JPH06262362A - 亜鉛めっき鋼板の溶接方法 - Google Patents

亜鉛めっき鋼板の溶接方法

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JPH06262362A
JPH06262362A JP7773593A JP7773593A JPH06262362A JP H06262362 A JPH06262362 A JP H06262362A JP 7773593 A JP7773593 A JP 7773593A JP 7773593 A JP7773593 A JP 7773593A JP H06262362 A JPH06262362 A JP H06262362A
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JP
Japan
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gas
oxygen
welding
shield gas
steel sheet
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JP7773593A
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English (en)
Inventor
Masato Uchihara
正人 内原
Takao Ko
隆夫 高
Hisahiko Miyazaki
久彦 宮崎
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KYODO SANSO
KYODO SANSO KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
KYODO SANSO
KYODO SANSO KK
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜鉛めっき鋼板のガスシールドアーク溶接に
おいて、ピット・ブローホールの発生を抑える。 【構成】 シールドガス中に容量比で10%以上、望ま
しくは20%以上の酸素を添加する。酸素の微量添加で
は抑制できないブローホールの発生も、この酸素の多量
添加により著しく抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は亜鉛めっき鋼板のガスシ
ールドメタルアーク溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛めっき鋼板は、圧延された鋼板の表
面に耐食性を向上させる目的で亜鉛を溶融めっきあるい
は電気めっきしたものであり、自動車、電機、建材等の
分野で幅広く使用されている。しかし、この亜鉛めっき
鋼板は、鋼板表面に亜鉛がめっきされているために、ガ
スシールドメタルアーク溶接時の溶接性が裸鋼板より劣
る。
【0003】即ち、亜鉛めっき鋼板のガスシールドアー
ク溶接では、溶接熱により溶接部近傍の亜鉛がその沸点
以上に加熱されて蒸発し、その亜鉛蒸気が溶接金属中に
そのまま残存してブローホールとなり、そのブローホー
ルが溶接金属の表面に開孔すればピットとなるのであ
る。
【0004】亜鉛めっき鋼板のガスシールドメタルアー
ク溶接におけるピット・ブローホールの問題を解決する
ためには、予め溶接部近傍の亜鉛めっきを除去するのが
最も有効である。しかし、この方法は非常に手間がかか
り、工業的にはめっきを除去せずにピット・ブローホー
ルを低減させる方法が必要となる。
【0005】めっきを除去せずにピット・ブローホール
を低減させる方法としては、特開平4−270095号
公報に開示されているように、溶接ワイヤの成分調整が
一般的である。これ以外の方法としては、特開昭57−
209778号公報に示されているように、Arに微量
のO2 を混合した2元系シールドガスの使用がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶接ワ
イヤの成分調整によってもピット・ブローホールを満足
すべきレベルまで低減させるのは非常に困難であり、ま
た、微量のO2 を混合した2元系シールドガスの使用で
は、ブローホールに対する低減効果は殆ど認められない
のが現状である。
【0007】本発明の目的は、ピット・ブローホールを
大幅に低減できる亜鉛めっき鋼板の溶接方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】亜鉛めっき鋼板をガスシ
ールドメタルアーク溶接したときのブローホールの発生
原因は、溶接による熱により蒸発した亜鉛が溶融池に侵
入し、凝固後もそのまま気泡として残ることにある。そ
して、その気泡が溶融池外へ放出される途中で凝固した
場合には、表面孔が生じピットとなる。
【0009】従って、ピット・ブローホールを低減する
ためには溶融池中に侵入する亜鉛蒸気を減少させるか、
溶融池中の気泡を凝固前に完全に外へ放出させることが
必要となる。
【0010】ここで、シールドガス中の酸素は、スパッ
タの抑制に有効とされている(特開昭57−20977
8号公報,特開平2−37975号公報)。スパッタ
は、アーク柱に侵入した亜鉛蒸気がアークを不安定にす
ることによって増加するものである。このスパッタに対
して、シールドガス中の酸素は、亜鉛蒸気を高沸点のZ
nOに変えて、亜鉛蒸気の量を少なくすることにより、
アークを安定化し、スパッタの発生を抑える。
【0011】また、この酸素は溶融池の表面張力を低下
させ、溶融池中の気泡の放出を促進するために、ピット
の抑制にも有効である。
【0012】しかし、シールドガス中の酸素は、一方で
溶融金属の機械的性質を低下させる原因になる。また、
高濃度の酸素雰囲気下では逆にスパッタが多発する。そ
のため、シールドガス中の酸素量は容量%で数%程度に
制限されていた。そして、この比較的少量の酸素を加え
たシールドガスにより、スパッタやピットの抑制が図ら
れていたが、前述した通りブローホールを抑制する効果
は殆どなかった。
【0013】本発明者らは、シールドガス中の酸素が亜
鉛蒸気を固体のZnOに変え、亜鉛蒸気の絶対量を減少
させる作用があることから、必ずやブローホールの低減
にも有効に作用すると考え、その酸素量を大きくシフト
させて実験を行ったところ、酸素量が20%以上という
ような従来の常識では考えられなかった高酸素濃度のシ
ールドガスによって、著しいブローホール低減の効果が
得られることを知見した。
【0014】また、そのような高酸素濃度のシールドガ
スを使用しても、溶接金属の機械的性質の劣化は実用上
大きな問題にならず、ビード形状の悪化や安全性につい
ても問題のないことが確認された。またスパッタの多発
については、パルス状電流による溶接で解決できるとの
知見を得ることができた。
【0015】本発明のかかる知見に基づきなされたもの
で、亜鉛めっき鋼板のガスシールドメタルアーク溶接に
おいて、そのシールドガスとして10体積%以上のO2
を含み、残部がArおよびCO2 の1種または2種から
なる混合ガスを用い、望ましくは更にパルス状電流にて
溶接を行うことを特徴とする。
【0016】
【作用】シールドガス中の酸素量を10%以上とするこ
とにより、ブローホール低減の効果が現れ始め、20%
以上で顕著な効果が得られる。同時にピットも10%以
上で激減し、20%以上では更に減少する。従って、シ
ールドガス中の酸素量は10%以上とし、望ましくは1
5%超、更に望ましくは20%以上である。
【0017】酸素量の上限は特に規定しないが、極端に
高酸素濃度のシールドガスはスパッタの多発や、ビード
形状の悪化を招き、更には溶接金属の機械的性質を劣化
させる。また、COガスによる気孔を発生させる。従っ
て、80%以下が望ましく、更に望ましくは60%以下
である。
【0018】酸素以外のガスはAr,CO2 ,Ar+C
2 のいずれでもよいが、CO2 の増加はスパッタの多
発につながるので、ArまたはAr+CO2 が望まし
く、Ar+CO2 の場合はAr/Ar+CO2 の比率を
50容積%以上とするのが良い。
【0019】酸素量が10%から20%の間でピット・
ブローホールが激減する理由は、従来考えられているよ
うな微量のO2 では、期待される亜鉛蒸気の酸化による
減少は殆ど起こらず、その活発な反応は酸素量が10%
から20%の間を臨界点としているためと考えられる。
【0020】懸念されるスパッタの多発については、パ
ルス状電流の使用により、酸素を含まない例えばAr+
20%CO2 のシールドガスと同等もしくはそれ以下の
レベルまで発生量を抑えることができる。これは、パル
ス状電流の使用により溶接ワイヤから溶融池への溶滴の
移行が確実になってアークが安定化するからである。望
ましいパルス条件はパルスピーク電流が300A以上5
50A以下、パルス幅が0.8msec以上、3msec以下であ
る。
【0021】溶接金属の機械的性質の低下については、
溶接金属への酸素の吸収によりその脱酸不足等が生じ、
時に靱性の低下が問題となる。しかし、亜鉛めっき鋼板
は、比較的薄板構造物で使用されるため、靱性はあまり
要求されず、その低下は大きな問題とはならない。ま
た、引張強度も問題がないことを確認している。
【0022】ビード形状の悪化については、アークの集
中が生じるものの通常の溶接速度(1.5m/分以下)で
は問題のないことを確認している。
【0023】また安全性についても、酸素は不燃ガスで
あるため、高温の母材と反応して燃える可能性はあるも
のの、可燃性ガスが同時に存在しなければ爆発に至るこ
とはない。
【0024】溶接ワイヤとしては、JIS Z3312
に規定されているような汎用ソリッドワイヤを使用でき
るが、吸収される酸素量を低減させるために、脱酸力の
強いSi,Mnを多く含有させたものでも良い。また、
ピット、ブローホールを低減させ、なおかつ高い強度の
溶接金属を得るために他の元素を含有させてもよい。
【0025】なお、本発明における亜鉛めっき鋼板は電
気めっき法、溶融めっき法あるいは蒸着めっき法等、い
ずれの方法で製造されてもよく、更には純亜鉛めっきも
しくは、Fe,Ni,Al等を合金元素として含有する
亜鉛合金めっきでもよい。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
【0027】母材が軟鋼の熱延鋼板、板厚が2.3mm、
目付け量が45g/m2 の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を
溶接母材として、ガスシールドアーク溶接により図1に
示す重ね隅肉溶接を行った。図1中、1は溶接母材であ
る亜鉛めっき鋼板、2は溶接ワイヤ、3はトーチであ
る。溶接条件を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】溶接性を下記の方法で調査した結果を図2
〜図4に示す。
【0030】ピット:表面のピット数(個/m)を測定 ブローホール:X線透過写真より溶接線方向においてブ
ローホールの総長が占める割合(%)を測定 スパッタ:母材への付着スパッタ量を目視にて5段階評
【0031】図2から明らかなように、直流電流の場合
もパルス電流の場合も、シールドガス中のO2 量が多く
なるに従ってピットが減少し、20%以上ではピットが
殆ど皆無となる。パルス電流とAr+O2 の組み合わせ
でピット低減効果が特に大きいのはパルス電流による溶
融池の安定化効果と、O2 による亜鉛蒸気の低減効果が
組み合わされるためである。また、CO2 +O2 の場合
にピット低減効果が比較的大きいのはO2 ガスによる亜
鉛蒸気の酸化に加えてCO2 ガスより分解したO2 ガス
あるいはOガスによる酸化が行われるためである。
【0032】ブローホールについては、図3から明らか
なように、電流の種類およびシールドガスの種類を問わ
ず、ガス中のO2 量の増大によりブローホールの発生率
が低下し、20%以上で特にその効果が大きい。
【0033】スパッタについては、図4から明らかなよ
うに、直流電流とAr+20%CO2 の組み合わせを基
準(評価3)とした場合、直流電流とAr+O2 の組み
合わせではこの基準をクリアするのが難しい。しかし,
パルス電流の使用によりこの基準がクリアされ、シール
ドガスがAr+O2 の場合は、スパッタ抑制効果が特に
大きい。Ar+CO2 +O2 の場合もCO2 +O2 に比
べると好ましい結果が得られている。
【0034】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の亜鉛めっき
鋼板の溶接方法はこの種の溶接で大きな問題となるピッ
ト・ブローホールの発生を大幅に抑制でき、溶接品質の
向上に大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接試験に採用した重ね隅肉溶接の形態を示す
模式図である。
【図2】ピットの発生に及ぼすシールドガス中のO2
影響を示すグラフである。
【図3】ブローホールの発生に及ぼすシールドガス中の
2 の影響を示すグラフである。
【図4】スパッタの発生に及ぼすシールドガス中のO2
の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 亜鉛めっき鋼板 2 溶接ワイヤ 3 トーチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 久彦 和歌山県和歌山市湊1850番地 共同酸素株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛めっき鋼板のガスシールドメタルア
    ーク溶接において、そのシールドガスとして10体積%
    以上のO2 を含み、残部がArおよびCO2の1種また
    は2種からなる混合ガスを用いることを特徴とする亜鉛
    めっき鋼板の溶接方法。
  2. 【請求項2】 亜鉛めっき鋼板のガスシールドメタルア
    ーク溶接において、そのシールドガスとして10体積%
    以上のO2 を含み、残部がArおよびCO2の1種また
    は2種からなる混合ガスを用い、且つパルス状電流にて
    溶接を行うことを特徴とする亜鉛めっき鋼板の溶接方
    法。
JP7773593A 1993-03-10 1993-03-10 亜鉛めっき鋼板の溶接方法 Pending JPH06262362A (ja)

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JP7773593A JPH06262362A (ja) 1993-03-10 1993-03-10 亜鉛めっき鋼板の溶接方法

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JP7773593A JPH06262362A (ja) 1993-03-10 1993-03-10 亜鉛めっき鋼板の溶接方法

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JP7773593A Pending JPH06262362A (ja) 1993-03-10 1993-03-10 亜鉛めっき鋼板の溶接方法

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JP (1) JPH06262362A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009004865A1 (ja) * 2007-07-03 2009-01-08 Taiyo Nippon Sanso Corporation 亜鉛めっき鋼板のmag溶接用シールドガスおよびこのシールドガスを使用した溶接方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009004865A1 (ja) * 2007-07-03 2009-01-08 Taiyo Nippon Sanso Corporation 亜鉛めっき鋼板のmag溶接用シールドガスおよびこのシールドガスを使用した溶接方法

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