JPH06282116A - 静電荷像現像用液体現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用液体現像剤

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JPH06282116A
JPH06282116A JP6686493A JP6686493A JPH06282116A JP H06282116 A JPH06282116 A JP H06282116A JP 6686493 A JP6686493 A JP 6686493A JP 6686493 A JP6686493 A JP 6686493A JP H06282116 A JPH06282116 A JP H06282116A
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JP
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toner
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JP6686493A
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English (en)
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Keisuke Satsuta
恵介 薩▲た▼
Akira Arikawa
晶 有川
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、静電荷像現像用液体現像剤の提供を
目的とする。 【構成】静電荷像担持体上に静電潜像を形成し、これを
液体現像剤を用いて現像した後、静電気力により中間転
写体に転写し、さらにこれを加熱することにより粘着性
を付与しつつ被転写体に粘着転写するフルカラー電子写
真現像プロセスに於いて用いられる液体現像剤であり、
着色剤としてジスアゾ系またはモノアゾ系顔料を使用す
ることを特徴とする静電荷像現像用液体現像剤。 【効果】本発明によれば、静電荷像担持体上に現像され
た画像を静電気力により中間転写体に転写し、さらにこ
れを加熱することにより被転写体に粘着転写する電子写
真現像プロセスに於いて、従来の中間転写体寿命の短さ
の問題点を改善し、より長期間中間転写体を交換するこ
となく印字することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電荷像の顕在化に適
用される液体現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法、静電記録法、静電印
刷などのプロセスに於いて静電潜像担持体上に形成され
た静電荷像を現像する方法には、液体現像剤を使う液体
現像法と粉体現像剤を使う乾式現像法が知られている。
液体現像法は、現像剤に有機溶剤を多量に使用するため
一般事務用には溶剤蒸気拡散等の問題から不適であり、
近年ではその取り扱い易さから乾式現像法が主流になっ
ている。しかしながら、乾式現像法は粉体現像剤(トナ
ー)粒子径が10μ程度とかなり粗大なために、高精細な
画像を得るという点で限界が生じてきている。一方、液
体現像法では現像剤粒子(以下トナーと呼ぶ)が3μ以
下、通常は1μ程度以下と粉体トナーに比べて極めて微
細であるために、近年の市場動向である高画質化が可能
であり、その長所が見直されてきている。
【0003】液体現像法に用いられる現像剤(以下液体
現像剤と呼ぶ)は、電気絶縁性の有機溶剤(キャリア液
体)中に着色微粉体(トナー)を懸濁させたものであ
り、このトナー粒子の粒子径が非常に小さいために、乾
式現像法に比較して細線再現性が良く、なお且つハイコ
ントラストの画像を得る事ができ、またイエロー、マゼ
ンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを用いたフルカ
ラー現像においてもその特徴を発揮し高解像度、高階調
の画質を得られる。
【0004】液体現像法に於けるトナー粒子は通常、静
電潜像電荷と反対極性に帯電しており、これらのトナー
粒子が、電気絶縁性のキャリア液体中を潜像電荷に引き
つけられ電気泳動により潜像に移動し、潜像に選択的に
付着することによって現像するが、こうして静電潜像を
可視化したトナー像は、紙などの記録媒体に転写する必
要がある。最も一般的な記録媒体への転写方法は、静電
気力を利用する静電転写方式である。静電転写方式と
は、トナー像を形成した静電荷像担持体に紙などの記録
媒体を重ねた後、記録媒体裏面より静電潜像とトナー粒
子の拘束力よりも強いトナー帯電極性と反対極性の電荷
を与え、これらのクーロン力によって記録媒体側へ転写
するものである。しかしながら、液体現像法に静電転写
方式を用いる場合には以下のような問題点がある。
【0005】即ち、液体現像法に於いては、トナーが静
電潜像を現像した後のキャリア液体除去が最も大きな課
題となる。上述の通り、現像はキャリア液体中をトナー
粒子が電気泳動することによって現像するため、静電荷
像担持体は現像剤液体に直接浸漬される。こうして得ら
れたトナー画像は非常に高画質なものであるが、最終の
紙などの転写媒体に転写されたものの画像を見るとかな
りの画質劣化を生じていることが判り、またトナーの転
写率も十分満足のできるものではない。また現像時と同
様に転写時も電気泳動によって転写媒体側へトナー粒子
が移動することになるために、高速化が極めて困難であ
るという問題もあり、近年のもうひとつの市場動向であ
る高速化についても対応できなくなってきている。
【0006】そこで液体現像法の大きな利点である高画
質を損なうことなく、さらに高速化を実現するために、
中間転写体を用いた技術が米国特許 4,945,387号公報、
同 4,984,025号公報等に提案されている。また中間転写
体を用いることは、紙等のシート状の転写媒体以外の転
写媒体にもトナーを転写できるという長所もある。しか
しこの方法に於いても、依然静電転写方式を利用してい
るために、やはり高画質・高速対応には限界がある。そ
こで例えば米国特許第 4,708,406号公報に開示されてい
るような、転写時の画質劣化を防止する目的で、密着状
態で一定圧力をもって静電荷像担持体上からベルトない
しローラー状の中間転写体表面に一旦転写し、さらにこ
のトナー像を同様な方法で紙などの転写媒体に転写する
方法がある。実際の装置に於いては与えられる圧力に限
界があり、まだ転写効率が十分ではなく転写時の画質劣
化も完全には防止できていないことが多い。
【0007】これは、従来の液体現像プロセスのままで
密着圧力転写を行うと、静電荷像担持体上のトナー像
は、転写時の圧力、剪断力によって画像が乱れるためで
ある。転写の圧力に抗する状態をもったトナーの付着状
態にするためには、粒子によるトナー層の層厚み方向に
於ける粒子密度を上げてトナー層としての強度を高める
とともに、キャリア液体が転写時の圧力によって流れて
画像を乱さないように静電荷像担持体上のトナー像から
出来るだけ液を取り去ることが有効であり、この処理を
現像プロセスの後で転写プロセスの前で行うことが必要
となる。そこでこのための有効な手段として静電荷像担
持体上で通常の現像後、転写前に、表面が導電性の弾性
体で形成されたローラーを、静電荷像担持体に一定圧力
で接触させ、そのローラーに電圧をかけながら、静電荷
像担持体と接触面で同方向に同速度で回転させるスクィ
ージーローラーによって、不要なキャリア液体を絞る方
法が例えば米国特許第 4,286,039号公報に開示されてお
り、構造が簡単で信頼性も高くコスト的にも優れた方法
である。
【0008】このようにスクィージーローラーを用いる
ことによって、余剰のキャリア液体をほぼ完全に除去し
た後、シート状ないし円筒型の中間転写体(中間転写ロ
ーラー)上にトナー像を転写する方法としては、転写し
たトナー像を熱により半ば固形化かつ熔融させることに
よりトナーに粘着性を与え、転写性と媒体への定着性を
向上させる技術が、WO90/05942号公報に記載されてい
る。さらに詳しくは、静電荷像担持体から中間転写ロー
ラーへのトナーの転写には主に中間転写ローラーに電圧
を印加することによる静電気力を用い、中間転写ローラ
ーから記録媒体への転写には、加熱してトナー粒子を軟
化させさらに圧力を加えることによる粘着力によって転
写するものである。
【0009】この技術は高画質・高速化を可能にし、ま
たさらにシート状以外の転写媒体にもトナーを転写でき
る極めて優れたものである。しかしながら、この方法に
於いては、中間転写ローラーは金属製の円筒上にトナー
の離型性の良い樹脂層をコーティングしてあるが、これ
に熱を加えることから、中間転写ローラーから記録媒体
にトナーを転写する際のごく微量な転写残りトナーが熱
によって次第に劣化・変質し、中間転写ローラーの樹脂
層の寿命を短くするという問題点をあった。これまでは
この問題点を解決するために中間転写ローラーに関して
種々の改善の試みがなされてきたが、液体現像剤に関し
ては十分な検討はなされていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、高画質
・高速化を可能にし、またさらにシート状以外の転写媒
体にもトナーを転写できる、中間転写体を用いた現像・
転写方法に於いて、特定の顔料を着色剤として使用した
液体現像剤が、熱を加えて中間転写体から記録媒体にト
ナーを転写する際に残るごく微量のトナーが熱によって
次第に劣化・変質して中間転写体の樹脂層の寿命を短く
するという問題点を解決することを見出し、本発明に至
った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、静電荷像担持
体上に静電潜像を形成し、これを液体現像剤を用いて現
像した後、静電気力により中間転写体に転写し、さらに
これを加熱することにより粘着性を付与しつつ被転写体
に粘着転写するフルカラー電子写真現像プロセスに於い
て用いられる液体現像剤であり、着色剤としてジスアゾ
系またはモノアゾ系顔料を使用する静電荷像現像用液体
現像剤を提供する。
【0012】本発明に関する画像形成および転写方法に
ついて以下に説明する。静電潜像を静電荷像担持体上に
形成する方法としては、従来から電子写真法、静電印刷
法、イオンフロー記録法などが提案されている。電子写
真方式に於いては、静電荷像担持体は光導電性を有する
硫化カドミウム、セレン、アモルファスシリコン等の無
機感光体の他に、最近はフタロシアニンなどの有機材料
を使った有機感光体(OPC)が用いられるようになっ
てきている。
【0013】上記の各方法によって静電潜像を形成した
静電荷像担持体は、液体現像剤に接触ないし浸漬するこ
とによって、静電潜像と反対極性のトナー粒子が潜像方
向へ電気泳動し現像する(トナー像を形成する)。この
際に、上記現像場に於いては静電潜像の形成する電気力
線の方向を揃え画像の再現性を向上させるために、静電
荷像担持体に対向して接地した導体(現像電極)を設け
ることが望ましい。また更に好ましくは、上記現像電極
は円筒型で、静電荷像担持体との対向部分に於いて静電
荷像担持体と逆方向に回転するもの(リバースローラ
ー)であることが望ましい。これは、リバースローラー
が現像電極として機能するだけでなく、現像後の静電荷
像担持体上の余剰のキャリア液体をある程度絞り取る働
きがあるためである。リバースローラーには、この後に
前述のスクィージーローラーを併用することが望まし
く、これによって静電荷像担持体上の余剰のキャリア液
体が殆ど除去され、それ以下の転写が極めて容易にな
る。
【0014】上記スクィージーローラーは通常、画像の
垂直方向に圧力を加えると共に次の中間転写体への密着
圧力転写性を向上させるよう、感光体上のキャリア液量
を減少させるが、このとき静電荷像担持体上のトナー画
像を乱さないためにスクィージーローラーとしての電気
抵抗値が1010Ωcm以上であることが望ましい。スクィー
ジーローラーは電気抵抗が109 Ωcm以下の金属製の支持
体と1010Ωcm以上の絶縁性弾性物質で構成され、静電荷
像担持体と圧接することにより、柔軟な絶縁性弾性物質
がトナー像を乱すことなくキャリア液体を良好に除去す
る。絶縁性弾性体物質としては、低表面エネルギーで接
着性が低く、トナー剥離性の高いフッ素ゴム、シリコン
ゴム、ウレタンゴム等が最も一般的である。
【0015】中間転写体でのトナー像の転写は、次の2
段階に別れる。即ち、まず静電荷像担持体から中間転写
体へ、中間転写体の金属性支持体に電圧を印加すること
によって、圧力と静電転写を併用した形で転写する第1
転写、及び中間転写体に熱を加えてトナー粒子の熱によ
る軟化を利用してトナー粒子に粘着性を付与し、圧力と
粘着力によって転写する第2転写である。この第2転写
に於いては、中間転写体の加熱によるトナーの軟化が、
紙などの記録媒体への粘着性付与の他に、記録媒体への
定着にも寄与するため、通常の電子写真プロセスに於け
る定着工程を省略することができるという、大きなメリ
ットとなる。
【0016】静電荷像担持体上のトナーを、先ず中間転
写体表面に転写する方法としては、加圧下での中間転写
体自体の粘着性を利用したり、または同時に中間転写体
に電圧を印加し電界により転写を行うことによって、殆
ど 100%の転写率を達成できる。中間転写体の構成は、
金属性の例えば円筒の上に、上記第2転写時の加熱に耐
えるよう、デュポン社製「カプトン」(商標名)のよう
な耐熱性ポリアミドイミド樹脂フィルムを支持体とし、
この上に第2転写時に於いて、軟化したトナーの剥離性
の良い低表面エネルギーの弾性体層を設ける。このよう
な性質を有する低表面エネルギー弾性体としては、低温
加硫性のシリコーンゴムが最も一般的である。低温加硫
性のシリコーンゴムとしては、ゼネラルエレクトリック
社製「RTV615」、「RTV11 」やダウコーニング社製「RT
V3140 」、エマーソンアンドカミング社製「RTV4850
」、「RTV4451 」等が利用できる。その他ウレタンゴ
ム等も使用できる。
【0017】中間転写体の寿命は、通常の電子写真に用
いられる感光体とほぼ同等程度が必要と考えられるが、
現在の状況は有機感光体の5万プリントに対し5千プリ
ント以下と平均してその10分の1程度でしかない。特に
今後飛躍的な発展が期待されているフルカラー画像形成
を考えた場合は、イエロー、マゼンタ、シアン、および
ブラックの4色を重ねて1枚の印字物を得ることにな
り、中間転写体の寿命は実質的に2千プリント以下とな
ってしまうことになる。
【0018】中間転写体がプリントによって劣化してい
く原因についてはいろいろな要因が考えられるが、特に
本発明に関する上記のような中間転写体から紙などの記
録媒体への2次転写に熱を用いる方式に於いては、ごく
僅かに中間転写体上に残存する転写残トナーが長期間、
中間転写体転写体上で残存するために分解し、中間転写
体表面の性質を変化させることが原因の一つであると考
えられる。そこで、液体現像剤を製造する際、着色剤に
ついて種々の材料を実際に用いて検討を行った結果、特
定の着色剤を用いることによって、中間転写体の寿命を
長くすることができることを見出した。
【0019】特定のトナー用着色剤とは、イエロー顔料
のジスアゾ系顔料またはマゼンタ顔料のモノアゾ系顔料
である。具体的には、例えば、ジスアゾ系顔料としてピ
グメントイエローNo.12 、同13、同14、同16、同17等、
モノアゾ系顔料としてはピグメントレッドNo.48:1(ウォッチ
ングレッド Ba塩)、ピグメントレッドNo.48:2(ウォッチングレッ
ド Ca塩)、ピグメントレッドNo.48:3(ウォッチングレッド Sr
塩)、ピグメントレッドNo.48:4(ウォッチングレッド Mn塩)、
ピグメントレッドNo.53:1(レッドレーキC Ba塩)、ピグメン
トレッドNo.57:1(ブリリアントカーミン6B Ca塩)等がある。
【0020】上記着色剤がなぜ他の着色剤に比べて中間
転写体の劣化が少ないかについては、必ずしも明らかで
はないが、現象的な面から以下のようなメカニズムによ
ると考えられる。即ちまず第1に、転写残トナーの熱安
定性が考えられる。中間転写体は第2転写時の粘着性付
与のために、絶えず加熱されている。加熱温度はプロセ
ス条件によって変化するが概ね70〜150 ℃程度である。
ここで1次転写で転写したトナーは2次転写で完全に 1
00%転写しなければならないが、実際にはごく微量の転
写残トナーが存在する。よって現実にはこの転写残トナ
ーは印字枚数の増加に従い中間転写体上に次第に蓄積す
るため、完全に無視することは不可能である。そこで本
発明に関する顔料の 120℃における熱安定性を調べたと
ころ、加圧下でも極めて安定であることが判明した。上
記観点から考慮していない顔料を用いた場合は、劣化を
促進するものと考えられる。
【0021】また、第2のメカニズムとして、着色剤に
よる中間転写体の染着がある。これは特に着色剤として
染料を使用したときに顕著になる。なお、特開平4-3075
64号公報に、中間転写体を用いた液体現像法に於いて本
発明に関する顔料を含む液体現像剤を使用する記載がな
されている。しかしながら上記公開特許公報は中間転写
体に加熱する方式ではなく、よって本発明に関する工夫
を全く必要としないものであり、本発明とは全く異なる
ものである。
【0022】本発明に於ける液体現像剤の製造法として
は、例えば特公平 2-22946号公報、特公平 4-13707号公
報等には、特定樹脂を芳香族炭化水素溶媒中で該樹脂の
溶解温度を越える温度で溶解し、次に析出温度以下に冷
却して該樹脂を微粒子化し、次いで高電気絶縁性液体に
より溶媒置換する方法、特公平 4-19547号公報に開示さ
れている上記と類似の製法、及び例えば特開昭61-18024
8 号公報に記載されている40℃以下では無極性溶媒に不
溶性であり、50℃を超えると該無極性溶媒に溶媒和する
性質を有する熱可塑性樹脂を、一旦該無極性溶媒に溶媒
和させた後冷却することにより微細な熱可塑性樹脂微粒
子を形成し液体現像剤を製造する方法等がある。本発明
に関する現像剤は上記各製造方法のどれにも適用できる
が、経験的に例えば特開昭61-180248 号公報に記載され
ている方法が最も望ましい。この方法が最も望ましい理
由については以下の点が考えられる。
【0023】まず、前述の特公平 2-22946号公報、特公
平 4-13707号公報に記載の製造方法及び特開昭61-18024
8 号公報に記載の製造方法について、相違点を考察して
みる。前者に於いては特定構造の樹脂を芳香族炭化水素
溶媒中で該樹脂の溶解温度を越える温度で溶解するのに
対し、後者に於いては樹脂の構造については特に限定は
せず、加熱することにより無極性溶媒と溶媒和させると
記載されている。溶媒和とは、溶液中で溶質(ここでは
樹脂)の分子あるいはイオンがそれに隣接している溶媒
分子のいくつかを特に引きつけ、一つの分子集団を作る
現象をいう。
【0024】ここで、一般に液体現像剤に用いるキャリ
ア液体はトナー粒子への電荷付与及び電荷保持のし易さ
の問題などから、高絶縁性で誘電率が3程度以下の無極
性溶媒を使うことが必要である。しかしこのような無極
性溶媒は、通常、トナーに用いるような熱可塑性樹脂に
対する溶解性が極めて悪く、事実上たとえ加熱しても溶
解は困難である。このため、前者の製造方法に於いて
は、最初は熱可塑性樹脂に対する溶解性の良い芳香族炭
化水素溶媒で一旦溶解させた後に冷却固化させ樹脂を析
出し、次に無極性溶媒と溶媒置換するという煩雑な工程
をとっている。
【0025】一方、後者に於いては樹脂と溶媒の溶媒和
という現象を利用しているために、溶媒置換工程を必要
としないことが大きな特徴となっている。また溶媒和を
形成することにより溶媒和前と樹脂の特性が大きく変化
し、特に加熱時の熔融温度が低下し、本発明に関するよ
うな熱と圧力を用いた転写・定着方法に於いては、定着
性が向上するという長所も併せて発生する。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。 (液体現像剤の製造例)下記の処方を秤量した。 エチレン−メタクリル酸共重合体 950g (三井デュポンポリケミカル社製「ニュクレル M1525」) 芳香族炭化水素系無極性溶媒(「アイソパーL、エクソン化学社製)950g
【0027】これを熱媒を通すジャケットを有する攪拌
機(特殊機化工業社製「ダブルプラネタリーミキサーDP
-5型」)に投入し、以下の条件で攪拌した。 1.昇温:材料が常温の状態で攪拌を開始した。これを
1時間で材料温度 115℃まで加温したところ、やや粘性
のある溶媒和物となり、その後更に30分そのまま攪拌を
続けた。 2.加熱溶媒添加:これに 120℃に加熱したアイソパー
Lを1050g添加し、更に1時間攪拌を続けた。 3.冷却:ジャケットの熱媒を冷却することにより、材
料の冷却を開始し約6時間かけて40℃まで冷却したとこ
ろ、平均粒径約10μの白色樹脂微粒子が析出した。
【0028】液体現像剤を調整するため、更に下記の処
方で秤量した。なお、上記操作で生成した未着色の樹脂
微粒子懸濁液を、樹脂微粒子懸濁液Aとする。 樹脂微粒子懸濁液A 856.5g 着色剤(表1参照) 40.0g ステアリン酸アルミニウム粉末 3.8g アイソパーL 598.8g
【0029】樹脂微粒子懸濁液A中の樹脂微粒子に着色
剤を固定しトナー粒子とすること、およびトナーとして
の粒子径にまで粉砕ないし摩砕することを目的に、3/16
インチステンレスビーズを用いた5リットルのアトライ
タで常温下240rpmで6時間処理したところ、着色剤が良
好に分散・固定された。得られた着色樹脂微粒子懸濁液
の粒度分布を遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所社
製「SA-CP3L 型」)にて測定したところ、平均粒径 2.9
μであり、 8μ以上の粒子を実質的に含まない極めて微
細なものであった。
【0030】着色樹脂微粒子懸濁液をアイソパーLで不
揮発分1.5%まで希釈し、現像液とする。現像液1000部に
対し 1.0部の割合でレシチンを添加し液体現像剤とし
た。
【0031】(液体現像剤の評価)中間転写体の劣化試
験については、本発明に関する液体現像装置が現在市販
されていないため、図1に示すような試験機を試作し
た。以下に、図1に基づき、本発明に関する液体現像プ
ロセスを説明する。除電用コロナ発生器13により前処理
されたアモルファスシリコン感光体15上に帯電器14によ
り電荷を帯電させた後、レーザ書込装置等の光学系18に
より潜像を形成する。次いで、感光体15上の潜像に液体
現像剤を接触させ現像(可視化)する。現像剤はタンク
(図示せず)から供給パイプ16を経て現像ローラー(リ
バースローラー2 により感光体15に供給される。
【0032】感光体15の潜像は液体現像剤で現像した
後、感光体15上の余剰の液体現像剤はリバースローラー
3 で掻き取られ、さらに逆バイアスを印加されたスクィ
ージーローラー4 で感光体15に定着される。リバースロ
ーラー3 で掻き取られた液体現像剤は排出パイプ17より
タンクに回収される。次いで、感光体15上のトナー像を
中間転写体ローラー6 に接触させ、かつ静電的に転写す
る。転写を終えた感光体15上の可視画像は、クリーニン
グ用スポンジローラー11、クリーニングブレード12によ
りクリーニング液供給管10から供給されるクリーニング
液によりクリーニングされる。
【0033】中間転写体ローラー6 に転写された画像
は、加熱装置5にて予め加熱処理して液体現像剤の構成
成分の一つであるキャリア液体を揮発させて濃縮する。
次いで、中間転写体ローラー6 と圧胴8 の間の圧力と静
電気力により、濃縮したトナー像を記録媒体7上に転写
する。両者の間には500Vの電圧を印加する。
【0034】上記の実験機を用いて、表1に示す各種着
色剤を用いた液体現像剤を連続印字し、転写残のトナー
によるオフセット現象が現れるまでの印字枚数を比較し
た。結果を表1に示す。表からも判るように、本発明の
現像剤は中間転写体の寿命を長くする。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、静電荷像担持体上に静
電潜像を形成し、これを液体現像剤を用いて現像した
後、静電気力により中間転写体に転写し、さらにこれを
加熱することにより粘着性を付与しつつ被転写体に粘着
転写する電子写真現像プロセスに於いて、従来の中間転
写体寿命の短さの問題点を改善し、より長期間中間転写
体を交換することなく印字することが可能となる。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する液体現像装置の概念図。
【符号の説明】
1:液体現像剤ユニット 2:現像ローラー
3:リバースローラー 4:スクィージーローラー 5:加熱装置
6:中間転写ローラー 7:記録媒体 8:圧胴
9:クリーニングユニット 10:クリーニング液供給管 11:スポンジローラー 1
2:クリーニングブレード 13:除電用コロナ発生器 14:帯電器 1
5:感光体 16:供給パイプ 17:排出パイプ 1
8:光学系 19:転写チャージャー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電荷像担持体上に静電潜像を形成し、こ
    れを液体現像剤を用いて現像した後、静電気力により中
    間転写体に転写し、さらにこれを加熱することにより粘
    着性を付与しつつ被転写体に粘着転写するフルカラー電
    子写真現像プロセスに於いて用いられる液体現像剤であ
    り、着色剤としてジスアゾ系またはモノアゾ系顔料を使
    用することを特徴とする静電荷像現像用液体現像剤。
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