JPH06261908A - 超音波送波器およびこの送波器を備えた結石破砕装置 - Google Patents

超音波送波器およびこの送波器を備えた結石破砕装置

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JPH06261908A
JPH06261908A JP5054310A JP5431093A JPH06261908A JP H06261908 A JPH06261908 A JP H06261908A JP 5054310 A JP5054310 A JP 5054310A JP 5431093 A JP5431093 A JP 5431093A JP H06261908 A JPH06261908 A JP H06261908A
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JP
Japan
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piezoelectric
ultrasonic wave
ultrasonic
piezoelectric vibrator
wave transmitter
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Application number
JP5054310A
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Inventor
Mamoru Izumi
守 泉
Shinichi Hashimoto
新一 橋本
Shiro Saito
史郎 斉藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高電界駆動でも出力音圧が飽和せず、高電界値
に対する出力音圧の線形性を保持し、大きな出力エネル
ギを放射でき、成形加工が容易な超音波送波器およびこ
の送波器を備えた結石破砕装置を提供することを目的と
する。 【構成】この超音波送波器は、整列配置された複数個の
圧電振動子28と、各圧電振動子28に高電圧パルスを
印加する高電圧パルス発生回路29とを備え、各圧電振
動子28に高電圧パルスを印加させて超音波を発生させ
る超音波送波器18において、前記圧電振動子28は、
その開口幅d(m)を駆動周波数f(Hz)によりd・
f≦104 (Hz・m)となるように制限するとともに
上記開口の形状および面積が互いにほぼ等しい平板振動
子で構成し、前記各圧電振動子28から放射される超音
波を所要の局所領域に集束させる超音波放射ビーム集束
手段33を備えたものである。また、結石破砕装置は、
上述した超音波送波器をアプリケータ内に内蔵させたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の圧電振動子に高
電圧パルスを印加させて強力な超音波を発生させる超音
波送波器およびこの送波器を備えた結石破砕装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】強力な超音波を衝撃波として利用する治
療装置の1つに、結石破砕装置がある。この結石破砕装
置は体外から衝撃波を照射し、腎石や胆石を微細に砕き
自然排出させて治療するもので、注目されている。結石
破砕装置には衝撃波発生器として強力超音波を発生させ
る超音波送波器が用いられる。
【0003】超音波送波器には、一般に圧電素子に電極
を備えた圧電振動子が用いられ、この圧電振動子の駆動
により超音波を放射させている。圧電振動子の中には、
その共振周波数が100KHzを超えるものがある。共
振周波数が100KHzを超える圧電振動子は、圧電素
子の両面に電極が設けられた圧電セラミック振動子の厚
み縦振動モードが利用される。圧電振動子を備えた超音
波送波器は圧電素子両面の電極に高電圧パルスを印加す
ることで超音波パルスを発生させるようになっている。
【0004】超音波送波器から被検体の患部に照射され
る衝撃波や超音波は、被検体の正常な生体組織へのダメ
ージを低減させるために、患部のみに集中照射させる超
音波放射ビーム集束手段を設けている。この集束手段に
より患部周囲の正常な生体組織への不要な照射を避ける
ようになっている。超音波放射ビーム集束手段は一般に
は圧電素子を凹面に形成することにより構成される。
【0005】超音波送波器から放射される超音波の集束
効果による音波圧力の増大と伝搬過程での非線形現象に
より衝撃波が形成される。形成される衝撃波が焦点領域
で高い音波圧力を有するように、圧電素子に電気機械変
換効率の大きな圧電材料を用い、高電圧パルスを印加し
て圧電素子から放射される超音波の振幅を大きくした
り、圧電素子の面積を大きくして焦点位置での超音波の
エネルギ密度を大きくしたりしている。
【0006】圧電素子両面に電極を備えた圧電振動子に
電圧を印加すると圧電振動子が電界の極性と大きさに応
じて厚みを増減させる変形が生じる。この圧電振動子の
伸縮作用、ひいては振動子表面のピストン運動により、
伝搬媒体に弾性波(超音波)が放射される。
【0007】圧電振動子の弾性変形は、その共振周波数
で最大となるため、共振周波数近傍で圧電振動子を駆動
させると効率がよい。圧電振動子の弾性変形量、すなわ
ち、水中(伝搬媒体)に放射される超音波の振幅は電界
に比例するが、その線形性には限界がある。圧電振動子
の弾性変形量がある値を超えると、超音波振幅は飽和傾
向を示し、遂には超音波振動子が弾性限界を超えて破壊
する。
【0008】超音波振動子の破壊は、圧電素子材料の厚
さ方向(厚み縦振動モード)の弾性限界によるものであ
る。超音波振動子の線形性の制限値は、圧電素子材料に
より異なる。例えば東芝セラミックス株式会社製の圧電
素子材料(以下、T−96材という。)への静的な電圧
印加条件では2KV/mmの電界値で飽和傾向が表われ
る。電界に対する超音波の出力振幅の大きな材料は、一
般に飽和電界が小さくなる傾向がある。
【0009】また、超音波送波器から放射される超音波
を被検体の患部に集束させるために、凹面形状の圧電素
子を備えた圧電振動子が用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】超音波送波器に凹面形
状の圧電素子を備えた圧電振動子を採用すると、圧電振
動子に大電圧を印加したときに、表面変位が小さな電界
値で飽和傾向が表われる。一例として、T−96材で
は、曲率半径180mmの凹面形状の圧電振動子は、1K
V/mmに満たない電界で飽和傾向を示し、以後、電圧を
増加しても超音波振幅が増加しなくなる。凹面形状の圧
電振動子では、表面が平行変位する圧電素子の変形にお
いて、凹面形状は面方向にも変形量を束縛する応力が働
くためである。凹面形状の圧電振動子では低い電界で出
力音圧が飽和してしまい、高電圧駆動時に入力エネルギ
に対する出力エネルギのエネルギ変換効率が悪化する。
【0011】また、圧電振動子に高電圧パルスを印加し
て被検体の局部領域に衝撃波を放射する結石破砕装置に
おいて、衝撃波である超音波を局部領域に集束させるた
めに、凹面形状の圧電振動子を用いると、駆動パルス電
界が0.5KV/mmを超える領域では、印加電圧である
駆動電界に対する出力音圧振幅の線形性が保たれず、低
い電界(印加電圧)で飽和してしまう。超音波の出力音
圧が飽和すると、入力エネルギを大きくしても大きな出
力エネルギを受けることができない。
【0012】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、高電界駆動でも出力音圧が飽和せず、高電界値
に対する出力音圧の線形性を保持し、大きな出力エネル
ギを放射でき、成形加工が容易な超音波送波器およびこ
の送波器を備えた結石破砕装置を提供することを目的と
する。
【0013】本発明の他の目的は、印加電圧が高電界値
まで出力音圧(出力エネルギ)の線形性を保持し、高電
界駆動時の入力エネルギに対する出力エネルギのエネル
ギ変換効率を改善し、大きな出力エネルギを放射可能な
超音波送波器およびこの送波器を備えた結石破砕装置を
提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る超音波送波
器は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載
したように、整列配置された複数個の圧電振動子と、各
圧電振動子に高電圧パルスを印加する高電圧パルス発生
回路とを備え、各圧電振動子に高電圧パルスを印加させ
て超音波を発生させる超音波送波器において、前記圧電
振動子は、その開口幅d(m)を駆動周波数f(Hz)
により、d・f≦104 (Hz・m)となるように、制
限するとともに上記開口の形状および面積が互いにほぼ
等しい平板振動子で構成し、前記各圧電振動子から放射
される超音波を所要の局所領域に集束させる超音波放射
ビーム集束手段を備えたものである。
【0015】また、本発明に係る送波器を備えた結石破
砕装置は、上述した課題を解決するために、請求項2に
記載したように、強力超音波を発生させる超音波送波器
と超音波による位置合せリアルタイムモニタリングを行
なう超音波イメージング用超音波プローブとを内蔵した
アプリケータを有し、上記超音波発生器は、整列配置さ
れた複数個の圧電振動子と各圧電振動子に高電圧パルス
を印加する高電圧パルス発生回路とを備えた結石破砕装
置において、前記圧電振動子は、この開口幅d(m)を
駆動周波数f(Hz)により、d・f≦104 (Hz・
m)となるように、制限するとともに上記開口の形状お
よび面積が互いにほぼ等しい平板振動子で構成し、前記
各圧電振動子から放射される超音波を所要の局所領域に
集束させる超音波放射ビーム集束手段を備えたものであ
る。
【0016】
【作用】本発明に係る超音波送波器およびこの送波器を
備えた結石破砕装置においては、整列配置される複数個
の圧電振動子に駆動周波数f(Hz)と開口面積d
2 (m2 )および形状をd・f≦104 (Hz・m)と
なるように、規定した平板振動子を採用することによ
り、出力音圧を高電界駆動時まで線形性を保持し、音響
出力が飽和する印加電界値を大きくし、高電界駆動でも
音響出力(出力音圧)が飽和せず、大きな出力エネルギ
を放射させることができる。
【0017】また、圧電振動子を平板振動子とすること
で成形加工を容易にし、生産性を向上させることができ
る。さらに、平板振動子で構成した複数個の圧電振動子
を所定の局所領域に向けて周方向に整列配置して複数列
のリング状アレイを構成し、各圧電振動子に印加される
高電圧パルスの駆動タイミングを駆動タイミング制御装
置で調節制御することで、凹面形状の圧電振動子を採用
したものと同等な超音波放射ビームの集束効果を有し、
凹面形状の圧電振動子に較べ、音響出力が飽和する印加
電界を各段に大きくすることができ、高電界駆動でも音
響出力(出力音圧)が飽和せず、大きな出力エネルギを
放射できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照して説明する。
【0019】図1および図2は本発明に係る超音波送波
器を備えた結石破砕装置の一例を示す側面図および正面
図である。この結石破砕装置10は、被検体を載置する
治療寝台11と、上方アプローチ方式のアプリケータ1
2と、このアプリケータ12を保持するアプリケータ保
持装置13とを組み合せて構成される。
【0020】治療寝台11は寝台天板14を上下・左右
・前後に移動自在に設け、寝台天板14をオペレータの
操作し易い位置に調節できるようになっている。また、
アプリケータ保持装置13は治療寝台14に進退可能に
保持させるサポート柱15とこのサポート柱15に昇降
自在に片持梁状に支持された保持アーム16とを有す
る。保持アーム16は支軸廻りに回動自在に支持される
一方、自由端側が2股に分岐され、2股の分岐アーム部
16a,16bにアプリケータ12の耳軸が回動自在に
支持される。このため、アプリケータ12は動かしたい
方向に図示しないジョイスティックを傾ければ、上下・
前後・左右に動かすことができる。
【0021】また、アプリケータ12は、強力超音波を
発生させる超音波送波器18と、超音波による位置合せ
リアルタイムモニタリングを行なう超音波イメージング
用超音波プローブ19を、図3および図4に示すように
内蔵する一方、アプリケータ12は被検体20にウォー
タバック21を介して密着せしめられるようになってい
る。アプリケータ12は、治療中にウォータバック21
と被検体20との接触による不快感を無くすために、ア
プリケータ12内の媒体としての水を適温に保持してい
る。
【0022】アプリケータ12に内蔵される超音波送波
器18は、図5および図6に示すように構成され、椀状
のベース25を有する。このベース25は、中央部に超
音波イメージング用の超音波プローブ19が配置される
ガイド孔26が設けられる。ベース25の内面は球殻あ
るいは球面の一部を形成するように凹設されており、ベ
ース25の内面に多数の圧電振動子28が同心円状に整
列配置され、リング状アレイが構成される。各圧電振動
子28に駆動電圧源としての高電圧パルス発生回路29
で発生した高電圧パルスが駆動タイミング制御回路30
でタイミング調整されて印加されるようになっている。
各圧電振動子28は成形加工が容易な例えば台形の平板
振動子で構成され、各圧電振動子28の開口である超音
波放射面の形状および面積が相互にほぼ等しくされる。
各圧電振動子28の超音波放射面は、所定の局所領域で
ある球殻(球面の中心O)を向くようにセットされる。
各圧電振動子28はベース25の内面に周方向に沿って
リング状に例えば3列配列され、リング状の圧電振動子
アレイが構成される。
【0023】各圧電振動子28は周辺部のみがベース2
5のシートに固着される一方、各圧電振動子28の背側
に空気層31が形成され、圧電振動子28の背側の大部
分は空気層31に接している。
【0024】また、超音波送波器18の表面は媒体であ
る水に接するために、圧電振動子28は隣接する圧電振
動子28との間に絶縁性で耐水性の樹脂材料32が埋設
され、液密性を保持している。
【0025】超音波送波器18はベース25の曲率半径
Rの球面に沿って多数の圧電振動子28を湾曲状に周方
向にリング状に配列することで、各圧電振動子28から
放射される超音波を所要の局所領域である被検体20の
患部(焦点位置O)に集束させる超音波放射ビーム集束
手段33を構成している。また、各圧電振動子28から
放射される超音波の焦点位置Oを電気的に制御できるよ
うに、超音波送波器18は各超音波振動子29の駆動タ
イミングを制御する駆動タイミング制御回路30を備
え、この制御回路30でも超音波放射ビーム集束手段の
一部を構成している。
【0026】駆動タイミング制御回路30で各圧電振動
子28から放射される超音波の焦点位置Oを電気的に3
次元制御できると、被検体20の患部(結石)への位置
合せや、呼吸作用等による患部(結石)の移動を追尾す
ることが可能になり、治療効率が向上する。このために
は、リング状圧電振動子アレイを複数列用意し、各圧電
振動子28の駆動タイミングを制御するフェーズドアレ
イ法が知られており、図5に示す超音波送波器18で
は、フェーズドアレイ法を採用した駆動タイミング制御
回路30により各圧電振動子28の駆動タイミングを制
御して3次元の焦点位置制御を可能にしている。
【0027】この場合、超音波送波器18は隣接する圧
電振動子28間に位相のずれた高電圧パルスが印加され
ることになり、隣接圧電振動子28間の絶縁対策が必要
となる。この超音波送波器18では、台形の圧電振動子
28の外周側を削り、隣接する圧電振動子28間の最短
間隔を必要以上の幅とし、間隙に高絶縁性の耐水樹脂材
料32を埋設し、圧電振動子28の信号電極側に、絶縁
樹脂の壁を設けている(特願平4−213126号参
照)。図5の超音波送波器18は、フェーズドアレイ制
御用に隣接圧電振動子28間に間隙を設けた状態を示し
ている。
【0028】また、図5および図6に示される超音波送
波器18は、台形の平板振動子である多数の圧電振動子
28を立体角θを有し、その頂点Oを中心とする曲率半
径Rの球殻(球面)の一部に沿うようにリング状に配列
したもので、各圧電振動子28から放射される超音波の
集束角度である立体角θは、70°〜80°程度にされ
る。超音波の集束角度が70°〜80°程度に調整され
ると、被検体への超音波入射時に痛みを感ぜず、無麻痺
で治療を行なうことができる。
【0029】次に圧電振動子28の開口(超音波放射
面)の形状や面積の決め方について説明する。
【0030】超音波送波器18は圧電振動子28から放
射される強力超音波を超音波放射ビーム集束手段33で
集束して結石の破砕に要求される音響エネルギ(衝撃
波)を得るようになっているが、この結石破砕に要求さ
れる音響エネルギを得るのに必要な圧電振動子28の総
面積から、球殻(球面)の形状を図7(A)および
(B)に示すように決定し、球殻(球面)の一部を仮想
する。
【0031】続いて、図7(A)および(B)で仮想し
た球殻に近い形に成るように平板振動子である複数個の
圧電振動子28を細密リングアレイ状に配列するが、各
圧電振動子28の開口幅(超音波放射面の幅)dは、そ
の駆動周波数fに対して、次式(1)のように制限する
と、超音波の焦点位置でのエネルギ密度の損失が90%
以内に抑えられ、かつ焦点位置を水平方向に移動させた
時のエネルギ密度損失も実用範囲に抑えられることが実
験的に確認できた。
【0032】
【数1】 d・f<104 (Hz・m) ……(1) 駆動周波数fを例えば250KHzとすると、圧電振動
子28の開口幅dが40mm以下であれば(1)式は満足
される。今、超音波送波器18の仮想球殻の曲率半径R
を260mm、外径D0 を330mm、内径Di を140mm
とすると、超音波送波器18の径方向分割数は、図8
(A)および(B)に示すように3分割となり、径方向
の幅を等しくした3リングアレイa,b,cを仮想され
る。駆動周波数fは500KHz以下であることが好ま
しい。
【0033】次に、図8(A)および(B)で径方向に
分割された各リングアレイa,b,cを周方向に等角度
で整数個に分割する。各リングアレイa,b,cの中心
円弧長さが40mm以下で偶数分割を想定すると、内周リ
ングアレイaは14分割、中央リングアレイbは20分
割、外周リングアレイcは26分割となる。分割された
圧電振動子28は、図9(A)および(B)に示すよう
に台形に近い形となり、この形に外形加工された平板振
動子が配列される。図5および図6では加工コストや加
工の容易性を考慮して分割形状を台形に加工した例を示
している。この台形上の平板振動子を圧電振動子28に
採用することど生産性を向上できる。
【0034】図9(A)および(B)の超音波送波器1
8において、放射される超音波が集束される焦点位置O
を3次元制御するには、駆動タイミング制御回路30で
全圧電振動子28の駆動タイミングを個別に制御できる
ことが望ましいが、焦点距離が中心軸上を移動する制御
のみの場合には、周方向に配列された各圧電振動子28
のリングアレイa,b,cは、各リング毎に同一の駆動
タイミング条件でよいため、全圧電振動子28を個別に
制御する駆動タイミング制御回路30は必ずしも必要で
はなく、図8(A)および(B)の場合では3つの各リ
ングアレイの駆動タイミングを各リング毎に個別に制御
すればよい。
【0035】また、呼吸作用による被検体20の結石
(患部)の移動は一直線上の往復運動であるが、この移
動を自動追尾する焦点位置の制御は、超音波放射方向に
垂直な1次元の移動と、距離方向の移動を組み合せれば
よい。
【0036】垂直な1次元移動を図9(B)に示す矢印
Yの方向とすると、焦点位置移動ラインに対して線対称
にある圧電振動子28と同じ駆動タイミングでよいた
め、遅延制御する圧電振動子28の数は全振動子数の半
分でよい。このため各リングのアレイa,b,cの周方
向の分割数を偶数にし、Yラインに対して線対称に圧電
振動子28を配置している。この場合、結石の移動方向
に合せて超音波送波器18を回転できるようにする必要
がある。
【0037】さらに、超音波送波器18の圧電振動子2
8が台形の場合、長辺側(外径側)の開口幅がdを超え
ることもあるが、圧電振動子28の超音波放射面の面積
がd2 以下であれば、問題ない。この圧電振動子28
は、予め超音波放射面(開口)側に音響マッチング層を
形成し、圧電振動子28の電極にリード線を接続した後
に、仮想球殻に沿うようにベース25内に配置される。
【0038】本発明による平板振動子を圧電振動子28
として配設した超音波送波器18と、仮想球殻の形に凹
面加工した圧電振動子の従来の超音波送波器とを比較し
た電界出力音圧特性を図10に示す。
【0039】圧電振動子28に採用される圧電素子材料
にT−96材を用いた。本発明の超音波送波器18のよ
うに、平板状で台形の圧電振動子28を採用すると、平
板による集束損失と台形にした面積損失で同一電界印加
時の出力音圧特性は、実線Eで示すように、凹面形状の
圧電振動子を採用した破線Fで示す出力音圧特性に較
べ、印加電界が1KV/mm以下では90%程度と落ちる
が、凹面形状の圧電振動子では1KV/mmを超えると、
逆転し、1KV/mm以上の印加電界値領域では平板の圧
電振動子28を採用した超音波送波器18の方が出力音
圧を大きくできる。圧電定数(開口幅)dの大きな材料
ではより低い電界値で逆転現象が生じた。
【0040】ところで、個々の圧電振動子28は、図1
1の(A)に示すようにセラミック製圧電素子35の両
面に電極36a,36bを備えたものである。
【0041】圧電振動子28は電気的には容量負荷で、
その静電容量をC、印加電圧をVとすると入力エネルギ
【数2】CV2 /2 ……(2) で表わされる。
【0042】印加電圧Vに対する出力音圧が線形範囲な
らば、印加電圧Vは高い程よいが、パワー半導体素子か
らなる高電圧パルス発生回路29では現在の技術水準で
は数KVのパルス電圧が限度である。高電圧パルス発生
回路29から0.5KV/mm以上のパルス電界が印加さ
れる。
【0043】駆動周波数fが例えば250KHzの超音
波送波器18を考慮すると、圧電素子35の厚さは約8
mmであり、2KV/mmの電界まで線形性であれば16K
Vまで高電圧を印加できるが、この電圧値は上記高電圧
パルス発生回路29の能力を超えた値である。一方、安
全性を考慮すると電圧は低減したい。
【0044】出力エネルギが駆動電圧源としての高電圧
パルス発生回路29の電圧で制限される場合や、低電圧
化を図る場合、圧電振動子28として図11(B)およ
び(C)に示すように積層圧電振動子28A,28Bを
採用することが望ましい。
【0045】圧電振動子28を図11(A)に示すよう
に単層構造としても、また図11(B)および(C)に
示すように積層構造としても、振動子全体の厚さtは等
しくなるようにセットされる。積層構造の圧電振動子2
8A,28Bでは、圧電素子35の両面に電極36a,
36bを有する同じ厚さの振動子エレメント37a,3
7b(37c)を複数個積層し、電気的に並列に接続し
て構成される。
【0046】各圧電振動子28A,28Bは、電圧印加
時に各振動子エレメント37a,37b(37c)が同
じ方向に変形するように矢印で示す分極方向を定める。
圧電振動子28,28A,28Bの厚さtを同じくする
ことで、各圧電振動子28,28A,28Bの共振周波
数を等しくできる。
【0047】積層構造の圧電振動子28A,28Bは、
単層構造の圧電振動子28の静電容量に対して静電容量
が積層数の2乗倍になり、図11(B)の2層では4
倍、図11(C)の3層では9倍になる。したがって、
同じ電圧で駆動すると、2層構造の圧電振動子28Aで
は単層の圧電振動子28の4倍、3層構造の圧電振動子
28Bでは9倍の入力エネルギとなり、出力音圧が線形
範囲にあれば、出力エネルギも入力エネルギに比例する
こととなる。
【0048】積層構造の圧電振動子28A,28Bで
は、1層当りの印加電圧は単層構造の圧電振動子28に
較べ、積層数倍になっており、図11(B)に示すよう
に2層の場合、図11(A)の単層の圧電振動子28を
2倍の電圧で駆動したことと等価となる。したがって、
積層圧電振動子28A,28Bを用いると積層数分の1
の印加電圧で同一入力エネルギとすることができ、低電
圧化を図ることができる。
【0049】また、圧電振動子28側における印加電圧
の制限値は、出力音圧の飽和以外にも絶縁破壊や応力破
壊が存在する。絶縁破壊は音圧飽和電圧より充分に高い
ので問題ないが、圧電振動子28が変形するときに振動
子内部に発生する応力により振動子内部にクラックが発
生し破壊することがある。
【0050】例えばT−96材で作られた振動子単体は
空気中でその共振周波数に対応する波長の正弦波1波の
パルス駆動でその振幅が2KV/mmの電界を超えたとき
に厚さを2分するよう破壊した。一般的な圧電セラミッ
クの引張強度は300〜500kgf/cm2 程度であるの
で、高電圧パルス駆動300kgf/cm2 程度の引張応力
が発生したことを意味している。水中で駆動したり、音
響マッチング層を設けた構造にすることで内部応力は低
減するが、積層圧電振動子28A,28Bの場合、接合
面の強度が問題となり、接合力が入力エネルギを制限す
るようでは積層圧電振動子28A,28Bにする意味が
なくなる。
【0051】積層圧電振動子を作成するには積層型圧電
アクチュエータの製造方法として知られる一体焼成法
や、有機系接着剤で接着する方法がある。
【0052】一体焼成法は、焼成する前の圧電素子粉末
をバインダで固めた状態の接合面に電極として白金や銀
−パラジウム等の金属粉末をペースト状にしたものを印
刷して積層する。この状態でセラミックを焼成して内部
電極を有する一体の積層構造の圧電振動子28A,28
Bを形成する。
【0053】積層構造の圧電振動子28A,28Bの接
合面の接合力を強化するために内部電極ペーストに圧電
セラミックと同じ材料の粉末を混合することが行なわれ
るが、接合面の引張強度は100kgf/cm2 程度であ
る。一体焼成法や接着剤による積層振動子の引張強度は
低下するが、超音波送波器18としたときの構造で入出
力が線形性を保つ最大電圧印加時に発生する内部応力よ
り大きければ問題ない。さらに接合面の接合強度を必要
とするような場合、活性金属法と呼ばれるろう付け法等
が圧電素子である圧電セラミックを強固に接合でき、し
かも、ろう付けは内部電極として活用でき、効果的な接
合手段である。
【0054】また、内部応力を低減する方法としては、
特願平4−14086号で提案した超音波送波器構造の
ように圧電振動子28裏面に厚さが波長の1/2程度の
剛性な物体を形成することが効果的である。圧電振動子
28の配置固定において、図5では振動子裏面に空間層
31を設けたが、ここに樹脂等を充填することでも内部
応力を低減できる。
【0055】図12は超音波放射面側に音響マッチング
層38を形成した2層構造の積層圧電振動子28Aを示
す斜視図であり、この積層圧電振動子28Aにリート線
を接続する方法を図13の(A),(B),(C)およ
び(D)に示す。
【0056】この積層圧電振動子28Aにおいて、信号
線(リード線)を引き出す内部電極40は片方の振動子
エレメント37bの一部を切り欠いて、この切欠部39
に内部電極40を露出させて耐圧ケーブル41を半田付
け等で接着する。
【0057】次に、振動子エレメント37bの切欠部3
9を絶縁性樹脂材料でモールドし、耐圧ケーブル41の
接着部を補強する。
【0058】また、積層圧電振動子28Aの両表面には
アース側電極43,43が形成され、このアース側電極
43同士は耐圧ケーブル44で短絡させる。アース側電
極43は、フェーズドアレイ制御する場合にも、各圧電
振動子28Aに共通に接続して駆動電源回路としての高
電圧パルス発生回路29に接続すれば高いので、各圧電
振動子28Aを超音波送波器18の球殻状ペースト25
内に配置後に、隣接する圧電振動子28A間でアース接
続し、数ヶ所の圧電振動子28Aからアースリードを引
き出すことにより、リード線の接続が完了する。
【0059】図14は超音波送波器18Aの第2実施例
を示すものである。
【0060】この実施例に示された超音波送波器18A
は、各圧電振動子28を平面に近い状態に配列した場合
を示す。正面図は図9(A)および(B)と同様である
が台形状の平板振動子を平面に沿って焦点Pに向けた配
設する。図5および図6に示す超音波送波器18に較べ
遅延時間は大きな値となるが、超音波送波器18A全体
を薄くすることができるメリットがある。
【0061】図15は超音波送波器50の第3実施例を
示すものである。
【0062】この実施例に示された超音波送波器50は
送波器ケース51内に、強力超音波を発生させる圧電振
動子52,53を円弧状に多層例えば2層配設し、圧電
振動子52,53間に音響伝搬媒体54を介装したもの
である。前方の圧電振動子53の超音波放射面側に音響
マッチング層55,56が設けられる。音響マッチング
層55,56は積層状に重ねられる一方、背側の圧電振
動子53の裏側に空気層57が形成される。
【0063】また、圧電振動子52はセラミック製圧電
素子58の両面に電極59a,59bが設けられ、各電
極59a,59bに駆動電圧を供給するためのリード線
60a,60bが接続される。圧電素子58の電極59
b側(超音波放射面側)には、音響伝搬媒体54を介し
て前方の圧電振動子53が設けられる。
【0064】この圧電振動子53も、圧電素子61の両
面に、電極62a,62bが設けられ、これらの各電極
62a,62bに駆動電圧を供給するためのリード線6
3a,63bが接続される。圧電素子61の電極62b
側(超音波放射面側)に設けられた音響マッチング層5
5,56は伝搬媒体である水との音響整合をとるために
設けられている。圧電素子58および61の厚さは、放
射する超音波の波長の約2分1で等しい厚さとなってい
る。圧電素子58の電極59a側は空気と接している。
【0065】圧電振動子52に供給される駆動電圧パル
ス圧電振動子52に供給される駆動電圧パルスに対し
て、音響伝搬媒体54および圧電素子61を超音波が伝
搬するのに要する時間分遅れて供給される構成となって
いる。
【0066】圧電振動子52の駆動に対する圧電振動子
53駆動の遅延時間Δtは、
【数3】 で表わされる。
【0067】したがって、圧電振動子52で発生する超
音波(衝撃波)と圧電振動子52で発生する超音波の少
なくとも第1波の位相は圧電振動子53の電極面62b
を出た時点では一致させることができる。このため従来
の圧電素子が単層の場合に較べて送波される出力音圧を
大幅に増大することができる。
【0068】図15に示すように、圧電振動子52,5
3を直列に配列すると個々の圧電振動子としての音響的
な特性は、従来の圧電振動子が単体の場合に比較して劣
化する。このため圧電振動子52,53を2層構成にし
ても送波される出力音圧は単純に2倍とはならない。し
かし、圧電振動子52,53のの超音波伝搬媒体54の
音響インピーダンスを、圧電振動子の音響インピーダン
スの2分の1近辺に近付けることで、2つの圧電振動子
52,53から発生する超音波を効率的に合成すること
ができる。
【0069】これは、圧電振動子52から見た場合、従
来の単層の圧電素子に比較して超音波放射面側に音響伝
搬媒体54および圧電振動子53が余分に存在するた
め、第1波のみを考えた場合でも音響伝搬媒体54や圧
電振動子53の層を通過する際に種々(反射、減衰等)
の損失を受ける。
【0070】圧電振動子53を考えた場合では、従来の
単層の圧電振動子に比較して裏側(超音波放射面側と反
対側)が空気層ではなく超音波伝搬媒体54であるた
め、この方向への超音波放射も生じ、本来の超音波放射
方向への超音波放射量が減少する。超音波伝搬媒体54
の音響インピーダンスを大きくし圧電振動子のそれに近
付けると、圧電振動子52による超音波の音圧は増加す
るが圧電振動子53による音圧は低下する。
【0071】逆に超音波伝搬媒体54の音響インピーダ
ンスを小さくしていくと、圧電振動子52による音圧は
低下し、圧電振動子53による音圧は増大する。圧電振
動子52,53間の音響伝搬媒体54の音響インピーダ
ンスに対する衝撃波の音圧の関係は、種々の条件により
多少の違いはあるが、ほぼ図16に示すようになってお
り、図15では、積層した圧電振動子52,53間の超
音波伝搬媒体54の層の音響インピーダンスを、損失が
大きくならないよう圧電振動子52,53の音響インピ
ーダンスの1/10の9/10までの値に設定される。
【0072】圧電振動子を用いた超音波送波器50では
衝撃波源として、圧電振動子52,53の破壊を防ぎ、
衝撃波音圧を向上させるには、1波目の密波のみを大き
く放射し、それ以降に続く音圧振幅を抑えることが望ま
しい。この超音波送波器50では超音波伝搬媒体54の
厚みを、超音波の第2波目以降の音圧振幅を抑える目的
で、ほぼ超音波波長の1/2の整数倍となっており、超
音波伝搬媒体54の厚みを0とした場合、すなわち圧電
振動子52,53を直接積層した場合にも最もこの効果
が顕著になる。
【0073】図15に示す超音波送波器50では、積層
したそれぞれの圧電振動子52,53を電気的に絶縁す
る目的を含め超音波伝搬媒体54の厚みを発生する超音
波の波長の1/2とすることで、第2波目以降の超音波
の振幅を抑えている。
【0074】図17の(A),(B)および(C)は図
15に示される超音波送波器50の各圧電振動子52,
53に駆動電圧パルスを印加するための駆動電圧源の構
成を示している。
【0075】図17(A)は最も基本的な駆動電圧源6
5,66の構成を示す。駆動電圧源65,66は、圧電
振動子52,53の各電極59a,59b;62a,6
2bに個別に接続した独立構成とし、圧電振動子52を
駆動する駆動電圧源65は圧電振動子53を駆動する駆
動電圧源66に対して前述した遅延時間を与えて駆動さ
れる。
【0076】図17(B)では圧電振動子52,53を
駆動するための駆動電圧源67は共通となっており、圧
電振動子53側の伝送ラインには遅延時間を与えるため
の遅延回路68が設けられる。
【0077】図17(C)は、図17(B)で示すもの
と同様に駆動電圧源69は共通となっているが、駆動す
る圧電振動子52,53を選択するためのスイッチ70
が設けられている。このスイッチ70を前述の遅延時間
で切り換えて圧電振動子52,53を駆動する。図17
(C)に示す場合、遅延時間(圧電振動子53から圧電
振動子52に切り換えるまでの時間)が駆動電圧波形の
少なくとも1波長以上必要となるため、超音波伝搬媒体
54の厚みは超音波の波長の(1/2)×N(Nは2以
上)分必要となる。
【0078】次に、超音波送波器の作用を説明する。
【0079】体外から衝撃波を照射し腎石や胆石を微細
に砕き自然排出させて治療する結石破砕装置には、超音
波送波器50が備えられる。この超音波送波器50にお
いて、圧電振動子の共振周波数が100KHzを超える
ような圧電振動子は圧電素子の両面に電極の設けられた
圧電セラミック振動子の厚み縦振動モードか利用され
る。
【0080】この圧電振動子で構成される超音波送波器
50の構造は、音響放射面には伝搬媒体との音響整合を
図るためにλ/4音響整合層が設けられ、この裏面は空
気負荷状態に支持される。圧電振動子両面の電極に駆動
パルス電圧を印加することで、超音波を放射する。放射
される超音波の出力は、圧電振動子の材質、音響整合層
等の超音波送波器としての構造等で異なるが、駆動電圧
の大きさにも依存する。すなわち、超音波出力は駆動電
圧の大きさで制御できることである。
【0081】これら超音波送波器50は、駆動系を含め
たシステムとして最大出力が大きいことが望ましく、特
に大きな焦点音圧の必要な結石破砕装置での要求は高
い。
【0082】結石破砕装置の超音波送波器50は、球殻
状に形成した凹面の多層の圧電振動子52,53で構成
され、超音波の伝搬媒質を通して焦点への集束効果と、
伝搬過程での非線形現象により大きな圧力を有する衝撃
波が形成される。したがって、焦点での衝撃波音圧を大
きくするには圧電振動子52,53の面積を大きくする
ことが1つの方法であるが、衝撃波発生源の体積が大き
くなり重量も増加する。
【0083】衝撃波発生源はその位置を制御固定するマ
ニピュレータ手段からは小形軽量が望まれており、圧電
振動子52,53から放射される超音波の単位面積当り
の放射音圧を向上することが課題となっている。放射音
圧を大きくするには先に述べたように駆動電圧を大きく
することが1つの手段であるが、駆動電源によっては制
御圧電素子58,61の耐電圧から駆動電圧が制限され
る場合がある。
【0084】圧電振動子52,53が超音波を放射する
現象は、高電圧パルスが印加されると圧電素子58,6
1の分極方向と印加電圧の極性が同相の時は圧電素子5
8,61は厚さ方向に延び、それによって粗密波の密波
が放射される。圧電素子58,61の分極方向と印加電
圧の極性が逆相のときは圧電素子58,61は縮み粗波
が放射されることになる。圧電素子58,61の厚さで
決まる共振周波数成分を含むパルス電圧で駆動すると圧
電素子58,61は共振し、表面変位は共振周期で徐々
に大きくなるが、やがて減衰してゆく。変位最大点は圧
電素子58,61の共振特性で異なるが、駆動パルスよ
りも遅れる。
【0085】この共振特性を利用する場合、駆動パルス
の周波数は圧電素子58,61の共振周波数に合せると
効果的である。圧電素子58,61の表面が伸び縮みす
るときには、その反作用として素子内部にも応力が発生
し、その大きさは表面変位に比例する。圧電セラミック
の引張強度は一般に300kgf/cm2 程度で放射音圧を
大きくする駆動条件によっては素子内部の引張応力がこ
の値を超え、素子内部にクラックが発生し、破壊に至
る。
【0086】結石破砕装置の場合、超音波送波器50か
ら放射された音圧の大きな超音波は伝搬媒体である水の
非線形現象により伝搬中に波面が立ち上がり衝撃波に変
化する。素子破壊を防ぎ、衝撃波音圧を向上させるに
は、1波目の密波のみを大きく放射し、それ以降に続く
音圧振幅を抑えることが望ましい。
【0087】結石破砕装置の衝撃波源として焦点領域の
衝撃波音圧を大きくする要望に対して、衝撃波に変換さ
れる超音波パルスは1波目の密波のみで、共振現象でそ
の後ろに続く密度は振幅が大きくても衝撃波には関与し
ない。圧電素子58,61に印加する駆動電界を大きく
して、放射超音波振幅を大きくすることはできるが、圧
電素子58,61の耐電圧から制約を受ける。また、圧
電素子58,61の超音波放射面積を大きくすることは
前述したように衝撃波源の重量増加や取扱いが大変にな
ることから問題がある。この超音波送波器50では圧電
素子58,61の駆動電圧は従来のままで、衝撃波源の
大型化に繋る圧電素子58,61の見掛け上の超音波放
射面積を変えることなく、焦点領域の衝撃波音圧を大き
くすることにある。
【0088】この超音波送波器において、衝撃波の発生
源となる圧電振動子52,53を積層して音響的に直列
状態にし、積層した各々の圧電素子58,61に、各々
の圧電素子58,61から発生する超音波が最も表面に
近い圧電素子を通過した時点で、それぞれ第1波の空間
的な位相が一致するように、電気遅延を与えて電圧を印
加できる圧電振動子52,53の駆動源を備えること
で、積層した各々の圧電振動子52,53から発生する
超音波の少なくとも第1波目を合成する。
【0089】この超音波送波器50では、超音波を発生
する圧電振動子を多層、例えば2層構成としたため、実
質的に圧電振動子52,53の有効面積を従来の2倍に
して、超音波送波器50の超音波送波器の面積は従来と
同じくすることができ、衝撃波源自体の体積や容積は従
来の場合に較べて大きく増大することはない。また積層
する圧電振動子52,53の間に超音波伝搬媒体54を
介在させることで、発生させる衝撃波の主周波数は各々
の圧電素子58,61の厚みで決まる周波数とすること
ができるため、各々の圧電素子58,61の厚みは従来
と同様にすることができ、従来と同様の耐電圧を得るこ
とができる。
【0090】さらに、積層したそれぞれの圧電振動子5
2,53から発生する超音波の少なくとも第1波の空間
的位相を揃えるように駆動タイミングをとって圧電振動
子52,53を駆動するため、超音波送波器50から発
生する衝撃波はそれぞれの圧電振動子52.53から発
生した超音波の合成波となり、衝撃波の少なくとも第1
波目の音圧は従来に比較して増大させることができる。
【0091】図18は超音波送波器の第4実施例を示す
ものである。
【0092】この実施例に示された超音波送波器50A
は、図15に示す超音波送波器50の基本的な構成とほ
ぼ等しいが、圧電振動子72,73の分極方向を図15
に示す圧電振動子52,53と逆にした点を実質的に異
にする。各圧電振動子72,73のそれぞれの接地側電
極は超音波伝搬媒体54側に向けられる。超音波伝搬媒
体54は導電体で構成され、圧電素子74および75の
接地側電極と超音波伝搬媒体54は接続されるか、また
は超音波伝搬媒体54が圧電素子74および75の接地
側電極を兼ねる構成をとる。圧電素子74および75の
接地側リードは超音波伝搬媒体54から取り出される。
圧電振動子73に印加される駆動電圧パルスは圧電振動
子72に印加される駆動電圧パルスに対して第1の実施
例と同様の遅延時間が与えられ、かつ、駆動電圧パルス
の電気極性が逆転した波形となる。 この超音波送波器
50Aにおいても、衝撃波を発生する圧電振動子72,
73を多層、例えば2層構造としたことで、衝撃波源自
体の体積や容積も従来の場合に較べてほぼ同等で、かつ
従来と同様の耐電圧を確保したまま衝撃波の音圧を従来
に比較して増大させることができる。
【0093】また、図15および図18に示す超音波送
波器50,50Aは、積層した圧電振動子72,73の
間に超音波伝搬媒体54を介在させ、その超音波伝搬媒
体54の層の音響インピーダンスを圧電素子の音響イン
ピーダンスの1/10〜9/10までの値とし、さら
に、積層した圧電振動子の間の超音波伝搬媒体54の厚
みを、発生させる超音波の波長の約(1×2)×n(n
は整数)の厚みとしたので、圧電体に生じる内部応力を
低減させ、かつ発生させる衝撃波を効率的に増大させる
ことができる。
【0094】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る超音波
送波器およびこの送波器を備えた結石破砕装置において
は、整列配置される複数個の圧電振動子は、その開口幅
d(m)を駆動周波数f(Hz)により、d・f≦10
4 (Hz・m)となるように制限するとともに、開口面
積および形状を規定した平板振動子を採用することによ
り、出力音圧を高電界駆動時まで線形性を保持し、音響
出力が飽和する印加電界値を大きくとることができ、高
電界駆動でも音響出力(出力音圧)が飽和せず、大きな
出力エネルギを放射させることができる。
【0095】また、圧電振動子を平板振動子とすること
で成形加工を容易にし、生産性を向上させることができ
る。さらに、平板振動子で構成した複数個の圧電振動子
を所定の局所領域に向けて周方向に整列配置して複数列
のリング状アレイを構成し、各圧電振動子に印加される
高電圧パルスの駆動タイミングを駆動タイミング制御回
路で調節制御することで、凹面形状の圧電振動子を採用
したものと同等な超音波放射ビームの集束効果を有し、
凹面形状の圧電振動子に較べ、音響出力が飽和する印加
電界を各段に大きくすることができ、高電界駆動でも音
響出力(出力音圧)が飽和せず、大きな出力エネルギを
放射できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波送波器を備えた結石破砕装
置の一実施例を示す側面図。
【図2】図1に示された結石破砕装置の正面図。
【図3】図1の結石破砕装置に備えられるアプリケータ
を示す図。
【図4】アプリケータに内蔵される超音波送波器と超音
波プローブとの配置関係を示す原理図。
【図5】本発明に係る超音波送波器の一実施例を示す上
半図。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】(A)および(B)は本発明に係る超音波送波
器に要求される音響エネルギを得るに必要な圧電振動子
の総面積から球殻の形状を決定する考え方を示す側断面
図および平面図。
【図8】(A)および(B)は図7(A)および(B)
で決定された仮想球殻から径方向の分割数を決定する考
え方を示す側断面図および平面図。
【図9】(A)および(B)は図7および図8から求め
られる超音波送波器の構成例を示す側断面図および平面
図。
【図10】本発明に係る超音波送波器に印加される電界
と出力音圧の関係を従来の超音波送波器と比較して示す
図。
【図11】(A),(B)および(C)は単層構造、2
層構造および3層構造の圧電振動子をそれぞれ例示する
原理図。
【図12】2層構造の圧電振動子を例示する斜視図。
【図13】(A),(B),(C)および(D)は2層
構造の圧電振動子の正面(平面)、左側面、前方側面、
右側側面をそれぞれ示す図。
【図14】本発明に係る超音波送波器の第2実施例を示
す図。
【図15】超音波送波器の第3実施例を示す図。
【図16】圧電振動子間の音響伝搬媒体の音響インピー
ダンスに対する衝撃波の音圧の関係を示す図。
【図17】(A),(B)および(C)は2層構造の圧
電振動子に供給される高電圧パルスの駆動電圧源(高電
圧パルス発生回路)を示す図。
【図18】超音波送波器の第4実施例を示す図。
【符号の説明】
10 結石破砕装置 11 治療寝台 12 アプリケータ 13 アプリケータ保持装置 18 超音波送波器 19 超音波プローブ 20 被検体 21 ウォータバッグ 25 ベース 26 ガイド孔 28 圧電振動子 29 高電圧パルス発生回路 30 駆動タイミング制御回路(超音波放射ビーム集束
手段) 31 空気層 32 樹脂材料 33 超音波放射ビーム集束手段 35 圧電素子 36a,36b 電極 37a,37b,37c 振動子エレメント 38 音響マッチング層 50,50A 超音波送波器 51 送波器ケース 52,53,72,73 圧電振動子 54 音響伝搬媒体 55,56 音響マッチング層 57 空気層 58,61,73,74 圧電素子 59a,59b,62a,62b 電極 65,66,67,69 駆動電圧源 68 遅延回路 70 スイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 整列配置された複数個の圧電振動子と、
    各圧電振動子に高電圧パルスを印加する高電圧パルス発
    生回路とを備え、各圧電振動子に高電圧パルスを印加さ
    せて超音波を発生させる超音波送波器において、前記圧
    電振動子は、その開口幅d(m)を駆動周波数f(H
    z)により、d・f≦104 (Hz・m)となるように
    制限するとともに上記開口の形状および面積が互いにほ
    ぼ等しい平板振動子で構成し、前記各圧電振動子から放
    射される超音波を所要の局所領域に集束させる超音波放
    射ビーム集束手段を備えたことを特徴とする超音波送波
    器。
  2. 【請求項2】 強力超音波を発生させる超音波送波器と
    超音波による位置合せリアルタイムモニタリングを行な
    う超音波イメージング用超音波プローブとを内蔵したア
    プリケータを有し、上記超音波発生器は、整列配置され
    た複数個の圧電振動子と各圧電振動子に高電圧パルスを
    印加する高電圧パルス発生回路とを備えた結石破砕装置
    において、前記圧電振動子は、この開口幅d(m)を駆
    動周波数f(Hz)により、d・f≦104 (Hz・
    m)となるように制限するとともに上記開口の形状およ
    び面積が互いにほぼ等しい平板振動子で構成し、前記各
    圧電振動子から放射される超音波を所要の局所領域に集
    束させる超音波放射ビーム集束手段を備えたことを特徴
    とする送波器を備えた結石破砕装置。
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