JPH06271998A - 耐摩耗性鉄基焼結合金およびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性鉄基焼結合金およびその製造方法

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JPH06271998A
JPH06271998A JP6009593A JP6009593A JPH06271998A JP H06271998 A JPH06271998 A JP H06271998A JP 6009593 A JP6009593 A JP 6009593A JP 6009593 A JP6009593 A JP 6009593A JP H06271998 A JPH06271998 A JP H06271998A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない合金元素の添加で優れた耐摩耗性を有
するバルブシート用鉄基焼結合金およびその製造方法。 【構成】 重量比でCo;2〜15%、Mo;2〜10
%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄
基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜75%、W;
3〜12.5%、C;1〜5%を含有し、残部がNiお
よび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2〜30%
と、黒鉛粉末0.2〜2%をを混合成形し、1323K
からNi基合金粉末の融点以下の温度で焼結し、Co、
Mo、Niを含有し残部がFeおよび不可避不純物から
なる基地中に、重量比で、Cr、WおよびCを含有し、
残部がNiおよび不可避不純物からなる硬質粒子を2〜
30%分散させた。合金粉末を用いて基地組織を焼結し
たので、合金元素の素地への固溶均質度が高く、少ない
合金量で優れた耐腐食性、耐酸化性および耐摩耗性を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に使用される
バルブシート、ピストンリング或いは排気系のカラー等
の焼結部品に有用な耐摩耗性に優れた鉄基焼結用鉄基合
金とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のバルブシート材料としては、Fe
−C−Co−Ni基材料、Fe−C基材料に耐摩耗性の
向上を狙ってフェロモリブデン(Fe−Mo)、フェロ
クロム(Fe−Cr)等の金属間化合物またはFe−C
−Cr−Mo−V合金等を添加したものが使用されてい
る(特開昭56−154110号公報)。
【0003】さらに、CrおよびMoを含有するFe−
C基地組織中に、Cr、Mo、V等からなる鉄系硬質粒
子を分散させ耐摩耗性と相手攻撃性を改善した焼結合金
(特開昭60−224762号公報)、またFe−C−
Co−Ni系基地組織中にFeMoおよびFeWからな
る硬質粒子を分散させさらにPb合金等を含浸させて耐
摩耗性を改善した焼結合金(特開昭62−202058
号公報)が開示されている。
【0004】バルブシート材に要求される特性として
は、耐摩耗性の他に耐腐食性および耐熱性が挙げられ、
耐摩耗性は主として硬質粒子が受持ち、耐腐食性および
耐熱性は主として基地組織が受持ち、両者が相まって耐
久性を確保している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、自動車エンジン
において、長寿命化、高出力、高回転化、排出ガス浄化
対策、あるいは燃費向上対策に対する改善要求が一段と
高まっている。このため、自動車エンジンにおけるエン
ジンバルブ、バルブシートに対しては、従来にも増して
厳しい使用環境に耐えることが不可避となってきてお
り、耐熱性、耐摩耗性をより一層向上させると共に、高
温での耐腐食性を向上させる必要が生じてきた。
【0006】しかるに、従来の鉄系バルブシート材料の
基地の形成は、鉄粉に対して、合金元素であるNi、C
o、Mo等のそれぞれの元素の要素粉末を混合後、この
混合粉末を原料として成形、焼結し、Ni、Co、Mo
等を鉄中に拡散させている。例えば、特開平3−158
444号公報のFe基バルブシート用焼結合金では、原
料粉末として、Fe−Cr粉末、カーボニル粉末、Co
粉末、Mo粉末および黒鉛粉末を用意し、これに硬質粒
子を配合してFe基合金素地に硬質粒子が分散したFe
基焼結合金製のバルブシートを得ている。そのため、こ
れら合金元素を鉄中に完全に拡散させることが難しく、
添加量に見合った特性の向上が得られにくい。
【0007】そこで、合金元素添加の効果を効率良く引
き出すために、合金元素を予め鉄と合金化することが考
えられるが、これら合金元素を鉄と予め合金化すると、
固溶硬化により合金鉄粉の圧縮性が低下するため、圧粉
体の高密度化が難しくなり、耐久性向上に対し不利に作
用する。
【0008】本発明は従来の鉄系バルブシート材料およ
び鉄系バルブシート材料に用いられる鉄基合金粉末の前
記のごとき問題点を解決すべくなされたものであって、
近年のバルブシート材料の厳しい使用環境に対応し、耐
熱性、耐摩耗性をより一層向上させた鉄系焼結合金およ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
耐摩耗性、耐腐食性、耐酸化性を向上するため、バルブ
シート用鉄系焼結合金のマトリックスの化学成分と合金
化形態、硬質粒子の種類と添加量、マトリックス組織と
焼結条件等々について、鋭意研究を重ねた。その結果、
優れた耐酸化性と耐腐食性を発揮するマトリックスの特
定組成範囲および合金化形態を見出すと共に、このマト
リックス中に、特定組成範囲の硬質粒子を分散させるこ
とにより、極めて良好な耐摩耗性、耐腐食性および耐酸
化性を保持し得ることを知見し、かつ従来材に比べ経済
性に優れていることを見出して、本発明を完成した。
【0010】本発明の請求項1の耐摩耗性鉄基焼結合金
は、重量比で、全体組成が、Co;1.3〜15%、M
o;1.3〜10%、Cr;0.8〜18%、W;0.
05〜2.4%、C;0.2〜3.2%、Ni;0.5
〜17%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物から
なり、かつ重量比で、Co;2〜15%、Mo;2〜1
0%、C;0.2〜2%、Ni;10%以下を含有し残
部がFeおよび不可避不純物からなる基地中に、重量比
で、Cr;40〜75%、W;3〜12.5%、C;1
〜5%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からな
る硬質粒子を2〜30%分散したことを要旨とする。
【0011】本発明の請求項2の耐摩耗性鉄基焼結合金
は、重量比で、全体組成が、Co;1.3〜15%、M
o;1.3〜10%、Cr;0.8〜18%、W;0.
05〜2.4%、C;0.2〜3.2%、Ni;0.5
〜17%を含有し、さらにSi;0.005〜0.6
%、Nb;0.02〜1.2%、Ti;0.01〜0.
75%のうち1種または2種以上を含有し、残部がFe
および不可避不純物からなり、かつ重量比で、Co;2
〜15%、Mo;2〜10%、C;0.2〜2%、N
i;10%以下を含有し残部がFeおよび不可避不純物
からなる基地中に、重量比で、Cr;40〜75%、
W;3〜12.5%、C;1〜5%を含有し、さらにS
i;0.3〜2.5%、Nb;1〜5%、Ti;0.5
〜3.1%のうち1種または2種以上を含有し、残部が
Niおよび不可避不純物からなる硬質粒子を2〜30%
分散したことを要旨とする。
【0012】本発明の請求項3の耐摩耗性鉄基焼結合金
は、重量比で、全体組成が、Co;1.3〜15%、M
o;2.0〜10%、Cr;0.8〜18%、W;0.
05〜2.4%、C;0.2〜3.2%及びNi;0.
5〜17%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物か
らなり、かつ重量比で、Co;2〜15%、Mo;3%
を越えて10%以下、C;0.2〜2%、Ni;10%
以下を含有し残部がFeおよび不可避不純物からなる基
地中に、重量比で、Cr;40〜75%、W;3〜1
2.5%、C;1〜5%を含有し、残部がNiおよび不
可避不純物からなる硬質粒子を2〜30%分散したこと
を要旨とする。
【0013】本発明の請求項4の耐摩耗性鉄基焼結合金
は、重量比で、全体組成が、Co;1.4〜15%、M
o;2.0〜10%、Cr;0.8〜18%、W;0.
05〜2.4%、C;0.2〜3.2%、Ni;0.5
〜17%を含有し、さらにSi;0.005〜0.6
%、Nb;0.02〜1.2%、Ti;0.01〜0.
75%のうち1種または2種以上を含有し、残部がFe
および不可避不純物からなり、かつ重量比で、Co;2
〜15%、Mo;3%を越えて10%、C;0.2〜2
%、Ni;10%以下を含有し残部がFeおよび不可避
不純物からなる基地中に、重量比で、Cr;40〜75
%、W;3〜12.5%、C;1〜5%を含有し、さら
にSi;0.3〜2.5%、Nb;1〜5%、Ti;
0.5〜3.1%のうち1種または2種以上を含有し、
残部がNiおよび不可避不純物からなる硬質粒子を2〜
30%分散したことを要旨とする。
【0014】本発明の請求項5の耐摩耗性鉄基焼結合金
の製造方法は、重量比でCo;2〜15%、Mo;2〜
10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からな
る鉄基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜60%、
W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、残部がNiお
よび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2〜30%
と、黒鉛粉末0.2〜2%と、成形用潤滑剤を混合、成
形し、1323KからNi基合金粉末の融点以下の温度
で焼結することを要旨とする。
【0015】本発明の請求項6の耐摩耗性鉄基焼結合金
の製造方法は、重量比でCo;2〜15%、Mo;2〜
10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からな
る鉄基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜60%、
W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、さらにSi;
0.3〜2.0%、Nb;1〜4%、Ti;0.5〜
2.5%のうち1種または2種以上を含有し、残部がN
iおよび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2〜3
0%と、黒鉛粉末0.2〜2%と、成形用潤滑剤を混
合、成形し、1323KからNi基合金粉末の融点以下
の温度で焼結することを要旨とする。
【0016】本発明の請求項7の耐摩耗性鉄基焼結合金
の製造方法は、重量比でCo;2〜15%、Mo;3%
を越え10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物
からなる鉄基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜6
0%、W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、残部が
Niおよび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2〜
30%と、黒鉛粉末0.2〜2%と、成形用潤滑剤を混
合、成形し、1323KからNi基合金粉末の融点以下
の温度で焼結することを要旨とする。
【0017】本発明の請求項8の耐摩耗性鉄基焼結合金
の製造方法は、重量比でCo;2〜15%、Mo;3%
を越え10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物
からなる鉄基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜6
0%、W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、さらに
Si;0.3〜2.0%、Nb;1〜4%、Ti;0.
5〜2.5%のうち1種または2種以上を含有し、残部
がNiおよび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2
〜30%と、黒鉛粉末0.2〜2%と、成形用潤滑剤を
混合、成形し、1323KからNi基合金粉末の融点以
下の温度で焼結することを要旨とする。
【0018】
【作用】本発明の鉄基焼結合金は、基地組織に重量比で
Co;2〜15%、Mo;2〜10%、C;0.2〜2
%、Ni;10%以下を含有させたので、優れた耐腐食
性、耐酸化性および耐摩耗性を得ることができる。
【0019】この基地組織中に分散させるNi基合金粉
末は新規なものであり、Ni基合金粉末中のCr、Wは
Cと結合し、炭化物を形成することにより耐摩耗性を向
上させる。また、Ni基合金粉末中のNiは、焼結の際
にマトリクッス中へ拡散し、耐酸化性を向上させる。
【0020】本発明の鉄基焼結合金の製造方法は、重量
比でCo;2〜15%、Mo;2〜10%を含有した合
金粉末を用いて基地組織を焼結したので、合金元素の素
地への固溶均質度が高く、要素粉末を混合する従来法に
比べて、少ない合金量で優れた耐腐食性、耐酸化性およ
び耐摩耗性を得ることができる。また、合金元素の組成
範囲を前記組成範囲に規制したので、圧縮性の低下割合
が少なく、要素粉末を混合する従来法に比べて、圧縮性
が若干低下するもののほぼ同等であり、密度と関連性の
強い耐酸化性、耐食性に対して影響を及ぼすおそれはな
い。
【0021】本発明の焼結条件は、非酸化性雰囲気中に
て、1323Kから硬質粒子の融点以下の温度範囲、好
ましくは1323Kから1473Kにて、900から7
200s保持することが必要である。焼結温度が132
3K未満であると、焼結進行が不充分なため、マトリッ
クスの強度不足や硬質粒子とマトリックスとの結合力不
足を招くからであり、また、硬質粒子の融点を越える温
度の場合、硬質粒子の有する耐摩耗性が消失するからで
ある。この焼結温度において、900〜7200s保持
することにより、硬質粒子中のNi成分の一部がマトリ
ックス中に拡散し、マトリクッスの耐熱性が向上すると
共に、硬質粒子とマトリックスの結合が強化され、硬質
粒子の耐脱落性が向上する。
【0022】次に、本発明において、合金粉末等の成分
組成を限定した理由について説明する。 Fe−2〜15%Co−2〜10%Mo合金粉末;この
合金粉末は本発明材のマトリックスを形成するものであ
り、Coは素地に固溶してこれを強化するとともに、耐
熱性を向上させる効果があるが、2%未満ではその効果
が不足し、一方15%を越えて含有させると効果のさら
なる向上は見られるものの経済性に欠けるため、この点
を考慮してその含有量を2〜15%と定めた。更に高い
耐久性を得るためには、3%を越えて10%以下にする
ことがより好ましい。
【0023】Moは素地に固溶してこれを強化するとと
もに、高温域における強度および耐腐食性の改善に効果
を示し、炭素を含む焼結体においては、一部が炭化物を
生成し耐摩耗性の改善に効果を示す。これらの効果は、
含有量が2%未満では不充分であり、10%を越えると
効果の向上は認められるものの、粉末の圧縮性低下を招
くため、2〜10%と定めた。
【0024】Ni基合金粉末;Ni基合金粉末は、本発
明者等が開発した硬質粒子粉末であり、耐摩耗性の向上
に寄与する。Ni基合金粉末は、重量比でCr;40〜
60%、W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、残部
が不可避不純物を含むNiまたは、重量比でCr;40
〜60%、W;3〜10%、C;1〜4%とSi;0.
3〜2.0%、Nb;1〜4%、Ti;0.5〜2.5
%の中の1種以上と残部が不可避不純物を含むNiから
構成される。Cr、W、Si、Nb、Tiは、Cと結合
し炭化物を形成することにより耐摩耗性向上に寄与す
る。Niは合金粉末の耐腐食性向上に寄与すると共に、
焼結により、その一部は焼結によりマトリックス中に拡
散し、耐酸化性の向上に寄与する。Fe−Co−Mo合
金粉末にNiを予め合金化させると圧縮性が悪化する
が、本発明ではNi基合金粉末中のNiがマトリックス
に拡散して耐酸化性を向上するので、Fe−Co−Mo
合金粉末にNiを予め合金化させる必要がない。
【0025】この硬質粒子の添加量が2%未満では、耐
摩耗性向上が不充分であり、30%を越えて添加して
も、添加の割に向上が小さく、また成形性の低下を招く
ため、その添加量を2〜30%とした。
【0026】黒鉛粉末;0.2〜2% 炭素はマトリックスに固溶してマトリックスを強化する
とともに、一部はNi基合金粉末に拡散し、Ni基合金
粉末の硬度を高め、耐摩耗性の向上に効果を示す。0.
2%未満の添加では前記効果が期待できず、また2%を
越えて添加すると焼結合金を脆化させるので好ましくな
く、0.2〜2%の添加が適当である。
【0027】
【実施例】本発明の好適な実施例を比較例と対比して説
明し、本発明の特徴を明らかにする。本発明の実施例1
〜5として、重量比でMo;4.7%、Co;5.8%
残部が実質的にFeである鉄基噴霧合金粉A(粒径17
7μm以下)、重量比でCr;48.3%、W;4.6
%、C;1.9%残部が実質的にNiのNi基噴霧合金
粉B(粒径149μm以下)、重量比でCr;47.7
%、W;5.1%、Si;0.7%、C;2.1%、N
b;1.3%残部が実質的にNiのNi基噴霧合金粉C
(粒径149μm以下)、黒鉛粉および潤滑剤ステアリ
ン酸亜鉛を準備し、表1に示す配合組成になるように秤
量後、密度6.9g/cm3の圧粉体を成形した。
【0028】また、比較材1〜4として、合金粉A、合
金粉B、噴霧鉄粉、Co粉、Mo粉、Ni粉、FeMo
粉、黒鉛粉および潤滑剤ステアリン酸亜鉛を準備し、表
1に示す配合組成になるように秤量後、密度6.9g/
cm3の圧粉体を成形した。得られた実施例および比較
例の圧粉体を分解アンモニアガス雰囲気中で焼結し、各
実施例と比較材を製作した。なお、焼結温度は実施例1
〜5と比較材1〜2は1403K、比較材3が1273
K、比較材4が1563Kの温度で1.8Ksの時間焼
結合金し、
【0029】
【表1】
【0030】これら実施例1〜5および比較材1〜4の
試験片について、耐摩耗性の評価として大越摩耗試験を
行い、実施例2と4、比較材1と3については、実機評
価を行いバルブシートとしての適合性を調査した。な
お、耐摩耗性評価結果は、実施例および比較材の全体の
化学成分とともに表2に示し、実機耐久試験におけるバ
ルブとバルブシートの摩耗量を図1に示した。
【0031】なお、大越摩耗試験条件は次に示す通りで
あった。 相手材(ロータ) JIS SUH35にステライ
トNo.6の盛金 ブロック材 実施例および比較材 滑り速度 0.25m/s 摩擦距離 100m 最終荷重 31.5N 温度 ロータ;873K ブロック;673K 測定項目 ブロック摩耗体積
【0032】また、実機耐久試験条件は次の通りであっ
た。 エンジン 4気筒 2000cc 運転条件 7200rpm×360Ks
全負荷 水温 383K バルブシート 実施例2と4および比較材1と
3 バルブ JIS SUH35にステライ
トNo.6の盛金 フェース;ステライトNo.6盛金 測定項目 バルブシート、バルブ摩耗量
【0033】
【表2】
【0034】表2に示したように、比較材は合金要素粉
末を用いたため合金含有量が実施例より多かったにもか
かわらず固溶が不均質であったため、摩耗体積が73.
9〜85.2×10-3mm3と多かった。これに対し
て、本発明の実施例は合金粉末を用いNi基硬質合金粉
末を分散させたので、摩耗体積が49.6〜67.8×
10-3mm3であって比較材と比べて著しく少なく、本
発明合金が耐摩耗性に優れていることが判明し、本発明
の効果が確認された。
【0035】また、図1に示したように、実基耐久試験
におけるバルブ、バルブシートの摩耗量は、実施例2及
び4が比較材1及び3のおよそ1/2〜1/3と小さく
なっており、本発明合金はバルブシートとしての適合性
が認められた。
【0036】
【発明の効果】本発明の耐摩耗性に優れた鉄基焼結合金
およびその製造方法は以上詳述したように、重量比でC
o;2〜15%、Mo;2〜10%を含有し、残部がF
eおよび不可避不純物からなる鉄基合金粉末に対し、重
量比でCr;40〜60%、W;3〜10%、C;1〜
4%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる
Ni基合金粉末を2〜30%と、黒鉛粉末0.2〜2%
をを混合成形し、1323KからNi基合金粉末の融点
以下の温度で焼結し、Co、Mo、Niを含有し残部が
Feおよび不可避不純物からなる基地中に、重量比で、
Cr、WおよびCを含有し、残部がNiおよび不可避不
純物からなる硬質粒子を2〜30%分散させたものであ
って、合金粉末を用いて基地組織を焼結したので、合金
元素の素地への固溶均質度が高く、要素粉末を混合する
従来法に比べて、少ない合金量で優れた耐腐食性、耐酸
化性および耐摩耗性を得ることができ、Ni基合金粉末
中のMo、Cr、WはCと結合し、炭化物を形成するこ
とにより耐摩耗性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金と比較材の実機耐久試験におけるバ
ルブおよびバルブシートの摩耗量を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡島 博司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、全体組成が、Co;1.3〜
    15%、Mo;1.3〜10%、Cr;0.8〜18
    %、W;0.05〜2.4%、C;0.2〜3.2%、
    Ni;0.5〜17%を含有し、残部がFeおよび不可
    避不純物からなり、かつ重量比で、Co;2〜15%、
    Mo;2〜10%、C;0.2〜2%、Ni;10%以
    下を含有し残部がFeおよび不可避不純物からなる基地
    中に、重量比で、Cr;40〜75%、W;3〜12.
    5%、C;1〜5%を含有し、残部がNiおよび不可避
    不純物からなる硬質粒子を2〜30%分散したことを特
    徴とする耐摩耗性に優れた鉄基焼結合金。
  2. 【請求項2】 重量比で、全体組成が、Co;1.3〜
    15%、Mo;1.3〜10%、Cr;0.8〜18
    %、W;0.05〜2.4%、C;0.2〜3.2%、
    Ni;0.5〜17%を含有し、さらにSi;0.00
    5〜0.6%、Nb;0.02〜1.2%、Ti;0.
    01〜0.75%のうち1種または2種以上を含有し、
    残部がFeおよび不可避不純物からなり、かつ重量比
    で、Co;2〜15%、Mo;2〜10%、C;0.2
    〜2%、Ni;10%以下を含有し残部がFeおよび不
    可避不純物からなる基地中に、重量比で、Cr;40〜
    75%、W;3〜12.5%、C;1〜5%を含有し、
    さらにSi;0.3〜2.5%、Nb;1〜5%、T
    i;0.5〜3.1%のうち1種または2種以上を含有
    し、残部がNiおよび不可避不純物からなる硬質粒子を
    2〜30%分散したことを特徴とする耐摩耗性に優れた
    鉄基焼結合金。
  3. 【請求項3】重量比で、全体組成が、Co;1.3〜1
    5%、Mo;2.0〜10%、Cr;0.8〜18%、
    W;0.05〜2.4%、C;0.2〜3.2%及びN
    i;0.5〜17%を含有し、残部がFeおよび不可避
    不純物からなり、かつ重量比で、Co;2〜15%、M
    o;3%を越えて10%以下、C;0.2〜2%、N
    i;10%以下を含有し残部がFeおよび不可避不純物
    からなる基地中に、重量比で、Cr;40〜75%、
    W;3〜12.5%、C;1〜5%を含有し、残部がN
    iおよび不可避不純物からなる硬質粒子を2〜30%分
    散したことを特徴とする耐摩耗性に優れた鉄基焼結合
    金。
  4. 【請求項4】重量比で、全体組成が、Co;1.4〜1
    5%、Mo;2.0〜10%、Cr;0.8〜18%、
    W;0.05〜2.4%、C;0.2〜3.2%、N
    i;0.5〜17%を含有し、さらにSi;0.005
    〜0.6%、Nb;0.02〜1.2%、Ti;0.0
    1〜0.75%のうち1種または2種以上を含有し、残
    部がFeおよび不可避不純物からなり、かつ重量比で、
    Co;2〜15%、Mo;3%を越えて10%、C;
    0.2〜2%、Ni;10%以下を含有し残部がFeお
    よび不可避不純物からなる基地中に、重量比で、Cr;
    40〜75%、W;3〜12.5%、C;1〜5%を含
    有し、さらにSi;0.3〜2.5%、Nb;1〜5
    %、Ti;0.5〜3.1%のうち1種または2種以上
    を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる硬質
    粒子を2〜30%分散したことを特徴とする耐摩耗性に
    優れた鉄基焼結合金。
  5. 【請求項5】 重量比でCo;2〜15%、Mo;2〜
    10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からな
    る鉄基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜60%、
    W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、残部がNiお
    よび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2〜30%
    と、黒鉛粉末0.2〜2%と、成形用潤滑剤を混合、成
    形し、1323KからNi基合金粉末の融点以下の温度
    で焼結することを特徴とする耐摩耗性に優れた鉄基焼結
    合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 重量比でCo;2〜15%、Mo;2〜
    10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からな
    る鉄基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜60%、
    W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、さらにSi;
    0.3〜2.0%、Nb;1〜4%、Ti;0.5〜
    2.5%のうち1種または2種以上を含有し、残部がN
    iおよび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2〜3
    0%と、黒鉛粉末0.2〜2%と、成形用潤滑剤を混
    合、成形し、1323KからNi基合金粉末の融点以下
    の温度で焼結することを特徴とする耐摩耗性に優れた鉄
    基焼結合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 重量比でCo;2〜15%、Mo;3%
    を越え10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物
    からなる鉄基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜6
    0%、W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、残部が
    Niおよび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2〜
    30%と、黒鉛粉末0.2〜2%と、成形用潤滑剤を混
    合、成形し、1323KからNi基合金粉末の融点以下
    の温度で焼結することを特徴とする耐摩耗性に優れた鉄
    基焼結合金の製造方法。
  8. 【請求項8】 重量比でCo;2〜15%、Mo;3%
    を越え10%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物
    からなる鉄基合金粉末に対し、重量比でCr;40〜6
    0%、W;3〜10%、C;1〜4%を含有し、さらに
    Si;0.3〜2.0%、Nb;1〜4%、Ti;0.
    5〜2.5%のうち1種または2種以上を含有し、残部
    がNiおよび不可避不純物からなるNi基合金粉末を2
    〜30%と、黒鉛粉末0.2〜2%と、成形用潤滑剤を
    混合、成形し、1323KからNi基合金粉末の融点以
    下の温度で焼結することを特徴とする耐摩耗性に優れた
    鉄基焼結合金の製造方法。
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