JPH06264393A - 天蚕絹の不織布及び天蚕絹入り手漉和紙 - Google Patents
天蚕絹の不織布及び天蚕絹入り手漉和紙Info
- Publication number
- JPH06264393A JPH06264393A JP5049415A JP4941593A JPH06264393A JP H06264393 A JPH06264393 A JP H06264393A JP 5049415 A JP5049415 A JP 5049415A JP 4941593 A JP4941593 A JP 4941593A JP H06264393 A JPH06264393 A JP H06264393A
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- JP
- Japan
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- silkworm
- fiber
- fibers
- japanese paper
- silk
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 この発明は、「繊維のダイヤモンド」と呼ば
れているヤママユガのマユから取った繊維(天蚕)を、
糸とは異なる製品を製造する事により、より広範な利用
価値を生もうとするものである。 【構成】 原料のヤママユガの繭またはクズ繊維を天然
の色彩、光沢のまま手漉和紙の素材に仕上げるために、
50度C〜60度Cの海面活性剤2%水溶液を使う。ま
た、伝統の手漉和紙技法を使って不織布を製造する。靱
皮素材と混合して天蚕入り手漉和紙を製造する。
れているヤママユガのマユから取った繊維(天蚕)を、
糸とは異なる製品を製造する事により、より広範な利用
価値を生もうとするものである。 【構成】 原料のヤママユガの繭またはクズ繊維を天然
の色彩、光沢のまま手漉和紙の素材に仕上げるために、
50度C〜60度Cの海面活性剤2%水溶液を使う。ま
た、伝統の手漉和紙技法を使って不織布を製造する。靱
皮素材と混合して天蚕入り手漉和紙を製造する。
Description
【001】
【産業上の利用分野】この発明は、「繊維のダイヤモン
ド」と呼ばれているヤママユガのマユから取った繊維
(天蚕)を、糸とは異なる製品を製造する事により、よ
り広範な利用価値を生もうとするものである。不織布は
工芸品として、あるいは装飾価値を高めるものとして各
種産業での活用が期待できる。
ド」と呼ばれているヤママユガのマユから取った繊維
(天蚕)を、糸とは異なる製品を製造する事により、よ
り広範な利用価値を生もうとするものである。不織布は
工芸品として、あるいは装飾価値を高めるものとして各
種産業での活用が期待できる。
【002】また、天蚕を植物性繊維と混合する事により
美しくて光沢のある和紙ができあがり、混入割合によっ
ていろいろな用途が考えられる。
美しくて光沢のある和紙ができあがり、混入割合によっ
ていろいろな用途が考えられる。
【003】天蚕の生産はようやく軌道に乗ろうとしてい
るところであり、糸以外の用途は全くない。従ってすべ
てが新しい技術である。
るところであり、糸以外の用途は全くない。従ってすべ
てが新しい技術である。
【004】伝統技術である手漉和紙の製造方法は ミ
ツマタ、コウゾ、ガンピなどの繊維を一晩、水に漬ける
沸騰した可性ソーダ溶液(20%)の中にいれ3時
間ほど煮る 釜出しした後、一晩、可性ソーダのアク
抜きをする アク抜きした繊維を水槽の中にいれ、一
晩、サラシ粉で漂白する 4〜5時間かけてサラシ粉
の成分を抜く ビーダに約20分かけて繊維を細かく
する 細かくした繊維を漉舟にいれ、トロロアオイを
いれて攪拌する 漉き枠で漉く 漉いたものを一昼
夜脱水する (10)鉄板に張り付け、加熱乾燥して仕上げ
る−という工程を経る。
ツマタ、コウゾ、ガンピなどの繊維を一晩、水に漬ける
沸騰した可性ソーダ溶液(20%)の中にいれ3時
間ほど煮る 釜出しした後、一晩、可性ソーダのアク
抜きをする アク抜きした繊維を水槽の中にいれ、一
晩、サラシ粉で漂白する 4〜5時間かけてサラシ粉
の成分を抜く ビーダに約20分かけて繊維を細かく
する 細かくした繊維を漉舟にいれ、トロロアオイを
いれて攪拌する 漉き枠で漉く 漉いたものを一昼
夜脱水する (10)鉄板に張り付け、加熱乾燥して仕上げ
る−という工程を経る。
【005】
【発明が解決しようとする課題】天蚕の織布は古来よ
り、山の民が深山に生息するヤママユガの繭を採捕して
糸を紡ぎ、布を織っていただけで、産業としてはどうし
ても成功しなかった。この度、鳥取県八頭郡佐治村でよ
うやく天蚕の生糸生産産業化にめどが立った。この生糸
生産の段階でくず糸が出てくる。このくず糸を捨てる事
なく活用できないだろうか、というのが課題である。
り、山の民が深山に生息するヤママユガの繭を採捕して
糸を紡ぎ、布を織っていただけで、産業としてはどうし
ても成功しなかった。この度、鳥取県八頭郡佐治村でよ
うやく天蚕の生糸生産産業化にめどが立った。この生糸
生産の段階でくず糸が出てくる。このくず糸を捨てる事
なく活用できないだろうか、というのが課題である。
【006】そこで、当地方の伝統産業である手漉和紙の
技法を使って天蚕繊維の不織布及び天蚕繊維入りの和紙
づくりに挑戦したのである。手漉和紙の素材としてみた
とき、動物性の油をどうして抜くか 天蚕繊維の美
しい光沢と黄緑色の優雅な色彩を損なわないようにする
にはどうすればよいか−、この二点が大きな課題となっ
た。
技法を使って天蚕繊維の不織布及び天蚕繊維入りの和紙
づくりに挑戦したのである。手漉和紙の素材としてみた
とき、動物性の油をどうして抜くか 天蚕繊維の美
しい光沢と黄緑色の優雅な色彩を損なわないようにする
にはどうすればよいか−、この二点が大きな課題となっ
た。
【007】
【課題を解決する手段】50度C〜60度Cの湯に海
綿活性剤を入れ、2%水溶液を作る 天蚕の繊維をこ
の水溶液に5分間漬ける この後清水で約4時間洗い
流す(化学物質を取り除く) 板木の上に置き丸棒で
たたき繊維を細かく且つ均一化する 水槽に入れ団子
状になった繊維を伸ばす。以上の工程を経て手漉きの素
材に仕上げる。
綿活性剤を入れ、2%水溶液を作る 天蚕の繊維をこ
の水溶液に5分間漬ける この後清水で約4時間洗い
流す(化学物質を取り除く) 板木の上に置き丸棒で
たたき繊維を細かく且つ均一化する 水槽に入れ団子
状になった繊維を伸ばす。以上の工程を経て手漉きの素
材に仕上げる。
【008】前項の〜までの工程により油抜きと天然
の色彩・光沢を失わないように出来る。
の色彩・光沢を失わないように出来る。
【009】007項でできた素材は、この後、漉舟にい
れ、手漉和紙と全く同じ工程で不織布になる。
れ、手漉和紙と全く同じ工程で不織布になる。
【010】漉舟の中に天蚕の素材と和紙の素材を入れ、
トロロアオイ等で混ぜて攪拌、漉き上げれば天蚕入りの
和紙が出来る。混入割合も自由に出来るので用途、目的
に合わせた商品を作る事が出来る。
トロロアオイ等で混ぜて攪拌、漉き上げれば天蚕入りの
和紙が出来る。混入割合も自由に出来るので用途、目的
に合わせた商品を作る事が出来る。
【011】
【実施例】天蚕の屑糸を海綿活性剤2%溶液(50度C
〜60度C)に約5分間漬けた後清水で約4時間洗い流
す。海綿活性剤を使うことによって動物性油分を取り除
くと同時に天蚕絹の色彩光沢を活かす事が出来る。ま
た、清水で洗い流すのは化学物質を取り除くためであ
る。
〜60度C)に約5分間漬けた後清水で約4時間洗い流
す。海綿活性剤を使うことによって動物性油分を取り除
くと同時に天蚕絹の色彩光沢を活かす事が出来る。ま
た、清水で洗い流すのは化学物質を取り除くためであ
る。
【012】屑糸のままでは長くて粗いので、板木の上で
丸棒でたたいて均一化と短小化をはかる。
丸棒でたたいて均一化と短小化をはかる。
【013】叩かれた屑糸は団子状になっているので水槽
の中にいれて伸ばし、広げる。
の中にいれて伸ばし、広げる。
【014】繊維を均一化し接着するため、屑糸を清水を
張った漉舟の中にいれ、トロロアオイ(糊)を加えてよ
く攪拌する。ここで和紙の原料である植物性繊維と混合
させると天蚕繊維入りの和紙が出来る(天蚕繊維から動
物性油分が抜けているので簡単に絡み合う)。
張った漉舟の中にいれ、トロロアオイ(糊)を加えてよ
く攪拌する。ここで和紙の原料である植物性繊維と混合
させると天蚕繊維入りの和紙が出来る(天蚕繊維から動
物性油分が抜けているので簡単に絡み合う)。
【015】漉枠を使って漉き上げたものを徐々に重量を
かけていき、一昼夜脱水する。
かけていき、一昼夜脱水する。
【016】さらに50度Cに加熱した鉄板に貼り付けて
乾燥すると出来上がりである。
乾燥すると出来上がりである。
【017】
【発明の効果】ヤママユガの繭からとれる絹糸は古来か
ら知られているが、幼虫の飼育が困難で、自然の中でし
か繭をとることができなかった。近年、研究が進み産業
化の目途が立ったとはいえ、幼虫の餌となる木をネット
でかぶせるなど自然の中での飼育であり、まだまだ克服
しなければならない課題は多い。また、糸を紡ぐことも
家蚕の技術だけでは難しく、技術を持った人が少ない現
状では、糸屑をさらに手で紡ぐより、別の利用方法を研
究したほうが貴重な「天蚕繊維」を生かすことになる。
不織布として、あるいは和紙として製品化していくこと
は、天蚕の利用範囲をより大きくすることであり、装飾
品、貴重品等、今後いろいろな分野で活用が期待され
る。
ら知られているが、幼虫の飼育が困難で、自然の中でし
か繭をとることができなかった。近年、研究が進み産業
化の目途が立ったとはいえ、幼虫の餌となる木をネット
でかぶせるなど自然の中での飼育であり、まだまだ克服
しなければならない課題は多い。また、糸を紡ぐことも
家蚕の技術だけでは難しく、技術を持った人が少ない現
状では、糸屑をさらに手で紡ぐより、別の利用方法を研
究したほうが貴重な「天蚕繊維」を生かすことになる。
不織布として、あるいは和紙として製品化していくこと
は、天蚕の利用範囲をより大きくすることであり、装飾
品、貴重品等、今後いろいろな分野で活用が期待され
る。
Claims (8)
- 【請求項1】天蚕絹の不織布
- 【請求項2】古来からの伝統産業「手漉和紙」の技法を
用いて天蚕絹(山繭蛾の繭から取る繊維)の不織布を作
る方法 - 【請求項3】動物性繊維である天蚕の繊維には動物性の
油があり腐食等変質し易いので油抜きせねばならない。
この油抜きに海綿活性剤(カチオンまたはアニオンでも
よい)の水溶液を使うこと。 - 【請求項4】天蚕の繊維は家蚕の繭から取る繊維と違
い、気品のある黄緑色で光沢がある。この天然の美しい
色と光沢をそのまま出すための工程(50度C〜60度
Cくらいの海綿活性剤2%水溶液に約5分間漬け、その
後清水で約4時間洗い流す)。 - 【請求項5】天蚕の繊維は家蚕の繊維と異なり偏平で太
く、不均整である。また強度も伸度も約2.5倍あり、
さらに膠質を有しており、虫がほとんどつかない。こう
した特質のため繊維を細かく均一にするにはビーダ(機
械)では出来ない。そこで素朴な「板木の上に素材を置
き丸棒でたたく」方法を用いること。 - 【請求項6】細かくした繊維(団子状になっている)は
水槽の中で伸ばして手漉き前の素材が出来あがる。この
天蚕の素材を伝統の手漉和紙の技法を用いて天蚕の不織
布を製造すること。 - 【請求項7】天蚕繊維入り手漉和紙
- 【請求項8】天蚕の素材と楮、ミツマタ、ガンピ等の和
紙の素材とを漉き船の中で混ぜ合わせ、伝統の手漉和紙
の技法を用いて天蚕繊維入り手漉和紙を製造すること。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5049415A JPH06264393A (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 天蚕絹の不織布及び天蚕絹入り手漉和紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5049415A JPH06264393A (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 天蚕絹の不織布及び天蚕絹入り手漉和紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264393A true JPH06264393A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12830441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5049415A Pending JPH06264393A (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 天蚕絹の不織布及び天蚕絹入り手漉和紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06264393A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20050064089A (ko) * | 2003-12-23 | 2005-06-29 | 주식회사 예당이십일 | 난연성 부직포 제조방법 |
JP2006070404A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Hour Seishi Kk | 繭片入りシートの製造方法 |
KR100667515B1 (ko) * | 2005-04-13 | 2007-01-11 | 이견부직포 유한회사 | 견부직포 제조방법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0450394A (ja) * | 1990-06-18 | 1992-02-19 | Miki Tokushu Seishi Kk | 製紙用絹パルプ及び絹原紙とその製造方法 |
JPH06184809A (ja) * | 1992-08-07 | 1994-07-05 | Tadashi Saito | 蚕を原料とする不織布又は糸の製造方法 |
-
1993
- 1993-03-10 JP JP5049415A patent/JPH06264393A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0450394A (ja) * | 1990-06-18 | 1992-02-19 | Miki Tokushu Seishi Kk | 製紙用絹パルプ及び絹原紙とその製造方法 |
JPH06184809A (ja) * | 1992-08-07 | 1994-07-05 | Tadashi Saito | 蚕を原料とする不織布又は糸の製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20050064089A (ko) * | 2003-12-23 | 2005-06-29 | 주식회사 예당이십일 | 난연성 부직포 제조방법 |
JP2006070404A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Hour Seishi Kk | 繭片入りシートの製造方法 |
KR100667515B1 (ko) * | 2005-04-13 | 2007-01-11 | 이견부직포 유한회사 | 견부직포 제조방법 |
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