JPH06262131A - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

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JPH06262131A
JPH06262131A JP7531293A JP7531293A JPH06262131A JP H06262131 A JPH06262131 A JP H06262131A JP 7531293 A JP7531293 A JP 7531293A JP 7531293 A JP7531293 A JP 7531293A JP H06262131 A JPH06262131 A JP H06262131A
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JP
Japan
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coating
surface tension
coating film
coated
liquid
Prior art date
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Pending
Application number
JP7531293A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Morita
昌孝 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピンホ−ル等の塗膜欠陥を抑えて高品質の塗
装品を安定提供できる塗装手段を確立する。 【構成】 塗装に際して、図1で示したように、被塗装
材上に目的とする塗料を塗布し、更にその上へ前記目的
とする塗料よりも表面張力が小さい液体を塗布してから
乾燥するか、或いは被塗装材上に目的とする塗料よりも
表面張力が大きい液体を塗布し、その上に目的とする塗
料を塗布してから乾燥することにより、健全な塗膜を有
した高品質の塗装品製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、健全な塗膜を安定し
て形成することができる塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】通常、鋼帯その他の物品に塗装
を施した場合、気泡等に起因した“ワキ”と呼ばれる塗
装欠陥を生じがちであることが知られている。この“ワ
キ”と呼ばれる塗装欠陥には幾つかの種類があるが、そ
の中でもピンホ−ル(非常に小さいピン跡状の小穴であ
って素地に達しているもの)は塗装品の性能を著しく低
下させるので、その防止には細心の注意を払わなければ
ならない。
【0003】ところで、上記“ワキ”が発生する大きな
原因としては、 a) 塗装の塗布時における空気の巻き込み, b) 塗膜の焼き付け・乾燥時における溶剤の突沸, c) 被塗装面に残留した泡への界面エキルギ−に基づく
せん断力の作用 が挙げられている。
【0004】このうち、「塗料を塗布する際の空気の巻
き込み」等によって生じたウェット膜中の気泡は、薄膜
の場合には速やかに表面に移動して塗膜のレベリング作
用が大きい間に脱泡するので“ワキ”に結び付くことは
殆どないが、厚膜の場合には溶剤の揮発が表面から進行
して塗料の粘度が上がるために脱泡しなくなり、“ワ
キ”を発生させることになる。もっとも、このような原
因で発生する“ワキ”に対しては、一回の塗装膜厚を薄
くしたり乾燥に時間をかけるといった回避策が採られて
おり、所望する効果が得られている。
【0005】また、塗膜内部に含まれる溶剤等が焼き付
け・乾燥時に突沸し表層の乾燥膜を押し上げて破裂させ
穴を作るという「塗膜の焼き付け・乾燥時における溶剤
の突沸」に起因する塗装欠陥も、乾燥時間を長くするこ
とで回避できる。
【0006】しかしながら、「被塗装面に残留した泡へ
の界面エキルギ−に基づくせん断力の作用」が原因とな
る塗膜欠陥は、ピンホ−ルにつながるものである上、こ
れまで十分な回避方法が見つかってはいなかった。
【0007】界面エキルギ−が介在する上記塗膜欠陥
は、図3で示したように、被塗装材の素地又は下地(プ
ライマ−処理地等)に残留していた泡がそれ自身の浮揚
力よりはむしろ界面エネルギ−に基づくせん断力の作用
によって塗膜内を上昇し、既に粘度の大きくなっている
塗膜表面を破って外に出ることにより発生するが、泡の
移動した後は素地まで貫通した大きい穴(即ち“ピンホ
−ル”)として残ることになる。
【0008】このようなことから、本発明が目的とした
のは、ピンホ−ル等の塗膜欠陥を抑えて高品質の塗装品
を安定提供できる塗装手段を確立することであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、次のような知
見を得ることができた。即ち、“ワキ”の発生につなが
る「塗膜内を上昇する際の泡」が前記図3に示した如く
“表面張力の小さい塗液”に包まれていることは知られ
ていたが、このように“表面張力の小さい塗液に包まれ
ながら塗膜内を浮上しようとする泡”は上方に“表面張
力の小さい液体の層”が存在するとその界面で捕らえら
れて塗布膜の表面にまで達しない。従って、塗装の際、
“ワキ”の原因となる泡の存在位置よりも上方に“表面
張力の小さい塗液の層”が存在するように形成される塗
膜が複層構造となる手立てを講じてやれば、塗膜欠陥の
発生は著しく減少する。
【0010】本発明は、上記知見事項等を基にして完成
されたものであり、「材料,物品の塗装に際して、 被塗
装材上に目的とする塗料を塗布し、 更にその上へ前記目
的とする塗料よりも表面張力が小さい液体を塗布してか
ら乾燥するか、 或いは被塗装材上に目的とする塗料より
も表面張力が大きい液体を塗布し、その上に目的とする
塗料を塗布してから乾燥することにより、 健全な塗膜を
有した高品質の塗装品を安定して製造できるようにした
点」に大きな特徴を有している。
【0011】なお、本発明においては「被塗装材」の種
類は特に制限されるものではなく、鋼板,非鉄金属板或
いは非金属材料・物品、更にはこれらに塗装下地処理層
(プライマ−の層)を設けたもの等の何れであっても差
支えはない。
【0012】また、「目的とする塗料よりも表面張力が
小さい液体」としては、塗膜本来の所望特性を阻害しな
いものであれば格別な制限はないが、“目的とする塗料
に界面活性剤又はシリコ−ンオイル等を添加して表面張
力を小さくした塗料”が好適であると言える。勿論、目
的とする塗料を塗布してからその上に界面活性剤等を塗
布し、これによって塗膜上面に表面張力の小さい塗料の
層を形成しても構わない。
【0013】更に、「目的とする塗料よりも表面張力が
大きい液体」も、これを下層としても塗膜本来の所望特
性を阻害しないものであれば特に制限されることはない
が、好ましくは“目的とする塗料よりも界面活性剤の添
加を少なくして表面張力を大きくした塗料”等を使用す
るのが良い。
【0014】
【作用】さて、塗膜欠陥である“ワキ”、中でも特に厄
介なピンホ−ルは、先に述べたように、素地又は下地処
理層表面に残っていた泡が界面エネルギ−に基づくせん
断力の作用によって上昇し、既に粘度の大きくなってい
る塗膜表面を破って出ることにより生じるが、図1で示
したように、“塗装目的の塗料より表面張力が小さい液
体(例えば塗料)”を目的とする塗料層の上に塗布して
おくと、表面張力の小さい塗液に包まれながら浮上しよ
うとする泡は、上記“表面張力の小さい液体”の層で食
い止められ、複層の塗膜表面まで浮上しなくなる。従っ
て、粘度の大きくなっている塗膜を破って泡が外に出る
ことがなくなり、ピンホ−ルの発生が防止される。勿
論、素地又は下地処理層表面ではなくて塗膜内に存在し
ていた泡も同様に捕捉されるので、これがクレ−タ−状
の“ワキ”につながることも防止される。
【0015】また、図2で示したように、予め被塗装材
面に“塗装しようとする塗料(目的塗料)よりも表面張
力が大きい液体(例えば塗料)”を塗布し、その上に目
的の塗料を塗布することによっても、表面張力の小さい
塗液に包まれながら表面へ浮上しようとする被塗装材素
地又は下地処理層表面に残っていた泡は、上記“相対的
に表面張力の小さい目的塗料”の層との界面で浮上が食
い止められる。そのため、やはり粘度の大きくなってい
る塗膜を破って泡が外に出ることがなくなり、ピンホ−
ルの発生が防止される。
【0016】もっとも、上記何れの場合にもピンホ−ル
になりかけた穴が塗膜内部に残ると考えられるが、この
穴は表面からは観察できず、しかも塗膜性能の劣化につ
ながらないことが確認されているため、これら本発明法
により美麗で高性能の塗装品を得ることができる訳であ
る。
【0017】続いて、本発明を実施例によって更に具体
的に説明する。
【実施例】鋼板面を常法に従ってプライマ−処理した被
塗装材を使用し、“従来法”並びに“本発明法”に従っ
たアクリル樹脂塗料の塗装試験を行った。
【0018】まず、「従来例」としては、プライマ−の
上に目的の塗料を塗布し、熱風乾燥によって230℃ま
で加熱し乾燥した。しかし、この方法によると、乾燥膜
厚で30μ以上の塗膜厚になるとピンホ−ルの発生が頻
繁に見られ製品にならなかった。
【0019】次に、「本発明例1」として、まずプライ
マ−の上に目的とする塗料を塗り、その上にこれよりも
表面張力の小さい塗料溶媒を塗布した後、熱風乾燥によ
って230℃まで加熱し乾燥した。この試験では、塗料
溶媒の塗布によって表面張力が小さくなった塗料の層が
5μ以上になっていると、乾燥膜厚で30μ以上の塗膜
厚になってもピンホ−ルの発生を十分に抑え得ることが
確認された。勿論、表面状態(外観)は良好であった。
【0020】また、「本発明例2」として、まずプライ
マ−の上に目的とする塗料を塗り、その上へ目的塗料に
界面活性剤を添加して表面張力を小さくした塗料を塗布
した後、熱風乾燥によって230℃まで加熱し乾燥し
た。この試験でも、表面張力を小さくした塗料を5μ以
上塗布すると、乾燥膜厚で30μ以上の塗膜厚になって
もピンホ−ルの発生を十分に抑え得ることが確認され
た。この場合も表面状態(外観)が良好であったことは
言うまでもない。
【0021】そして、「本発明例3」として、まずプラ
イマ−の上に目的とする塗料よりも表面張力が大きくな
るように界面活性剤を目的の塗料よりも少なく調整した
塗料を塗布し(薄く塗布するのに多少の困難があっ
た)、その上に目的の塗料を塗布した後、熱風乾燥によ
って230℃まで加熱し乾燥した。この試験では、表面
張力を大きくした塗料を5μm以上塗布すると、乾燥膜
厚で30μ以上の塗膜厚になってもピンホ−ルの発生を
十分に抑え得ることが確認された。この場合も表面状態
(外観)は非常に良好であった。
【0022】ところで、表1は以上の試験結果(塗膜厚
は乾燥膜厚で30μの場合)をまとめて比較したもので
あるが、本発明例(表面張力を調整した塗液の膜厚を何
れも5μとした場合のもの)ではピンホ−ルによる不良
発生率が激減していることが分かる。
【0023】
【表1】
【0024】なお、これらとは別に、“表面張力を小さ
くした塗料”を調整するためにシリコ−ンオイルを微量
添加した場合と界面活性剤を添加した場合との違いも調
査したが、この結果、塗膜性能の点では何れも同様の優
れた効果が得られたものの、シリコ−ンオイルを添加し
た方が“ユズ肌”の発生を抑制する効果が大きかったの
に対して、表面の美麗さの点では界面活性剤を添加した
方が優れることも分かった。
【0025】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、塗膜欠陥である“ワキ(ピンホ−ル等)”の発生が
殆ど認められない塗装方法を提供することが可能とな
り、高品質で美麗な塗装品の安定生産に大きく寄与でき
るなど、産業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の説明図である。
【図2】本発明法の別例に係る説明図である。
【図3】塗膜のピンホ−ル発生メカニズムに関する説明
図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装材上に目的とする塗料を塗布し、
    更にその上へ前記目的とする塗料よりも表面張力が小さ
    い液体を塗布してから乾燥することを特徴とする塗装方
    法。
  2. 【請求項2】 被塗装材上に目的とする塗料よりも表面
    張力が大きい液体を塗布し、その上に目的とする塗料を
    塗布してから乾燥することを特徴とする塗装方法。
JP7531293A 1993-03-09 1993-03-09 塗装方法 Pending JPH06262131A (ja)

Priority Applications (1)

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JP7531293A JPH06262131A (ja) 1993-03-09 1993-03-09 塗装方法

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JP7531293A JPH06262131A (ja) 1993-03-09 1993-03-09 塗装方法

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JPH06262131A true JPH06262131A (ja) 1994-09-20

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JP7531293A Pending JPH06262131A (ja) 1993-03-09 1993-03-09 塗装方法

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JP (1) JPH06262131A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006314940A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Matsushita Electric Works Ltd 鏡面仕上げ塗装方法
WO2013024784A1 (ja) * 2011-08-12 2013-02-21 日本ペイント株式会社 複層塗膜形成方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006314940A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Matsushita Electric Works Ltd 鏡面仕上げ塗装方法
WO2013024784A1 (ja) * 2011-08-12 2013-02-21 日本ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
JP5221822B1 (ja) * 2011-08-12 2013-06-26 日本ペイント株式会社 複層塗膜形成方法

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