JPH062818Y2 - サンバイザー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車等に用いられる太陽光等の防眩のための
サンバイザーに関するものである。

〔従来の技術〕 サンバイザーは乗用車、バス、トラックなどの自動車等
のフロントガラス内側に設置されており、太陽光等が運
転者の視界に入り込み、目を眩惑させることがないよう
太陽光等を遮蔽するために使用される。従来のサンバイ
ザーは上記目的を達成するため、不透明の合成樹脂成形
体が用いられてきた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来のサンバイザーは不透明材料から作
られているため太陽光等を遮ぎる目的は十分に達成して
いるが、このことは一方では運転者の視界を部分的に遮
ぎることを意味しており、視野を暗くしたり、圧迫感を
与えている。またこれらの問題を解決するために角度調
整ができる構造になっているが、その操作はわずらわし
いものであり問題があった。

〔問題点を解決するための手段〕 本考案は前記した不透明材料から成る従来のサンバイザ
ーのもつ欠点を解決するものである。

本考案は、それぞれ屈折率に差がある光重合性オリゴマ
ーと光重合性モノマー、光重合性モノマー同志又は光重
合性オリゴマー同志からなる樹脂組成物に紫外線を照射
し硬化させることにより得られる光制御フィルムであっ
て、所定の角度範囲内にある入射光のみを選択的に散乱
し、それ以外の角度の入射光は透過する機能を有する光
制御フィルムを、透明板表面に被着させ、または複数の
透明板の間に介挿させた積層体からなるサンバイザーに
関するものである。

本考案のサンバイザーは、太陽光等の入射角が上記所定
の角度範囲内に入るようにして、太陽光等を散乱させる
ことにより眩しさを防ぎ、一方上記以外の角度範囲では
透明であるので運転者の運転視界を遮ぎることがないよ
うにするものである。また視界を暗くすることもなく圧
迫感もより少なく優れたサンバイザーを提供するもので
ある。このようにして本考案のサンバイザーを用いるこ
とにより、運転者は防眩効果（散乱）と運転視界（透明
性）を両立させることができる。

本考案で使用される光制御フィルムはそれぞれ屈折率に
差があるオリゴマーとモノマーまたはモノマー同志また
はオリゴマー同志からなる樹脂組成物を硬化させること
により得られ、好ましくはそれぞれ屈折率に差がある光
重合性オリゴマーと光重合性モノマーまたは光重合性モ
ノマー同志または光重合性オリゴマー同志から成る樹脂
組成物に紫外線を照射し硬化させることにより得られる
が、角度依存性については紫外線の照射角度、照射条
件、樹脂組成物の屈曲率差等によって決定される。尚、
本考案で使用される光制御フィルムの膜厚は２０〜２０
００μｍである。

この光制御フィルムの製造方法は本出願人による特許出
願、特開平１−７７００１号（優先権主張：特願昭６１
−３０２５００号「光制御板およびその製造方法」およ
び特願昭６２−１４６５６４号「光制御板とその製造方
法」）に記載されている。

本考案において透明板としては透明プラスチック板およ
び／または透明ガラス板が用いられる。

本考案で使用される透明プラスチック板は、透明なもの
なら特に限定されず、どのようなものでも使用できる。
好適に使用されるものとして、ポリカーボネート樹脂、
アクリル樹脂、メタクリル樹脂またはポリスチレン樹脂
等が挙げられる。また、本考案で使用されるガラス板は
特に限定されないが例えばフロートガラス板が使用でき
る。

また、本考案で、上記光制御フィルムと透明プラスチッ
ク板或いはガラス板のような透明板とを被着させる方法
は特に限定されず、公知の方法が使用できる。例えば、
ガラス板または透明プラスチック板の表面に光制御フィ
ルムを被着させてもよく、またガラス板または透明プラ
スチック板の間に光制御フィルムを挟んでもよく、また
ガラス板の間に光制御フィルムを挟み、ガラス板の外側
表面に更にプラスチック板を接着してもよい。プラスチ
ック板の外側表面には耐擦傷性被覆を施すことが好まし
い。

〔考案の効果〕

本考案のサンバイザーは、特定の角度で入射する光のみ
を選択的に散乱させることにより防眩効果を与えること
ができ、一方上記特定角度以外の光を透過させることが
できるので、運転者の運転視界を必要以上に遮ぎること
がない。また運転者は光制御フィルムの方向特異性およ
び太陽光等の角度を考慮して、サンバイザーの角度を適
宜変えることもできる。

〔実施例〕

平均分子量２０００のポリプロピレングリコールとトル
エンジイソシアネートおよび２−ヒドロキシエチルアク
リレートの反応によって得られたポリエーテルウレタン
アクリレート（屈折率１．４８１）１００重量部に対し
て、トリブロムフェノキシエチルアクリレート（屈折率
１．５６７）１００重量部およびベンジルメチルケター
ル６重量部を添加混合した樹脂組成物を、１mm厚のスペ
ーサーを挟んだ６０cm×８０cmのガラス板間に注入し
た。ついで、該ガラス板の面及び長手方向に平行でかつ
ガラス面中央から５０cmの距離からガラス面に対して垂
直に高圧水銀ランプ（８００ｗ／cm，２ｋｗ，発光長２
５cm，ウシオ電機製）により、紫外線を約１分間照射
し、樹脂組成物層を硬化させ光制御フィルム層とし、該
光制御フィルム層を内層とし、２枚のガラス板を外層と
する透明光制御板を製造した。

この透明光制御板は板に対して垂直方向からみると白濁
していた。第３図にこの透明光制御板についての濁度の
角度依存性の測定結果を示す。

第１図は、前記透明光制御板の長軸方向を、サンバイザ
ーの長軸方向に一致させて組立てられたサンバイザーの
１例を図示したものである。

第２図は、前記サンバイザーが水平面から４５°傾けら
れた状態にして使用されている様子を示す。

図中、斜線部にて示された角度範囲（サンバイザー表面
に対し、垂直面から左右約２０°の範囲）では入射光は
散乱した。太陽光入射角がこの角度範囲内にあるとき
は、運転者は眩しさを感じない。太陽の高さ変化に対応
してサンバイザーの角度を多少変化させることにより、
本考案の効果を容易に達成させることができる。

一方、前記の角度範囲外は運転者は透視することがで
き、運転視界は遮られない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のサンバイザーを、第２図はその使用状
態を示した。第３図はサンバイザーの濁度の角度依存性
を示した。 １．透明光制御板 ２．同ホルダー ３．固定金具 ４．固定ピン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大野 哲郎 大阪府高槻市塚原２丁目10番１号 住友化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−191816（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−174015（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ屈折率に差がある光重合性オリゴ
   マーと光重合性モノマー、光重合性モノマー同志又は光
   重合性オリゴマー同志からなる樹脂組成物に紫外線を照
   射し硬化させることにより得られる光制御フィルムであ
   って、フィルムに対して所定の角度範囲内にある入射光
   のみを選択的に散乱し、それ以外の角度の入射光は透過
   する機能を有する光制御フィルムを透明板表面に被着さ
   せ、または複数の透明板の間に介挿させた積層体からな
   るサンバイザー。