JPH06281969A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子

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JPH06281969A
JPH06281969A JP7202193A JP7202193A JPH06281969A JP H06281969 A JPH06281969 A JP H06281969A JP 7202193 A JP7202193 A JP 7202193A JP 7202193 A JP7202193 A JP 7202193A JP H06281969 A JPH06281969 A JP H06281969A
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JP
Japan
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porous membrane
electrochromic
fibrous
film
rigid body
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Application number
JP7202193A
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Yuzo Izumi
祐三 出水
Natsuko Oto
奈津子 大戸
Keiichi Koseki
恵一 古関
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレクトロクロミック素子で、高分子多孔膜
をガラス基板に挟んで電解質溶液を真空含浸するとき、
多孔膜が潰れて含浸速度が低下することを防ぐこと。 【構成】 エレクトロクロミック電極と高分子多孔膜の
界面に微細な粒状又は繊維状の剛性体を挿入して高分子
多孔膜中に埋め込ませてスペーサーとして機能させる。
高分子多孔膜は膜厚1〜100 μm 、空隙率30〜90%、平
均貫通口径0.001〜0.7 μm が好適である。微細剛性体
は平均径1 〜30μm の粒状又は平均繊維径1 〜30μm 、
繊維長10mm以下の繊維状で、10cm2 当たり1 〜10個含ま
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトロクロミック素
子に係わり、より詳しく述べると大面積が可能な量産に
適したエレクトロクロミック素子の膜構造に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック素子(EC素子)
に用いられる電解質は液体電解質と固体電解質に大別す
ることができ、前者の液体電解質はイオン伝導度が大き
いので応答性に優れているものの、液体であるため、素
子の構造及び組み立て上、液漏れ対策が必要であり、ま
た液漏れ対策をしても破損により、あるいは使用中に液
漏れが生じるおそれがあるなどの欠点を有している。こ
れに対し、通常の固体電解質は前記のような問題はない
ものの、イオン伝導度が小さいために、応答性が悪いと
いう欠点がある。
【0003】そこで、本発明者らは、イオン伝導度の大
きな固体電解質を開発するために鋭意研究を重ね、先に
高分子多孔性薄膜の空孔中にイオン伝導体を充填して成
る高分子電解質薄膜が、全体として固体として取り扱う
ことができ、液漏れのおそれがない上、イオン導伝性に
優れていることを見い出した(特開平1−158051号、特
開平2−291607号公報)。
【0004】このような高分子電解質薄膜をEC素子の
電解質として用いる場合、電極形成後に該薄膜を両極間
に挟めばよく、したがって電極形成時に該電解質を劣化
させることがない上、合わせガラスのプロセスでEC素
子を製作しうるなどの利点がある(特開平3−67227 号
公報)。電極基板間に液体を封入する液晶素子や溶液型
エレクトロクロミック素子では、電極間隔を厳密に一定
に保持する必要があるため従来からガラスビーズなどが
スペーサーとして使用されており公知であるが、電極間
に薄膜を挟持するタイプでは膜自体がスペーサーの機能
を果たすので特別にスペーサーを加えたり、基板を特別
の構造にする必要がなかった。
【0005】なお、この多孔膜を用いたエレクトロクロ
ミック素子の作製方法としては、(1)電解質溶液を含
浸した多孔膜をエレクトロクロミック電極で挟み込みシ
ールを行う方法や、(2)エレクトロクロミック電極に
多孔膜を挟み込みシールをした後に真空脱気し電解質溶
液を注入する方法などが採用できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】(2)の方法において
は、真空脱気を行った後に注入口を電解質溶液に浸し、
大気圧に戻すことで電解液を注入する。しかし、開口
部が小さい、電解液の粘度が高い、多孔膜の孔が小
さいなどの理由から、大気圧に戻したとき電解液がエレ
クトロクロミック素子の内部に入りにくく、エレクトロ
クロミック素子内部とエレクトロクロミック素子外部の
気圧差が生じてしまう。このとき、特に撓みの大きいガ
ラス基板では、特にその中央部が押されてしまい、多孔
膜の孔が潰れて溶液が浸み込みにくいという欠点があっ
た。この弊害は基板が大きくなるほど顕著に表れる。
【0007】このため、真空脱気後の電解質溶液の注入
時間が長くかかり、生産性が悪かった。そこで、本発明
は、このような問題を解決し、大面積のエレクトロクロ
ミック素子を量産性に優れて製造できるようにすること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、エレクトロクロミック電極を形成した基
板間に電解質溶液を含浸した高分子多孔膜からなる固体
電解質膜を挟持してなるエレクトロクロミック素子にお
いて、エレクトロクロミック電極と固体電解質膜の間に
平均粒径1〜30μmの粒状剛性体又は繊維径1〜30μm
及び繊維長10mm以下の繊維状剛性体を高分子多孔膜の10
cm2 当り1〜10個挿入して固体電解質膜に埋没させた構
造としたことを特徴とするエレクトロクロミック素子を
提供する。
【0009】すなわち、本発明は、エレクトロクロミッ
ク電極面と固体電解質膜の間にスペーサーとなる剛性体
を挿入し押し込むことで、電解液の真空含浸の際に高分
子多孔膜を押し潰され、その復元力が弱いために電解液
の含浸が遅れることを防止するものである。従って、本
発明の高分子多孔膜は、微細な粒状又は繊維状の剛性体
をスペーサーとして挿入する点以外は先に開示された固
体電解質膜を用いたエレクトロクロミック素子と同じで
ある。
【0010】従って、本発明の高分子多孔膜の空孔中に
イオン導伝体を充電してなる電解質薄膜は全体としては
固体として取扱うことができ、液漏れの心配がなく、し
かもイオン伝導性に優れることができ、また薄膜化が可
能である特徴を失わない。このような固体高分子多孔性
薄膜としては、膜厚が1μm〜100 μm、空孔率が30%
〜90%、破断強度が 200kg/cm2 以上のものが好適であ
る。
【0011】薄膜の厚さは一般に1μm〜100 μmであ
り、好ましくは1μm〜25μmである。厚さが1μm未
満では支持膜としての機械的強度の低下および取り扱い
性の面から実用に供することが難しい。一方、100 μm
を超える場合に実効抵抗を低く抑えるという観点から好
ましくない。多孔性薄膜の空孔率は、30%〜90%とする
のがよく、好ましくは60%〜90%の範囲である。空孔率
が30%未満では電解質としてのイオン導伝性が不十分と
なり、一方90%を超えると支持膜としての機能的強度が
小さくなり実用に供することが難しい。
【0012】平均貫通孔径は、空孔中にイオン導伝体を
固定化できればよいが、一般に 0.001μm〜0.7 μmで
ある。好ましい平均貫通孔径は高分子膜の材質や孔の形
状にもよる。高分子膜の破断強度は一般に 200kg/cm2
以上、より好ましくは 500kg/cm2以上を有することに
より支持膜としての実用化に好適である。
【0013】本発明に用いる高分子多孔膜は上記のよう
に電解質溶液の支持体としての機能を持ち、機械的強度
のすぐれた高分子材料からなる。化学的安定性の観点か
ら、例えばポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ピニリデンを用いることができるが、本
発明の多孔構造の設計や薄膜化と機械的強度の両立の容
易さの観点から好適な高分子材料の1例は、特に重量平
均分子量が5×105 以上のポリオレフィンである。すな
わち、オレフィンの単独重合体または共重合体の、結晶
性の線状ポリオレフィンで、その重量平均分子量が5×
105 以上、好ましくは1×105 〜1×107 のものであ
る。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、ポリブデン−1、ポリ4−メチ
ルペンテン−1などがあげられる。これらのうちでは重
量平均分子量が5×105 以上のポリエチレンまたはポリ
プロピレンが好ましい。ポリオレフィンの重量平均分子
量は、得られる透過膜の機械的強度に影響する。超高分
子量ポリオレフィンは、超延伸により極薄で高強度の製
膜を可能とし、実効抵抗の低い高イオン導伝性薄膜の支
持体とする。重量平均分子量が5×105 未満のポリオレ
フィンを同時に用いることができるが、重量平均分子量
が5×105 以上のポリオレフィンを含まない系では、超
延伸による極薄高強度の膜が得られない。
【0014】上記のような多孔性薄膜は次のような方法
で製造できる。超高分子量ポリオレフィンを流動パラフ
ィンのような溶媒中に1重量%〜15重量%を加熱溶解し
て均一な溶液とする。この溶液からシートを形成し、急
冷してゲル状シートとする。このゲル状シート中に含ま
れる溶媒量を、塩化メチレンのような揮発性溶剤で抽出
処理して10重量%〜90重量%とする。このゲル状シート
をポリオレフィンの融点以下の温度で加熱し、面倍率で
10倍以上に延伸する。この延伸膜中に含まれる溶媒を、
塩化メチレンのような揮発性溶剤で抽出除去した後に乾
燥する。
【0015】別の好適な高分子材料の例はポリカーボネ
ートで、この場合の固体高分子多孔性薄膜はポリカーボ
ネート薄膜に対し原子炉中で荷電粒子を照射し、荷電粒
子が通過した飛跡をアルカリエッチングして孔を形成す
る方法で作製することもできる。このような薄膜は例え
ばニュークリポアー・メンブレンとしてポリカーボネー
ト及びポリエステル製品が上市されている。
【0016】そのほか、ポリエステル、ポリメタアクリ
レート、ポリアセタール、ポリ塩化ビニリデン、テトラ
フルオロポリエチレン等を用いることができる。本発明
のエレクトロクロミック素子は、この高分子多孔膜とエ
レクトロクロミック電極の間に微細な粒状又は繊維状の
剛性体を挿入することを特徴としている。
【0017】剛性体の材質は真空含浸の際に減圧下で高
分子多孔膜が縮むこと、基板が撓むことを防止又は抑制
できる剛性(硬度)を有していればよいが、ガラス、セ
ラミックス(例えば、アルミナ、シリカ)の如き非導電
性の無機材料、或いは硬質プラスチックの如き有機物質
のいずれでもよい。粒状の剛性体としては、平均粒径1
〜30μm のものが好適である。好適な粒径は高分子多孔
膜の膜厚に依存するが、最大粒径が膜厚よりも大きいこ
とは好ましくない。代表的には、球状ガラス、球状アル
ミナ等を用いることができる。
【0018】また、繊維状の剛性体でもよく、この場合
には、繊維径1 〜30μm 、繊維長10mm以下のものが好適
である。挿入する微細粒状又は繊維状剛性体の数は、減
圧下で基板が撓むのを防止、または最少にするためには
多い方がよいが、多すぎると光透過率を減少させたり、
外観を損なうので、通常、10cm2 当たり1〜10個程度
が好適である。
【0019】これらの微細な粒状又は繊維状の剛性体を
エレクトロクロミック電極と高分子多孔膜の間に挿入す
る方法は、高分子多孔膜が柔軟性を有しているので、エ
レクトロクロミック素子を組み立てる際に高分子多孔膜
上に微細粒状又は繊維状剛性体を散布してからその上に
エレクトロクロミック電極を形成した基板を重ねるだけ
でよいが、予め高分子多孔膜上に微細粒状又は繊維状剛
性体を散布し、プレスして高分子多孔膜中に剛性体を押
し込んでから、エレクトロクロミック電極を形成した基
板と組み付けることもできる。
【0020】本発明で用いる電解質溶液の溶質としての
イオン導伝体としてはアルカリ金属塩またはプロトン酸
と、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミン等の極性
高分子との複合体、あるいはこれらの高分子をセグメン
トとして含有する網目状、又は架橋状高分子との複合体
を用いることができる。ポリエーテル、例えばポリエチ
レングリコールまたはポリプロピレングリコールあるい
はそれらの共重合体は分子量および重合度の異なる液状
および粉末状の試薬が市販されており、簡便に用いるこ
とができる。すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール・モノエーテル、ポリエチレングリ
コール・ジエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール・モノエーテル、ポリプロピレン
グリコール・ジエーテル等のポリエーテル類、またはこ
れらのポリエーテル類の共重合体であるポリ(オキシエ
チレン・オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシ
エチレン・オキシプロピレン)グリコール・モノエーテ
ル、またはポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
グリコール・ジエーテル、これらのポリオキシアルキレ
ン類と、エチレンジアミンとの縮合物、りん酸エステル
や飽和脂肪酸または芳香族エステル等を用いることがで
きる。さらにポリエチレングリコールとジアルキルシロ
キサンの共重合体(例えば、成瀬ら、Polymer preprint
s, Japan Vol.34, No.7, 2021 〜2024(1985)、および特
開昭60−217263号公報)、ポリエチレングリコールと無
水マレイン酸の共重合体(例えばC.C.Lee ら、 Polyme
r, 1982. Vol.23 May 681〜689)、およびポリエチレン
グリコールのモノメチルエーテルとメタクリル酸との共
重合体(例えば、 N.Kobayashiら、J.Physical Chemist
ry. Vol.89, No.6, 987〜991(1985))はそれぞれアルカ
リ金属イオンとの複合体を形成し、室温でのイオン伝導
度が10-5〜10-4S・cm-1であることが知られており、本
発明に有用な薄膜電解質を構成する材料として好適であ
る。
【0021】上記のポリエーテル類は分子量 150以上の
低分量のものであってよく、また上記高分子にはプロピ
レンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレンカー
ボネート、メチルフラン、ジメトキシエタン、ジオキソ
ラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルサルホキシド、メチルテトラヒ
ドロフラン、スルホラン、メチルチオフェン、メチルチ
アゾール、エトキシメトキシエタンの1種またそれ以上
の溶媒を加えて用いてもよい。
【0022】これらの高分子化合物と複合体を形成する
ものとしては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩
またはプロトン酸を用いることができる。陰イオンとし
てはハロゲンイオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イ
オン、トリフッ化メタンスルホン酸イオン、ホウフッ化
イオン等がある。フッ化リチウム(LiF)、ヨウ化ナトリ
ウム(NaI)、ヨウ化リチウム(LiI)、過塩素酸リチウム
(LiClO4)、チオシアン酸ナトリウム(NaSCN)、トリフ
ッ化メタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ホウフッ
化リチウム(LiBF4)、ヘキサフッ化りん酸リチウム(Li
PF6)、りん酸(H3PO3)、硫酸(H2SO4)、トリフッ化メタ
ンスルホン酸、テトラフッ化エチレンスルホン酸 [C2F4
(SO3H)2]、ヘキサフッ化ブタンスルホン酸 [C4F6(SO3H)
4]、などを具体例として挙げることができる。
【0023】本発明において、高分子多孔膜中に電解質
溶液を充填する方法としては、特に、高分子多孔膜とス
ペーサーとなる微細剛性体と基板を用いてパネルを組立
てた後、即ち、典型的にはガラス基板と高分子多孔膜の
間に微細剛性体を挿入してガラス基板間に高分子多孔膜
を挟持し、小穴を除いて全周をシールした後、全体を又
は治具を用いて小穴部を真空下に置いてパネル内、具体
的には高分子多孔膜の空孔中の空気を抜いてから、前記
小穴から電解質溶液を含浸することを予定している。
小穴は、限定するわけではないが、一般的には1〜10
mm程度で複数個でもよいが、通常は1mmの小穴が1個あ
れば十分である。また、真空としては10 -2〜10-3torr程
度でよい。
【0024】しかし、本発明では、高分子多孔膜に電解
質溶液を何らかの方法で含浸して得られた固体電解質膜
をパネル化する際に微細剛性体を挿入したエレクトロク
ロミック素子を各種用途に使用することも可能である。
なお、エレクトロクロミック素子の電極は還元着色する
カソーディック材料と酸化着色するアノーディック材料
の2種類ある。代表的な還元着色材であるWO3では、WO
3 は電解質からのH+ (Li + ) と電源からの電子が注入
されるとWO3(無色)+xH ++xe=H x WO3(青色)の反応
を行なう。この反応は可逆的であるが、H x WO3 の状態
で電源回路を開放すると、青色(還元状態)は長時間保
持される。還元着色材としてはWO3 のほか、MoO3,Mo
S2,V2O5,MgWO4 ,Nb2O5 ,TiO2,W4O8(C2O4)x などを
用いることもできる。EC電極は 500〜1500Å程度の厚
さであるが、これは透明導電膜上に形成する。
【0025】透明導電膜は集電電極であり、酸化インジ
ウム錫(ITO)、酸化錫などで形成する。厚さは1000〜20
00Åが一般的である。透明導電膜はガラス板等の透明基
板上に形成する。また、対極にはH2 ,O2 の発生の少
なく、電気化学的酸化還元反応に対して可逆性のよい、
電気容量の大きい材料が用いられる。具体的にはガーボ
ン、還移金属化合物とカーボンとの複合材または金属酸
化物とカーボンの複合材などがある。対極の厚さは1000
Å〜10μm程度である。
【0026】EC電極と対極との間に電源から電圧を印
加するが、WO3 に還元時には負の電圧をかけ、電圧は1.
3〜2.8V程度である。また、対極側にもEC電極(電
極II)を配することができ、電極I(WO3)の還元着色に
加えて、電極IIに酸化着色型の電極材料、例えばIrO x
などを用いると、着色効率の高いECDを作製できる。
また、電極IIにも結晶状態の異なるWO3を用いてもよ
い。またはNiO x ,CoO x 、プルシアンブルー、ポリア
ニリンなどが用いられる。
【0027】
【作用】本発明のエレクトロクロミック素子は基板間に
微細な粒状又は繊維状の剛性体をスペーサとして含有し
ているので、高分子多孔膜を含むパネルに電解質溶液を
真空含浸する際の含浸速度が顕著に改善される。
【0028】
【実施例】高分子多孔膜として、膜厚25μm 、空隙率40
%、平均貫通口径0.03μm のポリエチレン多孔膜を製造
使用した。図1(ア)(イ)を参照すると、高分子多孔
膜5の表面に平均粒径15μm のガラスビーズを10cm2
たり3個の割合で散布してから平板型プレスで6kg/cm
2で押圧し2枚の厚さ1.2mm のガラス基板1,2の間に
挟んで、この組立体の周囲をエポキシ樹脂3で小穴4を
除いてシールした。このパネルを10-2〜10-3Torrの真空
下に置き、高分子多孔膜内の空気を抜いた後、電解質溶
液に小穴4を浸してパネル内に電解質溶液を含浸させ
た。
【0029】図1(イ)は高分子多孔膜の断面図で、高
分子多孔膜にガラスビーズ6が埋め込まれている。ガラ
ス基板として5cm×5cmのものと30cm×30cmの2種
類の寸法のものを用いた。また、用いた電解質溶液の組
成は下記の通りであった。
【0030】溶媒: 90重量% 2,2─ジフェニルプロピオニトリル 40重量部 ジフェニルブチロニトリル 40重量部 ポリエチレンオキシド400 20重量部 電解質: 10重量% 過塩素酸リチウム この電解質溶液の粘度は25℃で約50mPa・sであ
った。
【0031】また、比較のために、ガラスビーズを用い
ない点以外は上記と全く同じ特性の高分子多孔膜を用い
て、上記と同様の真空含浸を行った。その結果の含浸に
要した時間を下記に示す。基板寸法 実施例 従来例 5cm×5cm 2.5分 2〜3時間 30cm×30cm 4分 20〜24時間 また、図2に、実施例のパネルと従来例(比較例)のパ
ネルの含浸開始直後の含浸の様子を示す。実施例の図2
(ア)では直ちにパネルの奥まで電解質溶液7が含浸す
るが、従来例の図2(イ)ではなかなか小穴から先へ含
浸しない。これは、実施例ではガラス基板1,2間にス
ペーサー6が存在するため、ガラス基板1,2の間の間
隙が真空によって潰されることがないからである。
【0032】図3は、本発明の高分子多孔膜を用いたエ
レクトロクロミック素子の一例の断面図を示す。図3
中、11はガラス基板、12は透明導電膜、13はエレ
クトロクロミック電極、14は高分子多孔膜(但し、ス
ペーサーは図示していない)、15はシール材、16は
電解質溶液が含浸される途中の様子、17は外部圧力を
示す。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、透明基板間に挟持して
パネル化した後、電解質溶液を真空含浸する際に、高分
子多孔膜が潰れることを防止して、含浸時間を著しく短
縮することができる。従って、パネルの量産性に優れ、
大面積のエレクトロクロミック素子が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパネルの平面図及び断面図である。
【図2】実施例及び比較例のパネルへの電解質溶液の含
浸の様子を示す。
【図3】エレクトロクロミック素子の断面図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…ガラス基板 3…シール材(エポキシ樹脂) 4…小穴 5…高分子多孔膜 6…スペーサー 11…ガラス基板 12…透明導電膜 13…エレクトロクロミック電極 14…高分子多孔膜 15…シール材 16…電解質溶液 17…外部圧力

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレクトロクロミック電極を形成した基
    板間に電解質溶液を含浸した高分子多孔膜からなる固体
    電解質膜を挟持してなるエレクトロクロミック素子にお
    いて、エレクトロクロミック電極と固体電解質膜の間に
    平均粒径1〜30μm の粒状剛性体又は繊維径1 〜30μm
    及び繊維長10mm以下の繊維状剛性体を高分子多孔膜の10
    cm2 当たり1 〜10個挿入して固体電解質膜に埋没させた
    構造としたことを特徴とするエレクトロクロミック素
    子。
JP7202193A 1993-03-30 1993-03-30 エレクトロクロミック素子 Pending JPH06281969A (ja)

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