JPH06279496A - ハムスター脳ナトリウム利尿ペプチド - Google Patents

ハムスター脳ナトリウム利尿ペプチド

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JPH06279496A
JPH06279496A JP5067113A JP6711393A JPH06279496A JP H06279496 A JPH06279496 A JP H06279496A JP 5067113 A JP5067113 A JP 5067113A JP 6711393 A JP6711393 A JP 6711393A JP H06279496 A JPH06279496 A JP H06279496A
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裕夫 井村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハムスター由来の32個のアミノ酸でなる脳
ナトリウム利尿ペプチド(BNP)およびそれをコード
するDNA配列、該32個のアミノ酸を含む96個のア
ミノ酸でなるプロBNPおよびそれをコードするDNA
配列、および該96個のアミノ酸を含む122個のアミ
ノ酸でなるプレプロBNPおよびそれをコードするDN
A配列が提供される。 【効果】 ハムスターBNPあるいはその前駆体または
そのDNA配列を利用して、検体中のBNPの検出、測
定がなされ、あるいはBNPを含む各種試薬などが調製
され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハムスター由来の32
個のアミノ酸でなる脳ナトリウム利尿ペプチドおよびそ
れをコードするDNA配列、該32個のアミノ酸を含む
96個のアミノ酸でなるポリペプチドおよびそれをコー
ドするDNA配列、および該96個のアミノ酸を含む1
22個のアミノ酸でなるポリペプチドおよびそれをコー
ドするDNA配列に関する。
【0002】
【従来の技術】脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は、
おもに心室から分泌される心臓ホルモンであり、心房性
ナトリウム利尿ペプチド(ANP)と同様に、血圧、水電
解質代謝調節に関与する可能性が示唆されている(Muko
yamaら、J. Clin. Invest. 87:1402 (1991)およびOgawa
ら、Circ. Res. 69: 491 (1991))。高血圧性心肥大あ
るいは重症心不全の患者において、血中のBNP濃度が
ANP濃度よりもより著しく上昇することが報告されて
いる(Mukoyamaら、N. Engl. J. Med 323, 757 (199
0))。さらに、重症心不全の患者にヒトBNPを静脈内
投与して、BNPが心機能を改善をすることが見いださ
れ、報告された(Yoshimuraら、Circulation84, 1581
(1991))。
【0003】脳ナトリウム利尿ペプチドが、血圧や心機
能に及ぼす影響の作用機作についての詳細はまだ十分に
解明されていない。この解明を進め、心臓に関連する様
々な疾患の治療に役立てていく必要がある。その為には
まず、このようなペプチドの構造を解析することが望ま
れる。
【0004】現在、脳ナトリウム利尿ペプチドのうちの
いくつかは、そのアミノ酸配列が決定されており、さら
にペプチドの特性についても解明されている。例えば、
ブタの脳から、32個のアミノ酸からなるペプチドが単
離され、配列決定された(Sudohら、Biochem Biophys R
es Comm 155:726-732 (1988))。さらに、ラット由来ペ
プチド(Nakaoら、Hypertension 15:774-778 (199
0))、ヒト由来ペプチド(Kambayashiら、FEBS Lett 25
9:341-345 (1990)およびHinoら、BBRC 167: 693-700(19
90))、およびウシ由来ペプチド(Nguyenら、Mol. Endo
crinology 3:1823-1829 (1989))の配列も決定されてい
る。アミノ酸配列分析および特性の解明によって、これ
らのBNPの前駆体が存在することが知られている。前
駆体からBNPにプロセシングされる際の開裂部位につ
いても、解明されている。
【0005】さらに、脳ナトリウム利尿ペプチドをコー
ドするDNA配列のいくつかも解明されている。例え
ば、ラット由来ペプチド(Kojimaら、BBRC 159:1420-14
26 (1989))、ヒト由来ペプチド(Sudohら、BBRC 159:1
427-1434 (1989))、ヒト由来ペプチドおよびイヌ由来
ペプチド(Seilhamerら、BBRC 165:650-658 (1989))を
コードするDNA配列は、知られている。
【0006】上述のように、種々の動物由来のBNPの
構造が解明されているが、BNPの種特異性やその他の
特性については、さらに検討していく必要があり、現在
知られていない動物種でのBNPの構造解析が望まれて
いる。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、脳ナトリウム利尿ペプ
チド(BNP)、特にハムスター脳ナトリウム利尿ペプ
チドおよびその前駆体のアミノ酸配列およびDNA配列
を明らかにすることである。
【0008】
【発明の構成】発明者らは、ハムスター由来のcDNA
ライブラリーを作成して、プローブでのスクリーニング
に供し、ハムスター由来のBNPのDNA断片を得て、
その配列の決定を行うことにより、本発明を完成するに
至った。
【0009】本発明のポリペプチドは、配列表の配列番
号1の65位のAsnから96位のTyrまでのアミノ酸配列
を含む。
【0010】本発明のポリペプチドは、配列表の配列番
号1の1位のHisから96位のTyrまでのアミノ酸配列を
含む。
【0011】本発明のポリペプチドは、配列表の配列番
号1の−26位のMetから96位のTyrまでのアミノ酸配
列を含む。
【0012】好ましい実施態様では、上記ポリペプチド
は、配列表の配列番号1の74位のCysと90位のCys
が、ジスルフィド結合をしている。
【0013】本発明のDNA配列は、上記のいずれかに
記載のポリペプチドをコードする。好ましい実施態様で
は、上記DNA配列は、配列表の配列番号1の325位
のAから420位のTまでのDNA配列でなる。
【0014】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の133位のCから420位の
TまでのDNA配列でなる。
【0015】好ましい実施態様では、上記DNA配列
は、配列表の配列番号1の55位のAから420位のT
までのDNA配列でなる。
【0016】本発明のハムスターBNPおよびその前駆
体のDNA配列の同定の一例を、工程の順に以下に示
す。
【0017】(1)ハムスターcDNAライブラリーの
調製およびスクリーニング 一般に、所望の遺伝子源として、適切なゲノムライブラ
リー、またはペプチドを合成する細胞からのcDNAラ
イブラリーのいずれをも用い得る。
【0018】BNPは、脳および心臓に存在しているこ
とが知られている。従って、cDNAライブラリーを調
製するために、脳組織を用いることもできるが、心臓を
好都合に用いることができる。cDNAライブラリーの
調製方法は、当該技術分野ではよく知られている。cD
NAライブラリーの好ましい調製方法は、例えば、Hyun
h, V.T.,ら、DNA Cloning Techniques-A Practical App
roach (IRL Press, Oxford, 1984)、ならびにOkayamaお
よび Berg, Mol Cell Biol (1983) 3:280-289に開示さ
れている。
【0019】調製したcDNAライブラリーを、適当な
条件下で、適当なプローブでスクリーニングし、目的の
BNPをコードする遺伝子を得る。
【0020】スクリーニングに用いるプローブは、例え
ば、既に配列が知られている他の動物種のBNPcDN
Aの一部のDNA断片であり得る。あるいは、以下の実
施例に示すように、PCR法(Saikiら、Science, 230:
1350-1354 (1985))で増幅させたハムスターBNPcD
NAの一部の配列からなるDNA断片であり得る。以下
の実施例では、PCR法による増幅は、多種の動物間で
ホモロジーの高い部分を基にして作成したプライマー、
および鋳型としてハムスターの心室の全RNAから調製
したcDNAを用いて行っている。
【0021】 (2)ハムスターBNPのcDNA配列決定 上記(1)項で作成したcDNAライブラリーを上述の
プローブでスクリーニングして、陽性のクローンを得
る。この陽性のクローンに含まれるDNAインサートを
適当な制限酵素で切り出し、サブクローニングを行った
後、ジデオキシ法などの公知のDNAシークエンス法で
塩基配列の決定を行う。このDNAインサートの制限酵
素地図を図2に示す。このようにして、1つのDNAイ
ンサートから得られたハムスターBNPを含むポリペプ
チドをコードするcDNA塩基配列が決定された。この
cDNA配列およびそれに対応するアミノ酸配列を配列
表の配列番号1および図3に示す。
【0022】(3)cDNA配列から推定されるハムス
ターBNPおよびその前駆体の構造 上記遺伝子構造から推定されるアミノ酸配列と、既知の
ラット、ブタ、およびヒトのBNPおよびその前駆体の
アミノ酸配列とを比較することによって、ハムスターB
NPとその前駆体のペプチドの構造を決定することがで
きる。
【0023】ハムスターBNPとしては、配列表の配列
番号1に示すように、−26位のアミノ酸であるMetか
ら96位のTyrまでの122個のアミノ酸でなるプレプ
ロ型のBNP、1位のHisから96位のTyrまでの96個
のアミノ酸でなるプロ型のBNP、および65位のAsn
から96位のTyrまでの32個のアミノ酸でなるBNP
が存在することがわかる。ハムスタープレプロ型BNP
は、ラット、ブタ、およびヒトプレプロ型BNPとDN
Aレベルで78%、64%、および63%の相同性しか
有さない。
【0024】(4)ハムスターBNPおよびその前駆体
のDNAを用いた発現ベクターの構築および該発現ベク
ターを用いたポリペプチドの発現 ハムスターBNPおよびその前駆体のDNA配列を用い
て、発現ベクターが構築される。例えば、ヒトインター
フェロンγ融合グルカゴン発現プラスミドであるTrppAT
ΔCyshuIFNγ/グルカゴン(ヨーロッパ特許出願公開0
381433号)に本発明のDNA断片を挿入して構築
される。この発現ベクターを適当な宿主細胞に導入する
ことによって形質転換体が得られる。宿主細胞として
は、例えば大腸菌K12株C600、JM103、AG
−1、931などが挙げられる。この形質転換体を適当
な条件で培養することにより、所望のハムスターBNP
あるいはその前駆体が得られる。
【0025】(5)ハムスターBNPの用途と投与 本発明のBNPは、高血圧のような疾患の治療に有用で
ある。特にハムスターの高血圧モデルである心筋症ハム
スター(Cautin, M. Am. J. Pathol. 130, 552-568 (19
88))にBNPを投与することによって、血圧を下げる
効果があることがわかっている。このようなことから、
本発明のBNPは、BNPの作用機序の解明、高血圧の
研究に用いることができる。
【0026】本発明のBNPペプチドは、Remington's
Phermaceutical Sciences, Mack Publishing 社、Esto
n、Paに記載されているような従来のペプチドの処方物
の形で投与され得る。好ましくは、このペプチドは、注
射によって、より好ましくは、静脈注射によって、投与
され得る。投与量のレベルは、被検体の約0.01〜1
00μg/kgである。
【0027】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに説明す
る。
【0028】(1)ハムスターcDNAライブラリーお
よびプローブの調製 A.cDNAライブラリーの調製 ゴールデンシリアンハムスターの心臓の組織から、グア
ニジウムチオシアネート法によって、全RNAを抽出し
た。ポリ(A)+RNAをオリゴ(dT)ラテックス
(日本ロッシュ社製)を用いて単離した。
【0029】ハムスターの全心臓のmRNAに相補的な
二本鎖cDNAを、RNaseH法で合成した。このcDNA
に、標準的な方法でEcoRI-NotI-BamHIアダプター(宝酒
造社製)をライゲーションさせた後、このcDNAを、
ファージベクターλZAPII(Stratagene社製)にライゲ
ーションさせ、標準法でインビトロでパッケージした。
このパッケージング反応物をプレーティングすると、約
2×106のそれぞれ独立のクローンを含むライブラリ
ーが得られた。次にこのクローンを増幅させた。
【0030】B.プローブの作成 次に、上記A項で得られたハムスターのcDNAライブ
ラリーをスクリーニングするために、プローブを作成し
た。ここではプローブとして、ハムスターBNPのcD
NAフラグメントを、PCR法によって増幅させて用い
ることとした。
【0031】このためにまず、PCR用の鋳型として、
ゴールデンシリアンハムスター(Mesocricetus auratu
s)の心室の全RNAから、SuperscriptTM RNaseH-逆転写
酵素(Bethesda Research Laboratories Inc., Gaithers
burg, MD)を用いて、cDNAを生成した。反応は、1μgの
全RNA、0.5μgのオリゴ(dT)15 プライマー(Promega Bio
tech, Madison, WI)、100ユニットの逆転写酵素、およ
び0.5mMのデオキシヌクレオチドを含む10μlの混合液
を、40℃で1時間インキュベーションして行った。
【0032】反応後、1μlの反応生成液をPCRに供し
た。PCRはGeneAmp PCR試薬キット(Perkin Elmer Cetus,
Norwalk, CT)および各100pmol のセンスおよびアンチ
センスプライマーを用いて行った。センスおよびアンチ
センスプライマーは、それぞれ、5'-TCGGTCGACGGAGGTCA
CTCCCATCCTCTGG(SalI部位に下線)および5'-AGAGTCGAC
TGCAGCTGCAGCCAGGAGGTCTTC-3'(PstIおよびSalI部位に
下線)の配列を有するものを作成して用いた(配列表の
配列番号2および配列番号3ならびに図1)。図1の上
段に示すように、上記センスプライマーは、ラット、ブ
タ、およびヒトのプレプロBNPのシグナル配列開裂部位
周辺の領域のcDNA配列に基づいて作成した。同じく図1
の下段に示すように、アンチセンスプライマーは、ラッ
ト、ブタ、およびヒトのBNPの終止コドンの3'側に相当
するcDNA配列に基づいて作成した。これらの部分の配列
は、ラット、ブタ、およびヒトの間で高度に保存されて
いる。これらのプライマーは、モデル381A DNA合成機
(Applied Biosystems Inc., Foster City, CA)で合成さ
れた。
【0033】PCRの反応は、反応混合物を、94℃で
0.5分間インキュベートし、変性(94℃で0.5分
間)、アニーリング(60℃で0.5分間)、伸長(7
2℃で1分間)を31サイクル繰り返すことによって行
い、72℃での4分間のインキュベーションで終えた。
このPCRの増幅によって、約350bpのDNA産物が
得られた。これを、SalIで消化し、配列を決定するため
に、pBluescriptベクター(Stratagene, La Jolla, C
A)中にサブクローニングした。
【0034】このようにして得られた5つのクローンの
配列を決定したところ、276bpのヌクレオチド配列
が、92個の残基を有するペプチド配列をコードし、こ
れがラットのプロBNPと61%のホモロジーがあるこ
とがわかった。
【0035】(2)ハムスターcDNAライブラリーの
スクリーニングおよびハムスターBNPおよびその前駆
体をコードするDNA配列の決定 A.cDNAライブラリーのスクリーニング 上記(1)のA項のようにして得られたハムスターcD
NAライブラリーを、ハイブリダイゼーション用プロー
ブとして上記(1)のB項のようにして得られたプロー
ブを32P標識したものを用いて、スクリーニングした。
【0036】まず、上記(1)項のAで得た心臓のcD
NAライブラリー由来の組換え体を、E.coli宿主細胞LE
392中に挿入し、約4×105個のファージをプレート
し、プラークを得た。このプラークをGeneScreenPlusナ
イロンフィルター(Du Pont, Boston, MA)に移した。
フィルターを、0.2Mトリス−HCl(pH7.5)、1
MNaCl、10%硫酸デキストラン、1%ドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS),200μg/ml変性酵母tRN
A、および200μg/ml変性サケ精子DNAを含む
溶液中で、60℃で一晩プレハイブリダイズさせた。次
に、上記プレハイブリダイゼーション溶液に32P標識し
た上記プローブを加え、60℃、16時間ハイブリダイ
ゼーションを行った。ハイブリダイゼーションの後、そ
のフィルターを、2×SSC(1×SSCは0.15M
NaCl、15mMクエン酸ナトリウム)および0.1
%SDSで2回、0.2×SSCおよび0.1%SDS
で2回、60℃で洗浄した。
【0037】乾燥させたフィルターをオートラジオグラ
フィーにかけた。約4×105個のプラークのなかか
ら、76個の一次陽性クローンを得た。これらのクロー
ンのそれぞれを、何回かのプレーティングによって単離
していき、3つの強いポジティブクローンを得た。これ
らの制限酵素のマッピングによって、すべてのクローン
が同一であることがわかった。
【0038】 B.クローンのDNA配列の決定および解析 λZAPIIの販売元の指示に従って、上記のA項によって
得られたクローンのインビボ(大腸菌中)での切り出し
を行わせた。これにより、pBluescriptベクターが作成
され、cDNAを増殖し、単離し、そして分析すること
ができるようになった。最長の挿入断片を有するクロー
ンの挿入断片のDNA配列を決定した。この時のDNA
の配列決定は、ダイデオキシチェーンターミネーション
法により行い、シークエナーゼVersion2.0(United Sta
tes Biochemical Corp., Cleveland, OH)を用いた。
【0039】決定されたDNA配列を配列表の配列番号
1および図3に示す。この断片は、366塩基のオープ
ンリーディングフレームを有する603bpの断片であ
る。
【0040】開始コドンの周囲のヌクレオチド配列は、
真核生物の翻訳開始部位のコンセンサス配列と一致し
た。89位から369位のヌクレオチド配列は、プロー
ブとして用いたハムスターBNPcDNAフラグメント
と同一であった(図3)。”CAG”トリヌクレオチドリ
ピートの2つのコピーが、5’の非翻訳領域にあった
(図3の波線)。3’非翻訳領域は、典型的なAATAAAの
ポリアデニル化シグナルを含んでいた(図3の二重
線)。”ATTTA”モチーフの4つのコピーは、mRNA
の不安定性に関係しているようである(図3の太線)。
【0041】ハムスターBNPcDNAのコーディング配
列は、ラット、ブタ、およびヒトのBNPcDNAのコ
ーディング配列とそれぞれ、78%、64%、および6
3%のホモロジーを有していた。
【0042】(3)推定アミノ酸配列の分析 推定アミノ酸配列の分析によって、ハムスターのプレプ
ロBNPが、122個のアミノ酸配列からなることがわ
かった。ハムスタープレプロBNPのN末端の疎水性の
26個のペプチドは、シグナルペプチドを表しているよ
うである。−1位から4位までのアミノ酸配列Ser、Hi
s、Pro、Leu、Glyは、ハムスター、ラット、ブタ、およ
びヒトのプレプロBNPで、同一である(図4)。ラッ
ト、ブタ、およびヒトBNPは、プロBNP中で、1つ
のアルギニン残基に続いている。ブタおよびヒトのプロ
BNPでは、そのアルギニン残基の後ろで開裂されて、
32残基のペプチドが生成される。ラットのプロBNP
でも、C末端の32残基のペプチドは、1つのアルギニ
ン残基に続いているが、開裂は、この部位では起こらな
い。ラットのプロBNPでは、開裂は別のアルギニン残
基で起こり、45残基のBNPとなる。ハムスターのプ
ロBNPでは、C末端の32個の残基を有するペプチド
は、1つのアルギニン残基に続いている。そして、ラッ
トプロBNPの開裂部位に相当する位置は、Argではな
く、Glyである(図3)。これらのことから、ハムスタ
ーBNPは、32残基のペプチドであることが示唆され
る。C末端の32残基のなかでは、Cys+74およびCys+90
との間の分子内シスルフィド結合による環構造ができる
と予想される(図3)。これは、ナトリウム利尿ペプチ
ドファミリーのメンバーで共通して起こることである。
環構造の中では、ハムスターBNPは、ラット、ブタ、
およびヒトBNPと、それぞれ83%、76%、および
65%のホモロジーがある。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、このように、ハムスタ
ー由来の32個のアミノ酸でなるBNPおよびそれをコ
ードするDNA配列、該32個のアミノ酸を含む96個
のアミノ酸でなるプロBNPおよびそれをコードするD
NA配列、および該96個のアミノ酸を含む122個の
アミノ酸でなるプレプロBNPおよびそれをコードする
DNA配列が得られる。このDNA配列は、BNPの発
現あるいは検体中のBNP遺伝子の検出および測定に有
用であり、このBNPは、各種試薬、医薬として有用で
ある。
【0044】
【配列表】
【0045】
【配列番号:1】 配列の長さ:603 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:ハムスター 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:55..420 特徴を決定した方法:S 配列 GCAAGAGAGA GAGCAAGCCA CCACCACAGC AGCCTGGCCC ATCAATTCTG TGAC ATG 57 Met GAT CTC CGG AAG GTG CTG TCC CGG GTG GTT CTG TTC CTG CTT TTT CTC 105 Asp Leu Arg Lys Val Leu Ser Arg Val Val Leu Phe Leu Leu Phe Leu -25 -20 -15 -10 TAT CTG TCA CCG CTG GGA AGT CAC TCC CAC CCT CTG GGC AGT CCC AGC 153 Tyr Leu Ser Pro Leu Gly Ser His Ser His Pro Leu Gly Ser Pro Ser -5 1 5 CAG TCT CCG GAA CAA TCC AAG ATG CAG ACT CTG CTA GAC CTG CTG AGG 201 Gln Ser Pro Glu Gln Ser Lys Met Gln Thr Leu Leu Asp Leu Leu Arg 10 15 20 GAA AAG GCA GAG GCG GTG GCT CGG GGG CAG CTC CTG AAG GAC CAA GAC 249 Glu Lys Ala Glu Ala Val Ala Arg Gly Gln Leu Leu Lys Asp Gln Asp 25 30 35 GTC ATC ACA AAA GCA CCT CTC CAA AGC ACC CTT GGG TCT CAA GAC AGC 297 Val Ile Thr Lys Ala Pro Leu Gln Ser Thr Leu Gly Ser Gln Asp Ser 40 45 50 55 ACC CTC CAT GTC CTG CAG AAA CTT CGA AAC TCC AAG AAG ATG CAT AAT 345 Thr Leu His Val Leu Gln Lys Leu Arg Asn Ser Lys Lys Met His Asn 60 65 70 TCG GGC TGC TTT GGG CAG AGG ATA GAC AGA ATC GGC TCA TTC AGT CGT 393 Ser Gly Cys Phe Gly Gln Arg Ile Asp Arg Ile Gly Ser Phe Ser Arg 75 80 85 CTG GGC TGC AAT GTG CTG AAG CGG TAT TAGGATGAGC TCCCAGCTGC 440 Leu Gly Cys Asn Val Leu Lys Arg Tyr 90 95 AGACACCGGC TCCTGACTCC ACCTGGGGCT CCTTCCCCAA TGCTGGGACC CCCTTTTGAA 500 GTGATCCTAT TTATTTATTT ATTTTTATTT ATTTTTTGGT TGTTTTCTAC AAGACTGTTT 560 CTTACCTTTG AGCACAGACT TTTCATGGTG TAATAAACAC AGC 603
【0046】
【配列番号:2】 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TCGGTCGACG GAGGTCACTC CCATCCTCTG G 31
【0047】
【配列番号:3】 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGAGTCGACT GCAGCTGCAG CCAGGAGGTC TTC 33
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハムスターBNPcDNAを単離する
ためのプローブの作成に用いた、PCR用のセンスプラ
イマーおよびアンチセンスプライマーの作成を示す図で
ある。
【図2】本発明のハムスターBNPをコードするDNA
断片の制限酵素地図を示す図である。
【図3】本発明のハムスターBNPのDNA配列および
該配列から推定されるアミノ酸配列を示す配列図であ
る。
【図4】本発明のハムスターBNPおよびラットBN
P、ブタBNP、およびヒトBNPのアミノ酸の相同性
を比較する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 D 8310−2J // A61K 37/24 ABN 8314−4C C07K 99:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表の配列番号1の65位のAsnから9
    6位のTyrまでのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  2. 【請求項2】配列表の配列番号1の1位のHisから96
    位のTyrまでのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  3. 【請求項3】配列表の配列番号1の−26位のMetから
    96位のTyrまでのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  4. 【請求項4】配列表の配列番号1の74位のCysと90
    位のCysが、ジスルフィド結合をしている、請求項1か
    ら3のいずれかに記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】請求項1から3のいずれかに記載のポリペ
    プチドをコードするDNA配列。
  6. 【請求項6】配列表の配列番号1の325位のAから4
    20位のTまでのDNA配列でなる、請求項5に記載の
    DNA配列。
  7. 【請求項7】配列表の配列番号1の133位のCから4
    20位のTまでのDNA配列でなる、請求項5に記載の
    DNA配列。
  8. 【請求項8】配列表の配列番号1の55位のAから42
    0位のTまでのDNA配列でなる、請求項5に記載のD
    NA配列。
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