JPH06280152A - 人工皮革の製造方法 - Google Patents

人工皮革の製造方法

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JPH06280152A
JPH06280152A JP5066416A JP6641693A JPH06280152A JP H06280152 A JPH06280152 A JP H06280152A JP 5066416 A JP5066416 A JP 5066416A JP 6641693 A JP6641693 A JP 6641693A JP H06280152 A JPH06280152 A JP H06280152A
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JP
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woven fabric
water
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JP5066416A
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Toyohiko Hikoda
豊彦 彦田
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SANATSUDO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 豊かな風合をもつ人工皮革を製造する。 【構成】 複合繊維の不織布を製造する工程、不織布に
水溶性ののり剤を含浸させる工程、のり剤を含浸させた
不織布を、水と相溶性のある有機溶媒または少量の水と
有機溶媒との混合溶媒に溶解したアルカリ化合物の溶液
で処理して、複合繊維を分割し極細繊維にする工程、得
られた極細繊維の不織布に、エラストマーを含むバイン
ダーを含浸させる工程、含浸されたバインダーを湿式凝
固する工程、およびバインダーを付与した不織布からの
り剤を除去する工程とからなる。複合繊維の状態で形成
したバルキーな不織布の形態が、バインダーを付与して
人工皮革に加工した後まで維持されるので、バルキーで
良好な風合の人工皮革を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極細繊維の交絡体、す
なわち不織布にエラストマーを溶解したバインダー(本
発明においてバインダーは、エラストマーからなるバイ
ンダー固形成分と、固形成分を溶解または乳化分散させ
る溶液成分とからなる。)を含浸、凝固する人工皮革の
製造方法に関する。詳しくは、複合繊維(コンジュゲー
トファイバ)または混合繊維(ポリマーブレンドヤー
ン)を不織布に加工した後、分割して極細繊維の不織布
とし、この不織布にバインダー溶液を含浸し凝固させ
る、風合良好にして経済的な人工皮革の製造方法に関す
る。ここに、複合繊維は、複数成分のポリマーをそれぞ
れ独立して吐出量を制御しながら同じ口金から紡糸した
繊維であり、混合繊維は、非相溶性の複数のポリマーを
混合した紡糸液を同じ口金から紡糸した繊維である。以
下の説明では、複合繊維の語は、この両者を含む意味で
使用する。
【0002】
【従来の技術】人造皮革およびその製造方法は、近年飛
躍的に進歩した。なかでも、極細繊維集束交絡体にバイ
ンダーとしてエラストマーを用いた人工皮革は、天然皮
革状のスエード面が得られるので人気が高い。極細繊維
の主たる製造方法は、断面がいわゆる海島構造や、放射
状もしくは菊花紋様に配列された高分子成分セグメント
の間隙に、これとは異なる高分子が入込んだ構造の複合
繊維を製造し、この複合繊維から溶剤やアルカリ化合物
などで一方の高分子を溶出もしくは分解して除去し、残
る高分子を分割、分離し、極細繊維にするものである。
【0003】人工皮革は、この極細繊維の交絡体、具体
的には不織布にバインダーを含浸し、凝固、乾燥して製
造している。極細繊維自体は、けん縮加工や不織布の製
造などに従来技術を利用することが非常に難しいので、
複合繊維のままの状態で高次加工を施し不織布に加工し
た後、複合繊維を分割して極細繊維の不織布にする方法
が採用されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】人工皮革の品質向上、
とくに良好な風合を具備させることは、常に要求される
課題である。ところで、良好な風合をもつ人工皮革を製
造するには、バルキーな不織布を製造し、バルキーな形
態を維持したまま人工皮革に加工する必要がある。この
目的を達成するのに、複合繊維の不織布にエラストマー
を含むバインダーを含浸させ、湿式凝固して不織布にエ
ラストマーを付着させてから複合繊維を極細繊維に分割
する方法がある。しかし、アルカリ化合物を使用して複
合繊維を分割すると、エラストマーも分解されて好まし
くない。アルカリ化合物を用いる方法は経済的で魅力の
ある方法であるが、エラストマーとして好適なポリウレ
タンは、アルカリ化合物に分解されやすい。そこで、本
発明者は、複合繊維の分割にアルカリ化合物を用いる、
良好な風合をもつ人工皮革の製造方法を研究した結果、
その具体的な実施手段である本発明を完成したのであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)複合繊
維または混合繊維からなる不織布を製造する工程、
(ロ)前記の不織布に水溶性ののり剤を含浸させた後、
乾燥してのり剤を不織布に付着させる工程、(ハ)のり
剤を付与した不織布を、水と相溶性のある有機溶媒、ま
たは有機溶媒に不織布に付与したのり剤が実質的に溶出
しない範囲の量の水を添加した混合溶媒に、アルカリ化
合物を溶解したアルカリ溶液で処理して、複合繊維また
は混合繊維を分割し極細繊維にする工程、(ニ)前工程
の処理を終えた極細繊維からなる不織布に、エラストマ
ーを溶解したバインダーを含浸させる工程、(ホ)不織
布に含浸したバインダーを湿式凝固し、バインダーの溶
液成分を除去する工程、(ヘ)前工程で得られた不織布
からのり剤および残存するバインダーの溶液成分を除去
する工程、からなることを特徴とする、人工皮革の製造
方法を提供する。この人工皮革の製造方法において、さ
らに、工程(ハ)を実施した後、(ニ)の工程との間
に、(ハ´)不織布中に残存するアルカリ化合物を除去
または/および中和する工程、を実施することが好まし
い。
【0006】すなわち、前記したように極細繊維に各種
の加工を施すことは困難であるが、極細繊維で構成され
たバインダーを付着していない不織布もまた、密度が高
く、バルキー性が十分でない。このような不織布では、
後からバインダーを含浸させても中心部まで浸透せず、
貧弱な人工皮革しか得られない。そこで、本発明の人工
皮革の製造方法は、まず、複合繊維を不織布に加工し、
その不織布に水溶性ののり剤を付着せしめてバルキーに
仕上げる。つぎに、バルキーな形態が失われないよう
に、のり剤を溶出しない有機溶剤または有機溶剤にのり
剤を溶出しない程度の水を添加した混合溶媒を溶媒とす
るアルカリ溶液で処理して複合繊維を分割し、極細繊維
からなるバルキーな不織布を得る。得られたのり剤を付
着したままの極細繊維の不織布にバインダーを含浸し、
凝固した後、のり剤を除去して人工皮革を製造する。こ
のように、本発明では、複合繊維のままで加工したバル
キーな不織布にのり付けしてその形態を保持し、のり剤
が溶出しない条件下で複合繊維を分割し、バルキーな極
細繊維の不織布を得る。この不織布に、バインダーを含
浸し、湿式凝固しててバルキーな形態を維持した人工皮
革にした後、のり剤を除去して製品にする。バインダー
中の固形成分であるエラストマーを不織布に付着させた
後は、エラストマーによってバルキーな形態が保持され
ので、目的とする良好な風合をもつ人工皮革を容易に製
造することができる。
【0007】
【実施態様例と作用】本発明の人工皮革の製造方法を実
施態様例をあげながら、具体的に説明する。まず、本発
明においては、アルカリ溶液を用いた分割方式を用いて
極細繊維をえるのに適した複合繊維からなる不織布を製
造する(工程イ)。こような複合繊維としては、分解、
除去される高分子成分が、アルカリに易分解性の、たと
えば、ポリエステルまたはその共重合体で、極細繊維と
して残る重合体成分には、アルカリの影響の少なく溶融
紡糸が可能な、たとえば、ポリオレフィン、ポリアミド
やアルカリ難分解性のポリエステルで構成さたものがあ
げられる。不織布に加工するには、たとえば、ステープ
ルをカーディングし、重ね合わせてニードルパンチを用
い、相互に交絡させればよい。
【0008】次に、この不織布に水溶性ののり剤を含浸
させ、付着させる(工程ロ)。のり剤としては、たとえ
ば、天然のり剤では可溶性でんぷんなど、合成のり剤で
はヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミドなどがあげられるが、要は次工
程のアルカリ処理で分解されたり溶出されて効果を喪失
しない、のり剤を選択する。のり剤の付着量は、バイン
ダーを含浸して凝固するまで、不織布のバルキー性を保
持できる量であり、不織布の目付、繊維の種類、繊度な
どによって異なる。糊剤としては、完全に鹸化したポリ
ビニルアルコールなどが好適で、一例をあげると、その
10重量%溶液を調合し、不織布に含浸させた後、マン
グルで絞液率100重量%まで絞って乾燥し、のり付け
する。
【0009】本発明においては、こののり剤を付着させ
た不織布を、水と相溶性のある有機溶媒、または有機溶
媒に少量の水を添加した混合溶媒に、アルカリ化合物を
溶解した溶液で処理する(工程ハ)。有機溶媒に添加す
る水は、主にアルカリ化合物を溶解しやすくする目的で
添加するものであり、不織布を処理する際にのり剤が実
質的に溶出しない程度にとどめる。「実質的に」は、の
り剤の溶出によって不織布のバルキー性が失われる程度
を意味する。通常は、溶媒成分の20重量%を超えない
量にする。従来、複合繊維をアルカリ水溶液で処理し、
極細繊維に分割した例が見受けられるが、水溶液を用い
て処理すれば、水溶性ののり剤が溶出してしまい、不織
布はバルキー性を維持することができない。しかし、本
発明では、有機溶媒または少量の水を添加した有機溶媒
を用いることにより、効果的に付着したのり剤の溶出を
防止することができるのである。こうして、複合繊維中
の一部重合成分がアルカリによって分解、除去され、残
る重合成分が分割されて極細繊維になり、極細繊維から
なる不織布が得られる。
【0010】本発明に使用する水と相溶性のある有機溶
媒として、アルカリ化合物を安定的に溶解し、かつ、好
ましくは室温で液体のアルコール類、アルデヒド類など
をあげることができる。さらに、除去される重合体の分
解生成物を容易に系外に移動させることのできる溶媒が
好適であある。たとえば、分解成分がポリエステルの場
合には、生成するエチレングリコールやテレフタール酸
ソーダと親和力が強く、沸点が100℃以上の溶剤を使
用することが好ましい。沸点が高いと、処理操作が安
全、容易であるうえ、処理温度を高めることが可能にな
って効率よく複合繊維を分割し、極細繊維にできるから
である。その様な有機溶媒の例としては、n−ブチルア
ルコール、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ヂメチルホルムアルデヒドなどをあげ
ることができる。これらの有機溶媒は、2種以上を混合
して使用してもよい。
【0011】本発明に使用するアルカリ化合物は、経済
的で安定な水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好
ましい。アルカリ化合物が有機溶媒に解け難い場合は、
付着させたのり剤が溶け出さない程度に、少量の水を添
加してもよい。水の添加が、アルカリ化合物の溶解性が
著しく向上させ、複合繊維の分割を促進できることがあ
る。さらに、これらの溶媒に促進剤などの必要な薬剤な
どを添加することができる。例えばラウリルアミン、エ
チレンオキサイド付加物、ロート油剤などを添加して、
重合体の加水分解をより効果的に促進することが可能で
ある。
【0012】本発明において複合繊維の不織布をアルカ
リ溶液で処理する具体的な手段には、たとえば、複合繊
維をアルカリ溶液に浸漬する方法、パッドスチーマーを
使用して加熱する方法、沸点の高い溶媒を使用し、溶液
の蒸発を押さえながら、乾燥機を効果的に利用して加熱
する乾式法などを利用することができる。アルカリ処理
の能率を高めるには、たとえば、のり付けした不織布を
アルカリ化合物を溶解した有機溶媒に浸漬し、ニップし
て一定量を付着させ、乾燥機を用い120〜130℃で
熱処理して複合繊維を分割するとよい。スチームを使用
するに際しては、結露がのり剤に悪影響をおよぼさない
ようにする。またコールドストック法においては、スト
ック中に液が偏らないよう常時回転しておくことが好ま
しい。工程(ハ)で重要なことは、付着しているのり剤
の効果が落ちないように留意して、不織布のバルキーさ
を維持したまま、次工程のバインダー含浸を行なえるよ
うにする点にある。アルカリ処理の一例として、水酸化
ナトリウムによるポリエステルの分解を次式で示す。
【0013】
【化1】 分割後の不織布にアルカリ化合物が残存していると、そ
れが次工程で使用するバインダーの回収溶媒中に混入し
て溶媒回収率が低下するので、バインダーを含浸させる
前に除去または/および中和しておくことが好ましい。
これには、アルカリ処理後の不織布を、アルカリ処理液
と同一組成のアルカリを含まない溶媒で洗浄するか、酸
を含む溶媒で中和するとよい(工程ハ´)。しかし、本
発明ではバインダーの含浸温度をそれ程高くする必要が
なく、アルカリ化合物によって分解されるバインダー、
たとえばポリウレタンの量は比較的少ない。
【0014】さらに、工程ハあるいは工程ハ´の処理を
終えた不織布は、極細繊維束の間をエラストマーで結合
するために、バインダーを含浸させる(工程ニ)。使用
するエラストマーの例としては、天然ゴム、ポリウレタ
ン、ポリブタジエン、ニトリルゴムなどの合成ゴムが挙
げられるが、なかでもポリウレタンが好適である。これ
らのエラストマーを適当な有機溶媒に溶解してバインダ
ーにする。ポリウレタンを使用する場合には、有機溶媒
にジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフォ
キシド(DMSO)などを使用すればよい。含浸操作は
従来行われていた方法でよく、たとえば、不織布をバイ
ンダーに浸漬してよく浸透させた後、マングルでニップ
し湿式凝固槽に入れエラストマーを凝固させる(工程
ホ)。さらに、温水に通し最初に付けたのり剤とバイン
ダーの溶媒を除去し乾燥して人工皮革の原反がえられる
(工程ヘ)。
【0015】通常、得られた人工皮革の原反は、そのま
ま両表面を、あるいは厚さ方向の真中からスライスカッ
トして2枚にしてから片面を、バフして立毛させる。こ
れを染色仕上げ加工すればスエードタイプの人工皮革を
得ることができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明の人工皮革の製造方法の実施例
をあげて説明する。 実施例1 複合紡糸機(特公昭44−18369号公報に記載の紡
糸機に類似する)を用い、繊度が4デニールで、30部
のポリエチレンテレフタレートが海側を形成し、70部
のポリアミドが36本の軸方向に連続した高分子配列体
として島側を形成している海島型複合繊維を紡糸した。
この複合繊維をトウの状態で13〜15山/インチのク
リンプを付与した後、51mmにカットしてステープル
にした。このステープルをカーディングしてウェップを
形成し、これを積層したものにニードルパンチでパンチ
ングし、見掛密度が0.25g/cm3 、目付け量が5
00g/m2 の不織布に加工した。
【0017】この不織布をポリビニルアルコール(ゴー
セノールGL−05:日本合成化学(株)製)10重量
%溶液に浸漬して十分に含浸させてから引上げ、含浸量
が不織布重量に対して100重量%になるようにマング
ルで絞ったのち、乾燥してのり付けした。このものは、
不織布に対して10重量%ののり剤が付着していた。一
方、ポリエチレングリコール(#400:東邦千葉化学
(株)製)を溶媒とする水酸化ナトリウム3重量%溶液
を調合した。のり付けした不織布をこの水酸化ナトリウ
ム溶液に、120℃で5分間浸漬してアルカリ処理を施
した。処理した不織布をポリエチレングリコール(#4
00)で洗浄し、さらに、メタノールで洗浄して残留す
る水酸化ナトリウムを除いた後、乾燥した。得られた不
織布は、ポリエステルが分解除去されてアルカリ処理前
よりも約30重量%減量し、ポリアミドの極細繊維から
なる不織布が得られた。
【0018】次に、この極細繊維の不織布を、サンプレ
ンLQ−500A(ポリウレタン:三洋化成(株)製)
の15重量%DMF溶液に浸漬し、不織布中によく浸透
させ、マングルでニップし、余分なバインダーを除い
た。そして、その不織布を凝固槽に入れてポリウレタン
を凝固させ、温水に通し、付着していたのりとDMFを
除去して乾燥し、人工皮革の原反を得た。これを厚さ方
向の真中で2枚にスライスし、元の表面層をサンドペー
パーでバフ掛けした後、サーキュラー染色機で染色し、
仕上加工して人工皮革を製造した。得られた人工皮革
は、のり付けしないで加工したものに較べて、すこぶる
良好な風合を有していた。
【0019】実施例2 実施例1で加工したのと同じ不織布を使い、実施例1と
同様にしてのり付けした後、実施例1と同じ組成の処理
液に浸漬してアルカリ処理を施し、ポリアミド極細繊維
からなる不織布を得た。アルカリ処理による不織布の減
量率は約30%で、ポリエステルはほぼ完全に分解除去
されていた。この不織布を、とくに洗浄してアルカリ残
分を除去することなく、ポリウレタン溶液を含浸し、実
施例1と同様にして人工皮革を製造した。得られた人工
皮革は、バルキーで良好な風合を有していた。
【0020】実施例3 複合紡糸機を用い、固有粘度が0.65のポリエチレン
フタレートを70重量部と、固有粘度が0.51のエチ
レン−5−ソジュームスルホイソフタレート/エチレン
フタレート共重合体(モル比6/94)を30重量部と
からなる、繊度が3.4デニールの芯鞘型複合繊維を製
造した。この複合繊維は、繊維軸方向に連続したポリエ
チレンフタレート単糸が28本あり、前記共重合体をア
ルカリ溶液で処理すると、0.1デニールのポリエチレ
ンフタレート繊維がバンドルになるよう構成されてい
た。この複合繊維のトウに13〜15山/インチのクリ
ンプを付けた後、51mmの長さに切断してステープル
に加工した。このステープルを用い、実施例1と同様に
して、見掛け密度が0.23g/cm3 、目付量が35
0g/m2 の不織布を加工した。
【0021】得られた不織布に実施例1と同様ののり付
けをした。一方、DMF97重量部と水3重量部の混合
溶液に対し、3重量%の水酸化ナトリウムを溶解したア
ルカリ処理液を調合した。前記の不織布をこのアルカリ
処理液中に浸漬して含浸させ、マングルで絞って残存す
る溶液が不織布に対し100重量%になるようにした。
これをただちに乾燥機に入れ、温度120℃で3分間処
理した。乾燥機から取り出した不織布をクーリングロー
ルで冷却した。不織布の減量率は33重量%であった。
本実施例では、ポリエチレンフタレートを多少溶解した
ため減量率が高くなったものと考えられる。実施例2と
同様ポリウレタンの溶液を含浸した後、凝固、脱のり、
脱DMFして乾燥した。この両面をサンドペーパーでバ
フして、人口皮革の原反を得た。染色、仕上加工して製
品にした。得られた人工皮革は、良好な風合で衣料素材
にまことに好ましいものであった。
【0022】実施例4 ナイロン6の35重量部とポリエステルの65重量部と
からなる単糸が3デニールの混合繊維を、トータルデニ
ールが30,000デニールのトウに集束した。このト
ウに13〜15山/インチのクリンプを付与した後、5
1mmの長さに切断し、カーディングしてクロスラッパ
ーを通し、ニードルパンチを施して目付が500g/m
2 、見掛密度が0.25の不織布に加工した。
【0023】80〜90℃のポリビニルアルコール(ゴ
ーセノールGL−05:日本合成化学(株)製)10重
量%溶液を、この不織布にオーバフィードしながら浸漬
し、十分に含浸させてから、含浸量が不織布重量に対し
て100重量%になるようにマングルで絞ったのち、乾
燥してのり付けした。のり付けした不織布を実施例1で
使用したのと同じ組成の水酸化ナトリウム溶液に浸漬
し、マングルで絞った後、130℃で3分間乾燥して、
アルカリ処理を施した。さらに、この不織布をメチルア
ルコールで洗浄し、乾燥した後、実施例1と同様の条件
で人工皮革の原反に加工し、染色、仕上加工して人工皮
革を製造した。得られた人工皮革は、すこぶる良好な風
合を有していた。
【0024】
【発明の効果】本発明の人工皮革の製造方法を実施すれ
ば、のり付けによって、当初、複合繊維の状態で形成し
たバルキーな不織布の形態が、複合繊維を極細繊維に分
割し、バインダーを付与するまで保持されるので、ふく
よかな風合が保たれ、かつ、バインダーが全体に含浸し
た丈夫な人工皮革を製造できる。この他にも、のり剤を
使う効果は、不織布の形状がしっかりするので、加工や
取扱いが容易になり、作業能率が向上する。また、のり
剤が乾燥時にマイグレーションして不織布表面に比較的
多く付与されるために、含浸したエラストマーが人工皮
革の表面では比較的粗になる傾向があり、従って立毛さ
せやすくなるなどの効果がみられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/564 D06N 3/00 8016−4F // D06M 101:32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)複合繊維または混合繊維からなる不
    織布を製造する工程、 (ロ)前記の不織布に水溶性ののり剤を含浸させた後、
    乾燥してのり剤を不織布に付着させる工程、 (ハ)のり剤を付与した不織布を、水と相溶性のある有
    機溶媒、または有機溶媒に不織布に付与したのり剤が実
    質的に溶出しない範囲の量の水を添加した混合溶媒に、
    アルカリ化合物を溶解したアルカリ溶液で処理して、複
    合繊維または混合繊維を分割し極細繊維にする工程、 (ニ)前工程の処理を終えた極細繊維からなる不織布
    に、エラストマーを溶解したバインダーを含浸させる工
    程、 (ホ)不織布に含浸したバインダーを湿式凝固し、バイ
    ンダーの溶液成分を除去する工程、 (ヘ)前工程で得られた不織布からのり剤および残存す
    るバインダーの溶液成分を除去する工程、からなること
    を特徴とする、人工皮革の製造方法。
  2. 【請求項2】前記の工程(ハ)を実施した後、前記の
    (ニ)の工程との間に、 (ハ´)不織布中に残存するアルカリ化合物を除去また
    は/および中和する工程、を実施することを特徴とす
    る、請求項1に記載の人工皮革の製造方法。
JP5066416A 1993-03-25 1993-03-25 人工皮革の製造方法 Withdrawn JPH06280152A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100332733B1 (ko) * 1995-07-22 2002-11-20 주식회사 코오롱 인공피혁의제조방법

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KR100332733B1 (ko) * 1995-07-22 2002-11-20 주식회사 코오롱 인공피혁의제조방법

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