JPH062622U - ソレノイド - Google Patents

ソレノイド

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JPH062622U
JPH062622U JP6223892U JP6223892U JPH062622U JP H062622 U JPH062622 U JP H062622U JP 6223892 U JP6223892 U JP 6223892U JP 6223892 U JP6223892 U JP 6223892U JP H062622 U JPH062622 U JP H062622U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インダクタンスの低減化を図る。 【構成】 磁束変化によってうず電流を発生させる非磁
性体製の導電体から成るうず電流発生手段5を磁束の通
る部位3,4に設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、たとえばソレノイドバルブ等に用いられるソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のソレノイドとしては、たとえば図11に示すようなものがある 。すなわち、このソレノイドはコイル100を備えた両端が開口する筒状のソレ ノイド本体101に、一方の開口部内周には磁性体製の固定部材102が挿入固 定され、他方の開口部内周には磁性体製の可動部材103が往復動自在に挿入さ れており、電源コントローラ(図示せず)からのディザ電流が重畳されている制 御電流(本従来例では0〜1A)によってコイル100に通電することによって 可動部材103と固定部材102間を通る磁束を発生させて固定部材102に可 動部材103を磁気吸引する構成となっている。
【0003】 ここで、上記ディザ電流について説明する。このディザ電流とは制御電流に重 畳される電流のことであり、ディザ電流には図12に示すような方形波(振幅0 .2A,周波数100Hz)、三角形波(振幅0.2A,周波数100Hz)等 があって、振幅及び周波数によって決まる。このような微小振幅電流をソレノイ ドの制御電流に重畳することにより、ソレノイドの摺動抵抗及びヒステリシスを 低減する効果がある。
【0004】 図13には、他の従来例のソレノイド200が示されている。このソレノイド 200はコイル100Aを備えた両端が開口する筒状のソレノイド本体101A に、一方の開口部内周には磁性体製の固定部材102Aが挿入固定され、他方の 開口部内周には磁性体製の可動部材103Aが往復動自在に挿入されており、可 動部材103Aが挿入される開口端部の内周には磁性体製で円筒状のボディ20 1が挿入固定され、このボディ201の内周部にはスプリング202が挿入され 、スプリング202はボディ201の内周部にねじ込み固定されるばね力調整部 材203と可動部材103Aに作動連結されるロッド204の一端との間に圧縮 した状態で装着されており、このスプリング202のばね力によりロッド204 をバルブ等の相手取付部材(図示せず)側に付勢している。
【0005】 そして、電源コントローラ(図示せず)からの制御電流(本従来例ではディザ 電流は重畳していない。)によってコイル100Aに通電することによって可動 部材103Aと固定部材102A間を通る磁束を発生させて固定部材102Aに 可動部材103Aを磁気吸引する構成となっている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術の場合には、可動部材103が固定部材10 2に近づく程、可動部材103と固定部材102とのギャップが小さくなり、磁 束が通りやすくなるためインダクタンスが大きくなる。これは、インダクタンス と磁束に下記に示す数式1の関係があるためです。
【0007】
【数式1】 NΦ=LI 上記の数式において、Nはコイル100の巻数、Φは磁束、Lはインダクタン ス、Iは電流である。
【0008】 このように、インダクタンスが大きくなると、インピーダンスも大きくなり、 また逆起電力の発生も大きくなるため、電源コントローラの制御容量が追いつか ず制御電流に重畳されているディザ電流の波形が乱れるという欠点があった。
【0009】 また、上記した他の従来例のソレノイド200において、ソレノイド200の インダクタンスと起電力との関係は、
【0010】
【数式2】 e=−dLi/dt 上記の数式2において、eは起電力、Lはインダクタンス、iはソレノイド電 流である。そして、数式2において、インダクタンスと起電力との関係を調べる ために、iとLを下記の数式3,4に示すようにすると、
【0011】
【数式3】 i=cos St
【0012】
【数式4】 L=L0 +lcos(ωt) 上記の数式3において、Stは固定部材102Aと可動部材103A間のスト ロークであり、上記数式4において、Lは可動部材103Aのストロークによる インダクタンスの変化を仮定しており、lは可動部材103Aのストローク変化 したときのインダクタンスの変化量によって決まる係数である。
【0013】 そして、上記数式3,4から、インダクタンスと起電力との関係は下記の数式 5となる。
【0014】
【数式5】 e=ilωsin(ωt) そして、上記数式5から起電力の最大値は下記の数式6となる。
【0015】
【数式6】 EMAX =ilω よって、上記数式6から起電力の最大はインダクタンスの変化量が大きい程、 大きくなる。
【0016】 ここで、この逆起電力が大きいことにより、ソレノイド200の電源コントロ ーラの波形の乱れの要因となっている。
【0017】 つまり、インダクタンスの可動部材103Aのストローク位置による変化量が 大きい程、電源コントローラの波形の乱れになるという欠点があった。
【0018】 本考案は上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的 とするところは、インダクタンスの低減化を図り得るソレノイドを提供すること にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案にあっては、磁性体製の固定部材と、該固 定部材と同軸的に配置される磁性体製の可動部材と、固定部材を取囲むように配 置されるコイルとを備え、前記コイルに通電することによって前記固定部材に可 動部材を磁気吸引するソレノイドにおいて、 磁束変化によってうず電流を発生させる非磁性体製の導電体から成るうず電流 発生手段を、磁束の通る部位に設けたことを特徴とする。
【0020】
【作用】
上記構成のソレノイドにあっては、うず電流を発生させる非磁性体製の導電体 のうず電流発生手段を磁束の通る部位に設ければ、磁束変化時に磁束の通る部位 に逆起電力が発生し、この起電力が、磁束変化を妨げる電流を生じるような向き にうず電流の発生状態が変化することから、磁束変化が低減され、インダクタン スが低減される。
【0021】
【実施例】
以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明する。本考案の一実施例に係るソ レノイドを示す図1において、1はソレノイドの全体を示しており、概略、両端 が開口する筒状のソレノイド本体2と、このソレノイド本体2の一方の開口部内 周に挿入固定される磁性体製の固定部材としてのセンタポスト3と、ソレノイド 本体2の他方の開口部内周に往復動自在に挿入される可動部材としてのプランジ ャ4と、うず電流を発生させる非磁性体製の導電体から成るうず電流発生手段と しての真鍮の真鍮スリーブ5と、から構成されている。
【0022】 ソレノイド本体2は、円筒状のケース6内周に収納される円筒状のコイル7と 、ケース6の一方の開口端部を閉塞してケース6とセンタポスト3とを連結固定 するワッシャ状の固定プレート8と、ケース6の他方の開口端部を閉塞すると共 に、プランジャ4の軸方向の動きを規制するアッパープレート9とから構成され ている。
【0023】 また、コイル7の他方の開口部内周にはプランジャ4にコイル7からの磁路を 案内するヨーク部材としての磁性体製のスリーブ10が設けられており、このス リーブ10は段付きの筒状部材で、大径部10Aと、小径部10Bとから成り、 小径部10Bと大径部10Aとの段部10Cがコイル7の図中上端面に当接して 小径部10Bがコイル7の内周に、大径部10Aがコイル7の上端面よりアッパ ープレート9の内側端面に当接する環状の突出部71の内周にそれぞれ嵌着固定 されている。そして、このスリーブ10の内周に上記プランジャ4がプランジャ 軸受11を介して摺動自在に挿入されている。
【0024】 一方、センタポスト3は円筒状で、その内周にはプランジャ4に設けられた貫 通孔41に挿入固定されるロッド12がロッド軸受13を介して往復動自在に挿 入されている。また、プランジャ4側の開口端部の内周には外向きフランジ部を 有した円筒状のシム14が嵌合固定されている。
【0025】 そして、コイル7に通電することにより、コイル7、スリーブ10、プランジ ャ4、センタポスト3により形成される磁束の通る部位であるプランジャ4の外 周部にスリーブ10を介して真鍮スリーブ5が挿入されている。この真鍮スリー ブ5はコイル7の内周において、プランジャ4側開口端部からセンタポスト3の 中途部まで達する長さとなって配置されている。
【0026】 尚、うず電流発生手段を真鍮スリーブ5としたが、特に材質は真鍮に限ること なく黄銅であっても良く、うず電流を発生させるもの、つまり非磁性体製の導電 体であればよい。
【0027】 上記構成のソレノイドにあっては、電源コントローラ(図示せず)からのディ ザ電流が重畳されている制御電流(本実施例では0〜1A)によってコイル7に 通電することによってプランジャ4とセンタポスト3間を通る磁束が発生してセ ンタポスト3にプランジャ4が磁気吸引され、次にコイル7の通電を切ると外部 からの圧力によってロッド12を介してプランジャ4がセンタポスト3から離間 される。
【0028】 そして、センタポスト3にプランジャ4が磁気吸引、離間時における磁束変化 時に真鍮スリーブ5がプランジャ4の外周部及びセンタポスト3の外周の中途部 までの間に配置されていることから、上記磁束変化時に真鍮スリーブ5内に逆起 電力が発生する。この起電力は磁束変化を妨げる電流を生じるような向きに発生 することによりうず電流の発生状態を変化させている。これによって、制御電流 に重畳されているディザ電流による磁束変化が低減される。したがってインダク タンスが低減されることになる。
【0029】 ここで、本実施例において、真鍮スリーブ5を有しない従来技術に比べてイン ダクタンスがどれくらい低減するか図2に示す試験用ソレノイドで次の測定条件 下で比較実験したので、その結果を下記の表1に示す。測定条件は、測定等価回 路は図3に示すような直列で、印加電流:10mA、プランジャ4の径D:18 mm、プランジャ4とセンタポスト3間のストローク位置St:2.5mm、センタ ポスト3の吸引側端面とセンタポスト3外周部端面間S:2.8mm、真鍮スリー ブ5の肉厚t:0.5,0.75mm、周波数:20,100,200,300H zである。
【0030】
【表1】 さらに、上記測定条件において、ストローク位置St:1.5〜4.0mm(0 .5mm間隔)で、周波数:20,100,200,250,300Hzとしたと きのインダクタンスの測定結果を下記の表2乃至表4に示す。尚、表2は従来技 術のソレノイドの場合、表3は本実施例のソレノイドで真鍮スリーブ5の肉厚t が0.5mmの場合、表4は本実施例のソレノイドで真鍮スリーブ5の肉厚tが0 .75mmの場合の結果を示している。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】 以上のインダクタンスの測定結果から、上記表1でわかるように、本実施例の ソレノイドは従来技術に比べて、どの周波数においてもインダクタンスが確実に 低減されている。また、インダクタンスは真鍮スリーブ5の肉厚と相関関係があ ることがわかる。したがって、電源コントローラの制御容量に合わせた適切な真 鍮スリーブ5の肉厚を設定することができる。
【0034】 図4には、本考案の第2の実施例が示されている。上記実施例ではうず電流発 生手段として磁束の通る部位であるプランジャ4の外周部及びセンタポスト3の 外周の中途部に真鍮スリーブ5を配設したが、この実施例では、磁束の通る部位 である磁性体製のスリーブ10の大径部10Aと小径部10Bの外周面及び段部 10Cのコイル7の上端面の当接面、プランジャ4の外周面の全面、センタポス ト3の外周面のコイル7の下端部までの面に、それぞれ銅メッキ15(図中X印 部分)が施されたものである。尚、銅メッキ15に限るものではなく、非磁性体 製の導電体の表面処理を施したもので良い。
【0035】 また、上記銅メッキ15の厚さは、第1実施例の真鍮スリーブ5でのインダク タンス測定の実験結果からわかるように、インダクタンスは真鍮スリーブ5の肉 厚と相関関係があることから、上記銅メッキ15においても同様で、その銅メッ キ15の厚さを、電源コントローラの制御容量に合わせ、適切なインダクタンス とすることができる。
【0036】 そして、第1実施例ではコイル7の内周部に真鍮スリーブ5を入れるために、 ソレノイド本体2の内部スペースが大きくなってしまうことがあるが、本実施例 のように銅メッキ15を施すことにより、真鍮スリーブ5を廃することができ、 ソレノイド本体2の内部のスペースを有効に使用できるようになる。すなわち、 ソレノイド本体2の内部の省スペース化が図れる。その他の構成および作用につ いては第1実施例と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して 、その説明は省略する。
【0037】 図5には、本考案の第3の実施例が示されている。本実施例のソレノイド1A の概略構成は、両端が開口する筒状のソレノイド本体2Aと、このソレノイド本 体2Aの一方の開口部内周に挿入固定される磁性体製の固定部材としてのセンタ ポスト3Aと、ソレノイド本体2Aの他方の開口部内周に往復動自在に挿入され るプランジャ4Aと、このプランジャ4Aの外周部に一体的に設けられるうず電 流を発生させる非磁性体製の導電体から成るうず電流発生手段としての真鍮スリ ーブ5Aと、から構成されている。
【0038】 ソレノイド本体2Aは、円筒状のケース6A内周に収納されるコイル7Aと、 ケース6Aの一方の開口端部を閉塞するフロントボディ16と、ケース6Aの他 方の開口端部を閉塞してケース6Aとコイル7Aの他方の開口部内周に挿入され る磁性体製で円筒状のボディ17とを連結固定するワッシャ状のアッパープレー ト9Aと、から構成されている。
【0039】 フロントボディ16は段付きの筒状部材で、大径部18と、小径部19と、か ら構成されており、大径部18がケース6Aの内周に嵌合固定され、小径部19 の外周がブラケット20の内周に嵌合されている。このフロントボディ16には センタポスト3Aが挿入される孔21が貫通形成されており、この孔21のケー ス6A側の開口端縁にはケース側段部22が形成され、またケース6Aの反対側 の開口端縁にも段部23が形成されている。そして、フロントボディ16の孔2 1の内周にセンタポスト3Aが液密に挿入され、センタポスト3Aに設けられて いる外向きフランジ部31の端面が孔21の開口端縁の段部23の端面に当接し て固定されている。また、フロントボディ16のケース側段部22とセンタポス ト3Aの外周部とから形成される溝24とボディ17の端部に設けた段凹部25 間に連結スリーブ26が嵌合され、センタポスト3Aとボディ17が同軸上に連 結固定されている。
【0040】 センタポスト3Aは、外向きフランジ部31を有する円筒状で、その内周には プランジャ4Aと作動連結されるロッド12Aが往復動自在に挿入されるロッド 案内孔27が貫通形成され、そのロッド案内孔27にはロッド軸受28が嵌合固 定されている。また、センタポスト3Aの円周部29のボディ17側は径方向内 側に向かうテーパ面が形成されている。
【0041】 そして、センタポスト3Aとボディ17間にプランジャ4Aが往復動自在に挿 入されており、プランジャ4Aのセンタポスト3A側端部はセンタポスト3Aの 円周部29のテーパ面に沿ったテーパ状となっている。
【0042】 また、プランジャ4Aにはプランジャ4Aに設けられた貫通孔30にロッド1 2Aが摺動自在に挿入されている。このロッド12Aの一端は貫通孔30を通り 抜けて円筒状のボディ17の内周部に、その内周部に嵌合固定されるロッド軸受 32を介して挿入されており、この端部にはスプリングリテーナ33が設けられ ている。そして、他端はセンタポスト3Aのロッド案内孔27にロッド軸受28 を介して往復動自在に挿入されている。
【0043】 また、ボディ17の内周部にはスプリング34が挿入されており、このスプリ ング34は、一端がスプリングリテーナ33に当接し、他端がボディ17内周部 の開口端部にねじ込み固定されるばね力調整ねじ部材であるアジャストスクリュ ー35に当接して装着されており、スプリング8のばね力によって、スプリング リテーナ33を介してロッド12Aをバルブ等の相手取付部材(図示せず)側に 付勢している。
【0044】 そして、コイル7Aに通電することにより、コイル7A、ボディ17、プラン ジャ4A、センタポスト3Aにより形成される磁束の通る部位であるプランジャ 4Aの外周部にうず電流発生手段として真鍮スリーブ5Aが取付けられている。 このうず電流発生手段は上記第1実施例では第1実施例のソレノイド1において 磁束の通る部位であるプランジャ4の外周部でコイル7の内周に真鍮スリーブ5 が配設され、第2実施例では磁束の通る部位である磁性体製のスリーブ10の大 径部10Aと小径部10Bの外周面及び段部10Cのコイル7の上端面の当接面 、プランジャ4の外周面の全面、センタポスト3の外周面のコイル7の下端部ま での面に、それぞれ銅メッキ15が施したものとしたが、この実施例では、プラ ンジャ4Aの外周部に外周部のプランジャ4Aのボディ17側端部からセンタポ スト3A側端部のテーパ状となっている近傍までの長さの真鍮スリーブ5Aを一 体的に設けたものである。
【0045】 上記構成のソレノイド1Aにあっては、電源コントローラ(図示せず)からの 制御電流によってコイル7Aに通電することによってプランジャ4Aとセンタポ スト3A間を通る磁束が発生してセンタポスト3Aにプランジャ4Aが磁気吸引 され、次にコイル7Aの通電を切ると相手取付部材側からの圧力によって作動連 結されるロッド12Aを介してプランジャ4Aがセンタポスト3Aから離間され る。
【0046】 そして、磁束変化時に、上記各実施例と同様にプランジャ4Aの外周部に真鍮 スリーブ5Aが一体的に設けられていることから、この真鍮スリーブ5A内に逆 起電力が発生する。この起電力は磁束変化を妨げる電流を生じるような向きに発 生することにより、うず電流の発生状態を変化させている。これによってインダ クタンスが低減されることになる。
【0047】 また、真鍮スリーブ5Aはプランジャ4Aの外周部に一体的に設けられている ことから、プランジャ4Aのストローク位置の変化に応じて真鍮スリーブ5Aの 位置も変化する。従ってプランジャ4Aのストローク位置の変化に応じてうず電 流の発生状態を変化させることができる。すなわち、プランジャ4Aがストロー クすることによるインダクタンスの変化量を小さくすることができ、起電力の発 生を小さくすることができる。これにより、従来技術の欠点であった電源コント ローラの波形の乱れを解消し、コントローラへの負荷を小さくすることができる 。
【0048】 ここで、本実施例において、プランジャ4Aのストローク位置変化によるイン ダクタンスの変化量がどれくらい低減するか図6に示す真鍮スリーブ5Aをプラ ンジャ4Aと一体化せず一箇所に固定した場合と、図7に示す真鍮スリーブ5A とプランジャ4Aを一体化した場合の試験用ソレノイドを用いて、プランジャ4 Aとセンタポスト3A間のストローク位置Stを4.4mmと0mmについて周波数 100Hz,200Hzそれぞれで比較実験した。その結果を下記の表5に示す 。
【0049】
【表5】 以上のインダクタンスの測定結果からわかるように、本実施例のソレノイド1 Aは真鍮スリーブ5Aを一箇所に固定した場合と比べて、どの周波数においても ストローク位置変化によるインダクタンスの変化量が確実に低減されている。
【0050】 図8には、本考案の第4の実施例が示されている。上記第1実施例ではうず電 流発生手段として磁束の通る部位であるプランジャ4の外周部及びセンタポスト 3の外周の中途部に円筒状の真鍮スリーブ5を配設したが、この実施例では、上 記第1実施例において、真鍮スリーブ5の、磁束の集中する吸引部であるスリー ブ10とセンタポスト3間の位置で、プランジャ4の外周面近傍まで突出する突 状部分51を設けた突部形状付きスリーブ5Bとしたものである。この突部形状 付きスリーブ10の材質は、上記第1実施例と同様に真鍮に限ることなく黄銅で あっても良く、非磁性体製の導電体であれば良い。その他の構成および作用につ いては第1実施例と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して 、その説明は省略する。
【0051】 ここで、本実施例において、突部形状付きスリーブ5Bを用いたときインダク タンスがどれくらい低減するか、図2に示す試験用ソレノイドにおいて、第1実 施例における図2に示す突状部分51のない試験用の円筒状の真鍮スリーブ5と 、本実施例における図9に示す試験用の突部形状付きスリーブ5Bと比較実験し たので、その結果を下記の表6及び表7に示す。測定条件は、試験用ソレノイド において、プランジャ4の径D:18mm、プランジャ4とセンタポスト3間のス トローク位置St:3mm、センタポスト3の吸引面側端面とセンタポスト3外周 部端面間S:2.75mmとなっており、印加電流は10mAで、周波数は20, 100,200,250Hzとなっている。
【0052】 まず、突状部分51のない真鍮スリーブ5について、真鍮スリーブ5の肉厚t :0.8,1.0,1.2mmとしたときのインダクタンスの測定結果を下記の表 6に示す。
【0053】
【表6】 上記表6からわかるように、真鍮スリーブ5の肉厚tを厚くしていくと、イン ダクタンスは低減されるが、低減率は小さくなっていくことがわかる。
【0054】 そして、図9に示す突部形状付きスリーブ5Bについて、材質を真鍮とし、円 筒部の肉厚t:1.2mmとしたときのインダクタンスの測定結果を下記の表7に 示す。
【0055】
【表7】 上記表7から、突状部分51を設けると、表6で示すように真鍮スリーブ5の 肉厚tを厚くするよりも効率的にインダクタンスを低減できる。そのため省スペ ースとすることができる。
【0056】 図10には、本考案の第5の実施例が示されている。本実施例のソレノイド1 Bは、両端が開口する筒状のソレノイド本体2Bと、このソレノイド本体2Bの 一方の開口部内周に挿入される磁性体製の固定部材としてのセンタポスト3Bと 、ソレノイド本体2Bの他方の開口部内周に挿入されるシリンダB36と、その シリンダB36内周にプランジャ軸受11Bを介して往復動自在に挿入されるプ ランジャ4Bと、ソレノイド本体2Bの他方の開口部を閉塞すると共に、プラン ジャ4Bの軸方向の動きを規制するためのシリンダB36内周にねじ込み固定さ れるキャップ37と、から構成されている。
【0057】 そして、シリンダB36とセンタポスト3Bとは、それぞれに設けられる段凹 部25BにシリンダA38が嵌合されて同軸上に連結固定されている。
【0058】 また、シリンダB36とセンタポスト3Bは、ソレノイド本体2Bに対して螺 合されて固定されている。
【0059】 このような構成のソレノイド1Bであるため、うず電流発生手段としての上記 第4実施例で示した突部形状付きスリーブ5Bを組込むことができない。
【0060】 そこで、本実施例にあっては、シリンダA38自体を銅溶着により成形し、磁 束が集中する吸引部付近、すなわち、プランジャ4Bのセンタポスト3B寄りの 外周面近傍まで突出する突状部分51Bを設けて、うず電流発生手段としたもの である。その他の構成および作用については第4実施例と同一なので、同一の構 成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0061】 尚、上記各実施例では、非磁性体製の導電体から成るうず電流発生手段として の真鍮スリーブ5,5A,銅メッキ15及び突部形状付きスリーブ5Bの配置を プランジャ4の外周部とセンタポスト3の外周の中途部までの間、プランジャ4 Aの外周部及びスリーブ10の外周面、プランジャ4の外周面、センタポスト3 の外周面、スリーブ10とセンタポスト3間に突状部分51としたが、この位置 に限定されず磁束の通る部位、いわゆるソレノイドのうず電流の発生状態を変化 させられる位置であればよい。また、材質についてもうず電流を発生するもの、 つまり非磁性体製の導電体であればよい。
【0062】
【考案の効果】
本考案は、以上の構成および作用を有するもので、うず電流を発生させる非磁 性体製の導電体から成るうず電流発生手段を磁束の通る部位に設けたので、磁束 変化時に磁束の通る部位に逆起電力が発生し、この起電力が、磁束変化を妨げる 電流を生じるような向きにうず電流の発生状態が変化することから、磁束変化が 低減され、インダクタンスの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の一実施例に係るソレノイドの全
体縦断面図である。
【図2】図2はインダクタンスの大きさを調べるための
試験用ソレノイドの要部縦断面図である。
【図3】図3はインダクタンス測定用の測定等価回路図
である。
【図4】図4は本考案の第2の実施例に係るソレノイド
の全体縦断面図である。
【図5】図5は本考案の第3の実施例に係るソレノイド
の全体縦断面図である。
【図6】図6は図5のソレノイドにおいて、真鍮スリー
ブを一箇所に固定した場合のインダクタンスの大きさを
調べるための試験用ソレノイドの要部縦断面図であり、
同図(a)はストローク位置が4.4mmの時の要部縦断
面図であり、同図(b)はストローク位置が0mmの時の
要部縦断面図である。
【図7】図7は図5のソレノイドのインダクタンスの大
きさを調べるための試験用ソレノイドの要部縦断面図で
あり、同図(a)はストローク位置が4.4mmの時の要
部縦断面図であり、同図(b)はストローク位置が0mm
の時の要部縦断面図である。
【図8】図8は本考案の第4の実施例に係るソレノイド
の全体縦断面図である。
【図9】図9は図8のソレノイドのインダクタンスの大
きさを調べるための試験用の突部形状付きスリーブの要
部縦断面図である。
【図10】図10は本考案の第5の実施例に係るソレノ
イドの全体縦断面図である。
【図11】図11は従来のソレノイドの全体縦断面図で
ある。
【図12】図12は制御電流に重畳されるディザ電流の
波形を示すもので、同図(a)は方形波であり、同図
(b)は三角形波である。
【図13】図13は他の従来例のソレノイドの全体縦断
面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B ソレノイド 2,2A,2B ソレノイド本体 3,3A,3B センタポスト(固定部材) 31 外向きフランジ部 4,4A,4B プランジャ(可動部材) 41 貫通孔 5,5A 真鍮スリーブ(うず電流発生手段) 5B 突部形状付きスリーブ(うず電流発生手段) 51,51B 突状部分 6,6A ケース 7,7A コイル 71 突出部 8 固定プレート 9,9A アッパープレート 10 スリーブ 10A 大径部 10B 小径部 10C 段部 11,11B プランジャ軸受 12,12A ロッド 13 ロッド軸受 14 シム 15 銅メッキ(うず電流発生手段) 16 フロントボディ 17 ボディ 18 大径部 19 小径部 20 ブラケット 21 孔 22 ケース側段部 23 段部 24 溝 25,25B 段凹部 26 連結スリーブ 27 ロッド案内孔 28,32 ロッド軸受 29 円周部 30 貫通孔 33 スプリングリテーナ 34 スプリング 35 アジャストスクリュー 36 シリンダB 37 キャップ 38 シリンダA(うず電流発生手段)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体製の固定部材と、該固定部材と同
    軸的に配置される磁性体製の可動部材と、固定部材を取
    囲むように配置されるコイルとを備え、前記コイルに通
    電することによって前記固定部材に可動部材を磁気吸引
    するソレノイドにおいて、 磁束変化によってうず電流を発生させる非磁性体製の導
    電体から成るうず電流発生手段を、磁束の通る部位に設
    けたことを特徴とするソレノイド。
JP6223892U 1992-02-03 1992-08-11 ソレノイド Expired - Lifetime JP2561629Y2 (ja)

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JP2536592 1992-03-27
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JP3386092 1992-04-22
JP4-10911 1992-04-22
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001023817A (ja) * 1999-05-06 2001-01-26 Smc Corp 電磁装置
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JP2017157595A (ja) * 2016-02-29 2017-09-07 株式会社神戸製鋼所 可動鉄心およびソレノイド装置

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