JPH06264239A - 反応性スパッタリング装置 - Google Patents
反応性スパッタリング装置Info
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- JPH06264239A JPH06264239A JP7617293A JP7617293A JPH06264239A JP H06264239 A JPH06264239 A JP H06264239A JP 7617293 A JP7617293 A JP 7617293A JP 7617293 A JP7617293 A JP 7617293A JP H06264239 A JPH06264239 A JP H06264239A
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Abstract
の実行中に、放電状態をモニターすることで膜が正常で
あるか異常であるかを判定し、異常と判定したときに
は、調整制御を行って正常状態に戻す。 【構成】 Ti等のターゲット3を備えた成膜処理室1
に放電ガスと活性ガスが導入される構成6,7 を有する反
応性スパッタリング装置であり、さらに成膜プロセス中
のプラズマ放電の電気的特性を検出する検出器8,9 と、
予め用意された基準データ13と検出器で検出された検出
データを比較し、正常放電(TiN放電)であるかまた
は異常放電であるかを判定する比較判定器10と、この比
較判定器で放電が異常であると判定されたとき電気的特
性が正常状態になるように活性ガスの導入量を制御する
制御信号を生成する制御装置11を備える。検出器は放電
電圧検出器9と放電電流検出器8である。またプラズマ
放電の発光状態をモニターし、放電ガスおよび活性ガス
の発光スペクトルの強度を調べることによって放電の正
常・異常を判定するように構成することもできる。
Description
置に関し、特に真空中で基板上に薄膜を形成する反応性
スパッタリング装置の改良に関する。
ング装置では、真空状態にある成膜処理室に放電ガス
(Ar)と活性ガス(例えばN2 )を導入し、そしてプ
ラズマ放電を起し、ターゲットに対してスパッタリング
行って基板上に金属化合物薄膜を形成する。従来の反応
性スパッタリング装置において、例えば窒化膜(Ti
N)を形成する従来のプロセスでは、導入するN2 (窒
素)ガスの量に依存するTi(チタン)ターゲットの窒
化具合により正常な窒化膜ができない場合があった。こ
のような場合であっても、従来のスパッタリング装置の
構成では、成膜プロセス中に、形成される窒化膜が正常
であるか異常であるかについて判定することができなか
った。そこで従来のスパッタリング装置では、基板の枚
数が例えば50〜100枚であるロット処理が終了した
後に、作製された基板の色に基づいて膜の正常、異常を
判定するようにしていた。例えば、正常な膜(TiN)
ではブラウン乃至ゴールドの色を有し、異常な膜(T
i)では金属色を有するので、正常または異常を判定す
ることができる。
リング装置では、製作された膜の正常・異常は成膜プロ
セスの終了後にしか判定できず、そのため、判定が遅れ
ることになり、膨大な損失が発生するという不具合を有
していた。
プロセスの実行中に膜が正常であるか異常であるかを判
定し、異常であると判定されたときには、調整制御を行
って正常状態に戻すようにした反応性スパッタリング装
置を提供することにある。
ッタリング装置は、次のように構成される。
と活性ガスが導入される反応性スパッタリング装置にお
いて、成膜プロセス中のプラズマ放電の電気的特性を検
出する検出器と、検出器で検出されたデータと予め用意
された基準データを比較し放電が正常であるかまたは異
常であるかを判定する比較判定器と、この比較判定器で
放電が異常であると判定されたとき活性ガスの導入量を
制御する制御信号を生成する制御装置と、制御信号を受
けて活性ガスの流量を調整する流量調整器を備えるよう
に構成される。
出器には、放電電圧検出器と放電電流検出器のうち少な
くともいずれか一方が使用される。
ロセス中のプラズマ放電の発光状態を検出する光検出手
段と、光検出手段の出力信号から得られる特定波長の発
光強度信号に基づき放電が正常であるかまたは異常であ
るかを判定する比較判定器と、この比較判定器で放電が
異常であると判定されたとき活性ガスの導入量を制御す
る制御信号を生成する制御装置と、制御信号を受けて活
性ガスの流量を調整する流量調整器を備えるように構成
される。
手段は、光電変換器と活性ガスの波長に対応する信号成
分のみを取り出すフィルタとから構成される。
手段は、プラズマ放電の発する光を2つのルートに分け
る光分離器と、第1のルートで放電ガスの波長に対応す
る光成分のみを取り出す第1光学フィルタと、この第1
光学フィルタの光出力を電気信号に変換する第1光電変
換器と、第2のルートで活性ガスの波長に対応する光成
分のみを取り出す第2光学フィルタと、この第2光学フ
ィルタの光出力を電気信号に変換する第2光電変換器と
からなり、また比較判定手段は、第1光電変換器と第2
光電変換器の各出力信号の比の値に基づき放電が正常で
あるかまたは異常であるかを判定するように構成され
る。
ットはTiであり、かつ活性ガスはN2 ガスであり、正
常放電はTiN放電の条件を満足する放電である。
電は活性ガスであるN2 ガスの不足によって発生するも
のであり、異常放電が発生したときに制御装置が生成す
る制御信号はN2 ガス導入量を増加させるための制御信
号である。
では、スパッタリング放電が発生して基板に薄膜を形成
している最中に放電状態の電気的特性をモニターし、こ
の電気的特性に基づいて正常放電であるか異常放電であ
るかを判定する。当該電気的特性は、もっとも望ましく
は放電電圧と放電電流との関係である。例えば、ターゲ
ットにTiを使用し、活性ガスとしてN2 ガスを導入し
て基板に窒化膜を堆積させる反応性スパッタリング成膜
の場合は、正常放電のときにはTiN放電が生じ、異常
放電のときにTi放電に近い放電が生じる。TiN放電
にはこれに対応する固有の放電電圧・放電電流特性が存
在し、Ti放電にはこれに対応する固有の放電電圧・放
電電流特性が存在する。従って、例えば放電電圧検出器
と放電電流検出器を設けることにより放電電圧と放電電
流の組を電気的特性として検出し、比較判定器で放電電
圧値と放電電流値の関係を調べれば、正常放電であるか
異常放電であるかを判定することができる。異常放電が
発生する原因は、活性ガス(例えばN2 ガス)の導入量
が不足していることにあるので、制御装置で反応ガスの
導入量を増加させるための制御信号を生成し、この制御
信号で反応ガス流量制御器を制御して活性ガスを増加さ
せるように調整を行う。このようにフィードバック制御
を適用することにより、成膜プロセスの最中に放電状態
をモニターし、放電が異常になったとしても正常状態に
戻すことが可能となる。
放電電圧特性および放電電流特性のそれぞれを独立に利
用して同様なフィードバック制御機構を形成して、プラ
ズマ放電の正常・異常を判定し、異常の際には正常に戻
す制御を行うようにすることもできる。
装置では、スパッタリング放電が発生して基板に薄膜を
形成している最中にプラズマ放電の発光状態をモニター
し、この発光状態に基づいて正常放電であるか異常放電
であるかを判定する。正常放電の発光では、放電ガスお
よび活性ガスが適量に供給されているので、発光スペク
トル上で放電ガスおよび活性ガスの各波長に対応する発
光強度が所定の強度で得られる。これに対して異常放電
の発光では、活性ガスの供給量が不足するので、活性ガ
スの波長に対応する発光強度が小さくなる。そこで、活
性ガスの波長に対応する発光強度を取り出して調べるこ
とにより、または活性ガスの波長に対応する発光強度お
よび放電ガスの波長に対応する発光強度を検出しその比
を求めることにより、正常放電または異常放電を判定す
ることが可能となる。
て説明する。
装置の第1実施例の構成を示す。図1において1は内部
が所要レベルの真空状態に保持される処理チャンバであ
り、処理チャンバ1は成膜処理室を形成する。処理チャ
ンバ1の内部には、所定位置に基板2とターゲット(例
えばTi)3が設置される。基板2は、基板支持台4の
上に配置される。基板2の側は基板支持台4を介して接
地され、他方、ターゲット3の側には電源5によって所
要の負電圧が印加される。図示例で電源5は直流電源で
ある。電源5として交流電源を使用することもできる。
真空状態にするための排気装置が備えられ、また基板2
を搬入または搬出するための基板搬送装置が備えられ
る。図1では、説明の便宜上、排気装置および基板搬送
装置の図示を省略している。
板1の間の空間には、放電ガスとしてAr(アルゴン)
ガスが導入され、活性ガスとしてN2 (窒素)ガスが導
入される。Arガスはガス源からArガス用流量制御器
6を経由して導入され、またN2 ガスはガス源からN2
ガス用流量制御器7を経由して導入される。
放電電流検出器8と放電電圧検出器9が接続される。電
源5からターゲット3に対し所要電圧を供給する給電線
において、ターゲット3と基板2の間でプラズマ放電が
発生すると、放電電流検出器8では放電電流の値が検出
され、放電電圧検出器9では放電電圧の値が検出され
る。放電電流検出器8から出力される検出信号と放電電
圧検出器9から出力される検出信号は比較判定器10に
入力される。比較判定器10で得られる比較・判定に関
する信号は差異信号として制御装置11に入力される。
制御装置11は、与えられた差異信号に基づいて、N2
ガスの導入量を調整するための制御信号を生成し、この
制御信号をN2 ガス用流量制御器7に供給してN2 ガス
の導入量を適切な量に調整する。比較判定器10におけ
る比較・判定に関する動作の内容、制御装置11および
N2 ガス用流量制御器7によるN2 ガスの導入量の制御
の内容については後述する。
は、ターゲット3の基板対向面の近傍に所定の磁界が生
成されるように磁界発生装置12が配置される。
所要レベルの真空状態に設定され、かつ処理チャンバ1
の内部に基板搬送装置によって処理対象である基板2が
搬入されることにより、基板2が基板支持台4の上にセ
ットされる。次に、処理チャンバ1内に所要量のArガ
スとN2 ガスが導入される。そしてターゲット3に電源
5から電力を供給すると、磁界発生装置12による磁界
と印加電圧による電界との相互作用に基づいてTiN放
電が発生し、ターゲット3に対しマグネトロンスパッタ
リングが行われる。これにより基板2の上に薄膜(窒化
膜)が形成される。このマグネトロンスパッタリングに
よる成膜作用において、基板2とターゲット3との間の
空間で発生するプラズマ放電に関し、放電が正常に行わ
れているか否かが重要となる。実際、N2 ガスの導入量
に応じて、放電が正常である場合にはTiN放電が生
じ、異常である場合にはTi放電に近い放電が生じる。
グ装置では、成膜プロセスが行われている時に、基板2
とターゲット3の間の放電が正常であるかまたは異常で
あるかを判定し、異常であると判定したときにはN2 ガ
スの導入量を適切に調整することにより正常の状態に戻
す制御を行う。この正常・異常の検出および判定、異常
の場合に正常状態に戻すための制御は、本実施例の場
合、放電電流検出器8、放電電圧検出器9、比較判定器
10、制御装置11、N2 ガス用流量制御器7によって
実行される。
の原理、および放電が異常であるときにこの放電を正常
に戻すための制御の原理について説明する。基板2の表
面に窒化膜(TiN)を正常に堆積させるためには、正
常放電であるTiN放電を発生させることが必要であ
る。基板2とターゲット3の間の放電を調べたところ、
現象的には、正常なTiN放電では放電インピーダンス
が高くなり、異常な放電では放電インピーダンスが低く
なって実質的にTi放電に近くなることが判明した。正
常なTiN放電で放電インピーダンスが高くなる理由
は、Tiターゲットの表面が窒化され、電子放出が行わ
れなくなるからである。また処理チャンバ内の空間にA
rとN2 の混合ガスが存在するためにArガスのみに比
べてイオン化効率が悪くなるからである。他方、異常放
電ではN2 ガスの導入量が不十分となり、窒化が不足し
た状態で発生し、Ti放電に近くなるという特性を有す
る。
電電圧・放電電流特性を示し、14は異常放電であるT
i放電の放電電圧・放電電流特性を示す。TiN放電で
は、例えば供給電力が8KWで、ガス圧力が6mTorr
(Arガス流量:N2 ガス流量=30%:70%)であ
るとき、放電電圧が約520V程度、放電電流が約14
A程度となる(点P1)。他方、異常放電であるTi放
電では、上記と同様な条件で、放電電圧が約480V程
度、放電電流が約17A程度となる(点P2)。正常放
電および異常放電におけるこれらの数値は、実験的に確
認されたものである。このように、正常放電に比較し異
常放電では、放電電圧が低下し、放電電流が上昇する。
このことは図2示す特性13と特性14の関係から明ら
かである。従って、正常放電であるTiN放電が発生し
ている場合には、放電電圧・放電電流特性13上の関係
またはこの特性に近似する関係を満足する放電電圧値と
放電電流値が検出されることになる。反対に、放電電圧
検出器9で検出される放電電圧値と放電電流検出器8で
検出される放電電流値とが、特性13上の関係またはこ
れに近似する関係を満足せず、特性14の側に近い関係
を満足するときには、異常放電であると判定することが
できる。異常放電であると判定されるときには、正常放
電と判定されるまでN2 ガス流量制御器7でN2 ガス流
量を制御し、N2 ガスの導入量を増加させる必要があ
る。
比較判定器10においては、正常放電であるTiN放電
を表す放電電圧・放電電流特性13に関する電圧・電流
関係のデータが、比較のための基準データとして用意さ
れる。比較判定器10では、放電電圧検出器9および放
電電流検出器8のそれぞれから出力される放電電圧値お
よび放電電流値を入力し、これらの放電電圧と放電電流
に係る検出データと基準データとを比較し、検出された
放電電圧値および放電電流値の関係が、正常放電を表す
基準データとの間で差異を有する場合には、異常放電が
生じていると判定する。
て、検出データ(検出された放電電圧値および放電電流
値の関係に関するデータ)と基準データとの差異に応じ
た信号を提供する。制御装置11は、当該差異信号を入
力し、この差異信号が実質的に0になるように、すなわ
ち検出データが基準データと実質的に一致するように、
N2 ガスの導入量を増加制御するための制御信号を生成
する。換言すれば、制御装置11では、異常な放電を、
N2 ガスの導入量を適切に増加させることによって、正
常放電であるTiN放電に変化させるため、N2 ガス用
流量制御器7を介してN2 ガス導入量を増加させる制御
信号を生成する。制御装置11で準備される差異信号と
制御信号とを関連づける具体的な関係は、例えば実験に
基づいて設定され、任意性を有するものである。
iN放電が発生しているときには、上記検出データと基
準データはほぼ一致しているので、比較判定器10から
差異信号は出力されない。処理チャンバ1内で成膜プロ
セス中に異常な放電(Ti放電に近い放電)が発生した
ときには、比較判定器10での比較動作に基づき異常放
電であると判定し、比較判定器10から差異信号が出力
される。制御装置11は、比較判定器10からの差異信
号を受けると、差異信号に対応する制御信号を生成し、
この制御信号をN2 ガス用流量制御器7に与え、処理チ
ャンバ1内に導入されるN2 ガスの量を増加する。例え
ばArガスが14SCCM、N2 ガスが40SCCMであるとき
には、N2 ガスが10SCCM増加されて50SCCM導入され
る。かかるフィードバック制御は、比較判定器10で放
電が正常であると判定されるまで継続される。
び制御装置11は、それぞれ、例えばマイクロコンピュ
ータを利用した機能手段として実現される。放電電流検
出器8および放電電圧検出器9の設置位置は、給電線に
限定されない。放電電圧および放電電流を検出すること
が可能であれば、任意の検出方式で、任意の箇所に配置
することが可能である。
放電電流検出器8と放電電圧検出器9のいずれか一方の
みを設け、放電電流特性または放電電圧特性のいずれか
一方を利用して構成することもできる。すなわち、例え
ば放電電流検出器8のみを設け、かつ比較判定器10を
基準電流値設定器を備えるコンパレータで構成する。コ
ンパレータの出力では、基準電流値と検出電流値との大
小関係に基づいて正常放電であるか異常放電であるかを
判定するようにする。詳しく述べると、例えば基準電流
値を15Aとし、検出電流値がこれよりも大きい状態
(例えば17A)であれば異常放電の出力(コンパレー
タの出力「1」)となり、検出電流値がこれよりも小さ
い状態(例えば14A)であれば正常放電の出力(コン
パレータの出力「0」)となるように構成する。かかる
構成の比較判定器10と放電電流検出器8を利用するこ
とによって、正常・異常を判定することができ、異常放
電であるときには制御装置11の制御機能を介して正常
放電にすることができる。
定器を備える差動増幅器で構成することもできる。この
場合には、基準電流値と検出電流値の差に対応する出力
信号を得ることができるので、当該差信号に基づいて上
記フィードバック制御を行うように構成される。
9と比較判定器10を利用して放電電圧特性を基礎に、
正常・異常の判定の上記作用を生じさせることができ
る。
置の第2実施例を説明する。この実施例では、処理チャ
ンバ1内で成膜プロセス中に生じるプラズマ発光現象を
観察することにより放電の正常・異常を判定するように
構成される。
において、図1で示した要素と実質的に同一の要素には
同一の符号を付して説明を省略する。21は光学的検出
器、22はフィルタ(波長弁別器)、23は比較判定器
である。光学的検出器21は、成膜プロセス中に発生す
るプラズマ放電24での発光状態を電気信号に変換して
検出するもので、フォトダイオードや光電子増倍管等が
使用される。フィルタ22は、光学的検出器21で検出
された発光に関する電気信号からN2 の波長に対応する
発光強度に関する信号を取り出す。
異常を判定する原理を説明する。放電が正常であると
き、すなわちTiN放電が生じているとき、発光スペク
トルにおいてArとN2 のそれぞれに対応する発光強度
が図4に示す状態で発生する。実際、ArとN2 の発光
スペクトルは複数本存在するが、説明の便宜上代表的な
ものを1本のみ示している。この発光スペクトルに関す
る分布は、正常放電の固有の特性として現れる。これに
対して放電が異常であるとき、すなわちTi放電が生じ
ているとき、Arは同じ発光強度で発光スペクトルが生
じ、N2 の発光スペクトルはその発光強度がほぼ1/3
になる。従って、成膜プロセス中に生じるプラズマ放電
24でN2 の発光スペクトルをモニターし、その発光強
度を調べれば、放電が正常であるか異常であるかを判定
することができる。なお図4において、λ1は4198
オングストローム、λ2は1.45μmである。
内で発生したプラズマ放電24から発する光を光学的検
出器21で検出すると共に、光学的検出器21の出力信
号からフィルタ22で波長λ2のN2 の発光スペクトル
に対応する電気信号を取り出すようにしている。N2 に
関する発光スペクトル信号は、発光強度を表す電圧信号
である。他方、比較判定器23は、基準値が設定された
コンパレータであり、この比較判定器23で当該基準値
とフィルタ22の出力信号との大小関係が比較される。
比較判定器23で設定された基準値は、図4に示した波
長λ2のN2 に関する発光強度が検出されたか否かを判
断するためのしきい値である。すなわちフィルタ22の
出力信号が基準値よりも大きい場合には、図4に示した
N2 に関する発光強度が検出されたとし、プラズマ放電
24の状態は正常であると判定される。反対に、フィル
タ22の出力信号が基準値よりも小さい場合には、図4
に示したN2 に関する発光強度が弱くなるかまたは存在
せず、プラズマ放電24の状態は異常であると判定され
る。フィルタ22の出力信号が基準値よりも小さい場合
にはフィルタ22の出力信号を異常検出信号として制御
装置11に供給される。制御装置11は、この異常検出
信号に基づいてN2 ガスの流量を最適に制御するための
制御信号を生成し、N2 ガス用流量制御器7に供給す
る。制御装置11によるN2 ガスの流量制御は、前述の
実施例の場合と同じである。N2 に関する発光スペクト
ルの強度が基準値よりも大きくなり、正常な発光強度に
なるまで、N2 ガスの導入量が増加される。なお比較判
定器23には、基準値が設定された差動増幅器を用いる
こともできる。
施例を説明する。この実施例では、処理チャンバ1内に
発生したプラズマ放電24の発光状態を検出する手段と
して光学的検出ユニット25が設けられる。この光学的
検出ユニット25は、プラズマ放電24からの光を2つ
のルートに分離するプリズム26と、分離されたそれぞ
れの光において波長λ1(Ar)の光を取り出す光学フ
ィルタ(分光器またはモノクロメータ)27と波長λ2
(N2 )の光を取り出す光学フィルタ(分光器またはモ
ノクロメータ)29と、光学フィルタ27,29のそれ
ぞれに対応して設けられた光学的検出器28,30とに
よって構成される。従って、光学的検出器28の出力信
号AはArの発光強度に対応する電気信号であり、光学
的検出器30の出力信号BはN2 の発光強度に対応する
電気信号である。光学的検出器28,30からの各出力
信号は、比較判定器31に入力される。
判定は、次のように行われる。正常放電のArとN2 の
発光強度の比を求めると、図4に示すようにほぼ1:
1.5である。これに対して異常放電のArとN2 の発
光強度の比を求めると、図6に示すようにほぼ1:0.
5である。従ってArとN2 の発光強度に対応する信号
を求め、その比を計算することにより、処理チャンバ1
で生じたプラズマ放電が正常であるか異常であるかを判
定することができる。
0の出力信号A,Bを入力し、それらの比A:Bを求
め、A:Bが1:1.5であるときには正常放電あると
判定し、A:Bが1:0.5であるときには異常放電あ
ると判定する。そして異常放電であると判定したときに
は、次段の制御装置11(図5中に図示せず)に信号を
送り、制御装置11は比A:Bが例えば1:1になる程
度までN2 ガスの導入量を増加させるための制御信号を
生成する。
を使用しかつ活性ガスにN2 ガスを使用し、TiN放
電を発生させて基板表面に窒化膜を堆積する例について
説明したが、これらに限定されるものではない。また異
常放電が発生したときには、活性ガスの導入量を増加さ
せる方向で導入量を制御するように構成されたが、制御
の仕方は、目的や場合に応じて適宜に変更することがで
き、増加制御に限定されるものではない。
れば、反応性スパッタリングによる成膜において、成膜
プロセス中にプラズマ放電の電気的特性またはプラズマ
放電に伴う発光状態をモニターし、プラズマ放電の正常
・異常を判定し、異常放電が発生したときには活性ガス
の導入量を適切に調整することにより正常放電に戻すよ
うにしたため、成膜プロセス中に放電の正常・異常を判
定でき、さらに異常放電発生時には迅速に正常放電に戻
すことができ、異常放電に起因する損害発生をなくすこ
とができる。
実施例を示す構成図である。
流特性と、異常放電であるTi放電の放電電圧・放電電
流特性を示すグラフである。
実施例を示す構成図である。
る。
る。
る。
特性 14 …Ti放電の放電電圧・放電電流特
性 21 …光学的検出器 22 …フィルタ 24 …プラズマ放電 25 …光学的検出ユニット 26 …プリズム 27,29 …光学フィルタ 28,30 …光学的検出器
Claims (7)
- 【請求項1】 ターゲットを備えた成膜処理室に放電ガ
スと活性ガスが導入される反応性スパッタリング装置に
おいて、成膜プロセス中の放電の電気的特性を検出する
検出器と、前記検出器で検出されたデータと予め用意さ
れた基準データを比較し前記放電が正常であるかまたは
異常であるかを判定する比較判定手段と、この比較判定
手段で前記放電が異常であると判定されたとき前記活性
ガスの導入量を制御する制御信号を生成する制御手段
と、前記制御信号を受けて前記活性ガスの流量を調整す
る流量調整器を備えることを特徴とする反応性スパッタ
リング装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の反応性スパッタリング装
置において、前記検出器には放電電圧検出器と放電電流
検出器のうち少なくともいずれか一方が用いられること
を特徴とする反応性スパッタリング装置。 - 【請求項3】 ターゲットを備えた成膜処理室に放電ガ
スと活性ガスが導入される反応性スパッタリング装置に
おいて、成膜プロセス中に放電が発する光を検出する光
検出手段と、前記光検出手段の出力信号から得られる特
定波長の発光強度信号に基づき前記放電が正常であるか
または異常であるかを判定する比較判定手段と、この比
較判定手段で前記放電が異常であると判定されたとき前
記活性ガスの導入量を制御する制御信号を生成する制御
手段と、前記制御信号を受けて前記活性ガスの流量を調
整する流量調整器を備えることを特徴とする反応性スパ
ッタリング装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の反応性スパッタリング装
置において、前記光検出手段は、光電変換器と前記活性
ガスの波長に対応する信号成分のみを取り出すフィルタ
とからなることを特徴とする反応性スパッタリング装
置。 - 【請求項5】 請求項3記載の反応性スパッタリング装
置において、前記光検出手段は、前記光を2つのルート
に分ける光分離器と、第1の前記ルートで放電ガスの波
長に対応する光成分のみを取り出す第1光学フィルタ
と、この第1光学フィルタの光出力を電気信号に変換す
る第1光電変換器と、第2の前記ルートで活性ガスの波
長に対応する光成分のみを取り出す第2光学フィルタ
と、この第2光学フィルタの光出力を電気信号に変換す
る第2光電変換器とからなり、前記比較判定手段は、前
記第1光電変換器と前記第2光電変換器の各出力信号の
比の値に基づき前記放電が正常であるかまたは異常であ
るかを判定することを特徴とする反応性スパッタリング
装置。 - 【請求項6】 請求項1または3記載の反応性スパッタ
リング装置において、前記ターゲットはTiであり、ま
た前記活性ガスはN2 ガスであり、正常放電はTiN放
電の条件を満足する放電であることを特徴とする反応性
スパッタリング装置。 - 【請求項7】 請求項6記載の反応性スパッタリング装
置において、前記異常放電はN2 ガスの不足によって発
生するものであり、異常放電が発生したときに前記制御
手段が生成する前記制御信号はN2 ガス導入量を増加さ
せるための制御信号であることを特徴とする反応性スパ
ッタリング装置。
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JP07617293A JP3347800B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 反応性スパッタリング装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007214176A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-23 | Seiko Epson Corp | 半導体装置の製造方法及びプラズマ処理装置 |
JP2008121034A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Kochi Prefecture Sangyo Shinko Center | 酸化亜鉛薄膜の成膜方法及び成膜装置 |
JP2015058443A (ja) * | 2013-09-18 | 2015-03-30 | 株式会社ダイヘン | プラズマアーク溶接システム |
JP2016141861A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-08 | 日産自動車株式会社 | 薄膜製造方法および薄膜製造装置 |
CN112746259A (zh) * | 2020-12-30 | 2021-05-04 | 尚越光电科技股份有限公司 | 一种通过等离子体辉光光谱来控制磁控溅射镀膜杂质含量的方法 |
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