JPH06269956A - 部分真空電子ビーム溶接装置及び方法 - Google Patents

部分真空電子ビーム溶接装置及び方法

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JPH06269956A
JPH06269956A JP5833493A JP5833493A JPH06269956A JP H06269956 A JPH06269956 A JP H06269956A JP 5833493 A JP5833493 A JP 5833493A JP 5833493 A JP5833493 A JP 5833493A JP H06269956 A JPH06269956 A JP H06269956A
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JP
Japan
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welded
electron beam
vacuum
welding
vacuum container
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JP5833493A
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English (en)
Inventor
Satoyuki Senba
智行 仙波
Kazuo Kuroishi
一夫 黒石
Tetsuro Ishimura
哲朗 石村
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Welding Or Cutting Using Electron Beams (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来技術における種々の問題点は、要するに装
置の大型化と、作業効率の低さに起因しており、本発明
においては、比較的小型の装置構成を実現しつつ、かつ
作業効率の高い部分真空電子ビーム溶接装置及び方法を
提供することを目的とする。 【構成】真空容器内に電子銃走行装置,電子銃を収納
し、真空容器内に被溶接材を送り込み、また搬出すると
ともに、搬入,搬出口に差動排気チャンバを設ける。 【効果】原材料の補充や製品の搬出のために製造が中断
されることが少なく、精密で且つ溶接処理部分が均質な
非常に長尺の管あるいは帯あるいは線材を連続的に製造
することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子ビームを利用した溶
接装置及び方法に係り、特に部分的に形成した真空環境
内で溶接作業を行う部分真空電子ビーム溶接装置及び方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高エネルギー密度のビームを用い
て被溶接材を精密に溶接する方法として、電子ビーム溶
接が知られている。
【0003】この電子ビーム溶接手法は、真空環境内で
被溶接材に電子ビームを照射するものであることから、
被溶接材全体を収容する大型の真空容器や排気装置が必
要になるため設備投資額が大きく、溶接対象物の生産量
が非常に多くなければ採算が取れず、特に大型の被溶接
材への電子ビーム溶接の適用は困難であった。
【0004】この問題を解決するために、被溶接材と真
空容器との間に適当なシール材を設けることにより溶接
部近傍のみを部分的な真空として電子ビーム溶接を行う
方法が開発されてきた。この方法には大きく分けて、被
溶接材の長手方向に溶接を行う方法すなわち部分真空の
ためのシールが溶接線を横切って行われる方法と、被溶
接材の長手方向とは垂直方向に溶接を行う方法すなわち
溶接線が完全に真空容器の内部に収容される方法とがあ
る。
【0005】部分真空法を用いて被溶接材の長手方向に
電子ビーム溶接を行う方法は、三菱重工技報Vol.1
9,No.4,1982−7,第1−7頁に開示されてい
る。この概略は図10に示すように、被溶接材1の溶接
線36を挟んで上下に上チャンバ31および下チャンバ
32が設置され、上チャンバ31には被溶接材1の長手
方向の溶接線36に沿って電子ビーム通過用のスリット
33が設けられている。上チャンバ31の上に配置され
た電子銃10が電子銃駆動装置35によって溶接線36
に沿って駆動され、被溶接材1を溶接する。電子銃駆動
装置35と上チャンバ31の間には摺動シールが設けら
れ、更に電子銃駆動装置35には、スリット33に沿っ
て移動する間、スリット33にVベルト状あるいは粘着
テープ状のシール37の敷設と巻き上げを行い、電子銃
駆動装置35と上チャンバとの間の気密を保つ機構が備
えられている。この装置では被溶接材1の溶接線36の
長さよりも長い上チャンバ31を設置し、被溶接材1の
長手方向端部に上チャンバ31との間の気密を保つため
のシール38と耳板39を配置することで溶接箇所の部
分真空を実現している。
【0006】部分真空法を用いて被溶接材の長手方向に
垂直な方向に電子ビーム溶接を行う方法は、例えば特開
平3−155480 号に開示されている。この概略は図11に
示すように、被溶接材1の溶接線の部分を挟んで上下に
上チャンバ31および下チャンバ32が設置される。上
チャンバ31の上側には電子銃駆動モータ53を備えた
カバー54が設置され、この上に摺動シール55を介し
て、電子銃10を搭載したカバー56が配置され、電子
銃10は図11の左右方向に駆動され、被溶接材1を電
子ビーム溶接する。この装置では溶接線は被溶接材1の
長手方向とは垂直方向であるので、溶接線の部分は上チ
ャンバ31と下チャンバ32によって形成される真空容
器内に完全に収容されている。
【0007】図12に下チャンバ32の鳥瞰図を示す。
被溶接材1の溶接線の前後とチャンバとの間はシール5
9によって気密が保たれ、1箇所の溶接が終了すると被
溶接材1は長手方向に移動され、別の箇所の溶接線を真
空容器内に収容し、再びシール59が施されて、溶接が
行われる。この作業が繰り返される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の電子ビーム溶接
手法では、被溶接材の長手方向に溶接を行う場合であっ
ても、長手方向に垂直な方向に溶接を行う場合であって
も、何らかの接触式のシール手段を用いて溶接線を部分
的な真空中に収容することが必要である。
【0009】このため、一回の溶接が終了する毎に被溶
接材とチャンバとの間のシールを施し直す必要が生じる
ので、製造過程が中断され易く、製造に要する時間を有
効に利用することが難しいという問題が生じる。
【0010】また被溶接材の溶接線の長さ以上の収容長
さをもつチャンバを準備することが不可欠である。とこ
ろがこの方法を用いて、非常に長尺の帯状の被溶接材の
長手方向に電子ビーム溶接を行おうとする場合には、非
常に長尺のチャンバを準備する必要が生じ、不経済であ
りまた大きなスペースを必要とする。
【0011】また、これらの従来技術は被溶接材として
比較的大型の構造物の溶接を想定しているが、被溶接材
あるいはチャンバそのものを連続的に駆動する手段を持
たないため、非常に長尺の被溶接材に対して溶接箇所を
次々に移動しながら溶接を行う場合、被溶接材と溶接装
置との相対的な位置決めに手間がかかり、製造に要する
時間を有効に利用することが難しいという問題が生じ
る。
【0012】更に上記従来技術ではチャンバと被溶接材
との間のシールはゴム等の弾力性のあるシール材によっ
て施されており、しかもチャンバ内の溶接部近傍では被
溶接物を拘束する手段が何もないため、機械的に剛性の
低い被溶接材を用いる場合には電子ビームに対して溶接
線を正しい位置に保持することが困難である。
【0013】また被溶接材が熱の良導体である場合や、
あるいは高熱に弱い材料を含む複合断面の材料である場
合には溶接部周辺の熱を速やかに逃がす必要が生じる
が、上記構造ではこれも困難であるという問題が生じ
る。
【0014】従来技術における上記の種々の問題点は、
要するに装置の大型化と、作業効率の低さに起因してお
り、このことから本発明においては、比較的小型の装置
構成を実現しつつ、かつ作業効率の高い部分真空電子ビ
ーム溶接装置及び方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】真空容器内に逐次被溶接
材を搬送し、電子ビームを照射して溶接を行い、搬出す
る本発明の部分真空電子ビーム溶接装置は、被溶接材の
搬入口と溶接後の被溶接材を搬出する搬出口とを備える
真空容器と、該真空容器内に設けられ、搬入された被溶
接材に電子ビームを照射して溶接を行うための電子銃
と、前記真空容器内に設けられ、電子銃による電子ビー
ム照射位置を多次元位置に設定する電子銃走行装置と、
前記真空容器の搬入口と搬出口に設けられた差動排気チ
ャンバと、被溶接材を上記真空容器内へ送り込むための
繰出装置とを含んで構成される。
【0016】
【作用】本発明の部分真空電子ビーム溶接装置において
は、被溶接材に電子ビームを照射して溶接を行うための
電子銃と、電子銃による電子ビーム照射位置を多次元位
置に設定する電子銃走行装置とが真空容器内に設けられ
ているために、大気との接触は被溶接材の搬入口と溶接
後の被溶接材を搬出する搬出口において行われる。さら
に、この搬入口と搬出口には差動排気チャンバが設けら
れて、大気との接触を最小限に留められ、かつこの部分
から被溶接材が連続的に搬入,搬出されるので全体構成
を極力小さくしながら、作業効率を高めることができ
る。
【0017】
【実施例】以下本発明の実施例を図を用いて詳細に説明
する。まず、図1は本発明の典型的な一実施例の構成を
示す図である。
【0018】本装置では、真空容器2内に電子銃走行装
置9,電子銃10,被溶接材冷却プレート11を収納
し、この内部に被溶接材1を搬入,搬出して溶接を行
う。ここで電子銃10は、被溶接材1の溶接開先に電子
ビームを照射して溶接を行うためのものであり、電子銃
走行装置9により電子銃10を被溶接材1に対して最適
位置に移動する。溶接中に被溶接材1が加熱されること
から、必要に応じて冷却プレート11により冷却を行
う。
【0019】被溶接材1の真空容器2内への搬入,搬出
は、予めドラムに巻取られた被溶接材1を所定の速度で
真空容器2内へ送り込むための繰出装置5と、溶接完了
後の被溶接材1をドラムへ巻取るための巻取装置6とに
より行われる。
【0020】真空容器2内の真空確保のために、被溶接
材1を真空容器2に搬入し、搬出する部分に差動排気チ
ャンバ3を設け、真空容器2内を所定の圧力(例えば1
0のマイナス4乗Torr)に排気する。この排気のため
に、差動排気チャンバ3、及び真空容器2にそれぞれ真
空ポンプ4が設けられる。さらに排気を効率的に行うた
めに、真空シール部7により差動排気チャンバ3と外気
との間のシールを行う。なお、被溶接材1の形状不整を
予め溶接前および溶接後巻取前に矯正するための線揃え
装置8が備えられる。
【0021】ここで、真空容器2および差動排気チャン
バ3を、各装置の設置・調整等に都合の良いように適宜
分割可能な構造としその合わせ目に気密保持のためのシ
ールを設置することは、容易に考えられる。また、上記
差動排気チャンバ3および排気用のポンプ4は、真空容
器2内の到達真空度を上げるために、複数段設置するこ
とも考えられる。
【0022】以上に述べたような構成の本発明の実施例
について、その動作を次に説明する。被溶接材1は繰出
装置5より繰り出され、真空容器2内で電子ビーム溶接
された後、巻取装置3に巻取られる。
【0023】図1では、被溶接材1が線状のものを想定
しているが、一般に繰出装置5より繰り出された被溶接
材1は、ドラムへの巻取り時および繰出時に被溶接材1
に発生する応力により、望ましくない形状不整が残留し
ている場合がある。すなわち繰出装置1から繰り出され
た被溶接材1は、幅および高さの不整あるいは曲げや捻
れなどの形状不整を持つ場合がある。この場合に被溶接
材1の溶接開先の正しい位置に電子ビームを照射するた
めには、以下のいずれかの方法をとり、電子ビームと溶
接開先との位置合わせを行う必要がある。
【0024】第1の方法は、電子ビームの位置は固定し
たまま、被溶接材1の溶接開先の位置が電子ビームに対
して適正な位置になるよう被溶接材1の形状を矯正する
方法であり、第2の方法は、電子ビームの位置は固定し
たまま、被溶接材1の形状もそのままで被溶接材1の電
子ビームに対する位置を移動する方法であり、第3の方
法は、被溶接材1の形状や位置はそのままで電子銃ビー
ムの位置を溶接開先の位置変化に追従させる方法であ
る。本実施例においては第1の方法をとっており、ドラ
ムからの繰出後に被溶接材に残留している形状不整を線
揃え装置8によって修正し、直線状に矯正した後、真空
容器内に送り込む。
【0025】この第1の方法を採用する繰出装置5とそ
の周囲の構成を図2に示すように、繰出装置5はコンピ
ュータ23の制御によるドラムトラバース機構を備えて
いる。この制御装置23に予め被溶接材1を巻取った時
の情報を入力しておき、繰出時にはその情報に基づいて
ドラムを送り出し方向に垂直な方向に往復連続駆動する
ことにより、送り出し位置を一定に保ちながら被溶接材
1を繰り出す。
【0026】また、上記線揃え装置8は、被溶接材1の
幅および高さの矯正機能,捻れおよび曲げの矯正機能を
有する。この矯正を行う方法としては、強制的にキャタ
ピラ等により矯正する方法と、線揃え装置8の入口に形
状測定装置を設置して、曲げおよび捻れの形状を検知し
それに応じて修正用のロール等を制御して被溶接材を直
状に矯正する方法とが考えられる。
【0027】上記線揃え装置8を経た被溶接材1は真空
シール部7を通って差動排気チャンバ3に入り、更に溶
接用の真空容器2内に入る。この様子を図3に示すが、
真空シール部7は被溶接材1とは非接触であるため、摩
耗等によるメンテナンスの必要はない。また、真空シー
ル部7を差動排気チャンバ3への脱着可能な構造とし
て、被溶接材1の断面形状に応じて真空シール部を交換
できるようにすれば、種々の形状の被溶接材に対応する
ことも可能である。
【0028】差動排気チャンバ3においては、被溶接材
1と真空シール部7との狭い隙間から侵入する空気の量
よりも大きな排気量をもつ真空ポンプにより連続的に差
動排気チャンバ内を排気することにより、該チャンバ内
を外気よりも低い圧力に保つことができる。真空容器2
内の到達真空度は差動排気の性能に大きく依存するが、
図4に示すように必要に応じて差動排気チャンバを複数
個直列に設置し同様の動作をさせれば、真空容器2内で
電子ビーム溶接に必要な所定の真空度を得ることができ
る。
【0029】真空容器2内で、電子銃10は被溶接材1
の溶接開先へ電子ビームを照射し、被溶接材1の溶接開
先部の局部的な溶融に必要な入熱を行って溶接を行う。
電子銃10は、被溶接材1の材質および形状等によって
作動方式が異なり、例えば冷却不要な被溶接材を連続的
に溶接する場合には電子銃は連続作動し、冷却必要な被
溶接材を断続的に溶接する場合には電子銃は断続作動す
る。断続作動の場合にはビーム開始時と終了時にビーム
出力をスロープ制御することにより、前後の溶接部が滑
らかに接続される。
【0030】電子銃10は電子銃走行装置9によって位
置制御される。電子銃走行装置9による駆動方向は、図
5に示す如く被溶接材1の長手方向すなわち溶接線方向
X軸、被溶接材1の長手方向に垂直な方向Y軸、そして
この2軸に垂直な方向Z軸の3方向自由度を有し、これ
により電子銃がZ軸に沿って被溶接材1に近づき、X軸
に沿って溶接開先12を溶接し、更に複数の開先がある
場合には、Y軸に沿って次の開先13へ移動し同様に溶
接する。
【0031】なお、電子銃走行装置9の3時限位置制御
により、例えば電子銃10をY軸方向に駆動すれば、被
溶接材の断面方向に溶接を行うことが可能である。ま
た、前述の線揃え装置による被溶接材形状矯正を行う代
わりに電子銃10を図5のX,YおよびZ軸方向へ同時
に駆動することにより、電子銃そのものを開先に追従さ
せることが可能である。さらに、駆動部の自由度を更に
増せば、直状の溶接開先のみでなく、螺旋状開先など空
間的な曲線となっている開先への電子ビーム追従が可能
となる。
【0032】また、複数の開先を有する被溶接材の場合
には、予め電子銃を複数個設置しておき、これらを同時
に走行させて一度に複数の開先を溶接することも可能で
ある。このように真空容器内部での電子銃10の設置個
数と駆動方向および作動方法に関しては被溶接材からの
必要性に応じ多くの応用が可能である。
【0033】被溶接材1の溶接部周辺は溶接時には非常
に高温になるため、被溶接材1を冷却する必要が生じる
場合がある。この場合には冷却プレート11を用いて溶
接部周辺の冷却を行う。冷却プレート11は被溶接材1
に密着し、溶接部周辺の熱を速やかに逃がす働きをす
る。冷却プレートの構造例として、図6に冷却路を有す
る金属塊を被溶接材1に圧着する方法を示す。更に冷却
プレート11と被溶接材1との熱的接触を良くするため
に、非常に蒸気圧の低い油あるいは金属製織布等をこれ
らの境界に充填する方法も考えられる。
【0034】また冷却プレート11自体を被溶接材1に
比べて非常に剛性の高いものとすることにより、溶接部
周辺での被溶接材1の位置および形状を強制的に修正す
ることが可能であり、例えばこの方法を用いた場合に
は、被溶接材の形状不整が小さい場合には、被溶接材1
に塑性変形を与えることなく、溶接部周辺での被溶接材
1の弾性変形の範囲内で位置修正が可能となり、被溶接
材の加工硬化や損傷を少なく出来るという利点がある。
【0035】溶接後の被溶接材1は、差動排気チャンバ
3,真空シール部7を通って再び線揃え装置8に入る。
ここでの線揃え装置の働きは被溶接材1の溶接に伴う変
形を矯正することである。
【0036】線揃え装置8を出た被溶接材1は、巻取装
置6によってドラムに巻取られる。巻取装置6は被溶接
材1を真っ直ぐ巻取るために繰出装置と同様にドラムト
ラバース機能を有し、更に被溶接材1に一定の張力を印
加しながら巻取ることが可能である。
【0037】本発明の第2の実施例を次に説明する。本
実施例は、第1の実施例に加えて、電子ビーム溶接の前
後で被溶接材の表面を洗浄し、また必要に応じ溶接後に
被溶接材の表面を研削する装置を備えたものである。
【0038】図7に第2の実施例による溶接前の処理装
置の構成を示す。線揃え装置8を出た被溶接材1は洗浄
機71によって表面洗浄され、乾燥機73によって乾燥
された後、差動排気チャンバ3へ送られる。この処理に
より、被溶接材表面の汚れや埃が除去され、真空容器内
の真空度向上および溶接部の品質向上が図れる。尚、被
溶接材の製造状態や線揃え装置の性能によっては、線揃
え装置8と上記洗浄・乾燥装置の順序を逆にすることも
考えられる。洗浄の際には必要に応じて界面活性剤を用
いても良く、また乾燥装置の方式については、温風乾燥
あるいは真空乾燥のどちらでも良い。
【0039】図8に第2の実施例による溶接後の処理装
置の構成を示す。差動排気チャンバ3を出た被溶接材に
は線揃え装置8のみでは矯正しきれないような局部変形
や膨らみが生じていたり、あるいは溶接時のスパッタ等
の不純物が付着している場合がある。この場合、被溶接
材の表面は研削機74によって研削あるいは研磨され、
次に洗浄機71によって表面洗浄され、乾燥機73によ
って乾燥された後、線揃え装置8に送られる。この処理
により、溶接時に生じた被溶接材の変形の適切な矯正
と、表面の汚損の除去を図ることができる。研削機の方
式としては必要に応じてカッターを用いた機械加工機あ
るいはワイヤブラシ等を用いた研磨機のいずれかあるい
は双方を用いることが考えられる。被溶接材の溶接後の
状態や線揃え装置の性能によっては、線揃え装置8と上
記研削・洗浄・乾燥装置の順序を逆にすることも考えら
れる。
【0040】本発明の第3の実施例を次に説明する。本
実施例は、第1の実施例に加えて、電子ビーム溶接後の
被溶接材の健全性を検査する装置を備えたものである。
【0041】図9に第3の実施例による上記検査装置の
構成を示す。差動排気チャンバ3を出た被溶接材1は油
槽77に入り、超音波探傷検査装置76によって溶接後
の内部欠陥の有無および状態が検査される。その後、こ
の検査時に付着した油分は界面活性剤80を用いた洗浄
機71により除去され、残留水分は乾燥機73により除
去される。この処理により、溶接後の被溶接材の健全性
を確認しながら製造を進めることが可能になる。尚、被
溶接材の溶接後の状態や線揃え装置の性能によっては、
線揃え装置8と上記検査装置の順序を逆にすることも考
えられる。また必要に応じて第2の実施例に記した研削
・洗浄・乾燥装置と上記検査装置とを組み合わせてもよ
い。
【0042】上記した本発明の実施例による具体的な効
果は以下のとおりである。
【0043】第1に、本発明によれば非常に長尺の原材
料および製品が双方ともドラムに巻取られており、その
中間で形状矯正および溶接処理を行う構成のため、原材
料の補充や製品の搬出のために製造が中断されることが
少なく、製造のために要する時間を極めて有効に利用す
ることが可能となる。
【0044】第2に、本発明によれば溶接処理を真空中
の電子ビーム溶接によって行うため非常に精密で且つ溶
接処理部分が均質な長尺の製品を連続的に製造すること
が可能となる。
【0045】第3に、本発明によれば差動排気チャンバ
と非接触シールを用いることにより製造中に於ける装置
内部での原材料の移動の際にもその都度真空シールを行
う必要がなく、しかも真空シール部のメンテナンスも不
要となる。
【0046】第4に、溶接時の冷却機構を備えているの
で、超電導導体など、熱の良導体と不良導体あるいは熱
に弱い材料などからなる複合断面をもつ長尺製品の製造
にあたっても、機械的に堅固な溶接構造としてこれを製
造することが可能となる。
【0047】第5に、溶接時の冷却プレートが電子ビー
ム溶接時の被溶接材の固定装置を兼ねるので、機械的に
剛性の低い被溶接材であっても、電子ビームに対して適
切な位置にこれを保持することが可能となる。
【0048】第6に、本発明によれば原材料および製品
が双方ともドラムに巻取られているので、必要最小限の
占有スペースで上記製造が可能となる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、比較的小型の装置構成
を実現しつつ、かつ作業効率の高い部分真空電子ビーム
溶接装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図。
【図2】本発明の一実施例における繰出装置付近の上面
より見た構成図。
【図3】本発明の一実施例における真空シール部の拡大
図。
【図4】本発明の一実施例における差動排気チャンバの
概念図。
【図5】本発明の一実施例における電子銃駆動方向を示
す図。
【図6】本発明の一実施例における冷却プレートの概念
図。
【図7】本発明の第2の実施例の溶接前処理装置の構成
図。
【図8】本発明の第2の実施例の溶接後処理装置の構成
図。
【図9】本発明の第3の実施例の溶接後検査装置の構成
図。
【図10】従来の部分真空電子ビーム溶接装置の例1。
【図11】従来の部分真空電子ビーム溶接装置の例2。
【図12】従来の部分真空電子ビーム溶接装置の例2の
下チャンバの鳥瞰図。
【符号の説明】
1…被溶接材、2…真空容器、3…差動排気チャンバ、
4…真空ポンプ、5…繰出装置、6…巻取装置、7…真
空シール部、8…線揃え装置、9…電子銃走行装置、1
0…電子銃、11…冷却プレート、12…溶接開先、1
3…溶接開先、21…繰出部、22…ドラムトラバース
部、23…トラバース部制御装置、31…上チャンバ、
32…下チャンバ、33…スリット、35…電子銃駆動
装置、36…溶接線、37,38,52,57,59,
79…シール、39…耳板、50…被溶接材、51…電
子ビーム、53…電子銃駆動モータ、54,56…カバ
ー、55…摺動シール、58…スクリュー、60…耳
板、71…洗浄機、72…受け皿、73…乾燥機、74
…研削装置、75…送り装置、76…超音波探傷検査装
置、77…油槽、78…油、80…界面活性剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石村 哲朗 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に逐次被溶接材を搬送し、電子
    ビームを照射して溶接を行い、搬出する部分真空電子ビ
    ーム溶接装置において、 被溶接材の搬入口と溶接後の被溶接材を搬出する搬出口
    とを備える真空容器,該真空容器内に設けられ、搬入さ
    れた被溶接材に電子ビームを照射して溶接を行うための
    電子銃,前記真空容器内に設けられ、電子銃による電子
    ビーム照射位置を設定する電子銃走行装置,前記真空容
    器の搬入口と搬出口に設けられた差動排気チャンバ,被
    溶接材を上記真空容器内へ送り込むための繰出装置とを
    含む部分真空電子ビーム溶接装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の部分真空電子ビーム溶接装
    置において、差動排気チャンバと真空容器に排気のため
    の真空ポンプを接続することを特徴とする部分真空電子
    ビーム溶接装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の部分真空電子ビーム溶接装
    置において、前記差動排気チャンバに真空シールが被溶
    接材と非接触に設けられることを特徴とする部分真空電
    子ビーム溶接装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の部分真空電子ビーム溶接装
    置において、前記真空容器の搬入口側、又は搬出口側の
    少なくとも一方に被溶接材を清浄化するための手段を備
    えることを特徴とする部分真空電子ビーム溶接装置。
  5. 【請求項5】真空容器内に逐次被溶接材を搬送し、電子
    ビームを照射して溶接を行い、搬出する部分真空電子ビ
    ーム溶接装置において、 被溶接材の搬入口と溶接後の被溶接材を搬出する搬出口
    とを備える真空容器,該真空容器内に設けられ、搬入さ
    れた被溶接材に電子ビームを照射して溶接を行うための
    電子銃,前記真空容器内に設けられ、電子銃による電子
    ビーム照射位置を設定する電子銃走行装置,被溶接材を
    上記真空容器内へ送り込むための繰出装置,被溶接材を
    巻取保管するドラム,該ドラムから繰出装置を介して被
    溶接材を上記真空容器内へ送り込む時に被溶接材の形状
    不正を修正する手段とを含む部分真空電子ビーム溶接装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の部分真空電子ビーム溶接装
    置において、形状不正修正手段は、真空容器の搬入口位
    置に、巻取保管された被溶接材端部の繰り出し位置を揃
    えるものとされたことを特徴とする部分真空電子ビーム
    溶接装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の部分真空電子ビーム溶接装
    置において、搬出口から搬出された被溶接材溶接後の内
    部欠陥の様子を検査する超音波探傷検査装置を備えたこ
    とを特徴とする部分真空電子ビーム溶接装置。
  8. 【請求項8】巻取保管している線状の被溶接材を、順次
    真空度の高くなる複数の室に導き、電子ビーム溶接後順
    次真空度の低くなる複数の室を介して大気に導き、再度
    巻取保管することを特徴とする部分真空電子ビーム溶接
    方法。
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