JPH06263752A - 光学活性なテトラヒドロチオフェン誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性なテトラヒドロチオフェン誘導体の製造法

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JPH06263752A
JPH06263752A JP5203193A JP5203193A JPH06263752A JP H06263752 A JPH06263752 A JP H06263752A JP 5203193 A JP5203193 A JP 5203193A JP 5203193 A JP5203193 A JP 5203193A JP H06263752 A JPH06263752 A JP H06263752A
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JP
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tetrahydrothiophene
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JP5203193A
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Inventor
Isao Kurimoto
勲 栗本
Masahiko Mizuno
雅彦 水野
Norihiko Hirata
紀彦 平田
Masayoshi Minamii
正好 南井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】医薬または飼料添加物として有用なd−ビオチ
ンの有用中間体である(2S,3S,4S)−5−
(3,4−ジアミノテトラヒドロチオフェン−2−イ
ル)ペンタン酸の新規な製造法を提供すること。 【構成】(2S,3S,4S)−5−(3,4−ジアミ
ノテトラヒドロチオフェン−2−イル)ペンタン酸を、
下記の5工程で合成する製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬または飼料添加物
として有用なd−ビオチン(ビタミンH)の中間体の新
規な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビオチンの合成法としては、出発
物質としてフマル酸、L−システイン、L−シスチン、
D−マンノース、D−グルコース、D−アラビノースま
たはジニトロスルフィド誘導体を用いる方法等、多くの
方法が公知である。
【0003】このうち、J. Am. Chem. Soc., 99, 6754
(1977) に記載のジニトロスルフィド誘導体を原料とす
る方法は、ビオチンの基本骨格であるテトラヒドロチオ
フェン骨格をジニトロスルフィド誘導体の環化反応で合
成することを特徴とした合成法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のジニト
ロスルフィド誘導体を原料とする方法で得られるビオチ
ンは、ラセミ体であり、生理活性を有するd体を得るた
めには、さらに光学分割を行わなければならず、工業的
には必ずしも満足し得る方法ではなかった。
【0005】本発明の目的は、ジ(2−ニトロエチル)
スルフィドの環化反応で得られる4H,6H−チエノ
[3,4−d]フロキサンを出発原料としたd−ビオチ
ン前駆体である光学活性なテトラヒドロチオフェン誘導
体の新規な製造法の提供にある。本発明によれば、反応
工程を短縮することができ、工業的有利にd−ビオチン
前駆体を得ることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、式
〔1〕 で示される光学活性なテトラヒドロチオフェン誘導体の
製造法に関する。
【0007】本発明の製造法は、以下に示す5工程より
なる。
【0008】第1工程のアルキリデン化は、式〔6〕 で示される4H,6H−チエノ[3,4−d]フロキサ
ンに塩基を作用させた後、5−オキソペンタン酸を反応
させ、式〔5〕 で示されるフロキサン誘導体を得る工程である。
【0009】原料として用いられる前記式〔6〕で示さ
れる4H,6H−チエノ[3,4−d]フロキサンは、
J. Am. Chem. Soc., 99, 6754(1977) に記載の方法に準
じて製造することができる。
【0010】本工程で用いられる塩基としては、例え
ば、リチウムジイソプロピルアミド、1,8−ジアザビ
シクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等の強塩基があ
げられる。これらの塩基の使用量は、原料の4H,6H
−チエノ[3,4−d]フロキサンに対して1当量以
上、上限については特に制限されないが、通常、1〜3
当量の範囲で使用される。
【0011】また、5−オキソペンタン酸は、原料の4
H,6H−チエノ[3,4−d]フロキサンに対して、
あまり過剰に使用すると副反応が起き、目的物の収率低
下をまねくため、通常、1〜2当量の範囲で使用され
る。
【0012】反応は、一般に有機溶媒中で行われ、用い
られる溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば、特
に制限されないが、通常、エチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等の単独もしくは混
合物が用いられる。
【0013】反応温度は、塩基を4H,6H−チエノ
[3,4−d]フロキサンに作用させる段階は、通常、
−120〜0℃、好ましくは、−100〜−20℃の範
囲であり、5−オキソペンタン酸を反応させる段階は、
通常、−100〜50℃、好ましくは、−80〜30℃
の範囲である。
【0014】反応時間は、塩基の種類、反応温度等によ
り異なり、特に制限されず、原料の4H,6H−チエノ
[3,4−d]フロキサンの消失をもって反応終了とす
る。
【0015】反応終了後、通常の後処理操作、例えば、
水洗、抽出、濃縮等の操作により、目的とする前記式
〔5〕で示されるフロキサン誘導体を得ることができ
る。このものは、それ以上の精製操作を行わずに第2工
程の還元の原料として使用しても良いが、場合によって
は、カラムクロマトグラフィーまたは再結晶等の操作で
精製を行っても良い。
【0016】第2工程の還元は、前記式〔5〕で示され
るフロキサン誘導体を還元剤と反応させ、式〔4〕 で示されるジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒドロチオフ
ェン誘導体を得る工程である。
【0017】本工程で用いられる還元剤は、オレフィン
部を還元せず、フロキサン骨格のみを還元する選択性を
もつ必要があり、かつ、生成物の前記式〔4〕で示され
るジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒドロチオフェン誘導
体のヒドロキシイミノ基を還元しないことが必要であ
る。そのような還元剤として、水素化ホウ素ナトリウ
ム、ジボラン、ボラン−テトラヒドロフラン錯体等のヒ
ドリド還元剤が例示される。また、Synthesis, 146(198
0)に記載のヒドラゾベンゼンも本工程で用いる還元剤と
して有効である。
【0018】このような還元剤の使用量は、原料の前記
式〔5〕で示されるフロキサン誘導体に対して、通常、
1〜5当量、好ましくは、1.1 〜3当量の範囲である。
【0019】反応は、一般に有機溶媒中で行われ、用い
られる溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば、特
に制限されないが、通常、エチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、メタノール、エタ
ノール、2−プロパノール等のアルコール類等の単独も
しくは混合物が用いられる。また、還元剤としてヒドラ
ゾベンゼンを使用する場合には、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性
溶媒を使用しても良い。
【0020】反応温度は、通常、−20〜100℃、好
ましくは、0〜80℃の範囲である。
【0021】反応時間は、用いる還元剤の種類、反応温
度等により異なり、特に制限されず、原料の前記式
〔6〕で示されるフロキサン誘導体の消失をもって反応
終了とする。
【0022】反応終了後、通常の後処理操作、例えば、
水洗、抽出、濃縮等の操作により、目的とする前記式
〔4〕で示されるジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒドロ
チオフェン誘導体を得ることができる。このものは、そ
れ以上の精製操作を行わずに第3工程のアルキル化の原
料として使用しても良いが、場合によっては、カラムク
ロマトグラフィーまたは再結晶等の操作で精製を行って
も良い。
【0023】第3工程のアルキル化は、前記式〔4〕で
示されるジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒドロチオフェ
ン誘導体を塩基の存在下、一般式〔7〕 R−X (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を、Xはハロ
ゲン原子を示す。)で示されるハロゲン化アルキルと反
応させ、一般式〔3〕 (式中、Rは前記と同じ意味を示す。)で示されるジ
(アルコキシイミノ)テトラヒドロチオフェン誘導体を
得る工程である。
【0024】本工程で用いられる前記一般式〔7〕で示
されるハロゲン化アルキルの置換基Rとして具体的に
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、イソプ
ロピル等が例示される。このようなハロゲン化アルキル
の中でもヨウ化メチルが特に好ましく用いられる。
【0025】これらのハロゲン化アルキルの使用量は、
原料の前記式化4で示されるジ(ヒドロキシイミノ)テ
トラヒドロチオフェン誘導体に対して2当量以上必要で
あり、上限については特に制限されないが、通常、2〜
5当量の範囲で使用される。
【0026】本工程で使用される塩基として、具体的に
は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金
属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸
水素アルカリ金属類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の水酸化アルカリ金属等が例示され、これらの塩基
の使用量は、前記一般式〔7〕で示されるハロゲン化ア
ルキルに対して1当量以上、上限については特に制限さ
れないが、通常、1〜5当量の範囲で使用される。
【0027】反応は、一般に有機溶媒中で行われ、用い
られる溶媒は、反応に影響を与えない溶媒であれば、特
に制限されないが、通常、エチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性
溶媒等の単独もしくは混合物が用いられる。
【0028】反応温度は、通常、0〜120℃、好まし
くは、20〜100℃の範囲である。
【0029】反応時間は、用いる前記一般式〔7〕で示
されるハロゲン化アルキルおよび塩基の種類、反応温度
等により異なり、特に制限されず、原料の前記式〔4〕
で示されるジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒドロチオフ
ェン誘導体の消失をもって反応終了とする。
【0030】反応終了後、通常の後処理操作、例えば、
水洗、抽出、濃縮等の操作により、目的とする前記一般
式〔3〕で示されるジ(アルコキシイミノ)テトラヒド
ロチオフェン誘導体を得ることができる。このものは、
それ以上の精製操作を行わずに第4工程のヒドリド還元
の原料として使用しても良いが、場合によっては、カラ
ムクロマトグラフィーまたは再結晶等の操作で精製を行
っても良い。
【0031】第4工程のヒドリド還元は、前記一般式
〔3〕で示されるジ(アルコキシイミノ)テトラヒドロ
チオフェン誘導体を光学活性アミノアルコールの存在
下、ヒドリド還元剤により不斉還元して、式〔2〕 で示される光学活性な不飽和テトラヒドロチオフェン誘
導体を得る工程である。
【0032】本工程で用いられる光学活性アミノアルコ
ールとして、具体的には、2−アミノ−3−メチル−
1,1−ジフェニル−1−ブタノール、ノルエフェドリ
ン、エフェドリン等が例示される。これらの光学活性ア
ミノアルコールの使用量は、原料の前記一般式〔3〕で
示されるジ(アルコキシイミノ)テトラヒドロチオフェ
ン誘導体に対して1当量以上、上限については特に制限
されないが、通常、2〜5当量の範囲で使用される。
【0033】また、ヒドリド還元剤として、具体的に
は、ボラン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニ
ウムリチウム、水素化アルミニウム等が例示されるが、
これらの中でもボランが特に好ましく用いられる。これ
らのヒドリド還元剤は、上記の光学活性アミノアルコー
ルに対してあまり過剰に用いると目的とする光学活性な
不飽和テトラヒドロチオフェン誘導体の光学純度の低下
を招くので、通常、光学活性アミノアルコールに対し
て、1〜3当量の範囲で使用される。
【0034】反応は、一般に有機溶媒中で行われ、用い
られる溶媒として具体的には、エチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類が例
示される。
【0035】原料および各試剤の仕込み順序は、溶媒中
でヒドリド還元剤と光学活性アミノアルコールを反応さ
せて、不斉還元剤を調製した後、原料の前記一般式
〔3〕で示されるジ(アルコキシイミノ)テトラヒドロ
チオフェン誘導体を仕込む順序が好ましい。
【0036】反応温度は、通常、−50〜50℃、好ま
しくは、−40〜40℃の範囲である。
【0037】反応時間は、原料および各試剤の種類、反
応温度等により異なり、特に制限されず、原料の前記一
般式化3で示されるジ(アルコキシイミノ)テトラヒド
ロチオフェン誘導体の消失をもって反応終了とする。
【0038】反応終了後、通常の後処理操作、例えば、
水洗、抽出、濃縮等の操作により、目的とする前記式化
2で示される光学活性な不飽和テトラヒドロチオフェン
誘導体を得ることができる。このものは、それ以上の精
製操作を行わずに第5工程の接触水素添加の原料として
使用しても良いが、場合によっては、カラムクロマトグ
ラフィーまたは再結晶等の操作で精製を行っても良い。
【0039】最終工程の接触水素添加は、前記式〔2〕
で示される不飽和テトラヒドロチオフェン誘導体を水素
添加触媒の存在下、接触水素添加して式〔1〕で示され
るテトラヒドロチオフェン誘導体を得る工程である。
【0040】本工程で用いられる水素添加触媒として具
体的には、酸化パラジウム、パラジウム炭素、パラジウ
ムブラック等のパラジウム系触媒、酸化白金、白金炭素
等の白金系触媒、ラネーニッケル等のニッケル系触媒が
例示されるが、これらの中でも特にパラジウム系触媒が
好ましく使用される。これらの水素添加触媒の使用量
は、原料の前記式化2で示される不飽和テトラヒドロチ
オフェン誘導体に対し、通常、0.1〜100重量%、
好ましくは、1〜30重量%の範囲である。
【0041】かかる接触水素添加反応は、一般に溶媒中
で行われ、用いられる溶媒は、反応に影響を与えない溶
媒であれば、特に制限されないが、通常、メタノール、
エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類あるい
は水の単独もしくは混合物が用いられる。
【0042】反応温度は、通常、20〜150℃、好ま
しくは、20〜100℃の範囲である。
【0043】反応は、反応容器の気層部または溶液部に
水素ガスを導入することにより行われるが、常圧あるい
は水素加圧下のいずれで行ってもよい。水素加圧下で反
応を行う場合、水素圧の上限は特に制限されないが、通
常、30Kg/cm2以下である。
【0044】反応時間は、用いる水素添加触媒の種類、
反応温度、水素圧等により異なり、特に制限されず、原
料の前記式化2で示される不飽和テトラヒドロチオフェ
ン誘導体の消失あるいは水素の吸収停止により反応終了
とする。
【0045】反応終了後、通常の後処理操作、例えば、
水素添加触媒の濾過、濃縮等の操作により、目的とする
前記式〔1〕で示される光学活性なテトラヒドロチオフ
ェン誘導体を得ることができる。このものは、必要に応
じ、カラムクロマトグラフィーまたは再結晶等の操作で
精製を行うことができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、d−ビオチン
の中間体として有用な前記式化2で示される光学活性な
テトラヒドロチオフェン誘導体を工業的有利に製造する
ことができる。この光学活性なテトラヒドロチオフェン
誘導体は、例えば、J. Am. Chem. Soc., 99, 6754(197
7) に記載の方法に準じて、ホスゲンと反応させること
により容易にd−ビオチンに導くことができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0048】実施例1 フロキサン誘導体(6)の製造例 撹拌装置、温度計、
滴下ロートおよびコンデンサーを装着した4つ口フラス
コにジイソプロピルアミン40.5gおよびテトラヒド
ロフラン300mlを仕込み、−78℃に冷却する。こ
の混合物に−78〜−60℃で2.5Mブチルリチウム
/ヘキサン溶液160mlを滴下し、滴下後、−78℃
で1時間撹拌する。このリチウムジイソプロピルアミド
溶液に4H,6H−チエノ[3,4−d]フロキサン2
8.8gとテトラヒドロフラン100mlの混合物を−
78〜−60℃で滴下し、滴下後、−78〜−70℃で
2時間撹拌する。この混合物に5−オキソペンタン酸2
3.2gとテトラヒドロフラン50mlの混合物を−7
8〜−60℃で滴下し、滴下後、−78〜−70℃で2
時間撹拌した後、室温まで昇温する。
【0049】反応終了後、反応混合物を0〜5℃に冷却
した10%塩酸300ml中に注ぎ入れ、分液する。得
られる有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液300m
lで抽出し、得られる水層をトルエン100mlで洗浄
する。分液後、水層を濃塩酸でpH2に調製し、トルエ
ン300mlを加え、抽出する。得られる有機層を水、
飽和食塩水の順で洗浄した後、減圧濃縮して5−(6H
−チエノ[3,4−d]フロキサン−4−イリデン)ペ
ンタン酸[フロキサン誘導体(6)]を得る。
【0050】実施例2 ジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒドロチオフェン誘導体
(4)の製造例 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよび
コンデンサーを装着した4つ口フラスコに実施例1で得
られる5−(6H−チエノ[3,4−d]フロキサン−
4−イリデン)ペンタン酸36.3gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド300mlに溶解し、室温でヒドラゾベ
ンゼン33.2gを加え、その後、室温で10時間撹拌
する。
【0051】反応終了後、反応混合物を水中に注ぎ入
れ、酢酸エチルで抽出する。分液後、得られる有機層を
飽和食塩水で洗浄し、その後、減圧濃縮して5−(3,
4−ジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒドロチオフェン−
2−イリデン)ペンタン酸[ジ(ヒドロキシイミノ)テ
トラヒドロチオフェン誘導体(4)]を得る。
【0052】実施例3 ジ(アルコキシイミノ)テトラヒドロチオフェン誘導体
(3)の製造例 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよび
コンデンサーを装着した4つ口フラスコに実施例2で得
られる5−(3,4−ジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒ
ドロチオフェン−2−イリデン)ペンタン酸24.4g
をアセトン300mlに溶解し、炭酸カリウム55.3
gおよびヨウ化メチル42.6gを加える。この混合物
を昇温して、アセトン還流下で5時間撹拌する。
【0053】反応終了後、反応混合物を水に注ぎ入れ、
濃塩酸でpH2以下とした後、トルエンで抽出する。得
られる有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、減圧
濃縮して5−(3,4−ジ(メトキシイミノ)テトラヒ
ドロチオフェン−2−イリデン)ペンタン酸[ジ(アル
コキシイミノ)テトラヒドロチオフェン誘導体(3)]
を得る。
【0054】実施例4 光学活性な不飽和テトラヒドロチオフェン誘導体(2)
の製造例 撹拌装置、温度計、滴下ロートおよびコンデ
ンサーを装着した4つ口フラスコに光学活性なノルエフ
ェドリン30.2gおよびテトラヒドロフラン200m
lを仕込み、−30℃に冷却する。この溶液に−30〜
−25℃で1Mボラン/テトラヒドロフラン溶液400
mlを滴下し、滴下後、20℃まで昇温する。この混合
物に実施例3で得られる5−(3,4−ジ(メトキシイ
ミノ)テトラヒドロチオフェン−2−イリデン)ペンタ
ン酸21.8gとテトラヒドロフラン100mlの混合
物を滴下し、室温で24時間撹拌する。
【0055】反応終了後、反応混合物に10%塩酸50
0mlを加え、さらにトルエン500mlを加えた後、
分液する。得られる水層に20%水酸化ナトリウム水溶
液を加え、pH12以上とし、トルエンで抽出する。分
液後、得られる水層に濃塩酸を加え、中和し、酢酸エチ
ルで抽出する。分液後、得られる有機層を減圧濃縮し
て、(3S,4R)−5−(3,4−ジアミノテトラヒ
ドロチオフェン−2−イリデン)ペンタン酸[光学活性
な不飽和テトラヒドロチオフェン誘導体(2)]を得
る。
【0056】実施例5 光学活性なテトラヒドロチオフェン誘導体(1)の製造
例 ステンレス製オートクレーブに実施例4で得られる
(3S,4R)−5−(3,4−ジアミノテトラヒドロ
チオフェン−2−イリデン)ペンタン酸10.8gを仕
込み、2−プロパノール200mlを加え、溶解させ
る。この溶液に酸化パラジウム1gを加え、室温でオー
トクレーブ内を窒素、水素の順で置換した後、70℃に
昇温する。反応温度70〜80℃、水素圧5〜10Kg/c
m2の条件で水素吸収が停止するまで反応を行う。
【0057】反応終了後、酸化パラジウムを濾過し、濾
液を減圧濃縮する。得られる残さをエタノールから再結
晶し、(2S,3S,4R)−5−(3,4−ジアミノ
テトラヒドロチオフェン−2−イル)ペンタン酸[光学
活性なテトラヒドロチオフェン誘導体(1)]を得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南井 正好 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式〔2〕 で示される光学活性な不飽和テトラヒドロチオフェン誘
    導体を接触水素還元することを特徴とする式〔1〕 で示される光学活性なテトラヒドロチオフェン誘導体の
    製造法。
  2. 【請求項2】一般式〔3〕 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で
    示されるジ(アルコキシイミノ)テトラヒドロチオフェ
    ン誘導体を光学活性アミノアルコールの存在下、ヒドリ
    ド還元することを特徴とする式〔2〕で示される光学活
    性な不飽和テトラヒドロチオフェン誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】式〔4〕 で示されるジ(ヒドロキシイミノ)テトラヒドロチオフ
    ェン誘導体を塩基の存在下、一般式〔7〕 R−X (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を、Xはハロ
    ゲン原子を示す。)で示されるハロゲン化アルキルと反
    応させることを特徴とする前記一般式〔3〕で示される
    ジ(アルコキシイミノ)テトラヒドロチオフェン誘導体
    の製造法。
  4. 【請求項4】式〔5〕 で示されるフロキサン誘導体を還元剤と反応させること
    を特徴とする式〔4〕で示されるジ(ヒドロキシイミ
    ノ)テトラヒドロチオフェン誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】式〔6〕 で示される4H,6H−チエノ[3,4−d]フロキサ
    ンに塩基を作用させた後、5−オキソペンタン酸を反応
    させることを特徴とする式〔5〕で示されるフロキサン
    誘導体の製造法。
JP5203193A 1993-03-12 1993-03-12 光学活性なテトラヒドロチオフェン誘導体の製造法 Pending JPH06263752A (ja)

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