JPH06270275A - 液晶樹脂複合体の成形方法及びその装置 - Google Patents

液晶樹脂複合体の成形方法及びその装置

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JPH06270275A
JPH06270275A JP5060474A JP6047493A JPH06270275A JP H06270275 A JPH06270275 A JP H06270275A JP 5060474 A JP5060474 A JP 5060474A JP 6047493 A JP6047493 A JP 6047493A JP H06270275 A JPH06270275 A JP H06270275A
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JP
Japan
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liquid crystal
strand
resin
winding
matrix resin
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JP5060474A
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Inventor
Kenji Moriwaki
健二 森脇
Sukeyuki Matsuda
祐之 松田
Masayasu Nishihara
雅泰 西原
Kazuhisa Fuji
和久 藤
Masatoshi Shinomori
正利 篠森
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶樹脂複合体のストランドを用いて樹脂成
形品を成形するに際して、成形時における交差部におけ
るエアの巻き込みを有効に抑制することにある。 【構成】 熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリック
ス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度を有
する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる液晶樹
脂複合体をストランド状に形成し、フィラメントワイン
ディングを行う方法であって、ストランド往路と復路の
交差部においてストランドの巻き付けテンションを増大
させるか、または交差部における延伸比を増大させて小
断面化させ、ボイドの発生を防止する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶樹脂複合体の成
形方法、特に、液晶樹脂複合体からなるストランドを用
いて行う所謂フィラメントワインディング法による成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂材料を用いて成形を
行う成形方法として、繊維強化材に樹脂を含浸させたス
トランド状の成形用素材を、回転しているマンドレルの
外周側に規則正しく幾層にも巻き付けて所定厚さの成形
体を形成した後、上記ストランドに含浸した樹脂を硬化
させてマンドレルを抜脱することにより、中空筒状の成
形品を得るようにした、所謂、フィラメントワインディ
ング法は一般に良く知られている。このフィラメントワ
インディング法によれば、比強度(強度/密度)が高く力
学的特性の優れた中空円筒状の繊維強化樹脂製成形品を
得ることができ、また、このような樹脂成形品を高い効
率で大量生産することが可能になる。
【0003】ところで、近年、繊維強化樹脂材料の強化
繊維として熱可塑性の液晶樹脂を用いることが提案され
ている。例えば、特開昭62−116666号公報で
は、熱可塑性液晶樹脂を強化繊維とした液晶樹脂複合体
を繊維状に成形するようにしたものが開示されている。
このように強化繊維として熱可塑性液晶樹脂を採用した
場合、使用済みで廃棄された樹脂成形品をリサイクルす
る際に、樹脂成形品の粉砕に伴って強化繊維としての熱
可塑性液晶樹脂繊維が切断されても、液晶樹脂の液晶転
移温度以上の温度に加熱して材料調製を行うことによ
り、強化材としての液晶樹脂の繊維化状態を容易に再現
でき、従来、ガラス繊維やカーボン繊維等の繊維強化樹
脂成形品では一般に困難であった、再び同等の物性を有
する素材に再生し得るリサイクル性の大幅な向上を達成
することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記熱可塑
性液晶樹脂を強化繊維とした液晶樹脂複合体を成形用素
材として成形を行うに際して上記フィラメントワインデ
ィング法を適用する場合、強化繊維を熱可塑性液晶樹脂
としたことにより、従来、例えばガラス繊維あるいはカ
ーボン繊維など他の繊維材を強化繊維とした場合に比べ
て、樹脂成形品にボイドが生じやすく、強度および剛性
等の機械的性質について安定した特性を得ることが難し
いという問題があった。尚、このボイドの問題は、上記
従来の強化繊維を用いた場合でも若干経験されることが
あるが、液晶樹脂を強化繊維に用いた場合には、以下に
述べる理由等により、特に顕著に表れるのである。
【0005】すなわち、上記熱可塑性液晶樹脂複合体
は、熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリックス樹脂
の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度を有する熱
可塑性液晶樹脂が繊維状態で配向されて形成されている
が、この液晶樹脂複合体を成形温度に加熱して成形を行
う際には、液晶樹脂の繊維化状態を維持するために、加
熱温度範囲を、上記マトリックス樹脂の最低成形可能温
度(結晶性のものにあっては融点)以上で、かつ、上記液
晶樹脂の液晶転移温度未満の温度に制限する必要があ
る。このため、マトリックス樹脂を余り高温まで加熱す
ることができず、このマトリックス樹脂の粘度が比較的
高いままで成形されることとなり、よって、マトリック
ス樹脂の流動に伴う巻き込みエアの排出が行われにくく
なり、成形工程においてエアの巻き込みが生じ易くな
る。また、液晶樹脂複合体のストランドでは強化繊維が
熱可塑性であるので、加熱すると不可避的にある程度の
緩みおよび引張強度の低下が生じ、適切な張力を付与す
ることが困難である。このため、繊維間に介在するエア
を有効に排除することがなかなかに難しく、これがボイ
ドとして成形品に残ることになる。
【0006】ところで、フィラメントワインディング法
においてマンドレルに巻き付けられるストランドは、そ
の断面が円形に形成されるのが一般的である。この円形
断面のストランドをマンドレル外周側に規則正しく巻き
付ける際、この巻き付け時におけるマトリックス樹脂の
粘度が高く、また、ストランドの張力を十分に確保でき
ない場合には、ストランド相互の接触状態はほぼ線接触
となり、隣接するストランド間には比較的大きな空間部
が形成され、この空間部にエアが介在した状態で成形が
行なわれることになる。
【0007】このようなエアの介在(巻き込み)を防止す
るため、上記ストランドの断面形状を工夫して、積層し
て巻き付けた際に、マンドレル外周に沿い易くストラン
ド相互間に空間部が生じにくい形状にすることが提案さ
れるが、マンドレルの端部もしくはその近傍まで巻き付
けては折り返し、マンドレルの長手方向に逆向きに巻き
付けて行く場合にはこの折り返し部においてねじれ等が
生じやすく、ストランドの断面形状を調製することが制
限される場合がある。
【0008】そこで、この発明は、液晶樹脂複合体のス
トランドを用いて樹脂成形品を成形するに際して、スト
ランドの断面形状を変ずとも成形時におけるエアの巻き
込みを有効に抑制し、併せて、断面形状の変更に伴って
生じる問題を解消することができる液晶樹脂複合体の成
形用素材及びそれを用いた成形方法および装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明に係る方法は熱可塑性マトリックス樹脂中に該マト
リックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温
度を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる
液晶樹脂複合体を押し出し成形してなるストランドをマ
トリックス樹脂の最低成形可能温度以上液晶樹脂の液晶
転移温度未満にフィラメントワインディング前後におい
て加熱し、フィラメントワインディングする方法であっ
て、該ストランドがワインディング往路と復路において
交差する交差部において、少なくとも復路部位に増大し
たテンションを付してフィラメントワインディングを行
うことを特徴とする。交差部位において、ストランドの
テンションを増大させるためにはワインディングされる
ストランドにテンションを付与しているテンションロー
ラのコントロールにて行うことができるが、マンドレル
側の巻き取り速度をストランドの交差時に瞬時に増大さ
せることにより行うようにしてもよい。この場合増大さ
れたテンションの影響を他の部位に極力与えないように
フィラメントワインディング後にストランドを加熱する
ようにするのが好ましい。
【0010】また、本願の第2の発明は、上記フィラメ
ントワインディングのテンション変動を与えるに代え、
該ストランドのワインディング往路と復路において交差
する交差部位にストランド押し出し成形段階において予
め増大した延伸比を付与して他の部位より小断面形状に
成形し、該ストランドを用いてフィラメントワインディ
ングを行うことを特徴とする。交差部位において延伸比
を変化させるにはストランドの押出速度を変更するかま
たは押し出し後の延伸ローラの回転速度を変化させるか
あるいはその双方を調製することにより行うようにして
もよい。
【0011】さらに、本願の第3の発明は、上記交差部
位がフィラメントワインディング形成面全体に分散する
ように設計してフィラメントワインディングを行うこと
を特徴とする。本法は上記第1および第2の発明方法と
同時に実施されるのが好ましい。
【0012】さらに、本願の第4の発明においては、上
記第1の発明方法を実施することができる装置を提供し
ようとするもので、熱可塑性マトリックス樹脂中に該マ
トリックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移
温度を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してな
る液晶樹脂複合体を押出成形するストランド供給手段
と、該ストランド供給手段からのストランドを延伸する
手段と、該延伸手段から供給されるストランドが外周側
に巻き付けられるマンドレルと、該マンドレルへの巻き
付け時にストランドの位置決めを行う位置決め手段と、
上記ストランドを上記マンドレルへの巻き付け前または
後に、上記マトリックス樹脂の最低成形可能温度以上液
晶樹脂の液晶転移温度未満に加熱する手段とを備えてな
る液晶樹脂複合体の成形装置であって、上記ストランド
がワインディング往路と復路において交差する位置に達
したとき、上記ストランドに増大したテンションを付す
る手段を設けてなることを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、図5に示す
ように、マンドレルの端部もしくはその近傍まで巻き付
けては折り返し、マンドレルの長手方向に逆向きに巻き
付けて行く場合には往路のストランド上に復路のストラ
ンドが重なり、その交差部位にボイドが発生しようとす
るが、少なくともストランドの復路における交差部位に
増大したテンションを付してフィラメントワインディン
グを行うので、図3に示すように交差部位Cの往路スト
ランドSgと復路ストランドSrの間は垂直方向に締め
付け力がかかり、相互に密着力が向上し、ボイドの発生
が抑制されることになる。従って、交差部において、エ
アが介在しやすい円形断面あるいは楕円状断面のストラ
ンドであってもエアが介在する余地が非常に小さくな
る。また、熱可塑性液晶樹脂を強化繊維としたことによ
ってストランドに付与できる張力および加熱温度が制限
される場合でも、局部的にテンションを付与するだけで
あるので、ストランドの破断に至るおそれは極めて少な
い。
【0014】また、本願の第2の発明によれば、交差す
る交差部Cにストランド押し出し成形段階において予め
増大した延伸比を付与して他の部位より小断面形状に成
形したので、図5に示すように交差部位が互いに絡まる
ように接触することになり、フィラメントワインディン
グにおけるストランド相互の密着度が大幅に向上する。
従って、円形断面あるいは楕円状断面の場合であっても
成形時にエアが介在する余地が非常に小さくなり、ボイ
ドの発生を有効に抑制することができる。
【0015】さらに、本発明方法によれば、交差部位に
ボイドの発生がなく、ストランドは相互に密着して溶着
するので、強度の向上を図れるが、交差部位は他の部位
よりも引張強度に劣る。したがって、本願の第3の発明
によれば、例えば、図5に示すように、マンドレル6の
端部まで巻き付けては端部において半径方向に突出する
ピン21に巻き付けて折り返し、マンドレルの長手方向
に逆向きに巻き付けて行く場合には往路Sgと復路Sr
とでストランドSの巻回ピッチ間隔を変えることにより
交差部位Cを分散させることができる。これにより全体
としてのエアの巻き込みを低減できるだけでなく、交差
部位を全体に分散させることにより特に脆弱な部位の形
成を避けることができる。例えば、同一ピッチでは図6
(a)に示すように交差部位Cがマンドレルの周囲方向に
1列に並ぶのに対し、図6(b)に示すように復路におけ
る巻回ピッチを往路の2倍とすることにより交差部位が
全体に分散されて形成されることになる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は、本実施例に係る液晶樹脂
複合体のストランド状成形素材を用いてフィラメントワ
インディング法で成形を行うための成形装置の全体構成
を概略的に表す説明図である。図示のように、上記成形
装置1は、液晶樹脂複合体をストランド状に押し出す押
出機2と、ガイドローラ3R,3Rを備えるとともに、
押し出されたストランドSを冷却する冷却槽3と、押し
出されたストランドSを延伸させつつ下流側に引き出す
一対の引取ローラ4と、該引取ローラ4,4で引き出さ
れたストランドSの張力を調製するためのテンションコ
ントローラ5と、このテンションコントローラ5で張力
が調製された状態のストランドSが巻き付けられるマン
ドレル6と、例えば、マンドレル6への巻き付け後にス
トランドSを所定温度に加熱するためのヒータ7と、ス
トランドSのマンドレル6への巻き付け時の位置決めを
行うデリバリアイ8とを備えている。尚、具体的には図
示しなかったが、上記成形装置1には、上記各構成要素
の作動を総合的に制御するために、例えばマイクロコン
ピュータを主要部として構成されたコントロールユニッ
トが設けられている。
【0017】上記押出機2は、液晶樹脂複合体のストラ
ンドSを、マンドレル6側に供給する供給手段であり、
円筒状の本体部11と、該本体部の先端に固定されたノ
ズルヘッド12と、上記本体部11内に収納された回転
スクリュー13とを備えている。そして、より好ましく
は所定長さに揃えられた繊維状の熱可塑性液晶樹脂(液
晶繊維)と、該液晶樹脂の液晶転移温度よりも低い最低
成形可能温度(結晶性のものにあっては融点)を有する熱
可塑性マトリックス樹脂のみを含有するペレットとをホ
ッパ14から投入し、上記回転スクリュー13を所定の
回転数で駆動させることにより、投入された熱可塑性マ
トリックス樹脂のペレットが可塑化溶融され、熱可塑性
マトリックス樹脂の最低成形可能温度以上熱可塑性液晶
樹脂の液晶単位温度以下(モールドウインド内)で押出
成形するえば、このマトリックス樹脂中に上記液晶繊維
が配向したストランド状の液晶樹脂複合体がノズルヘッ
ド12から押し出されるようになっている。
【0018】本実施例では、上記熱可塑性液晶樹脂およ
び熱可塑性マトリックス樹脂として、例えば、以下のも
のを用いた。 ・熱可塑性液晶樹脂 − 材質名 : 芳香族ポリエステル樹脂 − 商品名 : ベクトラA950(ポリプラスチックス株
式会社製) − 液晶転移温度 : 280℃ ・熱可塑性マトリックス樹脂 − 材質名 : ポリオレフィン樹脂 − 商品名 : ノーブレンD501(住友化学工業株式会
社製) − 融点 : 約155℃ (通常成形温度200℃)
【0019】尚、上記押出機2でストランドSを押し出
す際の成形用素材としては、上記のようにマトリックス
樹脂のペレットと液晶繊維とを分けてホッパ14に投入
する代わりに、両者で形成された液晶樹脂複合体のペレ
ットを予め調製しておき、このペレットをホッパ14か
ら押出機2に供給するようにしても良い。また、ストラ
ンド供給手段は、上記のような押出機1に限定されるも
のではなく、例えば、押出機で押し出されたストランド
を所謂ボビンに巻き取っておき、このボビンから上記マ
ンドレル6側に供給するようにしても良い。
【0020】上記押出機2から押し出されたストランド
Sは、引取ローラ4,4の作用によって所定の延伸比と
なるまで延伸された後、ガイドローラ3Rを備える冷却
槽3で冷却され、上記引取ローラ4,4によって下流側
(マンドレル6側)に引き出される。上記テンションコン
トローラ5は、一対の所謂ダンサローラ16A,16B
と片側のローラ16Bの位置を調節するための可動アー
ム17とで構成されており、該可動アーム17を駆動し
て例えば図における下側のダンサローラ16Bの位置を
調節することにより、ストランドSの張力を適宜調製す
ることができるようになっている。
【0021】上記テンションコントローラ5で所定の張
力が付与されたストランドSは、デリバリアイ8により
位置決めされながらマンドレル6の外周側に規則正しく
巻き付けられるとともにヒータ7で、熱可塑性マトリッ
クス樹脂の最低成形可能温度以上で、かつ熱可塑性液晶
樹脂の液晶転移温度未満の温度範囲(所謂モールドウイ
ンドウ)内の所定温度に加熱され、液晶繊維周囲のマト
リックス樹脂のみが軟化させられた状態で成形されるこ
とになる。尚、上記ヒータによる加熱をストランドの巻
き付け前に行う場合は、その加熱温度をモールドウイン
ドウよりも低目に設定し、マトリックス樹脂をある程度
軟化させただけの状態でストランドSをマンドレル6に
巻き付け、この巻き付け時あるいは巻き付け後に、マン
ドレル6の外周近傍のヒータ7により、ストランドSを
上記モールドウインドウ内の所定温度に加熱してストラ
ンドS間を溶着させるようにしても良い。
【0022】上記マンドレル6は、駆動装置(不図示)に
よって回転駆動されており、ストランドSはこの回転中
のマンドレル6に対してその外周側に巻き付けられる。
また、上記マンドレル6の両端には、端部でのストラン
ドSの折り返しを行わせるためのピン21,…,21がマ
ンドレル6のラジアル方向に多数立設されており、マン
ドレル6の一端まで巻き付けられたストランドSは、こ
れらピン21,…,21のうちの一つに係止された後折り
返され、マンドレル6の長手方向について逆方向に向か
って巻き付けられるようになっている。
【0023】ところで、本実施例では、ストランドSを
マンドレル6の外周側に積層して巻き付けた際に、往路
ストランドと復路ストランドとが交差するが、その交差
部位Cにおいてストランドのテンションを増大させる。
ストランドのテンションの増大は上記テンションコント
ローラ5において、可動アーム17で一方のダンサロー
ラ16Bを揺動させることにより行う。可動アームの揺
動は上記往路ストランドと復路ストランドが交差するタ
イミングを予め計算してコンピュータ制御により自動的
に行われる。交差部位を等間隔で形成できるようにして
ある場合は所定のタイミングで可動アームを揺動させれ
ばよい。
【0024】図4は交差部におけるテンションの変化に
代え、交差部を予め小断面化する実施例を示し、ヒータ
7がデリバリアイ8の前方に設けられ、ストランドSを
マンドレル6への巻き付け前に加熱する以外は図1と同
様であるので、同一手段には同一番号を付して説明を省
略する。図3においては押し出されたストランドSを延
伸させつつ下流側に引き出す一対の引取ローラ4の回転
速度を往路ストランドSgと復路ストランドSrとの交
差部位を予め設定し、所定のタイミングで瞬時に増大さ
せ、延伸比を大きくすると図5に示すように、高い延伸
比の所は小断面となり、ボイドを形成することなく、交
差することになり、交差部において往路ストランドSg
と復路ストランドSrとは良好な接着が達成される。
【0025】ストランドSのマンドレル6への巻き付け
方法は上記の場合に限られるものでない。図7に示すよ
うにマンドレル6に対し1本のストランドSを1方向に
ストランドピッチで間隔が開かないように詰めて巻き付
け、第1層目を形成し、次いで端部ピン21で折り返し
て逆方向に詰めて巻き付け、第2層目を形成するように
することもできる。この場合は上記したボイドの発生場
所となる交差部は形成されない。
【0026】また、複数本のストランドSを同時に互い
に間隔を置かず巻き付ける場合は図8に示すように各ス
トランドに対し折り返し部を異ならせて複数本を同時に
巻き付ける場合(a)と複数本のストランドを帯状に詰め
て巻き付け、その折り返し部を各層毎に異ならせ、巻き付
けることもできる。この場合も上記したボイドの発生場
所となる交差部は形成されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る成形装置の全体構
成を概略的に示す説明図である。
【図2】 上記第1実施例によるフィラメントワインデ
ィング方法の説明のための斜視図である。
【図3】 上記第1実施例により形成される交差部の拡
大断面図である。
【図4】 本発明の第2実施例に係る成形装置の全体構
成を概略的に示す説明図である。
【図5】 上記第1実施例により形成される交差部の拡
大断面図である。
【図6】 図2に示すフィラメントワインディングによ
り形成される交差部の分布状態を示す展開図で、(a)は
ストランドを往路と復路を同一ピッチで巻き付けた場
合、(b)はストランドを往路の2倍のピッチで復路を巻
き付けた場合を示す。
【図7】 1本のストランドをマンドレルに対して往路
をストランドピッチで1方向に巻き付けた後、復路をス
トランドピッチで逆方向に巻回する場合の斜視図であ
る。
【図8】 複数本のストランドをマンドレルに対して往
路を同時に1方向に巻き付けた後、復路を同時に逆方向
に巻回する場合の斜視図で、(a)は各ストランド毎に折
り返し部を異ならせる場合と、(b)は全てのストランドを
同一折り返し部で折り返すが、各層毎に折り返し部を変
更する場合を示す。
【符号の説明】
1…成形装置 6…マンドレル 21…ピン S,Sg,Sr…ストランド C…交差部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 和久 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 篠森 正利 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリ
    ックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度
    を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる液
    晶樹脂複合体を押し出し成形してなるストランドをマト
    リックス樹脂の最低成形可能温度以上液晶樹脂の液晶転
    移温度未満にフィラメントワインディングの前および後
    の少なくともいずれかの工程において加熱し、フィラメ
    ントワインディングする方法であって、 上記ストランドがワインディング往路と復路において交
    差する交差部において、 上記ストランドの少なくとも復路部位に増大したテンシ
    ョンを付してフィラメントワインディングを行うことを
    特徴とする液晶樹脂複合体の成形方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリ
    ックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度
    を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる液
    晶樹脂複合体を押し出し成形してなるストランドをマト
    リックス樹脂の最低成形可能温度以上液晶樹脂の液晶転
    移温度未満にフィラメントワインディングの前および後
    の少なくともいずれかの工程において加熱し、フィラメ
    ントワインディングする方法であって、 該ストランドのワインディング往路と復路において交差
    する交差部位にストランド押し出し成形段階において予
    め増大した延伸比を付与して他の部位より小断面形状に
    成形し、該ストランドを用いてフィラメントワインディ
    ングを行うことを特徴とする液晶樹脂複合体の成形方
    法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリ
    ックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度
    を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる液
    晶樹脂複合体を押し出し成形してなるストランドをマト
    リックス樹脂の最低成形可能温度以上液晶樹脂の液晶転
    移温度未満にフィラメントワインディングの前および後
    の少なくともいずれかの工程において加熱し、フィラメ
    ントワインディングする方法であって、 上記ストランドがワインディング往路と復路において交
    差して形成する交差部位がフィラメントワインディング
    形成面全体に分散するようにワインディング成形を行う
    液晶樹脂複合体の成形方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性マトリックス樹脂中に該マトリ
    ックス樹脂の最低成形可能温度よりも高い液晶転移温度
    を有する熱可塑性液晶樹脂が繊維状態で存在してなる液
    晶樹脂複合体を押出成形するストランド供給手段と、該
    ストランド供給手段からのストランドを延伸する手段
    と、該延伸手段から供給されるストランドが外周側に巻
    き付けられるマンドレルと、該マンドレルへの巻き付け
    時にストランドの位置決めを行う位置決め手段と、上記
    ストランドを上記マンドレルへの巻き付け前または後
    に、上記マトリックス樹脂の最低成形可能温度以上液晶
    樹脂の液晶転移温度未満に加熱する手段とを備えてなる
    液晶樹脂複合体の成形装置であって、 上記ストランドがワインディング往路と復路において交
    差する位置に達したとき、上記ストランドに増大したテ
    ンションを付する手段を設けてなることを特徴とする液
    晶樹脂複合体の成形装置。
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