JPH0627821Y2 - 内燃機関装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、圧縮機装置等の駆動装置として用いられる内
燃機関装置に関する。

従来の技術 内燃機関装置として一般に、外部空気をエアクリーナへ
吸入して空気を浄化し、この浄化された空気を気化器の
ベンチユリ部及び／又はスロツトル弁を有する混合気流
路内へ導入すると共にこの流路内へ燃料を噴出してそこ
で空気及び燃料を混合気を作り、この混合気をスロツト
ル弁で制御して内燃機関へ供給するようにしている。従
来、このような形式の内燃機関装置では、スロツトル開
度（スロツトル弁がない場合はベンチユリ部開口面積）
が一定の時に内燃機関への負荷が変動すると、内燃機関
の回転速度が大きく変動し、これは特に負荷変動が比較
的頻繁に起き易い圧縮機装置等において顕著であり、異
常振動の発生や運転不調になる等の不都合があつた。

考案が解決しようとする課題 そこで、本考案はこのような従来の技術の不都合を取除
くためになされたものであり、簡単な構成で内燃機関の
回転速度の変動を小さくし且つ速い応答特性をもつて動
作する自動過回転抑制性を備えた内燃機関装置を提供す
ることを目的とする。

課題を解決するための手段 即ち、本考案に係る内燃機関装置は、内燃機関と、該内
燃機関へ混合気を供給する気化器と、該気化器へ空気を
供給するエアクリーナとを有する負荷変動が比較的に頻
繁に起き易い機械装置の駆動装置として用いられ、前記
エアクリーナの空気取入口の一定に定められた開口面積
が前記気化器の混合気流路の設定開口面積以下で前記内
燃機関を設定負荷に対応した所定回転速度で運転せしめ
るのに必要とされる空気取入量に対応した固定値とさ
れ、自動過回転抑制性を備えた構成を特徴とする。

作用 従つて、内燃機関にかかる負荷が急に軽減して内燃機関
がその回転速度を増加しようとする時、エアクリーナか
ら気化器へ供給される空気の流量がエアクリーナの空気
取入口において、予め設定された回転速度をを維持する
に必要な量に制限されているので、内燃機関の設定回転
速度を越える過回転状態を抑制する。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明する。

第１図に示す実施例は、本考案を作業機械に用いられる
内燃機関−空気圧縮機装置に適用した例であり、この装
置は、本体１の中央部にクランクケース２を配置し、該
クランクケース２のクランク室３内にクランク軸４が回
転可能に配置され、且つ前記クランクケース２の両側に
内燃機関５及び空気圧縮機６が対向してそれぞれ配置さ
れている。前記内燃機関５は、この実施例では二サイク
ル形式の内燃機関であつて、シリンダ７内にピストン８
を往復動可能に配置し、該ピストン８は連接棒９によつ
て前記クランク軸４に連結されている。一方、前記空気
圧縮機６は、そのシリンダ１０内にピストン１１を往復
動可能に配置し、該ピストン１１は連接棒１２によつて
前記クランク軸４に連結されている。

更に、装置は気化器１３を設けており、該気化器１３の
混合気吐出口１４は継手管１５及び逆止弁１６を通して
前記クランク室３内に連通している。前記気化器１３は
通常の形式のものであつて、その空気入口１７から前記
吐出口１４へ通じる混合気流路１８を内部に形成してお
り、この流路１８内に前記内燃機関５を所定回転数で運
転せしめる為のスロツトル弁及び／又はベンチユリ部を
配設している。前記気化器１３の空気入口１７はベンド
管２０を介してエアクリーナ２１の浄化空気出口２２に
連通している。前記エアクリーナ２１はその内部にフイ
ルタ２３を設けており、該フイルタ２３の上流側に空気
取入口２４を形成している。該空気取入口２４は、その
開口面積が、前記気化器１３のスロツトル弁（図示せ
ず）の所定開度時のスロツトル弁部における前記流路１
８の開口面積、又はスロツトル弁を設けない気化器の場
合にはベンチユリ部における前記流路１８の前記内燃機
関５を所定回転速度で運転せしめるのに必要な設定開口
面積と同等又はそれより小さい大きさを有するように形
成されている。

更に、前記気化器１３はその流路１８へ燃料を噴出する
ように形成されており、この燃料は燃料タンク２５から
ポンプ等の適当な手段によつて供給される。そのように
して前記気化器１３の流路１８内へ噴出された燃料は前
記エアクリーナ２１からの空気と混合されて混合気を作
り、この混合気は前記継手管１５及び逆止弁１６を通し
て前記クランク室３内へ導入され、そこで予圧縮され
る。この予圧縮された混合気は、図示しない掃気路を通
して前記内燃機関５のシリンダ７内へ供給され、該シリ
ンダ７に設けられた点火栓２６で発生する火花によつて
着火燃焼されて前記ピストン８を往復動させ、且つそれ
により前記空気圧縮機６のピストン１１を往復動させ
る。前記内燃機関５のシリンダ７内で燃焼した燃焼ガス
は、排気口２７を通して排気マフラー２８へ排出され、
且つそこから外部へ排出される。前記圧縮機６は、その
ピストン１１の往復動によつて外部空気をシリンダ１０
へ導入し且つ圧縮して出口弁２９を通して圧縮空気を図
示しない圧縮空気溜めタンクへ供給する。

圧縮空気溜めタンク内に圧縮空気が充満されて圧縮空気
溜めタンク内の圧力が所定値迄上がると、リリーフ弁
（図示せず）が作動して内燃機関５の負荷が急に軽減さ
れ、内燃機関５はその回転速度を増加させようとする。
しかしながら、前記エアクリーナ２１はその空気取入口
２４において空気の取入量を制限しているので、気化器
１３が内燃機関５へ送出できる混合気の量は制限され、
このため内燃機関５の所定値を越える過回転は抑制され
る。このようにして、内燃機関５にかかる負荷変動に伴
う内燃機関５の回転速度の変動は小さく維持される。

この実施例における負荷変動と内燃機関の回転速度の変
動との関係を実測した結果を第２図に線図で示す。この
線図において横軸は内燃機関の負荷に対応する空気圧縮
機６の圧縮空気溜めタンク内の圧力、即ち圧縮空気元圧
を示し、且つ縦軸は内燃機関５の回転速度を示す。そし
て、図中実線Ａはエアクリーナ２１の空気取入口２４の
開口面積を気化器１３のベンチユリ部における流路１８
の開口面積の二分の一の大きさにして、フルスロットル
で内燃機関回転数４７５０rpm，圧縮空気元圧１０kgf/c
m²にセットした本考案の一実施例の場合を示し、鎖線Ｂ
はエアクリーナ２１の空気取入口２４の開口面積を気化
器１３のベンチユリ部における流路１８の開口面積と同
等にした従来例の場合を示す。図から明らかなように、
圧縮機６の常用圧力範囲では、前者の場合、フルスロッ
トルのままでも内燃機関５の回転速度はその負荷が変動
しても殆ど変化せずほぼ一定であり、また後者の場合、
内燃機関５の回転速度は負荷変動により、大きく変化し
ている。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は、気化器の
混合気流量特性によつて内燃機関の負荷変動に伴う内燃
機関の回転速度の変動を小さくすることができ、スロツ
トル弁やアイドル速度調整機能を廃止することができ、
従来の機械的調速機よりも速い応答特性をもつて動作す
ることができ、特に一定回転速度で駆動せしめる機械装
置で使用するに適した内燃機関装置を提供することがで
きる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る内燃機関−空気圧縮機装置の一実
施例を示す要部縦断面図であり、第２図は本考案実施例
の負荷変動と機関回転速度の変動との関係を示す線図で
ある。 ４……クランク軸、５……内燃機関、 ６……圧縮機、１３……気化器、 １８……混合気流路、 ２１……エアクリーナ、 ２４……エアクリーナの空気取入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関と、該内燃機関へ混合気を供給す
   る気化器と、該気化器へ空気を供給するエアクリーナと
   を有する負荷変動が比較的頻繁に起き易い機械装置
   （６）の駆動装置として用いられる内燃機関装置におい
   て、前記エアクリーナ（２１）の空気取入口（２４）の
   一定に定められた開口面積が前記気化器（１３）の混合
   気流路（１８）の設定開口面積以下で前記内燃機関
   （５）を設定負荷に対応した所定回転速度で運転せしめ
   るのに必要とされる空気取入量に対応した固定値とさ
   れ、自動過回転抑制性を備えたことを特徴とする内燃機
   関装置。