JPH06272754A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH06272754A
JPH06272754A JP5058317A JP5831793A JPH06272754A JP H06272754 A JPH06272754 A JP H06272754A JP 5058317 A JP5058317 A JP 5058317A JP 5831793 A JP5831793 A JP 5831793A JP H06272754 A JPH06272754 A JP H06272754A
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JP
Japan
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shift
oil temperature
line
clutch
speed change
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Application number
JP5058317A
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English (en)
Inventor
Junichi Doi
淳一 土井
Hidetoshi Kanbara
英敏 蒲原
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の走行性を低下させることなく、高油
温時に変速ショックが生じるのを防止する。 【構成】 ドリフトオンボール34を有する3−4クラ
ッチ27等からなる摩擦要素と、この摩擦要素の締結、
解放によって動力伝達経路が切替えられる多段式の変速
機構10と、エンジン負荷および車速に応じて設定され
た変速ラインに基づく変速制御を実行する変速制御手段
51とを備えた自動変速機の制御装置において、上記摩
擦要素に供給される作動油の温度が予め設定された基準
値以上であるか否かを判定する油温判定手段52と、こ
の油温判定手段52により油温が基準値以上であると判
定された場合に、通常時の変速ラインの高負荷域を低速
側に変位させるライン変位手段53とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドリフトオンボールを
有する摩擦要素と、この摩擦要素の締結、解放によって
動力伝達経路が切替えられる多段式の変速機構とを備え
た自動変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭61−48619号
公報に示されるように、自動変速機の摩擦要素を構成す
る油圧クラッチが油圧の排出により解放される際に、残
圧に起因した解放不良が上記油圧クラッチに発生するの
を防止するため、油圧クラッチの油圧室に通じるオイル
の逃がし通路にドリフトオンボールを設けることが行わ
れている。そして上記油圧クラッチの締結方向に油圧を
作用させる締結時には、ドリフトオンボールによって逃
がし通路を閉止し、上記油圧を排出する開放時にはドリ
フトオンボールを遠心力によって移動させて上記逃がし
通路を開放するようにした構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の自動変速機
においては、作動油の温度が高くなってその粘性が低く
なると、油圧クラッチの締結時にオイルの逃がし通路を
ドリフトオンボールによって閉止する際にオイル漏れが
生じ易くなる。したがって、図6に示すように、高油温
時にドリフトオンボールをON状態とするための油圧、
つまり油圧クラッチを締結時に上記逃がし用通路をドリ
フトオンボールによって閉止状態とするための圧力Pb
が、通常時の圧力Paに比べて高くなることが避けられ
ず、特に高負荷領域において大きな変速ショックが生じ
るという問題がある。
【0004】すなわち、上記通常時におけるドリフトオ
ンボールのON圧力Paは、この圧力が高くなるほどド
リフトオンボールのON時点からクラッチが締結される
までの時間が短くなって変速ショックを生じることに鑑
み、一般に変速ショックを生じることのない圧力に設定
されている。そして高油温時に上記圧力Paよりも高い
圧力PbでドリフトオンボールがON状態となると、油
圧クラッチが急激にON状態となって変速シックが生じ
るのを避けることができず、この変速ショックはエンジ
ン負荷が高いほど大きくなるという問題があった。
【0005】なお、高油温時には、通常時の車速Vaに
比べて低い車速VbにおいてドリフトオンボールがON
状態となるように制御し、これによって通常時と同レベ
ルの圧力Paが作用した時点で、上油圧クラッチを締結
状態としてシフトアップするように構成することによ
り、上記変速ショックの発生を防止することも考えられ
る。しかし、このように構成した場合には、上記高負荷
領域以外の通常の負荷領域におけるシフトアップの時期
が早くなり、加速力等が不足して自動車の走行性が低下
するという問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、自動車の走行性を低下させることな
く、高油温時に変速ショックが生じるのを防止できる自
動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ドリフトオンボールを有する摩擦要素と、この摩擦要素
の締結、解放によって動力伝達経路が切替えられる多段
式の変速機構とを備え、エンジン負荷および車速に応じ
て設定された変速ラインに基づく変速制御を実行する自
動変速機の制御装置において、上記摩擦要素に供給され
る作動油の温度が予め設定された基準値以上であるか否
かを判定する油温判定手段と、この油温判定手段により
油温が基準値以上であると判定された場合に、通常時の
変速ラインの高負荷域を低速側に変位させるライン変位
手段と、高油温時に上記変位された変速ライン圧に基づ
く変速制御を実行する変速制御手段とを設けたものであ
る。
【0008】請求項2に係る発明は、変速ラインの変位
量を、通常時に変速ショックを生じることなくドリフト
オンボールをONとする圧力に対応する車速と、高油温
時に変速ショックを生じることなくドリフトオンボール
をONとする圧力に対応する車速との差に相当する値に
設定したものである。
【0009】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、高油温時に
エンジンが高負荷状態にある場合には、通常の変速ライ
ンを低速側に変位させてなる高油温時の変速ラインに基
づいて変速制御が実行され、通常時と同程度の油圧が作
用した時点でドリフトオンボールがON状態となり、摩
擦要素を構成する油圧クラッチ等が適正なタイミングで
締結されて変速制御が実行されることになる。
【0010】上記請求項2記載の発明によれば、高油温
時の高負荷領域において変速ショックが生じることのな
いように作動油の圧力が設定されるとともに、変速時期
が極端に早期に設定されることが防止されることにな
る。
【0011】
【実施例】図1は本発明の実施例に係る制御装置を備え
た自動変速機の全体構成を示している。この図におい
て、エンジンの出力軸1にトルクコンバータ2が連結さ
れ、このトルクコンバータ2の出力側に多段式の変速機
構10が配設されている。上記トルクコンバータ2は、
エンジンの出力軸1に固定されたポンプ3と、タービン
4と、一方向クラッチ6を介して固定軸7上に設けられ
たステータ5とを備えている。またトルクコンバータ2
には、その入力側と出力側とを直結するロックアップク
ラッチ8が設けられている。
【0012】上記変速機構10は、基端が上記エンジン
の出力軸1に固定されて先端がオイルポンプ11に連結
されたオイルポンプ駆動用の中央軸12を備えるととも
に、この中央軸12の外方に、基端が上記トルクコンバ
ータ2のタービン4に連結された中空のタービン軸13
を備え、このタービン軸13上には、ラビニヨ型の遊星
歯車装置14が設けられている。この遊星歯車装置14
は、小径サンギヤ15、大径サンギヤ16、ロングピニ
オンギヤ17、ショートピニオンギヤ18およびリング
ギヤ19からなっている。この遊星歯車装置14に対し
て、次のような各種の摩擦要素が組込まれている。
【0013】上記タービン軸13と上記小径サンギヤ1
5との間には、フォワードクラッチ20とコーストクラ
ッチ21とが並列に配置されている。上記フォワードク
ラッチ20は、第1のワンウェイクラッチ22を介して
タービン軸13から小径サンギヤ15への動力伝達を断
続するものであり、また上記コーストクラッチ21は、
タービン軸13と小径サンギヤ15との間で相互の動力
伝達を断続するものである。
【0014】上記コーストクラッチ21の半径方向外方
には、上記大径サンギヤ16に連結されたブレーキドラ
ム23aとこのブレーキドラム23aに掛けられたブレ
ーキバンド23bとを有する2−4ブレーキ23が配置
されており、この2−4ブレーキ23が締結されると大
径サンギヤ16が固定されるようになっている。
【0015】上記2−4ブレーキ23の側方には、上記
ブレーキドラム23aを介して大径サンギヤ16とター
ビン軸13との間の動力伝達を断続する後進走行用のリ
バースクラッチ24が配置されている。また、遊星歯車
装置14のキャリヤ28と変速機構10のケースとの間
には、上記キャリヤ28とケースとを係脱するロー・リ
バースブレーキ25が配置されるとともに、これと並列
に第2のワンウェイクラッチ26が配置されている。
【0016】上記キャリヤ28とタービン軸13との間
には、これらの間の動力伝達を断続する3−4クラッチ
27が配置されている。また、この3−4クラッチ27
の側方には、リングギヤ19に連結されたアウトプット
ギヤ29が配置されており、このギヤ29はアウトプッ
トシャフト29aに取付けられている。
【0017】上記変速機構10は、それ自体で前進4
段、後進1段の変速段を有し、クラッチ20,21,2
4,27およびブレーキ23,25を適宜作動させるこ
とにより所要の変速段を得ることができるものである。
ここで、各変速段とクラッチ、ブレーキの作動との関係
を下記の表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】上記変速機構10の摩擦要素(クラッチ2
0,21,24,27およびブレーキ23,25)とロ
ックアップクラッチ8とは、油圧制御回路40から供給
される油圧に応じて作動すように構成されている。この
油圧制御回路40は、摩擦要素に対する油圧の給排を行
なうための各種バルブと、ライン圧を調節する手段等を
含んでいる。そして、上記油圧制御回路40に対する変
速制御およびライン圧制御を行なうためのコントロール
ユニット(ECU)50が設けられている。このコント
ロールユニット50には、エンジン負荷に相当するエン
ジンのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ
61、車速を検出する車速センサ62、油圧制御回路3
0の作動油の油温を検出する油温センサ63等からの信
号が入力されるようになっている。
【0020】上記コントロールユニット50は、スロッ
トル開度センサ61および車速センサ62からの信号等
により調べられる運転状態を後述する変速ラインと照合
して変速段を決定し、それに応じた変速制御信号を油圧
制御回路40に出力するとともに、摩擦要素の締結圧と
なる油圧制御回路40のライン圧をエンジン負荷に応じ
て制御するように、ライン圧の制御信号を油圧制御回路
40に出力する変速制御手段51を有している。
【0021】また、上記コントロールユニット50に
は、油温センサ63からの出力信号に基づいて摩擦要素
に供給される作動油の温度が予め設定された基準値以上
であるか否かを判定する油温判定手段52と、この油温
判定手段52において作動油の温度が上記基準値以上で
あると判定された場合に、図2に実線で示すように、通
常時に3−4クラッチ27が締結されることによって実
行される2−3変速時の変速ラインAの高負荷領域α
を、破線Bで示すように所定量βだけ低速側に変位させ
るライン変位手段53とが設けられている。
【0022】上記変速ラインAは、エンジン負荷(スロ
ットル開度)TVOと、車速Vとをパラメータとして設
定されたシフトアップ制御用のラインであり、エンジン
負荷TVOもしくは車速Vが上記変速ラインAを超えて
増大した場合に、シフトアップ制御が実行されるように
なっている。また、上記変速ラインAの高負荷領域の補
正量βは、図6に示すように、通常時に変速ショックを
生じることなく後述するドリフトオンボールをON状態
とすることができる圧力Paに対応する車速Vaと、こ
の圧力Paに対応する高油温時の車速Vbとの車速差
(Vb−Va)に相当する値に設定されている。
【0023】図3は、変速機構に組込まれた各種摩擦要
素のうちの3−4クラッチ27の構造と、この3−4ク
ラッチ27に対する油圧給排系統を示している。上記3
−4クラッチ27は、タービン軸13に結合された断面
略コ字形のクラッチドラム31を備えている。このクラ
ッチドラム31の内方には、遊星歯車装置14のキャリ
ヤ28に結合されたクラッチハブ32が配設されてお
り、上記クラッチドラム31とクラッチハブ32とには
複数のクラッチ板33,34がそれぞれスプライン結合
により支持されている。
【0024】さらに上記クラッチドラム31の内部に
は、各クラッチ板33,34を軸方向に押圧して摩擦接
触させるピストン35が嵌合されている。このピストン
35とクラッチドラム31との間には油圧室36が形成
されており、この油圧室36に対する作動油の給排に応
じて上記クラッチ板33,34が押圧あるいは押圧解除
されることにより、3−4クラッチ27の締結、解放が
行なわれるようになっている。上記ピストン35はコイ
ルスプリング37によって油圧室36を縮小する方向に
付勢されている。
【0025】上記ピストン35の外周近傍部には、上記
油圧室36に開口して軸方向に貫通するオイル通路38
が形成されている。このオイル通路38は、油圧室36
に開口する側が大径でテーパ状に形成され、クラッチ板
側が小径に形成されており、このオイル通路38にはド
リフトオンボール39が収容されている。このドリフト
オンボール39は、クラッチ解放時に油圧室36からの
油圧の排出を確実にしてクラッチの解放不良を防止する
ためのものであり、油圧と遠心力に応じて上記オイル通
路38を開閉するようになっている。
【0026】すなわち、上記油圧室36に油圧が供給さ
れると、その油圧上昇に応じて油圧室36が拡張し、ピ
ストン35が移動してクラッチ板33,34を押圧する
ことにより3−4クラッチ27が締結側に駆動される
が、この際に上記ドリフトオンボール39は油圧を受け
てオイル通路38の小径部分を閉じ、油圧室36の圧力
上昇を確保する。一方、ピストン35に作用する油圧室
36内の油圧が抜かれるときには、上記ドリフトオンボ
ール39が遠心力でオイル通路38のテーパ部に沿って
小径部分を開くように作動することにより、オイル通路
38を通して油圧室36内の外周側の作動油を排出さ
せ、油圧室36内の油圧の低下を確保するようになって
いる。
【0027】上記3−4クラッチ27に対する油圧の給
排およびライン圧の制御のため、油圧制御回路40に
は、プレッシャレギュレータバルブ(PRV)41、マ
ニュアルバルブ42、シフトバルブ43等が設けられて
いる。すなわち、オイルポンプ11から吐出された作動
油の圧力はプレッシャレギュレータバルブ41で調整さ
れてライン圧とされ、プレッシャレギュレータバルブ4
1がデューティソレノイドバルブ44によってコントロ
ールされることにより、上記ライン圧が制御される。
【0028】そして、手動操作に応じて作動されてレン
ジ変更を行なうマニュアルバルブ42と、ソレノイドバ
ルブ45により切換作動されるシフトバルブ43とを介
し、レンジおよび変速段に応じて上記油圧室36に対す
る油圧の給排が行なわれる。なお、このほかに3−4ク
ラッチ27に対する油圧給排系統には、緩衝用のアキュ
ムレータ(図示省略)等も設けられている。さらに油圧
制御回路40は、図示のシフトバルブ43およびソレノ
イドバルブ45のほかにも複数のシフトバルブとそれぞ
れをコントロールするソレノイドバルブを備え、変速機
構10の各種摩擦要素に対する油圧の給排が行なわれる
ようになっている。
【0029】上記の各シフトバルブをコントロールする
ソレノイドバルブはコントロールユニット50からの変
速制御信号によってON,OFF制御される。例えば2
−3変速時(2速から3速への変速時)には、3−4ク
ラッチ27に油圧を供給して3−4クラッチ27を締結
状態とするように、ソレノイドバルブ45に信号が出力
される。一方、上記デューティソレノイドバルブ44
は、コントロールユニット50からのライン圧制御用の
デューティ信号によってデューティ制御されるようにな
っている。
【0030】上記コントロールユニット50による2−
3変速時の変速制御の具体例を図4に示すフローチャー
トに基づいて説明する。上記制御動作がスタートする
と、まずステップS1において、エンジン負荷TVOが
基準負荷R以上であるか否かを判別する。この判定の結
果、エンジン負荷TVOが基準負荷R未満の低負荷状態
にあることが確認された場合には、ステップS2におい
て、上記変速ラインAに基づく通常の変速制御を実行す
る。
【0031】また、上記ステップS1でYESと判定さ
れ、エンジン負荷が高負荷状態にあることが確認された
た場合には、ステップS3において、油温が予め設定さ
れた基準値T以上であるか否かを判定する。この判定の
結果、油温が基準値T未満の通常温度であることが確認
された場合には、上記ステップS2に移行し、第1変速
ラインAに基づく通常の変速制御を実行する。一方、上
記ステップS3で油温が基準値T以上の高油温状態にあ
ることが確認された場合には、ステップS4において、
上記変速ラインの高負荷領域αを所定量βだけ低速側に
変位させ、この変位後の変速ラインBに基づく変速制御
を実行する。
【0032】このようにエンジンの高負荷領域におい
て、油温が予め設定された基準値以上の高油温状態にあ
るか否かを判定し、高油温状態にあることが確認された
場合に、通常時の変速ラインAの高負荷領域αを低速側
に変位させてなる高油温時の変速ラインBに基づいて変
速制御を実行するように構成したため、作動油の粘性の
低い上記高油温時には、通常時に比べて早期に上記3−
4クラッチ27に油圧を供給してこれを締結状態とする
変速制御が実行される。
【0033】したがって、上記高油温時には、変速ショ
ックの発生し易い高負荷領域において3−4クラッチ2
7を締結する際に、上記ドリフトオンボール39をON
状態とするのに適正な油圧が供給され、ドリフトオンボ
ール39のON時点から油圧クラッチが締結状態となる
までの時間が短くなることに起因する変速ショックの発
生を防止することができる。また、作動油の温度が通常
の状態にある場合、あるいはエンジン負荷が高くない場
合には、走行性および燃費の面から最適値に設定された
通常時の変速ラインAに基づく変速制御が実行されるた
め、自動車の走行性等を良好状態に維持することができ
る。
【0034】また、上記の高油温時において、低速側に
変位させる高負荷領域αの変位量βを図6に示すよう
に、通常時に変速ショックを生じることなく3−4クラ
ッチ27を締結状態とすることができるドリフトオンボ
ール39のON圧力Paに対応する車速Vaと、上記O
N圧力Paに対応する高油温時の車速Vbとの車速差に
相当する値に設定した構成によると、高油温時の高負荷
領域における変速時期を最適時期に設定し、変速時期が
極端に早期に設定されることに起因する走行性の悪化を
防止しつつ、変速ショックが生じるのを確実に防止する
ことができる。
【0035】なお、上記実施例では、エンジンの高負荷
状態において作動油が基準値以上であることが確認され
た時点で、通常の変速ラインAの高負荷領域αを低速側
に変位させる補正を行うように構成しているが、この構
成に代えて図5に示すように、通常の第1変速ラインA
と、高油温時の第2変速ラインBとの二種類の変速ライ
ンを予め設定し、油温の状態に応じていずれかの一方の
変速ラインを選択して使用するように構成してもよい。
【0036】上記第2変速ラインBは、通常時の第1変
速ラインAの高負荷領域αを低車速側に所定量βだけ変
位させるとともに、この変位量域の下端部と、上記第1
変速ラインAの中負荷領域とを所定角度の傾斜線で結ん
だものである。このように第2変速ラインBの変位量域
の下端部に傾斜線を設けた場合には、上記通常時の第1
変速ラインAと、高油温時の第2変速ラインBとの境界
部において、極端な特性差が生じるのを防止し、これに
よって走行フィーリングの違和感をなくすことができ
る。
【0037】また、上記実施例では、3−4クラッチ2
7が開放状態から締結状態に切り替えられることによっ
て実行される2−3変速時の制御を対象としているが、
これ以外のクラッチもしくはブレーキ等の摩擦要素が開
放状態から締結状態に切り替えられることによって実行
される種々の変速時に、同様の制御を実行するように構
成してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ドリフ
トオンボールを有する摩擦要素を備えた自動変速機にお
いて、油温が予め設定された基準値以上の高油温状態に
あるか否かを判定し、高油温状態にあることが確認され
た場合に、通常時の変速ラインの高負荷領域を低速側に
変位させてなる高油温時の変速ラインに基づいて変速制
御を実行するように構成したため、作動油の粘性の低い
上記高油温時には、通常時と同程度の油圧が作用した時
点で、上記摩擦要素のドリフトオンボールをON状態と
して変速制御を実行することができる。
【0039】したがって、上記高油温時には、変速ショ
ックの発生し易い高負荷領域において摩擦要素を締結さ
せる際に、上記ドリフトオンボールを適正時期にON状
態とすることができ、摩擦要素が急激に締結されること
に起因する変速ショックの発生を防止することができ
る。また、作動油の温度が通常の状態にある場合、ある
いはエンジン負荷が高くない場合には、走行性および燃
費の面から最適値に設定された通常時の変速ラインに基
づく変速制御が実行されるため、自動車の走行性等を良
好状態に維持することができる。
【0040】また、上記の高油温時において、低速側に
変位させる高負荷領域の変位量を通常時に変速ショック
を生じることなく摩擦要素を締結状態とすることができ
るドリフトオンボールのON圧力に対応する車速と、上
記ON圧力に対応する高油温時の車速Vb車速差に相当
する値に設定した構成によると、高油温時の高負荷領域
における変速時期を最適時期に設定し、変速時期が極端
に早期に設定されることに起因する走行性の悪化を防止
しつつ、変速ショックが生じるのを確実に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る自動変速機の制御装置の
全体概略図である。
【図2】上記自動変速機の特定の変速ラインを示す特性
図である。
【図3】上記自動変速機を構成する摩擦要素の具体的構
成を示す説明図である。
【図4】上記制御装置による変速制御動作を示すフロー
チャートである。
【図5】上記変速ラインの他の例を示す特性図である。
【図6】クラッチ締結圧と車速との対応関係を示す特性
図である。
【符号の説明】
10 変速機構 27 3−4クラッチ(摩擦要素) 39 ドリフトオンボール 51 変速制御手段 52 油圧判定手段 53 変速ライン変位手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドリフトオンボールを有する摩擦要素
    と、この摩擦要素の締結、解放によって動力伝達経路が
    切替えられる多段式の変速機構とを備え、エンジン負荷
    および車速に応じて設定された変速ラインに基づく変速
    制御を実行する自動変速機の制御装置において、上記摩
    擦要素に供給される作動油の温度が予め設定された基準
    値以上であるか否かを判定する油温判定手段と、この油
    温判定手段により油温が基準値以上であると判定された
    場合に、通常時の変速ラインの高負荷域を低速側に変位
    させるライン変位手段と、高油温時に変位された変速ラ
    インに基づく変速制御を実行する変速制御手段とを設け
    たことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 変速ラインの変位量を、通常時に変速シ
    ョックを生じることなくドリフトオンボールをONとす
    る圧力に対応する車速と、高油温時に変速ショックを生
    じることなくドリフトオンボールをONとする圧力に対
    応する車速との差に相当する値に設定したことを特徴と
    する請求項1記載の自動変速機の制御装置。
JP5058317A 1993-03-18 1993-03-18 自動変速機の制御装置 Pending JPH06272754A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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