JPH06272814A - 加圧流動層ボイラの層高制御装置と方法 - Google Patents

加圧流動層ボイラの層高制御装置と方法

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JPH06272814A
JPH06272814A JP5816293A JP5816293A JPH06272814A JP H06272814 A JPH06272814 A JP H06272814A JP 5816293 A JP5816293 A JP 5816293A JP 5816293 A JP5816293 A JP 5816293A JP H06272814 A JPH06272814 A JP H06272814A
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JP
Japan
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bed
fluidized bed
boiler
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pressurized fluidized
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Application number
JP5816293A
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English (en)
Inventor
Kenji Toukawa
謙示 東川
Toshiyuki Kaneko
俊之 金子
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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  • Fluidized-Bed Combustion And Resonant Combustion (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 負荷変化中に層高が予定通り上昇あるいは降
下しなかった場合でも、ボイラ負荷および環境保全性能
等の変動を最悪でも最小限とし、その後のボイラ負荷お
よび環境保全性能等のハンチングを防止し、所望の性能
を確保すること。 【構成】 加圧流動層ボイラ1の層高変化時において、
BM過大投入、抜き出しが層高偏差として現れる以前
に、流動層の層温度変化率異常として検出器101で検
出できるので、層温度の変化率に基づき、BMの供給量
および抜き出し量の制御を行う。こうして、先手で層高
の過上昇を防止でき、その後のボイラ負荷の変動や排ガ
ス中のO2、NOX、SOX量の変動等を回避でき所望の
ボイラ性能及び環境保全性能が確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流動層燃焼装置に係わ
り、特に流動層の層高を変化させることによって流動層
内に埋設されている層内伝熱管の伝熱面積を変えて負荷
制御を行う加圧流動層ボイラの層高制御装置と方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】加圧状態で石炭などを流動層燃焼させ、
発生した蒸気で蒸気タービンを駆動し、さらに燃焼で得
られた高圧・高温の排ガスでガスタービンを駆動して高
効率発電を行う加圧流動層ボイラ複合発電プラントに用
いる加圧流動層ボイラは、負荷変化に対応して流動層の
層高を変化させる。すなわち、負荷を減少する時は、加
圧流動層ボイラの流動層の流動媒体粒子(Bed Ma
terial、以下BMと称す)を抜き出して層高を低
下させ、抜き出したBMはBM貯蔵タンクに輸送し貯蔵
する。逆に負荷を増加する時は、BM貯蔵タンクよりB
Mを加圧流動層ボイラに供給して層高を上昇させる。
【0003】このように流動層の層高の増減操作によっ
て、流動層内に埋設されている層内伝熱管の伝熱面積を
変化させて蒸気発生量を調節し、蒸気タービンの出力を
調整する。また前記伝熱面積の増減により投入する燃料
量および燃焼用空気量も調節されるので、排ガス量や排
ガス温度および圧力が変化し、ガスタービンの出力も調
整される。
【0004】以下、加圧流動層ボイラおよび層高制御装
置について図5を用いて説明する。図5に示すように、
加圧流動層ボイラ1の底部には空気分散板4が設けら
れ、その空気分散板4の上にBM3が充填されて流動層
2が形成される。燃焼用空気は、圧縮機5により必要な
圧力まで昇圧され、燃焼用空気配管6を通って供給され
燃焼用空気量調整弁7により所定の流量に調節されて、
風箱8に供給されてBM3を流動化する。石炭などの燃
料は、燃料供給ポンプ13により送り出され、燃料供給
配管12を通って流動層2の底部に設けた燃料供給ノズ
ル11により流動層2内に供給され流動層2内で流動燃
焼する。
【0005】一方、水などの非加熱流体は層内伝熱管入
口管寄せ14に導入され、層内伝熱管15に案内されて
流動層2内のBM3と熱交換しながら層内伝熱管15内
を蛇行して上昇する。上昇過程で水などの非加熱流体は
加熱されて水蒸気または過熱蒸気となり、層内伝熱管出
口管寄せ16から取り出される。取り出された蒸気は蒸
気タービン(図示省略)へ導入され、蒸気タービンを駆
動する。また、燃焼排ガスは加圧流動層ボイラ1の空塔
部9に設けた排ガス配管10を通って、排ガス中のダス
トを除去する図示していない集塵装置等を通過してガス
タービン(図示省略)に導入され、ガスタービンを駆動
する。
【0006】次に層高制御装置について説明する。加圧
流動層ボイラ1の層高ボイラ1の層高を上昇する際に
は、BM貯蔵タンク21内のBM3をBM供給管22を
通して加圧流動層ボイラ1内に供給し、流動層2の層高
を上昇させる。この時のBM3の供給量は、BM供給管
22に接続したBM供給用空気配管25からのBM供給
用空気量(圧縮機5により供給される)をBM供給用空
気量調整弁26で調整することにより行われる。また、
逆に加圧流動層ボイラ1の層高を降下する際には、加圧
流動層ボイラ1内のBM3をBM抜出管23およびBM
輸送管24を通してBM貯蔵タンク21内へ抜き出すこ
とにより流動層2の層高を降下させる。この時のBM3
の抜出量は、BM抜出管23に接続したBM抜出用空気
配管27からのBM抜出用空気量をBM抜出量調整弁2
8により調整することおよび、BM輸送管24に接続し
たBM輸送用空気配管29からのBM輸送用空気量をB
M輸送用空気量調整弁30により調整して行われる。こ
こで、BM輸送用空気等は排気遮断弁32を開いてBM
貯蔵タンク21から排気管31を通って、加圧流動層ボ
イラ1の排ガス配管10へ排気される。なお、この排気
遮断弁32はBM貯蔵タンク21内の圧力を加圧流動層
ボイラ1内と同じ圧力にする際にも使用される。
【0007】このような構成において、以下に加圧流動
層ボイラ1の負荷変化を行う際の制御方式について説明
する。なお、実際にはプラント全体の出力制御、蒸気タ
ービンの出力制御およびガスタービンの出力制御その他
に関するものもあるが、ここでは流動層の燃焼制御と層
高制御に関してのみ概要を説明する。まず、流動層の燃
焼説明について説明する。負荷制御装置50からの負荷
上昇、また負荷降下に見合う燃料量要求信号51によ
り、燃焼制御装置52では必要な燃料量を演算して、こ
の燃料量になるように燃料供給ポンプ制御信号55によ
り燃料供給ポンプ13は調整される。ここで、流動層2
の層温度の設定値と層温度検出器53により検出された
実際の層温度検出信号54とに偏差が生ずれば燃焼制御
装置52でこれを判断して、燃料供給ポンプ制御信号5
5を修正し、燃料供給ポンプ13をフィードバック制御
し、燃料量は調整される。
【0008】一方、燃焼用空気量は燃料量の変化に伴っ
て、燃焼用空気量と燃料量の比(以下、空燃比と称す)
が所定値となるように燃焼用空気量信号56により燃焼
用空気量調整弁7は調整される。流動層2内での燃焼に
ズレが生じた場合には、ここでは図示を省略している
が、加圧流動層ボイラ1の排ガス配管10に設置する排
ガスO2分析計の検出値と設定値との間にズレが生じる
ため、これを燃焼制御装置52で判断して、燃焼用空気
量は調整される。
【0009】次に、層高制御について説明する。負荷制
御装置50からの負荷上昇、または負荷降下に見合う層
高要求信号61により層高を上昇する場合には、層高制
御装置62で所定の層高上昇率を確保するのに必要なB
M供給量を演算し、BM供給用空気量調整制御信号65
によりBM供給用空気量調整弁26の開度を決めて、所
定量の空気がBM供給管22を通って加圧流動層ボイラ
1へ供給され、流動層2の層高は上昇する。ここで、目
標の層高上昇率に見合う、その時点の層高と層高検出器
63により検出された実際の層高検出信号64とに偏差
が生ずれば層高制御装置62でこれを判断してBM供給
用空気量調整弁制御信号65を修正し、BM供給用空気
量調整弁26をフィードバック制御し、所定の層高上昇
率になるように調整される。
【0010】逆に、層高を降下する場合には、層高制御
装置62で所定の層高降下率を確保するのに必要なBM
抜出用空気量およびBM輸送用空気量を演算し、BM輸
送用空気を排気するために、排気遮断弁制御信号68に
より排気遮断弁32を開いたのち、BM抜出用空気量調
整弁制御信号66およびBM輸送用空気量調整弁制御信
号67によりBM抜出用空気量調整弁28およびBM輸
送用空気量調整弁30を制御することにより、加圧流動
層ボイラ1内のBM3はBM抜出管23およびBM輸送
管24を通って、BM貯蔵タンク21内へ抜き出され
る。ここで、目標の層高降下率に見合う、その時点の層
高と層高検出器63により検出された実際の層高検出信
号64とに偏差が生ずれば層高と層高制御装置62でこ
れを判断してBM抜出用空気量調整弁28およびBM輸
送用空気量調整弁30をフィードバック制御し、所定の
層高降下率になるように調整される。
【0011】しかしながら、前記の制御方式では加圧流
動層ボイラ1の燃焼制御と層高制御がそれぞれ独立して
おり、負荷上昇あるいは負荷降下に際して、燃焼量の変
化率すなわち燃料による入熱と層高の変化率すなわち層
内伝熱面積の増減や冷たいBMによる出熱とがバランス
を保って変化する時のみ所定の負荷変化特性が得られる
ものである。言い換えれば、加圧流動層ボイラ1の負荷
変化の過程において、燃焼量の変化量と層高の変化量と
が予定通り変化しなかった場合には、入出熱のバランス
が崩れることとなり、例えば層高制御が予定通り行かな
かった場合には、次のような現象が発生する。
【0012】(1)負荷上昇時の層高上昇について BMの過剰投入(層高の過上昇) 燃料量の増加量に対して、余分の冷たいBMが過剰投入
された場合には過剰投入BMの吸熱および層内伝熱管1
5の流動層内に埋没する伝熱面積増大により、層温度が
急激に低下する。 BMが投入できない場合(層高が上昇しない) 負荷変化のため燃料量を増加しているにも係わらず、B
Mが投入できない場合には、入熱量過大となり層温度が
上昇する。 (2)負荷減少時の層高降下において BMの過剰抜き出し(層高の減少率過大) 負荷変化のための燃料量減少よりも早くBMが抜き過ぎ
ると、入熱過大となり層温度が上昇する。 BMが抜き出せない場合(層高が減少しない) 負荷変化のため燃料量は減少しているにも係わらず、層
高が低下しないため、吸熱過大となり層高温度が低下す
る。
【0013】この中から代表して、負荷上昇時(層高増
加時)のBM過剰投入に対する不具合について図6を用
いて説明する。図6の横軸は経過時間を示しA点は負荷
変化の開始、B点は負荷変化の終了を示す。縦軸はそれ
ぞれの状態量の挙動を示し、破線は各状態量の理想的な
挙動である。特に加圧流動層ボイラでは、ボイラ負荷上
昇の直線性や排ガス中のNOx、SOxといった環境保
全性能の確保を厳しく要求され、これらは燃焼制御や層
高制御の結果として表れるものであり、この制御の善し
悪しにより大きく影響される。例えば、A点の負荷変化
開始後、層高が予定よりも上昇し過ぎる(BMが過剰投
入される)と直ちに入出熱のバランスが崩れて層温度が
急激に低下する。その後、層高の設定値との偏差過大に
より層高上昇を修正するように層高制御されるが、既に
層温度は低下しているので層温度も設定値となるように
(燃焼性能を維持するため)燃料量は増加され、燃焼遅
れを考慮して燃焼用空気量も増加する燃焼制御が行われ
る。
【0014】しかしながら、これらの層高、燃料量、燃
焼用空気量の変動により排ガス中のO2、NOx、SO
xは変動し、特に空燃比がズレた際にはO2、NOx、
SOxにピークが発生し、入出熱の変動によりボイラ負
荷も大きく変動するため、所望のボイラ性能が得られな
いこととなる。従って、層高制御と燃焼制御により、層
高上昇の修正および層温度の回復に伴い燃料量、燃焼用
空気量も定常状態に近づくものの、これらは入出熱がマ
ッチングするまでハンチングを繰り返すため、結果的に
排ガス中O2、NOx、SOxやボイラ負荷も変動する
こととなる。また、負荷上昇時(流動層高増加時)にB
Mが入らない場合は、燃料の燃焼遅れが有るためBMの
過剰投入のように急激ではないものの、入熱過大により
層温度は上昇するため前記と逆の燃焼制御(燃料量減
少、燃焼用空気量減少)により、結果的に排ガス中のO
2、NOx、SOx等が変動する。
【0015】このように、加圧流動層ボイラ1のように
層高を変化させて、ボイラ上昇あるいは降下させる場合
には、層高制御と燃焼制御をマッチングさせることが重
要で層高の変化量と燃料量等の変化量、すなわち入出熱
がバランスしないとボイラ性能は大きく左右されること
となる。しかしながら従来技術では層高の過上昇や層高
が予定通り上昇しなかった場合について、速やかに対処
することの配慮がなされていなかった。また、この層高
制御方法では、特にBM貯蔵タンク21内のBMが冷た
い時や温かい時の条件やBMの性質(流動媒体粒子の形
状、粒径分布、比重等)上からBMを搬送するための搬
送用媒体量の調整により常に安定して均一なBM搬送特
性を得ることは不可能に近く、そのため実際の層高を検
出してフィードバック制御が行われる。しかし、この層
高検出は流動層の圧力損失を検出して演算するものであ
り、流動層の性質上、この流動層の圧力損失は大きく変
動しており、ある程度以上の偏差が発生しないと層高偏
差を検出することはできず、その際には既にかなりの層
高偏差が発生した後となり、その際には層温度は変化し
ており燃焼制御が始まっている状態となるため前記した
ハンチング現象が発生する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、加圧
流動層ボイラの負荷変化中に層高が予定通り上昇或いは
降下しない場合の速やかな対応の配慮がなされておら
ず、最悪の場合にはボイラ負荷のハンチングや、排ガス
中のO2、NOx、SOx量のハンチング等によりボイ
ラ性能、環境保全性能に重大な影響を及ぼす可能性があ
った。本発明の目的は、加圧流動層ボイラの負荷変化中
に層高が予定通り上昇あるいは降下しなかった場合で
も、ボイラ負荷および環境保全性能等の変動を最悪でも
最小限とし、その後のボイラ負荷および環境保全性能等
のハンチングを防止し、所望の性能を確保する加圧流動
層ボイラの層高制御装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の前述の目的は次
の構成で達成される。すなわち、加圧流動層ボイラと流
動媒体粒子を貯蔵するBM貯蔵タンクとをBM供給管と
BM抜出管によって接続するとともに、BM供給管とB
M抜出管に空気等のBM搬送用媒体を供給する搬送媒体
供給配管と搬送用媒体量調整弁とを接続し、搬送用媒体
量調整弁の開閉によりBM供給量または、BM抜出量の
調整を行う加圧流動層ボイラの層高制御装置において、
加圧流動層ボイラの流動層の層温度変化率検出器と、こ
の層温度変化率検出器の検出信号に基づき、搬送用媒体
量調整弁を開閉するようにした制御装置とを設けた加圧
流動層ボイラの層高制御装置である。ここで、前記制御
装置は加圧流動層ボイラの流動層の層温度変化率検出器
の検出信号が異常値を示すと、加圧流動層ボイラの燃焼
制御をする構成とすることができる。
【0018】本発明の前述の目的は次の構成でも達成さ
れる。すなわち、加圧流動層ボイラと流動媒体粒子を貯
蔵するBM貯蔵タンクとをBM供給管とBM抜出管によ
って接続するとともに、BM供給管とBM抜出管に空気
等のBM搬送用媒体を供給する搬送媒体供給配管と搬送
用媒体量調整弁とを接続し、搬送用媒体量調整弁の開閉
によりBM供給量または、BM抜出量の調整を行う加圧
流動層ボイラの層高制御装置において、加圧流動層ボイ
ラの流動層の層温度変化率検出器と、流動層の層高検出
器と、流動層の層温度変化率検出器の検出信号により搬
送用媒体量調整弁の第1次制御を行い、流動層の層高検
出器の層高検出信号と設定層高との偏差に基づき搬送用
媒体量調整弁の第2次制御を行う制御装置を設けた加圧
流動層ボイラの層高制御装置である。
【0019】本発明の前述の目的は次の構成でも達成さ
れる。すなわち、加圧流動層ボイラに流動媒体粒子を供
給または抜き出すことで、加圧流動層ボイラの層高を制
御する加圧流動層ボイラの層高制御方法において、加圧
流動層ボイラの流動層の層温度変化率に基づき、流動媒
体粒子の供給量または抜出量を調節する加圧流動層ボイ
ラ層高制御方法、または、加圧流動層ボイラに流動媒体
粒子を供給または抜き出すことで、加圧流動層ボイラの
層高を制御する加圧流動層ボイラの層高制御方法におい
て、まず、加圧流動層ボイラの流動層の層温度変化率に
基づき、流動媒体粒子の供給量または抜出量の第1次制
御を行い、さらに、流動層の層高に基づき、流動媒体粒
子の供給量または抜出量の第2次制御を行う加圧流動層
ボイラの層高制御方法である。
【0020】
【作用】加圧流動層ボイラの層高の偏差は、その微細な
変化を瞬時に捕らえることは流動層の性質上からほとん
ど不可能に近く、ある程度以上の偏差が発生した後でな
いと検出できなかった。しかし、本発明はBMの過大投
入等を入出熱のバランスから、直ちに物理量として検出
できる層温度の変化率に着目したものであり、この層温
度変化率をBMの供給および抜出の制御手段とするもの
である。加圧流動層ボイラの層高変化時において、BM
過大投入、抜出に対して、層高偏差として現れる以前
に、流動層の層温度変化率異常として検出できるので、
先手で層高の過上昇を防止でき、その後のボイラ負荷の
変動や排ガス中のO2、NOX、SOX量の変動等を回避
でき所望のボイラ性能及び環境保全性能が確保できる。
【0021】図4は、本発明による負荷変化過程の各状
態量の挙動の制御例を示す。図4の横軸は経過時間でA
点は負荷変化の開始、B点は負荷変化の終了を示すが、
本発明によれば万一層高の上昇率等に異常が生じた場合
でも層温度変化率の異常として瞬時に検出できるので、
速やかに層高制御や燃焼制御が対応でき、ボイラ負荷の
変動や排ガス中のO2、NOX、SOX、の変動は最小限
とすることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明に係わる加圧流動層ボイラの層高制御
装置を示す概略構成図であり、図2及び図3は他の実施
例を示す加圧流動層ボイラの層高制御装置を示す概略構
成図である。なお、図1、図2及び図3において符号1
〜68の部材は図5に示す従来技術の同一符号の部材と
同一のものを示す。このような構成において、まず本発
明の一実施例である図1の装置について説明する。図1
の装置は図5の従来技術の装置に層温度変化率検出器1
01と層温度変化率検出信号102を新たに設置したも
のである。この層温度変化率検出信号102から層高制
御装置62に指令を送り、層温度変化率の異常有無によ
り層高制御を行うものである。
【0023】また、本発明の他の実施例を図2で説明す
る。図2の装置は図1の装置の層温度変化率検出信号1
02から燃焼制御装置用層温度変化率検出信号103を
作成してこれを燃焼制御装置52に送信するものであ
る。通常の燃焼制御では層温度が設定値となるように制
御されるが、層高上昇時のBM過剰投入等のように急激
で且つ短時間に起こる層温度低下に対しては、同一の制
御量では直ちに燃焼量を適性にして層温度を速やかに復
帰することは困難なため、予め層温度変化率異常の際に
は制御量を変更するものである。即ち、層温度の急激な
低下の傾向を直ちに検出し、先行して燃焼制御を行い、
しかも図1の場合と同様の層温度変化率による層高制御
を組み合わせて行うことにより入出熱のバランスを保つ
ようにしたものである。しかも負荷変化においては、時
々刻々と層高変化を行う必要があり、この場合でも層温
度異常による層高制御及び燃焼制御を行いつつ、目標層
高と実際の層高変化率で負荷変化を行えるものである。
【0024】更に、本発明の他の実施例を図3で説明す
る。図3の図1に示す装置にさらに、層温度変化率検出
信号102に基づく層高制御切替器201、BM貯蔵タ
ンク21の空塔部へポンプ5からの加圧空気を導入する
BM貯蔵タンク加圧空気配管202、該配管202のB
M貯蔵タンク加圧空気量調整弁203、BM輸送管24
の遮断弁204、排気管31から分岐して大気に通じる
減圧配管205、該配管205の減圧調整弁206を設
ける。そして、層温度変化率検出信号102に基づき、
層高制御切替器201によりBM貯蔵タンク加圧空気量
調整弁制御信号207、BM輸送管遮断弁制御信号20
8、減圧調整弁制御信号209をそれぞれ該当する弁に
送信する。
【0025】本実施例は、層温度変化率検出において層
温度の変化率が非常に過大な場合を想定したものであ
る。即ち、通常制御では最悪の場合に流動層の失火につ
ながるような事象に対しても、特にBMの性状変動等の
不確定要素の多い層高制御を層温度変化率検出によりバ
ックアップするものである。以下、その概要について説
明する。 (1)層高上昇に対して、BM過剰投入の場合 層温度変化率検出器101により急激な層温度の低下を
検出すると、BM供給用空気量調整弁26を全閉し、層
高制御切替器201により減圧調整弁206を調整する
ことにより、BMの供給を直ちに停止することができ
る。 (2)層高上昇に対して、BMが入らない場合 層温度変化率検出器101により層温度の上昇(BMか
入らない事)を検出すると、層高制御切替器201によ
りBM輸送管遮断弁204を全閉し、BM供給用空気の
漏れを防止し、BM貯蔵タンク加圧空気量調整弁203
を調整し、BM貯蔵タンク21内を加圧することにより
BM供給を援助する。 (3)層高降下に対して、BMが抜け過ぎの場合 層温度変化率検出器101により層温度の上昇(BM抜
け過ぎ)を検出すると、BM抜出用空気量調整弁28を
全閉し、層高制御切替器201によりBM輸送管遮断弁
204を全閉することによりBM抜出は直ちに停止す
る。 (4)層高降下に対して、BMが抜けない場合 層温度変化率検出器101により層温度の低下(BMが
抜けない事)を検出すると、BM輸送用空気量調整弁3
0を全閉し、層高制御切替器201により減圧調整弁2
06を調整しBM貯蔵タンク21内の圧力を減圧してB
M抜き出しを援助する。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、加圧流動層ボイラの負
荷変化に伴う層高変化時において、BMの過大供給や過
大抜出等に対して層高偏差として現れる前に、流動層の
層温度変化率の異常として検出できるので、先手で層高
の過上昇や過低下を防止でき、負荷変化過程のボイラ負
荷の変動や排ガス中のO2、NOX、SOXの変動等を回
避でき所望のボイラ性能及び環境保全性能が確保でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の加圧流動層ボイラの層高制
御装置を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の他の実施例の加圧流動層ボイラの層
高制御装置を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の他の実施例の加圧流動層ボイラの層
高制御装置を示す概略構成図である。
【図4】 本発明の実施例に係わる各状態量の概略挙動
を示す特性図である。
【図5】 従来技術に係わる加圧流動層ボイラの層高制
御装置を示す概略構成図である。
【図6】 従来技術に係わる各状態量の概略挙動を示す
特性図である。
【符号の説明】
1…加圧流動層ボイラ、3…BM(流動媒体粒子)、6
…燃焼用空気配管、12…燃料供給配管、21…BM貯
蔵タンク、22…BM供給管、23…BM抜出管、24
…BM輸送管、25…BM供給用空気配管、27…BM
抜出用空気配管、29…BM輸送用空気配管、31…排
気管、32…排気遮断弁、50…負荷制御装置、52…
燃焼制御装置、53…層温度検出器、62…層高制御装
置、63…層高検出器、101…層温度変化率検出器、
201…層高制御切替器、202…BM貯蔵タンク加圧
空気配管、203…BM貯蔵タンク加圧空気量調整弁、
204…BM輸送管遮断弁、205…減圧配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F22B 1/02 ZAB

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧流動層ボイラと流動媒体粒子を貯蔵
    するBM貯蔵タンクとをBM供給管とBM抜出管によっ
    て接続するとともに、BM供給管とBM抜出管に空気等
    のBM搬送用媒体を供給する搬送媒体供給配管と搬送用
    媒体量調整弁とを接続し、搬送用媒体量調整弁の開閉に
    よりBM供給量または、BM抜出量の調整を行う加圧流
    動層ボイラの層高制御装置において、 加圧流動層ボイラの流動層の層温度変化率検出器と、こ
    の層温度変化率検出器の検出信号に基づき、搬送用媒体
    量調整弁を開閉するようにした制御装置とを設けたこと
    を特徴とする加圧流動層ボイラの層高制御装置。
  2. 【請求項2】 制御装置は加圧流動層ボイラの流動層の
    層温度変化率検出器の検出信号が異常値を示すと、加圧
    流動層ボイラの燃焼制御をすることを特徴とする請求項
    1記載の加圧流動層ボイラの層高制御装置。
  3. 【請求項3】 加圧流動層ボイラと流動媒体粒子を貯蔵
    するBM貯蔵タンクとをBM供給管とBM抜出管によっ
    て接続するとともに、BM供給管とBM抜出管に空気等
    のBM搬送用媒体を供給する搬送媒体供給配管と搬送用
    媒体量調整弁とを接続し、搬送用媒体量調整弁の開閉に
    よりBM供給量または、BM抜出量の調整を行う加圧流
    動層ボイラの層高制御装置において、 加圧流動層ボイラの流動層の層温度変化率検出器と、流
    動層の層高検出器と、流動層の層温度変化率検出器の検
    出信号により搬送用媒体量調整弁の第1次制御を行い、
    流動層の層高検出器の層高検出信号と設定層高との偏差
    に基づき搬送用媒体量調整弁の第2次制御を行う制御装
    置を設けたことを特徴とする加圧流動層ボイラの層高制
    御装置。
  4. 【請求項4】 加圧流動層ボイラに流動媒体粒子を供給
    または抜き出すことで、加圧流動層ボイラの層高を制御
    する加圧流動層ボイラの層高制御方法において、 加圧流動層ボイラの流動層の層温度変化率に基づき、流
    動媒体粒子の供給量または抜出量を調節することを特徴
    とする加圧流動層ボイラの層高制御方法。
  5. 【請求項5】 加圧流動層ボイラに流動媒体粒子を供給
    または抜き出すことで、加圧流動層ボイラの層高を制御
    する加圧流動層ボイラの層高制御方法において、 まず、加圧流動層ボイラの流動層の層温度変化率に基づ
    き、流動媒体粒子の供給量または抜出量の第1次制御を
    行い、さらに、流動層の層高に基づき、流動媒体粒子の
    供給量または抜出量の第2次制御を行うことを特徴とす
    る加圧流動層ボイラの層高制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013250017A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Tsukishima Kikai Co Ltd 加圧流動炉システムの流動媒体の搬送方法

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