JPH06275387A - 熱陰極放電灯点灯回路およびそれを備えた放電灯装置 - Google Patents

熱陰極放電灯点灯回路およびそれを備えた放電灯装置

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JPH06275387A
JPH06275387A JP5061925A JP6192593A JPH06275387A JP H06275387 A JPH06275387 A JP H06275387A JP 5061925 A JP5061925 A JP 5061925A JP 6192593 A JP6192593 A JP 6192593A JP H06275387 A JPH06275387 A JP H06275387A
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discharge lamp
preheating
lighting
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Yukio Yoshikawa
幸夫 吉川
Katsuaki Nakano
勝昭 中野
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱陰極放電灯の予熱時間を短くして速く点灯
できるようにした熱陰極放電灯点灯回路を提供する。 【構成】 この発明の熱陰極放電灯点灯回路は、コンバ
ータ制御回路によって直流−直流コンバータの直流出力
電圧を高低可変制御することにより、高周波インバータ
から熱陰極放電灯の両電極に対して通常の予熱電流より
も低い予備予熱電流と通常の予熱電流とを切り替えて供
給できるようにすることにより、電源立ち上げ時には予
備予熱電流によって放電灯の電極のフィラメントを比較
的低い温度で予備的に予熱しておき、実際の放電灯点灯
指令が入力された時には通常の予熱用電流に切り替えて
所定の温度まで速く予熱し、放電灯点灯指令が入力され
てから速いタイミングで予熱完了して放電点灯を開始で
きるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は熱陰極放電灯点灯回路
およびそれを備えた放電灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、例えばコピー機の露光工程
に用いられるランプのような熱陰極放電灯では、熱陰極
放電灯の両極それぞれの一端を電源回路にトランスを介
して接続し、この電源回路と反対側の端子間をスイッチ
を介して接続しておき、放電灯の点灯に際しては、フィ
ラメント予熱用の高周波電流を放電灯両極のフィラメン
トに供給することによって約850度程度まで予熱し、
その後、スイッチを開放すると共に両極間に適当な高周
波ランプ電流を電源回路からトランスを介して供給する
ことによって放電灯内で熱放電を開始させ、放電灯を点
灯させるようにしている。そして、放電灯の調光のため
には、前記スイッチの開閉時間比を調整し、スイッチオ
ン時間を長くし、したがってオフ時間を短くし、放電時
間を短くすることによって暗くし、逆にスイッチオン時
間を短くし、したがってオフ時間を長くし、放電時間を
長くすることによって明るくするようにしている。
【0003】またフィラメントの予熱制御方式には定電
流予熱方式と、定電圧予熱方式とが存在する。定電流予
熱方式は放電灯の両極のフィラメントに対して常に一定
電流の高周波電流を供給して温度上昇させる方式であ
り、定電圧予熱方式は常に一定電圧となるような高周波
電力をフィラメントに供給して温度上昇させる方式であ
る。
【0004】この定電流予熱方式の場合、電源回路側に
高周波インバータが用いられており、直流電源からの一
定の直流電力を高周波交流電力に変換し、さらにトラン
スを介して放電灯の両極とそのフィラメントに供給する
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような従
来の熱陰極放電灯点灯回路のうち定電流予熱方式のもの
では、放電灯点灯回路に電源を投入すれば、フィラメン
トが約850度に上昇するまでほぼ一定の高周波電流を
フィラメントに供給するようにしているため、フィラメ
ントの電気物理的な特性から温度上昇に伴って抵抗値が
上昇し、それだけ入力電力が上がるようになるため温度
上昇カーブが高温になるにしたがって鈍るようになり、
所定の予熱温度に達するまでに時間がかかり、それだけ
放電灯の点灯開始までに時間がかかる問題点があった。
【0006】他方、定電圧予熱方式の場合には、フィラ
メントの温度が低い時に大電流が流れることになるため
にフィラメントの温度上昇が定電流予熱方式よりも速い
利点があるが、さらに速くしたいという要求がある。
【0007】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、その第一の目的は、コスト的に安く
できる定電流予熱方式の熱陰極放電灯点灯回路におい
て、放電灯の点灯信号の入力から実際に放電灯が点灯す
るまでの点灯開始時間を短くすることができる熱陰極放
電灯点灯回路を提供することにある。
【0008】この発明の第二の目的は、定電圧予熱方式
の熱陰極放電灯点灯回路において、放電灯の点灯信号の
入力から実際に放電灯が点灯するまでの点灯開始時間を
短くすることができる熱陰極放電灯点灯回路を提供する
ことにある。
【0009】この発明の第三の目的は、点灯開始時間が
短い放電灯装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の熱陰極
放電灯点灯回路は、熱陰極放電灯に対してフィラメント
予熱用、放電点灯用の電力を供給するために、直流入力
電圧に応じた高周波電流を出力する高周波インバータ
と、前記熱陰極放電灯に対してフィラメント予熱モード
とランプ点灯モードとを切り替えるための予熱・点灯切
替スイッチング手段と、前記高周波インバータに入力す
る直流電力を生成する直流−直流コンバータと、前記直
流−直流コンバータの直流出力電圧を高低可変制御する
コンバータ制御回路とを備えたものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明の熱陰
極放電灯点灯回路において、前記コンバータ制御回路が
前記直流−直流コンバータに対して、当該点灯回路全体
の電源投入信号の入力を受けて前記高周波インバータが
通常の予熱電流よりも低い予備予熱電流を出力するのに
必要な直流電圧を出力するように指示し、前記熱陰極放
電灯の点灯指令信号の入力を受けて前記高周波インバー
タが通常の予熱電流を出力するのに必要な直流電圧を出
力するように指示するようにしたものである。請求項3
の発明の放電灯装置は、請求項1または2の発明の熱陰
極放電灯点灯回路と、前記コンバータ制御回路に対して
直流出力電圧を可変制御するための制御信号を入力し、
前記予熱・点灯スイッチング手段に対して予熱・点灯の
切替信号を入力するメイン制御回路を備え、前記高周波
インバータの出力端子と前記予熱・点灯切替スイッチン
グ手段の入力端子との間に放電灯を装着したものであ
る。
【0012】請求項4の発明の放電灯点灯回路は、熱陰
極放電灯に対して放電点灯用の電力を供給するために、
点灯モード時にオンし、予熱モード時にオフするインバ
ータ動作用スイッチング手段を介して入力される直流を
高周波電力に変換して出力する放電点灯用高周波インバ
ータと、前記熱陰極放電灯に対してそのフィラメントを
予熱するために、電源投入によって動作を開始し、直流
入力電圧に応じた高周波電流を出力する予熱用高周波イ
ンバータと、前記熱陰極放電灯に対してフィラメント予
熱モードとランプ点灯モードとを切り替えるための予熱
・点灯切替スイッチング手段と、前記予熱用高周波イン
バータに入力する直流電力を生成する直流−直流コンバ
ータと、前記直流−直流コンバータの直流出力を高低可
変制御するコンバータ制御回路とを備えたものである。
【0013】請求項5の発明は、請求項4の熱陰極放電
灯点灯回路において、前記コンバータ制御回路が前記直
流−直流コンバータに対して、当該点灯回路全体の電源
投入信号の入力を受けて前記高周波インバータが通常の
予熱電流よりも低い予備予熱電流を出力するのに必要な
直流電圧を出力するように指示し、前記熱陰極放電灯の
点灯指令信号の入力を受けて前記高周波インバータが通
常の予熱電流の出力するのに必要な直流電圧を出力する
ように指示するようにしたものである。
【0014】請求項6の発明の放電灯装置は、請求項4
または5の熱陰極放電灯点灯回路と、前記インバータ動
作用スイッチング手段に対してオン、オフ制御信号を入
力し、前記コンバータ制御回路に対して直流出力電圧を
可変制御するための制御信号を入力し、前記予熱・点灯
切替スイッチング手段に対して予熱・点灯の切替信号を
入力するメイン制御回路を備え、前記放電点灯用高周波
インバータと予熱用高周波インバータとの共通の出力端
子と前記予熱・点灯切替スイッチング手段の入力端子と
の間に放電灯を装着したものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明の熱陰極放電灯点灯回路では、
コンバータ制御回路によって直流−直流コンバータを制
御することにより高周波インバータに入力する直流電圧
を調整し、この結果として高周波インバータから熱陰極
放電灯の両電極に供給するための高周波電流出力を可変
調整し、熱陰極放電灯の電極フィラメントに対して通常
の予熱よりも低い温度で予熱する予備予熱電流と通常の
予熱電流とを切り替えて供給するように予熱電流を高低
可変制御して出力することができる。
【0016】請求項2の発明では、請求項1の発明の熱
陰極放電灯点灯回路において、コンバータ制御回路によ
って直流−直流コンバータの直流出力電圧を高低可変制
御することにより、高周波インバータから熱陰極放電灯
の両電極に対して通常の予熱電流よりも低い予備予熱電
流と通常の予熱電流とを切り替えて供給できるようにな
る。そこで、熱陰極放電灯を高周波インバータの出力端
子に接続される電極に装着した場合には、電源立ち上げ
時には予備予熱電流によって放電灯の電極のフィラメン
トを比較的低い温度で予備的に予熱しておき、実際の放
電灯点灯指令が入力された時には通常の予熱用電流に切
り替えて予熱することができ、放電灯点灯指令が入力さ
れてから速いタイミングで予熱完了して放電点灯を開始
できるようになる。
【0017】請求項3の発明の放電灯装置では、請求項
1または2の発明の熱陰極放電灯点灯回路を備えている
ので、熱陰極放電灯の点灯が速いタイミングで行える。
【0018】請求項4の発明の熱陰極放電灯点灯回路
は、コンバータ制御回路によって直流−直流コンバータ
を制御することにより予熱用高周波インバータに入力す
る直流電圧を調整し、この結果として予熱用高周波イン
バータから熱陰極放電灯の両電極に供給するための高周
波電流を可変調整し、熱陰極放電灯の電極フィラメント
に対して通常の予熱よりも低い温度で予熱する予備予熱
電流と通常の予熱電流とを切り替えて供給できるように
予熱電流を高低可変制御して出力することができる。
【0019】請求項5の発明では、請求項4の発明の熱
陰極放電灯点灯回路において、コンバータ制御回路によ
って直流−直流コンバータの直流出力を可変制御するこ
とにより、予熱用高周波インバータから熱陰極放電灯の
両電極に対して通常の予熱電流よりも低い予備予熱電流
と通常の予熱電流とを切り替えて供給できるようにな
る。そこで、熱陰極放電灯を高周波インバータの出力端
子に接続される電極に装着した場合には、電源立ち上げ
時には予備予熱電流によって放電灯の電極のフィラメン
トを比較的低い温度で予備的に予熱しておき、実際の放
電灯点灯指令が入力された時には通常の予熱用電流に切
り替えて予熱することができ、放電灯点灯指令が入力さ
れてから速いタイミングで予熱完了して放電点灯を開始
できるようになる。
【0020】請求項6の発明の放電灯装置では、請求項
4または5の発明の熱陰極放電灯点灯回路を備えている
ので、熱陰極放電灯の点灯が速いタイミングで行える。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて説明
する。図1は請求項1および2の発明の熱陰極放電灯点
灯回路(図中A部分)と、この熱陰極放電灯点灯回路を
備えた請求項3の発明の放電灯装置の実施例の回路構成
を示している。図1に示すように、この実施例の放電灯
装置は、熱陰極放電灯点灯回路Aの部分に、適宜の直流
電源1からの直流電力を所定の電圧の直流電力に変換す
る直流−直流コンバータ2と、この直流−直流コンバー
タ2の直流電力をその電圧に見合う高周波電力に変換す
る高周波インバータ3と、前記直流−直流コンバータ2
の出力電圧を制御するコンバータ制御回路4と、熱陰極
放電灯の点灯時の予熱・点灯切替制御を行なうと共に、
明るさの調整のためにも予熱・点灯切替制御を行なうス
イッチング回路を備えた調光回路5と、この調光回路5
に対してスイッチングパルスのデューティ制御を行なう
調光制御回路6を備えている。
【0022】放電灯装置はさらに、高周波インバータ3
の出力端子7と調光回路5の入力端子8とに接続される
電極端子(図示せず)に装着された放電灯9と、この放
電灯9の明るさを検出する調光用センサ10と、前述の
熱陰極放電灯点灯回路Aの各部に制御信号を与え、装置
全体の制御を行なうCPUによって構成されるメイン制
御装置11と、メイン電源としての直流電源1の投入、
放電灯9の点灯指令、放電灯9の調光指令を入力するた
めの操作部12を備えている。
【0023】前述のコンバータ制御回路4は、メイン制
御装置(CPU)11からメイン電源である直流電源1
の電源投入信号の入力を受けて、直流−直流コンバータ
2に対して、高周波インバータ3が通常の予熱電流(通
常、放電灯の電極フィラメントを約850°に上昇させ
るのに必要な電流)よりも低い予備予熱電流(フィラメ
ントを約400〜500°に上昇させ、維持させるのに
必要な電流)を出力するのに必要な直流電圧を出力する
ように指示し、またCPU11から熱陰極放電灯9の点
灯指令信号の入力を受けて高周波インバータ3が通常の
予熱電流を出力するのに必要な直流電圧を出力するよう
に指示する制御を行なうようになっている。
【0024】次に、上記構成の熱陰極放電灯点灯回路A
の動作、また放電灯装置の動作について説明する。図2
は熱陰極放電灯9の電極フィラメントに流れるフィラメ
ント電流If、放電点灯時のランプ電流IL 、そしてフ
ィラメントの温度状態Tf、調光回路5のスイッチング
回路SWのタイミングチャートを示している。
【0025】タイミングt0の電源オフ状態から任意の
タイミングt1において、操作部12によってメイン電
源としての直流電源1の電源投入操作がなされると、C
PU11は信号線a1,b1を通してメイン電源投入信
号をコンバータ制御回路4と調光制御回路6に入力す
る。
【0026】これを受けて、調光制御回路6は調光回路
5に対して予備開始のために放電灯電極間を短絡するた
めにスイッチング回路SWをオンにする指令信号を信号
線d1を通して与える。そしてコンバータ制御回路4は
直流−直流コンバータ2に対して、高周波インバータ3
が通常の予熱電流i2よりも低い所定の予備予熱電流i
1を出力するのに必要な直流電圧を高周波インバータ3
に出力するように指令を信号線e1を通して与える。
【0027】直流−直流コンバータ2はこの予備予熱電
流出力指令信号を受けて、直流電源1からの一定電圧の
直流入力を所定の直流電圧電力に変換して高周波インバ
ータ3に出力し、高周波インバータ3はこの所定電圧の
直流電力を入力し、予備予熱電流i1の高周波電流を出
力端子7を介して熱陰極放電灯9に対して出力する。こ
の結果、熱陰極放電灯9の電極フィラメントに予備予熱
電流i1が流れて発熱が始まるが、この場合、予備予熱
電流i1が通常の予熱温度である約850°よりも低
く、熱電子が活発には放出できない約400〜500°
に予熱する電流であるため、熱陰極放電灯9の電極フィ
ラメントは約400〜500°の予備予熱温度Tf1に
予熱され、点灯指令が入力されるまでこの温度Tf1に
維持されることになる。
【0028】次に、任意のタイミングt2において操作
部12において放電灯点灯操作がなされると、CPU1
1はコンバータ制御回路4と調光制御回路6に対して点
灯指令信号を与え、調光制御回路6は調光回路5に対し
てそのスイッチング回路SWがオン状態を維持するよう
に制御してフィラメントの予熱モードを継続させる。そ
してコンバータ制御回路4は直流−直流コンバータ2に
対して、高周波インバータ3が通常の予熱電流(以下、
本予熱電流と称する)i2を出力するのに必要な直流電
圧を高周波インバータ3に出力するように指令を与え
る。
【0029】直流−直流コンバータ2はこの本予熱電流
出力指令信号を受けて、直流電源1からの一定電圧の直
流入力を所定電圧の直流電力に変換して高周波インバー
タ3に出力し、高周波インバータ3はこの所定電圧の直
流電力を入力し、本予熱電流i2の高周波電流を出力端
子7を介して熱陰極放電灯9に対して出力する。この結
果、熱陰極放電灯9の電極フィラメントに本予熱電流i
2が流れ、それまで予備予熱で約400〜500°に維
持されていたフィラメントは、t3までの短い時間のう
ちに熱電子が活発に放出され放電点灯が可能となる温度
Tf2である約850°まで上昇する。
【0030】この時、CPU11はタイミングt3にコ
ンバータ制御回路4と調光制御回路6に点灯指令信号を
出力する。これを受けて、調光制御回路6は調光回路5
に対してスイッチング回路SWをオフする指令を与え、
調光回路5のスイッチング回路SWがオフすることによ
って熱陰極放電灯9の電極間の短絡が解除され、放電灯
9内で真空放電が開始されて点灯されることになる。
【0031】そしてこのタイミングt3では、コンバー
タ制御回路4は直流−直流コンバータ2に対してランプ
電流i3を高周波インバータ3が出力するのに必要な直
流電圧を出力する制御を行ない、直流−直流コンバータ
2は高周波インバータ3がランプ電流i3を出力するの
に必要な直流電圧を与えるように直流−直流変換を行な
う。そしてこの場合、調光回路5のスイッチング回路S
Wがオンとならない限り高周波インバータ3の高周波ラ
ンプ電流i3の大きさに応じた明るさで全光点灯状態が
維持されることになる。
【0032】次に、放電灯9の調光動作について説明す
る。放電灯9の調光は、調光回路5のスイッチング回路
SWのオン・オフの切替制御を高速で行ない、そのオン
時間とオフ時間の時間比を制御することによって行な
う。すなわち、任意のタイミングt4にスイッチング回
路SWをオンすることによって熱陰極放電灯9の両電極
間が短絡し、放電灯9内での電極間の放電が停止し、高
周波インバータ3からの高周波電流がスイッチング回路
SWを通して高周波フィラメント電流i4(=i3:全
光点灯電流)として流れるようになり、次のタイミング
t5にスイッチング回路SWをオフすることによって再
び放電灯9内の放電が開始して高周波インバータ3から
の高周波電流がランプ電流i5(=i3:全光点灯電
流)として流れるようになるので、このスイッチング回
路SWのオン・オフの時間比τ1/τ2(=d:デュー
ティ比)を変化させることによって放電灯9の明るさを
調整することができる。
【0033】そこで、操作部12の調光つまみの操作に
よって放電灯9の明るさを変化させる信号がCPU11
に入力されると、CPU11は調光制御回路6に対して
明るさの増減指令信号を入力する。これを受けて調光制
御回路6は放電灯9から所定の明るさが得られるような
オン・オフデューティ比dを演算し、そのデューティ比
dを実現するパルス信号を調光回路5のスイッチング回
路SWに与え、これによって調光回路5のスイッチング
回路SWがスイッチングを行ない、放電灯9を所望の明
るさに調光する。
【0034】こうして、この実施例の熱陰極放電灯点灯
回路Aを備えた放電灯装置は、メイン電源の投入時に熱
陰極放電灯9の電極フィラメントに予備予熱電流を流し
ておき、放電灯点灯指令が入力されたときにこの予備予
熱状態から本予熱に移行するようにしているので、放電
灯点灯操作から放電灯9が点灯するまでの時間が、従来
のように放電灯点灯操作があって初めて予熱を開始し、
所定の予熱温度になればスイッチング回路をオフして放
電点灯を開始させる場合に比べて短くできる。
【0035】図3は請求項1および2の発明の熱陰極放
電灯点灯回路を含む請求項3の発明の放電灯装置の具体
的な回路構成を示している。この回路図において、直流
電源1は図示されていないが、+Vdの端子には直流電
源から+24Vの直流電力が印加されている。直流−直
流コンバータ2の部分は、トランジスタQ3,Q4と、
抵抗R4〜R6、ダイオードD1から構成されている。
そして高周波インバータ3の部分は、交互に高速でター
ンオン・オフするトランジスタQ1,Q2と、共振回路
を構成するコイルL1およびコンデンサC1と、抵抗R
1〜R3と、昇圧トランスT1、直流カット用のコンデ
ンサC2から構成されている。
【0036】また調光回路5は大きく分けて、熱陰極放
電灯9の電極フィラメントに対して高周波インバータ3
の反対側の端子に接続され、フィラメント電流を整流す
るための整流部13と、図1に示したスイッチング回路
SWに対応するスイッチング部14と、このスイッチン
グ部14のスイッチング動作を行なわせるスイッチング
駆動部15から構成されている。そして整流部13はブ
リッジに組まれたダイオードD2〜D5から構成され、
スイッチング部14はスイッチングトランジスタQ5と
抵抗R9から構成されている。またスイッチング駆動部
15は2段に接続されたトランジスタQ6,Q7と、ダ
イオードD6と、抵抗R10〜R14から構成されてい
る。
【0037】なお、その他コンバータ制御回路4、調光
制御回路6、メイン制御装置としてのCPU11および
操作部12は図1と同じものである。
【0038】次に、上記構成の放電灯装置の動作につい
て説明する。直流−直流コンバータ2はスイッチングト
ランジスタQ4の高速スイッチング、例えば約20〜3
0kHz(=1/T1(周期))のスイッチング動作に
よってスイッチングトランジスタQ3も同期してスイッ
チング動作して直流電源+Vd(ここでは、24V)を
チョッピングし、そのスイッチングのデューティ比に応
じて所望の直流電圧を出力する。そしてこのトランジス
タQ4に対するスイッチング信号はコンバータ制御回路
4に内蔵されているICが、CPU11からの電圧出力
コントロール信号a1に応じて作り出すようになってい
る。すなわち予備予熱用、本予熱用および点灯用の3値
を作り出して信号線e1を通して直流−直流コンバータ
2のトランジスタQ4のベースに与え、このトランジス
タQ4をスイッチング動作させるのである。
【0039】高周波インバータ3では、トランジスタQ
3によってチョッピングされ、ダイオードD1とチョー
クコイルL1により予備予熱用電流、本予熱用電流ある
いは点灯用電流を生成するのに必要な所定の電圧となっ
た直流が入力され、スイッチングトランジスタQ1,Q
2の高速で交互のスイッチング動作と、トランスT1と
コンデンサC1による共振動作によって約40〜50k
Hzの一定周波数の高周波電力に変換し、さらにトラン
スT1によって昇圧を行ない、コンデンサC2により出
力端子7に所定の高周波電流として出力する。
【0040】調光回路5の整流部13では、トランジス
タQ5がオンしフィラメント電流が流れている状態で、
放電灯9の電極フィラメントを通して流れる高周波電力
を整流し平滑化してスイッチング回路としてのトランジ
スタQ5に与える。トランジスタQ5がオフしている状
態ではフィラメント電流が流れない。したがって、スイ
ッチング部14のスイッチングトランジスタQ5のオン
・オフ制御によってフィラメント電流の通流・遮断を繰
り返し、熱陰極放電灯9の放電停止・放電開始を数kH
z(=1/T2(周期))の高速で繰り返すことにより
放電灯9の調光を行なうことができる。しかもこの場
合、トランジスタQ5のオン時間を長くすれば放電停止
時間が長くなり、暗くすることができ、逆にオフ時間を
長くすれば放電時間が長くなり、明るくすることができ
る。
【0041】そこで、スイッチングトランジスタQ5に
対するスイッチング駆動部15に対して調光制御回路6
からオン・オフデューティ比を調整した信号を与えるこ
とにより、放電灯9の調光を行なうことができることに
なる。この調光制御回路6は操作部12による明るさ調
整つまみの操作に応じて調光基準を発生し、放電灯9の
明るさをセンシングする調光用センサ10からのフィー
ドバック信号との比較によって放電灯9の明るさの増減
度を演算し、それに見合うデューティ比dのスイッチン
グ信号を生成してスイッチング駆動部15に出力するの
である。
【0042】図4は回路各部の信号波形を示すタイミン
グチャートであり、Voutは直流−直流コンバータ2
の出力電圧であり、このVoutにより高周波インバー
タ3を通して熱陰極放電灯9に所定の予備予熱用フィラ
メント電流(図2に示した電流i1)、本予熱用フィラ
メント電流(図2に示した電流i2)、点灯時のランプ
電流(同じく電流i3)、調光点灯時のランプ電流(同
じく電流i5)およびフィラメント電流(同じく電流i
4)が出力される。そこで、これらのVoutを得るた
めの制御動作を図4を見ながら説明する。
【0043】タイミングt0の電源完全オフ状態から、
任意のタイミングt1に操作部12を操作してメイン電
源が投入されると、各電圧端子+Vdにはこの場合+2
4Vの直流電圧が印加されることになる。そしてこれと
共に、CPU11はコンバータ制御回路4に予熱切替信
号を“H”に切り替えて入力する。
【0044】これを受けてコンバータ制御回路4では、
予備予熱用フィラメント電流を高周波インバータ3が出
力するために、直流−直流コンバータ2の出力電圧Vo
utがVhpとなるように、スイッチング信号p1を信
号線e1を通して直流−直流コンバータ2のスイッチン
グトランジスタQ4のベースに出力する。この結果、ス
イッチングトランジスタQ4はスイッチング信号p1と
同じタイミングでスイッチングを行ない、これによって
スイッチングトランジスタQ3も同じタイミングで入力
直流電圧+Vdをチョッピングし、高周波インバータ3
にダイオードD1とチョークコイルL1を通して出力す
る。したがって、高周波インバータ3はこの予備予熱用
直流電圧Vhpを入力し、高周波変換して熱陰極放電灯
9に対して所望の高周波電流i1を予備予熱用電流とし
て出力できるようになる。
【0045】そしてこの動作と並行して、調光回路5の
スイッチングトランジスタQ5はメイン電源が投入され
て+Vdが印加されると同時にオンし、熱陰極放電灯9
の両電極フィラメント間を短絡する。
【0046】この結果、任意のメイン電源投入のタイミ
ングt1において、熱陰極放電灯9の電極フィラメント
間に高周波インバータ3から図2に示した予備予熱フィ
ラメント電流i1が流れるようになり、フィラメントが
図2に示す約400〜500°の温度Tf1まで予備予
熱され、この状態が次の任意のタイミングt2に点灯信
号が入力されるまで維持されることになる。
【0047】こうしてメイン電源の投入と同時に熱陰極
放電灯9のフィラメントの予備予熱が開始された後、任
意のタイミングt2において操作部12の操作で点灯指
令がCPU11に入力されると、CPU11からコンバ
ータ制御回路4に対して予熱切替信号を“L”に切り替
えて入力し、これを受けてコンバータ制御回路4は本予
熱に切り替えるために、直流−直流コンバータ2の出力
電圧VoutがVfpとなるように、予備予熱時のスイ
ッチング信号よりもオンデューティが高いp2のスイッ
チング信号を生成して直流−直流コンバータ2のスイッ
チングトランジスタQ4のベースに出力する。
【0048】トランジスタQ4はこのスイッチング信号
p2を受けてスイッチングし、これに従動するようにし
てスイッチングトランジスタQ3もp2のタイミングで
スイッチングして直流電源+Vdをチョッピングし、高
周波インバータ3に高い電圧の直流電力を入力するよう
になる。そこで高周波インバータ3ではこの本予熱用直
流電圧Vfpを高周波電流に変換し、熱陰極放電灯9に
本予熱フィラメント電流i2を与える。
【0049】そしてこのとき、調光回路5側ではいぜん
直流電源+VdによってスイッチングトランジスタQ5
がオン状態を維持している。結果的に、熱陰極放電灯9
の電極フィラメントに本予熱用の大きなフィラメント電
流i2が流れ、短い時間のうちにフィラメントが放電を
開始するのに十分な温度である約850°まで赤熱され
るようになる。
【0050】次に、CPU11はそのタイミングt3で
調光制御回路6に予熱完了信号を出力し、これを受けて
調光制御回路6は調光回路5のスイッチング駆動部15
のトランジスタQ7をオフさせる。これによってトラン
ジスタQ6もオンし、それまでオンしていたスイッチン
グ部14のトランジスタQ5は反対にオフすることにな
る。この結果、フィラメント電流の流れが遮断され、熱
陰極放電灯9内で熱放電が開始して放電灯9が点灯され
ることになる。
【0051】そしてこの放電灯9の放電点灯が開始する
とき、CPU11はコンバータ制御回路4にもランプ電
流に切り替える指令をコントロール信号として与え、こ
れを受けてコンバータ制御回路4は高周波インバータ3
が熱陰極放電灯9にランプ電流i3を与えるべく、p3
のスイッチング信号を直流−直流コンバータ2のスイッ
チングトランジスタQ4に出力する。この点灯電流i3
の生成のために用いられるスイッチング信号p3のオン
デューティは予備予熱用のスイッチング信号p1よりも
大きく、本予熱用のスイッチング信号p2よりは小さい
値となる。
【0052】トランジスタQ4はこのスイッチング信号
p3を受けてスイッチングし、これに従動するようにし
てスイッチングトランジスタQ3もp3のタイミングで
スイッチングして直流電源+Vdをチョッピングし、高
周波インバータ3に所定の直流電圧Vlpを入力するよ
うになる。そこで高周波インバータ3ではこの直流入力
を高周波電流に変換し、トランスT1を経て熱陰極放電
灯9に図2に示すランプ電流i3を与え、放電灯9はこ
のランプ電流i3によって全光点灯状態になる。
【0053】次に調光動作について説明すると、任意の
タイミングt4で操作部12から放電灯9を暗くするよ
うな操作信号が入力されると、CPU11はこれを制御
信号電圧のmaxとminの間の対応する電圧に調整し
たコントロール信号c1として調光制御回路6に対して
出力する。
【0054】そこで調光制御回路6に内蔵されているI
Cがコントロール信号に見合う明るさにするためにスイ
ッチングトランジスタQ5のオン時間τ1とオフ時間τ
2との比、つまりデューティ比d(=τ1/τ2)を演
算し、そのデューティ比のスイッチング信号をスイッチ
ング駆動部15に信号d1として出力し、最終的にスイ
ッチングトランジスタQ5をこのデューティ比dでオン
・オフ動作させ、放電灯9を所望の明るさに調光する。
すなわち、図4において操作部12の操作によって調光
用のコントロール信号の電圧をmin側に低下させて放
電灯9を暗くしようとする場合には、スイッチングトラ
ンジスタQ5のオン時間τ1が長くなるようなデューテ
ィ比dのパルス信号を調光制御回路6から調光回路5の
スイッチング駆動部15に信号d1として与え、逆に放
電灯9を明るくするためには、スイッチングトランジス
タQ5のオン時間が短くなるようなデューティ比のパル
ス信号を調光制御回路6で生成して調光回路5へ出力す
るのである。
【0055】こうして、この実施例の熱陰極放電灯点灯
回路Aを備えた放電灯装置は、メイン電源の投入時に熱
陰極放電灯9の電極フィラメントに予備予熱電流を流し
ておき、放電灯点灯指令が入力されたときにこの予備予
熱状態から本予熱に移行するようにしているので、放電
灯点灯操作から放電灯9が点灯するまでの時間が、従来
のように放電灯点灯操作があって初めて予熱を開始し、
所定の予熱温度になればスイッチング回路をオフして放
電点灯を開始させる場合に比べて短くできる。例えば、
図5(a)に示すように従来ではメイン電源の投入時に
は予備予熱動作を行なわないでいたので、点灯信号が入
力されたタイミングt2において初めてフィラメント電
流を熱陰極放電灯の電極フィラメントに流して予熱を開
始するために、放電点灯を始めるまでの予熱時間が約
4,5秒と長くかかっていたのが、この発明によれば、
点灯指令が入力されるタイミングt1ではフィラメント
が予備的に約400〜500°に予熱されているので、
タイミングt2で点灯指令が与えられると、その後約2
秒という短い時間で放電点灯が可能となるのである。
【0056】次に、請求項4および5の発明の熱陰極放
電灯点灯回路とそれを含む請求項6の発明の放電灯装置
について、図6の実施例に基づいて説明する。図6は請
求項6の発明の放電灯装置の一実施例の回路ブロック図
であり、この図において鎖線が囲んだ部分Bが請求項4
および5の発明の熱陰極放電灯点灯回路の実施例とな
る。
【0057】この実施例の放電灯装置は、熱陰極放電灯
点灯回路Bの部分に、一定電圧、一定周波数のランプ電
流IL を出力するためにメイン電源である直流電源21
からの一定電圧の直流を入力して一定周波数、一定電圧
の高周波電力に変換する点灯用高周波インバータ22を
備えている。熱陰極放電灯点灯回路Bの部分にはまた、
直流電源21からの一定電圧の直流を所定の電圧の直流
電力に変換する直流−直流コンバータ23と、この直流
−直流コンバータ23の直流電力をその電圧に見合う高
周波電力に変換する予熱用高周波インバータ24と、前
記直流−直流コンバータ23の出力電圧を制御するコン
バータ制御回路25と、熱陰極放電灯の点灯時の予熱・
点灯切替制御を行なうと共に、明るさの調整のためにも
予熱・点灯切替制御を行なうスイッチング回路としての
調光回路26と、この調光回路26に対してスイッチン
グパルスのデューティ制御を行なう調光制御回路27を
備えている。
【0058】この実施例の放電灯装置はさらに、点灯用
高周波インバータ22の出力端子28と調光回路26の
入力端子29とに接続される電極端子(図示せず)に装
着された放電灯30と、この放電灯30の明るさを検出
する調光用センサ31と、前述の熱陰極放電灯点灯回路
Bの各部に制御信号を与え、装置全体の制御を行なうC
PUによって構成されるメイン制御装置32と、メイン
電源としての直流電源21の投入、放電灯30の点灯指
令、放電灯30の調光指令を入力するための操作部33
を備えている。
【0059】前述のコンバータ制御回路25は、メイン
制御装置(CPU)32からメイン電源である直流電源
21の電源投入信号の入力を受けて、直流−直流コンバ
ータ23に対して、予熱用高周波インバータ24が通常
の予熱電流(通常、放電灯の電極フィラメントを約85
0°に上昇させるのに必要な電流)よりも低い予備予熱
電流(フィラメントを約400〜500°に上昇させ、
維持させるのに必要な電流)を出力するのに必要な直流
電圧を出力するように指示し、またCPU32から熱陰
極放電灯30の点灯指令信号の入力を受けて予熱用高周
波インバータ24が通常の予熱電流を出力するのに必要
な直流電圧を出力するように指示する制御を行なうよう
になっている。コンバータ制御回路25はさらに、放電
灯30の点灯中の調光時に必要な所定電圧のフィラメン
ト予熱電流を予熱用高周波インバータ24が出力するの
に必要な電圧の直流を直流−直流コンバータ23が出力
する制御も行なうようになっている。
【0060】次に、上記構成の熱陰極放電灯点灯回路B
の動作、またこの熱陰極放電灯点灯回路を含む放電灯装
置の動作について説明する。図7は熱陰極放電灯30の
電極フィラメントに流れるフィラメント電流If、放電
点灯時のランプ電流IL 、そしてフィラメントの温度状
態Tf、調光回路26にスイッチング回路SWのタイミ
ングチャートを示している。
【0061】タイミングt0の電源オフ状態から任意の
タイミングt1において、操作部33によってメイン電
源としての直流電源21の電源投入操作がなされると、
CPU32はメイン電源投入信号を信号線a2を通して
コンバータ制御回路25と、信号線b2を通して点灯用
高周波インバータ22に入力する。
【0062】これを受けて、点灯用高周波インバータ2
2は最初は動作を停止している。一方、コンバータ制御
回路25は直流−直流コンバータ23に対して、予熱用
高周波インバータ24が通常の予熱電流i12よりも低
い所定の予備予熱電流i11を出力するのに必要な直流
電圧を予熱用高周波インバータ24へ出力するように指
令を信号線e2を通して与える。
【0063】直流−直流コンバータ23はこの予備予熱
電流出力指令信号を受けて、直流電源21からの一定電
圧の直流入力を所定の直流電圧電力に変換して予熱用高
周波インバータ24に出力し、予熱用高周波インバータ
24はこの所定電圧の直流電力を入力し、対応する電圧
の高周波電流を出力するようになる。
【0064】この結果、予熱用高周波インバータ24の
高周波電流である予備予熱電流i11が出力端子28を
介して熱陰極放電灯30に出力されるようになり、熱陰
極放電灯30の電極フィラメントに予備予熱電流i11
が流れて発熱が始まる。しかしながらこの場合、予備予
熱電流i11が通常の予熱温度Tf2である約850°
よりも低く、熱電子が活発には放出できない約400〜
500°に予熱する電流であるため、熱陰極放電灯9の
電極フィラメントは約400〜500°の予備予熱温度
Tf1に予熱され、点灯指令が入力されるまでこの温度
Tf1に維持されることになる。
【0065】次に、任意のタイミングt2において操作
部33において放電灯点灯操作がなされると、CPU3
2はコンバータ制御回路25に対して点灯指令信号を与
える。そしてコンバータ制御回路25は直流−直流コン
バータ23に対して、予熱用高周波インバータ24が通
常の予熱電流を出力するのに必要な直流電圧を予熱用高
周波インバータ24へ出力するように指令を与える。
【0066】直流−直流コンバータ24はこの指令信号
を受けて、直流電源21からの一定電圧の直流入力を所
定電圧の直流電力に変換して予熱用高周波インバータ2
4に出力し、予熱用高周波インバータ24はこの所定電
圧の直流電力を入力して所定の電圧の高周波電流を出力
するようになり、この予熱用高周波インバータ24から
の高周波電流が出力端子28を介して熱陰極放電灯30
に対して出力されるようになる。
【0067】この結果、熱陰極放電灯30の電極フィラ
メントに本予熱電流i12が流れ、それまで予備予熱で
約400〜500°に維持されていたフィラメントは、
t3までの短い時間のうちに熱電子が活発に放出され放
電点灯が可能となる温度Tf2である約850°まで上
昇する。
【0068】こうしてフィラメントが本予熱温度Tf2
である約850°まで上昇し赤熱すると、CPU32は
タイミングt3にコンバータ制御回路25と点灯用高周
波インバータ22に点灯指令信号を出力する。これを受
けて、点灯用高周波インバータ22は動作を開始し、熱
陰極放電灯30の電極間に一定の高周波電圧が印加さ
れ、放電灯30内で真空放電が開始されて点灯されるこ
とになる。この場合のランプ電流はi13である。
【0069】そしてこのタイミングt3では、コンバー
タ制御回路25は直流−直流コンバータ23に対して、
予熱用高周波インバータ24の高周波電流i14(前述
した予備予熱用電流i11と同じ)が流れるのに必要な
直流電圧を予熱用高周波インバータ24へ出力するよう
に指令を信号線e2を通して与える。この場合の高周波
電流i14は、放電灯の各フィラメントを循環する電流
であり、ランプ電流i13とは無関係に独立に流れる電
流である。そして放電灯30は調光回路5のスイッチン
グ回路SWがオンとならない限り、この高周波ランプ電
流i13の大きさに応じた明るさで全光点灯状態に維持
されることになる。
【0070】次に、放電灯30の調光動作について説明
する。放電灯30の調光は、調光回路26のスイッチン
グ回路SWのオン・オフの切替制御を高速で行ない、そ
のオン時間とオフ時間の時間比を制御することによって
行なう。すなわち、任意のタイミングt4にスイッチン
グ回路SWをオンすることによって熱陰極放電灯30の
両電極間が短絡し、放電灯30内での電極間の放電が停
止し、高周波インバータ22からの高周波電流がスイッ
チング回路SWを通して高周波フィラメント電流i15
(=i13:全光点灯電流)として流れるようになり、
次のタイミングt5にスイッチング回路SWをオフする
ことによって再び放電灯30内の放電が開始して高周波
インバータ22からの高周波電流がランプ電流i16
(=i13:全光点灯電流)として流れるようになるの
で、このスイッチング回路SWのオン・オフの時間比τ
1/τ2(=d:デューティ比)を変化させることによ
って放電灯30の明るさを調整することができる。なお
この場合、フィラメントに流れる全予熱電流は、i14
とi15との重畳された電流となる。
【0071】そこで、操作部33の調光つまみの操作に
よって放電灯30の明るさを変化させる信号がCPU3
2に入力されると、CPU32は調光制御回路27に対
して明るさの増減指令信号を入力する。これを受けて調
光制御回路27は放電灯30から所定の明るさが得られ
るようなオン・オフデューティ比dを演算し、そのデュ
ーティ比dを実現するパルス信号を調光回路26のスイ
ッチング回路SWに与え、これによって調光回路26の
スイッチング回路SWがスイッチングを行ない、放電灯
30を所望の明るさに調光する。
【0072】こうして、この実施例の熱陰極放電灯点灯
回路Bを備えた放電灯装置は、メイン電源の投入時に熱
陰極放電灯30の電極フィラメントに予備予熱電流を流
しておき、放電灯点灯指令が入力されたときにこの予備
予熱状態から本予熱に移行するようにしているので、放
電灯点灯操作から放電灯30が点灯するまでの時間が、
従来のように放電灯点灯操作があって初めて予熱を開始
し、所定の予熱温度になれば点灯用高周波インバータ2
2が動作を開始して放電点灯を開始させる場合に比べて
短くできる。
【0073】図8は請求項4および5の発明の熱陰極放
電灯点灯回路を含む請求項6の発明の放電灯装置の具体
的な回路構成を示している。この回路図において、直流
電源21は図示されていないが、+Vdの端子には直流
電源から+24Vの直流電力が印加されている。
【0074】点灯用高周波インバータ22の部分は、交
互に高速でスイッチングするトランジスタQ1,Q2
と、共振回路を構成するコイルL1およびコンデンサC
1と、抵抗R1〜R3と、昇圧トランスT1、直流カッ
ト用のコンデンサC2から構成されている。
【0075】直流−直流コンバータ23の部分は、トラ
ンジスタQ13,Q14と、抵抗R14〜R16、整流
用ダイオードD1から構成されている。そして予熱用高
周波インバータ24の部分は、交互に高速でスイッチン
グするトランジスタQ11,Q12と、共振回路を構成
するコイルL11およびコンデンサC11と、抵抗R1
1〜R13と、降圧トランスT2から構成されている。
【0076】また調光回路26は大きく分けて、熱陰極
放電灯30の電極フィラメントに対して高周波インバー
タ22の反対側の端子に接続され、フィラメント電流を
整流するための整流部34と、図6に示したスイッチン
グ回路SWに対応するスイッチング部35と、このスイ
ッチング部35のスイッチング動作を行なわせるスイッ
チング駆動部36から構成されている。そして整流部3
4はブリッジに組まれたダイオードD2〜D5から構成
され、スイッチング部35はスイッチングトランジスタ
Q15と抵抗R19とから構成されている。またスイッ
チング駆動部36はトランジスタQ16と、抵抗R20
〜R23から構成されている。
【0077】なお、その他コンバータ制御回路25、調
光制御回路27、メイン制御装置としてのCPU32お
よび操作部33は図6と同じものである。
【0078】次に、上記構成の放電灯装置の動作につい
て説明する。メイン電源が投入されれば、点灯用高周波
インバータ22はCPU32より信号線b2を通して予
熱状態を維持する指令を受けるので動作を停止してい
る。
【0079】一方、直流−直流コンバータ23はスイッ
チングトランジスタQ14の高速スイッチング、例えば
20〜30kHz(=1/T1(周期))のスイッチン
グ動作によってスイッチングトランジスタQ13も同期
してスイッチング動作して直流電源+Vd(ここでは、
24V)をチョッピングし、そのスイッチングのデュー
ティ比に応じて所望の直流電圧を出力する。そしてこの
トランジスタQ14に対するスイッチング信号e2はコ
ンバータ制御回路25に内蔵されているICが、CPU
32からの電圧出力コントロール信号a2に応じて作り
出すようになっている。すなわち予備予熱用(調光時の
予熱も含む)、本予熱用の2値を作り出して直流−直流
コンバータ23のトランジスタQ14のベースに与え、
このトランジスタQ14をスイッチング動作させるので
ある。
【0080】予熱用高周波インバータ24では、トラン
ジスタQ13によってチョッピングされ、ダイオードD
1とチョークコイルL1により予備予熱用電流、本予熱
用電流を生成するのに必要な所定の電圧となった直流電
圧が入力され、スイッチングトランジスタQ11,Q1
2の高速で交互のスイッチング動作と、トランスT2と
コンデンサC11による共振動作によって約30〜40
kHzの一定周波数の高周波電力に変換し、トランスT
2によって降圧を行ない、出力端子28に出力され、所
定の電圧の高周波電流として出力端子28から熱陰極放
電灯30に出力する。
【0081】調光回路26の整流部34では、トランジ
スタQ15がオンしフィラメント電流が流れている状態
で、放電灯30の電極フィラメントを通して流れる高周
波電力を整流し平滑化してスイッチング回路としてのト
ランジスタQ15に与える。トランジスタQ15がオフ
している状態ではフィラメント電流が流れない。したが
って、スイッチング部35のスイッチングトランジスタ
Q15のオン・オフ制御によってフィラメント電流の通
流・遮断を繰り返し、熱陰極放電灯30の放電停止・放
電開始を数kHz(=1/T2(周期))の高速で繰り
返すことにより放電灯30の調光を行なうことができ
る。しかもこの場合、トランジスタQ15のオン時間を
長くすれば放電停止時間が長くなり、暗くすることがで
き、逆にオフ時間を長くすれば放電時間が長くなり、明
るくすることができる。
【0082】そこで、スイッチングトランジスタQ15
に対するスイッチング駆動部36に対して調光制御回路
27からオン・オフデューティ比を調整した信号d2を
与えることにより、放電灯30の調光を行なうことがで
きることになる。この調光制御回路27は操作部33に
よる明るさ調整つまみの操作に応じて調光基準を発生
し、放電灯30の明るさをセンシングする調光用センサ
31からのフィードバック信号との比較によって放電灯
30の明るさの増減度を演算し、それに見合うデューテ
ィ比dのスイッチング信号を生成してスイッチング駆動
部36に出力するのである。
【0083】図9は回路各部の信号波形を示すタイミン
グチャートであり、Voutは直流−直流コンバータ2
3の出力電圧であり、このVoutが予熱用高周波イン
バータ24へ入力され、対応する電圧の高周波電流を熱
陰極放電灯30側に出力されることになり、熱陰極放電
灯30に所定の予備予熱用フィラメント電流(図7に示
した電流i11)、本予熱用フィラメント電流(図7に
示した電流i12)、点灯時の予熱用フィラメント電流
(同じく電流i14)が供給されることになる。そこ
で、これらのVoutを得るための制御動作を図9を見
ながら説明する。
【0084】タイミングt0の電源完全オフ状態から、
任意のタイミングt1に操作部33を操作してメイン電
源が投入されると、各電圧端子+Vdにはこの場合+2
4Vの直流電圧が印加されることになる。そしてこれと
共に、CPU32はコンバータ制御回路25に予熱切替
信号を“H”に切り替えて入力する。
【0085】これを受けてコンバータ制御回路25で
は、予備予熱用フィラメント電流に対応する電流を予熱
用高周波インバータ24が出力するのに必要な直流電圧
を直流−直流コンバータ23の出力電圧Vhpを出力で
きるように、スイッチング信号p1を信号線e2を通し
て直流−直流コンバータ23のスイッチングトランジス
タQ14のベースに出力する。この結果、スイッチング
トランジスタQ14はスイッチング信号p1と同じタイ
ミングでスイッチングを行ない、これによってスイッチ
ングトランジスタQ13も同じタイミングで入力直流電
圧+Vdをチョッピングし、予熱用高周波インバータ2
4にダイオードD1を通して出力する。したがって、予
熱用高周波インバータ24はこの予備予熱用直流電圧を
入力し、高周波変換してトランスT2の二次側から所望
の高周波電流が出力端子28に出力され、熱陰極放電灯
30に予備予熱用電流i11として供給されるようにな
る。
【0086】一方、点灯用高周波インバータ22は、C
PU32より信号線b2を通して指令(予熱状態
“L”)信号を受けるため、動作を停止している。
【0087】この結果、任意のメイン電源投入のタイミ
ングt1において、熱陰極放電灯30の電極フィラメン
ト間に出力端子28から図7に示した予備予熱用フィラ
メント電流i11が流れるようになり、フィラメントが
図7に示す約400〜500°の温度Tf1まで予備予
熱され、この状態が次の任意のタイミングt2に点灯信
号が入力されるまで維持されることになる。
【0088】こうしてメイン電源の投入と同時に熱陰極
放電灯30のフィラメントの予備予熱が開始された後、
任意のタイミングt2において操作部33の操作で点灯
指令がCPU32に入力されると、CPU32からコン
バータ制御回路25に対して予熱切替信号が“L”に切
り替えて入力し、これを受けてコンバータ制御回路25
は本予熱モードに切り替えるために、予熱用高周波イン
バータ24が出力するのに必要な直流電圧を直流−直流
コンバータ23の出力電圧Vfpを出力するように、予
備予熱時のスイッチング信号よりもオンデューティが高
いp2のスイッチング信号を生成して直流−直流コンバ
ータ23のスイッチングトランジスタQ14のベースに
出力する。
【0089】トランジスタQ14はこのスイッチング信
号p2を受けてスイッチングし、これに従動するように
してスイッチングトランジスタQ13もp2のタイミン
グでスイッチングして直流電源+Vdをチョッピング
し、予熱用高周波インバータ24に高い電圧の直流電力
を入力するようになる。この時の直流−直流コンバータ
23の出力電圧はVfpである。そこで予熱用高周波イ
ンバータ24はこの直流入力を高周波に変換し、トラン
スT2の二次側から所望の高周波電流が出力端子28に
出力され、熱陰極放電灯30に本予熱フィラメント電流
i12として供給するようになる。一方、点灯用高周波
インバータ22は依然、動作を停止している。
【0090】そして結果的に、熱陰極放電灯30の電極
フィラメントに本予熱用の大きなフィラメント電流i1
2が流れ、短い時間のうちにフィラメントが放電を開始
するのに十分な温度である約850°まで赤熱されるよ
うになる。
【0091】CPU32はそのタイミングt3で点灯用
高周波インバータ22に信号線b2より点灯指令(点灯
状態“H”)信号を出力する。これを受けて、点灯用高
周波インバータ22は動作を開始し、熱陰極放電灯30
の電極間に一定の高周波電圧が印加され、熱放電が開始
して放電灯30が点灯されることになる。そして熱陰極
放電灯30に図7に示すランプ電流i13を与え、放電
灯30はこのランプ電流i13によって全光点灯状態に
なる。
【0092】そしてこの放電灯30の放電点灯が開始す
るとき、CPU32はコンバータ制御回路25に予熱用
高周波インバータ24の出力フィラメント電流がi14
(前述の予備予熱電流i11とほぼ等しい)となるよう
に直流−直流コンバータ23の出力電圧Vhpを与える
べく、p1のスイッチング信号を直流−直流コンバータ
23のスイッチングトランジスタQ14に出力する。こ
のフィラメント予熱用電流i14の生成のために用いら
れるスイッチング信号p1のオンデューティは予備予熱
用のスイッチング信号p1と同じであり、本予熱用のス
イッチング信号p2よりは小さい値となる。
【0093】トランジスタQ14はこのスイッチング信
号p1を受けてスイッチングし、これに従動するように
してスイッチングトランジスタQ13もp1のタイミン
グでスイッチングして直流電源+Vdをチョッピング
し、予熱用高周波インバータ24に所定の直流電圧Vh
pを入力するようになる。そこで予熱用高周波インバー
タ24ではこの直流入力を高周波電流に変換し、トラン
スT2を経て出力端子28に出力する。この場合の高周
波電流i14は、放電灯の各フィラメントを循環する電
流であり、前述のランプ電流i13とは無関係に独立に
流れる電流である。
【0094】次に調光動作について説明すると、任意の
タイミングt4で操作部33から放電灯30を暗くする
ような操作信号が入力されると、これがコントロール信
号としてCPU32から調光制御回路27へ入力され
る。そこで調光制御回路27に内蔵されているICがコ
ントロール信号に見合う明るさにするためにスイッチン
グトランジスタQ15のオン時間τ1とオフ時間τ2と
の比、つまりデューティ比d(=τ1/τ2)を演算
し、そのデューティ比のスイッチング信号をスイッチン
グ駆動部36の信号線d2に出力し、最終的にスイッチ
ングトランジスタQ15をこのデューティ比dでオン・
オフ動作させ、放電灯30を所望の明るさに調光する。
すなわち、図9において操作部33の操作によって調光
用のコントロール信号を破線矢印のように低下させて放
電灯30を暗くしようとする場合には、スイッチングト
ランジスタQ15のオン時間τ1が長くなるようなデュ
ーティ比dのパルス信号を調光制御回路27から調光回
路26のスイッチング駆動部36の信号線d2に与える
のである。そして逆に放電灯30を明るくするために
は、スイッチングトランジスタQ15のオン時間が短く
なるようなデューティ比のパルス信号を調光制御回路2
7で生成して調光回路26へ出力すことになる。
【0095】こうして、この実施例の熱陰極放電灯点灯
回路Bを備えた放電灯装置は、メイン電源の投入時に熱
陰極放電灯30の電極フィラメントに予備予熱電流を流
しておき、放電灯点灯指令が入力されたときにこの予備
予熱状態から本予熱に移行するようにしているので、図
10(b)に示すように放電灯点灯操作から放電灯30
が点灯するまでの時間が、同図(a)に示す従来のよう
に放電灯点灯操作があって初めて予熱を開始し、所定の
予熱温度になればスイッチング回路をオフして放電点灯
を開始させる場合に比べて短くでき、従来では放電点灯
を始めるまでの予熱時間が約4,5秒と長くかかってい
たのが、この発明によれば、約2秒という短い時間で放
電点灯が可能となるのである。
【0096】なお、この発明は上記の実施例に限定され
るものではなく、回路構成全体を論理素子によって構成
し、マイクロコンピュータ制御するようにすることもで
きる。また各部の電流、電圧値、周波数、その他の数値
は固定的なものではなく、使用する機器、容量に応じて
変更されるものである。
【0097】
【発明の効果】請求項1の発明では、コンバータ制御回
路によって直流−直流コンバータを制御することにより
高周波インバータに入力する直流電圧を調整し、この結
果として高周波インバータから熱陰極放電灯の両電極に
供給するための高周波電流出力を可変調整するようにし
ているので、放電灯装置の熱陰極放電灯点灯回路として
用いる場合、熱陰極放電灯の電極フィラメントに対して
通常の予熱よりも低い温度で予熱する予備予熱電流と通
常の予熱電流とを切り替えて供給するように予熱電流を
高低可変制御して出力することができ、予熱時間が短く
て速く点灯する装置を実現することができる。
【0098】請求項2の発明では、コンバータ制御回路
によって直流−直流コンバータの直流出力電圧を高低可
変制御することにより、高周波インバータから熱陰極放
電灯の両電極に対して通常の予熱電流よりも低い予備予
熱電流と通常の予熱電流とを切り替えて供給するように
しているので、放電灯装置の熱陰極放電灯点灯回路とし
て用いる場合、電源立ち上げ時には予備予熱電流によっ
て放電灯の電極のフィラメントを比較的低い温度で予備
的に予熱しておき、実際の放電灯点灯指令が入力された
時には通常の予熱用電流に切り替えて予熱することがで
き、放電灯点灯指令が入力されてから速いタイミングで
予熱完了して放電点灯を開始できるようになる。
【0099】請求項3の発明では、請求項1または2の
発明の熱陰極放電灯点灯回路を備えているので、熱陰極
放電灯の点灯が速いタイミングで行える。
【0100】請求項4の発明では、コンバータ制御回路
によって直流−直流コンバータを制御することにより予
熱用高周波インバータに入力する直流電圧を調整し、こ
の結果として予熱用高周波インバータから熱陰極放電灯
の両電極に供給するための高周波電流を可変調整するよ
うにしているので、放電灯装置の熱陰極放電灯点灯回路
として用いる場合、熱陰極放電灯の電極フィラメントに
対して通常の予熱よりも低い温度で予熱する予備予熱電
流と通常の予熱電流とを切り替えて供給できるように予
熱電流を高低可変制御して出力することができ、予熱時
間が短くて速く点灯する装置を実現することができる。
【0101】請求項5の発明では、コンバータ制御回路
によって直流−直流コンバータの直流出力を可変制御す
ることにより、予熱用高周波インバータから熱陰極放電
灯の両電極に対して通常の予熱電流よりも低い予備予熱
電流と通常の予熱電流とを切り替えて供給するようにし
ているので、放電灯装置の熱陰極放電灯点灯回路として
用いる場合、電源立ち上げ時には予備予熱電流によって
放電灯の電極のフィラメントを比較的低い温度で予備的
に予熱しておき、実際の放電灯点灯指令が入力された時
には通常の予熱用電流に切り替えて予熱することがで
き、放電灯点灯指令が入力されてから速いタイミングで
予熱完了して放電点灯を開始できるようになる。
【0102】請求項6の発明の放電灯装置では、請求項
4または5の発明の熱陰極放電灯点灯回路を備えている
ので、熱陰極放電灯の点灯が速いタイミングで行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および2の熱陰極放電灯点灯回路の実
施例回路を備えた請求項3の放電灯装置の実施例回路の
回路図。
【図2】上記回路の各部の波形を示すタイミングチャー
ト。
【図3】請求項1および2の熱陰極放電灯点灯回路の具
体的な実施例回路を備えた請求項3の放電灯装置の具体
的な実施例回路の回路図。
【図4】上記回路の各部の波形を示すタイミングチャー
ト。
【図5】上記回路の放電灯点灯時間を従来の点灯時間と
の比較で示すタイミングチャート。
【図6】請求項4および5の熱陰極放電灯点灯回路の実
施例回路を備えた請求項6の放電灯装置の実施例回路の
回路図。
【図7】上記回路の各部の波形を示すタイミングチャー
ト。
【図8】請求項4および5の熱陰極放電灯点灯回路の具
体的な実施例回路を備えた請求項6の放電灯装置の具体
的な実施例回路の回路図。
【図9】上記回路の各部の波形を示すタイミングチャー
ト。
【図10】上記回路の放電灯点灯時間を従来の点灯時間
との比較で示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1 直流電源 2 直流−直流コンバータ 3 高周波インバータ 4 コンバータ制御回路 5 調光回路 6 調光制御回路 7 出力端子 8 入力端子 9 熱陰極放電灯 10 調光センサ 11 CPU 12 操作部 13 整流部 14 スイッチング部 15 スイッチング駆動部 21 直流電源 22 点灯用高周波インバータ 23 直流−直流コンバータ 24 予熱用高周波インバータ 25 コンバータ制御回路 26 調光回路 27 調光制御回路 28 出力端子 29 入力端子 30 熱陰極放電灯 31 調光センサ 32 CPU 33 操作部 34 整流部 35 スイッチング部 36 スイッチング駆動部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱陰極放電灯に対してフィラメント予熱
    用、放電点灯用の電力を供給するために、直流入力電圧
    に応じた高周波電流を出力する高周波インバータと、 前記熱陰極放電灯に対してフィラメント予熱モードとラ
    ンプ点灯モードとを切り替えるための予熱・点灯切替ス
    イッチング手段と、 前記高周波インバータに入力する直流電力を生成する直
    流−直流コンバータと、 前記直流−直流コンバータの直流出力電圧を高低可変制
    御するコンバータ制御回路とを備えて成る熱陰極放電灯
    点灯回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱陰極放電灯点灯回路
    において、前記コンバータ制御回路が前記直流−直流コ
    ンバータに対して、当該点灯回路全体の電源投入信号の
    入力を受けて前記高周波インバータが通常の予熱電流よ
    りも低い予備予熱電流を出力するのに必要な直流電圧を
    出力するように指示し、前記熱陰極放電灯の点灯指令信
    号の入力を受けて前記高周波インバータが通常の予熱電
    流を出力するのに必要な直流電圧を出力するように指示
    することを特徴とする熱陰極放電灯点灯回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の熱陰極放電灯
    点灯回路と、前記コンバータ制御回路に対して直流出力
    電圧を可変制御するための制御信号を入力し、前記予熱
    ・点灯スイッチング手段に対して予熱・点灯の切替信号
    を入力するメイン制御回路を備え、前記高周波インバー
    タの出力端子と前記予熱・点灯切替スイッチング手段の
    入力端子との間に放電灯を装着して成る放電灯装置。
  4. 【請求項4】 熱陰極放電灯に対して放電点灯用の電力
    を供給するために、点灯モード時にオンし、予熱モード
    時にオフするインバータ動作用スイッチング手段を介し
    て入力される直流を高周波電力に変換して出力する放電
    点灯用高周波インバータと、 前記熱陰極放電灯に対してそのフィラメントを予熱する
    ために、電源投入によって動作を開始し、直流入力電圧
    に応じた高周波電流を出力する予熱用高周波インバータ
    と、 前記熱陰極放電灯に対してフィラメント予熱モードとラ
    ンプ点灯モードとを切り替えるための予熱・点灯切替ス
    イッチング手段と、 前記予熱用高周波インバータに入力する直流電力を生成
    する直流−直流コンバータと、 前記直流−直流コンバータの直流出力を高低可変制御す
    るコンバータ制御回路とを備えて成る熱陰極放電灯点灯
    回路。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の熱陰極放電灯点灯回路
    において、前記コンバータ制御回路が前記直流−直流コ
    ンバータに対して、当該点灯回路全体の電源投入信号の
    入力を受けて前記高周波インバータが通常の予熱電流よ
    りも低い予備予熱電流を出力するのに必要な直流電圧を
    出力するように指示し、前記熱陰極放電灯の点灯指令信
    号の入力を受けて前記高周波インバータが通常の予熱電
    流の出力するのに必要な直流電圧を出力するように指示
    することを特徴とする熱陰極放電灯点灯回路。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の熱陰極放電灯
    点灯回路と、前記インバータ動作用スイッチング手段に
    対してオン、オフ制御信号を入力し、前記コンバータ制
    御回路に対して直流出力電圧を可変制御するための制御
    信号を入力し、前記予熱・点灯切替スイッチング手段に
    対して予熱・点灯の切替信号を入力するメイン制御回路
    を備え、前記放電点灯用高周波インバータと予熱用高周
    波インバータとの共通の出力端子と前記予熱・点灯切替
    スイッチング手段の入力端子との間に放電灯を装着して
    成る放電灯装置。
JP5061925A 1993-03-22 1993-03-22 熱陰極放電灯点灯回路およびそれを備えた放電灯装置 Pending JPH06275387A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008014803A1 (de) * 2006-07-31 2008-02-07 Osram Gesellschaft mit beschränkter Haftung Verwendung eines elektronischen vorschaltgeräts, verfahren zur ansteuerung eines elektronischen vorschaltgeräts und dali-steuergerät
JP2011134446A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Shihen Tech Corp 放電灯点灯装置

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