JPH06273168A - 車載用位相差距離計 - Google Patents

車載用位相差距離計

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JPH06273168A
JPH06273168A JP6217293A JP6217293A JPH06273168A JP H06273168 A JPH06273168 A JP H06273168A JP 6217293 A JP6217293 A JP 6217293A JP 6217293 A JP6217293 A JP 6217293A JP H06273168 A JPH06273168 A JP H06273168A
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JP
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distance
sensor
phase difference
vehicle
line
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JP6217293A
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Inventor
Katsuo Kawamura
佳津男 河村
Jun Hasegawa
潤 長谷川
Takashi Mitsuida
高 三井田
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Fujifilm Holdings Corp
Fujifilm Microdevices Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm Microdevices Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車に搭載する位相差検出型の距離計測装
置に関し、位相差検出による距離計測を行なうことによ
り、多点測距に適した精度の高い車載用距離計測装置を
提供することを目的とする。 【構成】 多数の検出素子が垂直方向に並ぶように配置
され、基線長B[mm]とレンズ・センサ間距離f[m
m]との積Bfが約200以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、距離計測装置に関し、
特に自動車に搭載する位相差検出型の距離計測装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車の安全装置として、自己の自動車
から障害物までの距離を計測することにより警告を発す
る装置が望まれている。これを実現するために、距離計
測装置を自動車に搭載して、対象物までの距離を計測す
る装置が用いられている。
【0003】従来の車載用距離計測装置として、レーザ
ーレーダーによる計測装置がある。この計測装置は、レ
ーザービームを発して、その反射光を受け取る装置であ
り、ビームを発してからその反射光を受け取るまでの時
間を計測することにより、距離を計測する方法である。
その他の車載用計測装置としては、音波を用いる装置も
ある。これらの装置は、レーザービームや音波を発し
て、その反射を受け取るアクティブ型の距離計測装置と
言える。
【0004】距離計測装置は、カメラから対象物までの
距離を測定する際にも使われている。図9に、従来の技
術によるTTL(through the lens)型の位相差検出型
の距離計測装置の例を示す。図9(A)は構成例を示
し、図9(B)はその処理回路の例を示す。
【0005】被写体である対象物からの光線は、撮影レ
ンズ51によって収束され、フィルム等価面52を通過
し、コンデンサレンズ53、セパレータレンズ54に達
する。セパレータレンズ54は、入射する光を2つの光
束に分け、それぞれ基準ラインセンサ55および参照ラ
インセンサ56に投射させる。撮影レンズ51の光軸5
8上にある対象物の像は、セパレータレンズ54によっ
て2つの画像となり、ラインセンサ55、56上にそれ
ぞれ結像する。ラインセンサ55は、p個の受光素子を
有し、基準として用いられるため基準ラインセンサと呼
ばれる。ラインセンサ56は、p個よりも多いq個の受
光素子を有し、位相を変化させつつそのp個の受光素子
からの信号を読みだして、基準ラインセンサ55からの
信号と比較して位相差を検出するためのもので、参照ラ
インセンサと呼ばれる。基準ラインセンサ55および参
照ラインセンサ56からの検出信号は、処理回路57に
供給される。参照ラインセンサ56からの検出信号の読
み出し位相を変化させつつ、処理回路57は後に述べる
相関度の演算を行い、相関度の極値を検出し、対象物ま
での距離を検出する。
【0006】なお、撮影レンズ51を通さず、参照ライ
ンセンサ、基準ラインセンサの前に配置した同一特性の
一対のレンズによって外光を取込み、同様に対象物まで
の距離を測定する方式も提案されている。
【0007】図9(B)は、処理回路57の構成例を示
す。基準ラインセンサ55および参照ラインセンサ56
からの信号は、A/D変換器59に供給され、アナログ
信号がデジタル信号に変換される。このデジタル信号
は、CPU60を介して一旦、RAM61に記憶され
る。その後、RAM61に記憶されたデジタル信号を読
み出し、CPU60が相関演算を行って相関度の極値を
検出し、対象物までの距離を表す出力信号を発生する。
【0008】図9(A)、(B)に示した焦合検出装置
においては、ホトセンサに蓄積された電荷をそのまま電
荷−電圧変換して検出信号を形成し、デジタル信号に変
換後RAM61に記憶してこの信号を読みだすことによ
り、演算を行っている。
【0009】本出願人は、光を照射することによって蓄
積した電荷を非破壊的に読み出し、アナログ量のまま直
接演算処理する焦点検出装置を提案した。図10(A)
は、このような焦点検出装置の光センサ部の構成例を示
す。図10(A)において、光検出部分は、n- 型シリ
コン基板64の表面に、p型ウェル66を形成し、その
一部にn+ 型領域68を形成してpn接合69を形成す
ることによって構成している。このpn接合69近傍に
光が入射すると、電子・正孔対が形成され、pn接合周
辺の電位勾配にしたがって、電子と正孔は分離され、蓄
積される。
【0010】p型ウェル66は、図中pn接合69の左
側に延在し、その上に絶縁されたポリシリコンのゲート
電極71〜74、フローティングゲート電極76が形成
されている。ホトダイオードに隣接して、ゲート電極7
1を備えた障壁部81が形成されており、障壁部81の
隣には、ゲート電極72を備えた蓄積部82が形成され
ている。すなわち、受光部に入射された光に対応する電
荷が、pn接合69近傍から障壁部81を介して蓄積部
82に蓄積される。蓄積部82は、トランスファゲート
電極73下の電位障壁83を介してゲート電極74を備
えたシフトレジスタ部84に連続しており、シフトレジ
スタ84部はバイアス印加用アルミニウム電極75を上
に備えたフローティングゲート電極76下の読出領域8
6に連続している。
【0011】すなわち、ホトダイオード部で入射した光
に応答して電子・正孔対が形成されると、キャリアは障
壁部81を越えてゲート電極72下の蓄積部82に蓄積
され、さらにトランスファゲート電極73下の電位障壁
83を越えてゲート電極74下のシフトレジスタ部84
に転送される。シフトレジスタ部84に蓄積された電荷
は、ゲート電極75の電圧に依存してフローティングゲ
ート電極76下の読出領域86に転送される。フローテ
ィングゲート電極76には、転送された電荷に対応する
電荷が誘起され、この電荷量によって入射光量が非破壊
的に読みだされる。読み出し後、キャリアは再びシフト
レジスタ部84に戻され、シフトされる。このようにし
て、シフトレジスタ部84の電荷が順次非破壊的に読み
出される。
【0012】図10(A)に示すような光センサを用い
た場合には、スイッチトキャパシタ積分回路を用いるこ
とにより検出信号をアナログ量に保ったまま式(1)の
演算を行うことができる。
【0013】図10(B)はスイッチトキャパシタ積分
回路の例を示す。図10(B)において、基準光センサ
からの電荷信号B(k)および、参照光センサからの電
荷信号R(k)は、それぞれスイッチトキャパシタ積分
回路の入力端子Pb、Prに印加され、アンプを介して
差動増幅器88の反転入力端子および非反転入力端子に
印加される。差動アンプ88は、入力信号B(k)、R
(k)の大小に応じて符号信号Sgnを発生し、チャネル
セレクト回路89に供給する。チャネルセレクト回路8
9は、符号信号Sgnに応じて相対関係が反転する一対の
セレクト信号Φ1、Φ2およびKA、KBを発生する。
【0014】入力端子Prには、セレクト信号KBで制
御されるスイッチ90を介して、キャパシタCS1が接続
され、キャパシタCS1の両端は、それぞれセレクト信号
KAおよびΦ1で制御されるスイッチ93、94を介し
て接地に接続されている。キャパシタCS1のスイッチ9
4側電極は、さらにセレクト信号Φ2で制御されるスイ
ッチ91を介してオペアンプ92の反転入力端子に接続
されている。
【0015】同様、入力端子Pbは、アンプを介しセレ
クト信号KAで制御されるスイッチ95を介して、キャ
パシタCS2に接続されている。キャパシタCS2の両電極
は、セレクト信号KBおよびΦ1で制御されるスイッチ
97、98を介してそれぞれ接地に接続されている。キ
ャパシタCS2のスイッチ98側電極は、さらにセレクト
信号Φ2によって制御されるスイッチ96を介してオペ
アンプ92の反転入力端子に接続されている。
【0016】オペアンプ92の非反転入力端子は接地に
接続されている。また、オペアンプ92の出力端子99
は、キャパシタCI とセレクト信号Φ2RST によって制
御されるスイッチ87の並列接続を介して反転入力端子
に帰還されている。セレクト信号KAとKBとは同時に
ハイ状態になることはなく、セレクト信号Φ1とΦ2も
同時にハイ状態になることはない。
【0017】たとえば、まずセレクト信号KBとΦ1が
ハイ状態になると、スイッチ90、94および97、9
8が閉じる。信号R(k)は、キャパシタCS1に充電さ
れる。他のキャパシタCS2は両極が接地に接続され、ク
リアされる。
【0018】次に、セレクト信号KAとΦ2がハイ状態
になると、スイッチ91、93および95、96が閉じ
る。キャパシタCS1は、図中右側電極が接地されていた
状態から、左側電極が接地され、右側電極がオペアンプ
92の反転入力端子に接続された状態に変わる。このた
め、実効的にR(k)の電位が反転したことになる。キ
ャパシタCS2は、スイッチ95、96を介して入力端子
Pbとオペアンプ92の反転入力端子間に接続される。
したがって、キャパシタCS2には信号B(k)が充電さ
れる。このようにして、オペアンプ92の反転入力端子
には、信号R(k)とB(k)との差電圧が印加され
る。
【0019】信号R(k)とB(k)との大小関係が逆
になったときは、チャネルセレクト回路89は符号信号
Sgnに基づいてセレクト信号KAとKBおよびΦ1とΦ
2の位相関係を反転させる。すると、信号B(k)が先
にキャパシタCS2に充電され、符号が反転してオペアン
プ92の反転入力端子に印加される。信号R(k)はキ
ャパシタCS1を介してオペアンプ92の反転入力端子に
印加される。
【0020】したがって、オペアンプ92の反転入力端
子には常に信号B(k)とR(k)との差の絶対値に対
応する信号が印加される。このようにして、対応する基
準信号と参照信号との差の絶対値を検出し、その和を算
出することによって相関関数Hの値を演算することによ
り、位相差を検出し、焦点を検出することができる。
【0021】ここで、相関演算による位相差検出につい
て図11を参照してより詳細に説明する。図11(A)
に示すように、基準ラインセンサ55には、基準ライン
センサ用レンズにより被写体の画像が結像されている。
また、基準ラインセンサ55と基線長水平方向に離され
た参照ラインセンサ56にも、参照ラインセンサ用レン
ズを介して被写体の画像が結像されている。
【0022】被写体が所定位置にあるときは、基準ライ
ンセンサ55と参照ラインセンサ56の対応する受光素
子には同一の画像が結像される。被写体が所定位置から
外れると、基準ラインセンサ55、参照ラインセンサ5
6上の画像は水平方向に変位する。すなわち、被写体が
近付けば画像間の距離は広がり、被写体が遠ざかれば画
像間の距離は近付く。この画像間の距離の変動を検出す
るために、参照用ラインセンサ56は基準用ラインセン
サ55よりも素子数が多く設定されている。
【0023】画像間の距離の変動を検出するために、相
関演算による位相差検出手法が用いられている。相関演
算による位相検出は、次式(1)に基づく演算によりラ
インセンサ55、56上の一対の結像の相関度を求め、
相関度が最小となるまでのこれらの結像の相対移動値
(位相差)を求めることによって合焦状態を識別する。
【0024】 H(m)=Σ(k=1〜n)|B(k)−R(k+m)| …(1) ただし、Σ(k=1〜n)はkが1からnまでの関数の
和を表し、kは基準となるラインセンサ55内の素子を
指定する。また、mはたとえば−6から6までの整数
で、上記の相対移動量を示す。
【0025】たとえば、B(k)は基準ラインセンサ5
5の各画素より時系列的に出力される電気信号、R(k
+m)は参照ラインセンサ56の画素より時系列的に出
力される電気信号であり、mを−6から6まで順次変化
させる毎に上記式(1)の演算を行えば、図11(B)
に示すような相関値H(−6)、H(−5)、…、H
(6)が得られる。たとえば、相関値H(0)が最小値
となる場合に被写体までの距離が所定の値になるように
あらかじめ設定しておく。これよりずれた位置での相関
値が最小値となれば、そのずれ量すなわちm=0までの
位相差によって被写体の所定位置からのずれ、すなわち
被写体までの距離を検出することができる。
【0026】ところで、基準ラインセンサ55、参照ラ
インセンサ56の受光素子は、たとえば20μmのピッ
チで配置されている。相関度は画像面において20μm
を単位とした距離毎に演算される。被写体までの距離
が、受光素子のピッチの中間位置に相当するときは、図
11(B)の破線で示すように相関度の極値の右側の相
関度と左側の相関度の値が異なるようになる。このよう
な場合、補間演算を行うことによってピッチ間隔以上の
解像度を得ることができる。
【0027】図11(C)は、3点補間の方法を説明す
るための概略図である。極小の相関度の得られた位置を
x2とし、その両側のサンプル位置をx1、x3とす
る。実際に演算で得られた相関度を黒丸で示す。図で示
すように、x3における相関度y3がx1における相関
度y1より低い場合、真の極小値はx2からx3に幾分
進んだところに存在すると考えられる。もし、極小値が
正確にx2の位置にある場合、相関度曲線は破線f1で
示すようにx2で折れ曲がり、左右対称に立ち上がると
すればx3における相関度y3aはx1における相関度
y1と等しくなる。一方、x2とx3の中点が真の最小
相関度の位置であるとすれば、相関度曲線は破線f2で
示すようにx2とx3の中点で折れ曲がり、x2におけ
る相関度y2とx3における相関度y3bは等しくな
る。図に示すように、これら2つの場合における相関度
の差(y3a−y3b)はx1とx2の間の相関度の差
(y1−y2)に等しい。すなわち、半ピッチ進むこと
によって1単位の相関度が変化する。そこで、実際に演
算で得られた相関度が上に述べた2つの場合のどの中間
位置にあるかを調べることにより、真の相関度最小の位
置を得ることができる。x2からのずれ量dは、 d=(y1−y3)/2(y1−y2) で与えられる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術によるレー
ザーレーダーを用いた距離計測装置では、レーザービー
ムを発射、受信する必要上フロントガラス等のガラスを
通過させることは障害となる。
【0029】また、車載用距離計測装置においては、車
特有の振動が存在する。その振動に影響されて、測定値
の精度が低くなる。多点測距を行なう場合に、アクィテ
ブ型の計測装置では、投光素子と受光素子の組を複数組
用意しなければならないので、実現が困難である。
【0030】本発明の目的は、位相差検出による距離計
測を行なうことにより、多点測距に適した精度の高い車
載用距離計測装置を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明の車載用位相差距
離計は、多数の検出素子が垂直方向に並ぶように配置さ
れ、基線長B[mm]とレンズ・センサ間距離f[m
m]との積Bfが約200以上とする。
【0032】
【作用】位相差検出による距離計測はパッシブ型である
ので、投光素子は必要とせず、受光素子となる光センサ
により構成される。これにより、多点測距が容易に実現
できる。位相差検出の方法において、検出素子を垂直方
向に並べて配置することにより、車の振動方向に光セン
サをシフトさせて位相差を検出することとなるので、振
動に対しても精度の高い距離計測値が得られる。
【0033】
【実施例】位相差検出型の距離計測装置を自動車に搭載
した時の実施例を示す。図5は、自動車の車体に距離計
測装置を取付けた例である。
【0034】距離計測装置により計測された距離値によ
り、センサとして機能させることができる。フロントセ
ンサは、前方の車や景色までの距離を計測する。コーナ
ーセンサは、車体の前方コーナーに近付く障害物までの
距離を計測する。バックセンサは、後方や後方コーナー
の障害物までの距離を計測する。
【0035】距離計測装置を自動車に搭載するには、車
外に取付ける方法と車内に取付ける方法がある。車体1
21に距離計測装置を取付ける位置として、距離計測装
置125Sと127Sは車内であり、距離計測装置12
6Sと128Sは車外である。車体121において、距
離計測装置125S、126S、127S、128Sを
それぞれの位置に取付けた場合について説明する。
【0036】距離計測装置125Sは、フロントセンサ
として機能し、例えば車内のバックミラー122よりも
前方に取付け、測距エリア125Aと125Bの範囲に
おいて距離を計測する。測距エリア125Aは、フロン
トセンサの距離測定範囲である。測距エリア125B
は、コーナーセンサの距離測定範囲である。
【0037】距離計測装置126Sは、車体121の車
外前方に取付け、測距エリア126Aの範囲における対
象物までの距離を計測する。測距エリア126Aは、フ
ロントセンサ又はコーナーセンサの距離測定範囲であ
る。
【0038】距離計測装置127Sは、車体121の車
内後方に取付け、測距エリア127Aの範囲における対
象物までの距離を計測することができる。測距エリア1
27Aは、バックセンサの距離測定範囲である。
【0039】距離計測装置128Sは、車体121の車
外後方に取付け、測距エリア128Aの範囲において距
離を計測することができる。測距エリア128Aは、バ
ックセンサの距離測定範囲である。
【0040】フロントセンサを用いれば、前方の車との
追突を防止することが可能である。コーナーセンサやバ
ックセンサを用いれば、車庫入れの際など近付いてくる
障害物との接触を防止することが可能である。なお、フ
ロントセンサ以外は必要に応じて設ける。フロントセン
サも125S,126Sの一方のみ設ければ他方は省略
してもよい。
【0041】従来の技術であるレーザーレーダーや音波
による距離計測装置は、アクティブ型の計測装置である
ので、車内に取付けようとするとフロントガラス等のガ
ラスを通してレーザービームや音波を発信したり受信し
なければならない。しかし、これらはガラス類を間に挟
んで計測を行なう際には、発信ビームの反射等により高
い精度を得ることが困難である。
【0042】位相差検出型の距離検出装置は、被測定物
体の光像がレンズを通して、ラインセンサに入力される
ので、自動車のガラスを間に挟んで距離の計測を行なっ
ても精度の高い計測値が得られる。
【0043】図1は、位相差検出型の距離計測装置にお
いてラインセンサを縦置きにした時と横置きにした時の
相違を説明するための概念図である。前車102は、自
己の車の前方を走行する車であり、距離計測装置がレン
ズを通して捕らえる像は前車102を後方から見た像で
ある。
【0044】カメラに用いる合焦位置検出装置では、横
置きのラインセンサとして構成されている。しかし、こ
の横置きセンサの計測装置をそのまま車載用距離計測装
置に用いるとなるといくつかの問題点が生じる。
【0045】車載用距離計測装置を用いて計測する対象
物は、垂直方向の縦線より水平方向の横線の方が多い。
特に図1に示す被測定物体の前車102はバンパーなど
の横線が多い。
【0046】図1に示す横置きセンサ103において、
垂直方向の縦線の位相差を検出することは容易であるの
に対し、無限長である水平方向の横線の位相差を検出す
ることは非常に困難である。長さの短い横線であれば、
横置きセンサ103でも計測は可能である。
【0047】横線の多い前車102との距離を計測する
には、高い精度が得難い。それに対し、縦置きセンサ1
01を用いれば、前車102に多く含まれている横線情
報を利用して、精度の高い測定値が得られる。
【0048】車載用距離計測装置の場合において、さら
に特有の現象が存在する。車に距離計測装置を搭載した
時の測距エリアは、搭載している車のピッチング運動に
合わせて上下方向に振動する。前車がピッチング運動を
した時には、測距エリア内の前車102が上下方向に振
動することになる。
【0049】横置きセンサ103において、上下方向の
振動が生じた時には、被測定物全体が測距エリアの上下
方向に外れてしまう。そのために、測定する対象物が定
り難い。それに対して、縦置きセンサ101の場合に
は、上下方向の振動が生じた時に、被測定物が測距エリ
ア内において移動するのみであるので、測定する対象物
は変わらない。したがって、縦置きセンサの方が、上下
方向の振動には強く、車載用の距離計測装置としては適
している。
【0050】図2は、車載用位相差距離計の半導体チッ
プ上での縦置きセンサの構成例を示す。図2(A)は、
1チップ1ラインの場合であり、1次元の測距エリアの
測定を行なう。半導体チップ1において、2つのレンズ
3を通して被測定物の光像が入力される。1ラインは3
ゾーンから成り、ラインセンサ11、12、13により
構成されている。
【0051】位相差検出手法により、2つのレンズを通
した像の間での相関演算を行なう。相関演算は、ライン
センサ11aと11b、12aと12b、13aと13
bのそれぞれの間で行ない、相関度が最小となるまでの
これらの結像の相対移動値(位相差)を求めることによ
って合焦状態を識別する。この位相差より距離値を算出
する。
【0052】図2(B)は、1チップ3ラインの場合で
あり、2次元の測距エリアの測定を行なう。半導体チッ
プ1上には、2つのレンズ3を通してラインセンサ21
〜29が配置されている。ラインセンサは3ラインを構
成し、1ラインは3ゾーンから構成されている。相関演
算は、ラインセンサ21aと21b、22aと22b、
・・・、29aと29bの間で行ない、距離値を算出す
る。
【0053】また、横方向のラインセンサを組にして、
例えばラインセンサ21a、24a、27aの組とライ
ンセンサ21b、24b、27bの組の間で相関演算を
行うことにより距離値を算出することもできる。
【0054】図3は、2次元にラインセンサを配置した
半導体チップを用いたときのエリアセンサを説明するた
めの概念図である。エリアセンサは、ラインセンサの複
数化またはモジュールの複数化により、12のラインS
1〜S12から構成される。1つのラインS1にはX軸
方向に3ゾーン設け、ラインセンサS1a、S1b、S
1cにより構成されている。ラインセンサの数は、全部
で36である。
【0055】ラインセンサの数は、これに固定されるも
のではなく、X軸方向とY軸方向のそれぞれにラインセ
ンサの数を増やせば、より解像度の高い検出が検出が可
能である。
【0056】エリアセンサを用いた警告アルゴリズムに
ついて説明する。ラインS4〜S9には、前車111の
像が写し出され、前車111と自己の車とが同じ速度に
て走行していれば、一定の車間距離を保って、前車11
1の像が写し出される。ある一定時間の間、ラインS4
〜S9のエリアに留まる像があった時は、得られた距離
値は前車との車間距離(相対距離)を示しているとし
て、その距離が一定値以下になった時に追突防止とし
て、警告を発する。
【0057】ラインS1〜S3とラインS10〜S12
のエリアには、自己の車の速度で迫ってくる樹木やガー
ドレールの前方の景色112が写し出される。自己の車
の速度計の値を利用し、その速度においてラインS3か
らS1の横方向に、またはラインS10からS12の横
方向に移動する物体であれば、背景112と判断でき
る。被測定物が背景112であれば、その像は、ライン
S3からS2へ、S2からS1へ、またはラインS10
からS11へ、S11からS12へと移って行くことよ
り判断を行なう。
【0058】図4は、エリアセンサ内において移動物体
が存在した時の警告アルゴリズムを説明するための概念
図である。エリア145は、例えばラインS1〜S3か
ら構成されるエリアである。エリア146は、例えばラ
インS10〜S12から構成されるエリアである。
【0059】まず、被測定物がエリア内において移動物
体なのか、停止物体なのかの判別が必要である。前述、
図3の前車111のように、ある一定時間の間、同一測
距エリア内に留まっている像が検出されれば、その被測
定物は相対的な停止物体である。この方法により検出さ
れた被測定物以外が、相対的な移動物体である。
【0060】車載用距離検出装置が捕らえる被測定物の
像には、背景を除き2種類の移動物体が存在する。1つ
は横切り物体であり、もう1つは追越し物体である。こ
れら2つの移動物体の種類の判別を行ない、横切り物体
であれば危険性が高いので警告を必要とする。追越し物
体であれば、危険性は低いとして警告を必要としない。
【0061】この2種類の移動物体は、左右方向の移動
となるので2つの方向への移動が考えられる。被測定物
がエリア145内において、ラインS1からS2、S2
からS3の方向への移動する場合とエリア146内にお
いて、ラインS12からS11、S11からS10の方
向への移動する場合が考えられる。この2つの方向に移
動する像を検出することにより、横切り物体または追越
し物体であるとの判別を行なう。
【0062】その時、像の移動によりそれぞれラインS
1、S2、S3またはラインS12、S11、S10に
おいて得られた距離の計測値の比較を行なう。ラインS
1よりS2、S2よりS3で得られた計測値の方が、ま
たはラインS12よりS11、S11よりS10で得ら
れた計測値の方が、すなわち内側に向うほど近距離にな
ると判断した時は、横切り飛び出し物体として処理を行
なう。そして、横切り物体と自己の車とが一定距離以上
離れていなければ、危険信号として警告を発する。
【0063】ラインS1よりS2、S2よりS3で得ら
れた計測値の方が、またはラインS12よりS11、S
11よりS10で得られた計測値の方が、すなわち内側
に向うほど遠距離になると判断した時は、追越し物体と
して、警告は発しない。
【0064】図6(A)は、位相差距離計の外光三角方
式光学系を説明するための概略図である。被測定物13
3から発する光ビーム134は、2つのレンズ131を
通して、2組の光センサを含むセンサユニット132上
に写し出される。2つのレンズ131を通すことにより
被測定物133の像がセンサユニット132上に2つ写
し出される。
【0065】基線長Bは、センサユニット132に含ま
れている2つの基準位置の間の長さである。センサユニ
ット132上には、2つの像が基線長Bから位相差xの
長さだけ加算した位置に写し出され、2つの像の間隔は
(B+x)の長さとなる。
【0066】レンズ・センサ間距離fは、レンズ131
から被測定物の光像がセンサユニット132に写し出さ
れる面までの長さである。測距距離Lは、被測定物13
3からレンズ131までの距離であり、この距離が位相
差距離計から被測定物までの距離として測定される。
【0067】図6(B)は、測距距離を算出するための
演算式である。式に示すように、測距距離Lは、基線
長Bとレンズ・センサ間距離fとの積Bfを位相差xで
除算した商により表される。式は、位相差xがセンサ
シフト数nとセンサピッチpとの乗算により表されるこ
とを示す。式は、センサシフト数nが整数iと補関数
kとの除算により表されることを示す。
【0068】図7は、位相差距離計をBf=400に設
定した場合のセンサシフト数nと測距距離Lの関係を示
した表である。センサシフト数nを0から14まで変化
させた時の測距距離Lの距離を表している。計測可能な
被測定物までの距離は、133[m]から1.12
[m]までの範囲である。
【0069】Bfの値による距離分解能について説明す
る。測距距離が50[m]の位置にある被測定物は、図
7に示すBf=400の時には、i/k=2/8とi/
k=3/8の間で検出される。この時の測距距離は、L
=66.7〜44.4[m]の間で補間されることにな
る。この測距距離の距離差は、22.3[m]である。
【0070】これに対し、Bf=1100の時には、測
距距離が50[m]の位置にある被測定物は、i/k=
7/8とi/k=8/8の間で検出される。この時の測
距距離は、L=52.381〜45.833[m]の間
で補間されることになる。この測距距離の距離差は、
6.548[m]である。
【0071】このように、Bfの値を大きくするほど距
離の分解能は高くなる。距離計測において、高い分解能
を必要とする場合には、Bfの値を大きく設定すればよ
い。また、図6(B)に示すように、測距距離LとBf
は比例関係にあるので、もっと遠距離にある像を計測す
る必要がある場合にも、Bfの値を大きく設定すればよ
い。
【0072】カメラ用においては、対象となる被写体ま
での距離は近距離ほど正確に測定する必要があるため
に、Bfの値は100位である。車載用の場合は、比較
的離れた物体までの距離を精度高く測定する必要があ
る。このため、Bf=100では目的に合わず、Bf=
200以上が必要である。好ましくは、Bfは約400
以上とする。
【0073】車載用のBfの値は、カメラ用に比べて大
きな値となる。図6(A)に示す構成の場合、Bの値ま
たはfの値を大きくするとセンサユニット132を大き
くする必要がある。しかし、次に示す位相差距離検出モ
ジュールを用いれば小さなセンサユニット132で実現
することが可能となる。
【0074】図8は、位相差距離検出モジュールの構成
例である。被写体である対象物からの光線155は、カ
バーガラス150を通過し、反射板151により反射
し、さらにプリズムの鏡面152により反射し、セパレ
ータレンズ153に達する。セパレータレンズ153
は、入射する光を2つの光束に分け、基準ラインセンサ
および参照ラインセンサを含むラインセンサ154に投
射する。投射された光は、ラインセンサにより電気信号
に変換され、相関演算を行うことにより、対象物までの
距離を検出する。
【0075】基線長Bは、被写体である対象物からの光
線155Bと光線155Rの間の長さである。したがっ
て、図8に示す方式の位相差距離検出モジュールにおい
て、基線長Bの値を大きくとればセンサユニット154
を大きくすることなくBfの値を大きくすることができ
る。
【0076】以上のように、位相差検出を行なうために
用いるラインセンサを縦置きにして処理を行なうことに
より、横線情報の多い対象物を高い精度にて計測可能と
なる。横線情報の多い車載用距離計測装置には、この効
果が顕著に表れる。
【0077】また、ラインセンサを2次元に配置するこ
とにより、警告装置としても活用することが可能とな
る。この時、ドライバー毎に警告を与える距離範囲を設
定すれば、学習機能を持たせて警告を発することも可能
である。
【0078】ラインセンサ中に複数の物体を捕らえたと
きには、近距離優先として距離値を出力する。距離の時
間的変化を計測すること等により、相対的速度や加速度
の測定を行なうこともできる。また、距離計測装置の温
度対策として、ペルチエ素子を用いて温度を一定とする
こともできる。
【0079】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0080】
【発明の効果】車載用距離計測装置として位相差検出型
の距離計測装置を用い、縦置きに構成された光センサを
使って、位相差検出を行なうことにより、車載用距離計
測装置として精度の高い測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】位相差検出型の距離計測装置においてラインセ
ンサを縦置きにした時と横置きにした時の相違を説明す
るための概念図である。
【図2】車載用位相差距離計の半導体チップ上での縦置
きセンサの構成例を示す。図2(A)は、1チップ1ラ
インの場合の構成例であり、図2(B)は、1チップ3
ラインの場合の構成例である。
【図3】2次元にラインセンサを配置した半導体チップ
を用いたときのエリアセンサを説明するための概念図で
ある。
【図4】エリアセンサ内において移動物体が存在した時
の警告アルゴリズムを説明するための概念図である。
【図5】自動車の車体に距離計測装置を取付けた例であ
る。
【図6】図6(A)は、位相差距離計の外光三角方式光
学系を説明するための概略図であり、図6(B)は、測
距距離を算出するための演算式である。
【図7】位相差距離計をBf=400に設定した場合の
センサシフト数nと測距距離Lの関係を示した表であ
る。
【図8】位相差距離検出モジュールの構成例である。
【図9】従来の技術を示す。図9(A)は構成例を示す
概略図、図9(B)は処理回路の回路図である。
【図10】従来の技術を示す。図10(A)は光センサ
の概略断面図、図10(B)はスイッチトキャパシタ積
分回路の概略回路図である。
【図11】相関演算による位相差検出を説明するための
図である。図11(A)は基準部と参照部に得られる画
像信号を示すグラフ、図11(B)は得られる相関度曲
線を示すグラフ、図11(C)は3点補間の方法を説明
するための概略図である。
【符号の説明】
1 半導体チップ 3 レンズ 11〜13 ラインセンサ 21〜29 ラインセンサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月8日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】オペアンプ92の非反転入力端子は接地に
接続されている。また、オペアンプ92の出力端子99
は、キャパシタCI とセレクト信号ΦRST によって制御
されるスイッチ87の並列接続を介して反転入力端子に
帰還されている。セレクト信号KAとKBとは同時にハ
イ状態になることはなく、セレクト信号Φ1とΦ2も同
時にハイ状態になることはない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三井田 高 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムマイクロデバイス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の検出素子が垂直方向に並ぶように
    配置され、基線長B[mm]とレンズ・センサ間距離f
    [mm]との積Bfが約200以上である車載用位相差
    距離計。
  2. 【請求項2】 多数の検出素子が垂直方向に並ぶように
    配置されたラインセンサを垂直方向または水平方向に複
    数並べて配置した、基線長B[mm]とレンズ・センサ
    間距離f[mm]との積Bfが約200以上である車載
    用位相差距離計。
  3. 【請求項3】 多数の検出素子が垂直方向に並ぶように
    配置されたラインセンサを複数個用いて計測を行い、各
    ラインセンサから得られた距離値とある時間経過後の各
    ラインセンサから得られた距離値との比較により被測定
    物体の移動検出を行う車載用位相差距離検出方法。
JP6217293A 1993-03-22 1993-03-22 車載用位相差距離計 Pending JPH06273168A (ja)

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