JPH06268337A - 同位体分離装置用レーザーシステム - Google Patents

同位体分離装置用レーザーシステム

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JPH06268337A
JPH06268337A JP5706093A JP5706093A JPH06268337A JP H06268337 A JPH06268337 A JP H06268337A JP 5706093 A JP5706093 A JP 5706093A JP 5706093 A JP5706093 A JP 5706093A JP H06268337 A JPH06268337 A JP H06268337A
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JP
Japan
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laser
wavelength
excimer laser
ionization
dye
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Application number
JP5706093A
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English (en)
Inventor
Takeshi Tanazawa
武 棚沢
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザーシステムを簡素化し、エネルギー効率
が高く、分離性能の向上を図る。 【構成】選択励起には波長可変エキシマレーザー1から
励起の色素レーザー2を用い、電離用にはエキシマレー
ザーの発振光(〜308nm )を用いる。色素レーザー2の
波長とエキシマレーザーの波長の和がイオン化レベル以
上になるような選択励起レベルを選定して用い、エキシ
マレーザーの波長が可変で、或る範囲に存在する自動電
離レベルにその波長を同調させる。これにより効率的な
光電離が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は同位体分離する金属蒸気
にレーザーを照射し、特定の同位体を選択的に励起・分
離させて分離回収する同位体分離装置用レーザーシステ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】原子レーザー法による同位体分離にはウ
ラン濃縮が知られている。従来の原子レーザー法ウラン
濃縮用同位体分離装置においては、銅蒸気レーザー励起
の色素レーザーレーザーシステムが用いられている。
【0003】すなわち、図5に示したように銅蒸気レー
ザー10と色素レーザー2とを組合せ、銅蒸気レーザー10
を励起源として色素レーザー2の波長帯域は 540〜 700
nmで、その帯域内で波長が可変であり、目的同位体の共
鳴断面積の大きな吸収スペクトルにその波長を一致させ
て同位体を励起させている。
【0004】図5は銅蒸気レーザー10と色素レーザー2
とを4系統組合せた従来の同位体分離装置用レーザーシ
ステムを示している。図中符号4はレーザー合成用ミラ
ー、1aは基底励起用レーザー、2aは準安定励起用レ
ーザー、3aは電離用レーザー、4aは中間励起用レー
ザーである。
【0005】この波長帯域での色素レーザー2の光子が
有するエネルギーは約2eVであるのに対し、ウラン原子
のイオン化ポテンシャルが約6eVであるため、ウラン原
子を電離させるには3段階の励起が必要となる。
【0006】すなわち、図6に示すように初期状態にお
いて基底レベル5、準安定レベル6に存在するウラン原
子を電離させるには合計4本の異なる波長のレーザー光
が必要となり、図5に示す4系統の銅蒸気レーザー励起
の色素レーザーシステムが用いられている。
【0007】なお、図6において符号7は選択励起レベ
ル、8は自動電離レベル、9はイオン化ポテンシャル、
11は中間励起レベルをそれぞれ示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】原子レーザー法による
同位体分離では対象となる同位体だけを選択的に、しか
も効率よく励起させるため、レーザーの波長を特定の共
鳴波長に精度良くチューニングさせる必要がある。
【0009】従来の銅蒸気レーザー10により励起した色
素レーザーシステムを用いた4波長3段階のウランの同
位体分離では、4系統のレーザー系を空間的、時間的に
適切に合成させる必要があり、レーザーシステムに対す
る負荷が大きい。また、各系統とも色素レーザー2を介
している分だけエネルギー効率は低くなり、最もレーザ
ーパワーが要求される電離段の励起に対しては、非常に
大きなレーザーパワーが要求される。
【0010】しかし、これまで銅蒸気レーザーやエキシ
マレーザー自体では波長制御ができないため、色素レー
ザーと組合せて波長制御する必要があり、このことが経
済性、操作性の大きな要因となる課題がある。
【0011】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、波長可変のエキシマレーザーを使用してレー
ザーシステムを簡素化したエネルギー効率が高く、分離
性能の向上を図った同位体分離装置用レーザーシステム
を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は複数種類の同位
体を含む金属蒸気を加熱溶融して蒸発せしめ、この金属
蒸気流に複数のレーザー光を照射して蒸気流中の特定の
同位体を選択的に励起・電離させ、イオン化した同位体
を分離回収する同位体分離装置用レーザーシステムにお
いて、前記レーザー光の発振波長が可変できる機能を有
するエキシマレーザーと、このエキシマレーザー励起の
色素レーザーとを備え、前記色素レーザー光により目的
とする同位体を選択的に励起せしめ、前記エキシマレー
ザーの波長を制御して前記エキシマレーザー自身の光を
自動電離レベルへの共鳴励起に用いることにより2段階
の共鳴励起で選択的に同位体を電離させることを特徴と
する。
【0013】
【作用】本発明においては、同位体分離におけるレーザ
ーシステムに発振波長近傍でわずかではあるが可変でき
る機能を有するエキシマレーザーと、このエキシマレー
ザー励起の色素レーザーを備え、目的同位体の選択的励
起には色素レーザーを用い、電離用には色素レーザーを
介さないエキシマレーザー自身の光を用いた2段階の共
鳴励起で目的同位体を選択電離させる。
【0014】色素レーザーの光子エネルギーとエキシマ
レーザーの光子エネルギーの和が目的同位体のイオン化
ポテンシャル以上になるような選択励起レベルを選定
し、エキシマレーザーの発振波長が可変できる範囲に存
在する自動電離レベルにエキシマレーザーの波長を同調
させることにより、目的同位体を効率的に電離させるこ
とができる。
【0015】
【実施例】図1から図4を参照しながら本発明に係る同
位体分離装置用レーザーシステムの一実施例を説明す
る。
【0016】図1は本発明が実施するウランの同位体分
離におけるレーザーシステムの基本的な体系を示してい
る。図中符号1は波長可変エキシマレーザーであり、2
は色素レーザーであり、両者間にエキシマレーザー出力
分岐用ミラー3が設けられている。色素レーザー2から
出射した基底励起用レーザー1aとしてレーザー合成用
ミラー4に入射し、このレーザー合成用ミラー4で反射
したレーザー光がウラン同位体分離用金属原料蒸気を照
射し同位体分離に寄与する。
【0017】ここで、エキシマレーザーはXeClガス
を用い、 308nm近傍でわずかに発振波長が可変できる機
能を有するエキシマレーザーの出射光を分岐し、一部を
色素レーザー2の励起源として用い、色素レーザー2の
照射光とエキシマレーザー光を再合成して、分離セル内
で加熱蒸発された金属ウラン蒸気に照射する。
【0018】図2は基底レベル5、準安定レベル6に存
在するウラン原子を励起・電離させる3波長2段階の励
起・電離モデル図を示す。選択励起レベル7のエネルギ
ーとエキシマレーザーの光子エネルギーの和がイオン化
ポテンシャル 49958cm-1以上になるような選択励起レベ
ル7を利用し、第1の色素レーザーで基底レベル5か
ら、第2の色素レーザーで準安定レベルからそれぞれ選
択励起レベル7に共鳴励起させる。
【0019】それと同時に、エキシマレーザーの発振波
長が可変できる範囲で励起が可能な断面積の大きな自動
電離レベルにエキシマレーザーの波長を同調させ、自動
電離レベル8を介して電離させる。
【0020】このような本実施例によれば、1系統の波
長可変のエキシマレーザー1と2系統の色素レーザー2
のみの非常に簡素化されたレーザーシステムで、共鳴励
起を利用した効率的なウランの同位体分離が達成され
る。
【0021】図3はエキシマレーザーをインジェクショ
ンロックにより波長制御するための装置を示したもので
ある。すなわち、オシレータ部12と増幅部13とからなっ
ており、オシレータ部12は回析格子グレーティング14、
プリズムエキスパンダー15、アパーチャ16、レンズ17お
よびミラー18を具備し、増幅部13はレンズ17および不安
定共振器19,20を具備している。
【0022】エキシマレーザーは元来、広範囲な発振帯
域を有している、つまり図3全体がエキシマレーザーの
発振帯域であるが、エキシマレーザーをオシレータ部12
と増幅部13に分け、オシレータ部12の光の一部を取り出
し、グレーティング14で特定の波長に固定させ、それを
シードとして増幅させることにより発振帯域を著しく狭
め、しかもグレーティングで波長を制御させることを可
能としている。
【0023】図4はインジェクションロックされたエキ
シマレーザー(XeCl)の波長可変領域を示したもの
で、この図は『B.Ruckle, P.Lokai, U.Brinkmann. D.Ba
sting, W.Muckenheim Lambda Physik FuE GmbH, Hans-B
ockler-Str. 12 D-3400 Gottingen, Federal Republic
of Germany』から引用したものである。
【0024】上記実施例では波長制御可能な1台のエキ
シマレーザー1と、色素レーザー2を2台組合せて3波
長のレーザー光をウラン原子に照射し、2段階カスケー
ド的にウラン235 原子を励起させて電離させ同位体分離
することができる。
【0025】すなわち、本実施例はエキシマレーザーの
波長を電離段の特定の共鳴波長にチューニングさせるた
めインジェクションロックにより波長制御可能な波長可
変のエキシマレーザー1を使用し、かつ2台の色素レー
ザー2およびビームスプリッター、ミラー等の光学部品
から装置を構成する。
【0026】そして、エキシマレーザー励起の色素レー
ザー2台を特定の波長にチューニングさせ、図2に示し
たように初期状態には基底レベル5、準安定レベル6に
あるウラン原子を選択励起レベル7に励起させる一方、
エキシマレーザー自身の光も同時にウラン原子に照射さ
せ、選択励起レベル7から自動電離レベル8に励起して
電離させる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、同位体分離におけるレ
ーザーシステムに発振波長近傍でわずかではあるが可変
できる機能を有するエキシマレーザーとエキシマレーザ
ー励起の色素レーザーを備え、目的同位体の選択的励起
には色素レーザーを用い、電離用には色素レーザーを介
さないエキシマレーザー自身の光を用いた2段階の共鳴
励起で目的同位体と選択電離させることにより、レーザ
ーシステムが大幅に簡素化される。
【0028】また、最もレーザーパワーが要求される電
離段の励起に、色素レーザーを介さないエキシマレーザ
ー自身の光を用い、しかも自動電離レベルを利用してい
るため、電離に必要な十分なレーザーパワーの供給が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る同位体分離装置用レーザーシステ
ムの一実施例を示す系統図。
【図2】図1におけるレーザーシステムを用いた3波長
2段階の励起・電離状態を示すモデル図。
【図3】本発明で使用するエキシマレーザーをインジェ
クションロックにより波長制御する装置を示す模式図。
【図4】図3により波長制御するための波長可変領域を
示す波形図。
【図5】従来の銅蒸気レーザーと色素レーザーを4系統
組合せたレーザーシステムを示す系統図。
【図6】図5におけるレーザーシステムを用いた4波長
3段階の励起・電離状態を示すモデル図。
【符号の説明】
1…波長可変のエキシマレーザー、2…色素レーザー、
3…エキシマレーザー分岐用ミラー、4…レーザー合成
用ミラー、5…基底レベル、6…準安定レベル、7…選
択励起レベル、8…自動電離レベル、9…イオン化ポテ
ンシャル、10…銅蒸気レーザー、11…中間励起レベル、
12…オシレータ部、13…増幅器、14…グレーティング
(回析格子)、15…プリズムビームエキスパンダー、16
…アパーチャ、17…レンズ、18…ミラー、19,20…不安
定共振器、1a…基底励起用レーザー、2a…準安定励
起用レーザー、3a…電離用レーザー、4a…中間励起
用レーザー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の同位体を含む金属蒸気を加熱
    溶融して蒸発せしめ、この金属蒸気流に複数のレーザー
    光を照射して蒸気流中の特定の同位体を選択的に励起・
    電離させ、イオン化した同位体を分離回収する同位体分
    離装置用レーザーシステムにおいて、前記レーザー光の
    発振波長が可変できる機能を有するエキシマレーザー
    と、このエキシマレーザー励起の色素レーザーとを備
    え、前記色素レーザー光により目的とする同位体を選択
    的に励起せしめ、前記エキシマレーザーの波長を制御し
    て前記エキシマレーザー自身の光を自動電離レベルへの
    共鳴励起に用いることにより2段階の共鳴励起で選択的
    に同位体を電離させることを特徴とする同位体分離装置
    用レーザーシステム。
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