JPH06275600A - 薄膜作製方法および装置 - Google Patents

薄膜作製方法および装置

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JPH06275600A
JPH06275600A JP5064343A JP6434393A JPH06275600A JP H06275600 A JPH06275600 A JP H06275600A JP 5064343 A JP5064343 A JP 5064343A JP 6434393 A JP6434393 A JP 6434393A JP H06275600 A JPH06275600 A JP H06275600A
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JP
Japan
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forming chamber
film
film forming
flow rate
gas
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JP5064343A
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English (en)
Inventor
Atsushi Sekiguchi
敦 関口
Akimi Tobe
了己 戸部
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Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電体から成りプラズマ生成に使用される中
空容器10と、中空容器の周囲に設けられ中空容器に高周
波電力を印加する手段14と、中空容器と連通している成
膜室12と、成膜室の周囲に設けられ成膜室内にマルチカ
スプ磁場を形成する手段16と、中空容器及び成膜室を真
空排気する手段22と、成膜室に原料ガスを供給する手段
24とを具える薄膜作製装置を用い、かつ、原料ガスとし
てシランガス及び酸素ガスを用いて、下地上に熱酸化膜
と同等若しくはそれと近い酸化シリコン膜を作製できる
方法の提供。 【構成】 酸素ガスの流量/シランガスの流量で示され
る流量比を1.4〜2.0の範囲の値とする。酸化シリ
コン膜形成時の成膜室内の圧力を20mTorr以下と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、原料ガスとしてシラ
ンガス及び酸素ガスを用いるプラズマCVD法による酸
化シリコン膜の作製方法およびこれに用いて好適な装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体装置の製造分野では種々の
部分で酸化シリコン膜が使用されている。また、シリコ
ン基板やシリコン薄膜を所定の温度の酸素熱雰囲気中で
処理するいわゆる熱酸化法により作製される酸化シリコ
ン膜(以下、「熱酸化膜」と略称する。)が、良好な特
性を有するため、多用されている。しかし、半導体装置
の製造に当たっては、酸化シリコン膜を作製したいもの
(以下、「下地」という。)の耐熱性や構造等の種々の
理由から、下地に熱酸化法以外の他の方法で酸化シリコ
ン膜を作製する必要が多々ある。そこで、そのための一
つの方法として、従来から、プラズマCVD法が用いら
れている。その場合の原料ガスとしては、一般に、シラ
ンガスとN2 Oガス(或いはCO2 、CO、NOガス)
との混合ガスが用いられていた(例えば文献「超LSI
総合辞典」、(株)サイエンスフォーラム発行(昭和6
3年),p.722)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラズマC
VD法により酸化シリコン膜を作製する場合、その原料
ガスとしてシランガス及び酸素ガスを用いることも考え
られる。それは、例えば上記N2 Oガスを用いる場合に
比べ窒素を含まない分、化学結合として良質な酸化シリ
コン膜が得られると考えられるからである。しかし、シ
ランガス及び酸素ガスを原料ガスとして用いた場合、こ
の出願に係る発明者の経験によれば、その形成条件を適
正化しないと例えば以下に説明する(i) 及び(ii)等の問
題が生じるため、熱酸化膜と同等若しくはそれに近い酸
化シリコン膜を得ることができないことが分かった。
【0004】(i) 成膜室内の気相中で微粉(SiOx
が発生してしまい、そのため膜中にこの微粉が取り込ま
れたり、ひどい時には膜とならず微粉が積もった形状に
なってしまう。
【0005】(ii)膜中に微粉が取り込まれた酸化シリコ
ン膜では、膜の表面があれる、膜中に空孔が発生する、
膜中に膜の密度むらが生じることが起きるため、膜の吸
湿性が増大したり、電気的特性の劣化例えばリーク電流
の増大、絶縁破壊電圧の低下等を招いてしまう。
【0006】また、原料ガスとしてシランガス及び酸素
ガスを用いたプラズマCVD法において、熱酸化膜と同
等若しくは近似の酸化シリコン膜を工業的なスループッ
トで形成できる具体的な条件は、この出願に係る発明者
の知る限りいままでのところ示されていなかった。
【0007】また、下地が凹部を有するものの場合で、
この凹部にプラズマCVD法により酸化シリコン膜を埋
め込み作製しようとした場合、特に凹部がアスペクト比
の高いものであると、原料ガスの種類によらず、前記凹
部内若しくは凹部上方の酸化シリコン膜部分中にす(以
下、空隙部ともいう。)が生じることが知られている。
このような空隙部の発生は防止する必要があるが、原料
ガスとしてシランガス及び酸素ガスを用いたプラズマC
VD法において上記空隙部の発生を防止若しくは軽減で
きる具体的な条件は、この出願に係る発明者の知る限り
いままでのところ示されていなかった。
【0008】また、プラズマCVD法において下地にバ
イアスを印加する場合、このバイアス用高周波電源の使
用周波数とプラズマ生成部側の高周波電源の使用周波数
とを考慮しないと、プラズマ生成部側からの高周波電力
とバイアス用電源からの高周波電力とが干渉してプラズ
マの不安定性を招くことがこの出願に係る発明者の実験
により明らかになった。
【0009】この出願はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従ってこの出願の第一発明の第一の目的は、
原料ガスとしてシランガス及び酸素ガスを用いたプラズ
マCVD法により熱酸化膜と同等若しくはそれに近い酸
化シリコン膜を作製できる方法を提供することにある。
さらにこの第一発明の第二の目的は、熱酸化膜と同等若
しくはこれに近い酸化シリコン膜を工業的なスループッ
トで作製できる方法を提供することにある。さらにこの
第一発明の第三の目的は、凹部を有するものである場合
にもその下地上に形成される酸化シリコン膜に空隙部が
生じないかその程度が少ない方法を提供することにあ
る。さらにこの第一発明の第四の目的はプラズマCVD
法において下地にバイアスを印加する場合、プラズマ生
成部側からの高周波パワーとバイアス用の高周波パワー
との干渉に起因するプラズマの不安定性を改善できる方
法を提供することにある。また、この出願の第二発明の
目的は第一発明の実施に好適な薄膜作製装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明によれば、誘電体で構成されプラズマ生成
に使用される中空容器と、この中空容器の周囲に設けら
れこの中空容器に高周波電力を印加するための手段と、
前述の中空容器と連通している成膜室と、前述の成膜室
の周囲に設けられ前述の成膜室内にマルチカスプ磁場を
形成するための手段と、前述の中空容器及び成膜室を真
空排気するための手段と、前述の成膜室に原料ガスを供
給するための手段とを具えるプラズマCVD装置を用
い、かつ、前述の原料ガスとしてシランガス及び酸素ガ
スを用いて、下地上に酸化シリコン膜の薄膜を作製する
に当たり、酸素ガスの流量/シランガスの流量で示され
る流量比を1.4〜2.0の範囲の値とし、酸化シリコ
ン膜形成時の成膜室内の圧力を20mTorr以下(高
くとも20mTorr)とすることを特徴とする。
【0011】なお、この発明において下地とは、酸化シ
リコン膜を形成したい種々のものを意味する。例えば、
半導体基板、この基板に素子などの中間体が既に作り込
まれているものなどを挙げることができる。また、ここ
で述べた20mTorr以下という圧力条件は、後に説
明するように、実用的な膜質の酸化シリコン膜を得るた
めの一因として規定したものであるが、目的とする膜質
と、圧力を過度に低くすることによる弊害(例えばプラ
ズマ生成ができないような低圧力(例えば0.1mTo
rr)であってはならない等)とを比較考量して決める
のが良い(以下の10mTorr以下、5mTorr以
下の各圧力条件において同じ。)。
【0012】また、この発明の実施に当たり、前述のシ
ランガスの流量を140sccm以上(少なくとも14
0sccm)とするのが好適である。なお、ここで述べ
た140sccm以上というシランガスの流量条件は、
後に説明するように、酸化シリコン膜を目的とする膜質
を維持しつつ、ある程度の工業的な堆積速度で堆積でき
るよう規定したものであるが、この条件における上限は
目的とする堆積速度と流量を過度に多くしたことによる
弊害(例えば排気手段の排気能力の限界(例えば1.5
slm)を越えてはならない等)とを比較考量して決め
るのが良い。
【0013】また、この発明の実施に当たり、前述の下
地が凹部を有するものの場合は、成膜時の成膜室内の圧
力を10mTorr以下(高くとも10mTorr)と
するのが好適である。また、場合によっては5mTor
r以下(高くとも5mTorr)とするのが好適であ
る。
【0014】また、この発明の実施に当たり、前述の下
地にバイアス電力を印加する場合は、該バイアス電力の
周波数とプラズマ生成に使用される高周波電力の周波数
との差を500Hz以上とするのが好適である。
【0015】またこの出願の第二発明によれば、誘電体
で構成されプラズマ生成に使用される中空容器と、この
中空容器の周囲に設けられこの中空容器に高周波電力を
印加するための手段と、前述の中空容器と連通している
成膜室と、前述の成膜室の周囲に設けられ前述の成膜室
内にマルチカスプ磁場を形成するための手段と、前述の
中空容器及び成膜室を真空排気するための手段と、前述
の成膜室に原料ガスを供給するための手段とを具える薄
膜作製装置(プラズマCVD装置)において、前述の原
料ガスを供給するための手段として、シランガスを14
0sccm以上の所定の流量に制御し、かつ、酸素ガス
を前述のシランガスの流量に対し1.4〜2.0倍の範
囲の流量に制御する手段を具え、前述の真空排気手段と
して、前述のシランガス及び酸素ガスの供給状態におい
て前述の成膜室の圧力を少なくとも5mTorr以下と
し得る真空排気手段を具えたことを特徴とする。
【0016】
【作用】この発明の構成によれば、成膜時の成膜室の圧
力を20mTorr以下としているので、後に詳細を述
べるように少なくとも微粉が生じることなくかつ表面状
態の点において実用上問題のない酸化シリコン膜の作製
条件がまず確保される。そしてさらに、酸素ガスの流量
/シランガスの流量で示される流量比を1.4〜2.0
の範囲とする。流量比がこの範囲より大きいと(酸素ガ
スの流量に対するシランガスの流量が少なすぎると)、
成膜時にH2 Oが生じてこれが酸化シリコン膜中に含ま
れ。また、上記流量比が上記範囲より小さいと(酸素ガ
スの流量に対するシランガスの流量が多すぎると)、シ
リコン過多による結合が酸化シリコン膜中に含まれる。
しかし、流量比を1.4〜2.0の範囲とするこの発明
ではこれら不具合を防止できる。
【0017】さらに、シランガスの流量を140scc
m以上とする構成では、酸化シリコン膜を少なくとも6
00nm/分以上の堆積速度で下地上に堆積できる。
【0018】さらに、下地が凹部を有する場合に成膜時
の成膜室の圧力を10mTorrとする構成の場合、圧
力がこれより高い場合にくらべ、シース効果により、プ
ラズマと下地面との距離が長くなる。その結果、下地に
堆積する荷電粒子の指向性が高まるので、下地面に垂直
な方向への堆積速度が、下地の凹部の側壁への堆積速度
よりも速くなる。その上、酸化シリコン膜は、堆積と同
時に指向性の強い荷電粒子によりスパッタされる。この
際、スパッタの速度は、下地に平行な面よりも、下地に
対し斜めの面の方が速い。従って、荷電粒子の指向性の
向上による堆積速度およびスパッタ速度の相乗効果によ
り、下地の垂直方向に向かってより選択的に酸化シリコ
ン膜は堆積するようになる。
【0019】さらに、バイアス電力の周波数とプラズマ
生成に使用される高周波電力の周波数との差を500H
z以上とする構成では、両電力の干渉が防止若しくは低
減される。
【0020】この出願の第二発明によれば第一発明の実
施を容易にする。
【0021】
【実施例】以下、第一発明の薄膜(酸化シリコン膜)の
作製方法の実施例及び第二発明の薄膜作製装置の実施例
について説明する。
【0022】1.薄膜作製装置の説明 先ず、第一発明の酸化シリコン膜の作製方法の実施に好
適な薄膜作製装置の構成例(第二発明の薄膜作製装置の
一例)について説明する。図1はこの装置の構成が理解
できる程度に主な構成成分及びそれらの配置関係を概略
的に示したブロック図である。
【0023】この薄膜作製装置は、誘電体で構成されプ
ラズマ生成に使用される中空容器10と、この中空容器
10と連通している成膜室12とを具えている。
【0024】中空容器10は、この実施例の場合、内径
10cmの石英ガラス管10であって一端が閉じられ他
端が成膜室12と接続される石英ガラス管10で構成し
てある。この石英ガラス管10の周囲には高周波電力印
加用の手段14の一構成成分としてのアンテナ14aを
配置してある。このアンテナ14aには高周波電力印加
用手段14の他の構成成分としての高周波電源14b
(図1ではマッチングボックスの図示は省略してある)
を接続してある。
【0025】ここで、アンテナ14aを、この実施例で
は図2に拡大図をもって示したように、中空容器(石英
ガラス管。図1参照)10の周方向にループ状に配置さ
れた第1のループ状アンテナ14aaと、この第1のル
ープ状アンテナ14aaから中空容器10の軸方向に所
定距離離れた位置に第1のループ状のアンテナ同様に設
けられた第2のループ状アンテナ14abとで構成して
いる。第1及び第2のループ状アンテナ14aa,14
abは、フィーダ部14c及びマッチングボックス14
dを介し高周波電源14bと接続してある。ただし、こ
れらループ状アンテナ14aa,14abと高周波電源
14bとは、両ループ状アンテナ14aa,14abの
一方において高周波電流iが中空容器10の周囲を時計
方向でもって通過し他方においては反時計方向でもって
通過するように接続してある。なお、図2において、B
1 及びB2 はアンテナ使用時に形成される磁場の向きで
あり、E1 及びE2 は電界の向きである。また、この場
合の高周波電源14bは、アンテナ14aに10〜30
00Wの任意の出力で13.560MHzの周波数の高
周波電力を印加できるものとしてある。
【0026】この図1の装置の場合、中空容器10及び
高周波電力印加用手段14によりプラズマ生成部が構成
される。このプラズマ生成部で生成されたプラズマは成
膜室12に至る。
【0027】一方、成膜室12は、この実施例の場合、
非磁性材料(例えばアルミニウム)で構成された内径3
6cm、高さ23cmの室で構成してある。この成膜室
12の周囲には、この成膜室12内にマルチカスプ磁場
(ラインカスプ磁場)を形成するための手段16とし
て、24極(12対)の永久磁石16を配置してある。
上記プラズマ生成部から成膜室12に至ったプラズマ
は、この成膜室12において、上記マルチカスプ磁場に
よって壁面から離されて閉じ込められる。閉じ込められ
たプラズマの密度はラングミュアプローブによって測定
できる。
【0028】また、成膜室12には、この実施例の場
合、排気用のチャンバー18、バルブ20を介し真空排
気手段22を接続してある。成膜室12及び中空容器1
0のそれぞれの内部は、この真空排気手段22によって
真空排気される。この真空排気手段22は、成膜室12
内の圧力を少なくとも5mTorr以下の圧力とし得る
能力を有するもので構成するのが好適である。この実地
例ではこの真空排気手段22を、大阪真空機器製TGI
1300(商品名)複合型ターボ分子ポンプ(排気速
度:1300l/秒)22aと、アルカテル製油回転ポ
ンプT2063A(商品名)(排気速度:1180l/
分)22bとで構成している。なお、各ポンプは上記例
示のものにもちろん限られない。例えば、ターボ分子ポ
ンプとして、日電アネルバ製のTH3003(商品名)
ターボ分子ポンプを使用しても良い。
【0029】さらに、この成膜室12の底から上方7c
mの位置にはこの成膜室12内の圧力を測定するための
真空計として高精度ダイヤグラム真空計(図示せず)を
設置してある。
【0030】さらに、この成膜室12には、成膜室12
内に原料ガスとしてのシランガス(SiH4 )及び酸素
ガスを供給するための原料ガス供給手段24を接続して
ある。この実施例では原料ガス供給手段24を、シラン
ガス供給用の系24a及び酸素ガス供給用の系24bで
構成してある。各々のガス供給系24a,24bにはマ
スフローコントローラ(図示せず)がそれぞれ設けてあ
り、原料ガス種毎に流量をそれぞれ個別に制御すること
ができる構成としてある。この実施例では、マスフロー
コントローラとしてエステック製マスフローコントロー
ラ、SEC−4400(商品名)を用いている。
【0031】さらに、成膜室12内には下地26を装着
するための下地ホルダ28を設けてある。この下地ホル
ダ28を、この実施例では、成膜室12の底から上方2
cmの位置に設けてある。また、この下地ホルダ28内
部には、ヒータ30および冷却パイプ(図示せず)を設
けてあ。下地ホルダ28に装着される下地26は、これ
らヒータ28及び冷却パイプにより、必要に応じ加熱で
き又は冷却できる。また、この基板ホルダー28には、
下地26に必要に応じバイアス電力を印化することがで
きるようバイアス用高周波電源32を接続してある。こ
の実施例では、このバイアス用高周波電源32を、プラ
ズマ源側の高周波電源14bで使用している周波数に対
し少なくとも500Hzの周波数差をもった周波数の高
周波電力を所望の範囲の任意の出力で供給できるものと
している。具体的には、周波数13.562MHzの高
周波電力を出力できる電源すなわち、プラズマ源側の高
周波電源14bに対し2KHz高い周波数の高周波電力
を出力できる電源としている。
【0032】また、この第二発明の薄膜作製装置は、プ
ラズマ生成部に磁場発生手段を具えた構成としても良
い。図3はそのような装置の構成を図1同様に概略的に
示したブロック図である。図1を用いて説明した装置
の、プラズマ生成に使用される中空容器10の周囲にこ
の中空容器10と同軸となるようにソレノイドコイル3
4を配置したものである。このソレノイドコイル34
は、内側ソレノイドコイル(以下、INコイルと略称
す)34aと外側ソレノイドコイル(以下、OUTコイ
ルと称す)34bとで構成してある。ただし、INコイ
ル34aとOUTコイル34bとには、それぞれ互いに
逆向きに電流を流すことによって、互いに逆向き磁場を
形成させる。ソレノイドコイル34を設けた構成の場
合、そうしない場合にくらべ、中空容器10で生成され
た荷電粒子を成膜室12へ効率的に導く効果が得られ
る。このため、ソレノイドコイル34を配置することに
より、成膜室12におけるプラズマ密度を上昇させて放
電の安定性を向上させることができ、また、酸化シリコ
ン膜の堆積速度を上げることができる。この出願に係る
発明者が行った実験では、ソレノイドコイル34を配置
した場合、ソレノイドコイル34を配置しない場合に比
べて、堆積速度が10%以上向上することが確認され
た。
【0033】2.酸化シリコン膜の作製方法の説明 次に、図3を用いて説明したCVD装置を用い、かつ、
原料ガスとしてシランガス及び酸素ガスを用いて、下地
上に酸化シリコン膜を作製する実施例について説明す
る。なお、この成膜実験においては、マルチカスプ磁場
の形成のされ具合、成膜室の圧力、酸素ガスの流量/シ
ランガスの流量で表わされる流量比、原料ガスの流量、
プラズマ源用及びバイアス用の各高周波電源が、作製さ
れる酸化シリコン膜にどのように影響するかをそれぞれ
調べている。以下、これらのパラメータについてそれぞ
れ説明する。なお、以下の実施例ではこの酸化シリコン
膜の形成に当たって下地の加熱は特におこなっていな
い。
【0034】2−1.マルチカスプ磁場について 酸化シリコン膜の本来の評価をする上で膜厚分布をある
水準に保つことは好ましい。この膜厚分布はマルチカス
プ磁場の形成のされ具合により主に影響されることがわ
かったので、マルチカスプ磁場形成手段として用いてい
る永久磁石16(図3参照)の配置を適正化したり、成
膜室12内の適所に鉄板を補強するなどして、磁場の適
正な補正を行い、とりあえず、下地として6インチシリ
コンウエハを用いた場合で±8%の膜厚分布が得られる
水準まで改善した。なお、膜厚分布に対する下地のバイ
アス効果を確認するために6インチシリコン基板に3K
Wのバイアス電力を印加した場合と、全くバイアスを印
加しない場合との比較を行ってみたところ、両者に本質
的な差はみられなかった。
【0035】2−2.成膜室の圧力について 酸化シリコン膜の本来の評価をする上で評価対象価値の
ある酸化シリコン膜が得られる成膜時の成膜室12内の
圧力はどの程度なのかについて、次のように調べる。す
なわち、成膜時の成膜室12内の圧力を種々に違えた場
合それぞれで、シリコン基板上に酸化シリコン膜を作製
する。そして、形成された各酸化シリコン膜にHe−N
e(ヘリウム−ネオン)レーザ光をそれぞれ照射しその
膜表面からの散乱光を観察する。一般に、表面状態が良
好な薄膜の場合は上記のレーザ光照射を行っても膜表面
からの散乱光が観察されないので、散乱光が確認されな
い試料が得られる成膜時の圧力を調べたところ、20m
Torr以下であれば良いことがわかった。また、成膜
時の成膜室の圧力を20mTorr以下とした場合発明
者が問題としていた微粉は生じなく成ることがわかっ
た。これらのことから、各実験における成膜時の圧力は
20mTorr以下の適正な条件に設定することとし
た。
【0036】2−3.原料ガスの流量比について 次に、酸素ガスの流量/シランガスの流量で示される流
量比(以下、単に「流量比」と称することもある。)を
種々(図4参照)に違えた場合それぞれで、シリコン基
板上に酸化シリコン膜をこの場合各々400nmの膜厚
に作製する。ただし、成膜に当たっては、シランガスの
流量を80sccmに固定して、酸素ガスの流量を変化
させる。また、成膜時は、成膜室の圧力を7.5mTo
rr、アンテナに印加する高周波電源の電力を2.0k
Wとし、ソレノイドコイルのINコイルに15A、OU
Tコイルに10Aの電流をそれぞれ流す。
【0037】次に、作製された各シリコン薄膜の屈折率
をそれぞれ測定する。屈折率は、溝尻光学製のエリプソ
メーターを用い測定する。
【0038】図4に、ここでの実験の結果を、横軸に流
量比をとり、縦軸に作製された酸化シリコン膜の屈折率
をとって示した。Si−O結合のみからなる酸化シリコ
ン膜の屈折率は1.46を示すことが知られている。ま
た、通常、実用とされる酸化シリコン膜の屈折率は1.
45〜1.48の範囲の値である。そして、熱酸化法に
より作製される良質な酸化シリコン膜もこの程度の屈折
率を示すことが知られている。これを、図4の結果に照
らしてみると、原料ガスとしてシランガス及び酸素ガス
を用いたプラズマCVD法により酸化シリコン膜を形成
する場合、成膜室に供給する原料ガスの、酸素ガスの流
量/シランガスの流量で示される流量比を、1.4〜
2.0の範囲の値として酸化シリコン膜を形成すると、
屈折率が1.46のシリコンを酸化膜が得られることが
わかる。これに対し流量比を1.4よりも小さくした場
合は、良質な酸化シリコン膜の屈折率より大きな屈折率
を示す膜が作製される。これはこの条件であるとシリコ
ン過多のために、Si−O結合以外の結合が生じたため
である。また、流量比を2.0よりも大きくした場合
は、良質な酸化シリコン膜の屈折率より小さな屈折率を
示す膜が作製される。これは、この条件であると酸素が
過剰となるので副反応としてH2 Oが生じるためであ
る。シリコン過多の場合や酸素過剰の場合の上述の考察
は、赤外吸光分光分析を行うことにより得られる。以下
にその一例を示す。
【0039】図5は、図4のデータを得た各試料のうち
の、流量比を2.0とした場合、及び0.9とした場合
の各々の条件で堆積した酸化シリコン膜の赤外吸光分光
分析の結果のスペクトルパターンをそれぞれ示したもの
である。赤外吸光分光分析は、パーキンエルマー製のF
TIR1760X(商品名)フーリエ変換赤外吸収分光
分析装置を用いて行った。図5中、流量比が2.0の場
合のスペクトルパターンを曲線Iで示し、流量比が0.
9の場合を破線の曲線IIで示している。グラフの横軸
は波数(cm-1)を示し、縦軸は吸光係数を示してい
る。流量比が0.9の場合には、流量比が2.0の場合
に比べて、スペクトルパターンの波数1080cm-1
470cm-1のSi−O結合に起因するピークの高さが
減少し、一方、波数880cm-1のSi2 3 の前駆体
に起因するピークの高さが増大している。また、217
0cm-1、2360cm-1に、Si−H結合に起因する
ピークが観察されるようになる。この結果から、流量比
が0.9の場合は、シリコン過多の状態になっているこ
とが推測できる。
【0040】また、この2−3項の実験結果をまとめる
ことで、酸素ガスとシランガスとの流量比が酸化シリコ
ン膜の堆積速度にも影響することがわかった。図6に、
原料ガスの流量比と酸化シリコン膜の堆積速度との関係
の測定結果をプロットしたグラフを示す。図6のグラフ
の横軸は流量比を示し、縦軸は堆積速度を示している。
グラフから、流量比が1.4よりも小さくなると、堆積
速度が減少してくることがわかる。このことは、図4に
示した測定結果も考慮すると、酸化シリコン膜中の酸素
含有量が少ないために堆積速度が減少していると考えら
れる。
【0041】また、流量比をこの発明の範囲とした条件
で形成した酸化シリコン膜をBHF(緩衝フッ酸)を用
いエッチングしたところ、熱酸化膜並みのエッチング速
度でエッチングが行われることがわかった。
【0042】図4〜図6に示した測定結果及び上記BH
Fによるエッチング結果から、熱酸化膜と同等若しくは
それと近い酸化シリコン膜を得るには、流量比を1.4
〜2.0の範囲とする必要があることが理解できる。
【0043】2−4.原料ガスの流量について 次に、原料ガスの流量が酸化シリコン膜の堆積速度にど
のように影響するかを調べる。良質な酸化シリコン膜を
工業的な堆積速度で形成できる条件が得られれば非常に
有用だからである。
【0044】そのため、ここでは、酸素ガスの流量/シ
ランガスの流量で示される流量比をこの発明の範囲内の
2.0と一定にした条件でこれらガスの総供給量を種々
に(図7参照)違えた場合それぞれで、シリコン基板上
に酸化シリコン膜をそれぞれ形成する。ただし、成膜に
当たっては、次の(1) 及び(2) の2つの条件を設定す
る。
【0045】(1).成膜時の成膜室の圧力を7.5mTo
rr、アンテナに印加する高周波電源の電力を2.0K
Wとし、ソレノイドコイルのINコイルに15A、OU
Tコイルに10Aの電流をそれぞれ流す条件。
【0046】(2) .上記(1).の条件において成膜時の成
膜室の圧力のみを14mTorrとする条件。
【0047】図7にここでの実験結果を、横軸に原料ガ
スの流量(sccm)をとり、縦軸に酸化シリコン膜の
堆積速度(nm/分)をとって、示した。ただし、図7
中、成膜時の成膜室圧力を14mTorrした場合の測
定値を黒四角印でプロットし、同圧力を7.5mTor
rとした場合の測定値を黒丸印でプロットしてある。図
7のグラフから堆積速度は成膜時の成膜室の圧力には依
存せず、原料ガスの流量に依存することがわかる。
【0048】次に、この結果を考察する。例えば半導体
装置を製造する分野においては、酸化シリコン膜の形成
にあたって経済的理由から堆積速度を挙げることが要請
されている。特に、堆積速度が600nm/分以上であ
ることが求められている。この堆積速度を達成するため
には、図7に示した測定結果から、成膜室に原料ガスを
420sccm以上導入することが必要であることがわ
かる。ここで、この実験結果は、酸素ガスの流量/シラ
ンガスの流量で示される流量比を2.0として求めたも
のであるから、シランガスの流量は420/3=140
sccm以上導入する必要があることが理解できる。し
かし、図6に示した測定結果から、流量比が2.0から
1.4に減少しても堆積速度はほぼ一定であることがわ
かる。従って、流量比が1.4〜2.0の範囲では、シ
ランガスの流量を140sccm以上とすることによっ
て、600nm/分の堆積速度を達成することができ
る。
【0049】2−5.下地が凹部を有するものの場合に
ついて 次に、下地が凹部(凹凸を連続して有する場合も含む)
を有するものの場合でこの凹部にこの発明の薄膜作製方
法により酸化シリコン膜を埋め込み形成する場合、その
形成条件によって凹部の埋め込み具合がどのように変わ
るかを以下のように調べる。この説明を図8(A)〜
(C)を参照して行う。これら図はいずれも試料の断面
図によって示してある。
【0050】先ず、凹部を有する下地として、この場
合、1μmライン・アンド・スペースパタン40であっ
て、然も、ライン部42が矩形状でかつその高さが1μ
mのアルミニウムパターンを有する下地40を少なくと
も2個用意する(図8(A)参照)。なお、この場合は
スペース部44が凹部に相当する。
【0051】次に、これらの下地を2つの群に分け、一
方の群については、これを図3に示したCVD装置の成
膜室12の下地ホルダ28に装着後、アンテナに印加す
る電力を3.0KW、バイアス電力を1.4KWとし、
酸素ガス流量を160sccm、シランガスの流量を8
0sccmとし、ソレノイドコイルのINコイルに15
A、OUTコイルに10Aの電流をそれぞれ流して、か
つ、成膜時の成膜室の圧力を7.5mTorrとした条
件で、10分間酸化シリコン膜を堆積させる。また、他
方の群の下地については、成膜時の成膜室の圧力を13
mTorrとしたこと以外は、上記一方の群の下地へ酸
化シリコン膜を堆積させたと同様な条件で酸化シリコン
膜を堆積させる。
【0052】堆積が終了した各試料それぞれの断面をS
EMにより観察する。図8(B)は成膜時の成膜室の圧
力を7.5mTorrとして、堆積した酸化シリコン膜
46のSEM写真を模写した図である。この場合、酸化
シリコン膜46中には空隙部は認められなかった。一
方、図8(C)は成膜時の成膜室の圧力を13mTor
rとして、堆積した酸化シリコン膜46のSEM写真を
模写した図である。この場合、酸化シリコン膜46の、
下地40の凹部44上に形成された部分に、す(空隙
部)48が生じていることが認められた。また、この出
願に係る発明者の詳細な実験によれば、1μm程度のラ
インアンドスペースパタンを有する下地上にこの発明の
方法で酸化シリコン膜を形成する場合成膜時の成膜室の
圧力を10mTorr以下としておくことで空隙部のな
い良質な酸化シリコン膜を形成できることがわかった。
また、ハーフミクロンオーダのラインアンドスペース上
にこの発明の方法で酸化シリコン膜を形成する場合は、
成膜時の成膜室の圧力を5mTorr以下好ましくは3
mTorr以下とするのが良いことがわかった。
【0053】2−6.プラズマ源用高周波電源とバイア
ス用高周波電源とについて 一般に、MHz程度の高周波電力の周波数を厳密に制御
することは困難である。このため、薄膜作製装置におい
て、アンテナに印加する高周波の周波数と基板に印加す
るバイアス電力の周波数とを厳密に一致させることは困
難である。アンテナに印加する周波数とバイアス電力の
周波数とが僅かにずれると、成膜室において両電源から
の電力同士が干渉しこれが原因でプラズマが不安定にな
り易い。これは安定な放電を行う場合の支障になる。こ
れを防止するには、両電源で使用する周波数にある値以
上の差を持たせれば良いをことがわかった。そして、両
電源で使用する周波数に500kHz以上の差をもたせ
れば良いことがわかった。
【0054】上述においては、この発明を、特定の材料
を使用し、また、特定の条件で形成した例につき説明し
たが、それらはこの発明の範囲の一例であり、多くの変
更および変形を行うことができる。例えば、上述した実
施例では、アンテナとして図2を参照して説明したヘリ
コン波励起に好適なアンテナを用いていたが、アンテナ
は中空容器10に高周波電力を印加できプラズマ生成が
可能なものであれば他のものでも良い。例えば、中空容
器10の周囲に螺旋状に巻いたコイル状のアンテナを使
用しも良い。
【0055】
【発明の効果】この発明の薄膜作製方法によれば、成膜
時の成膜室の圧力を所定圧力とし、かつ、酸素ガスの流
量/シランガスの流量で示される流量比を所定範囲とし
ているので、原料ガスとしてシランガス及び酸素ガスを
用いるプラズマCVD法により、熱酸化膜と同等の酸化
シリコン膜が得られる。
【0056】また、シランガスの流量を140sccm
以上とする構成では、酸化シリコン膜を少なくとも60
0nm/分以上の堆積速度で下地上に堆積できる。これ
は、例えば、1時間当たり少なくとも25枚のウエハを
処理し得る成膜能力であるので、工業的なスループット
が実現できる。
【0057】また、下地が凹部を有する場合に成膜時の
成膜室の圧力を10mTorrとする構成の場合、圧力
がこれより高い場合にくらべ、下地の垂直方向に向かっ
てより選択的に酸化シリコン膜は堆積するようになるの
で、形成される酸化シリコン膜中に空隙部が生じにくく
できる。
【0058】また、バイアス電力の周波数とプラズマ生
成に使用される高周波電力の周波数との差を500Hz
以上とする構成では、両電力の干渉によりプラズマが不
安定になることを防止若しくは低減できる。このため、
安定な成膜が期待できる。
【0059】したがって、この発明の薄膜作製方法は半
導体装置製造での層間絶縁膜や保護膜として使用される
酸化シリコン膜の品質向上に寄与できると考えられる。
【0060】また、この出願の第二発明の薄膜作製装置
は第一発明の方法を簡易に実施できるものである。ま
た、高周波マグネトロンプラズマやECR(電子サイク
ロトロン共鳴)プラズマを利用する装置に比べて、装置
を小型化することができ、このため、クリーンルームの
占有面積を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の薄膜作製方法の実施に好適な装置の
説明図である。
【図2】アンテナの一例の説明に供する図である。
【図3】この発明の薄膜作製方法の実施に好適な他の装
置例の説明図である。
【図4】原料ガスの流量比と形成される酸化シリコン膜
の屈折率との関係を示す図である。
【図5】実施例及び比較例の条件でそれぞれ形成した酸
化シリコン膜の赤外吸光分光分析結果を示した図であ
る。
【図6】原料ガスの流量比と形成される酸化シリコン膜
の成膜速度との関係を示す図である。
【図7】原料ガスの流量と形成される酸化シリコン膜の
成膜速度との関係を成膜時の成膜室の圧力をパラメータ
として示した図である。
【図8】(A)〜(C)は、下地が凹部を有するもので
ある場合の成膜条件において成膜室の圧力依存性の説明
に供する図である。
【符号の説明】
10:誘電体で構成されプラズマ生成に使用される中空
容器 12:成膜室 14:プラズマ源の高周波電力印加手段 14a:アンテナ 14aa:第1の
ループ状アンテナ 14ab:第2のループ状アンテナ 14b:高周波電
源 14c:フィーダ部 14d:マッチン
グボックス 16:マルチカスプ磁場形成手段(永久磁石) 18:排気用チャンバ 20:バルブ 22:真空排気手段 22a:ターボ分
子ポンプ 22b:油回転ポンプ 24:原料ガス供給手段 24a:シランガ
ス供給用の系 24b:酸素ガス供給用の系 26:下地 28:下地ホルダ 30:ヒータ 32:バイアス用
電源 40:凹部を有する下地(この場合ラインアンドスペー
スパタン) 42:ライン部 44:凹部 46:酸化シリコン膜 48:す(空隙
部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体で構成されプラズマ生成に使用さ
    れる中空容器と、前記中空容器の周囲に設けられ前記中
    空容器に高周波電力を印加するための手段と、前記中空
    容器と連通している成膜室と、前記成膜室の周囲に設け
    られ前記成膜室内にマルチカスプ磁場を形成するための
    手段と、前記中空容器及び成膜室を真空排気するための
    手段と、前記成膜室に原料ガスを供給するための手段と
    を具えるプラズマCVD装置を用い、かつ、前記原料ガ
    スとしてシランガス及び酸素ガスを用いて、下地上に酸
    化シリコン膜の薄膜を作製するに当たり、 酸素ガスの流量/シランガスの流量で示される流量比を
    1.4〜2.0の範囲の値とし、 酸化シリコン膜形成時の成膜室内の圧力を20mTor
    r以下とすることを特徴とする薄膜作製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜作製方法におい
    て、 前述のシランガスの流量を140sccm以上とするこ
    とを特徴とする薄膜作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の薄膜作製方法におい
    て、 前記下地が凹部を有するものの場合は、成膜室内の前記
    圧力を10mTorr以下とすることを特徴とする薄膜
    作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の薄膜作製方法におい
    て、 前記下地が凹部を有するものの場合は、成膜室内の前記
    圧力を5mTorr以下とすることを特徴とする薄膜作
    製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の薄膜作製方法おいて、 前記下地にバイアス電力を印加する場合は、該バイアス
    電力の周波数とプラズマ生成に使用される高周波電力の
    周波数との差を500Hz以上とすることを特徴とする
    薄膜作製方法。
  6. 【請求項6】 誘電体で構成されプラズマ生成に使用さ
    れる中空容器と、前記中空容器の周囲に設けられ前記中
    空容器に高周波電力を印加するための手段と、前記中空
    容器と連通している成膜室と、前記成膜室の周囲に設け
    られ前記成膜室内にマルチカスプ磁場を形成するための
    手段と、前記中空容器及び成膜室を真空排気するための
    手段と、前記成膜室に原料ガスを供給するための手段と
    を具える薄膜作製装置において、 前記原料ガスを供給するための手段として、シランガス
    を140sccm以上の所定の流量に制御し、かつ、酸
    素ガスを前記シランガスの流量に対し1.4〜2.0倍
    の範囲の流量に制御する手段を具え、 前記真空排気手段として、前記シランガス及び酸素ガス
    の供給状態において前記成膜室の圧力を少なくとも5m
    Torr以下とし得る真空排気手段を具えたことを特徴
    とする薄膜作製装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5721021A (en) * 1995-10-11 1998-02-24 Anelva Corporation Method of depositing titanium-containing conductive thin film
US5855685A (en) * 1995-10-09 1999-01-05 Anelva Corporation Plasma enhanced CVD apparatus, plasma enhanced processing apparatus and plasma enhanced CVD method
US5891349A (en) * 1995-10-11 1999-04-06 Anelva Corporation Plasma enhanced CVD apparatus and process, and dry etching apparatus and process
US6196155B1 (en) 1998-04-15 2001-03-06 Hitachi, Ltd. Plasma processing apparatus and method of cleaning the apparatus

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