JPH06287336A - 高分子多孔膜及び固体電解質膜 - Google Patents

高分子多孔膜及び固体電解質膜

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JPH06287336A
JPH06287336A JP7213893A JP7213893A JPH06287336A JP H06287336 A JPH06287336 A JP H06287336A JP 7213893 A JP7213893 A JP 7213893A JP 7213893 A JP7213893 A JP 7213893A JP H06287336 A JPH06287336 A JP H06287336A
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film
polymer
porous
electrolyte
solid
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JP7213893A
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Yuzo Izumi
祐三 出水
Natsuko Oto
奈津子 大戸
Keiichi Koseki
恵一 古関
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子多孔膜をガラス基板に挟んで電解質溶
液を真空含浸するとき、多孔膜が潰れて含浸速度が低下
することを防ぐこと。 【構成】 膜厚が1〜100 μm 、空隙率が30〜90%、平
均貫通口径が0.001 〜0.7 μm であり、かつ固体高分子
を散点状に含浸硬化させて成る高分子多孔膜。散点状固
体高分子は平面径0.05〜2 mmの範囲でかつ高分子多孔膜
の10cm2 当たり1〜10個含まれる。高分子多孔膜の空孔
中に電解質溶液を充填し、固定化して固体電解質膜を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子多孔膜及び固体電
解質膜に係わり、より詳しく述べると大面積が可能な量
産に適したエレクトロクロミック素子の電解質膜に好適
な高分子多孔膜及び電解質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック素子(EC素子)
に用いられる電解質は液体電解質と固体電解質に大別す
ることができ、前者の液体電解質はイオン伝導度が大き
いので応答性に優れているものの、液体であるため、素
子の構造及び組み立て上、液漏れ対策が必要であり、ま
た液漏れ対策をしても破損により、あるいは使用中に液
漏れが生じるおそれがあるなどの欠点を有している。こ
れに対し、通常の固体電解質は前記のような問題はない
ものの、イオン伝導度が小さいために、応答性が悪いと
いう欠点がある。
【0003】そこで、本発明者らは、イオン伝導度の大
きな固体電解質を開発するために鋭意研究を重ね、先に
高分子多孔性薄膜の空孔中にイオン伝導体を充填して成
る高分子電解質薄膜が、全体として固体として取り扱う
ことができ、液漏れのおそれがない上、イオン導伝性に
優れていることを見い出した(特開平1-158051号、特開
平2-291607号公報)。
【0004】このような高分子電解質薄膜をEC素子の
電解質として用いる場合、電極形成後に該薄膜を両極間
に挟めばよく、したがって電極形成時に該電解質を劣化
させることがない上、合わせガラスのプロセスでEC素
子を製作しうるなどの利点がある。電極基板間に液体を
封入する液晶素子や溶液型エレクトロクロミック素子で
は、電極間隔を厳密に一定に保持する必要があるため従
来からガラスビーズなどがスペーサーとして使用されて
おり公知であるが、電極間に薄膜を挟持するタイプでは
膜自体がスペーサーの機能を果たすので特別にスペーサ
ーを加えたり、基板に特別の構造にする必要がなかっ
た。
【0005】なお、この多孔膜を用いたエレクトロクロ
ミック素子の作製方法としては、(1)電解質溶液を含
浸した多孔膜をエレクトロクロミック電極で挟み込みシ
ールを行う方法や、(2)エレクトロクロミック電極に
多孔膜を挟み込みシールをした後に真空脱気し電解質溶
液を吸引注入する方法などが採用できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】(2)の方法において
は、真空脱気を行った後に注入口を電解質溶液に浸し、
大気圧に戻すことで電解液を注入する。しかし、開口
部が小さい、電解液の粘度が高い、多孔膜の空孔が
小さいなどの理由から、大気圧に戻したとき電解液がエ
レクトロクロミック素子の内部に入りにくく、エレクト
ロクロミック素子内部とエレクトロクロミック素子外部
の気圧差が生じてしまう。このとき、特に撓みの大きい
ガラス基板では、その中央部が押されてしまい、多孔膜
の空孔が潰れて溶液が浸み込みにくいという欠点があっ
た。この弊害は基板が大きくなるほど顕著に表れる。
【0007】このため、真空脱気後の電解質溶液の注入
時間が長くかかり、生産性が悪かった。そこで、本発明
は、このような問題を解決し、大面積のエレクトロクロ
ミック素子等を量産性に優れて製造できるようにする多
孔質高分子膜及び固体電解質膜を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、膜厚が1〜100 μm 、空隙率が30〜90
%、平均貫通口径が0.001 〜0.7 μm であり、かつ固体
高分子を平面径0.05〜2mmの範囲の大きさかつ高分子多
孔膜の10cm2 当たり1〜10個で散点状に含浸硬化させて
成ることを特徴とする高分子多孔膜、及びこの高分子多
孔膜の空孔中に電解質溶液を充填し、固定化したことを
特徴とする固体電解質膜を提供する。
【0009】すなわち、本発明は、固体電解質膜を形成
するための高分子多孔膜に予めスペーサーの働きをする
固体高分子を散点状に含浸硬化させておくことによっ
て、電解液の真空含浸の際に高分子多孔膜が押し潰さ
れ、その復元力が弱いために電解液の含浸が遅れること
を防止するものである。従って、本発明の高分子多孔膜
は、固体高分子を散点状に含浸硬化されている点以外は
先に開示された固体電解質膜用の高分子多孔膜と基本的
に同じである。
【0010】従って、本発明の高分子多孔膜の空孔中に
イオン導伝体を充電してなる電解質薄膜は全体としては
固体として取扱うことができ、液漏れの心配がなく、し
かもイオン伝導性に優れることができ、また薄膜化が可
能である特徴を有する。このような固体高分子多孔性薄
膜としては、膜厚が1μm〜100 μm、空孔率が30%〜
90%、破断強度が 200kg/cm2 以上のものが使用され
る。
【0011】薄膜の厚さは一般に1μm〜100 μmであ
り、好ましくは1μm〜25μmである。厚さが1μm未
満では支持膜としての機械的強度の低下および取り扱い
性の面から実用に供することが難しい。一方、100 μm
を超える場合に実効抵抗を低く抑えるという観点から好
ましくない。多孔性薄膜の空孔率は、30%〜90%とする
のがよく、好ましくは60%〜90%の範囲である。空孔率
が30%未満では電解質としてのイオン導伝性が不十分と
なり、一方90%を超えると支持膜としての機能的強度が
小さくなり実用に供することが難しい。
【0012】平均貫通孔径は、空孔中にイオン導伝体を
固定化できればよいが、一般に 0.001μm〜0.7 μmで
ある。好ましい平均貫通孔径は高分子膜の材質や孔の形
状にもよる。高分子膜の破断強度は一般に 200kg/cm2
以上、より好ましくは 500kg/cm2以上を有することに
より支持膜としての実用化に好適である。
【0013】本発明に用いる高分子多孔膜は上記のよう
に電解質溶液の支持体としての機能を持ち、機械的強度
のすぐれた高分子材料からなる。化学的安定性の観点か
ら、例えばポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ピニリデンを用いることができるが、本
発明の多孔構造の設計や薄膜化と機械的強度の両立の容
易さの観点から好適な高分子材料の1例は、特に重量平
均分子量が5×105 以上のポリオレフィンである。すな
わち、オレフィンの単独重合体または共重合体の、結晶
性の線状ポリオレフィンで、その重量平均分子量が5×
105 以上、好ましくは1×105 〜1×107 のものであ
る。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、ポリブデン−1、ポリ4−メチ
ルペンテン−1などがあげられる。これらのうちでは重
量平均分子量が5×105 以上のポリエチレンまたはポリ
プロピレンが好ましい。ポリオレフィンの重量平均分子
量は、得られる透過膜の機械的強度に影響する。超高分
子量ポリオレフィンは、超延伸により極薄で高強度の製
膜を可能とし、実効抵抗の低い高イオン導伝性薄膜の支
持体とする。重量平均分子量が5×105 未満のポリオレ
フィンを同時に用いることができるが、重量平均分子量
が5×105 以上のポリオレフィンを含まない系では、超
延伸による極薄高強度の膜が得られない。
【0014】上記のような多孔性薄膜は次のような方法
で製造できる。超高分子量ポリオレフィンを流動パラフ
ィンのような溶媒中に1重量%〜15重量%を加熱溶解し
て均一な溶液とする。この溶液からシートを形成し、急
冷してゲル状シートとする。このゲル状シート中に含ま
れる溶媒量を、塩化メチレンのような揮発性溶剤で抽出
処理して10重量%〜90重量%とする。このゲル状シート
をポリオレフィンの融点以下の温度で加熱し、面倍率で
10倍以上に延伸する。この延伸膜中に含まれる溶媒を、
塩化メチレンのような揮発性溶剤で抽出除去した後に乾
燥する。
【0015】別の好適な高分子材料の例はポリカーボネ
ートで、この場合の固体高分子多孔性薄膜はポリカーボ
ネート薄膜に対し原子炉中で荷電粒子を照射し、荷電粒
子が通過した飛跡をアルカリエッチングして孔を形成す
る方法で作製することもできる。このような薄膜は例え
ばニュークリポアー・メンブレンとしてポリカーボネー
ト及びポリエステル製品が上市されている。
【0016】そのほか、ポリエステル、ポリメタアクリ
レート、ポリアセタール、ポリ塩化ビニリデン、テトラ
フルオロポリエチレン等を用いることができる。本発明
の高分子多孔膜は、上記の如き特性をもつ多孔膜中に固
体高分子が散点状に含浸硬化されていることを特徴とし
ている。固体高分子は真空含浸の際に減圧下で高分子多
孔膜が基板の撓みにより空孔が圧縮されるのを防止又は
抑制する作用を有していればよく、硬質樹脂を与える多
くの熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹
脂をどの反応硬化型樹脂から選ぶことができる。
【0017】熱可塑性高分子としてはポリオレフィン、
ポリアミド、ポリエステル、ポリ−4フッ化エチレン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネートなどで
あり、反応硬化型樹脂としてはエポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル、ポリイミドなどである。特にポリエステル
アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリ
レートなどの紫外線硬化樹脂が短時間で硬化できるた
め、多孔膜中の狭い範囲に点含浸させるためには有利で
ある。含浸させる範囲が狭いため、反応硬化型のものは
2液型より1液型のものが望ましい。
【0018】散点状に含浸硬化させる固体高分子の含浸
領域の大きさとしては平面径0.05〜2 mmの範囲とする。
これが小さすぎるとスペーサーとして必要な剛性に不足
し、一方大きすぎると樹脂の含浸部分が目立つようにな
り、素子としての外観を損なう。多孔膜中に散点させる
固体高分子の数は、減圧下で多孔膜が縮み、基板が撓む
のを防止するためには多い方がよいが、多すぎると光透
過率を減少させたり、上記のように外観や機能を損なう
ので、通常、10cm2 当たり1〜10個程度が好適であ
る。
【0019】固体高分子を散点状に形成するには、高分
子多孔膜を製造した後、熱可塑性樹脂の場合は、適当な
溶媒に溶解してニードル型のディスペンサーを用いて膜
中に含浸し、また、反応硬化型樹脂の場合は反応性オリ
ゴマー(前駆体)をそのまま、又は適当な溶剤で希釈し
て上記同様膜中に含浸し、常温又は加熱処理あるいは紫
外線処理などにより硬化させる。使用した溶媒(又は希
釈剤)は必ずしも除去する操作は必要ない。
【0020】また、本発明によれば、これらの高分子多
孔膜に電解質溶液を充填してなる固体電解質膜も提供さ
れる。本発明で用いる電解質溶液の溶質としてのイオン
導伝体としてはアルカリ金属塩またはプロトン酸と、ポ
リエーテル、ポリエステル、ポリイミン等の極性高分子
との複合体、あるいはこれらの高分子をセグメントとし
て含有する網目状、又は架橋状高分子との複合体を用い
ることができる。ポリエーテル、例えばポリエチレング
リコールまたはポリプロピレングリコールあるいはそれ
らの共重合体は分子量および重合度の異なる液状および
粉末状の試薬が市販されており、簡便に用いることがで
きる。すなわち、ポリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール・モノエーテル、ポリエチレングリコール
・ジエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール・モノエーテル、ポリプロピレングリコ
ール・ジエーテル等のポリエーテル類、またはこれらの
ポリエーテル類の共重合体であるポリ(オキシエチレン
・オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレ
ン・オキシプロピレン)グリコール・モノエーテル、ま
たはポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコ
ール・ジエーテル、これらのポリオキシアルキレン類
と、エチレンジアミンとの縮合物、りん酸エステルや飽
和脂肪酸または芳香族エステル等を用いることができ
る。さらにポリエチレングリコールとジアルキルシロキ
サンの共重合体(例えば、成瀬ら、Polymer preprints,
Japan Vol.34, No.7, 2021 〜2024(1985)、および特開
昭60−217263号公報)、ポリエチレングリコールと無水
マレイン酸の共重合体(例えばC.C.Lee ら、 Polymer,
1982. Vol.23 May 681〜689)、およびポリエチレングリ
コールのモノメチルエーテルとメタクリル酸との共重合
体(例えば、 N.Kobayashiら、J.Physical Chemistry.
Vol.89, No.6, 987〜991(1985))はそれぞれアルカリ金
属イオンとの複合体を形成し、室温でのイオン伝導度が
10-5〜10-4S・cm-1であることが知られており、本発明
に有用な薄膜電解質を構成する材料として好適である。
【0021】上記のポリエーテル類は分子量 150以上の
低分量のものであってよく、また上記高分子にはプロピ
レンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレンカー
ボネート、メチルフラン、ジメトキシエタン、ジオキソ
ラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルサルホキシド、メチルテトラヒ
ドロフラン、スルホラン、メチルチオフェン、メチルチ
アゾール、エトキシメトキシエタンの1種またそれ以上
の溶媒を加えて用いてもよい。
【0022】これらの高分子化合物と複合体を形成する
ものとしては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩
またはプロトン酸を用いることができる。陰イオンとし
てはハロゲンイオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イ
オン、トリフッ化メタンスルホン酸イオン、ホウフッ化
イオン等がある。フッ化リチウム(LiF)、ヨウ化ナトリ
ウム(NaI)、ヨウ化リチウム(LiI)、過塩素酸リチウム
(LiClO4)、チオシアン酸ナトリウム(NaSCN)、トリフ
ッ化メタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ホウフッ
化リチウム(LiBF4)、ヘキサフッ化りん酸リチウム(Li
PF6)、りん酸(H3PO3)、硫酸(H2SO4)、トリフッ化メタ
ンスルホン酸、テトラフッ化エチレンスルホン酸 [C2F4
(SO3H)2]、ヘキサフッ化ブタンスルホン酸 [C4F6(SO3H)
4]、などを具体例として挙げることができる。
【0023】本発明において、高分子多孔膜中に電解質
溶液を充填する方法としては、特に、製造した高分子多
孔膜を用いてパネルを組立てた後、即ち、典型的には2
枚のガラスの間に高分子多孔膜を挟持し、小穴を除いて
周囲をシールした後、全体を真空下に置いてパネル内、
具体的には高分子多孔膜の空孔中の空気を抜いてから小
穴部を電解質溶液に通じ、前記小穴から電解質溶液を含
浸吸引することを予定している。また、小穴部に密着
し、切換コックにより、それぞれ減圧系と電解液に通じ
る適当な治具を用いてもよい。
【0024】限定するわけではないが、小穴は、一般的
には1〜10mm程度で複数の小穴でもよく、通常、1mm
程度の小穴が1個あれば十分である。また、また真空と
しては10-2〜10-3torr程度でよい。しかし、本発明で
は、高分子多孔膜にあらかじめ電解質溶液を含浸して得
られた固体電解質膜をパネル化すること、その他各種用
途に使用することも可能である。
【0025】本発明の高分子多孔膜、より特定的には固
体電解質膜を使用する素子は、特に限定されず、エレク
トロクロミック素子のほか、液晶素子、電池その他にも
応用できるが、典型的にはエレクトロクロミック素子へ
の使用が意図される。なお、エレクトロクロミック素子
の電極は還元着色するカソーディック材料と酸化着色す
るアノーディック材料の2種類ある。代表的な還元着色
材であるWO3では、WO3 は電解質からのH+ (Li + ) と
電源からの電子が注入されるとWO3(無色)+xH ++xe=
H x WO3(青色)の反応を行なう。この反応は可逆的であ
るが、H x WO3 の状態で電源回路を開放すると、青色
(還元状態)は長時間保持される。還元着色材としては
WO3 のほか、MoO3,MoS2,V2O5,MgWO4 ,Nb2O5 ,Ti
O2,W4O8(C2O4)x などを用いることもできる。EC電極
は 500〜1500Å程度の厚さであるが、これは透明導電膜
上に形成する。
【0026】透明導電膜は集電電極であり、酸化インジ
ウム錫(ITO)、酸化錫などで形成する。厚さは1000〜20
00Åが一般的である。透明導電膜はガラス板等の透明基
板上に形成する。また、対極にはH2 ,O2 の発生の少
なく、電気化学的酸化還元反応に対して可逆性のよい、
電気容量の大きい材料が用いられる。具体的にはガーボ
ン、還移金属化合物とカーボンとの複合材または金属酸
化物とカーボンの複合材などがある。対極の厚さは1000
Å〜10μm程度である。
【0027】EC電極と対極との間に電源から電圧を印
加するが、WO3 に還元時には負の電圧をかけ、電圧は0.
9 〜2.0 V程度である。また、対極側にもEC電極(電
極II)を配することができ、電極I(WO3)の還元着色に
加えて、電極IIに酸化着色型の電極材料、例えばIrO x
などを用いると、着色効率の高いECDを作製できる。
また、電極IIにも結晶状態の異なるWO3を用いてもよ
い。またはNiO x ,CoO x 、プルシアンブルー、ポリア
ニリンなどが用いられる。
【0028】
【作用】本発明の高分子多孔膜は膜中に散点状に含浸硬
化さた固体高分子がスペーサーとしての効果を示すの
で、高分子多孔膜をパネル化してから真空含浸する際の
含浸速度が顕著に改善される。
【0029】
【実施例】高分子多孔膜として、膜厚25μm 、空隙率40
%、平均貫通口径0.03μm のポリエチレン多孔膜を製造
した後、エポキシアクリレートオリゴマーをニードル型
ディスペンサーを用いて平面径約0.8 mm程度の大きさ
に、かつ10cm2 当たり3個の割合で含浸させ、紫外線照
射処理をして、実施例の高分子多孔膜を作製した。
【0030】図1(ア)を参照すると、この高分子多孔
膜を2枚の厚さ1.2 mmのガラス基板1,2の間に挟ん
で、その周囲をエポキシ樹脂3で小穴4を除いてシール
した。このパネルを10-2〜10-3Torrの真空下に置き、高
分子多孔膜内の空気を抜いた後、電解質溶液に小穴4を
浸してパネル内に電解質溶液を含浸させた。図1(イ)
は高分子多孔膜の断面図で、5は高分子多孔膜、6は高
分子多孔膜5中に散点状に形成された含浸樹脂の柱状物
である。
【0031】ガラス基板として5cm×5cmのものと30
cm×30cmの2種類の寸法のものを用いた。また、用い
た電解質溶液の組成は下記の通りであった。 溶媒: 90重量% 2,2─ジフェニルプロピオニトリル 40重量部 ジフェニルブチロニトリル 40重量部 ポリエチレンオキシド200 20重量部 電解質: 10重量% 過塩素酸リチウム この電解質溶液の粘度は25℃で約50mPa・sであ
った。
【0032】また、比較のために、多孔膜に樹脂を含浸
しない点以外は上記と全く同じ特性の高分子多孔膜を用
いて、上記と同様の真空含浸を行った。その結果の含浸
に要した時間を下記に示す。 基板寸法 実施例 従来例 5cm×5cm 2〜3分 2〜3時間 30cm×30cm 3〜10分 20〜24時間 また、図2に、実施例のパネルと従来例(比較例)のパ
ネルの含浸開始直後の含浸の様子を示す。実施例の図2
(ア)では直ちにパネルの奥まで電解質溶液7が含浸す
るが、従来例の図2(イ)ではなかなか小穴から先へ含
浸しない。これは、実施例ではガラス基板1,2間にス
ペーサー6が存在するため、ガラス基板1,2の間の多
孔膜の空孔が真空によって潰されることがないからであ
る。
【0033】図3は、本発明の高分子多孔膜を用いたエ
レクトロクロミック素子の一例の断面図を示す。図3
中、11はガラス基板、12は透明導電膜、13はエレ
クトロクロミック電極、14は高分子多孔膜、15はシ
ール材、16は電解質溶液が含浸される途中の様子、1
7は外部圧力を示す。
【0034】
【発明の効果】本発明による高分子多孔膜によれば、透
明基板間に挟持してパネル化した後、電解質溶液を真空
含浸する際に、高分子多孔膜が潰されることを防止し
て、含浸時間を著しく短縮することができる。従って、
パネルの量産性に優れ、大面積のエレクトロクロミック
調光窓などの製造に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパネル及び高分子多孔膜を示す。
【図2】実施例及び比較例のパネルへの電解質溶液の含
浸の様子を示す。
【図3】エレクトロクロミック素子の断面図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…ガラス基板 3…シール材(エポキシ樹脂) 4…小穴 5…高分子多孔膜 6…スペーサー 11…ガラス基板 12…透明導電膜 13…エレクトロクロミック電極 14…高分子多孔膜 15…シール材 16…電解質溶液 17…外部圧力

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜厚が1〜100 μm 、空隙率が30〜90
    %、平均貫通口径が0.001 〜0.7 μm である高分子多孔
    膜であって、かつ固体高分子を平面径0.05〜2mmの範囲
    の大きさかつ高分子多孔膜の10cm2 当たり1 〜10で個散
    点状に含浸硬化させて成ることを特徴とする高分子多孔
    膜。
  2. 【請求項2】 前記高分子多孔膜の空孔中に電解質溶液
    を充填し、固定化したことを特徴とする固体電解質膜。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004001771A1 (ja) * 2002-06-19 2003-12-31 Ube Industries, Ltd. 高分子電解質膜およびその製造法
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KR100959762B1 (ko) * 2004-07-19 2010-05-25 성균관대학교산학협력단 수소이온 전도성 고분자 전해질막 및 그의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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