JPH06274831A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド

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JPH06274831A
JPH06274831A JP5860793A JP5860793A JPH06274831A JP H06274831 A JPH06274831 A JP H06274831A JP 5860793 A JP5860793 A JP 5860793A JP 5860793 A JP5860793 A JP 5860793A JP H06274831 A JPH06274831 A JP H06274831A
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JP
Japan
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film
soft magnetic
bias
magnetoresistive
direct contact
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Application number
JP5860793A
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English (en)
Inventor
Koichi Nishioka
浩一 西岡
Shinji Narushige
真治 成重
Tetsuo Kobayashi
哲夫 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気抵抗効果(MR)膜2と分離膜4と横バ
イアス用軟磁性膜3とMR膜の単磁区化のための縦バイ
アス膜1とを備え、MR膜2と軟磁性膜3が中央部と両
端部からなるMRヘッドにおいて、バルクハウゼンノイ
ズを防止する。 【構成】 縦バイアス膜1が、両端部でMR膜2と直接
接触し、かつ軟磁性膜3とも直接接触する構成とする。
これによりMR膜2と軟磁性膜3の磁化方向は両端部で
規制され中央部に伝播されるので、膜2と膜3は全面が
単磁区化され、バルクハウゼンノイズがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体からの情
報を再生する磁気ヘッドに係り、特に、磁気抵抗効果を
利用して磁気記録媒体の情報を再生する磁気抵抗効果型
磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の磁化遷移領域から
生じる磁界によって磁気抵抗効果膜の電気抵抗が変化す
ることを利用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドが着目され
ている。この磁気ヘッドは高密度に記録した情報を高感
度に再生できることから、高記録密度磁気ディスク装置
にとって必須の磁気ヘッドとなりつつある。
【0003】一般に、磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおい
ては、記録媒体からの磁界に対して磁気抵抗効果膜をほ
ぼ線形応答させるために、この磁気抵抗効果膜に横バイ
アス(記録媒体対向面に対し垂直な方向のバイアス磁
界)を印加するための軟磁性膜を磁気抵抗効果膜の近傍
に配置し、また、記録媒体からの磁界により生じる磁気
抵抗効果膜の不規則な磁壁移動であるバルクハウゼンノ
イズを防止するために、磁気抵抗効果膜を単磁区化する
ための縦バイアス(記録媒体対向面に平行な方向、即ち
記録トラックの幅方向のバイアス磁界)を印加する膜を
備え、更に、磁気抵抗効果膜と軟磁性膜を中央領域と両
端部領域とから構成し、磁気抵抗効果膜か軟磁性の少な
くとも一方と電気的に接続した電極を備えている。磁気
抵抗効果膜の線形応答性を良くすること及びバルクハウ
ゼンノイズのないことは、記録媒体の情報を誤りなく再
生する点で、高記録密度磁気ディスク装置にとって必要
不可欠の要件である。特に、バルクハウゼンノイズは磁
気ディスク装置にとって致命傷となることからバルクハ
ウゼンノイズの防止技術は特に重要である。また、高記
録密度磁気ディスク装置では、記録媒体からの磁界が小
さいために、磁気抵抗効果膜は高感度に応答する必要が
ある。
【0004】従来、例えば、米国特許第4103315
号明細書(特公昭60−32330号公報及び特公昭6
0−35813号公報参照)に記載のように、バルクハ
ウゼンノイズを防止する技術として磁気抵抗効果膜と反
強磁性膜を直接接触させて、交換結合により磁気抵抗効
果膜を単磁区化することが公知であるが、反強磁性膜と
交換結合した磁気抵抗効果膜は磁気的に硬質であること
から、高感度な応答は期待できない。
【0005】一方、磁気抵抗効果膜を単磁区化し、かつ
高感度化する磁気抵抗効果型磁気ヘッドとして、磁気抵
抗効果膜を、縦バイアス膜と直接接触しない中央領域
と、縦バイアス膜と直接接触した端部領域とから構成す
ることが米国特許第4663685号明細書に開示され
ている。この米国特許第4663685号明細書記載の
磁気抵抗効果型磁気ヘッドでは、横バイアスを印加する
ための軟磁性膜が縦バイアスを印加する反強磁性膜と直
接的にも間接的にも接触していないことから、軟磁性膜
は多磁区状態となり、軟磁性膜に生じる磁化の不均一性
と磁壁から発生する磁界により磁気抵抗効果膜の磁化過
程は不均質となり、バルクハウゼンノイズが発生する場
合がある。横バイアスを印加するための軟磁性膜の多磁
区状態に起因するバルクハウゼンノイズを回避する磁気
抵抗効果型磁気ヘッドとして、前記両端部領域で磁気抵
抗効果膜と縦バイアスを印加する膜とを直接接触し、か
つ両端部領域の軟磁性膜と磁気抵抗効果膜とを直接接触
させることにより、軟磁性膜を単磁区化し、磁気抵抗効
果膜が軟磁性膜を介して、間接的に縦バイアスを印加す
る膜の作用を受けるようにされた構造体が、例えば特開
昭63−117309号公報(米国特許出願1986年
第926076号)に開示されている。
【0006】図3は、上記特開昭63−117309号
公報に開示されている磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気
シールドに挾まれた磁気抵抗効果素子(以下「MR素
子」ともいう)を、記録媒体対向面から少し入ったとこ
ろで記録媒体対向面に平行な面で切断した断面図で示し
たものである。
【0007】図3で、1は縦バイアス膜、2は磁気抵抗
効果膜、3は軟磁性膜(横バイアス膜)、4は磁気抵抗
効果膜2と軟磁性膜3とを分離する非磁性の分離膜、5
は電極、6及び7は非磁性のギャップ膜である。また、
11は端部領域、12は中央領域である。両端部領域1
1,11で磁気抵抗効果膜2と縦バイアスを印加する膜
1とを直接接触することによって軟磁性膜3を単磁区化
し、かつ両端部領域11の軟磁性膜3と磁気抵抗効果膜
2を直接接触させることにより、磁気抵抗効果膜2に軟
磁性膜3を介して、間接的に縦バイアスを印加し単磁区
化する。これによりバルクハウゼンノイズの抑制を目的
としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記米国特許4663
685号明細書および特開昭63−117309号公報
に記載されている従来の磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以
下、「MRヘッド」ともいう)では、縦バイアスを印加
する膜は反強磁性膜で構成されている。縦バイアスを印
加する膜である反強磁性膜と磁気抵抗効果膜(以下「M
R膜」ともいう)との直接接触による交換結合あるいは
反強磁性膜と軟磁性膜との間接結合による交換結合は界
面においてのみ発生する。反強磁性膜と直接接触した磁
気抵抗効果膜において、磁気抵抗効果膜の膜厚が大きく
なると、磁気抵抗効果膜に印加される縦バイアス磁界が
小さくなり、多磁区化することがしばしばある。反強磁
性膜と間接的に結合する軟磁性膜の膜厚が大きい場合
も、軟磁性膜に印加される縦バイアス磁界が小さくな
り、多磁区化する場合がしばしばある。磁気抵抗効果膜
が軟磁性膜を介して反強磁性膜と間接的に結合している
構造体では、磁気抵抗効果膜に印加される縦バイアス磁
界が小さくなり、多磁区化することがある。磁気抵抗効
果膜あるいは軟磁性膜の少なくとも一方が多磁区状態に
なると、記録媒体からの磁界で情報を再生するときに磁
気抵抗効果型磁気ヘッドにバルクハウゼンノイズが発生
する。かかる磁気抵抗効果型磁気ヘッドおよび磁気ディ
スク装置は信頼性が不十分である。
【0009】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解消し、磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜を
線形応答させるため横バイアスを印加する軟磁性膜と、
磁気抵抗効果膜を単磁区化する縦バイアスを印加する縦
バイアス膜とを有する磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおい
て、縦バイアス膜と軟磁性横バイアス膜とを直接接触で
きるようにすることにより、磁界に対する線形応答性と
高感度特性に優れているだけでなく、多磁区化を可及的
になくしてバルクハウゼンノイズの発生をほぼ完全にな
くし信頼性の高い磁気抵抗効果型磁気ヘッドを得ること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、磁気抵抗効果膜と、分離膜と、横バイア
スを印加する軟磁性膜と、縦バイアスを印加する縦バイ
アス膜とを備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、
前記磁気抵抗効果膜の端部領域の少なくとも一部と前記
縦バイアス膜とが直接接触し、かつ前記軟磁性膜の端部
領域の少なくとも一部と前記縦バイアス膜とが直接接触
するように構成したものである。
【0011】なお、前記軟磁性膜は、磁気抵抗効果膜を
線形応答させるため横バイアスを印加するものであり、
縦バイアス膜は、磁気抵抗効果膜を単磁区化するため縦
バイアスを印加するものである。磁気抵抗効果膜と軟磁
性膜とは、中央領域と端部領域とから成っている。電極
は磁気抵抗効果膜か軟磁性膜の少なくとも一方に電気的
に接続されている。
【0012】また、前記軟磁性膜と前記縦バイアス膜と
は、両側端部領域で直接接触すると共に、後端部領域
(記録媒体対向面から最も離れた領域)でも直接接触す
るように構成する。
【0013】更に、両側端部領域において、前記磁気抵
抗効果膜または前記軟磁性膜と前記縦バイアス膜との直
接接触する部分の縦方向の長さを横方向の長さよりも長
くしたものである。
【0014】なお、後端部領域において、縦バイアス膜
と直接接触している軟磁性膜の縦方向の長さを横方向の
長さよりも長くすることができる。また、前端部領域
(記録媒体対向面に近い領域)において、縦バイアス膜
と直接接触している軟磁性膜の縦方向の長さを横方向の
長さよりも長くすることができる。
【0015】縦バイアス膜は、反強磁性膜で構成する
か、第2の軟磁性膜と反強磁性膜からなる2層膜で構成
するか、もしくは、第2の軟磁性膜と反強磁性膜と第3
の軟磁性膜とを積層した3層膜で構成することができ
る。
【0016】
【作用】上記構成に基づく作用を説明する。
【0017】本発明によれば、縦バイアス膜(縦バイア
スを印加する膜)が、磁気抵抗効果膜の端部領域の少な
くとも一部分と直接接触すると共に、横バイアスを印加
する軟磁性膜の端部領域の少なくとも一部分とも直接接
触する構成としたので、磁気抵抗効果膜と軟磁性膜に印
加される縦バイアス磁界を大きく保ち、それにより、端
部領域の磁気抵抗効果膜と端部領域の横バイアスを印加
する軟磁性膜を単磁区状態に維持することができる。こ
の結果生じる単磁区状態は、両側端領域からその間の中
央領域の磁気抵抗効果膜と中央領域の軟磁性膜を単磁区
状態にするように伝播するので(つまり、中央領域は、
両側端領域と同一方向に磁化され、全体が単磁区化状態
となるので、)、バルクハウゼンノイズがなくなり、か
つ高感度に記録媒体の情報を再生することができる。
【0018】また、磁気抵抗効果膜と縦バイアス膜の直
接接触する部分の縦方向の長さが横方向の長さよりも短
い構造体では記録媒体からの磁界によって磁区が発生す
る場合があり、バルクハウゼンノイズの抑制が十分でな
い。そこで、磁気抵抗効果膜と縦バイアス膜の直接接触
する部分の縦方向の長さを横方向の長さよりも長くした
ことにより、記録媒体からの磁界が磁気抵抗効果膜に印
加されても単磁区状態を維持し、十分にバルクハウゼン
ノイズを抑制することができる。
【0019】同様に、軟磁性膜と縦バイアスを印加する
膜の直接接触する部分の縦方向の長さが横方向の長さよ
りも短い構造体では記録媒体からの磁界によって磁区が
発生する場合があり、バルクハウゼンノイズ抑制が十分
でない。そこで軟磁性膜と縦バイアス膜の直接接触する
部分の縦方向の長さを横方向の長さよりも長くしたこと
により、記録媒体からの磁界が磁気抵抗効果膜に印加さ
れても単磁区状態を維持し、十分にバルクハウゼンノイ
ズを抑制することができる。
【0020】また、縦バイアス膜が磁気抵抗効果膜の両
側端部領域の少なくとも一部分と直接接触すると共に、
縦バイアス膜が横バイアスを印加する軟磁性膜の前端部
領域の少なくとも一部分と直接接触し、かつ縦バイアス
膜が横バイアスを印加する軟磁性膜の後端部領域の少な
くとも一部分と直接接触する構成としたので、磁気抵抗
効果膜と軟磁性膜に印加される縦バイアス磁界を大きく
保ち、端部領域の磁気抵抗効果膜と端部領域の横バイア
スを印化する軟磁性膜を単磁区状態に維持する。その結
果、中央領域の磁気抵抗効果膜と中央領域の軟磁性膜を
単磁区状態に伝播する(磁化方向が両側端部で規制され
中央領域に伝播する結果、中央領域は両側端部と同じ単
磁区状態に規制される)ので、磁気抵抗効果膜と軟磁性
膜は全面が単磁区化され、バルクハウゼンノイズがなく
なり、かつ高感度に記録媒体の情報を再生することがで
きる。
【0021】また、縦バイアス膜と直接接触する後端部
領域の軟磁性膜の縦方向の長さが横方向の長さよりも短
い構造体では記録媒体からの磁界によって磁区が発生す
る場合があり、バルクハウゼンノイズ抑制が十分でな
い。そこで、縦バイアス膜と直接接触する後端部領域の
軟磁性膜の縦方向の長さを横方向の長さよりも長くした
ことにより、記録媒体からの磁界が磁気抵抗効果膜に印
加されても単磁区状態を維持し、十分にバルクハウゼン
ノイズを抑制することができる。
【0022】同様に、縦バイアス膜と直接接触する前端
部領域の軟磁性膜の縦方向の長さが横方向の長さよりも
短い構造体では記録媒体からの磁界によって磁区が発生
する場合があり、バルクハウゼンノイズ抑制が十分でな
い。そこで、縦バイアス膜と直接接触する前端部領域の
軟磁性膜の縦方向の長さを横方向の長さよりも長くした
ことにより、記録媒体からの磁界が磁気抵抗効果膜に印
加されても単磁区状態を維持し、十分にバルクハウゼン
ノイズを抑制することができる。
【0023】また、前記縦バイアス膜は単層の反強磁性
膜のみでもよいし、第2の軟磁性膜と反強磁性膜とから
なる2層膜でもよい。この2層膜において、磁気抵抗効
果膜および横バイアスを印加する軟磁性膜と直接接触す
る膜は、大きな縦バイアス磁界が印加できることから反
強磁性膜が望ましいが、第2の軟磁性膜が磁気抵抗効果
膜あるいは横バイアスを印加する軟磁性膜よりも薄けれ
ば、第2の軟磁性膜と磁気抵抗効果膜とを直接接触する
と共に、第2の軟磁性膜と横バイアスを印加する軟磁性
膜とを直接接触させてもよい。第2の軟磁性膜は磁気抵
抗効果膜あるいは横バイアスを印加する軟磁性膜と同一
組成の材料であってもよいし、磁気抵抗効果膜あるいは
横バイアスを印加する軟磁性膜とは異なる組成の材料で
あってもよい。
【0024】また、本発明の縦バイアス膜は、第2の軟
磁性膜と反強磁性膜と第3の軟磁性膜が順次積層された
3層膜で構成しても、本発明の目的を達成することがで
きる。この3層で構成した縦バイアス膜において、磁気
抵抗効果膜および横バイアスを印加する軟磁性膜と直接
接触する膜は、磁気抵抗効果膜あるいは横バイアスを印
加する軟磁性膜よりも薄ければ、第2の軟磁性膜でも第
3の軟磁性膜でもよい。第2の軟磁性膜と第3の軟磁性
膜は同一組成の材料でもよいし、組成が異なる材料でも
よい。肝要な点は、磁気抵抗効果膜及び横バイアスを印
加する軟磁性膜と直接接触する第2あるいは第3の軟質
磁性膜が、磁気抵抗効果膜および横バイアスを印加する
軟磁性膜と強磁性交換結合することである。
【0025】本発明において、横バイアス膜と直接接触
した側の磁気抵抗効果膜界面側及び縦バイアス膜と直接
接触した側の横バイアスを印加する軟磁性膜の界面側に
電極を配置してもよいし(前者)、縦バイアス膜と直接
接触した側の磁気抵抗効果膜とは反対の界面側及び縦バ
イアスを印加する膜と直接接触した側の横バイアスを印
加する軟磁性膜とは反対の界面側に電極を配置してもよ
い(後者)。後者の構造体(縦バイアスを印加する膜と
直接接触した側の磁気抵抗効果膜とは反対の界面側及び
縦バイアスを印加する膜と直接接触した側の横バイアス
を印加する軟磁性膜とは反対の界面側に電極を配置した
構造体)では、製造プロセス上必要な導電性金属膜を電
極と磁気抵抗効果膜との間及び電極と横バイアスを印加
する軟磁性膜との間に配置する場合がある。
【0026】また、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドで磁
気記録媒体の情報を再生する磁気ディスク装置では、バ
ルクハウゼンノイズがないので、情報の再生誤り率が十
分に小さく、かつ高感度に記録媒体の情報を再生できる
ので、信頼性の高い磁気ディスク装置が得られる。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面により詳細に
説明する。
【0028】図1は、本発明の一実施例の磁気抵抗効果
型磁気ヘッド(MRヘッド)の磁気シールドに挾まれた
磁気抵抗効果素子(MR素子)の製造工程の説明図、図
2(a)(b)は、図1の製造方法により作製されたM
R素子の構造図である。図2(b)は、図3と同様に、
本実施例のMR素子を、記録媒体対向面から少し入った
ところで記録媒体対向面に平行な面で切断した断面図で
あり、図の左右方向が記録媒体(磁気ディスク)の半径
方向(トラック幅方向)である。但し、ここでは、電極
を形成する前の状態を示している。図2(a)は、図2
(b)の上面からみた平面図で、下側端が記録媒体対向
面である。
【0029】本発明の実施例のMR素子は、端部領域に
おいて、縦バイアス膜が磁気抵抗効果膜(MR膜)及び
横バイアスを印加する軟磁性膜の両者に直接接触する構
造とした点に特徴がある。以下に、このMR素子の製造
方法から説明する。
【0030】<実施例1> MR素子の製造方法 図1(a)〜(d)により説明する。
【0031】アルミナ6(後のギャップ膜に相当する)
上に、縦バイアス膜1を形成した。縦バイアス膜1は永
久磁石膜Co0.80Pt0.20(膜厚5〜100nm)、ま
たは反強磁性膜NiO(10〜100nm)をスパッタ
リングを用いて作成した。
【0032】縦バイアス膜1上に、フォトリソ技術によ
ってフォトレジスト(図示せず)を形成し、イオンミリ
ングによってMRヘッドの感磁部である中央領域の縦バ
イアス膜を除去した(図1(a))。
【0033】次に、磁気抵抗効果膜2であるNiFe膜
(15〜30nm)及び分離膜4であるTa膜(10〜
20nm)をスパッタリングを用いて作成した。
【0034】分離膜4上に、フォトリソ技術によってフ
ォトレジスト(図示せず)を形成し、イオンミリングに
よって磁気抵抗効果膜2の端部2a,2bが縦バイアス
膜と直接接触するように加工した。
【0035】ここで、フォトレジストに被われていない
部分(図1(b)で膜2及び4の周囲)の縦バイアス膜
1がイオンミリング後に残るようにオーバーミリング時
間を選定した。安定にフォトレジストに被われていない
部分の縦バイアス膜を残すには、縦バイアス膜厚は30
nm以上が望ましい(図1(b))。
【0036】次に、分離膜上に軟磁性膜3であるNiF
eNb膜(20〜40nm)を形成し、フォトリソ技術
によってフォトレジスト(図示せず)を形成し、軟磁性
膜3の端部3a,3bが縦バイアス膜1と直接接触する
ようイオンミリングによって加工した(図1(c))。
【0037】このようにして、作成した試料の軟磁性膜
の磁区構造を観察し、軟磁性膜が単磁区になっているか
どうかを調べた。表1には試料の各膜厚を示す。
【0038】
【表1】
【0039】以上のようにして作製されたMR素子の構
造を図2(a)(b)に示す。同図で、1は縦バイアス
膜、2は磁気抵抗効果膜、3は軟磁性膜、4は分離膜、
6はギャップ膜である。ここで、磁気抵抗効果膜2が縦
バイアス膜1に接触する部分の縦方向の長さを10μ
m,横方向の長さを5μmとする。また、軟磁性膜3が
縦バイアス膜1と直接接触する縦方向の長さをl、横方
向の長さをtとし、軟磁性膜3が縦バイアス膜1と直接
接触する後端部領域(記録媒体対向面Sから最も遠い領
域)の縦方向の長さをL、横方向の長さをTとする。表
2には軟磁性膜3と縦バイアス膜1が直接接触する部分
の寸法に対して、軟磁性膜3の単磁区化率を示した。単
磁区化率とは、同じ寸法を有する10個の素子のうち軟
磁性膜が単磁区構造となっている素子の割合を示す。こ
こで、磁区構造はビッタ法で観察した。なお、表2中、
Tが負の値を示すのは、磁気抵抗効果膜2の横方向の長
さが軟磁性膜3の横方向の長さtよりも長い場合であ
る。
【0040】
【表2】
【0041】表2のNo.1〜5は実施例、No.6は
比較例である。
【0042】No.6に示すように軟磁性膜が直接縦バ
イアス膜に接触しない場合、単磁区化率は40%であ
る。ここで軟磁性膜が単磁区化しているものは軟磁性膜
の端部でMR膜の端部と静磁気的な結合をしていること
によるが、このような結合は端部のみでの結合で、交換
結合に比べて弱いために、磁界履歴によって容易に多磁
区構造となりやすく、バルクハウゼンノイズを発生し易
い。
【0043】これに対して、No.1〜No.5のよう
に軟磁性膜3を直接縦バイアス膜1に接触させた場合、
単磁区化率は70%以上と大きくなる。これは、軟磁性
膜が交換結合によって強く縦バイアス膜と結合するため
である。
【0044】また、このように軟磁性膜を直接縦バイア
ス膜に接触させた場合の中でも、No.5の軟磁性膜の
ように両脇(両側端部領域)のみを直接縦バイアス膜に
接触させた場合よりも、No.1〜No.4のように軟
磁性膜の後端部も直接縦バイアス膜に接触させた方が単
磁区化率が高く、バルクハウゼンノイズも発生しにくい
と考えられる。
【0045】また、No.2とNo.4を比較すると、
l>t即ち、軟磁性膜と縦バイアス膜が直接接触する部
分の縦方向の長さlが横方向の長さtより大きい場合の
方が、単磁区化率が高い。
【0046】また、No.1とNo.2を比較すると、
L>T即ち、軟磁性膜と縦バイアス膜が直接接触する部
分の縦方向の長さLが横方向の長さTより大きい場合の
方が、単磁区化率が高く、バルクハウゼンノイズも発生
しにくいと考えられる。
【0047】なお、以上のようにして作られたMR素子
には、更に、図1(d)に示すように、必要に応じてC
r等の保護膜(図示せず)を被覆した後、電極5が形成
される。電極5は、同様にフォトリソ技術を用いて形成
される。その詳細については、本出願人の出願に係る特
願平3−192418号を参照されたい。
【0048】<実施例2>アルミナをデポジットしポリ
ッシングしたセラミックス基板上にシールド膜となるN
iFe膜2μmデポジットし、イオンミリングによって
所定の形状に加工し、その上にアルミナをスパッタリン
グによって0.3μmデポジットした後、実施例1に示
す素子を形成し、その上にアルミナを形成し、その上に
厚さ1μmのパーマロイの磁気シールドを形成して磁気
抵抗効果型ヘッドを作製し、再生特性を評価した。その
結果軟磁性膜を縦バイアス膜に直接接触した構造のヘッ
ドは、直接接触しないヘッドに比べて、バルクハウゼン
ノイズを発生するヘッドが著しく少なかった。また、軟
磁性膜が縦バイアス膜に直接接触するヘッドの中でも軟
磁性膜と縦バイアス膜が直接接触する部分の縦方向の長
さlが横方向の長さtより大きい場合の方が、バルクハ
ウゼンノイズを発生するヘッドが少ない。
【0049】上記実施例では、縦バイアス膜1としてC
o−Pt単層膜またはNiO単層膜を用いる場合につい
て説明したが、これに代えて、2層構成のものとして、
図2(b)で下から順にNiFeを10nm、NiOを
50nm積層したものとするか、3層構成のものとして
下から順にNiFeを10nm、NiOを50nm、N
iFeを20nm積層したものとし、その上にMR膜2
を形成する構成としてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、磁気抵抗効果膜と分離膜と横バイアス用軟磁性膜
と縦バイアス膜とを備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドに
おいて、縦バイアス膜を端部領域で磁気抵抗効果膜と直
接接触させるだけでなく、横バイアス用の軟磁性膜とも
直接接触させる構成としたので、従来の縦バイアス膜を
磁気抵抗効果膜のみと直接接触させたものに比べて、軟
磁性膜及び磁気抵抗効果膜の単磁区化率を著しく高める
ことができ、それによって、バルクハウゼンノイズを可
及的に少なくし、かつ高感度で記録情報を再生すること
ができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に適用される磁気抵抗効果素
子の製造方法の説明図である。
【図2】本発明の一実施例に適用される磁気抵抗効果素
子の構造図である。
【図3】従来の磁気抵抗効果素子の構造図である。
【符号の説明】
1 縦バイアス膜 2 磁気抵抗効果膜 3 軟磁性膜 4 分離膜 5 電極 6,7 ギャップ膜 11 端部領域 12 中央領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果膜と、分離膜と、横バイア
    スを印加する軟磁性膜と、縦バイアスを印加する縦バイ
    アス膜とを備えた磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、
    前記磁気抵抗効果膜の端部領域の少なくとも一部と前記
    縦バイアス膜とが直接接触し、かつ前記軟磁性膜の端部
    領域の少なくとも一部と前記縦バイアス膜とが直接接触
    するように構成したことを特徴とする磁気抵抗効果型磁
    気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性膜と前記縦バイアス膜とは、
    両側端部領域で直接接触すると共に、後端部領域でも直
    接接触するように構成したことを特徴とする請求項1記
    載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗効果膜または前記軟磁性膜
    と前記縦バイアス膜との直接接触する部分の縦方向の長
    さを横方向の長さよりも長くしたことを特徴とする請求
    項1または2記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
JP5860793A 1993-03-18 1993-03-18 磁気抵抗効果型磁気ヘッド Pending JPH06274831A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6137663A (en) * 1996-12-24 2000-10-24 Nec Corporation Magnetic head and method for magnetic recording and playback

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6137663A (en) * 1996-12-24 2000-10-24 Nec Corporation Magnetic head and method for magnetic recording and playback

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