比較の結果、指紋が不一致の場合は、再度、指紋を入力
するように指示するメッセージをディスプレイ２５に出
させ、再び、指紋入力状態２０３にする。セキュリティ
制御部１１は、連続した不一致回数をカウントして、所
定回数に達したときは、音声メッセージ部１６を制御し
て、音声ガイダンスを作動させる。なお、不一致回数の
カウント値は、指紋の一致が生じたときにリセットされ
る。

【００３１】音声ガイダンスが作動した後は、電源オン
のセキュリティ状態１０２又は電源オフのセキュリティ
状態１０３のいずれかの、元のセキュリティ状態２０１
に戻る。

【００３２】音声ガイダンスとしては、例えば、予め、
「この電話機は、私にとって、大切なものです。この電
話機の緊急用通報ボタンを押して頂くと、私の自宅に自
動的に繋がります。ご連絡を頂き、無事、この電話機が
私の手元に戻ったときは、些少ですがお礼を差し上げま
す。」等のメッセージを入れておく。

【００３３】図４は、音声ガイダンス作動条件の設定の
説明図を示す。セキュリティ解除状態の電話機利用状態
３０１において、利用者が、携帯電話機１０上のボタン
操作で、音声ガイダンス作動条件設定モードを選択する
と、セキュリティ制御部１１は、音声ガイダンス作動条
件の設定モードへの移行処理３０２を行う。

【００３４】音声ガイダンス作動条件設定モードでは、
セキュリティ制御部１１は、先ず、基準の不一致回数Ｎ
の入力を行わせるメッセージをディスプレイ２５に表示
させる処理３０３を行う。例えば、「連続不一致回数≧
Ｎで、音声ガイダンスが作動します」等のメッセージを
表示させる。次に、セキュリティ制御部１１は、基準不
一致回数Ｎの設定処理３０４を行い、利用者により入力
された値を、基準の連続不一致回数Ｎとして設定する。

【００３５】基準の連続不一致回数Ｎの設定が終了した
後は、再び、電話機能利用状態３０１となる。

【００３６】なお、登録指紋を変更、又は、削除する場
合は、電話機能が利用できるセキュリティ解除状態のと
きに、利用者がボタン操作で選択した登録指紋変更・削
除モードで行う。

【００３７】上記のように、本実施例では、指紋による
利用者のチェックが行えるため、従来の電話機と異な
り、暗証番号を覚えておく必要がなく、セキュリティボ
タン２３の操作により、簡単に、かつ、安全に、セキュ
リティ状態とセキュリティ解除状態の切り換えが行え
る。また、電源オフ時には、必ずセキュリティ状態とな
る。従って、極めて高いセキュリティ機能を有する。

【００３８】次に、緊急通報の機能について説明する。
図５は、緊急通報用電話番号の設定手順の説明図を示
す。セキュリティ解除状態の電話機利用状態４０１にお
いて、利用者が、携帯電話機１０上のボタン操作で、緊
急通報用電話番号の設定モードを選択すると、セキュリ
ティ制御部１１は、緊急通報用電話番号の設定モードへ
の移行処理４０２を行う。

【００３９】次に、セキュリティ制御部１１は、緊急通
報用電話番号の設定処理４０３を行う。セキュリティ制
御部１１は、先ず、緊急通報用電話番号の設定を行わせ
るメッセージをディスプレイ２５に表示させる。次に、
セキュリティ制御部１１は、利用者により入力された緊
急通報用電話番号を、緊急通報用電話番号メモリ部１９
に格納する。

【００４０】なお、緊急通報用電話番号としては、後述
するように、優先順位を付けた複数の電話番号を設定す
ることができる。例えば、第１緊急通報先を自宅とし、
第２緊急通報先を病院とし、第３緊急通報先を親戚等の
ように、複数入力しておくことができる。

【００４１】緊急通報用電話番号の設定が終了した後
は、再び、電話機能利用状態４０１となる。

【００４２】次に、緊急通報先への通報手順について説
明する。セキュリティ制御部１１は、緊急通報用ボタン
２４が押下されると、携帯電話機１０の状態がどんな状
態であっても、緊急通報用電話番号メモリ部１９に設定
されている電話番号へ自動発呼する。電源がオフの状態
で、緊急通報用ボタン２４が押下されると、セキュリテ
ィ制御部１１は、電源をオンにした後、設定されている
通報先の番号へ発呼する。緊急通報の終了を感知する
と、セキュリティ制御部１１は、緊急通報ボタン２４が
押下される前の、携帯電話機１０の状態に戻す。

【００４３】本実施例では、一つの緊急通報用ボタン２
４の操作で、複数の緊急通報先から通報先を選択して、
通報を行うことができる。具体的には、緊急通報用ボタ
ン２４を押すごとに、優先順位の高い順に、発呼する緊
急通報先を順次、切り換えて選択し、選択した緊急通報
先に発呼する。

【００４４】また、緊急通報用ボタン２４を押して、あ
る緊急通報先に切り換えた後、発呼又は通話を行って、
所定の押下間隔基準時間が過ぎた場合に、再度緊急通報
用ボタン２４を押したときは、最優先の緊急通報先に発
呼するようにしている。

【００４５】図６は、セキュリティ制御部１１の制御の
下で実行される、緊急通報先への通報手順を示すフロー
チャートである。図６は、優先順位の高い順に、第１緊
急通報先〜第３緊急通報先の３つの緊急通報先を設定し
てある場合の例である。

【００４６】緊急通報ボタン２４が押下されると、先
ず、ステップ５０１で、第１緊急通報先へ発呼する。ス
テップ５０２〜ステップ５０４では、第１緊急通報先の
呼び出し中の処理を行う。

【００４７】ステップ５０２では、通報先の相手が応答
したかどうかを判断する。相手が応答しない場合には、
ステップ５０３で、緊急通報用ボタン２４が再度押下さ
れたかどうかを調べる。緊急通報用ボタン２４が押下さ
れた場合は、ステップ５１０へ進み、第２緊急通報先へ
の通報処理を行う。

【００４８】ステップ５０３で、緊急通報用ボタン２４
が押下されない場合は、ステップ５０４で、通話終了ボ
タンが押下されたかどうかを調べる。通話終了ボタンが
押下された場合は、ステップ５０５に進み、発呼を中止
して、緊急通報の処理を終え、緊急通報用ボタン２４の
押下前の状態に戻る。

【００４９】ステップ５０４で、通話終了ボタンが押下
されない場合は、ステップ５０２に戻り、呼び出し中の
処理を続ける。

【００５０】ステップ５０２で、相手が応答した場合
は、ステップ５０６，５０７で第１緊急通報先との呼通
話中の処理を行う。ステップ５０６では、緊急通報用ボ
タン２４が再度押下されたかどうかを調べる。緊急通報
用ボタン２４が押下された場合は、ステップ５１０へ進
み、第２緊急通報先への通報処理を行う。

【００５１】ステップ５０６で、緊急通報用ボタン２４
が押下されない場合は、ステップ５０７で、通話が終了
したかどうかを判断する。通話が終了した場合は、緊急
通報の処理を終えて、緊急通報用ボタン２４の押下前の
状態に戻る。通話が終了しない場合は、ステップ５０６
に戻り、通話中の処理を続ける。

【００５２】ステップ５１０〜ステップ５１８では、第
２緊急通報先への通報処理を行う。ステップ５１０で
は、ステップ５０３又はステップ５０６で緊急通報ボタ
ン２４が押下されてからの時間を監視するために、電話
機能部１７のタイマー２１をスタートさせる。

【００５３】ステップ５１１では、第２緊急通報先へ発
呼する。ステップ５１２〜ステップ５１４では、第２緊
急通報先の呼び出し中の処理を行う。

【００５４】ステップ５１２では、通報先の相手が応答
したかどうかを判断する。相手が応答しない場合には、
ステップ５１３で、緊急通報用ボタン２４が再度押下さ
れたかどうかを調べる。緊急通報用ボタン２４が押下さ
れた場合は、ステップ５１８へ進み、経過時間の判断を
行う。

【００５５】ステップ５１３で、緊急通報用ボタン２４
が押下されない場合は、ステップ５１４で、通話終了ボ
タンが押下されたかどうかを調べる。通話終了ボタンが
押下された場合は、ステップ５１５へ進み、発呼を中止
して、緊急通報の処理を終え、緊急通報用ボタン２４の
押下前の状態に戻る。

【００５６】ステップ５１４で、通話終了ボタンが押下
されない場合は、ステップ５１２に戻り、呼び出し中の
処理を続ける。

【００５７】ステップ５１２で、相手が応答した場合
は、ステップ５１６，５１７で第２緊急通報先との通話
中の処理を行う。ステップ５１６では、緊急通報用ボタ
ン２４が再度押下されたかどうかを調べる。緊急通報用
ボタン２４が押下された場合は、ステップ５１８へ進
み、経過時間の判断を行う。

【００５８】ステップ５１６で、緊急通報用ボタン２４
が押下されない場合は、ステップ５１７で、通話が終了
したかどうかを判断する。通話が終了した場合は、緊急
通報の処理を終えて、緊急通報用ボタン２４の押下前の
状態に戻る。通話が終了しない場合は、ステップ５１６
に戻り、通話中の処理を続ける。

【００５９】ステップ５１８では、ステップ５０３又は
ステップ５０６で緊急通報用ボタン２４が押下されて、
第１緊急通報先から第２緊急通報先に切り換わってから
の経過時間を、タイマー２１の値から調べる。この経過
時間が、予め設定されている押下間隔基準時間内かどう
かを判断する。この経過時間が基準時間より長くなって
いる場合は、次の優先順位の通報先へは切り換えずに、
ステップ５０１に戻って、最優先の第１緊急通報先への
通報処理を行う。

【００６０】この経過時間が、予め設定されている押下
間隔基準時間内の場合は、ステップ５２１へ進み、第３
緊急通報先への通報処理を行う。

【００６１】ステップ５２１〜ステップ５２７では、第
３緊急通報先への通報処理を行う。なお、図６の例で
は、第３緊急通報先が最も優先順位が低い通報先であ
り、次に切り換えるべき緊急通報先が必ず第１緊急通報
先になるため、経過時間の監視は行わない。

【００６２】ステップ５２１では、第３緊急通報先へ発
呼する。ステップ５２２〜ステップ５２４では、第３緊
急通報先の呼び出し中の処理を行う。

【００６３】ステップ５２２では、通報先の相手が応答
したかどうかを判断する。相手が応答しない場合には、
ステップ５２３で、緊急通報用ボタン２４が再度押下さ
れたかどうかを調べる。緊急通報用ボタン２４が押下さ
れた場合は、ステップ５０１へ進み、第１緊急通報先へ
の通報処理をを行う。

【００６４】ステップ５２３で、緊急通報用ボタン２４
が押下されない場合は、ステップ５２４で、通話終了ボ
タンが押下されたかどうかを調べる。通話終了ボタンが
押下された場合は、ステップ５２５へ進み、発呼を中止
して、緊急通報の処理を終え、緊急通報用ボタン２４の
押下前の状態に戻る。

【００６５】ステップ５２４で、通話終了ボタンが押下
されない場合は、ステップ５２２に戻り、呼び出し中の
処理を続ける。

【００６６】ステップ５２２で、相手が応答した場合
は、ステップ５２６，５２７で第３緊急通報先との通話
中の処理を行う。ステップ５２６では、緊急通報用ボタ
ン２４が再度押下されたかどうかを調べる。緊急通報用
ボタン２４が押下された場合は、ステップ５０１へ進
み、第１緊急通報先への通報処理を行う。

【００６７】ステップ５２６で、緊急通報用ボタン２４
が押下されない場合は、ステップ５２７で、通話が終了
したかどうかを判断する。通話が終了した場合は、緊急
通報の処理を終えて、緊急通報用ボタン２４の押下前の
状態に戻る。通話が終了しない場合は、ステップ５２６
に戻り、通話中の処理を続ける。

【００６８】なお、緊急通報用ボタン２４の押下間隔基
準時間の設定は、電話機能が利用できるセキュリティ解
除状態で、利用者が、ボタン操作により押下間隔基準時
間設定モードを選択して行う。押下間隔基準時間は、利
用者が使いやすい時間（例えば５分）に設定する。

【００６９】また、発呼中、及び通話中は、携帯電話機
１０のディスプレイ２５に、相手先と電話番号が、例え
ば、相手先：○○病院，電話番号XXX-XXXX のよう
に、表示される。

【００７０】上記のように、複数の緊急通報先を設定し
ておくことができ、電話機を落としたときに、拾った人
が善意で本来の利用者に通報してくれる手段を提供する
だけでなく、体調が悪く、外出時に倒れたときに、本人
もしくは回りの人が、緊急通報ボタン２４を使って、容
易に緊急連絡を取ることができる。

【００７１】また、緊急通報先が、話中、不在、留守番
電話での応対等の場合でも、緊急通報用ボタン２４を再
度押下することで、容易に別の連絡先に通報することが
できる。

【００７２】なお、緊急通報先は、図６の例の３つに限
られず、更に多く設定する構成とすることもできる。

【００７３】また、専用の緊急通報用ボタン２４を設け
ないで、他のボタンを共用した特定の操作を、緊急通報
のボタン操作とすることも可能である。また、夫々の緊
急通報先ごとに、緊急通報用ボタンを携帯電話機１０上
に複数設けてもよい。例えば、赤色のボタンは、拾った
人が落とし主の自宅に連絡する専用のボタン、黄色のボ
タンは、病気で倒れたりしたときに、かかりつけの病院
や救急病院へ連絡する専用のボタン、等のように、緊急
連絡の用途別に専用のボタンを複数設ける。

【００７４】緊急通報用ボタン２４を本来の利用者本人
以外の人が使うことを考えて、その操作方法の説明文を
電話機１０上に記しておく。図７は、電話機上の操作方
法の説明文の例を示す。図７（Ａ）は、緊急通報先が自
宅のみの場合の説明文の例を示す。図７（Ｂ）は、緊急
通報先が複数の場合の説明文の例を示す。また、図７
（Ｃ）は、緊急通報ボタンを複数設けた場合の説明文の
例を示す。なお、ディスプレイ２５の表示容量に余裕が
ある場合には、ディスプレイ２５に操作説明を表示する
構成としてもよい。

【００７５】なお、本実施例では、携帯電話機１０の電
源がオフの状態でも、セキュリティ制御部１１には、常
時、電源が供給されるようにしており、いつでも、緊急
通報用ボタン２４による緊急通報ができる。

【００７６】上記のように、本実施例では、指紋による
利用者のチェックが行えるため、従来の電話機と異な
り、暗証番号を覚えておく必要がなく、簡単なボタン操
作により、セキュリティ状態とセキュリティ解除状態の
切り換えが行える。更に、電源オフ時には、必ずセキュ
リティ状態となる。従って、落としたり、忘れたとき
に、セキュリティ状態にある確率を極めて高くすること
ができ、本来の利用者以外の人による悪用を防ぐことが
できる。

【００７７】また、電話機を落としたり、忘れたりした
ときには、拾った人が緊急通報用ボタンを押すだけで、
容易に、落とし主に連絡をとることができる。また、本
人が病気で倒れたり、事故に遇ったときにも、本人もし
くは回りの人が、即座に緊急通報先に通報できる。この
緊急通報の際には、緊急通報用ボタンの押下だけで、複
数の緊急通報先から、通報先を容易に選択して、通報す
ることができる。

【００７８】

【発明の効果】上述の如く、請求項１の発明によれば、
指紋による利用者のチェックが行えるので、簡単な操作
により、電話機の利用が制限された状態と、電話機の利
用が可能な状態の切り換えが行え、かつ、電源断のとき
には、必ず電話機の利用が制限された状態となるため、
落としたり、忘れたときに、電話機の利用が制限された
状態にある確率を極めて高くすることができ、本来の利
用者以外の人による悪用を防ぐことができ、また、電話
機を落としたり、忘れたりしたときには、拾った人が緊
急通報用ボタンを押下するだけで、複数の緊急通報先か
ら、通報先を容易に選択して、通報を行うことができる
等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成図である。

【図２】セキュリティボタンの押下と電源スイッチのオ
ン，オフによる電話機状態の変化を示す図である。

【図３】セキュリティチェック機能に関する動作の説明
図である。

【図４】音声ガイダンス作動条件の設定の説明図であ
る。

【図５】緊急通報用電話番号の設定手順の説明図であ
る。

【図６】緊急通報先への通報手順を示すフローチャート
である。

【図７】電話機上の操作方法の説明文の例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１０携帯電話機１１セキュリティ制御部１２指紋読み取り部１３指紋登録部１４指紋一時記憶部１５指紋照合比較部１６音声メッセージ部１７電話機能部１８ディスプレイ制御部１９緊急通報用電話番号メモリ部２０電源部２１タイマー２２電源スイッチ２３セキュリティボタン２４緊急通報用ボタン２５ディスプレイ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】発信、受信、及び通話等の電話機能を受
け持つ電話機能部（１７）と、メッセージ又は通話先電
話番号等を表示するディスプレイ（２５）を備えた携帯
電話機において、本来の利用者の指紋を登録する指紋登録手段（１２，１
３）と、利用者の指紋と上記指紋登録手段（１２，１３）に登録
された本来の利用者の指紋を照合する指紋照合手段（１
２，１４，１５）と、電話機の利用が制限された状態で利用者の操作により電
話機利用要求を受けたときに、指紋が登録されていない
場合は上記指紋登録手段（１２，１３）を制御して指紋
登録を行わせ、指紋登録がされている場合は、上記指紋
照合手段（１２，１４，１５）を制御して、利用者と本
来の利用者の指紋の照合を行わせて、一致したときだけ
電話機の利用が可能な状態とし、利用者の操作により電
話機利用制限要求を受けたとき、及び電源が断のとき
は、電話機の利用が制限された状態にする安全機能制御
手段（１１）と、複数の緊急通報先の電話番号を記憶
する緊急通報用電話番号記憶手段（１９）と、緊急通報用ボタン（２４）が押下される毎に、上記複数
の緊急通報先の中で、優先順位の高い順に、順次、発呼
する緊急通報先を切り換えて選択し、前記ディスプレイ
（２５）に上記選択した緊急通報先を表示するととも
に、上記電話機能部（１７）を制御して、上記緊急通報
用電話番号記憶手段（１９）から読み出した上記選択し
た緊急通報先の電話番号へ発呼する緊急通報制御手段
（１１）とを有する構成としたことを特徴とする携帯電
話機。
【請求項２】前記緊急通報制御手段（１１）は、現在
の緊急通報先を選択させた緊急通報用ボタン（２４）の
押下が行われてから所定時間以内に次の緊急通報用ボタ
ン（２４）の押下が行われた場合は、現在の緊急通報先
から次の優先順位の緊急通報先に発呼先を切り換え、現
在の緊急通報先を選択させた緊急通報用ボタン（２４）
の押下が行われてから所定時間を経過後に次の緊急通報
用ボタン（２４）の押下が行われた場合は、現在の緊急
通報先から最優先の緊急通報先に発呼先を切り換えるこ
とを特徴とする請求項１記載の携帯電話機。
【請求項３】前記緊急通報を指示する操作の方法を、
携帯電話機上に表示したことを特徴とする請求項１又は
請求項２記載の携帯電話機。