JPH06279783A - 洗濯用固形状触媒 - Google Patents

洗濯用固形状触媒

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JPH06279783A
JPH06279783A JP9192293A JP9192293A JPH06279783A JP H06279783 A JPH06279783 A JP H06279783A JP 9192293 A JP9192293 A JP 9192293A JP 9192293 A JP9192293 A JP 9192293A JP H06279783 A JPH06279783 A JP H06279783A
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JP
Japan
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silver
solid catalyst
copper
water
weight
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Application number
JP9192293A
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English (en)
Inventor
Yoshio Ichikawa
好男 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NICHIBAN KENKYUSHO KK
Original Assignee
NICHIBAN KENKYUSHO KK
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Filing date
Publication date
Application filed by NICHIBAN KENKYUSHO KK filed Critical NICHIBAN KENKYUSHO KK
Priority to JP9192293A priority Critical patent/JPH06279783A/ja
Publication of JPH06279783A publication Critical patent/JPH06279783A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D17/00Detergent materials or soaps characterised by their shape or physical properties
    • C11D17/0047Detergents in the form of bars or tablets
    • C11D17/0065Solid detergents containing builders

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗剤の使用量を減少させることができ、脱
臭、抗菌性を有する洗濯用固形状触媒を提供すること 【構成】 ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩および/
または酸化鉄などの金属酸化物を焼成して得られる多孔
質成形物および/または顆粒状活性炭よりなる基材に、
銀塩、銅塩およびコロイダル銀から選ばれる少なくとも
1種をイオン交換、吸着または固着させた、ゼオライト
やシリカゲルなどの無機化合物およびオルガノアルコシ
キシランなどを含有するコーテイング剤を塗布された洗
濯用固形状触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗濯用固形状触媒に関
し、さらに詳細には洗剤の使用量を大幅に減少させるこ
とができ、さらには洗剤を使用しなくても洗濯効果を得
ることのできる洗濯用固形状触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣服その他の洗濯には主として合
成洗剤が使用されている。しかし、合成洗剤による河川
の汚染は、環境破壊の1つとして問題となってきつつあ
り、合成洗剤の使用量を減らすことは、環境保護の観点
からも重要な課題である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成洗剤な
どの洗剤の使用量を少なくすることができ、しかも脱
臭、抗菌効果を有する洗濯用固形状触媒を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は銀および/また
は銅を含有する洗濯用固形状触媒を提供するものであ
る。
【0005】本発明の洗濯用固形状触媒は、洗濯用の水
を改質し、合成洗剤などの洗剤の使用量が少量でも充分
に洗濯効果をあげることができる。すなわち、本発明の
固形状触媒を水に入れて攪拌すると水中の酸素がこれに
接触してイオン化され、反応性の高いイオン化酸素が生
成される。また、水中の微量の酸により、固形状触媒か
らその成分である極微量(1〜20ppb)の銀または
銅イオンの溶出も考えられる。そこで、このイオン化酸
素や銀、銅イオンの直接の作用により、酸化力の強い水
ができる。この水は、以下のような特徴をもつ。
【0006】(1)抗菌性を有する。 あらゆる菌の酵素蛋白質中の−SH基を酸化破壊し、ま
た、蛋白質中の−S−架橋結合を酸化破壊する。 (2)脱臭性を有する。 皮脂臭、汗臭、その他の臭気成分を酸化分解する。 (3)脱脂性を有する。 皮脂、汗成分を酸化分解する。 (4)改質されている。 水分子の水素結合が切断され小さい集団となり、浸透
力、溶解力の高い水になっている。
【0007】このように、本発明の固形状触媒により改
質された水は、繊維の中に深く侵入し、酸化分解力、溶
解力により、皮脂、蛋白質汚れを分解、溶解し、泥汚れ
とともに分散させるので、洗浄力が大きく、少量の洗剤
で洗濯することができるのである。この洗浄力は水温と
関係し、水温の上昇とともに浸透性、溶解性、酸化分解
性が高まり、洗浄力が増すため、一般に10〜50℃の
水温下においてその効果を得ることができるが、30℃
〜50℃の水温下に用いると特に優れた効果を奏し、洗
剤を使用しなくても洗浄効果を得ることができる。
【0008】本発明の固形状触媒は、多孔質状成形物お
よび/または顆粒状の活性炭よりなる基材の表面を、銀
および/または銅を含有するコ−テイング剤で加工して
なるものである。基材は、コーティング剤を塗布し加熱
硬化させて固形状触媒を製造するための担体となるもの
であり、触媒効果を最大限に発現させるためには、表面
積が大きく、かつ耐久性があり、安価な材料が好まし
い。
【0009】かかる基材としての多孔質状成形物として
は、アルミノケイ酸塩および/または金属酸化物を80
0〜1,800℃で焼成して得られるものが好ましい。
具体的には、ゼオライト、カオリナイト、粘土状雲母、
ハロサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、蛭
石、高アルミナ粘土、長石、シリマナイトなどのアルミ
ノケイ酸塩および/またはシリカ、アルミナ、ジルコ
ン、マグネサイト、クロムマグネシア、酸化鉄、酸化銅
その他の金属酸化物を低温焼成、またはシリカゲル、パ
ーライト、珪藻土など多孔質物を混入し、あるいは公知
の化学発泡、水泡発泡、揮発発泡などの方法で成型し焼
成されたものを挙げることができる。
【0010】さらに、顆粒状の活性炭としては、公知の
方法で成型焼付されたものを使用することができる。こ
れらの基材は、その比表面積20〜800m2 /g、粒
径1〜15mmであることが好ましい。
【0011】本発明の固形状触媒は、このような基材に
コーティング剤を塗布して加熱硬化させることにより得
ることができる。コーティング剤は、銀および/または
銅を含有するものであるが、このようなコーティング剤
としては、以下の(a)〜(c)を含有する組成物が好
ましい。
【0012】(a)(イ)一般式R1 Si(OR2 3
(式中、R1 は炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素数1
〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示
す)で表されるオルガノアルコキシシラン、該アルコキ
シシランの加水分解物、その部分縮合物および/または
完全縮合物、(ロ)一般式M′2 O・nSiO2 ・mH
2 O(式中、M′は1価の金属原子または−NR4 3で表
される第3級アミンもしくは−NR5 4で表される第4級
アンモニウムであり、ここでR4 、R5 は有機基を示
し、nは1〜30の整数、mは1〜9の範囲の数値であ
る)で表されるケイ酸塩、および(ハ)合成樹脂から選
ばれる少なくとも1種、 (b)銀塩、銅塩およびコロイダル銀から選ばれる少な
くとも1種を、銀または銅分換算で0.4〜10重量
%、イオン交換、吸着または固着した、合成および天然
のゼオライト、シリカゲル、活性炭、アルミノケイ酸塩
鉱物およびアルミノ−シリカゲルからなる無機化合物の
群から選ばれた少なくとも1種、 (c)有機溶剤および/または水
【0013】この組成物は、基材の表面に、銀および/
または銅をイオンの状態で吸着またはイオン交換または
固着させた大比表面積である微粒状の無機化合物(b)
を、密着性、耐久性、硬度に優れたオルガノアルコキシ
シランの加水分解により形成される超微粒子状のゲル
膜、ケイ酸塩の脱水によりシラノール基(Si−OH)
が縮合して三次元化したゲル膜、合成樹脂膜で固着させ
るものである。
【0014】以下に、コーティング用組成物について構
成物質別に詳述する。 (a)(イ)式R1 Si(OR2 3 で表されるオルガ
ノアルコキシシラン、該アルコキシランの加水分解物、
その部分縮合物および/または完全縮合物;本発明に使
用されるオルガノアルコキシシランは、水の存在により
加水分解反応および重縮合反応を生起して高分子量化
し、さらに塗膜となった場合に加熱または常温での放置
により硬化するもので、本発明のコーティング剤中にお
いては結合剤としての働きをするものである。
【0015】かかるオルガノアルコキシシラン中のR1
は、炭素数1〜8の炭素を有する有機基であり、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基
などのアルキル基、そのほかγ−クロロプロピル基、ビ
ニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グリ
シドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル
基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−アミノプロピル
基、エトキシ基などである。
【0016】また、オルガノアルコキシシラン中のR2
は、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のア
シル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、アセチル基などである。
【0017】これらのオルガノアルコキシシランの具体
例としては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルト
リメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロ
ロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロ
ロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ラン、テトラエトキシシランなどを挙げることができ
る。
【0018】これらのオルガノアルコキシシランのう
ち、特にメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、テトラエトキシシランが好ましい。また、こ
れらのオルガノアルコキシシランは、1種または2種以
上を併用することができる。
【0019】なお、かかるオルガノアルコキシシラン
は、酸性水媒体中で加水分解によってアルコールを遊離
し対応するシラノールを生成するとともに、重縮合が生
起しオルガノポリシロキサン化合物を生成する。
【0020】(a)(ロ)ケイ酸塩、 本発明に使用されるケイ酸塩としては、一般式M′2
・nSiO2 ・mH2O(式中、M′は1価の金属原子
または−NR4 3で表される第3級アミンもしくは−NR
5 4で表される第4級アンモニウムであり、ここでR4
5 は有機基を示し、nは1〜30の整数、mは1〜9
の範囲の数値である)で表されるものが好ましい。この
(ロ)ケイ酸塩は、脱水によりシラノール基(Si−O
H)が縮合して三次元化する性質を有しており、本発明
の組成物においては得られる塗膜の結合剤の役目を果た
すものである。
【0021】ケイ酸塩の構造式は、ケイ酸リチウムを例
にとると、次の化1式のとおりである。
【化1】 (式中、pは繰り返し単位数を表す。)
【0022】ケイ酸塩の具体例を無水塩を例にとると、
ケイ酸リチウム(Li2 O・nSiO2 )、ケイ酸ナト
リウム(Na2 O・nSiO2 )、ケイ酸カリウム(K
2 O・nSiO2 )、ケイ酸セシウム(Cs2 O・nS
iO2 )、第3級アミンケイ酸塩〔(R3 N)2 O・n
SiO2 〕、第4級アンモニウムケイ酸塩〔(R4 N)
2 O・nSiO2 〕などが挙げられ、好ましくはケイ酸
リチウム、ケイ酸カリウム、第3級アミンケイ酸塩であ
る。これらのケイ酸塩は、1種単独で、あるいは2種以
上を併用することができる。
【0023】ケイ酸塩は、常温乾燥または低温加熱(例
えば、100〜200℃)により硬化体となるが、加熱
硬化が好ましい。すなわち、加熱により水を蒸発させる
とシラノール間で脱水縮合し、これがさらに進んでガラ
ス構造になり密着性のよい硬い被膜を形成するものであ
るが、脱水縮合は進行するほどSi−O−Siのネット
ワークが強固になり、このなかにイオンが閉じ込められ
るため、高温(200〜400℃)で焼成するほど耐水
性が向上し硬化体になる。
【0024】ケイ酸塩を硬化させる際には、硬化剤を使
用してもよい。この硬化剤はケイ酸塩のシラノール基と
反応してSiO4 4-で表されるケイ酸四面体骨格を金属
イオンで架橋したり、アルカリ金属と反応してアルカリ
金属を固定することにより、ケイ酸ゲルの生成を進行さ
せ、耐水性の硬化膜を形成するために使用されるもので
ある。
【0025】硬化剤としては、微粒子状の金属亜鉛、金
属スズ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化クロム、水酸化亜鉛、水酸
化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、リン酸アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、ケ
イ酸アルミニウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、
リン酸、ホウ酸などを挙げることができ、好ましくは金
属亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン
酸アルミニウムが挙げられる。硬化剤は、1種単独で、
あるいは2種以上を併用することができる。
【0026】この硬化剤の使用割合は、(ロ)ケイ酸塩
を無水塩換算で100重量部に対して、20〜200重
量部、好ましくは50〜100重量部であり、20重量
部未満ではケイ酸塩のゲル化が進行せずに硬度が低すぎ
たり、耐水性が劣るものとなり、一方200重量部を超
えるとケイ酸塩のゲル化が早すぎ作業性が悪化し、また
薄膜が形成し難くなり好ましくない。
【0027】(ハ)合成樹脂;本発明において合成樹脂
は、得られる塗膜の結合剤の役目を果たすものであり、
具体的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン、不飽和ポリエステル、ブチラール樹脂、フェノール
樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などの溶剤型、エ
マルジョン型、水溶性型などを挙げることができる。
(a)成分として、(ロ)ケイ酸塩と(ハ)合成樹脂の
エマルジョン型および水溶性型との混合物を使用するこ
ともできる。
【0028】(b)成分;(b)成分は、銀塩、銅塩お
よびコロイダル銀から選ばれる少なくとも1種の、銀ま
たは銅分換算で0.4〜8重量%を、イオン交換、吸着
または固着した、合成および天然のゼオライト、シリカ
ゲル、アルミノケイ酸塩鉱物、アルミノ−シリカゲルか
らなる無機化合物の群から選ばれた少なくとも1種であ
る。
【0029】(b)成分の銀または銅担持無機化合物
は、本発明の固形状触媒に、洗浄機能、抗菌機能などを
付与するもので、必須の成分である。(b)成分におけ
る銀、銅は、前記無機化合物の担体に担持されるもの
で、固形状触媒による洗浄力は、その触媒機能によるも
のと考えられ、前記固形状触媒は、表面積が非常に大き
いため、少量でも大きな洗浄効果があり、しかも長時間
持続する。
【0030】かかる銀および銅を担持させるには、銀
塩、銅塩あるいはコロイダル銀が用いられる。銀塩とし
て具体的には硝酸銀、硫酸銀、塩化銀などを、銅塩とし
ては、硝酸銅(II) 、硫酸銅、臭化銅、酢酸銅などを挙
げることができる。ただし、本発明はこれらに限定され
るものではない。これらは、1種または2種以上を水に
溶解させ混合水溶液として使用される。これらの金属塩
混合水溶液は、前記の無機化合物の担体に吸着またはイ
オン交換させることができる。この場合、前記オルガノ
アルコキシシランを固着剤として使用することによりこ
れらの金属の溶出を防ぐことができる。
【0031】コロイダル銀としては、平均粒径が5mμ
前後のものが好ましく、これは大きな表面積をもつ前記
無機化合物の表面に吸着されることができる。
【0032】本発明の固形状触媒に使用する(b)成分
中の銀および/または銅の含有量は、銀または銅換算で
好ましくは0.4〜10重量%、さらに好ましくは1〜
5重量%である。この銀または銅が0.4重量%未満で
は、本発明の目的である洗浄力が小さすぎ、一方10重
量%を超えると、金属が吸着するには多すぎ、あるいは
イオン交換容量が不足し、金属が溶出することがあり好
ましくない。
【0033】この(b)成分の、銀および/または銅を
担持する無機化合物としては、合成および天然のゼオラ
イト、シリカゲル、アルミノケイ酸塩鉱物、アルミノ−
シリカゲルからなる無機化合物の群から選ばれた少なく
とも1種が使用される。本発明の(b)成分は、これら
の担体に、銀塩および/または銅塩の水溶液を接触さ
せ、イオン交換または吸着させたり、コロイダル銀と接
触させ吸着させて得ることができる。
【0034】以下に、担体無機化合物について、成分別
に詳細に説明する (ゼオライト)本発明におけるゼオライトは、天然また
は合成のゼオライトで、一般式x M2/p O・Al2 3
・y SiO2 ・z H2 O(式中、Mはイオン交換可能な
金属イオンを表し、通常は、1価〜2価の金属であり、
pはこの原子価で、xは金属酸化物の係数、yはシリカ
の係数、zは結晶水の数をそれぞれ示す)で表され、そ
の組成比および細孔径、比表面積などの異なる多くの種
類がある。
【0035】例えば、天然ゼオライトとしては、アナル
シン、チャバサイト、クリノプチロライト、エリオナイ
ト、フォジャサイト、モルデナイトなどがあり、一方合
成ゼオライトとしては、A型ゼオライト、X−型ゼオラ
イト、Y−型ゼオライト、T−ゼオライトなどを挙げる
ことができる。
【0036】ゼオライトの形状は、粒子状がよく、その
粒子径は10μm以下が適する。好ましいゼオライト
は、粒子径が3μm以下、比表面積が150m2 /g以
上でSiO2 /Al2 3 のモル比が14以下のもので
ある。本発明においては、好ましくは、比表面積が大き
く吸着能に優れたゼオライトであり、天然のモルデナイ
トまたは前記の合成ゼオライトである。
【0037】(シリカゲル)シリカゲルは、一般式Si
2 ・nH2 Oで表される化合物で、ガラス状の透明ま
たは半透明の粒子で、微細構造が粗ショウをなして、例
えば1gのものが450m2 以上の大きな比表面積をも
つものである。本発明においてシリカゲルとしては、耐
摩耗性に優れた薄膜を形成するために、平均粒径が10
μm以下が好ましい。
【0038】(アルミノケイ酸塩鉱物)縮合ケイ酸の一
部をアルミニウムで置き換えたアルミノケイ酸イオンと
各種の金属イオンからなる塩でゼオライトを除く、カオ
リナイト、ハロサイト、白雲母、モンモリロナイト、蛭
石、長石、その他の天然鉱物で、表面積が大きく、イオ
ン交換能も有している。アルミノケイ酸塩鉱物の粒子径
は、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜3μ
mである。
【0039】(アルミノ−シリカゲル)一般式Al2
3 ・mSiO2 ・nH2 O+Al(OH)3 で表される
非晶質のゲルで大表面積でシリカとアルミナの両機能を
もち、活性炭と混合成型したものもある。吸着性能に優
れる。粒径は0.5〜10μm、好ましくは0.5〜3
μmである。
【0040】本発明の固形状触媒に使用されるコーティ
ング剤中における(b)成分の割合は、(a)成分とし
て(イ)を使用する場合は、(イ′)オルガノアルコキ
シシラン〔以下「(イ′)成分」ということがある)換
算で(イ)を100重量部として、通常4〜120重量
部、好ましくは10〜60重量部である。また、(ロ)
ケイ酸塩を使用する場合は、(ロ)ケイ酸塩を無水換算
で100重量部に対して、(b)成分は60〜600重
量部、好ましくは80〜400重量部である。
【0041】(a)成分として(ハ)合成樹脂を使用す
る場合は、(ハ)100重量部に対し、(b)成分を4
0〜400重量部とすることが好ましい。上記のそれぞ
れの成分について、所定量未満では洗浄効果がほとんど
なく、一方所定量を超えると、組成物が増粘しすぎた
り、溶出することが起こったりして好ましくない。
【0042】(c)有機溶剤および/または水;有機溶
剤および/または水は、粘度調節剤、分散媒などとして
用いられる。有機溶剤としては、アルコール、エステル
系、芳香族系、ケトン系、石油系炭化水素が好ましいも
のとして挙げられる。また、有機溶剤は、この他に、前
記(a)成分を構成する(イ′)オルガノアルコキシシ
ランが水によって加水分解された際に極度にゲル化する
ことを防止するため、そのほか加水分解物の縮合反応を
調節しながら水分を共沸留去するためにも用いられる。
このような目的で用いられる有機溶剤としては、アルコ
ール類が好ましい。
【0043】このアルコールとしては、1価アルコール
または2価アルコールであるエチレングリコールもしく
はこの誘導体が使用でき、このうち1価アルコールとし
ては炭素数1〜5の低級脂肪族アルコールが好ましく、
具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアル
コール、i−プロピルアルコール、sec−ブチルアル
コール、t−ブチルアルコールなどを挙げることがで
き、またエチレングリコールもしくはこの誘導体として
はエチレングリコール、エチレングリコールモノブチル
エーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル
などを挙げることができる。なかでもi−プロピルアル
コール、sec−ブチルアルコール、ブチルカルビトー
ル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルが好ま
しい。これらのアルコール類は、1種でもまた2種以上
を併用することもできる。
【0044】本発明の固形状触媒に使用されるコーティ
ング用組成物中(a)成分として(イ′)を、(c)成
分としてアルコールを用いる場合、アルコールの割合
は、通常、(イ′)換算で(イ)を100重量部とし
て、20〜400重量部、好ましくは40〜200重量
部である。アルコールの量が20重量部未満では組成物
が二層分離したりゲル化が生起したりし、一方400重
量部を超えると相対的に他の成分が少なくなり、得られ
る材料の膜の密着力が弱くなったり、薄膜すぎて目的と
するものを作ることができない場合がある。
【0045】また、(a)成分として、(ハ)合成樹脂
を用いる場合には、有機溶剤は分散媒として作用し、そ
の量は、(ハ)合成樹脂固形分100重量部に対して4
00〜2,000重量部が好ましい。400重量部未満
では、合成樹脂が多くなりすぎて(b)成分の性能発現
が阻害され、一方2,000重量部を超えると接着力が
弱まり、好ましくない。
【0046】水は、(a)成分として(イ)成分を用い
る場合には、(イ′)オルガノアルコキシシランの加水
分解に必須の成分であるとともに、(イ′)成分を用い
ない場合でも、粘度調節剤、乾燥速度調節剤、(a)成
分および(b)成分、さらには必要に応じて使用される
(d)充填剤の分散媒としての役目を果たすものであ
る。この水としては、一般水道水、蒸留水、あるいはイ
オン交換水を用いることができる。特に、組成物を高純
度にする場合には、蒸留水またはイオン交換水が好まし
い。なお、この水としては、例えば(a)成分を構成す
るオルガノアルコキシシランの加水分解によって生じる
水や、前記(ロ)ケイ酸塩に結合している結晶水なども
包含されるものである。
【0047】本発明の固形状触媒に使用するコーティン
グ用組成物中における水の割合は、(a)成分として
(イ)を用いた場合は、通常、(イ′)換算で(イ)を
100重量部として、20〜400重量部、好ましくは
50〜250量部であり、20重量部未満では(イ′)
オルガノアルコキシシランの加水分解が充分に生起し難
く、一方400重量部を超えると本発明に使用される組
成物の安定性が悪化するようになる。
【0048】また、(a)成分として(ロ)ケイ酸塩を
用いた場合は、水の組成物中における割合は、ケイ酸塩
を無水塩換算で100重量部に対して100〜1,00
0重量部、好ましくは200〜500重量部であり、1
00重量部未満では造膜が困難となったり、また組成物
の安定性が悪化する場合があり、一方1,000重量部
を超えると硬度が低すぎたり、密着性が低下する場合が
あり好ましくない。
【0049】さらに、(a)成分として(ハ)合成樹脂
のエマルジョン型、水溶性型を用いた場合は、水の組成
物中における割合は、合成樹脂100重量部に対して4
00〜2,000重量部、好ましくは700〜1,50
0重量部である。400重量部未満では合成樹脂が多く
なりすぎて(b)成分の性能発現が阻害され、一方2,
000重量部を超えると密着性が低下する場合があり好
ましくない。
【0050】以上の(a)〜(c)成分を主成分とする
本発明のコーティング用組成物には、さらに(d)充填
剤を配合することができる。この(d)充填剤は、得ら
れる塗膜の化粧性の発現、塗膜の表面積の拡大による洗
浄効果の向上、耐蝕性、耐久性、塗膜強度の向上などの
諸特性を発現するために使用されるものである。かかる
(d)充填剤としては、例えば有機顔料もしくは無機顔
料などの非水溶性の一般的な顔料または表面積を拡大す
るための無機物の1種または2種以上のものを使用する
ことができ、具体的にはシリカゲル、合成または天然の
ゼオライト、活性炭、アルミノシリカゲル、パーライ
ト、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、カオ
リン、合成ムライト、ジルコン(ケイ酸ジルコニウ
ム)、各色合成顔料、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0051】また、塗膜の表面積の拡大のために、コロ
イド状の、シリカ、アルミナ、チタニア、超微粒子状
の、シリカ、アルミナ、チタニアなどを用いることもで
きる。さらに、本発明で使用されるコーティング用組成
物には、各種界面活性剤、シランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、染料などの従来公知のその他の添加
剤を添加することもできる。
【0052】コーティング用組成物の固形分濃度は、通
常、10〜60重量%、好ましくは15〜45重量%で
あり、10重量%未満では得られる塗膜の厚さが薄すぎ
て洗浄効果が減少したり、塗膜強度が低すぎたりし、一
方60重量%を超えるとゲル化し易くなったり、粘度が
上昇しすぎたり、密着性が悪化したりするので好ましく
ない。
【0053】コーティング用組成物を調製するには、ま
ず第1に以上のような(a)〜(c)成分、あるいは
(a)〜(d)成分を混合するが、この場合の混合方法
は、(a)成分に(c)成分を加え、ここに、(b)成
分、あるいは(b)成分と(d)成分を同時に分散させ
る方法、(a)(b)(c)成分、場合により(d)成
分も加え、これを同時に混合分散させる方法、あるい
は、(a)成分または(c)成分に(b)成分を分散さ
せた後、(c)成分または(a)成分を加え混合する方
法などを挙げることができる。
【0054】なお、(b)成分は、銀または銅を無機化
合物担体にあらかじめ担持させることなく、銀塩、銅塩
の水溶液と無機化合物担体を(a)、(c)成分、ある
いはさらに(d)成分と混合してもよい。本発明の固形
状触媒は、このようにして調製されたコーテイング用組
成物を直ちに基材に塗布して製造されることができる。
【0055】ただし、(a)成分として(イ′)オルガ
ノアルコキシシランを用いた場合には、全成分を混合し
たのち、1〜72時間、さらに好ましくは3〜24時間
熟成されることが好ましい。この熟成時間が1時間未満
では、(イ)′成分の加水分解、重縮合反応が充分に進
行せず、また反応熱が残り、基材に塗布した場合にハジ
キ現象が起こり易く、一方72時間を超えると(イ′)
成分の重縮合反応が進みすぎて組成物の分散安定性が悪
化し、また得られる膜の密度、密着性、硬度が低下する
場合がある。なお、熟成温度は、通常、10〜30℃の
常温下で行うことが好ましい。
【0056】このようにして得られたコーティング用組
成物は、高速撹拌機、ロールミル、ボールミル、その他
の分散機により分散させ、ろ過することにより、均一な
安定性の良い分散液とすることができる。前記コーティ
ング剤の塗布は、前記のように調製されたコーティング
用組成物を、次いでデイッピング、混練り、スプレーな
どの塗装手段により、基材の表面にコーティングし、5
0〜300℃で5〜60分加熱することにより容易に硬
化し、洗浄力に優れる塗膜が得られる。
【0057】前記コーティング剤の基材に対する割合
は、0.2〜20重量%(乾燥塗膜換算)が好ましく、
さらに好ましくは0.5〜5重量%である。また、この
ようにして得られた本発明の固形状触媒中の銀および/
または銅の含有量は、0.02〜3重量%が好ましい。
0.02重量%未満では、水を改質する効果が不充分で
あり、一方、3重量%を超えると溶出したり、密着力が
悪くなったりして好ましくない。
【0058】このようにして得られる固形状触媒は、粒
状のもの、プレート状などどのような形状でもよいが、
粒状のものが、表面積の点から好ましく、粒径は1〜1
5mmが好ましい。粒径が1mm未満では破損しやす
く、また収納が難しく、一方粒径が15mmを超えると
表面積が小さくなって好ましくない。
【0059】本発明の固形状触媒を実際に、洗濯機中で
使用する場合には、固形状触媒を容器に入れ、水中に浮
遊させ、または洗濯機の側面に固形状触媒の容器を取り
つけて使用することができる。
【0060】浮遊タイプの代表的な例を図1に示す。図
1(A)、(B)は、リング状発泡樹脂10の上下に格
子状の樹脂20を貼り、この中に粒状の固形状触媒を6
0g入れた例である。(A)は平面図、(B)は側面図
である。以下、このタイプをA型と記す。リング状の発
泡樹脂10により浮力を持たせてある。
【0061】図1(C)は、球形の格子状樹脂30の中
に、浮力を持たせるための中空または発泡樹脂40およ
び粒状の固形状触媒50gを入れた例である。図1
(D)は、浮力を持たせるため、中空樹脂50を格子状
樹脂60に取りつけたものであり、格子状樹脂の中に固
形状触媒を80g入れた例である。また図1(E)は、
メッシュ状(繊維状)の樹脂の袋70に、浮力を持たせ
るための発泡または中空樹脂40および粒状の固形状触
媒100gを入れた例である。
【0062】図2には、洗濯機の側面に取りつける場合
の1例を示す。図2は家庭用攪拌式洗濯機の洗濯槽の斜
視図であるが、洗濯槽の内壁に格子状の樹脂またはステ
ンレス80が2ヵ所に取りつけてあり、この中に粒状の
固形触媒150gを入れてある。以下このようなタイプ
を取り付け型と称する。
【0063】本発明の固形状触媒は、洗濯液25l中に
0.2〜2重量%入れると洗浄効果があり、洗濯液の量
により、上記の種々のタイプの製品を、所定個数入れれ
ばよい。
【0064】本発明の固形状触媒は、水とともに必要に
より洗剤も加えて洗濯することにより、汚れをおとすこ
とができるとともに、脱臭、抗菌効果を奏することがで
きる。具体的には、まず水と固形状触媒を入れ5〜20
分攪拌し、水を改質した後に、洗濯物および必要によ
り、洗剤を加え、10〜20分程度攪拌し、通常の方法
で洗濯すればよい。また、この方法ばかりでなく、水を
改質する際に洗濯物を入れることもできる。洗剤の使用
量を、大幅に減少させることができ、汚れがひどい場合
でも、従来の使用量の10%〜50%に減らすことがで
きる。特に、水温を30℃〜50℃にすると、洗浄効果
が大きく、洗剤を使用しなくても、充分きれいに洗濯す
ることができる。その後、すすぎを3〜10分程度、状
況に応じて行えばよい。固形状触媒は、すすぎが終わる
まで入れておいても、洗濯が終わる時点で取り出しても
よい。
【0065】
【作用】本発明の固形状触媒を水中に入れると、水中の
酸素がこれに接触してイオン化され、反応性の高いイオ
ン化酸素が生成され、また、水中の微量の酸により、極
微量(1〜20ppb)の銀または銅イオンが溶出す
る。生じたイオン化酸素や銀、銅イオンの直接の作用に
より、洗濯用の水が酸化力の少し強い水に改質され、こ
の水が、繊維の中に深く侵入し、酸化分解力、溶解力に
より、皮脂、蛋白質汚れを分解、溶解し、泥汚れととも
に分散させるため、本発明の固形状触媒は優れた洗浄力
を発揮し、少量の洗剤で洗濯効果を得ることができる。
またこの水は抗菌性および脱臭性を有し、洗濯物の殺
菌、脱臭が可能である。
【0066】本発明の固形状触媒は、銀および/または
銅が前記無機化合物の担体に担持されて、基材上にコー
ティングされているため、これらの金属の触媒機能によ
り水が改質されるものと考えられる。本発明の固形状触
媒においては、これらの金属の機能を最大限に発現すべ
く、担体として、多孔質状成形物や顆粒状活性炭などの
比表面積の大きいものを用い、表面コーテイング剤とし
て、加水分解型のシラン化合物(オルガノアルコキシシ
ラン)、ケイ酸塩、合成樹脂に銀および/または銅を担
持した大表面積のゼオライト、シリカゲル、アルミノケ
イ酸塩鉱物、アルミノ−シリカゲルなどを配し、塗膜そ
のものが、微粒子を敷き詰めたような大表面積となるよ
うにしたもので、触媒機能を有効に発現することができ
る。
【0067】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は、特許請求の範囲を超えないかぎ
り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施
例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準であ
る。 実施例1 洗浄性、抗菌性、脱臭性、および不溶出性などを調べる
ため、以下のようにして、固形状触媒を作製した。先
ず、表1に示すA〜Iの9種類のコーティング用組成物
を作製した。前記組成物Aは、調合槽の中に(a)メチ
ルトリメトキシシラン25重量部に(c)イソプロパノ
ール28重量部と(b)銀ゼオライト10重量部を加
え、軽く攪拌したのち、200メッシュを通過させ、こ
れにイオン交換水を37重量部加え、1,500rpm
で約15分間攪拌して得られた混合液を3時間熟成させ
ることにより調製した。以下、組成物B〜Iも同様にし
て作製した。但し、組成物B、C、H以外は熟成を行わ
なかった。
【0068】
【表1】
【0069】次に、表2に示す基材に、表1に示したコ
ーティング用組成物を塗布し、1S〜10Sの固形状触
媒を作製した。なお、基材は、活性炭以外は表中の原料
を1,100〜1,600℃で焼成したものである。ま
た、コーテイング後の硬化は、組成物A、B、C、Hを
使用したものは250℃で30分間加熱、組成物D、
E、F、Iを使用したものは120℃で30分間加熱、
組成物Gを使用したものは180℃で30分間加熱して
行わせた。また、基材の粒子の形状を図3に示した。
【0070】
【表2】
【0071】洗浄力評価試験(1) 日本油化学協会法により行った。一般家庭用攪拌式洗濯
機に水25lと本発明の固形状触媒を入れ、水温を15
℃、30℃、45℃の3種類に調整して、10分間空で
攪拌し、洗浄力、抗菌力、脱臭力のある水に改質した
後、作製された人工汚染布と、市販合成洗剤を標準量の
1/3(7g/25l)入れ、15分間洗浄し、反射率
を測定して洗浄効果を算出した。また、合成洗剤を入れ
ないものについても行った。尚、対照として、本発明の
固形状触媒を使用しないで、同条件で水道水のみのもの
と、市販合成洗剤標準量(21g/25l)使用したも
ので洗浄した。なお、固形状触媒としては、浮遊型とし
て、図1の(A)型(触媒量60g)、図1の(E)型
(触媒量100g)を所定個数、用いたもの、および図
2の取り付け型(触媒量150g)2ヵ所を用いたもの
について行った。結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
【0073】洗浄力評価試験(2) JIS K3371衣料用合成洗剤の洗浄力評価方法に
準じて、一般家庭用攪拌式洗濯機を用いて洗浄力試験を
行った。まず、25lの、水温15℃、30℃、45℃
の3種類の使用水に対して、本発明の固形状触媒を所定
量加え、15分間攪拌し、水を改質した。その後、規定
の衿あか布を入れて10分間洗濯した。また、水を改質
した後、市販合成洗剤標準量の1/3(7g/25l)
量を入れて同様に洗浄力試験を行った。なお、固形状触
媒としては、浮遊型として、図1の(A)型(触媒量6
0g)、(C)型(触媒量50g)、(D)型(触媒量
80g)を所定個数、用いたもの、および図2の取り付
け型(触媒量150g)2ヵ所を用いたものについて行
った。対照として本発明の固形状触媒を使用しないで、
市販合成洗剤標準量(21g/25l)を入れて水温1
5℃で同様に洗浄力試験を行った。評価結果を表4に示
す。
【0074】評価は、洗濯した15枚のえりあか布を白
色の台紙上に記号順に配列し、JIS28723の6に
よって一対の衿あか布を左右見比べながら、1枚ずつ1
5枚の衿あか布について汚れ落ちの程度を3人の判定者
の目視によって判定した。評価方法は次のとおりであ
る。
【0075】対照に比し明らかに劣る場合 −2 対照に比しやや劣る場合 −1 対照 0 対照に比しやや勝る場合 +1 対照に比し明らかに勝る場合 +2
【0076】
【表4】
【0077】抗菌力試験 10分間煮沸した水道水を121℃で15分間高圧蒸気
滅菌したものを対照とし、対照に固形状触媒を0.4%
(重量比)添加したものを試験液とした。試験液および
対照液それぞれに、黄色ブドウ球菌または肺炎桿菌(大
腸菌)の菌液を添加し、室温にて15分間攪拌後の生菌
数を測定した。触媒として1Sを用いたものの結果を表
5に、8Sを用いたものの結果を表6に示す。
【0078】
【表5】
【0079】
【表6】
【0080】脱臭性試験 本発明の洗濯方法による脱臭性能を調べるため、以下の
ようなテストピースを作製した。すなわち、内容積3l
のガラス瓶中に、試料布地(綿地シーツ1枚当たり1m
2 )を入れたのち、一定濃度の悪臭物質(硫化水素、メ
チルメルカプタン)を容器内に注入し、30分放置して
テストピースを作成した。このテストピースを用いて、
脱臭性能を調べた。すなわち、家庭用攪拌式洗濯機に水
温20℃の水25lと、本発明の固形状触媒1Sを図1
の(D)型の浮遊型としたもの2個を入れ、10分間攪
拌した後、テストピースを入れ、15分間洗濯し、1回
すすぎ洗いをして脱水後乾燥した(M−2、M−4、M
−6、M−8)。
【0081】また、対照として、同様の洗濯機を用い、
水温20℃の水25lに市販合成洗剤標準量21gを入
れ、これをテストピースを入れ、25分間洗濯し、3回
すすぎ洗いした後、脱水して乾燥した(M−1、M−
3、M−5、M−7)。これらのテストピース8枚につ
いて、体臭性臭気物質の除去効果を官能試験により、判
定した。尚、臭気強度は、環境庁告示の6段階臭気強度
表示を用いて測定し、被験者はいずれも6名(男子4
名、女子4名)である。結果を表7に示す。
【0082】
【表7】
【0083】固形状触媒の溶出試験 固形状触媒を、水道水1.5l中に0.5重量%浸漬
し、20分間攪拌後、室温で静置した。24時間経過
後、浸漬水を採取し、銀または銅の溶出の有無を原子吸
光光度法により測定した。比較として、水道水について
も測定した。結果を表8に示す。
【0084】
【表8】
【0085】
【発明の効果】本発明の固形状触媒は、水を改質し、改
質された水が繊維の中に深く侵入し、酸化分解力、溶解
力により、繊維に付着した皮脂、蛋白質汚れを分解、溶
解し、泥汚れとともに分散させ、優れた洗浄力を発揮す
るため、洗剤の使用量を減少させることができる。特に
30〜50℃の水温下で用いることにより、浸透性、溶
解性、酸化分解性を高めることができるため、洗剤を用
いなくても、充分綺麗に洗濯することができる。また、
洗浄力のみでなく、抗菌性、脱臭性を有するから、これ
を用いて洗濯することにより、滅菌し、臭いを消すこと
もできる。しかも、本発明の固形状触媒中の金属イオン
は0.01mg/l以上溶出せず、繰り返して何度も使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固形状触媒を浮遊型として使用する例
を示す略図である。
【図2】本発明の固形状触媒を取りつけ型として使用す
る例を示す略図である。
【図3】表2の基材の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
10 リング状発泡樹脂 20、30、60 格子状樹脂 40 中空または発泡樹脂 50 中空樹脂 70 メッシュ状樹脂の袋

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀および/または銅を含有する洗濯用固
    形状触媒。
  2. 【請求項2】 固形状触媒が、アルミノケイ酸塩および
    /または金属酸化物を焼成して得られる多孔質状成形物
    および/または径が1〜15mmの顆粒状活性炭よりな
    る基材に、銀および/または銅を含有するコーティング
    剤を塗布してなるものである請求項1記載の洗濯用固形
    状触媒。
  3. 【請求項3】 銀および/または銅を含有するコーティ
    ング剤が、 (a)(イ)一般式R1 Si(OR2 3 (式中、R1
    は炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素数1〜5のアルキ
    ル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表される
    オルガノアルコキシシラン、該アルコキシシランの加水
    分解物、その部分縮合物および/または完全縮合物、
    (ロ)一般式M′2 O・nSiO2 ・mH2 O(式中、
    M′は1価の金属原子または−NR4 3で表される第3級
    アミンもしくは−NR5 4で表される第4級アンモニウム
    であり、ここでR4 、R5 は有機基を示し、nは1〜3
    0の整数、mは1〜9の範囲の数値である)で表される
    ケイ酸塩、および(ハ)合成樹脂から選ばれる少なくと
    も1種、 (b)銀塩、銅塩およびコロイダル銀から選ばれる少な
    くとも1種の化合物の、銀または銅分換算で0.4〜1
    0重量%をイオン交換、吸着または固着した、合成およ
    び天然ゼオライト、シリカゲル、アルミノケイ酸塩鉱物
    およびアルミノ−シリカゲルからなる無機化合物の群か
    ら選ばれた少なくとも1種、 (c)有機溶剤および/または水を含有するものである
    請求項2記載の洗濯用固形状触媒。
  4. 【請求項4】 固形状触媒が、銀および/または銅を
    0.02〜3重量%含有するものである請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の洗濯用固形状触媒。
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