JPH0628410U - プーリ - Google Patents

プーリ

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JPH0628410U
JPH0628410U JP6556592U JP6556592U JPH0628410U JP H0628410 U JPH0628410 U JP H0628410U JP 6556592 U JP6556592 U JP 6556592U JP 6556592 U JP6556592 U JP 6556592U JP H0628410 U JPH0628410 U JP H0628410U
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JP
Japan
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pulley
sprayed layer
pulley body
hardness
groove portion
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Pending
Application number
JP6556592U
Other languages
English (en)
Inventor
正善 田中
Original Assignee
東海ゴム工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溝部の耐摩耗性を向上させ、かつ硬度を高めた
アルミニウム合金性のプーリ本体を備えたプーリを提供
する。 【構成】軸芯に駆動軸が取り付けられる取付孔11aを
もつボス部11と、ボス部11の外側に同軸的かつ一体
的に形成された外筒部13と、外筒部13の外周面に形
成され駆動力伝達ベルトが懸架される溝部14とをもつ
プーリ本体1を備えたプーリにおいて、プーリ本体1は
Hv140以上の硬度をもつアルミニウム合金よりな
り、溝部14の表面には溶射層14aが形成されてい
る。プーリ本体1はHv140以上の硬度をもつので、
ボス部11に取り付けられる駆動軸との間に緩みが生じ
難い。溶射層14aにより駆動力伝達ベルトが懸架され
る溝部14の耐摩耗性が向上する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば自動車のクランクシャフトの駆動力伝達部に用いられるプー リに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のクランクシャフト前端に取り付けられて、クランクシャフ トの駆動力を、Vベルト又はVリブドベルトを介して、ウォータポンプ、エアコ ン用コンプレッサ、パワーステアリング用オイルポンプ等に伝達するプーリが知 られている。このような自動車のクランクシャフトに用いられるプーリは、通常 ゴム弾性体を介してダンパマスを装着しており、上記駆動力伝達機能の他に、回 転によって生じるクランクシャフトの捩じり振動をダンパマスとゴム弾性体によ って抑えるダンパ機能をも有している。
【0003】 このダンパ機能付のダンパプーリは、一般に、軸芯にクランクシャフトが取り 付けられる取付孔をもつボス部、該ボス部の外側に同軸的かつ一体的に形成され た外筒部、及び該外筒部の外周面に形成され駆動力伝達ベルトが懸架される溝部 とをもつプーリ本体と、該プーリ本体にゴム弾性体を介して装着されたダンパマ スとから構成されている。
【0004】 ところで、近年の自動車産業界においては、低燃費化等の要請に応えるために エンジン部品類などを軽量化する要求が高まっている。このため、従来のダンパ プーリに通常用いられている鋳鉄製のプーリ本体を、アルミニウム合金製のもの に置き換える試みがなされている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、アルミニウム合金製のプーリ本体は、鋳鉄製のものと比べて耐摩耗性 に劣る。このため、駆動力伝達ベルトが懸架されて同ベルトと接触するプーリ本 体の溝部が摩耗して、駆動力伝達ベルトとダンパプーリとの間にガタツキが生じ 易いという問題がある。
【0006】 また、アルミニウム合金は一般に鋳鉄よりも軟らかいため、アルミニウム合金 製のプーリ本体と、プーリ本体のボス部に取り付けられた鉄製のクランクシャフ トとの間に緩みが生じ易いという問題もある。 本考案は上記実情に鑑みてなされたものであり、溝部の耐摩耗性を向上させ、 かつ硬度を高めたアルミニウム合金製のプーリ本体を備えたプーリの提供を目的 とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本考案のプーリは、軸芯に駆動軸が取り付けられる取付孔 をもつボス部と、該ボス部の外側に同軸的かつ一体的に形成された外筒部と、該 外筒部の外周面に形成され駆動力伝達ベルトが懸架される溝部とをもつプーリ本 体を備えたプーリにおいて、 前記プーリ本体はHv140以上の硬度をもつアルミニウム合金よりなり、前 記溝部の表面には溶射層が形成されていることを特徴とする。
【0008】 なお、上記溶射層としては、金属溶射層とすることが好ましく、具体的にはN i−Cr−Fe系、Cr−Fe系、Fe−Cr−Si系、Ni−Cr−Mo系の 溶射層とすることが好ましい。また溶射層の膜厚は50〜200μmとすること が好ましい。溶射層の膜厚が50μmより薄いと溶射層の耐摩耗性の寿命が短く なり、200μmより厚いと溶射層内で剥離しやすくなるとともに、高コストに なる。
【0009】
【作用】
本考案のプーリは、プーリ本体がHv140以上の硬度をもつアルミニウム合 金よりなるので、プーリ本体のボス部に取り付けられる駆動軸との間に緩みが生 じ難い。 また本考案のプーリは、プーリ本体の溝部の表面に溶射層が形成されて溝部の 耐摩耗性が向上されているので、溝部に懸架される駆動力伝達ベルトとの間にガ タツキが生じ難い。
【0010】
【実施例】
以下、本考案のプーリをダンパプーリに適用した具体的な実施例について説明 する。 (実施例1) 本実施例に係るダンパプーリは、プーリ本体1と、プーリ本体1の外周面に装 着されたダンパ部材2とから構成されている。
【0011】 プーリ本体1は、軸芯に駆動軸(図示せず)が取り付けられる取付孔11aを もつボス部11と、リング状接続部12を介してボス部11の外側に同軸的かつ 一体的に形成された外筒部13とからなり、外筒部13の外周面には、駆動力伝 達ベルト(図示せず)が懸架される断面鋸歯状の第1溝部14と、ダンパ部材2 が圧入嵌合される嵌合部15とが形成されている。このプーリ本体1は、Al− Si−Cu系のアルミニウム合金(A390−T6)よりなる。
【0012】 プーリ本体1の外筒部13の第1溝部14の表面には、Ni−Cr−Fe系合 金よりなる膜厚90〜120μmの金属溶射層14aが形成されている。 ダンパ部材2は、プーリ本体1の外筒部13の嵌合部15に圧入嵌合された鋼 製リング部材21と、リング部材21の外側に間隔を隔てて同軸的に配設された 円筒状の鋳鉄製ダンパマス22と、リング部材21とダンパマス22との間に介 装され両者を一体的に連結するゴム弾性体23とからなる。なお、ダンパマス2 2の外周面には、駆動力伝達ベルトが懸架される断面鋸歯状の2条の第2溝部2 4が形成されている。
【0013】 上記構成を有する本実施例に係るダンパプーリは、以下のようにして製造した 。まず、Al−Si−Cu系のアルミニウム合金(A390)を用いて高圧鋳造 により所定形状のプーリ本体1を形成した。このプーリ本体1の第1溝部14の 表面にフレーム溶射法により金属溶射層14aを形成した。具体的には、酸素燃 料ガスと圧縮空気を用いて溶融した溶射材を高温・高速で激突させることにより 、金属溶射層14aを形成した。
【0014】 そして、上記第1溝部14に金属溶射層14aが形成されたプーリ本体1を以 下の条件で熱処理した。 (熱処理条件) 溶体化工程:500℃×4hr後、水冷 時効工程 :200℃×4hr後、空冷 なお、この熱処理後のプーリ本体1のアルミ母材硬度はHv149であり、金 属溶射層14aの硬度はHv406だった。
【0015】 次に、リング部材21とダンパマス22とを所定の加硫成形型に同心状に配置 した状態でゴム弾性体23を加硫成形するとともに、リング部材21及びダンパ マス22とゴム弾性体23とを加硫接着して、ダンパ部材2を形成した。 そして、上記熱処理したプーリ本体1の外筒部13の嵌合部15にダンパ部材 2のリング部材21を圧入により嵌合固定して、本実施例のダンパプーリを完成 した。
【0016】 (実施例2) 本実施例2のプーリは、プーリ本体1の溝部14の表面に形成する金属溶射層 14aをCr−Fe系の合金層とし、かつ金属溶射層14aの膜厚を110〜1 50μmとすること以外は上記実施例1と同様である。なお、熱処理後のプーリ 本体1のアルミ母材硬度はHv148であり、Cr−Fe系の合金層よりなる金 属溶射層14aの硬度はHv852だった。
【0017】 (実施例3) 本実施例3のプーリは、プーリ本体1の溝部14の表面に形成する金属溶射層 14aをFe−Cr−Si系の合金層とし、かつ金属溶射層14aの膜厚を11 0〜160μmとすること以外は上記実施例1と同様である。なお、熱処理後の プーリ本体1のアルミ母材硬度はHv153であり、Fe−Cr−Si系の合金 層よりなる金属溶射層14aの硬度はHv632だった。
【0018】 (比較例1) 比較例1のプーリは、プーリ本体1の溝部14に金属溶射層14aを形成しな いこと以外は上記実施例1と同様である。なお、熱処理後のプーリ本体1のアル ミ母材硬度はHv153だった。 (比較例2) 比較例2のプーリは、プーリ本体1をFe−C−Si系鋳鉄(FC200)の 砂型鋳造により形成したもので、プーリ本体1の溝部14には金属溶射層を形成 していない。なお、プーリ本体1の鋳鉄母材硬度はHv223だった。
【0019】 (比較例3) 比較例3のプーリは、プーリ本体1の溝部14に、金属溶射層の代わりに硬質 陽極酸化層(膜厚:10〜25μm)を硬質陽極酸化法により形成すること以外 は上記実施例1と同様である。なお、熱処理後のプーリ本体1のアルミ母材硬度 はHv151であり、硬質陽極酸化層の硬度はHv400だった。
【0020】 (比較例4) 比較例4のプーリは、金属溶射層14aを形成する前に熱処理を施すこと以外 は上記実施例1と同様である。なお、プーリ本体1の溶射層14a近傍のアルミ 母材硬度はHv120であり、金属溶射層14aの硬度はHv396だった。 (摩耗評価) 上記実施例1〜3及び比較例1〜3のプーリについて、プーリ本体1の溝部1 4における耐摩耗性を、テーバー摩耗試験(JIS.K.7204)に準じて、 回転円板の回転速度:60rpm,重りの重さ:1kgの試験条件で調べた。1 000回後の試験結果を図3に、2000回後の試験結果を図4に示す。
【0021】 金属溶射層14aが形成された本実施例1〜3に係るプーリ本体1の溝部14 は、耐摩耗性が大幅に向上することが確認された。このことは、金属溶射層14 aを形成してない比較例1と比較することにより明らかである。 (硬度評価) 本実施例1〜3及び比較例2のプーリについて、ボス部11を駆動軸を所定の トルクで締結後、冷熱サイクル試験を行い、増し締めトルクを測定することによ り、プーリ本体1のボス部11に取り付けられる駆動軸との間における緩みの発 生状況を調べた。
【0022】 その結果、プーリ本体1のアルミ母材硬度がHv148〜153ある本実施例 のプーリは、プーリ本体1のボス部11に取り付けられる駆動軸との間に緩みが 発生し難いことが確認された。 (アルミ母材と金属溶射層との密着性評価) 本実施例1〜3及び比較例4のプーリについて、金属溶射層14aへのデュポ ン衝撃試験を実施し、その部位を顕微鏡観察することにより、プーリ本体1のア ルミ母材と溝部14に形成された金属溶射層14aとの密着性を調べた。
【0023】 その結果、金属溶射層14aを形成する前に熱処理を施してプーリ本体1を形 成した比較例4のプーリは、金属溶射層14aの形成後に熱処理を施した本実施 例1〜3に係るプーリ本体1と比べて、アルミニウム母材と金属溶射層14aと の密着性が弱いことが確認された。これは、金属溶射層14aを形成後に熱処理 することにより、特に溶体化工程でアルミニウム母材と金属溶射層14aとの相 互拡散が生じ、これにより密着性が向上するものと考えれる。
【0024】
【考案の効果】
以上詳述したように本考案のプーリは、プーリ本体が所定の硬度を有するので 、ボス部に取り付けられる駆動軸との間に発生する緩みを効果的に抑えることが でき、かつプーリ本体の溝部はその表面に溶射層が形成されて耐摩耗性が向上さ れているので、溝部に懸架される駆動力伝達ベルトとの間に発生するガタツキを 効果的に抑えることができる。
【0025】 しかも本考案のプーリは、プーリ本体がアルミニウム合金よりなるので、軽量 化にも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るプーリの部分断面図である。
【図2】上記プーリの要部拡大断面図である。
【図3】プーリ本体の溝部における摩耗試験の結果を示
す棒グラフである。
【図4】プーリ本体の溝部における摩耗試験の結果を示
す棒グラフである。
【符号の説明】
1…プーリ本体、11…ボス部、11a…取付孔、13
…外筒部、14…溝部、14a…金属溶射層

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸芯に駆動軸が取り付けられる取付孔を
    もつボス部と、該ボス部の外側に同軸的かつ一体的に形
    成された外筒部と、該外筒部の外周面に形成され駆動力
    伝達ベルトが懸架される溝部とをもつプーリ本体を備え
    たプーリにおいて、 前記プーリ本体はHv140以上の硬度をもつアルミニ
    ウム合金よりなり、前記溝部の表面には溶射層が形成さ
    れていることを特徴とするプーリ。
JP6556592U 1992-09-21 1992-09-21 プーリ Pending JPH0628410U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258249A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Denso Corp クラッチ内蔵型プーリユニット

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