JPH06267818A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH06267818A
JPH06267818A JP5050842A JP5084293A JPH06267818A JP H06267818 A JPH06267818 A JP H06267818A JP 5050842 A JP5050842 A JP 5050842A JP 5084293 A JP5084293 A JP 5084293A JP H06267818 A JPH06267818 A JP H06267818A
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light
pattern
optical system
intensity distribution
projection optical
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JP5050842A
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Inventor
Tetsuo Taniguchi
哲夫 谷口
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】照明条件、レチクルの種類によらず常に正確な
結像特性を検出することを目的とする。 【構成】投影光学系PLの結像特性を計測する焦点位置
検出系(26、23、20)を設ける。そして投影光学
系PLの瞳面Epの照明光の強度分布を求め、焦点位置
検出系の検出光の強度分布が照明光の強度分布とほぼ等
しくなるように、焦点位置検出系の照明条件等を調整す
る。また、別の方法として瞳面Epにおける照明光の強
度分布と検出光の強度分布の差分を演算にて求め、焦点
位置検出系の検出結果を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は投影露光装置に関し、特
に半導体素子薄膜磁気ヘッドあるいは液晶基板等をフォ
トリソグラフィーにより製造するための投影露光装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子又は薄膜磁気
ヘッド等をフォトリソグラフィー技術を用いて製造する
際に、レチクルのパターンを投影光学系を介して感光基
板上に転写する投影露光装置が使用されている。転写さ
れるパターンが微細化されるのに応じて、投影露光装置
における投影光学系の開口数は大きくなり、焦点深度は
より浅くなっている。そこで、感光基板の露光面を焦点
深度の範囲内で投影光学系の結像面(焦点位置)に合わ
せ込む焦点合わせ機構(オートフォーカス機構)につい
てもより高精度化することが求められている。
【0003】また、重ね合せ精度に関しても高精度化が
求められており、投影光学系の倍率あるいはディストー
ション(像歪)の補正機構においても高精度化が求めら
れている。従来のこの種の装置の焦点合わせ機構として
は、例えば照射光学系により感光基板のショット領域の
例えば中央部にスリットパターンの像を投影し、感光基
板で反射されたスリットパターンの像を受光光学系によ
り光電センサーの受光面に再結像する機構が知られてい
る。そして光電センサーによりスリットパターン像の光
量分布の重心位置を検出し、感光基板と投影光学系との
距離を計測することができる。すなわち、この機構によ
れば、感光基板が投影光学系の光軸方向に移動すると、
そのスリットパターンの再結像された像の位置(パター
ン像の光量分布の重心位置)が変化することから、その
感光基板と投影光学系との距離を計測することができ
る。そしてパターン像の光量分布の重心位置が基準位置
と常に一致するように感光基板の位置を調整することに
より、投影光学系と感光基板との距離を一定としていた
(オートフォーカス動作)。
【0004】しかし、投影光学系の焦点位置は、大気圧
の変化あるいは露光光の吸収による投影光学系の温度上
昇等により常に変化しており一定ではない。このため特
開昭60−78454号公報等に開示されているよう
に、大気圧変化、露光光の吸収量等による投影光学系と
感光基板との距離の変動分を、焦点合わせ機構で計測さ
れた距離にオフセットとして加算することにより焦点位
置変化に追従する方法が提案されている。しかしながら
この方法も、直接焦点位置を検出しているのではなく、
焦点位置の変化の原因を測定して間接的に補正をしてい
るのに過ぎず、予想外の原因による焦点位置変化(例え
ば衝撃、オペレートミス等)あるいは装置の長期的な変
化(例えば応力の開放、化学物質の経年変化等)には追
従できず完全なものではなかった。
【0005】また、投影光学系の焦点位置を直接的に測
定する方法としては、例えば感光基板の投影光学系から
の距離を微妙に変化させてテストパターンを感光基板上
に露光して現像する。そして、顕微鏡で感光基板上に形
成されたテストパターンを観察し、像のコントラストが
最大の位置を求める方法がある。しかしながら、この方
法は時間と労力がかかり頻繁に実施できるものではな
い。このため、この種の装置においては露光及び現像と
いう過程を経ずに、直接に投影パターン像を光電検出し
て投影光学系の焦点位置の変化を検出し、投影光学系と
感光基板との距離の補正を行う方法が種々提案されてい
る。
【0006】直接的に焦点位置の変化を検出する方法と
しては、例えば、特開平4−348019号公報に開示
されているように感光基板側に設けた基準パターンを下
から照明し、その照明光のレチクルからの反射光を基準
パターンを介して光電センサーで受光し、その受光量が
最大になる位置を検出する方法、あるいは、特開平1−
262624号公報に開示されているように所定のパタ
ーンからの光束を2分割して各々の光束でパターンの位
置計測を行いそのずれ量より焦点位置を検出する方法等
も知られている。
【0007】また、倍率(或いはディストーション)を
補正する手段としては、投影光学系内部のレンズ間隔の
一部を密封し内部の空気圧力を変化させる方法(例えば
特開昭60−78416号公報)、あるいは投影光学系
のレンズエレメントを駆動し、レンズ間隔を変化させる
方法(例えば特開平4−134813号公報等)があ
る。
【0008】また、倍率を測定する方法としては例えば
感光基板に隣接して設けた基準パターンを照明し、レチ
クル上のパターンとの位置の相対関係を光電センサーで
受光して測定する方法がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の焦点位置や倍率
を計測する結像特性検出手段は、いずれも検出用の照明
系と検出用のパターンを用いているため、実際の投影露
光が行われる露光光線と検出用の光線とでは投影光学系
内部の光線通過経路が厳密には異なる。投影光学系は高
度に収差が発生しない様に設計、製造されているが、光
線の通過経路により微妙に収差条件が異なり、微かでは
あるが焦点位置、倍率等が異なる。特に投影光学系の内
部には露光光線が通過することにより、そのエネルギー
の一部を吸収し温度が微妙に変化する。しかも投影光学
系全体が均一に温度変化するわけではなく投影光学系内
部で温度分布が発生し、上記の光線通過経路差による結
像特性の変化はさらに大きなものとなる。
【0010】また近年特に高解像化の技術として輪帯照
明(特開昭61−91662号公報等)、あるいは複数
方向からの傾斜照明(特開平4−225514号公報、
4−225357号公報等)が使用され、各照明条件で
は投影光学系内部を通過する経路が大きく異なる。ま
た、レチクルのパターンの線幅やレチクルパターンの種
類等により回折光の分布は異なるため露光時の光線経路
が変化して、露光時の光線経路と検出時の光線経路とが
完全に一致しない場合がある。特にコンタクトホールパ
ターンでは投影光学系内での光路が広がるため、光線経
路が照明光学系の絞り形状に忠実でなくなり、また位相
シフトレチクルを使用する場合は、装置側の設定とは無
関係にシフターの種類、線幅等で回折光の角度が変化す
るため通常のレチクルに比べて大きく光線の経路が異な
る。
【0011】以上の理由により、露光時の光線経路と検
出時の光線経路とが完全に一致せず結像特性検出手段で
厳密な測定ができないという問題点があった。本発明は
この様な問題点に鑑みてなされたもので、照明条件、レ
チクルの種類によらず常に正確に結像特性を検出するこ
とを目的とする。また、照明条件、レチクルの種類によ
らず常に正確に結像特性を検出し、良好に結像特性の補
正を行なうことより良好な結像を行うことを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による第一の投影
露光装置は、実露光時の投影光学系の瞳面(もしくはそ
の近傍)における露光光線の強度分布を測定する瞳面強
度分布測定手段と、結像特性検出手段の検出光線の瞳面
の強度分布を実露光光線の強度分布とほぼ等しくなる様
に照度分布設定手段とを設けた構成とした。
【0013】本発明による第二の投影露光装置は、第一
の装置と同様に露光光線の強度分布を測定する瞳面強度
分布測定手段と、結像特性検出手段で得られた結果に対
し、計測された強度分布に基づいて結像特性検出手段で
得られた結果を補正する補正手段とを設けた構成とし
た。
【0014】
【作用】本発明では照明条件あるいはレチクルが変更さ
れる毎に投影光学系の瞳面における露光光の強度分布を
測定し、投影光学系の瞳面における結像特性検出手段の
検出光の強度分布を露光光の強度分布とほぼ等しくし
た。また、本発明の別の態様によれば照明条件あるいは
レチクルが変更される毎に投影光学系の瞳面における露
光光の強度分布を測定し、結像特性検出手段の検出光と
露光光の光線との経路差に応じた結像特性検出誤差分の
関係に応じて結像特性の検出値にオフセットを加えるこ
ととした。
【0015】
【実施例】以下にまず本発明による投影露光装置の一実
施例につき図面を参照して説明する。図1は本発明の第
一の実施例に好適な投影露光装置を示す図である。図1
において、超高圧水銀ランプ1はレジスト層を感光する
ような波長域の照明光(例えばi線)IL1を発生す
る。露光用照明光としては、超高圧水銀ランプ1等の輝
線の他にKrF、ArFエキシマレーザー等のレーザ
光、あるいは金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波を
用いてもよい。楕円ミラー2で反射された照明光IL1
は楕円ミラー2の第2焦点t0 に集光された後ミラー5
で反射し、インプットレンズ6に向かう。第2焦点t0
の近傍にはシャッター3が配置され、駆動モータ4によ
り必要に応じて照明光IL1を遮光する。インプットレ
ンズ6によりほぼ平行に変換された照明光IL1はオプ
ティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ7に
入射する。このフライアイレンズ7の後(レチクル)側
焦点面には、照明光IL1のほぼ均一な2次光源像が形
成される。この2次光源像が形成されている位置(照明
光学系中のレチクルパターンのフーリエ変換面、又はそ
の共役面もしくは近傍の面内)に回転板8が設けられて
いる。回転板8は駆動モータ8aにより回転自在であ
る。回転板8には種々の形状の絞りが設けられており、
レチクルパターンに応じてフライアイレンズ7の2次光
源の形状を変化させることが可能となっている。回転板
8には例えば図2の様な各種の絞りが設けられている。
絞り32は通常の照明を行う絞り、絞り33はσ値(照
明系のNAと投影光学系のNAとの比)の小さな照明を
行う絞り、絞り35、36、37は照明条件を複数傾斜
照明とするための絞り、絞り34は輪帯照明を行うため
の絞りである。
【0016】なお、2次光源の形状、つまりフーリエ変
換面(投影レンズ瞳面)での光強度分布の変更は、図1
の構造とは限らずよりレチクル又はウェハ面での均一
性、照度を上げるために例えばズームレンズを用いて2
次光源像の大きさを可変としたり、複数のフライアイレ
ンズを直列に用いたりすることも可能である。回転板8
を発した照明光IL1はリレーレンズ9、11、可変ブ
ラインド10及びメインコンデンサーレンズ12を通過
してミラー13に至り、ここでほぼ垂直に下方に反射さ
れた後、レチクルRのパターン領域PAをほぼ均一な照
度で照明する。可変ブラインド10の面はレチクルRと
共役関係にあるので、可変ブラインド10の開口部の大
きさ、形状を変えることによりレチクルRの照明視野を
任意に設定できる。可変ブラインド10の開口部の大き
さ、形状の変更は、可変ブラインド10を構成する複数
枚の可動ブレードをモータ40により開閉させて行なわ
れる。
【0017】レチクルRのパターン領域PAを通過した
照明光IL1は、例えば両側テレセントリックな投影光
学系PLに入射し、投影光学系PLはレチクルRの回路
パターン(パターン領域PA内のパターン)の投影像
を、表面にレジスト層が形成されその表面が最良像面と
ほぼ一致する様に保持されたウェハW上の1つのショッ
ト領域に重ね合わせて投影する。なお図1では説明の都
合上位置検出用のパターン板(詳細後述)上に回路パタ
ーンを結像している。投影光学系PLの瞳面Ep又はそ
の近傍には可変絞り18が設けられており、駆動モータ
18aにより投影光学系PLの開口数(NA)を変更で
きるように構成されている。また可変絞り18は後述す
るように瞳面Ep上の照明光IL1の強度分布測定にも
使用する。
【0018】ウェハWはウェハホルダ(θテーブル)1
5に真空吸着され、このウェハホルダ15を介してウェ
ハステージWS上に保持されている。ウェハステージW
Sは投影光学系PLの最良像面に対して任意方向に傾斜
可能で、且つ光軸方向に微動可能であると共に、ステッ
プ・アンド・リピート方式で2次元移動可能に構成され
ている。ウェハステージWSはウェハW上の1つのショ
ット領域に対するレチクルの転写が終了すると、次のシ
ョット位置までステッピングされる。なお、ウェハステ
ージWSの構成等については、例えば特開昭52−10
4247号公報や特開昭60−78454号公報に開示
されている。また、図1には示していないが、ウェハス
テージWSの端部にはレーザ干渉計のレーザビームを反
射する移動鏡が固定されており、ウェハステージのXY
平面内での2次元的な位置はレーザ干渉計により例えば
0.01μm程度の分解能で常時検出される。
【0019】また、ウェハステージWS上には照射量モ
ニタとしての光電センサ19がウェハWの表面とほぼ一
致する高さに設けられている。光電センサ19は例えば
投影光学系PLのイメージフィールド、またはレチクル
パターンの投影領域とほぼ同じ面積の受光面で構成され
ている。光電センサ19からの信号はコントローラ28
に送られる。このセンサは、投影光学系PLの照明光吸
収にともなう温度上昇等による結像特性変化の補正計算
に用いるために、投影光学系PLに入射するエネルギー
量を測定するのに使用されている。当然のことながら光
電センサ19はレチクルパターンとほぼ共役にあるた
め、投影光学系PLの瞳付近の強度分布に関しての情報
は通常得ることができない。しかしながら、投影光学系
の瞳面Ep近傍にある絞り18(NA絞り)を調整しな
がら、絞りの位置と光電センサ19の出力とを同時に検
出することにより瞳面Ep上の強度分布を見ることがで
きる。
【0020】更に、図1中には投影光学系PLの最良像
面に向けてピンホール、あるいはスリットの像を形成す
るための結像光線と光軸AXに対して斜め方向より供給
する照射光学系16と、その結像光束のウェハWの表面
での反射光束とピンホール、あるいはスリットを介して
受光する受光光学系17とからなる斜入射方式のウェハ
位置検出系が設けられている。このウェハ位置検出系の
構成等については例えば特開昭60−168112号公
報に開示されており、投影光学系PLの最良像面に対す
るウェハ表面の上下方向(Z方向)の位置を検出し、投
影光学系PLの最良結像面とウェハ表面とがほぼ一致す
るようにウェハステージWSをZ方向へ駆動するときに
用いられる。受光光学系17からの信号AFSはコント
ローラ28に送られる。なお、本実施例では結像面が零
点基準となるように、予め受光光学系17の内部に設け
られた平行平板ガラス(プレーンパラレル)17aの角
度がモータ(不図示)を介してコントローラ28により
調整され、ウェハ位置検出系のキャリブレーションが行
われるものとする。このキャリブレーションは定期的に
結像面を計測し、この結像面を零点基準とするように例
えば平行平板ガラス17aを駆動することより行う。
【0021】次に、焦点位置検出系(結像特性検出手
段)を説明する。図1においてウェハステージWS上の
ウェハWの近傍には焦点位置検出用のパターン板20が
取付けられ、このパターン板20の上面には図3(a)
に示すように遮光部31と光透過部32とよりなる開口
パターンが形成されている。この開口パターンは、所定
のピッチのライン・アンド・スペース・パターンよりな
る振幅型の回折格子を順次90°ずつ回転してなる4個
の回折格子あるいはその連続パターンにより構成されて
いる。図1に戻り、パターン板20は、ウェハステージ
WS上にその開口パターンの形成面がウェハWの露光面
とZ方向にほぼ同じ高さとなる用に固定されており、パ
ターン板20の下方には折り曲げミラー21及び検出光
用の照明光学系が配置されている。仮りに或るウェハW
にレチクルパターンを露光している場合でも、ウェハス
テージWSを投影光学系PLの光軸に垂直なXY平面で
移動させることにより投影光学系PLのイメージサーク
ルの中央部または任意の像高の位置にそのパターン板2
0を移動させることができる。
【0022】その焦点位置検出系の照明光学系におい
て、2分岐されたファイバー束26の一方の分岐端26
aより照明光IL1と同一又は近傍の波長帯の照明光I
L2を入射する。照明光IL2は例えば照明光IL1の
一部をビームスプリッタ等で分岐したものを使用する。
照明光IL2はファイバー束26の合同端26bを経て
リレーレンズ25、24に入射する。なおファイバー束
26の合同端26bにおいては分岐端26a、26c各
々からのファイバーがランダムに配列されている。リレ
ーレンズ24を出た照明光は、パターン板20のフーリ
エ変換面、つまり投影光学系PLの瞳面EPと共役な面
に設けた回転板23に入射する。回転板23は後述する
ように複数の絞りを有しており、駆動モータ23aで回
転板23を回転することにより任意の形状の絞りを選択
できる。回転板23を通過した照明光IL2はコンデン
サレンズ22、反射鏡21を介してパターン板20を下
方より照明する。パターン板20を通過した光路は投影
光学系PLを経てレチクルRの下面にパターン板20の
開口パターンの像を結像する。そのレチクルRのパター
ン面から反射された反射光は再び投影光学系PL及びパ
ターン板20を介してウェハステージWSの内部に戻
り、入射時と逆の光路を経て再びファイバー束26の合
同端26bに入射する。この反射光はファイバー束26
の他方の分岐端26cより射出し、光電センサ27に入
射する。この光電センサ27からの信号FSは、コント
ローラ28に供給される。この出力信号FSは、レチク
ルRのパターン面からの反射光をパターン板20の開口
パターンで制限した光量に対応する。この方式では光電
センサ27から出力される焦点信号FSが最大となると
き、即ちレチクルRからの反射光をパターン板20で制
限し得られた光量が最大となるときの座標を焦点位置と
して検出する。
【0023】焦点位置でその光量が最大となる原理を図
4を参照して説明する。先ず、パターン板20の開口パ
ターン形成面とレチクルパターン面とが投影光学系PL
に関して共役位置にあるとき、即ちパターン板20が投
影光学系PLの焦点位置にあるときの光路図を図4
(a)に示す。この場合、パターン板20の光透過部と
投影光学系PL側に透過した光線はレチクルRの下面の
パターン面に開口パターンの像を結び、その反射光は再
びパターン板20上で像を結ぶ。従って、パターン板2
0の開口パターンとその再結像された開口パターンの像
とは正確に重なるので、この開口パターンの像の明部の
光はパターン板20をそのまま透過して最終的に光電セ
ンサ27に入射する。一方、パターン板20の開口パタ
ーン形成面が投影光学系PLの焦点位置にないときの光
路図を図4(b)に示す。この場合、レチクルRの下面
からの反射光の全てがパターン板20の開口パターンを
透過することはできず、反射光の一部はその開口パター
ンの非透過部に反射されるので、光電センサ27への入
射光量は減少する。実際には上記の他に、各光束間での
干渉現象があるため、レチクルRからの反射光をパター
ン板20で制限した光量に対応する焦点信号FSは図3
(b)に示すような波形を示す。この図3(b)におい
て、横軸は前述の斜入射方式のウェハ位置検出系で検出
した信号AFSに対応し、またウェハステージWSのZ
座標に対応する。コントローラ28は光電センサ27か
らの焦点信号FSとウェハ位置検出系の受光光学系17
からの信号AFSとに基づいて、焦点焦点位置を検出
し、この焦点位置を基準としてウェハ位置検出系のキャ
リブレーションを行う。尚、コントローラ28は前述の
制御の他、装置全体を制御する。
【0024】次に、照明条件およびレチクルパターンと
投影光学系PLを通過する光線との関係について説明す
る。前述の様に解像力、焦点深度等をさらに向上するた
めに照明条件の変更、あるいは位相シフトレチクルの使
用が考案されている。まず、照明条件による照明光の角
度、回折光の出方、投影光学系PLの瞳面Epでの照明
光の強度分布について図5、図6を参照して説明する。
図5(a)は通常の照明条件(レチクルパターンの光学
的フーリエ変換相当面を通過する照明光が光軸を含む領
域を通過するようにした照明条件)で通常レチクル(位
相シフトレチクルではないレチクル)を使用した場合の
レチクルからの回折光の出方を示し、図5(b)は図5
(a)の場合の投影光学系PLの瞳面Epでの照明光の
強度分布を示す図である。図5(c)は位相シフトレチ
クルからの回折光の出方を示し、図5(d)は図5
(c)の場合の投影光学系PLの瞳面Epでの照明光の
強度分布を示す図である。図6(a)は通常の照明条件
で通常レチクルからの回折光を示す図であり、図6
(b)は位相シフトレチクルからの回折光を示す図であ
り、図6(c)は傾斜照明を行ったときの通常レチクル
からの回折光を示す図である。
【0025】レチクルが位相シフトレチクルではなく通
常のレチクルの場合、ライン・アンド・スペースのレチ
クルのパターンを通過した光線は、図6(a)のごとく
0次光と±1次回折光を発する。この場合0次光の強度
が強くレチクルを通過した光線はほぼ図5(b)の様に
投影光学系PLの瞳面EPの中心付近を集中して通過す
る。このときの照明光の角度θ1 は投影光学系PLの瞳
面Epを通過可能な角度θ2 に対してσ= sinθ1 / s
inθ2 で定義されるσ値で表せる。ここでは図4の絞り
32を使ってσ=0.6〜0.5程度で通常照明を行
う。
【0026】次に位相シフトレチクルについて説明す
る。位相シフトレチクルには例えば、空間周波数変調
型、エッジ強調型等種々考案されているが図5、図6の
例は空間周波数変調型について説明する。レチクルRが
位相シフトレチクルの場合、図6(b)の様に、ライン
・アンド・スペースパターンの光透過部に交互に位相が
180°ずれる位相シフターが設けられているため回折
光は図6(a)の0次光にあたる光束は互いに弱め合い
消えてしまう。これにより投影光学系PLの瞳面Epで
の内部の照明光の強度分布は図5(d)に示すごとく光
軸AXを含まない離散的な位置にピーク値を有するもの
となる。つまり、瞳面Ep上では、照明光は光軸を含ま
ない2光束に分れて通過する。もちろん、位相シフトレ
チクルであってもパターンの向き、あるいは線幅が異な
れば強度分布は図5(d)から変化する。また、ノーマ
ルパターン、位相シフトパターンが混在する場合、図6
(a)、(b)に示す夫々の回折角で射出する光線が混
ざった形となる。
【0027】尚、位相シフトレチクルを使用した場合、
通常照明を示す図6(a)の角度θ a 〔θa =sin
-1(λ/2d)、d:パターン幅、λ:波長〕に対し、
図6(b)の角度θb 〔θb =sin -1(λ/4d)〕が
小のためより細いパターンの回折光が投影光学系PLの
瞳面EPを通過できる。このため、さらに細いパターン
の解像が可能であり、かつ、角度θb が小のため焦点深
度が増す。
【0028】位相シフトレチクルは照明光のコヒーレン
シーを増して位相シフトの効果を増すために一般に照明
光の角度(図5(c)中角度θ3 )を小さくして使用す
る。つまり位相シフトレチクルに対しては小さなσ値と
なる照明条件で照明を行う。このため回転板8において
は図4の絞り33を使用し、この時のσ値はσ=0.3
〜0.45程度となるように開口部33aの開口径が定
められている。図5(c)は絞り33からの照明光で位
相シフトレチクルを照明した場合を示し、照明光の角度
θ3 はθ1 より小さくなっている。
【0029】次にレチクルRに対して斜め方向から照明
する場合について説明する。図6(c)の様に0次光と
1次光(あるいは1次光)を使用して投影光学系に入射
する光束の角度を通常照明時のθa からθc 、θc
(θa =θc +θc ’)に小さくしてより細いパターン
までの解像と焦点深度の増大をねらったものである。こ
のときの投影光学系PLの瞳面Epでの照明光の強度分
布は図5(d)に示す場合と同様に、光軸AXを含まな
い離散的な位置にピーク値を有するものとなる。絞り3
5〜37は、いずれもレチクルRに対して斜め方向から
照明するための絞りであり、各開口部の最適位置は特開
平4−225357号公報等に詳しく開示されている。
これらの絞り35〜37の開口部の大きさはσ値が0.
1〜0.3程度となるように定められている。
【0030】また、図4の絞り34は所謂輪帯照明を行
うための絞りであり、このときの投影光学系PLの瞳面
EPでの照明光の強度分布は図5(b)に示す通常照明
とは異なる。上記の説明の様に照明条件を変えることに
より、投影光学系PLの内部の光線通過経路(瞳面Ep
での照明光の強度分布)は大きく異なる。また位相シフ
トレチクルは種々のパターンが混在していたり、部分的
にしか使用しなかったり、さらに検査技術が確立してい
ない等の理由により投影光学系PLの瞳面Epでの照明
光の強度分布は複雑である。このため強度分布を計算等
により正確に求めることは難しい。さらに、通常照明、
傾斜照明、及び輪帯照明の場合に、同一の絞りを使用し
てもレチクルパターンの形状やピッチ等により投影光学
系PLの内部の光線通過経路(強度分布)は微妙に異な
る。例えば、通常照明の場合で同じ絞りを使用していて
も、周期性パターンとコンタクトホールパターンとでは
投影光学系PLの内部の光線通過経路(強度分布)は異
なる。このため、前述の説明の様に微妙な投影光学系P
Lの収差条件により焦点位置、像歪等が異なってくる。
さらに、照明光吸収による温度上昇により発生する収差
条件の変化も光線通過位置が変化すれば、さらに焦点位
置、像歪等の結像特性の差は大となってくる。
【0031】このため、前記の焦点位置検出系において
も投影光学系内部での光強度分布を変更するための回転
板23による絞り形状の変更が可能な構成とし、照明系
の絞り形状に合わせて回転板23の絞り形状を合わせれ
ばよい。しかしながら、レチクルパターンの種類や形状
によっては照明光の強度分布が絞り形状に追従しない場
合がある。また、装置を制御するコントローラ28は、
自らの照明系の絞りは何を使用中か知ることができる
が、レチクルはどの様な種類のものを使用中か判別はで
きない。仮りに使用者が登録する等で判別できたとして
もパターンの種類を完全に分類することは現実的には不
可能である。本発明では照明光の投影光学系PLの瞳面
Epでの強度分布を実際に計測することでこの問題に対
応している。
【0032】次に、投影光学系PLの瞳面Epにおける
照明光の強度分布の測定法について説明する。まずウェ
ハステージWSを駆動し、照明量チェック用の光電セン
サ19を投影光学系PLの真下に位置させ、シャッタ3
をオープン状態とする。そして投影光学系の瞳面Ep近
傍にある絞り18(NA絞り)を例えば最も絞った状態
から開きながら光電センサ19の出力を同時にモニタす
ることで、瞳面Ep上の強度分布を見ることができる。
つまり、コントローラ28は、絞り18駆動用のモータ
18aの駆動信号と光電センサ19の情報より瞳面Ep
の同心円上の照明光の強度分布を知ることが可能であ
る。この様子を図7に示す。図7(a)は絞り18の開
度と、光電センサ19の出力の関係を示しており、縦軸
は光量を示し、横軸は絞りの開度を示している。図7
(b)は光電センサ19の出力を半径方向に微分したも
のである。光電センサ19の出力は、半径方向にわたっ
て光量と積算したものであるから図7(a)を微分した
図7(b)が各半径における強度分布を示している。図
7(b)で縦軸は強度分布を示し、横軸は半径を示して
いる。図7からもわかる様に中心部の強度分布と知るた
めには十分絞り18を絞らなければならないため、通常
の投影光学系の開口数(NA)を制限する目的で使用さ
れる範囲よりより絞れる仕様の絞りが必要である。
【0033】さらに、絞り18が瞳面Epの平面内で任
意に動くことが可能な構造になっていれば、絞り18を
十分小さく絞り、瞳面面内をスキャンすることにより2
次元の強度分布を求めることができる。また、絞りの開
口部を用いるのとは逆に、遮光部をスキャンすることに
より強度分布を求めることもできる。他にも2次元に分
割された光電センサーを瞳面Epの光透過部に出し入れ
可能な構造として強度分布を求める方法もある。あるい
は出し入れするかわりにハーフミラーで分割して受光す
る方法も考えられる。以上により投影光学系PLの瞳面
Epにおける照明光の強度分布が測定可能である。
【0034】本実施例は、この照明光の強度分布と焦点
位置検出系の検出光の強度分布とをほぼ一致させるもの
である。投影光学系PLの瞳面Ep上での検出光の強度
分布は回転板23の絞りの形状とパターン板20のパタ
ーンで決まる。回転板8に設けられた絞り(図2、絞り
32〜絞り37)とほぼ一致する絞りが回転板23に設
けられており、回転板23を回転することより絞り形状
を切り換え可能としている。また、パターン板20のパ
ターンも種々のパターンルールのものが用意されてお
り、これらは選択可能である。任意のパターンを選択す
るための構成は例えばパターン板20上に設けられた複
数のパターンを所望のパターンルールのものにレボルバ
等で切り換え可能な構成とすればよい。パターン板20
のパターンはレチクルのパターンルールと同じものが望
ましいが、実際にはレチクルのパターンルールは沢山あ
り、また1つのレチクルに種々のパターンルールのもの
が混在している場合もある。従って、本実施例ではレチ
クルのパターンルールの代表的なものを幾つかパターン
板20に設けられておき、これらを切り換え可能として
いる。またパターン板20には位相シフトレチクルに対
応するために、位相シフトレチクルの代表的なパターン
ルールの幾つかを位相シフトパターンで設けている。
【0035】そして測定した照明光照明光の強度分布と
もっとも近い検出光の強度分布を瞳面Ep上に形成でき
るようなパターン板20のパターンと回転板23の絞り
との組み合わせを選択すればよい。これらの組み合わせ
の選択はレチクルのパターン情報と照明条件が分かれば
おおよその予測はつく。しかしながら、照明光の強度分
布とできるだけ一致する検出光の強度分布を得るための
最適条件(パターン板20のパターンと回転板23の絞
りとの最適な組み合わせ)を選択するためには、パター
ン板20のパターンと回転板23の絞りとの組み合わせ
による瞳面Ep上での検出光の強度分布を予め求めてお
き、この検出光の強度分布と照明光の強度分布がほぼ一
致するような組み合わせを選択する必要がある。そこ
で、パターン板20のパターンと回転板23の絞りに対
応した検出光の強度分布をコンローラ28に記憶させて
おく。このとき、検出光の強度分布はパターン板20の
パターンは既知であるから計算上求めてもよく、また測
定するようにしてもよい。検出光は照明光と逆向きであ
るから同じ測定方法を用いて検出光の強度分布を求める
ことができる。ただし、絞り、遮光部を用いる方式はレ
チクルのパターンに遮ぎられ、レチクルより上方(ラン
プ側)で受光できない場合があるので、2次元光電セン
サを用いる方式がよいと考える。つまり上記の瞳面Ep
に出し入れ可能な2次元光量センサの表裏に光電センサ
を設ければよい。このように、予め各種の検出系の絞り
(回転板23の絞り)とパターン板20のパターンとに
おける検出光の瞳面Epでの強度分布をサンプリングし
てコントローラ28に記憶させておき、照明光の瞳面E
pでの強度分布と最も近い絞りとパターン板20のパタ
ーンを選択するようにしてもよい。パターン板20のパ
ターンは代表的なパターンルールのものを用意すること
としたが、さらにパターン板20のパターンも種々のレ
チクルパターンやレチクルの種類に対応できるようにさ
らに形状を増やしてもよい。また、照明条件やレチクル
パターンで決まる瞳面Ep上での照明光の強度分布、あ
るいは位相シフトレチクルで決まる瞳面Ep上での照明
光の強度分布の代表的なものをいくつか計測しておき、
この計測された強度分布とほぼ等しい検出光の強度分布
を形成できるパターン板20と回転板23の絞りとを用
意しておいてもよい。尚、瞳面Ep上での照明光の強度
分布の実測値に基づいて、この照明光の強度分布の実測
値により近い検出光の強度分布を形成するための絞りを
作成して、この絞りを回転板23に設けるようにしても
よい。液晶等で絞りを形成すれば任意の形状を作り出す
ことができる。同様に、瞳面Ep上での照明光の強度分
布の実測値に基づいて、この照明光の強度分布の実測値
により近い検出光の強度分布を形成するためのパターン
板20のパターンを作成して、このパターンをパターン
板20に設けるようにしてもよい。パターン板20を液
晶等で形成すれば、任意のパターンを作り出すことがで
きる。これらの場合、回転板23の絞りとパターン板2
0のパターンとのどちらか一方により検出光の強度分布
を調整して、照明光の強度分布と検出光の強度分布とを
ほぼ一致させるようにしてもよい。
【0036】次に露光動作シーケンスを説明する。ま
ず、照明光学系の絞りの変更(回転板8)もしくはレチ
クルRの変更があった場合、あるいは同一レチクルであ
っても可変ブラインド10により露光エリアを変更した
場合には、前記の方法により瞳面Ep上の照明光強度分
布の測定を行う。
【0037】次に、上記の測定結果に基き、焦点位置検
出系の検出光の瞳面Epでの強度分布が照明光の強度分
布とできるだけ一致するように、回転板23とパターン
板20とを回転させて回転板23の検出系の絞りとパタ
ーン板20のパターンを選択する。ここで前記の一致度
が基準を満たさない場合警告等で使用者に知らせること
も考えられる。この時の照明光の強度分布を表示して、
それに対応する絞りを後で作成して使う方法も考えられ
る。
【0038】以上により、焦点検出系の強度分布が照明
光とほぼ一致するため、照明条件の差によって発生する
焦点位置ずれや像歪み等が補正できる。この時、露光を
行ないたいエリアに複数のパターンルールに基くパター
ンが存在する時、つまり、線幅、形状、あるいは位相シ
フターの有無等に差があるパターンを同時に露光する場
合には、可変ブラインド10の形状をモータ40により
駆動して可変とし、最も精度よく焦点を合せたいパター
ンを選択する。そしてこの選択されたパターンを照明し
た照明光の強度分布を測定し、測定した照明光の強度分
布と焦点位置検出系の検出光の強度分布がほぼ一致する
ように回転板23の絞りとパターン板20のパターンと
を選択すれば、最も精度よく焦点を合わせたいパターン
に焦点が合うように焦点位置を検出できるため、より正
確な焦点合せが可能となる。あるいはパターンにより焦
点深度が異なる場合、例えば位相シフターの有るパター
ンと位相シフターの無いパターンとが混在し、位相シフ
ターの有るパターンのみ焦点深度が増大する場合、位相
シフターの無いパターンに対応するウエハ領域に焦点合
わせの重みをつけて複数のパターンのバランスをとるよ
うにしてもよい。
【0039】また、焦点位置は露光動作を続けるに従い
ずれていく。このような焦点変動に対応するために前述
の如く特開昭60−78454号公報等に開示された技
術では焦点位置を予測計算して焦点位置補正を行ってい
る。位相シフトレチクルを使用する場合、回折光の出方
が不明のため予測計算が難しく実際の焦点位置変化に対
しずれが発生する。このため焦点位置検出系により焦点
位置を計測することにより上記ずれを補正していく必要
がある。予測のタイミングは精度と生産性のかね合いで
決まるが例えば10分毎、あるいは予測計算による焦点
位置変化が0.1μm発生する毎等で決めることができ
る。照明系の絞りの変更、あるいはレチクルを交換(例
えば位相シフトレチクルから通常レチクルへの交換)し
た場合、前記の予測計算のみでは不都合が生じる。ここ
で予測計算とは前もって実験あるいはシミュレーション
で投影光学系に入射するエネルギーに対する結像特性
(焦点位置、倍率等)の変化特性を求め、その変化特性
を数式、あるいはテーブル等の形で記憶しておき、実際
の露光時に投影光学系に入射するエネルギー量より逐次
結像性変化を計算するものである。照明系の絞り、ある
いはレチクルの種類が異なると、この変化特性が異なる
ため、別々の計算パラメータを用意して交換しながら使
用することとなる。この様な場合、照明系の絞りの変更
(あるいはレチクルの交換)前の条件での焦点位置の変
化特性と変更(あるいは交換)後の条件での焦点位置の
変化特性が混合することで両者の変化特性が同時に存在
することになり、いずれの変化特性を用いてもこの混合
状態の予測計算ができないという不都合がある。
【0040】しかしながら、実露光時とほぼ一致した検
出光の強度分布で焦点位置を実測すれば、上記のような
予測計算による不都合はない。従って、例えば前条件の
影響がなくなるまで次の条件での露光を停止するといっ
た方法をとる必要がなくなってくる。次に本発明の第二
の実施例について説明を行う。第二実施例の基本構成は
第一実施例とほぼ同じであるため構成の説明は省略す
る。第二実施例は第一の実施例が焦点位置検出系の検出
光の瞳面Epにおける強度分布で照明光に一致させるも
のであったが、第二実施例は、検出光の瞳面Epにおけ
る強度分布は一定であるが、照明光の強度分布測定値に
基き、検出光の強度分布と異なる量を演算により求め、
焦点位置検出系の検出結果を補正する方法である。この
ため装置の構成は図1において回転板23、駆動モータ
23a、がなく、さらにパターン板20のパターンも1
つでよい場合を考えればよく、装置の構成はより簡単と
なり、すでに生産された装置への適用も可能である。
【0041】上記の様に本実施例においては瞳面Epの
照明光の強度分布に対して焦点位置検出系による測定値
と実露光の焦点位置との差分を求める必要がある。これ
を計算する方法の一例を示す。図8は、投影光学系PL
の収差条件が像中心に対して点対称、すなわち瞳面Ep
半径との関数で表せるとした場合、ある半径を通過した
光線の焦点位置が所定の焦点位置(所定の照明条件、パ
ターン板20のパターンでの焦点位置検出系の測定値)
に対してどれくらいずれるか示したものである。図8で
縦軸はずれ量を示し、横軸は瞳面Epでの光軸AXを中
心とした半径を示している。図8のデータは実験あるい
はシミュレーションで求めることができる。
【0042】第1実施例で示した方法と同様の方法によ
り、照明光の瞳面Epでの半径方向強度分布を計測する
(図7(b))。計測した照明光の半径方向の強度分布
(図7(b))と瞳面Epの半径方向の位置に対するず
れ量(図8)とを乗算すれば計測した照明光の強度分布
での焦点位置ずれ量を求めることができる。すなわち、
瞳面Epの半径方向の位置に対するずれ量のグラフ(図
8)に重みをつけて半径方向に積算し、この結果の平均
値的ずれ量が計測した照明光の強度分布での焦点位置と
焦点位置検出系の測定結果とのずれ量となる。本実施例
では焦点位置検出系の条件(照明条件、パターン板20
のパターン)は固定なので、このずれ量を焦点位置検出
系の検出値にオフッセトとして加えれば、照明光の強度
分布と検出光の強度分布との不一致分による結像特性の
変化分を補正することができる。
【0043】また、上記の積算が成り立ない場合、ある
いは図8のグラフを求めるのが困難な場合には、いくつ
かの曲型的な瞳面強度分布に対して焦点位置検出系の検
出結果と実露光の焦点位置との差分を記憶しておき、最
も一致するものを選ぶか、似たものから補間する方法が
考えられる。この場合も一致度を定量的に表わし、一致
度がどの記憶された瞳強度分布のどの分布とも一致しな
い時警告を出す等の方法が考えられる。
【0044】上記までの説明は投影光学系PLの照明光
吸収がない場合であるが、実際には吸収による焦点位置
変化があるため複雑になる。つまり上記の差分が照射条
件や時間とともに刻々と変化していく。このため従来技
術の焦点位置変化の予測計算と同様に、照射量とシャッ
タのオープン、クローズのタイミングより差分の変化を
刻々と計算していく必要がある。つまり上記で説明した
ように、入射エネルギーに対する焦点位置検出系の検出
結果と実露光の焦点位置との差分をそれぞれの瞳強度分
布に対して予め求めておき、瞳強度分布に応じた計算パ
ラメータによる入射エネルギーに対する焦点位置検出系
の検出結果と実露光の焦点位置との差分の変化を逐次計
算していく。
【0045】上記の様に曲型的な分布に対して差分の変
化特性をあらかじめ記憶しておき、計算する方法が考え
られる。この方法の場合、第一の実施例で説明したよう
な前条件での照射の影響が残る場合計算に誤差が発生す
るし、露光エリア中一部のパターンのみの瞳面分布に合
せるといった計算ができないという欠点があるが、簡単
な構成で上記問題点を解決する方法である。上記の欠点
に対しては、例えば図8の曲線のような照射による変化
を演算等によりもとめることにより対応できる。
【0046】本発明は、図1の構成に限らず焦点位置検
出系の他の方法も考えられ、また、焦点位置検出に限ら
ず焦点位置検出を露光エリア内の後数点で行うことによ
り像面湾曲の測定、あるいは焦点位置測定の線幅を変化
させ球面収差の測定、測定のパターンの方向により非点
収差の測定も可能である。また、倍率、ディストーショ
ン等の測定も可能である。そして特開昭60−7841
6号公報に開示されているような投影光学系のレンズエ
レメント間の圧力を調整して結像特性を可変とする構成
や特開平4−134813号公報に開示されているよう
に投影光学系のレンズエレメントを移動または傾斜させ
ることにより結像特性を可変とする構成を図1の装置に
付加することにより、倍率、ディストーション等の補正
も可能である。
【0047】また、検出系の検出光が照明光と異なる場
合でも本発明は有効である。その一例として、例えば特
開平1−273318号公報に開示してある焦点位置検
出系にも応用できる。
【0048】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、露光光線の
投影光学系の瞳面の強度分布を測定し、結像特性検出手
段の検出光の瞳面の強度分布をほぼ一致させることによ
り、結像特性を良好に検出できるという効果がある。ま
た、本発明の別の態様によれば、露光光線の投影光学系
の瞳面の強度分布を測定し、結像特性検出手段の検出光
の瞳面の強度分布との差異より発生する結像特性の検出
誤差を演算により補正を行うため結像特性を良好に検出
できるという効果がある。つまり、光線経路の不一致分
を補正するため、光線経路の相異による結像特性検出誤
差は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の第一の実施例の全
体の構成を示す構成図である。
【図2】図1の実施例の回転板8(可変絞り)の平面図
である。
【図3】図1の実施例の焦点位置検出系のパターン板の
平面図、及び検出信号を示す波形図である。
【図4】図1の実施例の焦点位置検出系の原理説明図で
ある。
【図5】レチクルによる回折光の発生及び投影光学系の
瞳面での光強度分布の相異を説明する説明図である。
【図6】レチクル及び照明条件の相異による回折光の発
生を説明する説明図である。
【図7】可変絞りを用いて投影光学系の瞳面強度分布を
測定する方法を説明する説明図である。
【図8】演算により焦点位置検出系の検出誤差を補正す
る方法の説明図である。
【符号の説明】
1 水銀ランプ 8 回転板(可変絞り) R レチクル PL 投影光学系 W ウェハ 18 可変絞り 19 光電センサ 20 パターン板 23 回転板(可変絞り) 27 光電センサ 28 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 9/00 H 7316−2H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスク上のパターンを第1照明光で照明す
    る照明光学系と、前記マスクのパターンの前記第1照明
    光のもとでの像をステージ上に載置した基板上に投影露
    光する投影光学系とを有する投影露光装置において、 前記ステージ上に設けられた基準面に形成された開口パ
    ターンを介して前記マスクに検出用の第2照明光を導
    き、前記投影光学系を介して前記マスクで反射された該
    第2照明光を前記開口パターンを介して受光することに
    より前記投影光学系の結像特性を検出する結像特性検出
    手段と;前記投影光学系の瞳面における前記マスクを通
    過した前記第1照明光の強度分布を測定する瞳面強度分
    布測定手段と;前記瞳面強度分布測定手段の結果に基づ
    き、前記第2照明光の前記投影光学系の瞳面強度分布を
    設定する照度分布設定手段とを有することを特徴とする
    投影露光装置。
  2. 【請求項2】マスク上のパターンを第1照明光で照明す
    る照明光学系と、前記マスクのパターンの前記第1照明
    光のもとでの像をステージ上に載置した基板上に投影露
    光する投影光学系とを有する投影露光装置において、 前記ステージ上に設けられた基準面に形成された開口パ
    ターンを介して前記マスクに検出用の第2照明光を導
    き、前記投影光学系を介して前記マスクで反射された該
    第2照明光を前記開口パターンを介して受光することに
    より前記投影光学系の結像特性を検出する結像特性検出
    手段と;前記投影光学系の瞳面における前記マスクを通
    過した前記第1照明光の強度分布を測定する瞳面強度分
    布測定手段と;前記瞳面強度分布測定手段の結果に基づ
    き、前記結像特性検出手段の検出結果を補正する補正手
    段とを有することを特徴とする投影露光装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005116577A1 (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Nikon Corporation 結像光学系の調整方法、結像装置、位置ずれ検出装置、マ-ク識別装置及びエッジ位置検出装置
JP2007534166A (ja) * 2004-04-14 2007-11-22 ライテル・インストルメンツ 射出瞳透過率を計測する方法および装置
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CN116940831A (zh) * 2021-03-24 2023-10-24 科磊股份有限公司 用于多光束阵列配置的成形光圈组

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