JPH06283880A - 電波吸収壁 - Google Patents

電波吸収壁

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JPH06283880A
JPH06283880A JP9081193A JP9081193A JPH06283880A JP H06283880 A JPH06283880 A JP H06283880A JP 9081193 A JP9081193 A JP 9081193A JP 9081193 A JP9081193 A JP 9081193A JP H06283880 A JPH06283880 A JP H06283880A
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Yukimasa Ishida
幸正 石田
Mikio Tsuyuki
幹夫 露木
Tadaharu Hagiwara
忠治 萩原
Hideo Sato
秀雄 佐藤
Renji Ishino
連司 石野
Yoshihiro Yabushita
善弘 薮下
Noburo Tsubouchi
信朗 坪内
Taku Oguro
卓 小黒
Masaki Sugimoto
正樹 杉本
Takashi Uchida
孝 内田
Tomoo Seki
友男 関
Shuichi Suyama
秀一 陶山
Yoshinobu Kamei
義宣 亀井
Toyoji Tanaka
豊二 田中
Yuji Shinobu
裕司 忍
Masato Nakamura
正人 中村
Akihisa Odaka
明久 小高
Atsunari Kodama
功成 児玉
Kiyoto Ono
清人 小野
Toshiyuki Tamakai
俊之 玉飼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電波吸収壁において、広帯域で高い反射損失
を得ることができ、かつ製造期間の短縮、及び軽量化を
図る。 【構成】 電波の到来方向に対して、外側から順に、花
崗岩等の外装材1、フェライト板2、空気層及び金属反
射板で構成され、電波の磁界方向にはほぼ連続で、電界
方向には不連続に配置された複数のフェライト板2を配
置した電波吸収パネルを複数個設置して形成した電波吸
収壁であって、電波吸収パネル上下部のフェライト板2
a、2bに非金属製品の固定部材13、13を取り付け、こ
の固定部材13、13によりフェライト板2a、2b間で生
じる磁界ギャップ部に電波吸収材12が組み込まれている
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電波吸収壁に関し、さら
に詳しくは、高層建築物の外壁に取り付けられ、テレビ
電波の不要反射波を防止する電波吸収壁に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高層建築物による不要反射電波が
テレビ放送の障害となり、テレビ画面にゴーストを生じ
させる等の電波公害が問題となっている。この対策とし
て、高層建築物の外壁に電波吸収体を埋め込む方法があ
り、電波吸収体としてフェライト板を用いた電波吸収パ
ネルがこれまでに提案されている。
【0003】従来の電波吸収パネルの一例を図8に示
す。この電波吸収パネルは、電波反射部材となる鉄筋21
を埋設したコンクリート22の表面に、フェライト板2が
張りつけられ、さらにその外面に花崗岩等の外装材1が
装着された構造を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電波吸収パネルは、打ち込んだコンクリート
を乾燥させるために約1か月もの期間を必要とし、その
乾燥時の電波吸収パネル保管スペースも相当な大きさと
なる。また、180M 以上の高い周波数では、電波吸
収パネルの特性を示す反射損失が小さくなってしまい、
良好な電波吸収性能が得られない。さらに電波吸収パネ
ル自体が重いという欠点もある。
【0005】したがって、本発明の目的は、製造期間が
短くて済み、広い周波数範囲で高い反射損失が得られ、
しかも軽量な電波吸収壁を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、複数個のフェライト板を電波の
磁界方向にほぼ連続するが電界方向には不連続となるよ
うに配置した複数の外装材を配列し、さらに、フェライ
ト板とその後方の金属反射板との間に空気層を設けた電
波吸収パネルは、広い周波数範囲で高い反射損失を得る
ことができることを見いだした。
【0007】しかし、上記の構成の電波吸収パネルを複
数個配列して電波吸収壁を構成したとき、外装材間の目
地部付近においてどうしてもフェライト板間に磁気キャ
ップが生じ、この磁気キャップにより所期の電波吸収特
性が得られないことがあった。そこで、この問題点を解
消するために研究した結果、磁界成分方向に隣接した外
装材のそれぞれの端部のフェライト板間のギャップ部に
電波吸収材を配置すれば、良好な電波吸収特性が得られ
ることを発見し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の電波吸収壁は、電波の
到来方向に対して、外側から順に外装材、フェライト
板、空気層及び金属反射板で構成され、複数のフェライ
ト板が電波の磁界方向にはほぼ連続するとともに電界方
向には不連続となるように配置された電波吸収パネルが
複数個設置されてなり、磁界方向に隣接する外装材にお
ける上下のフェライト板間のギャップ部に、電波吸収材
が配置されていることを特徴とする。
【0009】好ましい態様では、上記の電波吸収材とし
て、5000以上の初透磁率及び0.1〜2.5mmの粒
径を有するMn−Zn系フェライト焼結粒70〜95重量%
と、残部ゴム又は樹脂との混合物からなることを特徴と
する。
【0010】
【作用】本発明の電波吸収壁においては、磁界方向に隣
接する外装材における上下のフェライト板間のギャップ
部に電波吸収材を配置しており、またフェライト板と金
属反射板との間に空気層を設けているので、広い周波数
領域で大きな反射損失を有するようになる。また、この
ような構造のため電波吸収壁は軽量となり、さらにコン
クリートを打ち込むタイプと異なって製造期間も短くて
済む。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説
明する。図1は本発明の一実施例による電波吸収壁の断
面を模式的に示す。電波吸収壁は電波の到来方向から順
に外装材1、フェライト板2及び金属反射板4とを有す
る。フェライト板2は外装材1に接触しているが、フェ
ライト板2と金属反射板4とは離れており、両部材間に
空気層3が形成されている。なお、本発明の電波吸収壁
は、フェライト板2を固着した外装材1と金属反射板4
とをフレーム部材により固定して形成した電波吸収パネ
ル(図5参照)を複数個配列して形成される。
【0012】外装材1としては、花崗岩からなる板部
材、大型陶板、ケイ酸カルシウム板、高強度コンクリー
トからなる板部材等を用いることができる。外装材1の
大きさは特に限定されないが、実用上、一辺の長さが40
0 〜1000mmで、厚さが10〜40mm程度であるのが好まし
い。
【0013】フェライト板2としては、Ni−Znフェライ
ト、フェロックスプレーナ型Baフェライト、Mn−Mg−Zn
フェライト、Mn−Znフェライト等のソフトフェライトか
らなるものを用いることができる。フェライト板の大き
さは特に限定されないが、製造の容易さから一辺の長さ
が50〜200 mm程度、厚さが3〜12mm程度であるのが好ま
しい。
【0014】金属反射板4としては、ステンレス、アル
ミニウム、鉄等からなるものを用いることができる。金
属反射板4の厚さは0.5 〜5mmであるのが好ましい。
【0015】上述の通り、本発明においては、金属反射
板4をフェライト板2から距離を置いて設置し、フェラ
イト板2と金属反射板4との間に空気層3を設ける。空
気層3の厚さ(フェライト板2と金属反射板4との距
離)は、30〜300mmとするのが好ましい。空気層3
の厚さが30mm未満では180M 以上の電波の反射損
失が小さくなり、図8に示したような従来のコンクリー
ト打設型の電波吸収パネルと同程度の特性しか得られな
い。一方、空気層3の厚さが300mmを超えると、電波
吸収パネル自身の強度が低下し、実用的ではない。より
好ましい空気層の厚さは50〜150 mmである。
【0016】図2は、外装材1に複数のフェライト板2
を配置した一例を示す背面図である。電波は図2の紙面
の裏側から到来するので、縦が磁界方向であり、横が電
界方向である。本発明では、複数枚のフェライト板2は
電波の磁界方向(図2のM方向)には実質的に連続し、
電界方向(図2のE方向)には不連続になるように配置
されている。図2に示す例では、複数のフェライト板2
が一列に配列してなる連結体20が磁界方向に平行に配
置されている。複数の連結体20は電界方向には一定の
間隔を置くように(均一なギャップG1 を有するよう
に)外装材1に固着している。
【0017】連結体20の電界方向における間隔(ギャ
ップの大きさ)は、電界ギャップ率が20〜50%とな
るように設定するのが好ましい。なお、電界ギャップ率
とは、電界方向のギャップG1 、G2 の合計の長さを、
外装材1の幅Lで割った値を百分率で表示したものであ
る。例えば、図2の例では、電界ギャップ率は〔(3G
1 +2G2 )/L〕×100(%)である。
【0018】外装材1の幅が760mm、フェライト板の
幅が100mmの場合、ギャップG1は30〜100mmと
するのが好ましい。
【0019】上記したギャップの大きさ(ギャップ率)
となるように連結体20を配列すると、大きな反射損失
が得られる。なお、ギャップ率はフェライト板2の厚さ
により変化するので、それを考慮してギャップの大きさ
を適宜調節するのが好ましい。
【0020】各々のフェライト板2の中央部には貫通孔
6が形成されており、図3に示すように、紐状部材5が
各貫通孔6を縫うように貫通することにより、複数のフ
ェライト板2は縦一列に連結されている。なお、連結体
20の最下部に位置するフェライト板には紐状部材5の
端部が結び付けられる。図3は紐状部材5による複数の
フェライト板の連結方法の一例を示したものであり、こ
の方法に限られるものではない。
【0021】紐状部材5としては、ナイロン、アラミ
ド、超高分子量ポリエチレン等の高強度有機繊維からな
るものを用いることができる。
【0022】図3に示すような連結体20は、接着剤に
より外装材1に固着される。接着剤としては、弾性エポ
キシ樹脂系接着剤が好適である。
【0023】本発明においては、磁界方向(図2におい
ては上下方向)に隣接する外装材の目地部付近に生じる
磁気ギャップ部に電波吸収材を配置する。図4に示す実
施例では、隣接する外装材1a、1bのそれぞれの最端
部のフェライト板2a、2bに非金属製の固定部材1
3、13を設置しておき、これを用いて、目地部に電波
吸収材12を固定している。なお、固定部材13は、フ
ェライト板2a、2bの外装材1側から挿入されたネジ
部材18、18により固定することができる。
【0024】電波吸収材12としては、フェライト板2
と同様のものが使用できるが、ゴムフェライトを用いる
こともできる。ゴムフェライトとしては、5000以上
の初透磁率μi及び粒径が0.1〜2.5mmのMn−Zn系
フェライト焼結粒70〜95重量%と、残部ゴムとの混
合物からなるものを使用するのが好ましい。
【0025】フェライト焼結粒の初透磁率μiが500
0未満であったり、粒径が0.1mm未満であったり、ま
たその配合割合が70重量%未満であると、電波吸収壁
における100M 付近での反射損失が不十分となる。
一方、フェライト焼結粒の粒径が2.5mmを超したり、
その配合割合が95重量%を超すと、ゴムフェライトの
成形が困難となる。
【0026】なお、ゴムの代わりにエポキシ樹脂等の樹
脂を用い、これとフェライト焼結粒とを混合して電波吸
収材とすることもできる。
【0027】電波吸収材12の大きさは特に限定されな
いが、フェライト板2a、2bの幅及びフェライト板2
a、2b間のギャップの大きさを考慮して適宜設定す
る。なお、電波吸収材12の厚さは3〜20mm程度であ
るのが好ましい。
【0028】連結体20の外装材1からの脱落を完全に
防止するため、止め具を用いて連結体20を外装材1に
固定するのが好ましい。具体的には、図4に示すよう
に、テーパーワッシャ8及び止め具(たとえばステンレ
スピン)7を用い、それぞれの外装材における連結体2
0の最上部のフェライト板を固定するのが好ましい。こ
のとき、止め具7を斜め上から外装材1に差し込み、エ
ポキシ系樹脂で固定し、これに連結体20を懸架するよ
うに固定しておけば、連結体20は落下しない。また、
図4には図示しないが、各外装材における最上部のフェ
ライト板2の貫通孔を通した紐状部材の端部を、止め具
7に結び付けておくのが好ましい。
【0029】図4に示すようにフェライト板2を外装材
1に装着した後、好ましくは、フェライト板2の外面2
c全体に補強部材を接着するのが好ましい。補強部材と
しては、ガラスクロス、有機繊維クロスが挙げられる。
【0030】次に、電波吸収パネルの全体構造を図5を
参照して説明する。図5は本発明の電波吸収壁を構成す
る電波吸収パネルの分解斜視図である。フェライト板が
固着した外装材1を複数個配列してフレーム部材11の
一方の側に固定するとともに、下地フレーム9に固定し
た止水板を兼ねる金属反射板4を外装材1の装着面の反
対側からフレーム11に装着して電波吸収パネルが形成
される。ここで、外装材1の裏面に配置されたフェライ
ト板2の表面と金属反射板4の表面と間に空気層が形成
されるように、金属反射板4が外装材1の後方に設置さ
れる。
【0031】複数の外装材1を固定するフレーム部材1
1としてはステンレス製のものが好ましい。また、金属
反射板4を固定する下地フレーム9としてはステンレス
製のものを使用することができるが、重量等を考慮する
とアルミニウム等の軽金属製のものが好ましい。
【0032】図5に示す構成の電波吸収パネルを所望の
数配列して本発明の電波吸収壁が構成されるが、その場
合、上下に隣接する各電波吸収パネル間においては、先
に図4に示した構造に電波吸収材が設置されることにな
る。
【0033】以上、添付図面を参照して本発明を説明し
たが、本発明はこれに限定されず、種々の変更を施すこ
とができる。たとえば、図6の(a) に示すように、電波
吸収材12aのフェライト板2側の上下端部に段部を設
け、この段部にフェライト板2、2の角部を当接して電
波吸収材12aを固定する構造とすることもできる。さ
らに、(b) に示すように、短い板状の電波吸収材12b
を上下のフェライト板の端面間に差し込んで、上下の外
装材1、1に固定したフェライト板2、2間を連続する
構造としてもよい。なお、図6の(b) に示すように、電
波吸収材12bが多少曲がるように設置される場合に
は、電波吸収材12bを上述したゴムフェライトから形
成するのが好ましい。また、電波吸収材12を固定する
固定部材13として、図9に示すようなバネ性を有する
部材を使用することもできる。この固定部材13として
は非金属製のものが好ましいが、金属製のものを用いる
こともできる。なお、図9に示す例においては、固定部
材13以外は実質的に先に図4で示した例と同様とな
る。
【0034】さらに、図10に示すような別な固定方法
とすることもできる。図10(a) は断面図、(b) は配列
を示す背面図である。なお、図10(a) は図10(b) の
A−A断面図である。この固定方法は、図10(c) 、
(d) に示すように、予め硬質塩化ビニル等からなる長尺
の下地枠23に複数の電波吸収材12を所定位置に接着
しておき、この下地枠23の電波吸収材12が接着され
ていない場所にバネ性の固定部材24の一端をネジ25
で固定しておく。この図10では、外装材1へのフェラ
イト板2の配置が図2のものと異なっており、電界方向
(図面の左右方向)で部分的にフェライト板2が連続し
て配置されている。この一体物をフェライト板2が固定
された外装材1間の目地部分に配置し、バネ性の固定部
材24の他端を外装材1に、フェライト板2を固定した
と同様に止め具7で固定するものである。この外装材1
への固定は、フェライト板2が配置されていない部分で
行われている。この方法によれば、目地部分への電波吸
収材12の配置を効率的に行うことができる。なお、下
地枠23の材質は硬質塩化ビニルに限定されるものでは
なく、耐熱性など信頼性があり、所要の強度を有し、電
波の反射率の低い材質であればよい。
【0035】図10に示す実施例の変形例の一つを図1
1に示す。図11(a) は断面図であり、(b) は配列を示
す背面図である。この実施例では、長尺の下地枠23の
所定位置に電波吸収材12が接着されており、この下地
枠23を外装材1に固定する手段として、下地枠23の
電波吸収材12の接着されていない部分で、押さえ金具
(たとえばステンレス製の金具)27とネジ25とで止
められており、この押さえ金具27の他端は、外装材1
aの下端に加工したスリット溝に固定されている。な
お、電波吸収材12及び下地枠23は、押さえ金具27
に加え、外装材1に接着固定された受材26で支持され
ている。
【0036】さらに別な実施例を図12に示す。この実
施例においては、下地枠23は、電波吸収材12毎に分
かれている。なお、下地枠23の外装材1への固定は図
11に示す例と類似の方法により行われており、押さえ
金具と下地枠23とは電波吸収材12を貫通するボルト
等により固定されている。
【0037】以下、具体的実施例により本発明を詳細に
説明する。実施例1 中央部に貫通孔を有し、一辺が100 mmで厚さが8mmの正
方形状の複数のフェライト板を図3に示す方法でポリエ
ステル繊維により連結した。得られた複数の連結体20
を、図2に示す配列で、縦762 mm、横756 mm、厚さ30mm
の花崗岩からなる外装材1にエポキシ系接着剤で固着し
た。ここで、ギャップG1 の大きさは50mmとし、連結
体20の上下端部と外装材1の端部との距離G3 は10
mmとした。またこのとき、連結体20中の最上部のフェ
ライト板2bを、図4に示すようにステンレスピン7で
固定した。さらに、各連結体20の紐状部材(ポリエス
テル繊維)の上端部をステンレスピン7に結び付けた。
【0038】フェライト板2と同一材料からなる電波吸
収材12を、塩化ビニル製の固定部材13を用いて図4
に示すように外装材1、1の目地部に設置した。
【0039】さらに、エポキシ系接着剤を用い、外装材
1に固着したフェライト板の全面にガラスクロスを接着
した。
【0040】図5に示すように、フェライト板を固着し
た複数の外装材1をステンレス製のフレーム11に固定
した。次に、70mmの厚さの空気層が形成されるよう
に、アルミニウム製の下地フレーム9に固定したステン
レス製の反射板4(厚さ2mm)をフレーム11の後ろ側
から装着して電波吸収パネルとした。
【0041】得られた電波吸収パネルの反射損失を測定
した。結果を図7に示す。図7からわかるように、本実
施例の電波吸収パネルは、80M から300M まで
の広い範囲で15dB以上の反射損失が得られた。
【0042】比較例1 図8に示す構造の電波吸収パネルを作製した。ここで、
電波反射部材となる鉄筋21を埋設したコンクリート2
2のフェライト板裏面から鉄筋までの厚さは25mmとし
た。また、フェライト板2及び外装材1の厚さは、実施
例1の電波吸収パネルのものと同じとした。
【0043】この電波吸収パネルについて、実施例1と
同様に反射損失を測定した。結果を図7に示す。図7か
らわかるように、この電波吸収パネルにおいては、20
0Mでの反射損失は12dBであり、500M では5
dBであった。
【0044】
【発明の効果】本発明の電波吸収壁は、80M から3
00M の広い範囲で15dB以上の反射損失を与え
る。また、本発明の電波吸収壁はコンクリートを用いた
従来の電波吸収壁より製造期間が短くて済む。具体的に
は、約5分の1に短縮される。また、大幅な軽量化が達
成され、製造コストも低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による電波吸収壁の構造を示
す部分断面図である。
【図2】電波吸収壁におけるフェライト板の配列の状態
の一例を示す背面図である。
【図3】複数のフェライト板を紐状部材を用いて連結す
る方法の一例を示す斜視図である。
【図4】連結したフェライト板の外装材への取り付け状
態、及び隣接する外装材の目地部への電波吸収材の取り
付け状態の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の電波吸収壁で用いる電波吸収パネルの
一例を示す分解斜視図である。
【図6】(a) 、(b) ともに、本発明の別な実施例による
電波吸収壁における電波吸収材の取り付け状態の例を示
す部分断面図である。
【図7】実施例1及び比較例1の電波吸収パネルにおけ
る反射損失特性を示すグラフである。
【図8】従来の電波吸収パネルの一例を示す部分断面図
である。
【図9】本発明のさらに別な実施例による電波吸収壁に
おける電波吸収材の取り付け状態の例を示す部分断面図
である。
【図10】本発明の別な実施例による電波吸収壁におけ
る電波吸収材の取り付け状態の例を示しており、(a) は
目地部付近の部分断面図であり、(b) は外装材の部分背
面図であり、(c) は電波吸収材を取り付けた下地枠の断
面図であり、(d) は電波吸収材を取り付けた下地枠の平
面図である。
【図11】本発明のさらに別な実施例による電波吸収壁
における電波吸収材の取り付け状態の例を示しており、
(a) は目地部付近の部分断面図であり、(b) は外装材の
部分背面図である。
【図12】本発明のもう一つの実施例による電波吸収壁
における電波吸収材の取り付け状態の例を示す部分背面
図である。
【符号の説明】
1 外装材 2 フェライト板 20 フェライト板の連結体 3 空気層 4 金属反射板 5 紐状部材 6 貫通孔 7 止め具 8 テーパーワッシャ 9 下地フレーム 11 フレーム 12 電波吸収材 13 固定部材
フロントページの続き (72)発明者 露木 幹夫 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 萩原 忠治 東京都江東区南砂二丁目5番14号 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 佐藤 秀雄 東京都江東区南砂二丁目5番14号 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 石野 連司 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 薮下 善弘 大阪府大阪市中央区本町四丁目1番13号 株式会社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 坪内 信朗 東京都江東区南砂二丁目5番14号 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 小黒 卓 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 杉本 正樹 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 内田 孝 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 関 友男 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 陶山 秀一 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 亀井 義宣 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 田中 豊二 大阪府大阪市中央区本町四丁目1番13号 株式会社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 忍 裕司 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 中村 正人 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 小高 明久 東京都江東区木場二丁目7番23号 新日軽 株式会社内 (72)発明者 児玉 功成 東京都江東区木場二丁目7番23号 新日軽 株式会社内 (72)発明者 小野 清人 東京都江東区木場二丁目7番23号 新日軽 株式会社内 (72)発明者 玉飼 俊之 東京都文京区西片一丁目17番8号 日立フ ェライト株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波の到来方向に対して、外側から順に
    外装材、フェライト板、空気層及び金属反射板で構成さ
    れ、複数のフェライト板が電波の磁界方向にはほぼ連続
    するとともに電界方向には不連続となるように配置され
    た電波吸収パネルが複数個設置されてなる電波吸収壁で
    あって、磁界方向に隣接する外装材における上下のフェ
    ライト板間のギャップ部に、電波吸収材が配置されてい
    ることを特徴とする電波吸収壁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電波吸収壁において、
    複数のフェライト板のうち上下端に位置するフェライト
    板には非金属製の固定部材が取り付けられており、前記
    電波吸収材は前記非金属製の固定部材により固定されて
    いることを特徴とする電波吸収壁。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電波吸収壁にお
    いて、前記電波吸収材が、5000以上の初透磁率及び
    0.1〜2.5mmの粒径を有するMn−Zn系フェライト焼
    結粒70〜95重量%と、残部ゴム又は樹脂との混合物
    からなることを特徴とする電波吸収壁。
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