JPH06273425A - 自動分析装置 - Google Patents

自動分析装置

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JPH06273425A
JPH06273425A JP6051293A JP6051293A JPH06273425A JP H06273425 A JPH06273425 A JP H06273425A JP 6051293 A JP6051293 A JP 6051293A JP 6051293 A JP6051293 A JP 6051293A JP H06273425 A JPH06273425 A JP H06273425A
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博子 高山
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亮穂 武井
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/16Preventing evaporation or oxidation of non-metallic liquids by applying a floating layer, e.g. of microballoons

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】試薬と空気とを実質的に接触させないようにす
ることによって試薬の変性、濃縮等を回避し、測定デー
タの信頼性を確保することができる自動分析装置を提供
する。 【構成】本発明の自動分析装置は、所定の試薬3を入れ
た試薬容器21と、試薬容器21内の試薬3を吸引可能
な分注機構とを備え、空気を実質的に遮断可能な遮断層
22を試薬3の液面上に配置するとともに、遮断層22
の上方に形成された試薬容器21内の空間を外気と連通
させてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動分析装置に係り、
特に、試薬瓶から試薬を吸引して反応容器に分注するタ
イプの自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動分析装置は、試薬瓶に入った試薬を
所定の分注機構で反応容器内に分注し、次いで、別途分
注された検体との化学反応を測定することによって検体
に関する所定の項目を測定するようになっている。
【0003】図11は、従来の自動分析装置における分
注機構を示したものである。同図に示した分注機構1は
いわゆる押し出し方式と呼ばれる分注方式であり、バル
ブ5を吸引側に切り換えた状態で試薬瓶2に入った試薬
3をポンプ4で吸引し、次いで、バルブ5を吐出側に切
り換えた状態で、ポンプ4内に吸引された試薬をピペッ
ト6側に送り出し、送り出された試薬を反応容器7に吐
出するようになっている。
【0004】ここで、試薬瓶2は、蓋を外して試薬庫
(図示せず)に設置しておくのが一般的であるが、化学
発光基質などの試薬によっては、空気との接触によって
変性、濃縮等が起こり、測定精度等に重大な影響を及ぼ
す場合がある。そのため、かかる試薬を保存あるいは分
注する際にできるだけ空気と接触させないようにするこ
とが重要となる。
【0005】図12(a) は口を小さくした試薬瓶11、
(b) は小孔15を設けた蓋で口全体を覆った試薬瓶1
2、(c) は、吸引ノズルの昇降に連動して開閉自在な蓋
13を口に取り付けた試薬瓶14をそれぞれ示したもの
である。また、試薬をプレパックしておく方法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、試薬瓶
11、12では、試薬と空気との接触を完全に回避する
ことはできず、試薬の蒸発、変性等を防止するには限度
がある。また、試薬瓶14では、製造コストが高くつく
とともに蓋の開閉時における外気との接触の影響がある
ため長期的には試薬の劣化は免れない。さらに、試薬を
プレパックする方法もコスト的に問題がある他、試薬調
整に手間がかかるという問題が生じる。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、試薬と空気とを実質的に接触させないように
することによって試薬の変性、濃縮等を回避し、測定デ
ータの信頼性を確保することができる自動分析装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の自動分析装置は請求項1に記載したよう
に、所定の試薬を入れた試薬容器と、前記試薬容器内の
試薬を吸引可能な分注機構とを備えた自動分析装置にお
いて、空気を実質的に遮断可能な遮断層を前記試薬の液
面上に配置するとともに、前記遮断層の上方に形成され
た試薬容器内の空間を外気と連通させたものである。
【0009】また、本発明の自動分析装置は請求項5に
記載したように、所定の試薬を入れた試薬容器と、前記
試薬容器内の試薬を吸引可能な分注機構とを備えた自動
分析装置において、前記試薬の液面上方に形成された前
記試薬容器内の空間が外気と連通可能な第1の空間と外
気と連通しない第2の空間とに分離されるように、前記
試薬容器内の空間を所定の仕切体で分離したものであ
る。
【0010】
【作用】本発明の自動分析装置においては、試薬容器内
に入れた試薬は、試薬の液面上に配置した遮断層によっ
て空気と遮断された状態で保存される。一方、分注機構
を用いて試薬を吸引する際には、試薬の吸引による液面
の低下にしたがって、遮断層の上方に形成された試薬容
器内の空間に外気が入り込み、試薬がスムーズに吸引さ
れるが、試薬の液面が下降するにつれて遮断層も下降
し、空気との遮断状態は保存時と同様に維持される。
【0011】また、本発明の別の自動分析装置において
は、試薬の液面上方に形成された試薬容器内の空間は、
仕切体によって第1の空間と第2の空間とに分離されて
おり、試薬は、外気と連通しない第2の空間では新鮮な
空気から遮断された状態で保存され、新鮮な空気との接
触は、外気と連通する第1の空間に制限される。本発明
の好ましい実施例では、仕切体を細管で構成することに
より、新鮮な空気に接する液面の面積を最小限にしてあ
る。
【0012】一方、分注機構を用いて試薬を吸引する際
には、試薬の吸引による液面の低下にしたがって、第1
の空間および試薬を介して第2の空間内に外気が入り込
み、試薬がスムーズに吸引される。ここで、若干の間、
試薬は外気と接することになるが、吸引動作が終了した
後は再び上述の保存状態に戻り、試薬は、細管内を除い
たほとんどの液面上で新鮮な空気から遮断された状態で
保存される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の自動分析装置の実施例につい
て、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実
質的に同一の部品については同一の符号を付してその説
明を省略する。
【0014】(第1実施例)図1は、本実施例の自動分
析装置を示したものであり、バルブ5を吸引側に切り換
えた状態で試薬瓶21に入った試薬3をポンプ4で吸引
し、次いで、バルブ5を吐出側に切り換えた状態で、ポ
ンプ4内に吸引された試薬をピペット6側に送り出し、
送り出された試薬を反応容器7に吐出するようになって
いる。
【0015】試薬3の液面上には、空気を実質的に遮断
可能な遮断層22を配置してあるとともに、遮断層22
の上方に形成された試薬容器21内の空間を外気と連通
させてある。
【0016】遮断層22は、流動パラフィンで形成して
ある。
【0017】本実施例の自動分析装置においては、試薬
容器21内に入れた試薬3は、試薬3の液面上に配置し
た遮断層22によって空気と遮断された状態で保存され
る。一方、試薬を吸引する際には、試薬3の吸引による
液面の低下にしたがって、遮断層22の上方に形成され
た試薬容器21内の空間に外気が入り込み、試薬3がス
ムーズに吸引されるが、試薬3の液面が下降するにつれ
て遮断層22も下降し、空気との遮断状態は保存時と同
様に維持される。
【0018】図2は、化学発光用の試薬であるPPDを
入れた試薬容器を試薬庫に一定時間放置し、次いで、試
薬を180μl反応管に分注して10-12 mol/l のアル
カリ性フォスファターゼ(以下、ALPと呼ぶ)を20
μl室温(27°C)で5分間反応させた後の発光量
を、遮断層22を試薬の液面上に配置した場合(本実施
例)と遮断層を配置せずに液面上を外気に連通させた場
合(従来例)とで比較したものである。測定は、1時間
おきに8時間行われ、ALPは、測定中に失活がないよ
うに保冷しておいた。
【0019】同図でわかるように、遮断層を配置しない
従来の場合は、時間の経過とともに試薬の発光量が低下
し、特に、8時間後には保存前に比べて約15%低下し
ている。これは、試薬が所定時間空気と接したことによ
り、蒸発による濃縮、空気中の酸素による酸化あるいは
空気中の二酸化炭素によるpH変化が生じたことが原因
と考えられる。一方、遮断層22を配置した本実施例の
場合は、時間が経過しても試薬の発光量はほとんど低下
せず、試薬の劣化は認められなかった。
【0020】
【表1】
【0021】表1は、PPDを室温(26°C乃至29
°C)で3日間保存する前と保存した後の容量およびそ
れらから算出された蒸発量を、従来例と本実施例との場
合で比較したものである。なお、試薬容器は、高さ70
mm、開口部は15mmのポリエチレン製容器を使用し
た。
【0022】同表からわかるように、遮断層を配置しな
い従来の場合は、全体の約10%が蒸発しているが、遮
断層22を配置した本実施例の場合は、蒸発は完全に抑
制されており、濃縮は認められなかった。
【0023】図3は、蒸発による濃縮の程度と発光量と
の関係を調べた実験データである。上述のPPDは、0.
75mol/l のプロパノール緩衝液に溶解しているので、本
実験では、0.75mol/l 乃至1.0 mol/l の間で濃度調整し
たプロパノール緩衝液にPPDを溶解し、上述のALP
を反応させた。図3の横軸には、上段にプロパノール濃
度、下段に0.75mol/l に対する濃縮率を示してある。
【0024】同図でわかるように、プロパノール濃度が
上昇するにつれて発光量の低下が認められた。
【0025】なお、本実施例では、表1に示したように
試薬はほとんど蒸発しないので、図3に示すような試薬
濃縮による発光量の低下は生じない。
【0026】以上説明したように、本実施例の自動分析
装置は、空気を実質的に遮断可能な遮断層を試薬の液面
上に配置するとともに、遮断層の上方に形成された試薬
容器内の空間を外気と連通させたので、保存時および分
注時ともに試薬が空気と触れることがない。
【0027】そのため、空気との接触による様々な悪影
響すなわち試薬の変性、濃縮あるいはpH変化を、個別
の対策を施すことなく同時に回避することが可能とな
り、試薬を長期間安定的に供給することができる。ま
た、試薬を長期間保存しておいても試薬ブランクが上昇
することがないため、最小検出感度、測定レンジ等が長
期間確保できる。また、日内変動、日差変動に関する精
度が向上する。
【0028】また、試薬のキャリブレーションの回数や
試薬の試薬瓶への入替え作業が減るため、オペレーター
の負担が軽減される。さらに、試薬を長期間使用するこ
とができるので、試薬を節約することができる。
【0029】上述の実施例では、遮断層22を流動パラ
フィンで形成したが、本発明はかかる材料に限定される
ものではなく、試薬より比重が小さい他の流動体、例え
ばシリコンオイル、フルオロカーボンなどで形成しても
よい。
【0030】また、上述の実施例では、試薬を試薬容器
21の上方から吸引するように構成したが、図4に示す
ように、底部に吸引用の口がある試薬容器31を用いて
試薬を下方から吸引するようにしてもよい。この場合に
は、遮断層の誤吸引を確実に回避することができる。
【0031】(第2実施例)次に、第2実施例に係る自
動分析装置について説明する。なお、従来技術あるいは
第1実施例と実質的に同一の部品については同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0032】本実施例では、外気との連通孔43を設け
た分液ロートのような試薬容器41に試薬3を入れ、試
薬3の液面上には、形成された液面とほぼ同じ形状のガ
ス不透過性フィルム42を配置してある。ガス不透過性
フィルム42は、塩化ビニリデン等で形成するのがよ
い。
【0033】本実施例の自動分析装置も第1実施例と同
様、試薬容器41内に入れた試薬3は、試薬3の液面上
に配置した遮断層42によって空気と遮断された状態で
保存される。一方、試薬を吸引する際には、試薬3の吸
引による液面の低下にしたがって、遮断層42の上方に
形成された試薬容器41内の空間に外気が入り込み、試
薬3がスムーズに吸引されるが、試薬3の液面が下降す
るにつれて遮断層42も下降し、空気との遮断状態は保
存時と同様に維持される。
【0034】図6は、ALP測定用試薬である1mol/l
のジエタノールアミン緩衝液(pH9.8)を入れた試薬容
器41を室温(25°C乃至29°C)で3日間保存し
た後のpH変化を、遮断層42を試薬の液面上に配置し
た場合(本実施例)と遮断層を配置せずに液面上を外気
に連通させた場合(従来例)とで比較したものである。
【0035】同図でわかるように、遮断層を配置しない
従来の場合は、日数の経過とともにpHが低下し、3日
間で約0.4 低下した。これは、試薬が空気と接したこと
により、空気中の二酸化炭素が試薬のpHを変化させた
ものと考えられる。一方、遮断層42を配置した本実施
例の場合は、日数が経過しても試薬のpH変化はほとん
ど認められなかった。
【0036】以上説明したように、本実施例の自動分析
装置は、空気を実質的に遮断可能な遮断層を試薬の液面
上に配置するとともに、遮断層の上方に形成された試薬
容器内の空間を外気と連通させたので、保存時および分
注時ともに試薬が空気と触れることがない。
【0037】そのため、空気との接触による様々な悪影
響すなわち試薬の変性、濃縮あるいはpH変化を、個別
の対策を施すことなく同時に回避することが可能とな
り、試薬を長期間安定的に供給することができる。ま
た、試薬を長期間保存しておいても試薬ブランクが上昇
することがないため、最小検出感度、測定レンジ等が向
上する。また、日内変動、日差変動に関する精度が向上
する。
【0038】また、試薬のキャリブレーションの回数や
試薬の試薬瓶への入替え作業が減るため、オペレーター
の負担が軽減される。さらに、試薬を長期間使用するこ
とができるので、試薬を節約することができる。
【0039】(第3実施例)次に、第3実施例に係る自
動分析装置について説明する。なお、従来技術、第1実
施例あるいは第2実施例と実質的に同一の部品について
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】本実施例では、上部に開口53を持つ試薬
容器51に試薬3を入れ、試薬3の液面上には、試薬よ
り比重が小さい粒状物質の集合体、例えば発泡ポリスチ
レンで形成したビーズ状の浮きを多数配置してある。
【0041】本実施例の自動分析装置も上述の実施例と
同様、試薬容器51内に入れた試薬3は、試薬3の液面
上に配置した遮断層52によって空気と遮断された状態
で保存される。一方、試薬を吸引する際には、試薬3の
吸引による液面の低下にしたがって、遮断層52の上方
に形成された試薬容器51内の空間に外気が入り込み、
試薬3がスムーズに吸引されるが、試薬3の液面が下降
するにつれて遮断層52も下降し、空気との遮断状態は
保存時と同様に維持される。
【0042】図8は、1mol/l のグリシン緩衝液(pH
9.5)を入れた試薬容器51を室温(25°C乃至29°
C)で3日間保存した後のpH変化を、遮断層52を試
薬の液面上に配置した場合(本実施例)と遮断層を配置
せずに液面上を外気に連通させた場合(従来例)とで比
較したものである。
【0043】同図でわかるように、遮断層を配置しない
従来の場合は、日数の経過とともにpHが低下し、3日
間で約0.5 低下した。これは、試薬が空気と接したこと
により、空気中の二酸化炭素が試薬のpHを変化させた
ものと考えられる。一方、遮断層52を配置した本実施
例の場合は、日数が経過しても試薬のpH変化はほとん
ど認められなかった。
【0044】以上説明したように、本実施例の自動分析
装置は、空気を実質的に遮断可能な遮断層を試薬の液面
上に配置するとともに、遮断層の上方に形成された試薬
容器内の空間を外気と連通させたので、保存時および分
注時ともに試薬が空気と触れることがない。
【0045】そのため、空気との接触による様々な悪影
響すなわち試薬の変性、濃縮あるいはpH変化を、個別
の対策を施すことなく同時に回避することが可能とな
り、試薬を長期間安定的に供給することができる。ま
た、試薬を長期間保存しておいても試薬ブランクが上昇
することがないため、最小検出感度、測定レンジ等が向
上する。また、日内変動、日差変動に関する精度が向上
する。
【0046】また、試薬のキャリブレーションの回数や
試薬の試薬瓶への入替え作業が減るため、オペレーター
の負担が軽減される。さらに、試薬を長期間使用するこ
とができるので、試薬を節約することができる。
【0047】(第4実施例)次に、第4実施例に係る自
動分析装置について説明する。なお、従来技術、第1実
施例乃至第3実施例と実質的に同一の部品については同
一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】本実施例では、蓋64を取り付けた試薬容
器61に試薬3を入れ、蓋64に設けた2つの孔62、
63には、それぞれ細管65、吸引用ノズル66を試薬
3の液面下方まで貫通させてある。
【0049】細管65は、試薬3の液面上方に形成され
た試薬容器61内の空間を、外気と連通可能な第1の空
間67と外気と連通しない第2の空間68とに分離する
仕切り体として作用する。
【0050】本実施例の自動分析装置においては、試薬
3の液面上方に形成された試薬容器内の空間は、細管6
5によって第1の空間67と第2の空間68とに分離さ
れており、試薬3は、外気と連通しない第2の空間68
では新鮮な空気から遮断された状態で保存され、新鮮な
空気との接触は、外気と連通する第1の空間67すなわ
ち細管65内に制限される。
【0051】一方、分注機構を用いて試薬3を吸引する
際には、試薬の吸引による液面の低下にしたがって、第
1の空間67および試薬3を介して第2の空間68内に
外気が入り込み、試薬3がスムーズに吸引される。ここ
で、若干の間、試薬3は外気と接することになるが、吸
引動作が終了した後は再び上述の保存状態に戻り、試薬
3は、細管65内を除いたほとんどの液面上で新鮮な空
気から遮断された状態で保存される。
【0052】図10は、試薬を入れた試薬容器61を試
薬庫に一定日数保存し、次いで、試薬を反応管に分注し
て反応させた後の発光量を、細管65を配置した場合
(本実施例)、細管を配置せずに孔62だけを設けた場
合(従来例)および孔62を塞いで密封状態にした場合
で比較したものである。
【0053】同図でわかるように、孔を介して外気と連
通している従来の場合は、保存日数が長くなるとともに
試薬の発光量が低下する。これは、試薬が所定日数空気
と接したことにより、蒸発による濃縮、空気中の酸素に
よる酸化あるいは空気中の二酸化炭素によるpH変化が
生じたことが原因と考えられる。一方、細管65を配置
した本実施例の場合は、保存日数が長くなっても試薬の
発光量はほとんど低下せず、試薬の劣化は認められなか
った。
【0054】以上説明したように、本実施例の自動分析
装置は、試薬の液面上方に形成された試薬容器内の空間
が外気と連通可能な第1の空間と外気と連通しない第2
の空間とに分離されるように、試薬容器内の空間を所定
の仕切体で分離したので、保存時には試薬が新鮮な外気
と触れることはなく、分注時においても若干量の外気が
試薬と触れるにすぎない。
【0055】そのため、空気との接触による様々な悪影
響すなわち試薬の変性、濃縮あるいはpH変化を、個別
の対策を施すことなく同時に回避することが可能とな
り、試薬を長期間安定的に供給することができる。ま
た、試薬を長期間保存しておいても試薬ブランクが上昇
することがないため、最小検出感度、測定レンジ等が向
上する。また、日内変動、日差変動に関する精度が向上
する。
【0056】また、試薬のキャリブレーションの回数や
試薬の試薬瓶への入替え作業が減るため、オペレーター
の負担が軽減される。さらに、試薬を長期間使用するこ
とができるので、試薬を節約することができる。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の自動分析装
置は、所定の試薬を入れた試薬容器と、前記試薬容器内
の試薬を吸引可能な分注機構とを備えた自動分析装置に
おいて、空気を実質的に遮断可能な遮断層を前記試薬の
液面上に配置するとともに、前記遮断層の上方に形成さ
れた試薬容器内の空間を外気と連通させたので、試薬と
空気とを実質的に接触させないようにすることによって
試薬の変性、濃縮等を回避し、測定データの信頼性を確
保することができる。
【0058】また、本発明の別の自動分析装置は、所定
の試薬を入れた試薬容器と、前記試薬容器内の試薬を吸
引可能な分注機構とを備えた自動分析装置において、前
記試薬の液面上方に形成された前記試薬容器内の空間が
外気と連通可能な第1の空間と外気と連通しない第2の
空間とに分離されるように、前記試薬容器内の空間を所
定の仕切体で分離したので、試薬と空気とを実質的に接
触させないようにすることによって試薬の変性、濃縮等
を回避し、測定データの信頼性を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る自動分析装置の略図。
【図2】試薬と空気との接触による発光量の低下につい
て、第1実施例に係る自動分析装置で試薬を保存した場
合と従来の自動分析装置で試薬を保存した場合とを比較
したグラフ。
【図3】試薬濃度と発光量との関係を調べた実験結果を
示すグラフ。
【図4】第1実施例に係る自動分析装置の変形例を示し
た図。
【図5】第2実施例に係る自動分析装置の略図。
【図6】試薬と空気との接触によるpHの変化につい
て、第2実施例に係る自動分析装置で試薬を保存した場
合と従来の自動分析装置で試薬を保存した場合とを比較
したグラフ。
【図7】第3実施例に係る自動分析装置の略図。
【図8】試薬と空気との接触によるpHの変化につい
て、第3実施例に係る自動分析装置で試薬を保存した場
合と従来の自動分析装置で試薬を保存した場合とを比較
したグラフ。
【図9】第4実施例に係る自動分析装置の略図。
【図10】試薬と空気との接触による発光量の低下につ
いて、第4実施例に係る自動分析装置で試薬を保存した
場合と従来の自動分析装置で試薬を保存した場合とを比
較したグラフ。
【図11】従来の自動分析装置に備えた分注機構の略
図。
【図12】従来の自動分析装置に備えた試薬瓶の側面図
であり、(a) は口を小さくした試薬瓶、(b) は小孔を設
けた蓋で口全体を覆った試薬瓶、(c) は吸引ノズルの昇
降に連動して開閉自在な蓋を口に取り付けた試薬瓶をそ
れぞれ示した図。
【符号の説明】
3 試薬 21,31,41,51,61 試薬容器 22,42,52 遮断層 65 細管(仕切体) 67 第1の空間 68 第2の空間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の試薬を入れた試薬容器と、前記試
    薬容器内の試薬を吸引可能な分注機構とを備えた自動分
    析装置において、空気を実質的に遮断可能な遮断層を前
    記試薬の液面上に配置するとともに、前記遮断層の上方
    に形成された試薬容器内の空間を外気と連通させたこと
    を特徴とする自動分析装置。
  2. 【請求項2】 前記遮断層は、試薬より比重が小さい流
    動体で形成した請求項1記載の自動分析装置。
  3. 【請求項3】 前記遮断層は、所定のフィルムで形成し
    た請求項1記載の自動分析装置。
  4. 【請求項4】 前記遮断層は、試薬より比重が小さい粒
    状物質の集合体で形成した請求項1記載の自動分析装
    置。
  5. 【請求項5】 所定の試薬を入れた試薬容器と、前記試
    薬容器内の試薬を吸引可能な分注機構とを備えた自動分
    析装置において、前記試薬の液面上方に形成された前記
    試薬容器内の空間が外気と連通可能な第1の空間と外気
    と連通しない第2の空間とに分離されるように、前記試
    薬容器内の空間を所定の仕切体で分離したことを特徴と
    する自動分析装置。
  6. 【請求項6】 前記仕切体を所定の内径を持つ細管で構
    成し、前記細管内を前記第1の空間、前記細管の外部を
    前記第2の空間とした請求項5記載の自動分析装置。
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