JPH06270273A - 液晶樹脂複合体の成形用素材及びそれを用いた成形方法 - Google Patents

液晶樹脂複合体の成形用素材及びそれを用いた成形方法

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JPH06270273A
JPH06270273A JP5060098A JP6009893A JPH06270273A JP H06270273 A JPH06270273 A JP H06270273A JP 5060098 A JP5060098 A JP 5060098A JP 6009893 A JP6009893 A JP 6009893A JP H06270273 A JPH06270273 A JP H06270273A
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JP
Japan
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liquid crystal
molding
strand
mandrel
molding material
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Application number
JP5060098A
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English (en)
Inventor
Kenji Moriwaki
健二 森脇
Sukeyuki Matsuda
祐之 松田
Masayasu Nishihara
雅泰 西原
Kazuhisa Fuji
和久 藤
Masatoshi Shinomori
正利 篠森
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶樹脂複合体のストランドを用いて樹脂成
形品を成形するに際して、ストランドの断面形状を工夫
することによって成形時におけるエアの巻き込みを有効
に抑制し、併せて、断面形状の変更に伴って生じる問題
を解消する。 【構成】 熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリック
ス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度を有
する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる液晶樹
脂複合体をストランド状に形成したフィラメントワイン
ディング用の成形用素材であって、その長手方向に直交
する断面の形状が略矩形状に形成されるとともに、マン
ドレル6の端部における折り返し部に対応する部位に
は、断面の長手方向について上記成形用素材(ストラン
ドS)を複数に分割し得るノッチ部が設けられており、
該ストランドSは、マンドレル6の端部では、ノッチ部
において複数に分割されながら折り返されることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶樹脂複合体の成
形用素材及びそれを用いた成形方法、特に、液晶樹脂複
合体でなるストランド状の成形用素材及びそれを用いて
行う所謂フィラメントワインディング法による成形方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂材料を用いて成形を
行う成形方法として、繊維強化材に樹脂を含浸させたス
トランド状の成形用素材を、回転しているマンドレルの
外周側に規則正しく幾層にも巻き付けて所定厚さの成形
体を形成した後、上記ストランドに含浸した樹脂を硬化
させてマンドレルを抜脱することにより、中空筒状の成
形品を得るようにした、所謂、フィラメントワインディ
ング法は一般に良く知られている。このフィラメントワ
インディング法によれば、比強度(強度/密度)が高く力
学的特性の優れた中空円筒状の繊維強化樹脂製成形品を
得ることができ、また、このような樹脂成形品を高い効
率で大量生産することが可能になる。
【0003】ところで、近年、繊維強化樹脂材料の強化
繊維として熱可塑性の液晶樹脂を用いることが提案され
ている。例えば、特開昭62−116666号公報で
は、熱可塑性液晶樹脂を強化繊維とした液晶樹脂複合体
を繊維状に成形するようにしたものが開示されている。
このように強化繊維として熱可塑性液晶樹脂を採用した
場合、使用済みで廃棄された樹脂成形品をリサイクルす
る際に、樹脂成形品の粉砕に伴って強化繊維としての熱
可塑性液晶樹脂繊維が切断されても、液晶樹脂の液晶転
移温度以上の温度に加熱して材料調製を行うことによ
り、強化材としての液晶樹脂の繊維化状態を容易に再現
でき、従来、ガラス繊維やカーボン繊維等の繊維強化樹
脂成形品では一般に困難であった、再び同等の物性を有
する素材に再生し得るリサイクル性の大幅な向上を達成
することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような熱可塑性
液晶樹脂を強化繊維とした液晶樹脂複合体を成形用素材
として成形を行うに際して上記フィラメントワインディ
ング法を適用する場合、強化繊維を熱可塑性液晶樹脂と
したことにより、従来、例えばガラス繊維あるいはカー
ボン繊維など他の繊維材を強化繊維とした場合に比べ
て、樹脂成形品にボイドが生じやすく、強度および剛性
等の機械的性質について安定した特性を得ることが難し
いという問題があった。尚、このボイドの問題は、上記
従来の強化繊維を用いた場合でも若干経験されることが
あるが、液晶樹脂を強化繊維に用いた場合には、以下に
述べる理由等により、特に顕著に表れるのである。
【0005】すなわち、上記熱可塑性液晶樹脂複合体
は、熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリックス樹脂
の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度を有する熱
可塑性液晶樹脂が繊維状態で配向されて形成されている
が、この液晶樹脂複合体を成形温度に加熱して成形を行
う際には、液晶樹脂の繊維化状態を維持するために、加
熱温度範囲を、上記マトリックス樹脂の最低成形可能温
度(結晶性のものにあっては融点)以上で、かつ、上記液
晶樹脂の液晶転移温度未満の温度に制限する必要があ
る。このため、マトリックス樹脂を余り高温まで加熱す
ることができず、このマトリックス樹脂の粘度が比較的
高いままで成形されることとなり、よって、マトリック
ス樹脂の流動に伴う巻き込みエアの排出が行われにくく
なり、成形工程においてエアの巻き込みが生じ易くな
る。また、液晶樹脂複合体のストランドでは強化繊維が
熱可塑性であるので、加熱すると不可避的にある程度の
緩みおよび引張り強度の低下が生じ、適切な張力を付与
することが困難である。このため、繊維間に介在するエ
アを有効に排除することがなかなかに難しく、これがボ
イドとして成形品に残ることになる。
【0006】ところで、フィラメントワインディング法
においてマンドレルに巻き付けられるストランドは、そ
の断面が円形に形成されるのが一般的である。この円形
断面のストランドをマンドレル外周側に規則正しく巻き
付ける際、この巻き付け時におけるマトリックス樹脂の
粘度が高く、また、ストランドの張力を十分に確保でき
ない場合には、ストランド相互の接触状態はほぼ線接触
となり、隣接するストランド間には比較的大きな空間部
が形成され、この空間部にエアが介在した状態で成形が
行なわれることになる。
【0007】このようなエアの介在(巻き込み)を防止す
るためには、上記ストランドの断面形状を、積層して巻
き付けた際に、マンドレル外周に沿い易くストランド相
互間に空間部が生じにくい形状にすることができれば好
都合である。この点に関して、強化繊維に液晶樹脂を用
いることを意識したものではないが、例えば特開平3−
236942号公報では、ストランドの断面形状を偏平
な楕円状としたものが開示されている。
【0008】しかしながら、このようにストランドの断
面形状を楕円状とした場合、確かに、ストランド相互の
接触状態はある程度面接触に近くなり、また、短軸方向
の剛性が低下するのでマンドレルの外周に沿わせ易くな
るので、成形時のエアの巻き込みを抑制する上である程
度の効果を奏することができるものの、断面の全体形状
としてはやはり曲率を有するものであるので、ストラン
ド間には依然として一定の空間部が形成され、マトリッ
クス樹脂の軟化の程度やストランドの張力によっては、
やはりこの空間部内のエアを巻き込んだ状態で成形が行
なわれることになる。また、フィラメントワインディン
グ法でストランドをマンドレル外周側に巻き付ける場
合、マンドレル端部もしくはその近傍まで巻き付けると
この部分で折り返し、マンドレル長手方向について逆向
きに巻き付けて行く必要があるが、ストランドの断面形
状を偏平な楕円状とした場合には、この折り返し部でね
じれ等が生じ易くなる。このため、スムースな折り返し
動作に支障を来すとともに、この折り返し部近傍での積
層状態が悪くなり、エアを巻き込み易くなるという問題
が生じる。
【0009】そこで、この発明は、液晶樹脂複合体のス
トランドを用いて樹脂成形品を成形するに際して、スト
ランドの断面形状を工夫することによって成形時におけ
るエアの巻き込みを有効に抑制し、併せて、断面形状の
変更に伴って生じる問題を解消することができる液晶樹
脂複合体の成形用素材及びそれを用いた成形方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明に係る液晶樹脂複合体の成形用素材は、熱可塑性マ
トリックス樹脂中に該マトリックス樹脂の最低成形可能
温度よりも高い液晶転移温度を有する熱可塑性液晶樹脂
が繊維状態で存在してなる液晶樹脂複合体をストランド
状に形成した成形用素材であって、該成形用素材の長手
方向に直交する断面の形状が略矩形状に形成されている
ことを特徴としたものである。
【0011】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明に係る液晶樹脂複合体の成形用素材において、上記成
形用素材はフィラメントワインディングによる成形に用
いられるものであり、該成形用素材のマンドレル端部も
しくはその近傍における折り返し部に対応する部位に
は、該部位において上記断面の長手方向について、上記
成形用素材を複数に分割し得る脆弱部が設けられている
ことを特徴としたものである。
【0012】更に、本願の第3の発明に係る液晶樹脂複
合体の成形方法は、熱可塑性マトリックス樹脂中に該マ
トリックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移
温度を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してな
る液晶樹脂複合体をストランド状に形成した成形用素材
を用いてフィラメントワインディング法により成形を行
う液晶樹脂複合体の成形方法であって、上記成形用素材
の長手方向に直交する断面の形状が略矩形状に形成され
るとともに、該成形用素材のマンドレル端部もしくはそ
の近傍における折り返し部に対応する部位には、該部位
において上記断面の長手方向について、上記成形用素材
を複数に分割し得る脆弱部が設けられており、上記成形
用素材は、上記折り返し部以外では、上記断面の長手方
向がマンドレルの外周に沿うように該マンドレルに巻き
付けられる一方、上記折り返し部では、上記脆弱部にお
いて複数に分割されながら折り返されることを特徴とし
たものである。
【0013】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記ストラ
ンド状の成形用素材の長手方向に直交する断面の形状を
略矩形状に形成したので、該矩形の長辺側が重なるよう
に積層することにより、隣接するストランド間(特に上
下のストランド間)の接触状態はほぼ完全な面接触とな
り、相互の密着度が大幅に向上する。従って、円形断面
あるいは楕円状断面の場合に比べて成形時にエアが介在
する余地が非常に小さくなり、熱可塑性液晶樹脂を強化
繊維としたことによりって成形用素材に付与できる張力
および加熱温度が制限される場合でも、ボイドの発生を
有効に抑制することができる。
【0014】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することがで
き、特に、上記成形用素材はフィラメントワインディン
グによる成形に用いられるものとしたので、断面におけ
る矩形の長辺側がマンドレルの外周側に沿うように巻き
付けることにより、隣接するストランド間(特に上下の
ストランド間)の接触状態はほぼ完全な面接触となり、
フィラメントワインディングにおけるストランド相互の
密着度が大幅に向上する。従って、円形断面あるいは楕
円状断面の場合に比べて成形時にエアが介在する余地が
非常に小さくなり、熱可塑性液晶樹脂を強化繊維とした
ことによってストランドに付与できる張力および加熱温
度が制限される場合でも、ボイドの発生を有効に抑制す
ることができる。その上、上記成形用素材のマンドレル
端部における折り返し部に対応する部位には、該部位に
おいて上記断面の長手方向について、上記成形用素材を
複数に分割し得る脆弱部を設けたので、上記折り返し部
の近傍でストランドがねじれることを有効に防止するこ
とができる。
【0015】更に、本願の第3の発明によれば、上記成
形用素材の長手方向に直交する断面の形状が略矩形状に
形成されているので、フィラメントワインディングで成
形する際には、断面における矩形の長辺側がマンドレル
の外周側に沿うように巻き付けることにより、隣接する
ストランド間(特に上下のストランド間)の接触状態はほ
ぼ完全な面接触となり、相互の密着度が大幅に向上す
る。従って、円形断面あるいは楕円状断面の場合に比べ
て成形時にエアが介在する余地が非常に小さくなり、熱
可塑性液晶樹脂を強化繊維としたことによってストラン
ドに付与できる張力および加熱温度が制限される場合で
も、ボイドの発生を有効に抑制することができる。ま
た、上記成形用素材のマンドレル端部における折り返し
部に対応する部位に上記脆弱部を設け、成形用素材は、
マンドレルの両端部以外では上記断面の長手方向(矩形
の長辺側)がマンドレルの外周表面に沿うように該マン
ドレルに巻き付けられる一方、マンドレルの端部では、
上記脆弱部において複数に分割されながら折り返される
ようにしたので、折り返し部の近傍でストランドがねじ
れることを有効に防止することができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は、本実施例に係る液晶樹脂
複合体のストランド状成形素材を用いてフィラメントワ
インディング法で成形を行うための成形装置の全体構成
を概略的に表す説明図である。この図に示すように、上
記成形装置1は、液晶樹脂複合体をストランド状に押し
出す押出機2と、押し出されたストランドSを冷却する
冷却槽3と、押し出されたストランドSを延伸させつつ
下流側に引き出す一対の引取ローラ4と、該引取ローラ
4,4で引き出されたストランドSの張力を調整するた
めのテンションコントローラ5と、このテンションコン
トローラ5で張力が調整された状態のストランドSが巻
き付けられるマンドレル6と、例えば、マンドレル6へ
の巻き付け前にストランドSを所定温度に加熱するため
のヒータ7と、ストランドSのマンドレル6への巻き付
け時の位置決めを行うデリバリアイ8とを備えている。
尚、具体的には図示しなかったが、上記成形装置1に
は、上記各構成要素の作動を総合的に制御するために、
例えばマイクロコンピュータを主要部として構成された
コントロールユニットが設けられている。
【0017】上記押出機2は、液晶樹脂複合体のストラ
ンドSを、マンドレル6側に供給する供給手段であり、
円筒状の本体部11と、該本体部の先端に固定されたノ
ズルヘッド12と、上記本体部11内に収納された回転
スクリュー13とを備えている。そして、より好ましく
は所定長さに揃えられた繊維状の熱可塑性液晶樹脂(液
晶繊維)と、該液晶樹脂の液晶転移温度よりも低い最低
成形可能温度(結晶性のものにあっては融点)を有する熱
可塑性マトリックス樹脂のみを含有するペレットとをホ
ッパ14から投入し、上記回転スクリュー13を所定の
回転数で駆動させることにより、投入された熱可塑性マ
トリックス樹脂のペレットが可塑化溶融され、このマト
リックス樹脂中に上記液晶繊維が配向したストランド状
の液晶樹脂複合体がノズルヘッド12から押し出される
ようになっている。
【0018】本実施例では、上記熱可塑性液晶樹脂およ
び熱可塑性マトリックス樹脂として、例えば、以下のも
のを用いた。 ・熱可塑性液晶樹脂 − 材質名 : 芳香族ポリエステル樹脂 − 商品名 : ベクトラA950(ポリプラスチックス株
式会社製) − 液晶転移温度 : 280℃ ・熱可塑性マトリックス樹脂 − 材質名 : オレフィン樹脂 − 商品名 : ノーブレンD501(住友化学工業株式会
社製) − 融点 : 約155℃ (通常成形温度200℃)
【0019】尚、上記押出機2でストランドSを押し出
す際の成形用素材としては、上記のようにマトリックス
樹脂のペレットと液晶繊維とを分けてホッパ14に投入
する代わりに、両者で形成された液晶樹脂複合体のペレ
ットを予め調製しておき、このペレットをホッパ14か
ら押出機2に供給するようにしても良い。また、ストラ
ンド供給手段は、上記のような押出機1に限定されるも
のではなく、例えば、押出機で押し出されたストランド
を所謂ボビンに巻き取っておき、このボビンから上記マ
ンドレル6側に供給するようにしても良い。
【0020】上記押出機2から押し出されたストランド
Sは、引取ローラ4,4の作用によって所定の延伸比と
なるまで延伸された後、冷却槽3で冷却され、上記引取
ローラ4,4によって下流側(マンドレル6側)に引き出
される。上記テンションコントローラ5は、一対の所謂
ダンサローラ16A,16Bと片側のローラ16Bの位
置を調節するための可動アーム17とで構成されてお
り、該可動アーム17を駆動して例えば図における下側
のダンサローラ16Bの位置を調節することにより、ス
トランドSの張力を適宜調整することができるようにな
っている。
【0021】上記テンションコントローラ5で所定の張
力が付与されたストランドSは、ヒータ7で、熱可塑性
マトリックス樹脂の最低成形可能温度以上で、かつ熱可
塑性液晶樹脂の液晶転移温度未満の温度範囲(所謂モー
ルドウインドウ)内の所定温度に加熱され、液晶繊維周
囲のマトリックス樹脂のみが軟化させられた状態で、デ
リバリアイ8により位置決めされながらマンドレル6の
外周側に規則正しく巻き付けられる。尚、上記ヒータ7
による加熱温度をモールドウインドウよりも低目に設定
し、マトリックス樹脂をある程度軟化させただけの状態
でストランドSをマンドレル6に巻き付け、この巻き付
け時あるいは巻き付け後に、マンドレル6の外周近傍に
別途設けた加熱手段(ヒータ)により、ストランドSを上
記モールドウインドウ内の所定温度に加熱してストラン
ドS間を溶着させるようにしても良い。
【0022】上記マンドレル6は、駆動装置(不図示)に
よって回転駆動されており、ストランドSはこの回転中
のマンドレル6に対してその外周側に巻き付けられる。
また、上記マンドレル6の両端には、端部でのストラン
ドSの折り返しを行わせるためのピン21,…,21がマ
ンドレル6のラジアル方向に多数立設されており、マン
ドレル6の一端まで巻き付けられたストランドSは、こ
れらピン21,…,21のうちの一つに係止された後折
り返され、マンドレル6の長手方向について逆方向に向
かって巻き付けられるようになっている。
【0023】ところで、本実施例では、ストランドSを
マンドレル6の外周側に積層して巻き付けた際に、隣接
するストランド間にできるだけ空間部が生じないように
するために、該ストランド6は、その長手方向に直交す
る断面の形状が矩形状となるように設定されている。す
なわち、上記押出機2のノズルヘッド12に形成された
ノズル穴12aの形状が矩形状に形成されており、従っ
て、これにより押し出されてくるストランドSの断面形
状は、図2に示すように、矩形状をなしている。
【0024】このように、ストランドSの断面形状を矩
形状とすることにより、この断面における矩形の長辺側
がマンドレル6の外周側に沿うように巻き付けることに
より、隣接するストランド間(特に上下のストランド間)
の接触状態はほぼ完全な面接触となり、相互の密着度が
大幅に向上する。従って、円形断面あるいは楕円状断面
の場合に比べて成形時にエアが介在する余地が非常に小
さくなり、熱可塑性液晶樹脂を強化繊維とした場合で
も、ボイドの発生を有効に抑制することができるのであ
る。
【0025】また、本実施例では、例えば上記引取ロー
ラ4,4と冷却槽3との間に、ストランドSの所定部位
に脆弱部を形成するためのノッチ加工部30が設けられ
ている。このノッチ加工部は、図4から良く分かるよう
に、ハウジング32に保持された上下一対のローラ状の
カッタ31,31を備え、これらカッタ31,31は、ハ
ウジング32に対してそれぞれ上下方向に移動すること
ができるように構成されている。そして、ストランドS
をマンドレル6に巻き付ける際に、マンドレル端部の折
り返し部(ピン21)に対応する部位が通過する時には、
上記カッタ31,31が駆動され、上下からストランド
Sの矩形断面における長辺側にノッチ部Svを形成する
ようになっている。尚、上記ノッチ加工部30は、冷却
槽3より下流側で、かつヒータ7に至るまでの間であれ
ば何処に配置しても良い。
【0026】このように、ストランドSに対してマンド
レル端部の折り返し部(ピン21)に対応する部位に、脆
弱部としてのノッチ部Sv,Svを設けることにより、図
5に示すように、ストランドSは、マンドレル6の端部
では、上記ノッチ部Sv,Svにおいて複数に分割されな
がら折り返されるようになる。これにより、折り返し部
の近傍でストランドSのねじれが有効に防止され、スト
ランドSの折り返し動作をスムースに行わせることがで
きる。また、この折り返し部近傍でのストランドSの積
層状態の悪化に起因してエアを巻き込み易くなることを
防止できるのである。
【0027】尚、上記実施例は、断面矩形状に押し出さ
れたストランドSの所定部位に脆弱部(ノッチSv,Sv)
を設けることにより、マンドレル6の端部での折り返し
動作をスムースに行わせることができるようにしたもの
であったが、上記脆弱部を設ける方法については種々の
変形例が考えられる。以下、これら変形例について説明
する。尚、以下の説明において、図1〜図5で示された
実施例における場合と同じのものには、同一の符号を付
し、それ以上の説明は省略する。
【0028】図6は、第1の変形例に係る押出機のノズ
ルヘッド42とストランドS1の斜視図である。この変
形例1では、ノズルヘッド42のノズル穴43が、例え
ば3個の矩形穴44とこれらを相互につなぐ2本の短い
スリット45とで構成されており、このノズル穴から押
し出されたストランドS1は、その全長に渡って、その
断面が、図6に示されるように、3つの矩形と2本の短
い細線とで構成され、全体として略矩形状をなす形状に
成形される。上記ストランドS1は、マンドレル6の端
部でピン21に係止されて折り返される際には、矩形断
面部をつなぐつなぎ部分が長手方向に沿って折れること
により、3つの部分矩形断面部にに分割されながら折り
返される。
【0029】図7は、第2の変形例に係る押出機のノズ
ルヘッド52とストランドS2の斜視図である。この変
形例2では、ノズルヘッド52のノズル穴53が、例え
ば5個の互いに接近した矩形穴54で構成されている。
この各矩形穴54から押し出された細いストランドS
2',…,S2'は、延伸されることによって互いに幅方向
に寄せ合わされ、冷却前であれば、図8に示すように、
相互に溶着して一体のストランドS2を形成し、逆に溶
着前のばらけた状態で冷却されると、その部分について
は5本のストランドS2'に分割された状態で固化する
ことになる。従って、冷却タイミングを調節することに
より、ストランドS2の特定部位、つまりマンドレル端
部の折り返し部(ピン21)に対応する部位のみを、分割
されてばらけた状態とすることができる。この冷却タイ
ミングの調節は、冷却槽3のガイドローラ(ガイドロー
ラ3R,3Rに相当)の位置を変更制御できるように構成
し、このガイドローラの位置をタイミングに応じて制御
することによって行なわれる。あるいは、冷却槽3自体
のストランド進行方向についての位置を変化させるよう
にしても良い。
【0030】尚、上記のように細いストランドS2'が
相互に溶着する前においては冷却を行わず、全長に渡っ
て一体に溶着されたストランドSを形成し、マンドレル
端部の折り返し部(ピン21)に対応する部位のみを、図
4で示したものと同様のカッタで切り込み、この部分の
みを5本の細いストランドS2'に分割された構造とし
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る成形装置の全体構成を
概略的に示す説明図である。
【図2】 図1のA−A線方向におけるストランドの断
面説明図である。
【図3】 図1のB−B線方向におけるストランドの断
面説明図である。
【図4】 上記成形装置のノッチ加工部の斜視図であ
る。
【図5】 上記成形装置のマンドレル端部を示す斜視図
である。
【図6】 上記実施例の第1変形例に係るノズルヘッド
及びストランドの斜視図である。
【図7】 上記実施例の第2変形例に係るノズルヘッド
及びストランドの斜視図である。
【図8】 上記実施例の第2変形例に係るストランドの
溶着状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…成形装置 6…マンドレル 21…ピン S,S1,S2…ストランド Sv…ノッチ部(脆弱部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 和久 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 篠森 正利 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリ
    ックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度
    を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる液
    晶樹脂複合体をストランド状に形成した成形用素材であ
    って、 該成形用素材の長手方向に直交する断面の形状が略矩形
    状に形成されていることを特徴とする液晶樹脂複合体の
    成形用素材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された液晶樹脂複合体の
    成形用素材において、上記成形用素材はフィラメントワ
    インディングによる成形に用いられるものであり、該成
    形用素材のマンドレル端部もしくはその近傍における折
    り返し部に対応する部位には、該部位において上記断面
    の長手方向について、上記成形用素材を複数に分割し得
    る脆弱部が設けられていることを特徴とする液晶樹脂複
    合体の成形用素材。
  3. 【請求項3】 熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリ
    ックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度
    を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる液
    晶樹脂複合体をストランド状に形成した成形用素材を用
    いてフィラメントワインディング法により成形を行う液
    晶樹脂複合体の成形方法であって、 上記成形用素材の長手方向に直交する断面の形状が略矩
    形状に形成されるとともに、該成形用素材のマンドレル
    端部もしくはその近傍における折り返し部に対応する部
    位には、該部位において上記断面の長手方向について、
    上記成形用素材を複数に分割し得る脆弱部が設けられて
    おり、上記成形用素材は、上記折り返し部以外では、上
    記断面の長手方向がマンドレルの外周に沿うように該マ
    ンドレルに巻き付けられる一方、マンドレルの端部で
    は、上記脆弱部において複数に分割されながら折り返さ
    れることを特徴とする液晶樹脂複合体の成形方法。
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