JPH06276596A - スピ−カ−用振動板及びその製造方法 - Google Patents

スピ−カ−用振動板及びその製造方法

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JPH06276596A
JPH06276596A JP5089189A JP8918993A JPH06276596A JP H06276596 A JPH06276596 A JP H06276596A JP 5089189 A JP5089189 A JP 5089189A JP 8918993 A JP8918993 A JP 8918993A JP H06276596 A JPH06276596 A JP H06276596A
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diaphragm
particles
layer
matrix
speaker
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JP5089189A
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Inventor
Keiichiro Tanabe
敬一朗 田辺
Akihiko Ikegaya
明彦 池ケ谷
Naoharu Fujimori
直治 藤森
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙、Ti、Beなどのスピ−カ−用振動板は
剛性が低いために高音特性が良くない。E/ρが高いダ
イヤモンドは気相合成で作ることができるが、靱性に乏
しいので割れたり欠けたりし易く歩留りが低い。また気
相合成で厚いダイヤモンド膜を作ろうとするとコスト高
になってしまう。 【構成】 ダイヤモンド、c−BN、SiC、B4 Cの
内の少なくともひとつの材料の粒子を、より硬度の低い
材料のマトリックスの中に分散させる。マトリックスは
低硬度であるから靱性があり割れ欠けが起こり難い。歩
留りが高く、長寿命である。また高硬度の粒子を含むの
で剛性が高く高音特性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高音域で優れた音響
特性を持ち比較的安価なスピ−カ−用振動板に係る。音
響機器のスピ−カ−は、低音、中音、高音用など幾つか
の周波数域の異なるスピ−カ−を幾つか組み合わせて用
いる。スピ−カ−用振動板は紙からTiなどの金属に進
化してきた。振動材料のヤング率をE、密度をρとする
と、音の伝搬速度がE/ρによって決まる。これが大き
い程スピ−カ−の高音特性は優れている。
【0002】E/ρが高い材料としてBeが知られてい
る。Beを用いたスピ−カ−も作られている。しかしB
eは毒性の強い材料であるから使用を避けたいものであ
る。ダイヤモンドはE/ρの最も大きい材料である。特
に高音用スピ−カ−としては優れたものである。
【0003】
【従来の技術】ダイヤモンド製のスピ−カ−に関しては
既に多くの提案がなされている。特開昭61−1287
00号はダイヤモンドの振動板に関し、ヤング率と密度
の範囲を規定している。特開平1−100277号は硬
質炭素膜のスピ−カ−用振動板を提案している。これは
炭素膜でありダイヤモンドではない。しかし硬質炭素膜
もかなり大きいE/ρを持つ。特開昭62−15229
9号は型材の上にイオンプレ−ティング法によりダイヤ
モンド状の炭素膜を堆積し後に型材を溶解除去するスピ
−カ−用振動板の製造法を提案している。
【0004】特公昭55−33237号はイオンビ−ム
蒸着法によって疑似ダイヤモンド状炭素膜を製造してい
る。特公平4−23480号はド−ム状のシリコン基体
の上にダイヤモンドをCVD法により堆積させ、基体を
溶解除去してダイヤモンド製のスピ−カ−用振動板を製
造する方法を提案している。
【0005】特開平3−85100号は熱プラズマ溶射
法によりセラミック若しくは金属のパウダ−を基体の上
に堆積させ、さらにその上にダイヤモンド層を形成する
方法を開示している。
【0006】特開平3−145900号は音響変換能率
を高めるために、3層構造を有するスピ−カ−用振動板
を提案している。1層と3層はダイヤモンド膜であり、
2層もダイヤモンドであるが空隙率の高いダイヤモンド
層であるとしている。空隙の存在により比重を下げE/
ρを高くしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高音を再生するスピ−
カ−用振動板としてE/ρを大きくするという視点から
はダイヤモンドが最も好適な材料であることに疑いはな
い。従ってダイヤモンドのスピ−カ−用振動板について
これまで多くの提案がなされている訳である。
【0008】しかしスピ−カ−用振動板に要求される性
質は単にE/ρが高いという事だけでなく、割れないと
か、繰り返し振動により破損しないとかいう要求があ
る。つまり靱性が高くないといけない。さらにスピ−カ
−用振動板は単なる平板ではなく、ド−ム状つまり半球
体である。またダイヤモンドは高価な材料であり単にE
/ρが良いからといって簡単に採用できるものではな
い。
【0009】ダイヤモンドのスピ−カ−用振動板に多く
の提案がなされているが、これらはスピ−カ−用振動板
の幾何学的形状の特異性やコストに対する考察が不十分
であったと本発明者は考える。
【0010】図1に示すようにスピ−カ−用振動板はド
−ム状の特異な形状をしている。たんなる平板ではな
い。しかも非常な高周波数で強制振動させられる板であ
る。多様なモ−ドで変形する。これに耐えるには充分な
靱性が必要である。従来のスピ−カ−用振動板として用
いられる材料は紙、Ti、Beなどであった。これら
は、ヤング率や硬度が低いのでE/ρが低く音波の伝搬
特性という点では低い評価を受けている。しかしこれら
従来から採用されている材料は十分な靱性があり割れた
り欠けたりすることはなかった。
【0011】ダイヤモンドはそうでない。確かにE/ρ
は高い。しかしEが高いのは硬質の材料ということであ
り靱性に劣る。ために機械的な衝撃や繰り返し応力に対
して脆く割れ易い。スピ−カ−用振動板は繰り返し振動
するのであるから単に硬度が高いというのでは不十分で
あり靱性が高くなくてはならない。ダイヤモンド製の振
動板はこの点で技術的に問題がある。さらにコストを下
げなければ実用化が難しい。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のスピ−カ−用振
動板は、ダイヤモンド、c−BN、B4 C、SiCの内
少なくとも1種類の粒子を、それよりも硬度の劣る物質
のマトリックスの中に分散させたものである。つまり本
発明のスピ−カ−用振動板は複合物質よりなり高硬度の
粒子(ダイヤモンド、c−BN、B4 C、SiC)と、
低硬度のマトリックスとよりなり、マトリックスの中に
孤立した高硬度粒子を分散させたものである。ダイヤモ
ンドは天然でも人工でも良い。マトリックス成分は非晶
質炭素、グラファイト、エポキシ樹脂、PMMA樹脂な
どを用いることができる。
【0013】つまり本発明のスピ−カ−用振動板は、次
の二つの材料を組み合わせたものである。 高硬度分散粒子 ダイヤモンド、c−BN、B4 C、
SiC 低硬度マトリックス 非晶質炭素、グラファイトの他
に、樹脂、プラスチックス等を指す。樹脂、プラスチッ
クスとは、具体的には、エポキシ樹脂、エチレンテレフ
タレ−ト、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フェノキ
シ樹脂、ポリカ−ボネ−ト、尿素樹脂、メラミン樹脂、
ポリイミド、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、PE
TP(ポリエチレンテレフタレ−ト)等を指すが、引っ
張り強さが25MPa以上のものが好ましい。
【0014】上記の混合物の単層のものでも良い。さら
に2層構造とし、前記の低硬度マトリックスの中に高硬
度粒子を分散させた第1層の凸面側に、気相合成法によ
り生成したダイヤモンド膜(第2層)を重ねても良い。
これは2層構造で、外層(第2層)をより高硬度、内層
(第1層)をより低硬度の物質で構成している。
【0015】あるいは3層構造にして、低硬度マトリッ
クスの中に高硬度粒子を分散させて作った膜の両面に気
相合成法により生成したダイヤモンド膜を形成するよう
にしても良い。
【0016】さらに進んで、低硬度マトリックスの中に
高硬度粒子を分散させた膜Bと、気相合成法ダイヤモン
ド膜Aとを、交互に形成した多層膜としても良い。膜の
面粗度はRa5μm以下であることが望ましい。これは
高次共振を抑制するためである。
【0017】
【作用】本発明のスピ−カ−用振動板は、高硬度の粒子
をより低硬度のマトリックスの中に分散させたものであ
るから、充分な靱性がある。ド−ム状という異形の振動
板で、繰り返し高振動数で強制振動しても破れたり割れ
たりしない。ダイヤモンドだけの膜は靱性がないので破
れ易いが本発明のものは靱性があるから長時間の使用に
よっても破れない。それでいて高硬度の粒子が存在して
いるからE/ρが尚高く、高音特性が優れている。
【0018】さらに気相合成法でダイヤモンド膜をつく
るよりもずっと安価である。ダイヤモンドなどの高硬度
の材料は連続膜や大型のものは作り難いから高価である
が、小さい粒子の場合は気相合成の屑や小粒の天然ダイ
ヤモンドなどを使うことができるから安価である。また
粒子を結合するのはマトリックスであり、マトリックス
の形成は容易であるからである。
【0019】マトリックス成分は分散粒子よりも低硬度
で靱性のある粒子を包含し易いものであればよい。特
に、膜形成が容易である物質が適する。例えば非晶質炭
素、グラファイト、エポキシ樹脂、PMMAなどを用い
ることができる。
【0020】非晶質炭素やグラファイトの場合は、気相
合成法によりマトリックスを形成することができる。た
とえば、フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマC
VD法、プラズマジェットCVD法等のCVD法を用い
ることができる。図3を参照しつつ作製方法を述べる。
【0021】半円球型の基材(Si、Mo、W等)を
用意する。スピ−カ−用振動板がド−ム状の形状である
ので、基材も同一の形状を含むものでなければならな
い。凸半円球のものを示しているが、反対に凹半円球の
ものでも良い。基材はCVD法の高温状態に耐えしかも
後に溶解除去できるものである必要がある。また加工性
のよいものが望ましい。
【0022】基材の上にダイヤモンド、c−BN、B
4 C、SiCのいずれか一つあるいは複数の種類の粒子
を分散させる。これは例えばCVD法により行うことが
できる。分散粒子の大きさは0.5〜100μm程度が
適する。より好ましくは2〜60μmのものが良い。高
音特性を特に大きく改善するためには分散粒子がダイヤ
モンドであるのが良い。しかし使用される用途により他
の材料の方が適することもある。例えば大口径(φ50
以上)のスピ−カ−用振動板である場合或は中低音域
(1000Hz以下)の特性改善には、c−BN、B4
C、SiCの方が良い。
【0023】より硬度の低いマトリックス成分を基材
の上に合成する。非晶質炭素やグラファイトをマトリッ
クスにする場合には、同じCVD装置で条件を変えてマ
トリックスを生成することもできる。エポキシ樹脂や、
PMMAの場合はこれらの材料を基材の上に塗付、吹き
付けるなどの手法によりマトリックスを作ることができ
る。これはより簡便に製造でき安価でしかも靱性に富む
という利点がある。しかし剛性が低いので高音特性は若
干低い。
【0024】以上で一層構造のスピ−カ−用振動板の
基本的な部分ができる。これは単層構造であるが、2層
構造にするには、この上にさらにダイヤモンドを気相合
成する。こうすると図11に示すような構造になる。外
側はダイヤモンドのみの剛性の高い層になり、内側(凹
面側)は靱性のあるマトリックスのなかに粒子が分散さ
れた層になる。これが図3の工程図で逆向きの矢印で示
した工程である。3層にするには、初めにダイヤモンド
層を合成し、次に粒子分散マトリックス層を生成し、最
後にダイヤモンド層を合成するようにすれば良い。
【0025】適当な薬品で基材を溶解除去する。基材
はSi、Mo、Wなどであり金属であるので強い酸によ
り溶解できる。ただし合成した膜を溶解しないような薬
品を選ばなければならない。こうしてド−ム形状の自立
膜を得る。これが本発明のスピ−カ−用振動板である。
【0026】
【実施例】[実施例1] 図1に示すようなφ100の
スピ−カ−用振動板基材のための多結晶Siを用意し
た。これは多結晶Siを切削、研削、研磨して半球状に
製作するのである。直径が約5〜10μmのダイヤモン
ド粒子と基材とをイソプロピルアルコ−ル中に入れ超音
波振動を加えて均等に分散させこののち静かに沈殿させ
た。これにより基材にダイヤモンド粒子が均等に付着す
る。
【0027】これを図2に示すような公知のフィラメン
トCVD装置に入れて基材の上に非晶質炭素膜を気相合
成した。図2において、真空チャンバ1は内部中央に冷
却支持台2を有する。冷却支持台2には冷却水3が通っ
ており、内部から冷却支持台2を冷却できるようになっ
ている。この上にSiの基体4を固定している。フィラ
メント5は基体4の上部に対向するように設けられ、2
本の電極6により両端が支持されている。電源7がフィ
ラメントに電流を供給している。
【0028】真空チャンバ1のガス導入口8から非晶質
炭素膜を合成するための原料ガスが導入される。原料ガ
スは水素ガス、炭素源ガスなどである。フィラメントに
よって、ガスが加熱され気相反応を起こす。反応生成物
が基体4の上に堆積し非晶質炭素膜ができる。排ガスな
どは真空排気口9から排出される。非晶質炭素膜生成条
件は、
【0029】 水素ガス 1000cc/min メタンガス 100cc/min フィラメント タングステン(W) フィラメント温度 2100℃ 圧力 100Torr
【0030】である。これにより合成を行ったのち基体
をCVD装置から取り外した。先述と同じ方法で再びダ
イヤモンド粒子を基体の上に分散させる。これをCVD
装置に再びセットして同じ条件で非晶質炭素膜を被覆し
た。こうして非晶質炭素膜中にダイヤモンド粒子が分散
されたド−ム状の膜を得る。基体を1:1の弗硝酸で溶
解除去した。
【0031】こうしてダイヤモンドと非晶質炭素膜の複
合よりなる自立膜を得る。断面図を図4に示す。硬度の
低いマトリックス成分の中にダイヤモンド粒子が埋め込
まれた構造になっている。ダイヤモンド粒子のマイクロ
ビッカ−ス硬度が9000Hkであった。マトリックス
の硬度は4000Hkであった。
【0032】[実施例2] 実施例1と同じ基体を用意
し、初めにダイヤモンド膜を5μmの厚みになるように
CVD装置によって合成した。合成条件は次のようであ
る。 水素ガス 1000cc/min メタンガス 10cc/min フィラメント タングステン (W) フィラメント温度 2150℃ 圧力 100Torr
【0033】このあとは実施例と同じようにイソプロピ
ルアルコ−ルにダイヤモンド粒子を入れて分散させ基体
の上に沈殿させる。これを同じCVD装置に入れて非晶
質炭素膜を形成する。これによりダイヤモンド粒子を分
散した非晶質炭素膜(グラファイトを含む)ができる。
このあとさらにダイヤモンド膜のみを合成した。基体を
溶解除去して、3層構造のド−ム状の膜が得られる。
【0034】図5に断面図を示す。凹面の表面と凸面の
表面A部がダイヤモンドとなっている。中間が複合膜で
ある。A部のラマンスペクトルを図6に、B部のラマン
スペクトルを図7に示す。A部は1333cm-1に強い
ピ−クがありこれがダイヤモンドであることを示す。B
部は1333cm-1のピ−クが低くなりノイズに埋まっ
ている。これよりも高い振動数領域のスペクトルが増加
している。非ダイヤモンド成分が多いからである。
【0035】「実施例3] 実施例2の工程を数回繰り
返し、断面図が図8のようになるド−ム状のスピ−カ−
用振動板を製作した。これは5層構造であり、1、3、
5層がダイヤモンド膜になっている。2、4層がより厚
いダイヤモンド粒子を分散した炭素膜になっている。
【0036】[比較例1] 実施例1においてダイヤモ
ンド粒子を分散させることなく、CVD装置により基体
の上に単に炭素膜のみをコ−テイングした。これは一様
なマトリックスの構造物である。
【0037】[比較例2] 実施例1において、炭素膜
の合成条件を、 水素ガス 1000cc/min メタンガス 10cc/min フィラメント タングステン(W) フィラメント温度 2100℃ 圧力 100Torr とした。つまりメタンガスの流量を1/10にしてその
他は同じにした。これによると基体を溶解除去する時に
合成膜が粉々に割れてしまった。図9にこの状態を示
す。強度のある炭素膜が合成できなかったということで
ある。スピ−カ−用振動板に用いることはできない。
【0038】次にこれらの実施例1〜3と比較例1のス
ピ−カ−用振動板を実際にスピ−カ−に取り付けて音響
特性を調べた。図10がその結果を示している。横軸は
音響周波数である。縦軸が音圧レベルである。実施例1
のサンプルは、50kHzまで特性が平坦であり、50
kHzでピ−クがある。これ以上の周波数では音圧が急
激に減少する。50kHzまで充分に使えるということ
である。実施例2は3層構造になっているものである
(図5)がこれは60kHzまでの高音を出すことがで
きる。実施例1よりも一層に良好な特性を示す。
【0039】実施例3は図8のように5層構造になって
いるものである。これはなんと80kHzまでの高音を
充分に出すことができる。優れた発明であることが分か
る。これに対して、比較例1のサンプルは20kHz以
上の高周波数の音を出すことができない。これは非晶質
炭素やグラファイトのみの膜である。
【0040】
【発明の効果】本発明は安価な粒状ダイヤモンドをマト
リックスの中に分散させることにより剛性が高く高音特
性に優れたスピ−カ−用振動板を比較的安価に製造する
ことができる。紙、Beや、Tiなどのスピ−カ−用振
動板に比較して剛性が大きくて伝搬特性が良い。反対に
ダイヤモンドのみのスピ−カ−用振動板に比較して安価
であるし、φ100以上の大型の振動をも作ることがで
きる。気相合成ダイヤモンドのみで厚い振動板を作ろう
とすると合成時間が長く掛かり極めて高価なものにな
る。また剛性が大きくて脆くて割れ易く耐久性に乏しい
ことがある。製造中に割れ欠けなどが生じ易くコスト高
になる。
【0041】本発明のものはダイヤモンド粒子を含みな
がらこれを結合するものはマトリックスであるので、靱
性に富み丈夫で堅牢である。製造途中で割れ欠けなどの
事故も起こらないので歩留りが高い。使用の際は、分散
高硬度粒子のために剛性が高く音波の伝搬が早くて高音
特性が良い。また適度の靱性があるので寿命も長い。粒
状のダイヤモンドは気相合成の副産物や小粒の天然ダイ
ヤモンドとして得られるが、気相合成で連続膜を作るコ
ストに比べると安いものである。その他のc−BNや、
SiC、B4 Cなどの高硬度粒子も微細な粒子は連続膜
よりも容易にできるからより安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる基体の一例を示す正面図。
【図2】本発明で炭素膜またはダイヤモンド膜を気相合
成するために用いるフィラメントCVD装置の概略断
面。
【図3】本発明のスピ−カ−用振動板の製造の工程を示
す図。
【図4】本発明の方法で作製した単層型のスピ−カ−用
振動板の断面図。
【図5】本発明の方法で作製した3層型のスピ−カ−用
振動板の断面図。
【図6】図5の振動板のA部のラマンスペクトル図。
【図7】図5の振動板のB部のラマンスペクトル図。
【図8】本発明の方法で作製した5層型のスピ−カ−用
振動板の断面図。
【図9】比較例2の方法を示す工程図と膜の割れをしめ
す図。
【図10】実施例1〜3と、比較例1の周波数音圧特性
を示すグラフ。
【図11】本発明の方法で製作した2層構造のスピ−カ
−用振動板の断面図。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 冷却支持台 3 冷却水 4 基体 5 フィラメント 6 電極 7 電源 8 ガス導入口 9 真空排気口 10 圧力計

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高硬度の粒子が、該粒子より低硬度のマ
    トリックスの中に分散されていることを特徴とするスピ
    −カ−用振動板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、高硬度の粒子が、該
    粒子より低硬度のマトリックスの中に分散されている第
    1層と、第1層の上に堆積された気相合成ダイヤモンド
    である第2層とからなる事を特徴とするスピ−カ−用振
    動板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、高硬度の粒
    子が、該粒子より低硬度のマトリックスの中に分散され
    ている第1層と、第1層の上に堆積された気相合成ダイ
    ヤモンドである第2層とからなり、半球状であって凸側
    になる第2層のダイヤモンドの面粗度がRa:5μm以
    下である事を特徴とするスピ−カ−用振動板。
  4. 【請求項4】 気相合成ダイヤモンド膜よりなる第1層
    と、第1層の上に形成された高硬度の粒子が、該粒子よ
    り低硬度のマトリックスの中に分散されている第2層
    と、第2層の上に堆積された気相合成ダイヤモンドであ
    る第3層とからなる事を特徴とするスピ−カ−用振動
    板。
  5. 【請求項5】 請求項4において、該振動板が半球状で
    あって、凸側になる、第2層もしくは第3層のダイヤモ
    ンドの面粗度がRa:5μm以下であることを特徴とす
    るスピ−カ−用振動板。
  6. 【請求項6】 半球状の振動板形状を持つ基材の上に、
    高硬度の粒子を付着させ、低硬度のマトリックス材を基
    材の上に膜状に形成し、該マトリックス中に高硬度粒子
    を分散して保持し、基材を溶解除去して、マトリックス
    中に高硬度粒子が分散した独立の膜を得ようとしたこと
    を特徴とするスピ−カ−用振動板の製造方法。
  7. 【請求項7】 半球状の振動板形状を持つ基材の上に、
    高硬度の粒子を付着させ、低硬度のマトリックス材を基
    材の上に気相合成法によって膜状に形成し、該マトリッ
    クス中に高硬度粒子を分散して保持し、基材を溶解除去
    して、マトリックス中に高硬度粒子を分散した独立の膜
    を得ようとしたことを特徴とするスピ−カ−用振動板の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、該基材がS
    i、Mo、Wのいずれかであることを特徴とするスピ−
    カ−振動板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8において、該高硬度粒子が、ダイヤモンド、c−B
    N、B4 C、SiCのなかの少なくとも1種類を含むこ
    とを特徴とするスピ−カ−用振動板。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9において、該低硬度のマトリックス材が、非
    晶質炭素、グラファイト、エポキシ樹脂、PMMA、P
    ETPのなかの少なくとも1種類を含むことを特徴とす
    るスピ−カ−用振動板。
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