JP6747846B2 - 半導体装置の製造方法、基板処理システムおよびプログラム - Google Patents

半導体装置の製造方法、基板処理システムおよびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理システムおよびプログラムに関する。
フラッシュメモリ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリデバイスや、ロジックデバイス等の半導体デバイスは、近年、高集積化が求められているが、そのためにはパターンの微細化が必須である。狭い面積に多くのデバイスを集積させるためには、個別デバイスのサイズを小さく形成しなくてはならない。このためには、形成しようとするパターンの幅と間隔との和であるピッチを小さくしなければならない。近年、半導体装置の製造方法の一工程として、基板の上に微細なパターンを形成し、これをマスクとしてエッチングを行うことによって該パターンの下層を加工してリソグラフィ技術以上に精細なパターンを形成する技術(パターン形成技術)が注目されている(例えば特許文献1参照)。
特開2009−272558号公報
基板上に微細パターンを形成するには、基板上に膜を形成する成膜処理が行われることがある。しかし、下層の加工に必要なハードマスクが数種類必要となり、工程が複雑となる場合がある。また、マスクとして形成された膜の断面形状が矩形で無い場合があり、ハードマスクの加工形状が乱れて、パターン転写精度が低くなる場合がある。本発明の目的は、基板上に微細パターンを形成する際、工程数を少なくすることが可能となるとともに、マスクに用いる膜としてコンフォーマルな膜を形成することにより、加工膜上のマスクパターンを矩形とし、精細な微細パターンを形成することが可能な技術を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
基板上に形成されたハードマスク上に、第1のエッチングレートを有する第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜を加工して形成された第1のパターンに対して、等方性プラズマを照射して前記第1のパターンを構成する第1の膜を、前記第1のエッチングレートより遅い第2のエッチングレートを有する第2の膜へ改質する工程と、
前記第2の膜および前記ハードマスク上に、前記第2のエッチングレートより速い第3のエッチングレートを有する第3の膜を形成する工程と、
前記第3の膜の上に、前記第1のエッチングレートおよび第3のエッチングレートより遅い第4のエッチングレートを有する第4の膜を形成する工程と、
前記基板の表面を平坦化する工程と、
前記平坦化した基板に対して異方性プラズマを照射して、前記第1の膜および前記第3の膜を除去して、前記第2の膜および前記第4の膜から構成され、前記第1のパターン小さいピッチを有する第2のパターンを形成する工程と、
前記第2のパターンをマスクとして、ハードマスクを加工する工程と、
を有する技術が提供される。
本発明によれば、基板上に微細パターンを形成する際、工程数を少なくすることが可能となるとともに、マスクに用いる膜としてコンフォーマルな膜を形成することにより、加工膜上のマスクパターンを矩形とし、精細な微細パターンを形成することが可能となる。
本発明の第1の実施形態で好適に用いられる膜形成装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 本発明の第1の実施形態で好適に用いられる膜形成装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を図1のA−A線断面図で示す図である。 本発明の第1の実施形態で好適に用いられるプラズマ処理装置の枚葉処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 図3の処理炉におけるプラズマ生成原理を説明する図である。 本発明の第1の実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。 SAQP法によるパターン形成を説明するプロセス概念図である。 本発明の第1の実施形態を説明するプロセス概念図である。 (a)は本発明の第1の実施形態における膜密度とエッチングレートとの関係を示す図であり、(b)は本発明の第1の実施形態における成膜温度と膜密度との関係と、比較例における成膜温度と膜密度との関係とを示す図である。 本発明の第1の実施形態における膜の改質方法と、熱処理による膜の改質方法とにおける、それぞれの深さ別エッチングレートの関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態における変形例1を説明するプロセス概念図である。 本発明の第1の実施形態における変形例2を説明するプロセス概念図である。 本発明の第2の実施形態を説明するプロセス概念図である。 本発明の他の実施形態で好適に用いられる膜形成装置の多枚葉処理炉の概略断面図である。
基板上に微細パターンを形成する手法として、例えば、図6に示すような自己整合クアドラプルパターニング(Self−Aligned Quadraple Patterning、略称:SAQP)法がある。SAQP法では、(a)基板(Film)上に形成された複数のハードマスク(図6ではハードマスク1〜3)および誘電体上にレジストで例えば120nmのピッチ(パターン幅:45nm、パターン間隔:75nm)を有するパターンを形成し、(b)パターンレジストをマスクとしてハードマスク1をエッチングし、パターン(HM1)を形成し、(c)HM1上に膜(Spacer)を堆積して異方性エッチングを行うことで15nmの厚さを有するサイドウォールスペーサを形成し、(d)HM1をエッチングにより除去し、(e)サイドウォールスペーサをマスクとしてハードマスク2をエッチングしてパターン(HM2)を形成し、(f)HM2上に膜(Spacer)を堆積して異方性エッチングを行うことで15nmの厚さを有するサイドウォールスペーサを形成し、(g)HM2をエッチングにより除去し、(h)サイドウォールスペーサをマスクとしてハードマスク3をエッチングして30nmのピッチ(パターン幅:15nm、パターン間隔:15nm)を有する微細パターンを形成する。SADP法により、120nmのピッチを有する(a)パターンレジストから、1/4の30nmのピッチを有する(h)微細パターンを形成することが可能となる。
しかし、SAQP法にて微細パターンを形成する場合、サイドウォールスペーサを形成する工程を(c)と(f)のように、2回行う必要がある。また、下層の加工に必要なハードマスクの種類が少なくとも2種類は必要となる。さらに、サイドウォールスペーサは、一定の段差被覆性(ステップカバレッジ)を保ちつつパターンが形成された基板上に膜を形成した後、パターンの側壁にのみ膜が残るよう異方性エッチングを行うことにより形成される。したがって、形成されたサイドウォールスペーサの断面形状は矩形とはならず、例えば、(c)に示されるように、上面が削れた形となる場合がある。このサイドウォールスペーサをマスクとしてハードマスクを加工すると、ハードマスクの加工形状が乱れ、結果としてパターン転写精度が低くなってしまう場合がある。
そこで、発明者らは鋭意研究を重ね、サイドウォールスペーサや複数のハードマスクを用いなくとも、エッチングレートの異なる複数のコンフォーマルな膜を積層して形成することにより、SAQP法と同様に、ピッチを1/4とする微細パターンを形成する方法を見出した。
具体的には、図7に示すように、(a)基板としてのウエハ200上に形成されたハードマスク902上に、第1のエッチングレートを有する低密度の膜(例えば低密度シリコン窒化膜(SiN膜))で、120nmのピッチ(パターン幅:45nm、パターン間隔:75nm)を有するパターンとして903を形成し、(b)等方性プラズマとして(例えば等方性のHプラズマ)を用いて、低密度SiN膜からなるパターン903に対して等方的にプラズマ処理を行うことにより、低密度SiN膜を所定の膜厚だけ改質して、第2のエッチングレート(第1のエッチングレートより遅い)を有するSiN改質膜(層)904を厚さが15nmとなるよう形成し、(c)SiN改質膜904上およびハードマスク902上に、第3のエッチングレートを有する(第2のエッチングレートより速い)膜として、例えばシリコン酸化膜(SiO膜)905を厚さが15nmとなるよう形成し、(d)SiO膜905上に、第4のエッチングレートを有する(第1のエッチングレート、第3のエッチングレートより遅い)膜として、例えば高密度SiN膜906を形成し、(e)例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理により表面を平坦化し、(f)低密度SiN膜からなるパターン903およびSiO膜905が有するエッチングレートに合わせて異方性エッチングを行い、SiN改質膜904および高密度SiN膜906から構成されるパターンを形成する。このSiN改質膜904および高密度SiN膜906からなるパターンをマスクとしてハードマスクに対して異方性エッチングを行うことにより、30nmのピッチ(パターン幅:15nm、パターン間隔:15nm)を有する微細パターンを形成することができる。
このように、エッチングレートの異なる複数の膜を積層して形成し、平坦化した後に、所望の膜を除去してマスクとしてのパターンを形成することにより、微細パターンを形成することができる。また、サイドウォールスペーサとしての膜を堆積と異方性エッチングにより形成する代わりに、パターン903を改質して膜を形成することにより、矩形の断面積を有するマスクを形成することが可能となる。パターン903の改質には、等方性プラズマを用いることによりコンフォーマルなプラズマ作用を得ることが可能となり、改質された膜もコンフォーマルな膜とすることが可能となる。以下、詳細を説明する。
<本発明の第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程である基板処理工程を行うため、以下に示す一連の基板処理装置により構成される基板処理システムが提供される。すなわち、当該基板処理システムには、(a)基板としてのウエハ200上に膜を形成するのに使用される膜形成装置(図1,2を参照)、(b)ウエハ200に対してプラズマ処理を行うために使用されるプラズマ処理装置600(図3,4を参照)、(c)ウエハ200上に形成された膜の形状を加工するエッチング装置、(d)膜が形成されたウエハ200上にマスクを形成する一連の装置(レジスト塗布装置、ベーキング処理装置、露光装置、現像装置)、(e)ウエハ200の表面を平坦化する平坦化装置、(f)ウエハ200上のマスクを除去するアッシング装置、が含まれる。以下では、特に、膜形成装置とプラズマ処理装置について、詳細に説明する。
(1)膜形成装置の構成
図1に示すように、処理炉202は加熱機構(温度調整部)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の下方には、反応管203と同心円状に、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス(SUS)等の金属からなり、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部は、反応管203の下端部に係合しており、反応管203を支持するように構成されている。マニホールド209と反応管203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。反応管203はヒータ207と同様に垂直に据え付けられている。主に、反応管203とマニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成される。処理容器の筒中空部には処理室201が形成されている。処理室201は、複数枚の基板としてのウエハ200を収容可能に構成されている。
処理室201内には、ノズル249a,249bが、マニホールド209の側壁を貫通するように設けられている。ノズル249a,249bには、ガス供給管(配管)232a,232bが、それぞれ接続されている。
ガス供給管232a,232bには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a,241bおよび開閉弁であるバルブ243a,243bがそれぞれ設けられている。ガス供給管232a,232bのバルブ243a,243bよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管(配管)232c,232dがそれぞれ接続されている。ガス供給管232c,232dには、上流方向から順に、MFC241c,241dおよびバルブ243c,247c,243d,247dがそれぞれ設けられている。
ノズル249a,249bは、図2に示すように、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるようにそれぞれ設けられている。ノズル249a,249bの側面には、ガスを供給するガス供給孔250a,250bがそれぞれ設けられている。ガス供給孔250aは、反応管203の中心を向くように開口している。ガス供給孔250aは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。ガス供給孔250bは、後述するバッファ室237の中心を向くように開口している。ガス供給孔250bは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
ノズル249bは、ガス分散空間であるバッファ室237内に設けられている。バッファ室237は、反応管203の内壁と隔壁237aとの間に形成されている。バッファ室237(隔壁237a)は、図2に示すように、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、また、反応管203の内壁の下部より上部にわたる部分に、ウエハ200の積載方向に沿って設けられている。隔壁237aのウエハ200と対向(隣接)する面の端部には、ガスを供給するガス供給孔250cが設けられている。ガス供給孔250cは、反応管203の中心を向くように開口している。ガス供給孔250cは、ガス供給孔250aと同様に、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
ガス供給管232aからは、処理ガスとして原料ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。ガス供給管232bからは、処理ガスとして反応ガスが、MFC241b、バルブ243b、ノズル249b、バッファ室237を介して処理室201内へ供給される。ガス供給管232c,232dからは、不活性ガスとして、例えば、Nガスが、それぞれMFC241c,241d、バルブ243c,247c,243d,247d、ガス供給管232a,232b、ノズル249a,249b、バッファ室237を介して処理室201内へ供給される。
主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、原料ガス供給系が構成される。主に、ガス供給管232b、MFC241b、バルブ243bにより、第1の反応ガス供給系(反応体供給系)が構成される。主に、ガス供給管232c,232d、MFC241c,241d、バルブ243c,247c,243d,247dにより、不活性ガス供給系が構成される。原料ガス供給系、第1の反応ガス供給系を合わせてガス供給系と称することもできる。不活性ガス供給系をガス供給系に含めて考えてもよい。
原料ガスとしては、後述する膜形成処理に応じて、適宜、必要な原料を用いることができる。例えば、原料ガスとして、シリコン(Si)およびハロゲン元素を含むハロゲン系Si原料ガスを用いることができる。ハロゲン系Si原料とは、ハロゲン基を有するSi含有原料のことである。ハロゲン系Si原料ガスとしては、例えば、SiおよびClを含む原料ガス、すなわち、クロロシラン原料ガスを用いることができる。クロロシラン原料ガスとしては、例えば、ヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)ガスを用いることができる。また、原料ガスとして、例えば、アミノシラン系原料ガスであるトリスジメチルアミノシラン(Si[N(CHH、略称:TDMAS)を用いることもできる。
反応ガスとしては、後述する膜形成処理に応じて、適宜、必要な反応ガスを用いることができる。例えば、窒素(N)含有ガスとして、窒化水素ガスであって、例えば、アンモニア(NH)ガスを用いることができる。また、N含有ガスとして、窒素(N)ガスをプラズマ励起して用いることもできる。また、反応ガスとして、酸素(O)含有ガスとして、例えば、オゾン(O)ガスを用いることができる。
バッファ室237内には、図2に示すように、導電体からなり、細長い構造を有する2本の棒状電極269,270が、反応管203の下部より上部にわたりウエハ200の配列方向に沿って配設されている。棒状電極269,270のそれぞれは、ノズル249bと平行に設けられている。棒状電極269,270のそれぞれは、上部より下部にわたって電極保護管275により覆われることで保護されている。棒状電極269,270のいずれか一方は、整合器272を介して高周波電源273に接続され、他方は、基準電位であるアースに接続されている。高周波電源273から棒状電極269,270間に高周波(RF)電力を印加することで、棒状電極269,270間のプラズマ生成領域224にプラズマが生成される。主に、棒状電極269,270、電極保護管275によりプラズマ発生器(プラズマ発生部)としてのプラズマ源が構成される。整合器272、高周波電源273をプラズマ源に含めて考えてもよい。プラズマ源は、後述するように、ガスをプラズマ励起、すなわち、プラズマ状態に励起(活性化)させる第1のプラズマ励起部(第1の活性化機構)として機能する。電極保護管275は、棒状電極269,270のそれぞれをバッファ室237内の雰囲気と隔離した状態でバッファ室237内へ挿入できる構造となっている。
反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気流路としての排気管231が設けられている。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および排気バルブ(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、APCバルブ244、圧力センサ245により、第1の排気系が構成される。真空ポンプ246を第1の排気系に含めて考えてもよい。
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるように構成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の処理室201と反対側には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に垂直に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ボート217を処理室201内外に搬入および搬出することが可能なように構成されている。ボートエレベータ115は、ボート217すなわちウエハ200を、処理室201内外に搬送する搬送装置(搬送機構)として構成されている。また、マニホールド209の下方には、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を降下させている間、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシャッタ219sが設けられている。シャッタ219sの上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220cが設けられている。シャッタ219sの開閉動作(昇降動作や回動動作等)は、シャッタ開閉機構115sにより制御される。
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25〜200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる断熱板218が多段に支持されている。
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263は、ノズル249a,249bと同様に反応管203の内壁に沿って設けられている。
(2)プラズマ処理装置の構成
次に、図1を参照して、上述のプラズマ処理装置600について詳細に説明する。プラズマ処理装置600は、ウエハ200をプラズマ処理する処理炉602を備えている。そして、処理炉602は、少なくとも、処理室601を構成する処理容器603と、サセプタ617と、ゲートバルブ644と、シャワーヘッド636と、ガス排気口635と、共振コイル212と、を含む。
処理室601を構成する処理容器603は、第1の容器であるドーム型の上側容器610と、第2の容器である碗型の下部容器611と、を備えている。そして、上側容器610が下側容器611の上に被せされることにより、処理室601が形成される。上側容器610は例えば酸化アルミニウム又は石英等の非金属材料で形成されており、下側容器611は例えばアルミニウム(Al)で形成されている。
処理室601内の底側中央には、ウエハ200を支持するサセプタ617が配置されている。サセプタ617は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、セラミックス、石英等の非金属材料で形成されている。サセプタ617の内部には、加熱機構としてのヒータ617bが一体的に埋め込まれており、ヒータ電源674からヒータ617bに電力が供給されることにより、ウエハ200を加熱できるようになっている。主に、サセプタ617およびヒータ617bにより、基板支持部が構成されている。
サセプタ617には、サセプタ617を昇降させるサセプタ昇降機構668が設けられている。サセプタ617には、貫通孔617aが設けられている。上述の下側容器611底面には、ウエハ200を突き上げるウエハ突き上げピン666が、少なくとも3箇所設けられている。そして、貫通孔617aおよびウエハ突き上げピン666は、サセプタ昇降機構668によりサセプタ617が下降させられた時にウエハ突き上げピン666がサセプタ617とは非接触な状態で貫通孔617aを突き抜けるように、互いに配置されている。
下側容器611の側壁には、仕切弁としてのゲートバルブ644が設けられている。ゲートバルブ644が開いている時には、搬送室700の搬送機構702を用いて処理室601内へウエハ200を搬入し、または処理室601外へとウエハ200を搬出することができる。ゲートバルブ644を閉めることにより、処理室601内を気密に閉塞することができる。
処理室601の上部には、処理室601内へガスを供給するシャワーヘッド636が設けられている。シャワーヘッド636は、キャップ上の蓋体633と、ガス導入口634と、バッファ室637と、開口638と、遮蔽プレート640と、ガス吹出口639と、を備えている。
ガス導入口634には、バッファ室637内へガスを供給するガス供給管632の下流端が接続されている。バッファ室637は、ガス導入口634より導入されるガスを分散する分散空間として機能する。ガス供給管632の上流側には、処理ガス(第2の反応ガス)として、例えば、水素(H)含有ガスとしてのHガスを供給するガス供給管632aの下流端と、処理ガス(第3の反応ガスとして、例えば、酸素(O)含有ガスとしてのOガスを供給するガス供給管632bの下流端とが合流するように接続されている。なお、第2の反応ガスと第3の反応ガスとが混合した混合ガスを第4の反応ガスと称する場合がある。
ガス供給管632a,632bには、上流から順に、MFC651a,651b、バルブ652a,652bがそれぞれ接続されている。主に、ガス供給管632a、MFC651a、バルブ652aにより、第2の反応ガス供給系が構成される。主に、ガス供給管632b、MFC651b、バルブ652bにより、第3の反応ガス供給系が構成される。
下側容器611の側壁下方には、処理室601内の雰囲気を排気する排気口635が設けられている。排気口635には、排気流路としての排気管631の上流端が接続されている。排気管631には、圧力センサ645、APCバルブ643b、真空ポンプ646が、上流から順に設けられている。圧力センサ642、APCバルブ643b、真空ポンプ646の動作については、上述の膜形成処理装置と同様である。主に、排気管631、圧力センサ642、APCバルブ643bにより、第2の排気系が構成される。真空ポンプ646を第2の排気系に含めて考えてもよい。
処理室601の外周部、すなわち上側容器610の側壁の外側には、処理室601を囲うように、第1の電極としての、螺旋状の共振コイル212が設けられている。共振コイル212には、RFセンサ672、高周波電源673と整合器675が接続される。共振コイル212は、処理室601内に供給されるガスを励起させてプラズマを発生させる第2のプラズマ励起部(第2の活性化機構)として機能する。
高周波電源673は、共振コイル212にRF電力を供給するものである。RFセンサ672は高周波電源673の出力側に設けられている。RFセンサ672は、供給される高周波の進行波や反射波の情報をモニタするものである。整合器675は、RFセンサ672でモニタされた反射波の情報に基づいて、反射波が最小となるよう、高周波電源673を制御するものである。
共振コイル212の両端は電気的に接地されるが、共振コイル212の少なくとも一端は、装置の最初の設置の際又は処理条件の変更の際に当該共振コイルの電気的長さを微調整するため、可動タップ213を介して接地される。図4中の符号214は他方の固定グランドを示す。さらに、装置の最初の設置の際又は処理条件の変更の際に共振コイル212のインピーダンスを微調整するため、共振コイル212の接地された両端の間には、可動タップ215によって給電部が構成される。遮蔽板623は、共振コイル212の外側への電磁波の漏れを遮蔽するとともに、共振回路を構成するのに必要な容量成分を共振コイル212との間に形成するために設けられる。
このように、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)を生成することが可能なプラズマ生成部が第2の励起部として構成される。ここで、本実施形態に係る装置のプラズマ生成原理および生成されるプラズマの性質について図4を用いて説明する。
共振コイル212は、所定の波長の定在波を形成するため、全波長モードで共振する様に巻径、巻回ピッチ、巻数が設定される。すなわち、共振コイル212の電気的長さは、高周波電源673から与えられる電力の所定周波数における1波長の整数倍に設定される。具体的には、共振コイル212は、例えば、800kHzから50MHz,0.5KWから5KWのRF電力によって0.01ガウスから10ガウス程度の磁場を発生し得る様に、50mmから300mmの有効断面積であって且つ200mmから500mmのコイル直径とされ、プラズマ生成空間601aを形成する部屋の外周側に2から60回程度巻回される。共振コイル212の一端または両端には、位相および逆位相電流が共振コイル212の電気的中点に関して対称に流れる様に、コイルおよびシールドから成る波形調整回路が挿入される。
高周波電源673は、発振周波数および出力を規定するための高周波発振回路およびプリアンプを含む電源制御手段(コントロール回路)と、所定の出力に増幅するための増幅器(出力回路)とを備えている。
高周波電源673の波長と共振コイル212の電気的長さが同じ場合、共振コイル212の共振条件は、共振コイル212の容量成分や誘導成分によって作り出されるリアクタンス成分が相殺され、純抵抗になることである。しかし、上記プラズマ発生回路においては、プラズマを発生させた場合、共振コイル212の電圧部とプラズマとの間の容量結合、プラズマ生成空間601aとプラズマの間の誘導結合の変動や、プラズマの励起状態により、実際の共振周波数が僅かながら変動する。 そこで、本実施形態においては、プラズマ発生時の共振コイル212における共振のずれを電源側で補償するため、整合器675は、プラズマが発生した際の共振コイル212からの反射波電力を検出して出力を補完する機能を有する。この構成により、本発明の共振装置では、共振コイル212において一層正確に定在波を形成でき、容量結合の極めて少ないプラズマを発生させ得る。
(3)制御部の構成
図5に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する成膜処理やプラズマ処理における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの組み合わせを含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート121dは、上述のMFC241a〜241d,651a,651b、バルブ243a〜243d,247c,247d,652a,652b、圧力センサ245,642,APCバルブ244,643b、真空ポンプ246,646、温度センサ263、ヒータ207,617b、回転機構267、ボートエレベータ115、シャッタ開閉機構115s、整合器272,675、高周波電源273,673、サセプタ昇降機構668、ゲートバルブ644、RFセンサ672、ヒータ電源674等に接続されている。
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241a〜241d,651a,651bによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a〜243d,247c,247d,652a,652b、の開閉動作、APCバルブ244,643bの開閉動作および圧力センサ245,642に基づくAPCバルブ244,643bによる圧力調整動作、真空ポンプ246,646の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、ヒータ電源674によるヒータ617bの温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、シャッタ開閉機構115sによるシャッタ219sの開閉動作、整合器272によるインピーダンス調整動作、高周波電源273への電力供給、サセプタ昇降機構668によるサセプタ617の昇降動作、ゲートバルブ644の開閉動作、RFセンサ672および周波数整合器675によるインピーダンスの整合動作、高周波電源673によって共振コイル212へ供給するRF電力の供給量調整動作等を制御するように構成されている。
コントローラ121は、外部記憶装置(例えば、USBメモリ等の半導体メモリ)123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
(4)基板処理
上述の基板処理システムを用いて、半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に微細パターンを形成する例について、図7を用いて説明する。以下の説明において、基板処理システムを構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合、すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウエハと称する場合がある。また、本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウエハの最表面」を意味する場合がある。
従って、本明細書において、例えば「ウエハ上に所定の層(または膜)を形成する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)上に所定の層(または膜)を直接形成する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等の上、すなわち、積層体としてのウエハの最表面の上に所定の層(または膜)を形成する」ことを意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
<(a)低密度SiN膜からなるパターン903の形成(成膜)>
上述の膜形成処理装置を用いて、ウエハ200上に形成されたハードマスク902上に、第1のエッチングレートを有する低密度の膜として、低密度SiN膜を形成する例について説明する(図7(a))。後述するように、低温で成膜処理を行うことにより、低密度の膜を形成することができる。原料ガスと反応ガスを互いに混合しないよう交互に供給して膜を形成する際、反応ガスをプラズマ励起して用いることにより、低温でSiN膜を形成することが可能となる。
(ウエハ搬入ステップ)
複数枚のウエハ200がボート217に装填されると、シャッタ開閉機構115sによりシャッタ219sが移動させられて、マニホールド209の下端開口が開放される。その後、図1に示すように、複数枚のウエハ200を支持したボート217が、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内へ搬入される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
(圧力・温度調整ステップ)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。真空ポンプ246は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。また、処理室201内のウエハ200が所望の温度となるように、ヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。ヒータ207による処理室201内の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。また、回転機構267によるボート217およびウエハ200の回転を開始する。回転機構267によるボート217およびウエハ200の回転は、少なくとも、ウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
(成膜ステップ)
その後、次の2つのステップ、すなわち、ステップ1,2を順次実施する。
[ステップ1]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対してHCDSガスを供給して排気する。バルブ243aを開き、ガス供給管232a内へHCDSガスを流す。HCDSガスは、MFC241aにより流量調整され、ノズル249aを介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。このとき同時にバルブ243c,247cを開き、ガス供給管232c内へNガスを流す。Nガスは、MFC241cにより流量調整され、HCDSガスと一緒に処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。また、バッファ室237内へのHCDSガスの侵入を防止するため、バルブ243d,247dを開き、ガス供給管232d内へNガスを流す。Nガスは、ガス供給管232b、ノズル249b、バッファ室237を介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。
このとき、APCバルブ244を調整して、処理室201内の圧力を、例えば1〜2666Paの範囲内の圧力とする。MFC241aで制御するHCDSガスの供給流量は、例えば1〜2000sccmの範囲内の流量とする。MFC241c,241dで制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば100〜10000sccmの範囲内の流量とする。HCDSガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば1〜120秒の範囲内の時間とする。ヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300〜500℃、好ましくは350〜450℃、より好ましくは350〜400℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。
ウエハ200の温度が300℃未満となると、ウエハ200上にHCDSが化学吸着しにくくなり、実用的な成膜速度が得られなくなることがある。ウエハ200の温度を300℃以上とすることで、これを解消することが可能となる。ウエハ200の温度を350℃以上、さらには400℃以上とすることで、ウエハ200上にHCDSをより充分に吸着させることが可能となり、より充分な成膜速度が得られるようになる。
ウエハ200の温度が500℃を超えると、形成されるSiN膜の密度が高くなってしまい、エッチングレートが所望の値より高くなってしまう。ウエハ200の温度を500℃以下とすることで、適正な所望のエッチングレートを有する膜となるよう形成されるSiN膜の密度を制御することが可能となる。特にウエハ200の温度を450℃以下、更には400℃以下とすることで、よりエッチングレートが速い低密度の膜を形成することが可能となる。
上述の条件下でウエハ200に対してHCDSガスを供給することにより、ウエハ200の最表面上に、SiとClを含むSi含有層(第1のSi含有層)が形成される。
Si含有層が形成された後、バルブ243aを閉じ、HCDSガスの供給を停止する。このとき、APCバルブ244は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくは第1層の形成に寄与した後のHCDSガスを処理室201内から排除する。このとき、バルブ243c,247c,243d,247dは開いたままとして、Nガスの処理室201内への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用する。
原料ガスとしては、HCDSガスの他、例えば、モノクロロシラン(SiHCl、略称:MCS)ガス、トリクロロシラン(SiHCl、略称:TCS)ガス、テトラクロロシラン(SiCl、略称:STC)ガス、ヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)ガス、オクタクロロトリシラン(SiCl、略称:OCTS)ガス等のハロゲン系Si原料ガスを用いることができる。不活性ガスとしては、Nガスの他、例えば、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。
[ステップ2]
ステップ1が終了した後、処理室201内のウエハ200に対し、プラズマ励起させたNHガスを供給し排気する。このステップでは、バルブ243b,243c,247c,243d,247dの開閉制御を、ステップ1におけるバルブ243a,243c,247c,243d,247dの開閉制御と同様の手順で行う。NHガスは、MFC241bにより流量調整され、ノズル249b、バッファ室237を介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。
MFC241bで制御するNHガスの供給流量は、例えば100〜10000sccmの範囲内の流量とする。棒状電極269,270間に印加するRF電力は、例えば50〜1000Wの範囲内の電力とする。処理室201内の圧力は、例えば1〜100Paの範囲内の圧力とする。NHガスをプラズマ励起させることにより得られた活性種(NH )をウエハ200に対して供給する時間は、例えば1〜120秒の範囲内の時間とする。その他の処理条件は、上述のステップ1と同様な処理条件とする。
ウエハ200に対して供給されたNHガスは、ステップ1でウエハ200上に形成された第1のSi含有層の少なくとも一部と反応する。これにより第1のSi含有層はプラズマ励起させたNHガスにより窒化され、SiおよびNを含むシリコン窒化層(SiN層)へと改質される。このとき、SiN層には、第1のSi含有層に含まれていたClが残留している場合がある。
SiN層が形成された後、バルブ243bを閉じ、NHガスの供給を停止する。そして、ステップ1と同様の処理手順により、処理室201内に残留する未反応もしくは第2層の形成に寄与した後のNHガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。
N含有ガスとしては、NHガスの他、ジアゼン(N)ガス、ヒドラジン(N)ガス、Nガス等の窒化水素系ガスを用いることができる。また、N含有ガスとしては、これらの他、アミンを含むガス、すなわち、アミン系ガスを用いることができる。アミン系ガスとしては、モノメチルアミン(CHNH、略称:MMA)ガス、ジメチルアミン((CHNH、略称:DMA)ガス、トリメチルアミン((CHN、略称:TMA)ガス、モノエチルアミン(CNH、略称:MEA)ガス、ジエチルアミン((CNH、略称:DEA)ガス、トリエチルアミン((CN、略称:TEA)ガス等を用いることができる。また、N含有ガスとしては、有機ヒドラジン化合物を含むガス、すなわち、有機ヒドラジン系ガスを用いることができる。有機ヒドラジン系ガスとしては、モノメチルヒドラジン((CH)HN、略称:MMH)ガス、ジメチルヒドラジン((CH、略称:DMH)ガス、トリメチルヒドラジン((CH(CH)H、略称:TMH)ガス等を用いることができる。不活性ガスとしては、Nガスの他、例えば、上述の希ガスを用いることができる。
[所定回数実施]
上述したステップ1,2を非同時に、すなわち、同期させることなく、HCDSガスとNHガスとが互いに混合しないよう交互に行うサイクルを所定回数(n回)行うことにより、ハードマスク902が形成されたウエハ200上に、低密度SiN膜が形成される。このサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。
(アフターパージステップ・大気圧復帰ステップ)
成膜ステップが終了したら、ガス供給管232c,232dのそれぞれからNガスを処理室201内へ供給し、排気管231から排気する。Nガスはパージガスとして作用する。これにより、処理室201内がパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され、処理室201内の圧力が大気圧(常圧)に復帰される。
(ウエハ搬出ステップ)
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降され、マニホールド209の下端が開口されるとともに、処理済のウエハ200が、ボート217に支持された状態でマニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出される。ボートアンロードの後は、シャッタ219sが移動させられ、マニホールド209の下端開口がOリング220cを介してシャッタ219sによりシールされる。処理済のウエハ200は、反応管203の外部に搬出された後、ボート217より取り出されることとなる。
上述のステップにより形成された低密度SiN膜は、第1のエッチングレートを有する。
次に、低密度SiN膜に対して、上述の基板処理システムに含まれる基板処理装置を用いて加工を行い、低密度SiN膜からなるパターン903を形成する。パターン903は、例えば、120nmのピッチ(パターン幅:45nm、パターン間隔:75nm)で形成する。ピッチの値は、必要とされる微細度およびリソグラフィ装置の性能によって選択される。
<(b)SiN改質膜904の形成(等方性プラズマによる改質)>
次に、上述のプラズマ処理装置を用いて、低密度SiN膜からなるパターン903に対して等方的にプラズマ処理を行うことにより、低密度SiN膜を所定の膜厚だけ改質して、第2のエッチングレート(第1のエッチングレートより遅い)を有するSiN改質膜(層)904を形成する例について説明する(図7(b))。
(ウエハ搬入ステップ)
最初に、プラズマ処理装置600の処理室601内に、ウエハ200を搬入する。具体的には、ゲートバルブ644を開き、処理室601外に設けられた搬送機構を用いて、突き上げピン666上にウエハ200を載置する。処理室601内にウエハ200を搬入したら、ゲートバルブ644を閉じて処理室601内を密閉するとともに、サセプタ617を所定の位置まで上昇させて、ウエハ200をサセプタ617の上面に配置する。
(圧力・温度調整およびHガス供給ステップ)
続いて、ヒータ617bに電力を供給し、ウエハ200を加熱する。ウエハ200の温度は、室温〜700℃の範囲の所定の温度とする。さらに、Hガスを処理室601内に導入する。このとき、Hガスの流量を所定の流量とするように、MFC651bの開度を調整する。処理室601内へ供給するHガスの流量は、0.01〜10slmの範囲内の所定の流量とする。処理室601内の圧力は、1〜260Paの範囲内の所定の圧力となるように調整する。圧力が260Paより高いと、プラズマが放電しない可能性がある。また圧力が1Paより少ないと、プラズマ化するための元素が少なくなり、かつ、ラジカルなものよりもイオン化したものが多くなり、プラズマダメージが高くなる可能性がある。
(Hプラズマ処理)
処理室601内へHガスを導入した後、共振コイル212に対して高周波電源673からRF電力を印加することにより、プラズマ生成空間601a内に誘導磁界が形成され、かかる誘導磁界で、プラズマ生成空間の共振コイル212の電気的中点に相当する高さ位置にドーナツ状の誘導プラズマが励起される。プラズマ励起されたHガスは解離し、水素活性種、水素イオン、等の反応種が生成される。ウエハ200上で露出し、低密度SiN膜からなるパターン903に対して、これらの活性化されたHガスが供給されることにより、低密度SiN膜が改質されて、第1のエッチングレートより遅い第2のエッチングレートを有するSiN改質膜(層)904が形成される。
共振コイル212に印加する電力(RFパワー)は、例えば10〜3000Wの範囲内の所定の電力とする。プラズマダメージを低く抑えるため、電力は大きくとも3000W以下であることが望ましい。電力が10Wより低いとプラズマ処理の効果が得られない可能性がある。Hプラズマ処理は、1〜120秒の範囲内の所定の時間で行う。必要とするSiN改質膜904の厚さに応じて、上述のプロセス条件を選択する。ここでは、SiN改質膜904の厚さが15nmとなるようにする。Hプラズマ処理が終了したら、共振コイル212への電力供給を停止する。
(残留ガス除去)
H2プラズマ処理の終了後、バルブ652bを閉めて処理室601内へのHガスの供給を停止する。処理室201内の残留ガスは真空ポンプ646により排気される。
(加熱停止、パージおよび大気圧復帰)
その後、バルブ652cを開けることにより、バッファ室637を介して処理室601内にNガスが供給され、排気管631から排気されることで、処理室601内がNガスでパージされる。その後、処理室601内の雰囲気がNガスに置換され、処理室601内の圧力が常圧に復帰される。
(ウエハ搬出)
その後、サセプタ617をウエハ200の搬送位置まで下降させ、サセプタ617の表面から突出させたウエハ突き上げピン666上に支持されたウエハ200を、ゲートバルブ644を介して処理室601の外へ搬出する。
<(c)SiO膜905の形成(成膜)>
次に、上述の膜形成処理装置を用いて、SiN改質膜904上およびハードマスク902上に、第3のエッチングレートを有する(第2のエッチングレートより速い)膜として、SiO膜905を形成する例について説明する(図7(c))。ここでは、主に、(a)低密度SiN膜からなるパターン903の形成時と同様の点については説明を省略し、異なる点について詳細を説明する。
SiO膜905は、原料ガスとして、アミノシラン系原料ガスであるTDMASガスを用い、反応ガスとしてプラズマ励起しないオゾン(O)ガスを用いて、例えば、15nmの厚さとなるよう形成される。
ステップ1では、APCバルブ244を適正に調整して、処理室201内の圧力を、例えば1〜1330Paの範囲内の圧力とする。MFC241aで制御するTDMASガスの供給流量は、例えば20〜1000sccmの範囲内の流量とする。MFC241c,241dで制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば20〜1000sccmの範囲内の流量とする。TDMASガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば5〜120秒の範囲内の時間とする。ヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300〜500℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。上述の条件下でウエハ200に対してTDMASガスを供給することにより、ウエハ200の最表面上に、Si,N,C,Hを含むSi含有層(第2のSi含有層)が形成される。
原料ガスとしては、TDMASガスの他、例えば、テトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH、略称:4DMAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C、略称:BDEAS)ガス、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH[NH(C)]、略称:BTBAS)ガス、ジイソプロピルアミノシラン(SiHN[CH(CH、略称:DIPAS)ガス等のアミノシラン原料ガスを用いることができる。
ステップ2では、処理室201内の圧力を、例えば1〜1330Paの範囲内の圧力とする。MFC241bで制御するOガスの供給流量は、例えば20〜3000sccmの範囲内の流量とする。MFC241c,241dで制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば20〜500sccmの範囲内の流量とする。Oガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば5〜120秒の範囲内の時間とする。ウエハ200に対して供給されたOガスは、ステップ1でウエハ200上に形成された第2のSi含有層の少なくとも一部と反応する。これにより第2のSi含有層はOガスにより酸化され、SiおよびOを含むシリコン酸化層(SiO層)へと改質される。このとき、SiO層には、第2のSi含有層に含まれていたN,C,H等が残留している場合がある。
O含有ガスとしては、Oガスの他、例えば、HOガス、過酸化水素(H)ガス、亜酸化窒素(NO)ガス、酸化窒素(NO)ガス、プラズマ励起されたOガス等を用いることができる。
<(d)高密度SiN膜906の形成(成膜)>
次に、上述の膜形成処理装置を用いて、SiO膜905上に、第4のエッチングレートを有する(第1のエッチングレート、第3のエッチングレートより遅い)膜として、高密度SiN膜906を形成する例について説明する。ここでは、主に、(a)低密度SiN膜からなるパターン903の形成時、(c)SiO膜905の形成時と同様の点については説明を省略し、異なる点について詳細を説明する。
高密度SiN膜906は、原料ガスとして、アミノシラン系原料ガスであるTDMASガスを用い、反応ガスとしてプラズマ励起されたNHガスを用いて、例えば、15nmの厚さとなるよう形成される。
ステップ1では、APCバルブ244を適正に調整して、処理室201内の圧力を、例えば1〜1330Paの範囲内の圧力とする。MFC241aで制御するTDMASガスの供給流量は、例えば20〜1000sccmの範囲内の流量とする。MFC241c,241dで制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば20〜1000sccmの範囲内の流量とする。TDMASガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば5〜120秒の範囲内の時間とする。ヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば500〜750℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。上述の条件下でウエハ200に対してTDMASガスを供給することにより、ウエハ200の最表面上に、Si,N,C,Hを含むSi含有層(第3のSi含有層)が形成される。
ステップ2では、(a)低密度SiN膜からなるパターン903の形成時と同様のプロセス条件にて、プラズマ励起されたNHガスをウエハ200に対して供給する。ウエハ200に対して供給されたNHガスは、ステップ1でウエハ200上に形成された第3のSi含有層の少なくとも一部と反応する。これにより第3のSi含有層はNHガスにより酸化され、SiおよびNを含むSiN層へと改質される。このとき、SiN層には、第3のSi含有層に含まれていたN,C,H等が残留している場合がある。
<(e)平坦化>
高密度SiN膜906のパターン間に、SiO膜905を形成し、その後、CMP処理により表面を平坦化する(図7(e))。
<(f)微細マスクの形成(異方性エッチング)>
平坦化されたウエハ200に対して、低密度SiN膜からなるパターン903およびSiO膜905が有するエッチングレートに合わせて異方性エッチングを行い、SiN改質膜904および高密度SiN膜906から構成されるパターンを形成する(図7(f))。これにより、30nmのピッチ(パターン幅:15nm、パターン間隔:15nm)を有するマスクとなるパターンが形成される。
SiN改質膜904および高密度SiN膜906から構成されるパターンをマスクとして、ハードマスク902に対して異方性エッチングを行うことにより、30nmのピッチ(パターン幅:15nm、パターン間隔:15nm)を有する微細パターンを形成することができる。
パターン903を形成する低密度SiN膜の膜密度は、図8(a)に示すように、約3.3g/cm以下が好ましい。約3.3g/cmを境界として、エッチングレートの遷移が始まるからである。膜密度は、パターン903の形状が保てる程度であれば、低ければ低いほどよい。すなわち、低密度SiN膜を加工してパターン903を形成する際に用いられるレジストを、アッシング装置でHプラズマ等を用いて除去する際、同時に除去されることなく、パターン903として残るために必要な膜密度があればよい。また、低密度SiN膜の膜密度が低いため、プラズマにより15nmの深さまで改質することが可能となる。
図8(b)に示すように、熱処理による成膜では、500℃以下でのSiN膜の成膜が困難であるが、プラズマ処理による成膜では、300℃以下の低温帯であっても成膜することが可能である。したがって、プラズマ処理による成膜の方が、熱処理による成膜よりも膜密度の制御可能範囲が広く、低密度SiN膜を形成するために好ましい。
図9に、パターン903が形成されたウエハ200に対して上述の方法を用いて低密度SiN膜を改質する場合(本発明による実施例)と、熱窒化処理を用いて低密度SiN膜を改質する場合(熱窒化処理による例)とにおいて、得られたSiN改質膜904と低密度SiN膜903とのエッチングレートを比較した例を示す。熱窒化処理を用いて低密度SiN膜を改質する場合、エッチングレートは、熱処理時間に応じて、パターン903の内側にいくにしたがって(パターン903の深さ方向へ)なだらかに値が遷移していき、一定時間が経過すると、パターン903全てが改質されてSiN改質膜904となる。一方、上述の方法を用いて低密度SiN膜を改質する場合は、パターン903とSiN改質膜904との界面でエッチングレートが急峻に遷移する。その遷移領域は、パターン903の幅を15nm、SiN改質膜904の幅を15nmとするとき、1nm以下となる。すなわち、上述の方法を用いて低密度SiN膜を改質することにより、熱処理による改質と比較して、よりコンフォーマルなSiN改質膜904を得ることができる。コンフォーマルなSiN改質膜904をマスクの一部として用いることにより、最終的にハードマスクを加工して得られる微細パターンを転写精度よく、形成することが可能となる。
上述の実施形態では、上述のプラズマ処理装置を用いてSiN改質膜904を形成したが、これに限らず、例えば、膜形成処理装置において低密度SiN膜を形成する際に用いるNHプラズマを用いてSiN改質膜904を形成してもよい。これにより、低密度SiN膜を形成した後、インサイチュで続けてSiN改質膜904を形成することが可能となる。搬出に伴う自然酸化膜の形成を抑制して膜質を向上させたり、スループットを向上させたりすることが可能となる。
(5)本実施形態による効果
上述の実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)エッチングレートの異なる複数の膜を積層して形成し、平坦化した後に、所望の膜を除去してマスクとしてのパターンを形成することにより、コンフォーマルな微細パターンを形成することができる。
(b)低密度膜を改質してマスクとしての膜を形成することにより、矩形の断面積を有するマスクを形成することが可能となる。これにより、パターン転写精度が良好な精細な微細パターンを形成することが可能となる。
(c)低密度膜を改質する際、等方性プラズマを用いることにより、等方性のコンフォーマルな改質を行うことができ、コンフォーマルな膜を形成することが可能となる。
(d)低密度膜の膜密度を約3.3g/cm以下とすることにより、エッチングレートが遅い膜を形成することが可能となる。また、プラズマによる改質時に所望の深さまで改質することが可能となる。
(e)プラズマを用いて低密度SiN膜を形成することにより、300℃以下の低温帯で成膜することが可能となり、膜密度の制御可能範囲を広くすることが可能となる。
(6)変形例
本実施形態における基板処理のシーケンスは、図7に示す態様に限定されず、以下に示す変形例のように変更することができる。
(変形例1)
図10に示すように、微細パターンを部分的に形成することもできる。すなわち、隣り合うパターン903の間の間隔を変えずに、パターン903の幅を微細化することにより、リソグラフィ技術では達成できない微細なピッチを含む微細パターンを形成することが可能となる。以下では、第1の実施形態と同様の点については説明を省略し、主に、異なる箇所について説明する。
(a)低密度SiN膜からなるパターン903の形成(成膜)、(b)SiN改質膜904の形成(等方性プラズマによる改質)、(c)SiO膜905の形成(成膜)を順に行う点は、第1の実施形態と同様である。次に、SiO膜905上にレジスト膜を形成し、CMP処理により表面を平坦化し、レジスト膜を除去し、SiO膜905に対して異方性エッチングを行う。これにより、隣り合うパターン903の間の間隔を変えずにパターン903の幅を1/3へ微細化することが可能となる(d)。例えば、パターン903の幅が45nm、隣り合うパターン903の間の間隔が75nmの場合、厚さ15nmのSiN改質膜904を形成することにより、45nmのパターン903を15/15nmのライン&スペース(L/S)へと加工することができる。この加工後のパターンをマスクとしてハードマスクを加工することにより、部分的に、リソグラフィ技術では達成できない微細なピッチを含む微細パターンを形成することが可能となる。
本変形例によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例2)
図11に示すように、変形例2と同様のシーケンスにおいて、形成するエッチングレートの異なる膜の形成方法等を変えることにより、異なる幅を有するライン&スペースを形成することができる。以下では、第1の実施形態および変形例1と同様の点については、詳細を省略し、主に、異なる箇所について説明する。
図11(a)のように、第1の実施形態における(d)高密度SiN膜906の形成(成膜)と同様の手順で、ウエハ200に形成されたハードマスク902上に、高密度SiN膜906を形成し、上述の基板処理システムに含まれる基板処理装置を用いて加工を行い、高密度SiN膜からなるパターン906’を形成する。パターン906’は、例えば、120nmのピッチ(パターン幅:45nm、パターン間隔:75nm)で形成する。ピッチの値は、必要とされる微細度およびリソグラフィ装置の性能によって選択される。
<(b)SiON膜907の形成(等方性プラズマによる改質)>
次に、第1の実施形態における(b)SiN改質膜904の形成(等方性プラズマによる改質)と同様の手順で、Hガスの代わりにOガスを用いて、Oプラズマにより高密度SiN膜を改質してSiON膜907を形成する。SiON膜907は、Hプラズマによる改質と同様の手順でOプラズマによる改質を行った場合、酸化による堆積膨張により、Hプラズマを用いて得られたSiN改質膜904の厚さより、改質により得られたSiON膜907の厚さは厚くなる。例えば図11(b)のように、厚さ20nmのSiON膜907を形成した場合、隣り合うSiON膜907の間の間隔は膨張して68nmとなる。
SiON膜907を形成する際は、ヒータ617bに電力を供給し、ウエハ200を加熱する。ウエハ200の温度は、室温〜700℃の範囲の所定の温度とする。さらに、Oガスを処理室601内に導入する。このとき、Oガスの流量を所定の流量とするように、MFC651bの開度を調整する。処理室601内へ供給するOガスの流量は、0.01〜10slmの範囲内の所定の流量とする。処理室601内の圧力は、1〜260Paの範囲内の所定の圧力となるように調整する。圧力が260Paより高いと、プラズマが放電しない可能性がある。また圧力が1Paより少ないと、プラズマ化するための元素が少なくなり、かつ、ラジカルなものよりもイオン化したものが多くなり、プラズマダメージが高くなる可能性がある。
次に、SiON膜907上にレジスト膜を形成し、CMP処理により表面を平坦化し、レジスト膜を除去し、SiON膜907に対して異方性エッチングを行う。これにより、パターン906’の幅が45nm、隣り合うパターン903の間の間隔が75nmの場合、厚さ20nmのSiON膜907を形成することにより、20/20nmのライン&スペースへと加工することができる。この加工後のパターンをマスクとしてハードマスクを加工することにより、部分的に、リソグラフィ技術では達成できない微細なピッチを含む微細パターンを形成することが可能となる。このように、ハードマスク902の上に形成する膜の形成方法、膜種、プロセス条件や、形成した膜を加工したパターンを改質する際に使用するプラズマのガス種、プロセス条件等を変えることにより、ハードマスクを加工して得られるパターンの寸法を所望の値とすることが可能となる。
本変形例によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例3)
第1の実施形態における(a)低密度SiN膜からなるパターン903の形成(成膜)と(b)SiN改質膜904の形成(等方性プラズマによる改質)を複数回繰り返して、表面を平坦化し、異方性エッチングを行ってハードマスクを加工するためのマスクを形成してもよい。具体的には、ウエハ200上に形成されたハードマスク上に、まず(a)第1のエッチングレートを有する低密度SiN膜Aからなるパターンを形成した後、(b)等方性プラズマにより低密度SiN膜を改質して第1のエッチングレートより遅い第2のエッチングレートを有するSiN改質膜Bを形成する。次に、低密度SiN膜Aの膜形成処理と同様の処理を行い、SiN改質膜Aの上およびハードマスク上に第1のエッチングレートを有する低密度SiN膜A’を形成する。さらに、SiN改質膜Bの改質処理と同様の処理を行い、低密度SiN膜A’を改質して第2のエッチングレートを有するSiN改質膜B’を形成する。さらに、低密度SiN膜Aの膜形成処理と同様の処理を行い、SiN改質膜B’のパターン間に第1のエッチングレートを有する低密度SiN膜A’’を形成する。各膜と膜との間が埋められるまでこの処理を繰り返し、その後、CMP処理により表面を平坦化する。そして、平坦化されたウエハ200に対して、異方性エッチングを行い、主にSiN改質膜B’で構成されるパターンを形成する。このパターンをマスクとしてハードマスクに対して異方性エッチングを行うことにより、ウエハ200上に微細パターンを形成することができる。本変形例によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本変形例により、膜形成の全ての成膜工程を低温化することが可能となる。また、堆積する膜は1種であるため、例えばHCDSガスとNHガスの2種類の処理ガスの供給により膜形成処理を行うことができるため、装置構成およびレシピを簡略化することが可能となる。さらに、エッチングレートは低密度SiN膜とSiN改質膜が有するエッチングレートの2種のみのため、マスクとしてのパターンを形成する際の異方性エッチングの工程数を減少させることが可能となる。
<本発明の第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態で説明した基板処理システムを用いる。第1の実施形態と同様の点については詳細を省略し、主に、異なる箇所について説明する。
(1)基板処理
本実施形態では、図12に示すように、(a)ウエハ200上に形成されたハードマスク802上に、ゲルマニウム膜(Ge膜)にて、80nmのピッチのパターンとしてパターン803を形成し、(b)等方性プラズマとして(例えば等方性のOプラズマ)を用いて、パターン803に対して等方的にプラズマ処理を行うことにより、Ge膜からなるパターン803を所定の膜厚だけ改質して、ゲルマニウム酸化膜(GeO膜)804を形成し、(c)GeO膜804上にGe膜803’を形成し、(d)Ge膜803´に対して等方性プラズマとしてOプラズマを用いて、パターン803を所定の膜厚だけ改質して、GeO膜804を形成し、(e)例えばCMP処理により表面を平坦化し、(f)Ge膜からなるパターン803、Ge膜803’、GeO膜804が有する昇華耐性に応じて、異方性エッチングによりGeO膜を除去し、(g)Ge膜からなるパターン803、Ge膜803’をマスクとしてハードマスクに対して異方性エッチングを行うことにより、微細パターンを形成することが可能となる。
本実施形態では、膜形成装置にて、ガス供給管232aから供給する処理ガスとして、Geを含むハロゲン系原料ガスであるモノゲルマン(GeH)ガスおよびジゲルマン(Ge)ガスを用いる。図示しないGeH供給源およびGe供給源がそれぞれガス供給管232aに接続され、ガス供給管232aから、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介してGeHガスおよびGeガスが処理室201内へ供給される。
また、ガス供給管232bから供給する処理ガスとして、Geを含むアミノシラン系原料ガスであるトリジメチルアミノゲルマン(GeH(NMe)ガスを用いる。ガス供給管232bから、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介してGeH(NMeガスが処理室201内へ供給される。
<(a)Ge膜からなるパターン803の形成(成膜)>
第1の実施形態と同様に、ウエハ搬入ステップ、圧力・温度調整ステップを行う。
(Geシード層形成ステップ)
Ge膜は下地膜に対してインキュベーションタイム(堆積開始までの時間)を要するが、シード層を形成した後にGe膜を形成することによって、インキュベーションタイムを短縮することができる。ここでは、GeH(NMeガスを用いてGeシード層を形成する。処理室201内へのGeH(NMeガスの供給と除去を順に行うサイクルを所定回数(n回、n≧1)行うことにより、ウエハ200上にGeシード層が形成される。Geシード層は、単原子層〜数原子層の薄い膜厚でよい。Geシード層は、次に成膜するGe膜と同種のものであるため、半導体デバイスの特性上、懸念される構造が生じることを抑えることが可能となる。
(Ge膜形成ステップ)
Geシード層が形成された後、次のステップ3,4を順次実施する。
[ステップ3]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対してGeHガスを供給して排気する。GeHガスを処理室201内へ供給する手順は、第1の実施形態でHCDSガスを供給して排気するステップ1と同様である。GeHガスのプロセス条件は、例えば次の通りとする。処理室201内の圧力を、例えば1〜2660Paの範囲内の圧力とする。MFC241aで制御するGeHガスの供給流量は、例えば20〜1330sccmの範囲内の流量とする。MFC241c,241dで制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば20〜1000sccmの範囲内の流量とする。GeHガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば5〜120秒の範囲内の時間とする。ヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300〜500℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。これにより、ウエハ200上(1サイクル目ではGeシード層上)に第1のGe含有層が形成される。
第1のGe含有層が形成された後、GeHガスの供給を停止し、処理室201内に残留する未反応もしくは第1のGe含有層の形成に寄与した後のGeHガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。
[ステップ4]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対してGeガスを供給して排気する。Geガスを処理室201内へ供給する手順は、第1の実施形態でHCDSガスを供給して排気するステップ1と同様である。Geガスのプロセス条件は、例えば次の通りとする。処理室201内の圧力を、例えば1〜2660Paの範囲内の圧力とする。MFC241aで制御するGeガスの供給流量は、例えば20〜1330sccmの範囲内の流量とする。MFC241c,241dで制御するNガスの供給流量は、それぞれ例えば20〜1000sccmの範囲内の流量とする。Geガスをウエハ200に対して供給する時間は、例えば5〜120秒の範囲内の時間とする。その他の条件はステップ3と同様である。これにより、第1のGe含有層上に第2のGe含有層が形成される。
第2のGe含有層が形成された後、Geガスの供給を停止し、処理室201内に残留する未反応もしくは第2のGe含有層の形成に寄与した後のGeガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。
上述したステップ3,4を非同時に、すなわち、同期させることなく、GeHガスとGeガスとが互いに混合しないよう交互に行うサイクルを所定回数(n回)行うことにより、ハードマスク902が形成されたウエハ200上に、パターン803を形成するGe膜が形成される。このサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。
Ge膜形成ステップが終了したら、アフターパージステップ・大気圧復帰ステップ、ウエハ搬出ステップを行う。
次に、Ge膜に対して、上述の基板処理システムに含まれる基板処理装置を用いて加工を行い、Ge膜からなるパターン803を形成する。パターン803は、例えば、80nmのピッチで形成する。ピッチの値は、必要とされる微細度およびリソグラフィ装置の性能によって選択される。
<(b)GeO膜804の形成(等方性プラズマによる改質)>
第1の実施形態の変形例2におけるSiON膜907形成時と同様に、Oプラズマを用いてGe膜を改質する(図12(b))。Hプラズマを用いてGe膜を改質すると安定したゲルマニウム酸化膜であるGeOが形成される。一方、Oプラズマを用いた改質では不安定なGeOが形成される。すなわち、組成によって昇華レートが異なる。本実施形態では、後述のように、GeO膜804を昇華してパターンを形成するため、Oプラズマを用いて昇華されやすい不安定なGeO膜を形成する。
Ge膜を改質する際は、ヒータ617bに電力を供給し、ウエハ200を加熱する。ウエハ200の温度は、室温〜700℃の範囲の所定の温度とする。さらに、Oガスを処理室601内に導入する。このとき、Oガスの流量を所定の流量とするように、MFC651bの開度を調整する。処理室601内へ供給するOガスの流量は、0.01〜10slmの範囲内の所定の流量とする。処理室601内の圧力は、1〜260Paの範囲内の所定の圧力となるように調整する。圧力が260Paより高いと、プラズマが放電しない可能性がある。また圧力が1Paより少ないと、プラズマ化するための元素が少なくなり、かつ、ラジカルなものよりもイオン化したものが多くなり、プラズマダメージが高くなる可能性がある。このステップにより、コンフォーマルなGeO膜804が形成される。
<(c)Ge膜803’の形成(成膜)>
上述の(a)Ge膜からなるパターン803の形成と同様の処理を行い、GeO膜上にGe膜803’を形成する(図12(c))。
<(d)GeO膜804の形成(成膜)>
上述のGeO膜804の形成と同様の処理を行い、Ge膜803’を改質してGeO膜804を形成する(図12(d))。
<(e)平坦化>
CMP処理によりウエハ200の表面を平坦化する(図12(e))。
<(f)微細マスクの形成(GeO膜804を昇華)>
平坦化されたウエハ200に対して、不活性ガス(例えば、Nガス)を用いて300℃以上であって好ましくは400℃以上の処理温度にて熱処理(Nアニール)を行い、GeO膜804を昇華して、Ge膜からなるパターン803およびGe膜803’から構成されるパターンを形成する(図12(f))。
<(g)微細パターンの形成(ハードマスク802の加工)>
Ge膜からなるパターン803およびGe膜803’から構成されるパターンをマスクとして、ハードマスク802に対して異方性エッチングを行うことにより、液浸ArF露光装置での解像限界を超えるライン&スペースを形成することができる(図12(g))。
上述の実施形態では、Ge膜形成ステップにおいて、アミノシラン系原料ガスとしてGeH(NMeガスを用いてGeシード層を形成する例について説明したが、これに限らず、例えば、GeH(NHEt)等のアミノシラン系原料ガスを用いてもよい。
上述の実施形態では、Ge膜形成ステップにおいて、1本のガス供給管232aからGeHガス、Geガスの2種を供給してGe膜を形成する例について説明したが、これに限らず、例えば、処理室201内に、ガス供給管232aやノズル249aと同じ構成を有する異なるガス供給管やノズルを追加して設けてもよい。その場合、GeHガス、Geガスを独立した異なるノズルから供給することが可能となる。
上述の実施形態では、Ge膜形成ステップにおいて、ハロゲン系原料ガスであるGeHガス、Geガスを用いてGe膜を形成する例について説明したが、これに限らず、Ge含有ガスとして他のガスを組み合わせて用いてもよい。例えば、四塩化ゲルマニウム(GeCl)を用いることも可能である。
上述の実施形態では、GeO膜804を除去する際、Nアニールにより昇華する例について説明したが、これに限らず、例えばHOによる洗浄で除去してもよい。
(2)本実施形態による効果
第2の実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)昇華レートの異なる複数の膜を積層して形成し、平坦化した後に、所望の膜を除去してマスクとしてのパターンを形成することにより、コンフォーマルな微細パターンを形成することができる。
(b)膜(例えばGe膜)を改質することによりマスクとしての膜(例えばGeO膜)を形成することにより、矩形の断面積を有するマスクを形成することが可能となる。これにより、パターン転写精度が良好な精細な微細パターンを形成することが可能となる。
(c)Ge膜を改質する際、等方性プラズマを用いることにより、等方性のコンフォーマルな改質を行うことができ、コンフォーマルな膜を形成することが可能となる。
(d)Ge膜をプラズマ励起したOガスで用いて改質することにより、昇華しやすい不安定なGeO膜を形成することが可能となる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、マスクとして用いるパターンを構成する膜として、ウエハ上にSiN膜、SiO膜、SiON膜、Ge膜、GeO膜を適宜組み合わせて形成する例について説明したが、これに限らず、例えば、シリコン膜(Si膜)、シリコン炭化膜(SiC膜)、シリコン炭窒化膜(SiCN膜)、シリコン酸炭化膜(SiOC膜)、シリコン酸炭窒化膜(SiOCN膜)、シリコン硼窒化膜(SiBN膜)、シリコン硼炭窒化膜(SiBCN膜)、硼窒化膜(BN膜)、硼炭窒化膜(BCN膜)、シリコンゲルマニウム膜(SiGe膜)等の半金属元素を含む膜、すなわち、半金属系薄膜であっても適用可能である。処理手順、処理条件は、上述の実施形態や変形例の処理手順、処理条件と同様とすることができる。これらの場合においても、上述の実施形態や変形例と同様の効果が得られる。
基板処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置123を介して記憶装置121c内に格納しておくことが好ましい。そして、処理を開始する際、CPU121aが、記憶装置121c内に格納された複数のレシピの中から、処理内容に応じて適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することができるようになり、それぞれの場合に適正な処理を行うことができるようになる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、処理を迅速に開始できるようになる。
上述のレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置122を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更するようにしてもよい。
上述の実施形態では、膜形成装置として、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。
また、例えば、膜形成装置として、複数の処理領域とパージ領域とが交互に配列されるように分割構造体によって分割された反応容器を有する多枚葉装置を用いてもよい。
多枚葉装置では、例えば、図13に示すように、第1の処理領域701a、第1のパージ領域704a、第2の処理領域701b、第2のパージ領域704bが交互に配列されるように分割構造体としての仕切板705によって分割された反応容器203内に、複数枚のウエハ200を搬入し、反応容器内に設けられたサセプタ717に複数枚のウエハ200を同一面上に並べて支持する。
そして、加熱部(図示せず)によりウエハ200を加熱しつつ、第1の処理領域701a、第1のパージ領域704a、第2の処理領域701b、第2のパージ領域704bを排気しつつ、処理ガス供給系750に設けられた第1の処理ガス供給系751の側壁に設けられた第1の処理ガス供給孔754から第1の処理ガスとして原料ガスを第1の処理領域701aに供給し、処理ガス供給系750に設けられた不活性ガス供給系753の側壁に設けられた第1の不活性ガス供給孔757からパージガスとしての不活性ガスを第1のパージ領域704aへ供給し、処理ガス供給系750に設けられた第2の処理ガス供給系752の側壁に設けられた第2の処理ガス供給孔755から第2の処理ガスとして反応ガスを第2の処理領域701bに供給し、不活性ガス供給系753の側壁に設けられた第2の不活性ガス供給孔756からパージガスとしての不活性ガスを第2のパージ領域704bへ供給する。
サセプタ717を回転させて、第1の処理領域701a、第1のパージ領域704a、第2の処理領域701b、第2のパージ領域704bへウエハ200を順に移動させることにより、ウエハ200への原料ガス、不活性ガス、反応ガス、不活性ガスの供給を順に行って、ウエハ200を処理することが可能である。この多枚葉装置では、活性化機構としてのプラズマ励起部706により、反応ガスをプラズマ励起して用いることも可能である。
また、上述の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。これらの場合においても、処理手順、処理条件は、例えば上述の実施形態と同様な処理手順、処理条件とすることができる。
200 ウエハ(基板)
201,601 処理室

Claims (6)

  1. 基板上に形成されたハードマスク上に、第1のエッチングレートを有する第1の膜を形成する工程と、
    前記第1の膜を加工して形成された第1のパターンに対して、等方性プラズマを照射して前記第1のパターンを構成する第1の膜を、前記第1のエッチングレートより遅い第2のエッチングレートを有する第2の膜へ改質する工程と、
    前記第2の膜および前記ハードマスク上に、前記第2のエッチングレートより速い第3のエッチングレートを有する第3の膜を形成する工程と、
    前記第3の膜の上に、前記第1のエッチングレートおよび第3のエッチングレートより遅い第4のエッチングレートを有する第4の膜を形成する工程と、
    前記基板の表面を平坦化する工程と、
    前記平坦化した基板に対して異方性プラズマを照射して、前記第1の膜および前記第3の膜を除去して、前記第2の膜および前記第4の膜から構成され、前記第1のパターンより小さいピッチを有する第2のパターンを形成する工程と、
    前記第2のパターンをマスクとして、ハードマスクを加工する工程と、
    を有する半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1の膜を形成する工程では、前記基板に対して、第1の元素を含むハロゲン系原料ガスと、第2の元素を含み、プラズマ励起された第1の反応ガスとを交互に複数回供給し排気して前記第1の膜を形成し、
    前記第4の膜を形成する工程では、前記基板に対して、前記第1の元素を含むアミノシラン系原料ガスと、前記第2の元素を含み、プラズマ励起された第2の反応ガスとを交互に複数回供給し排気して前記第4の膜を形成し、
    前記第1の膜と前記第4の膜とは、同じ元素組成を有し、前記第1の膜の膜密度は、前記第4の膜の膜密度より低い請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記等方性プラズマは、等方性を有するH2プラズマであり、前記第1の膜、前記第2の膜、前記第4の膜は、同じ元素組成を有する請求項1もしくは請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 基板上に形成されたハードマスク上に、第1の昇華レートを有する第1の元素を含む第1の膜を形成する工程と、
    前記第1の膜を加工して形成された第1のパターンに対して、等方性を有するO2プラズマを照射して前記第1の膜を改質し、第1の昇華レートより速い第2の昇華レートを有し、前記第1の元素を含む酸化膜である第2の膜を形成する工程と、
    前記第1の膜を形成する工程および前記第2の膜を形成する工程を、所定回数行う工程と、
    前記基板の表面を平坦化する工程と、
    前記平坦化した基板に対して熱処理を行い、前記第2の膜を昇華して、前記第1の膜から構成され、前記第1のパターンより小さいピッチを有する第2のパターンを形成する工程と、
    前記第2のパターンをマスクとして、ハードマスクを加工する工程と、
    を有する半導体装置の製造方法。
  5. 基板上に形成されたハードマスク上に、第1のエッチングレートを有する第1の膜を形成す基板処理装置と、
    前記第1の膜を加工して形成された第1のパターンに対して、等方性プラズマを照射して前記第1のパターンを構成する第1の膜を、前記第1のエッチングレートより遅い第2のエッチングレートを有する第2の膜へ改質する基板処理装置と、
    前記第2の膜および前記ハードマスク上に、前記第2のエッチングレートより速い第3のエッチングレートを有する第3の膜を形成する基板処理装置と、
    前記第3の膜の上に、前記第1のエッチングレートおよび第3のエッチングレートより遅い第4のエッチングレートを有する第4の膜を形成する基板処理装置と、
    前記基板の表面を平坦化する基板処理装置と、
    前記平坦化した基板に対して異方性プラズマを照射して、前記第1の膜および前記第3の膜を除去して、前記第2の膜および前記第4の膜から構成され、前記第1のパターンより小さいピッチを有する第2のパターンを形成する基板処理装置と、
    前記第2のパターンをマスクとして、ハードマスクを加工する基板処理装置と、
    を有する基板処理システム。
  6. 基板上に形成されたハードマスク上に、第1のエッチングレートを有する第1の膜を形成する手順と、
    前記第1の膜を加工して形成された第1のパターンに対して、等方性プラズマを照射して前記第1のパターンを構成する第1の膜を、前記第1のエッチングレートより遅い第2のエッチングレートを有する第2の膜へ改質する手順と、
    前記第2の膜および前記ハードマスク上に、前記第2のエッチングレートより速い第3のエッチングレートを有する第3の膜を形成する手順と、
    前記第3の膜の上に、前記第1のエッチングレートおよび第3のエッチングレートより遅い第4のエッチングレートを有する第4の膜を形成する手順と、
    前記基板の表面を平坦化する手順と、
    前記平坦化した基板に対して異方性プラズマを照射して、前記第1の膜および前記第3の膜を除去して、前記第2の膜および前記第4の膜から構成され、前記第1のパターンより小さいピッチを有する第2のパターンを形成する手順と、
    前記第2のパターンをマスクとして、ハードマスクを加工する手順と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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