JPH06264214A - 被覆非鉄金属部材 - Google Patents

被覆非鉄金属部材

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JPH06264214A
JPH06264214A JP5199393A JP5199393A JPH06264214A JP H06264214 A JPH06264214 A JP H06264214A JP 5199393 A JP5199393 A JP 5199393A JP 5199393 A JP5199393 A JP 5199393A JP H06264214 A JPH06264214 A JP H06264214A
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JP
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layer
thickness
film
metal
base material
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JP5199393A
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English (en)
Inventor
Tomoshige Tsutao
友重 蔦尾
Yoshiharu Konno
義治 今野
Makoto Kitamura
真 北村
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐磨耗性皮膜を有する非鉄金属部材におい
て、該皮膜は、金属層とセラミックス層とから成る2層
状の構成単位が少なくとも2単位積層されて成り、金属
層は周期律表IVa、VaまたはVIa族の0.1〜1μm厚
の層であり、セラミックス層は金属層と同じ金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物または酸化物の0.3〜1.5μ
m厚の層であり、全体膜厚が2〜6μmであることを特
徴とする被覆非鉄金属部材である。 【効果】 非鉄金属母材上へ密着性のよいセラミックス
層を被覆させることができるので、皮膜の厚膜化によっ
て良好な耐磨耗性及び表面硬度を有する被覆非鉄金属部
材を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐磨耗部材や摺動部材な
どとして適用される耐磨耗性及び表面硬度に優れた被覆
非鉄金属部材に関する。
【0002】
【従来の技術】銅、アルミニウム、ニッケル及びそれら
の合金などの非鉄金属部材では、表面硬度が不十分であ
るため、表面に硬質セラミックス皮膜を被覆させて、耐
磨耗性及び表面硬度を高める方法がある。これらセラミ
ックス皮膜はTiN、TiCなどの単一層によって構成
されていることが多い。
【0003】しかし、軟質な非鉄金属母材上にセラミッ
クス皮膜を被覆させることによって同母材に十分な耐磨
耗性及び表面硬度を付与させるには皮膜の厚膜化が必要
であるが、単一層で厚膜化を行うと膜応力が増加し皮膜
と母材との密着性が不十分となる欠点がある。
【0004】厚膜化により表面硬度を向上させる方法と
しては、特開平1−139754号に記述されているよ
うに、スチールや非鉄金属母材にチタン層と窒化チタン
層とを交互に積層させて成る多層コーティングを形成す
ることにより、全体膜厚を10μm以上に厚膜化し、耐
磨耗性を向上させるという方法がある。
【0005】しかし、この方法によると下記のような問
題が生じる。すなわち、10μm以上の過度の厚膜化を
行うと、母材がAl、Niのような熱膨張係数の大きい
もの(熱膨張係数=15〜25×10-6/K)である場
合、例えばTiN膜(熱膨張係数=9×10-6/K)の
ように熱膨張係数が1桁小さい無機膜を母材に被覆する
と、母材と皮膜の間に生じる応力のために両者間の密着
性が低下する難点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を克服すべく十分な皮膜密着性を有し、しかも皮膜
の厚膜化によって良好な耐磨耗性及び表面硬度を有する
被覆非鉄金属部材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による被覆非鉄金
属部材は、耐磨耗性皮膜を有する非鉄金属部材におい
て、該皮膜は、金属層とセラミックス層とから成る2層
状の構成単位が少なくとも2単位積層されて成り、金属
層は周期律表IVa、VaまたはVIa族の0.1〜1μm厚
の層であり、セラミックス層は金属層と同じ金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物または酸化物の0.3〜1.5μ
m厚の層であり、全体膜厚が2〜6μmであることを特
徴とするものである。
【0008】被覆が施される非鉄金属母材は、アルミニ
ウム、銅、ニッケル及びそれらの合金などである。非鉄
金属母材とこれに被覆された皮膜との密着性を向上させ
るために、皮膜形成前に予め同母材の皮膜形成面を有機
溶剤で洗浄し、さらに減圧下でArなどの不活性ガスも
しくはTiなどの金属イオンでボンバード処理しておく
のが好ましい。
【0009】母材上に金属層を構成する金属は、周期律
表IVa族のTi、Zr、Hf、Va族のV、Nb、Ta、
VIa族のCr、Mo、Wなどである。セラミックス層
は、金属層を構成する金属と同じ金属の炭化物、窒化
物、炭窒化物、酸化物のいずれかにより構成されてい
る。
【0010】金属層の厚みは好ましくは0.1〜1.0
μm、より好ましくは0.15〜0.6μmである。こ
の厚みが上記範囲より小さい場合は金属層がその上層の
セラミックス層の応力に耐えられず剥離が生じ、またこ
の範囲より大きい場合は皮膜全体に対する金属の比率が
大きくなるため耐磨耗性が期待できない。
【0011】セラミックス層の厚みは好ましくは0.3
〜1.5μm、より好ましくは0.4〜1μmである。
この厚みが上記範囲より小さい場合は上述した理由と同
じで皮膜全体に対する金属の比率が大きくなりすぎるた
め耐磨耗性が期待できず、またこの範囲より大きい場合
はセラミックス層の大きな内部応力により皮膜の剥離が
生じる。
【0012】耐磨耗性皮膜の全体膜厚は2〜6μmであ
る。この全体膜厚が2μm以下であると表面硬度が不十
分であり、また6μmを越えると皮膜全体の残留応力が
大きくなりすぎて微細なクラックが発生し易くなる。
【0013】上記皮膜の被覆方法としては真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理
的蒸着(PVD)法及び化学的蒸着(CVD)法のいず
れを用いてもよく、好ましくは成膜速度、加熱温度の点
でイオンプレーティング法が適用される。
【0014】イオンプレーティングの方式としては、特
に限定はなく、従来公知の方式が使用でき、例えば高周
波励起法、中空陰極放電法、アーク放電法などの方式が
挙げられる。なお、これら各方式の相違点は金属の蒸発
方法及び蒸発粒子のイオン化方法が異なっている点にあ
る。
【0015】イオンプレーティング法によって金属層を
形成するには、まず形成したい蒸着材料の金属を入れた
水冷るつぼ及び母材が収容された真空容器を1×10-5
Torr以下に排気する。ついで、蒸着材料金属を溶融
加熱などによって蒸発させ、イオン化手段(例えばイオ
ン化フィラメント、電極)によって金属の蒸発粒子をイ
オン化する。これと同時に、予め所望の温度に加熱して
おいた母材に25〜1000Vの直流電圧を印加し、イ
オン化された金属蒸発粒子を母材上に蒸着させ金属層を
形成する。
【0016】イオンプレーティング法によってセラミッ
クス層を形成するには、まず金属層を構成する金属と同
じ蒸着用金属を入れた水冷るつぼ及び母材が収容された
真空容器を1×10-5Torr以下に排気する。つい
で、蒸着材料金属を溶融加熱などによって蒸発させ、イ
オン化手段(例えばイオン化フィラメント、電極)によ
って蒸発粒子をイオン化する。これと同時に、反応性ガ
ス(例えば炭化物の場合はアセチレンガス、窒化物の場
合は窒素ガス、炭窒化物の場合は窒素とアセチレンの混
合ガス、酸化物の場合は酸素ガス)を1×10-4〜3×
10-3Torrの分圧になるように真空容器内に導入す
る。また、予め所望の温度に加熱させておいた母材に2
5〜1000Vの直流電圧を印加し、イオン化された金
属蒸発粒子と反応性ガスとを反応させて得られた化合物
を母材上に蒸着させ、目的とするセラミックス層を形成
する。
【0017】反応性ガスの分圧が1×10-4Torr以
下であると形成された皮膜が硬度の低い粗な膜になりや
すく、また3×10-3Torrより大きい場合は結晶粒
子の肥大化により粗雑な膜となり、硬度低下がみられ
る。
【0018】母材印加電圧については25V以下では皮
膜の緻密化が不足で、1000Vより大きいときは皮膜
表面でスパッタ現象が大きく支配し表面が粗化してしま
う。母材の加熱温度は非鉄金属の熱による硬度低下、及
び熱膨張係数が大きいことにより生じる密着力低下を考
慮しなければならないが、最低でも150℃でなければ
皮膜形成に支障を来たす。好ましい加熱温度は200〜
350℃である。
【0019】イオンプレーティング法によって金属層と
セラミックス層とから成る2層状の構成単位が少なくと
も2単位積層されて成る皮膜を形成するには、まず、反
応性ガスを導入せずに上記条件で操作を行って金属層を
形成し、ついで、反応性ガスを真空容器内に導入し、上
記条件で操作を行ってセラミックス皮膜を形成し、以下
この操作を繰り返す。金属層とセラミックス層とから成
る2層状の構成単位は少なくとも2単位、好ましくは3
単位以上非鉄金属母材上に積層される。
【0020】尚、金属層、及び金属炭化物、金属窒化
物、金属炭窒化物、金属酸化物から成るセラミックス層
をそれぞれ形成する場合の条件の違いは、反応性ガスの
有無及びその種類の相異だけであり、他の条件は同じで
ある。
【0021】また、さらに密着性を向上させる方法とし
て、上記積層皮膜と非鉄金属母材との間にその母材の主
成分、例えばAlあるいはAl合金であれば主成分であ
るAlから成る層を0.01〜1μm厚程度で設けるこ
とも好ましい。この中間層の形成によって母材との界面
に同種物質のアンカー効果をもたらし、さらにその中間
層が活性であるから本発明による被覆金属との密着力も
強固になる。
【0022】
【作用】本発明では、非鉄金属母材上に金属層とセラミ
ックス層とから成る2層状の構成単位を少なくとも2単
位積層させることにより、同母材上に密着性に優れた厚
膜を被覆することができる。
【0023】非鉄金属母材上にセラミックス皮膜を被覆
した場合、前述したように、同母材と膜の熱膨張係数
差、及びセラミックス皮膜の大きな内部応力(圧縮応
力)により膜に大きな残留応力が発生する。このため母
材上にセラミックス皮膜を密着性よく厚膜に被覆させる
ことは困難である。
【0024】これに対し、本発明では異種材料での積層
を行う。すなわち、非鉄金属母材上に、熱膨張係数差を
小さくし、しかも皮膜の内部応力を小さくするように、
内部応力が小さくて引っ張り応力として働く金属層を形
成し、該金属層の上にこれと同じ金属の窒化物、炭化
物、炭窒化物または酸化物からなり圧縮応力を示すセラ
ミックス層を形成し、これら2種類の層から成る2層状
の構成単位を少なくとも2単位積層させることによって
金属層とセラミックス層間との応力の相殺を起こさせ、
さらに熱膨張係数差も小さくなるようにすることによっ
て、残留応力を抑制させつつ厚膜化させることができ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために、そ
の実施例を示す。
【0026】皮膜形成方法としてはイオンプレーティン
グ法を採用し、母材をトリクレンを用いて超音波洗浄
し、表面の油分を除去した後、高真空アーク放電形イオ
ンプレーティング装置(神港精機社製、型式;AI−8
50SE)を用いて、所要成膜条件にて皮膜を形成し
た。また、金属層及びセラミックス層の厚み測定は、蛍
光X線微小部膜厚計(セイコー電子工業社製、型式;S
FT−157)により行った。
【0027】実施例1 a) まず、非鉄金属母材としてAl材(30×30×
3mm;純度99.5%)と、蒸着材料としてTiを真
空容器内に置いて、容器内を1×10-5Torrになる
まで真空にすると同時に、Al材を200℃まで加熱し
た。次にAl材に300Vの電圧を印加し、Al材の表
面処理のためにArガスを0.1Torrの条件で導入
し、20分間ボンバード処理を行い、Al材の表面を清
浄にした。 b) 次に、Al材の加熱温度を200℃に維持し、A
l材に300Vの電圧を印加しながら、Tiを蒸発さ
せ、3×10-5Torrの条件でTi層が0.3μm厚
となるまでイオンプレーティングによって同層を蒸着さ
せた。こうして金属層を形成した。
【0028】c) 次に、Al材の加熱温度を200℃
に維持し、Al材に300Vの電圧を印加しながら、T
iを蒸発させると共に反応ガスとして窒素ガスを全圧が
7×10-4Torrとなるように導入し、TiN層が
0.7μm厚となるまでイオンプレーティングによっ
て、同層を蒸着させた。こうしてセラミックス層を形成
した。
【0029】d) 次に、N2 ガスの導入を止め、再び
前述のTi層生成条件でTi層を0.3μm厚蒸着させ
た。次に前述と同様にしてTiN層を0.7μm厚蒸着
させた。
【0030】さらに、同様にしてTi0.3μm厚、T
iN0.7μm厚の層を蒸着させた。
【0031】こうして、母材上に金属層とセラミックス
層とから成る2層状の構成単位を3単位積層させて、全
体膜厚3.0μmの皮膜を形成した。
【0032】実施例2 実施例1と同じ方法で、母材上に2層状の構成単位を5
単位積層させて、全体膜厚5μmの皮膜を形成した。
【0033】実施例3 実施例1と同じ方法で、金属層としてTiを0.5μm
厚、セラミックス層としてTiNを0.5μm厚それぞ
れ蒸着させ、これらの層から成る構成単位を3単位積層
させて、全体膜厚を3μmの皮膜を形成した。
【0034】実施例4 実施例3と同じ方法で、母材上に2層状の構成単位を5
単位積層させて、全体膜厚5μmの皮膜を形成した。
【0035】実施例5 反応ガスとしてN2 ガスの代わりにアセチレンガスを用
い、アセチレンガス導入時の全圧をやはり7×10-4
orrとした以外は実施例1と同じ方法で、金属層とし
てTiを0.3μm厚、セラミックス層としてTiCを
0.7μm厚それぞれ蒸着させ、これらの層から成る2
層状の構成単位を5単位積層させて全体膜厚5μmの皮
膜を形成した。
【0036】実施例6 反応ガスとして窒素ガスとアセチレンガスの1:1の混
合ガスを用い、該混合ガス導入時の全圧をやはり7×1
-4Torrとした以外は実施例1と同じ方法で、金属
層としてTiを0.3μm厚、セラミックス層としてT
iCNを0.7μm厚それぞれ蒸着させ、これらの層か
ら成る2層状の構成単位を5単位積層させて全体膜厚5
μmの皮膜を形成した。
【0037】実施例7 実施例1のa)工程と同じ操作を行い、その後、蒸着材
料としてAlを用い真空度を5×10-5Torrとした
点を除いて実施例1のb)工程と同じ操作を行って、母
材上に0.3μm厚の中間層を形成した。
【0038】以下、実施例1のb)、c)及びd)工程
と同じ操作を行い、中間層の上に0.3μm厚のTi金
属層と0.7μm厚のTiNセラミックス層とから成る
2層状の構成単位を3単位積層させ、皮膜を形成した。
全体膜厚は3.3μmであった。
【0039】比較例1 実施例1のb)工程においてTi層の厚みを0.5μm
とし、c)工程においてTiN層の厚みを0.5μmと
し、d)工程においてTi金属層とTiNセラミックス
層とから成る2層状の構成単位を10単位積層させた点
を除いて、実施例1と同じ操作を行い、全体膜厚10μ
mの皮膜を形成した。
【0040】比較例2 Ti層の厚みを1.0μmとし、TiN層の厚みを1.
0μmとし、Ti金属層とTiNセラミックス層とから
成る2層状の構成単位を5単位積層させた点を除いて、
比較例1と同じ操作を行い、全体膜厚10μmの皮膜を
形成した。
【0041】比較例3 Ti層の厚みを1.15μmとし、TiN層の厚みを
0.6μmとし、Ti金属層とTiNセラミックス層と
から成る2層状の構成単位を2単位積層させた点を除い
て、比較例1と同じ操作を行い、全体膜厚1.5μmの
皮膜を形成した。 比較例4 Ti層の厚みを0.2μmとし、TiN層の厚みを0.
8μmとし、Ti金属層とTiNセラミックス層とから
成る2層状の構成単位を7単位積層させた点を除いて、
比較例1と同じ操作を行い、全体膜厚7μmの皮膜を形
成した。
【0042】比較例5 Ti層の厚みを1.0μmとし、TiN層の厚みを2.
0μmとし、Ti金属層とTiNセラミックス層とから
成る2層状の構成単位を1単位積層させた点を除いて、
比較例1と同じ操作を行い、全体膜厚3μmの皮膜を形
成した。
【0043】比較例6 Ti層の厚みを0.05μmとし、TiN層の厚みを
0.5μmとし、Ti金属層とTiNセラミックス層と
から成る2層状の構成単位を6単位積層させた点を除い
て、比較例1と同じ操作を行い、全体膜厚3.3μmの
皮膜を形成した。 比較例7 Ti層の厚みを1.5μmとし、TiN層の厚みを0.
5μmとし、Ti金属層とTiNセラミックス層とから
成る2層状の構成単位を2単位積層させた点を除いて、
比較例1と同じ操作を行い、全体膜厚4μmの皮膜を形
成した。
【0044】比較例8 Ti層の厚みを0.3μmとし、TiN層の厚みを0.
2μmとし、Ti金属層とTiNセラミックス層とから
成る2層状の構成単位を6単位積層させた点を除いて、
比較例1と同じ操作を行い、全体膜厚3μmの皮膜を形
成した。
【0045】比較例9 Ti層の厚みを0.3μmとし、TiN層の厚みを1.
7μmとし、Ti金属層とTiNセラミックス層とから
成る2層状の構成単位を2単位積層させた点を除いて、
比較例1と同じ操作を行い、全体膜厚4μmの皮膜を形
成した。
【0046】上記実施例及び比較例について以下の評価
を行った。
【0047】(1) 密着力(ダイアモンド圧子による引っ
かき試験により行った。密着力の単位はニュートン
(N)である。) (2) 表面硬度(マイクロビッカース硬度計を使用し、負
荷荷重10gで測定した。表面硬度の単位はkg/mm
2 で表わした。) (3) 耐磨耗性(#400サンドペーパーを用いて、圧力
1.5kg/cm2 で200回こすりつけ、外観を目視
観察することにより評価した。) (4) 外観(被覆されたAl材の皮膜表面を目視観察する
ことにより評価した。) その結果を表1〜4に示す。なお、表1と表2にはそれ
ぞれの皮膜の積層状態を示し、表3と表4にはその評価
結果を示した。
【0048】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 なお、母材のAl材料だけの表面硬度は、82kg/m
2 である。
【0049】表1から明らかなように、本発明に属する
実施例の各被覆非鉄金属部材は、上記評価項目のいずれ
においても良好な結果を示している。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、非鉄金属母材上へ密着
性のよいセラミックス層を被覆させることができるの
で、皮膜の厚膜化によって良好な耐磨耗性及び表面硬度
を有する被覆非鉄金属部材を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐磨耗性皮膜を有する非鉄金属部材にお
    いて、該皮膜は、金属層とセラミックス層とから成る2
    層状の構成単位が少なくとも2単位積層されて成り、金
    属層は周期律表IVa、VaまたはVIa族の0.1〜1μm
    厚の層であり、セラミックス層は金属層と同じ金属の炭
    化物、窒化物、炭窒化物または酸化物の0.3〜1.5
    μm厚の層であり、全体膜厚が2〜6μmであることを
    特徴とする被覆非鉄金属部材。
JP5199393A 1993-03-12 1993-03-12 被覆非鉄金属部材 Pending JPH06264214A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10324978A (ja) * 1997-04-30 1998-12-08 Masco Corp 被覆された物品
JPH11100682A (ja) * 1997-04-30 1999-04-13 Masco Corp 被覆を有する物品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10324978A (ja) * 1997-04-30 1998-12-08 Masco Corp 被覆された物品
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