JPH06260419A - 機能性堆積膜の連続的形成装置および形成方法 - Google Patents

機能性堆積膜の連続的形成装置および形成方法

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JPH06260419A
JPH06260419A JP5042885A JP4288593A JPH06260419A JP H06260419 A JPH06260419 A JP H06260419A JP 5042885 A JP5042885 A JP 5042885A JP 4288593 A JP4288593 A JP 4288593A JP H06260419 A JPH06260419 A JP H06260419A
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substrate
strip
shaped substrate
deposited film
temperature control
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JP5042885A
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Inventor
Yasushi Fujioka
靖 藤岡
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ロール・ツー・ロール方式の堆積膜形成装置
に、帯状基板の移動を間欠的に行なう手段、帯状基板停
止時に密着する温度制御部材および帯状基板と温度制御
部材との間欠的密着を行なう手段を配設し、機能性堆積
膜形成を連続的に行なう。 【効果】 本発明の装置および方法により、低圧下で堆
積膜形成時の帯状基板温度を高精度に制御しながら、多
様な形状の堆積膜空間中で、多様な形状の帯状基板上
に、均一な堆積膜を連続的に形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性堆積膜を大面積
に亘って連続的に形成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、全世界的に電力需要が急激に増大
し、そうした需要を賄うべく電力生産が活発化するに及
んで環境汚染の問題が深刻化してきている。
【0003】因に、火力発電に代替する発電方式として
期待され、既に実用期に入ってきている原子力発電にお
いては、チェルノブイリ原子力発電所事故に代表される
ように重大な放射能汚染が人体に被害を与えると共に自
然環境を侵す事態が発生し、原子力発電所の新設を禁止
する法令を定めた国さえ出てきている。
【0004】また、火力発電にしても増大する電力需要
を賄う上から石炭、石油に代表される化石燃料の使用量
は増加の一途をたどり、それにつれて排出される二酸化
炭素の量が増大し、大気中の二酸化炭素等の温室効果ガ
ス濃度を上昇させ、地球温暖化現象を招き、地球の年平
均気温は確実に上昇の一途をたどっており、IEA(In
ternational Energy Agency )では2005年までに二
酸化炭素の排出量を20%削減することを提言してい
る。
【0005】こうした背景のある一方、開発途上国にお
ける人口増加、そして、それに伴う電力需要の増大は必
至であり、先進諸国における今後更なる生活様式のエレ
クトロニクス化の促進による人口一人当たりの電力消費
量の増大と相まって、電力供給問題は地球規模で検討さ
れなければならない状況になってきている。
【0006】こうした状況下で、太陽光を利用する太陽
電池による発電方式は、前述した放射能汚染や地球温暖
化等の問題を起こすことがなく、また、太陽光は地球上
いたるところに降り注いでいるためエネルギー源の偏在
が少なく、さらには、複雑な大型の設備を必要とせず比
較的高い発電効率が得られる等、今後の電力需要の増大
に対しても、地球破壊を引き起こすことなく対応できる
クリーンな発電方式として注目を集め、実用化に向けて
様々な研究開発がなされている。
【0007】ところで、太陽電池を用いる発電方式につ
いては、それを電力需要を賄うものとして確立させるた
めには、使用する太陽電池が、十分に高い光電変換効率
を有し、特性安定性が優れたものであり、かつ大量生産
し得るものであることが基本的に要求される。
【0008】因に、一般的な家庭において必要な電力を
全て賄うには、1世帯当たり3kW程度の出力の太陽電
池が必要とされるが、その太陽電池の光電変換効率が例
えば10%程度であるとすると、必要な出力を得るため
の前記太陽電池の面積は30m2 程度となる。そして、
例えば10万世帯の家庭において必要な電力を供給する
には3,000,000m2 といった大面積の太陽電池
が必要になる。
【0009】こうしたことから、容易に入手できるシラ
ン等の気体状の原料ガスを使用し、これをグロー放電分
解して、ガラスや金属シート等の比較的安価な基板上に
アモルファスシリコン等の半導体薄膜を堆積させること
により作製できる太陽電池が、量産性に富み、単結晶シ
リコン等を用いて作製される太陽電池に比較して低コス
トで生産できる可能性があるとして注目され、その生産
方法、生産装置について各種の提案がなされている。
【0010】因に、米国特許第4,000,409号に
は、ロール・ツー・ロール( Rollto Roll )方式を採
用した連続プラズマCVD装置が開示されている。その
記載によれば、この装置に複数のグロー放電領域を設
け、所望の幅の十分に長い可撓性の基板を、該基板が前
記各グロー放電領域を順次貫通する経路に沿って配置
し、前記各グロー放電領域において必要とされる導電型
の半導体層を堆積形成しつつ、前記基板をその長手方向
に連続的に搬送せしめることによって、半導体接合を有
する大面積の素子を連続的に形成することができるとさ
れている。こうしたことから、このロール・ツー・ロー
ル方式は大面積の半導体素子の量産に適する方法といえ
よう。
【0011】ところで、このようなロール・ツー・ロー
ル方式の装置において、その表面に半導体薄膜を形成す
る帯状基板は、その表面上に半導体薄膜が形成される間
にも連続的に搬送されているため、搬送されながら半導
体薄膜形成に適した温度に温度制御が行なわれることに
なる。
【0012】従来、ロール・ツー・ロール方式の堆積膜
形成装置における帯状基板の温度制御手段としては以下
のようなものが知られている。
【0013】米国特許第4,389,970号には、帯
状基板の裏面側に配設された棒状のランプヒーターが開
示されている。
【0014】該温度制御手段では、帯状基板の裏面側に
複数の棒状ランプヒーターが配設されることにより、長
手方向に連続搬送される帯状基板は裏面から輻射および
ガスの対流によって非接触で加熱される。
【0015】また、特開昭62−259427号明細書
には、帯状基板の裏面に密着して回転する加熱キャンが
開示されている。
【0016】該温度制御手段では、温度制御がなされた
加熱キャンが可撓性基板に密着しながら回転することに
より、長手方向に連続搬送される帯状基板は接触による
熱伝導で温度制御される。
【0017】一方、マイクロ波を用いたプラズマプロセ
スが最近注目されている。
【0018】マイクロ波は周波数が高いため従来のラジ
オ周波数の高周波を用いた場合よりもエネルギー密度を
高めることが可能であり、プラズマを効率よく発生さ
せ、維持させることに適している。
【0019】例えば、特開平3−30419号明細書に
は、マイクロ波プラズマCVD法を用いたロール・ツー
・ロール方式の堆積膜形成方法および装置が開示されて
いるが、その記載によると、マイクロ波によってプラズ
マを生起させることにより低圧下でも堆積膜の形成が可
能になり、堆積膜の膜特性低下の原因となる活性種のポ
リマライゼーションを防ぎ高品質の堆積膜が得られるば
かりでなく、プラズマ中でのポリシラン等の粉末の発生
を抑え、かつ、堆積速度の飛躍的向上が図れるとされて
いる。
【0020】なお、該明細書には帯状基板を加熱および
/または冷却する温度制御手段を備えるとの記載がある
が、温度制御手段の構造に関して詳細な説明はなされて
いない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このマイク
ロ波プラズマCVD法を用いた堆積膜形成装置に従来の
ランプヒーターによる温度制御手段を用いた場合には、
堆積膜の高品質化を図るため堆積膜形成時の圧力を低下
させていくと、温度制御性が著しく低下するという問題
点があった。
【0022】すなわち、ランプヒーターによる温度制御
手段では、帯状基板と棒状ランプヒーターとが非接触で
あるため、圧力を低下させるにつれてランプヒーターか
ら帯状基板への熱の移動は、ガスの対流によるものが減
少し、殆どが輻射によるものとなる。ところが、一般的
に帯状基板の表面は堆積する薄膜にピンホール等の欠陥
を生じないように平滑に製作されており、電極の金属で
金属光沢がある場合も多く、輻射熱の吸収効率(放射
率)がかなり低い。これらの原因により、堆積膜形成時
の圧力が低下するにつれてランプヒーターの加熱効率は
著しく低下することになる。
【0023】また、この低圧化に伴う加熱効率の低下
を、ランプヒーターの出力増大で補う方法が考えられ
る。しかしながら、ランプヒーターの出力をある一定以
上とするとランプヒーター表面の温度が堆積膜の原料ガ
スの熱分解温度以上に上昇し、ランプヒーター表面に熱
CVD膜が付着して光を遮るようになるという問題点が
ある。一方、ランプヒーターの数の増加で補う場合、堆
積膜形成室の長さにより、配設できるランプヒーター数
が限定される。さらに、帯状基板に輻射熱の吸収効率の
高い材料を使用する、あるいは帯状基板裏面に黒色塗装
等の加工を施すことにより輻射熱の吸収効率を向上させ
る方法も考えられるが、これらには帯状基板が輻射熱の
吸収効率の高い材料に限定される、あるいは加熱された
加工面から不純物ガスを発生し易い等の問題点がある。
【0024】また、従来の加熱キャンによる温度制御手
段を用いた場合には、温度制御が熱伝導によるため低圧
化に伴う温度制御性の低下は殆どないものの、回転する
加熱キャンに帯状基板を密着させる必要があるため、堆
積膜形成時の帯状基板の表面形状は凸型の円筒外形ある
いはそれに類する形状に限定され、堆積膜形成時の帯状
基板の表面形状が特開平3−30419号明細書に示さ
れた凹型の円筒内面形、あるいは平面である場合には適
用することができず、堆積膜形成空間の形状や帯状基板
の可撓性も限定されるという問題点があった。
【0025】ところで、大面積薄膜半導体は前述した太
陽電池用の用途の他にも、液晶ディスプレーの画素を駆
動するための薄膜トランジスタや密着型イメージセンサ
ー用の光電変換素子等にも用いられており、これらの大
面積デバイス用の堆積膜の高品質、高速形成の実現のた
めにも、上述した低圧化に伴う温度制御性の低下という
問題点を解決した新規なロール・ツー・ロール方式の連
続的形成装置の早期提供が望まれている。
【0026】本発明は、上述のような従来のロール・ツ
ー・ロール方式の堆積膜形成装置における問題点を解決
するためになされたもので、その目的は、低圧下におい
ても堆積膜形成時の帯状基板の温度を高精度に制御可能
な、機能性堆積膜の連続的形成装置および形成方法を提
供することにある。
【0027】本発明の他の目的は、低圧時の帯状基板の
温度制御性を向上させつつ、帯状基板の材質を輻射熱の
吸収率が高いものに限定することなく、多様な帯状基板
上への堆積膜の形成を実現する、機能性堆積膜の連続的
形成装置および形成方法を提供することにある。
【0028】本発明のさらなる目的は、低圧時の帯状基
板の温度制御性を向上させつつ、堆積膜形成時の帯状基
板形状を凸型の円筒外形あるいはそれに類する形状に限
定することなく、多様な帯状基板および堆積膜形成空間
の形状のもとでの堆積膜の形成を実現する、機能性堆積
膜の連続的形成装置および形成方法を提供することにあ
る。
【0029】本発明のさらに別の目的は、低圧時の帯状
基板の温度制御性を向上させつつ、帯状基板の成膜面お
よびその裏面に擦り傷をつけることなく、形成した薄膜
デバイスの高い歩留まり率を実現する、機能性堆積膜の
連続的形成装置および形成方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)帯状基
板をその長手方向に間欠的に移動させる間欠的移動手
段、(2)帯状基板の成膜面の裏面側に配設され、温度
制御された温度制御部材および(3)帯状基板と温度制
御部材とを、その帯状基板の停止時に密着させ移動時に
分離させる間欠的密着手段を有する、機能性堆積膜の連
続的形成装置およびその装置を用いる形成方法を提供す
る。
【0031】本発明の装置はロール・ツー・ロール方式
の堆積膜形成装置であり、帯状基板を移動、停止、移
動、停止、…と間欠的に移動させ、基板の停止時には基
板と温度制御がなされた温度制御部材とを密着させて熱
伝導による安定した温度制御を行ない、移動時には分離
するという形で、滑らかな移動を実現する。
【0032】本発明の装置において、帯状基板の間欠的
移動の1回の移動距離は、堆積膜の形成空間の帯状基板
長手方向の長さに対して十分短いことが望ましい。
【0033】堆積膜の形成空間の帯状基板長手方向の長
さをLd(mm)、帯状基板の1回の移動距離をL(m
m)とすると、L>Ldの場合には帯状基板上に膜堆積
の行なわれない領域が生じ、L≦Ldの場合でも、Lが
Ldよりも十分に短くない場合には形成される堆積膜の
膜厚分布の幅が大きくなる。したがって、膜厚の均一な
堆積膜を得るにはLはLdより十分短いことが望まし
く、LはLdに対して好ましくは1/2以下、より好ま
しくは1/10以下、最適には1/20以下である。
【0034】例えば、Ld=30cm、L=20cmの
場合、帯状基板が堆積膜の形成空間に停止する回数は1
回または2回となり、1回停止した領域と2回停止した
領域とでは約2倍の膜厚差を生じるが、L=1cmとL
dに対して十分短くした場合には、帯状基板が堆積膜の
形成空間に停止する回数は30回または31回となり、
形成される堆積膜の膜厚差は約3%まで低減され、ほぼ
均一な膜厚分布が得られる。
【0035】堆積膜の膜厚分布の均一化のために1回の
移動距離を短くした場合、帯状基板の間欠的移動の移動
−停止の1周期の時間は、それに比例して短くする必要
がある。堆積膜を所望の一定の膜厚で成膜するために
は、帯状基板が堆積膜形成空間を通過する時間を一定に
する必要がある。そのため、1回の移動距離を短くすれ
ば、移動−停止の1周期の時間もそれに比例して短くし
なければならない。また、帯状基板の温度制御性を向上
させるには、帯状基板への温度制御部材の密着を長時間
にすることが望ましいことから、停止−移動の1周期に
おける移動時間の割合は、好ましくは1/2以下、より
好ましくは1/5以下、最適には1/10以下とする。
【0036】したがって、帯状基板の移動手段として
は、小刻みに素早く移動・停止させることができる応答
速度の高いものが好ましい。具体的にこのような移動を
実現する手段としては、帯状基板を搬送するボビンおよ
び/またはローラーを間欠的に回転駆動するステッピン
グモーター、サーボモーター、クラッチを介した連続回
転モーター等が挙げられる。
【0037】次に、帯状基板と温度制御部材との間欠的
密着は、帯状基板のみの変位、温度制御部材のみの変位
あるいは帯状基板と温度制御部材両方の変位のいずれに
よっても実現できるが、変位を素早く行なって帯状基板
と温度制御部材とをより長時間密着させ、さらに、変位
により生じる応力で帯状基板上に形成された堆積膜にダ
メージを与えないようにするために、変位の距離は、移
動時に帯状基板と温度制御部材が擦れない範囲で短いこ
とが望ましく、好ましくは10mm以下、より好ましく
は5mm以下、最適には2mm以下である。
【0038】間欠的密着手段は、前述と同様の理由で、
小刻みで素早い変位を可能にする応答速度の高いものが
好ましい。具体的には、機械的に変位させる電磁ソレノ
イド、油圧シリンダー、空気圧シリンダー、リニアモー
タ−、カム等、変位する帯状基板および/または温度制
御部材が磁性体の場合に磁力で変位させる電磁石等が挙
げられる。
【0039】次に、温度制御部材の帯状基板と密着する
表面の形状は、高い熱伝導性を実現するために、帯状基
板の裏面形状が平面であれば平面に、曲面であれば曲面
に、すなわち帯状基板の裏面形状に対応した形状である
ことが望ましく、その材料は、密着による変形や摩耗が
少なく、熱伝導率の高いものが望ましい。
【0040】さらに、温度制御部材の制御温度は、堆積
膜形成時の帯状基板の最適温度あるいはそれに近い温度
に設定することが望ましく、熱分解による温度制御部材
上への膜の付着を防ぐため原料ガスの分解温度以下とす
ることが望ましい。また、帯状基板の密着による温度制
御部材の温度変化を防ぐため、温度制御部材の熱容量は
密着する帯状基板の熱容量と比較して十分に大きく設定
することが望ましい。
【0041】最後に、帯状基板の材質としては、堆積膜
形成に適した温度において変形、歪みが少なく、所望の
強度を有し、また表面が導電性を有するものであること
が好ましく、具体的には(1)ステンレススチール、ア
ルミニウムおよびその合金、鉄およびその合金、銅およ
びその合金等の金属の薄板およびその複合体、および/
またはSiO2 ,Si34 ,Al23 ,AlN等の
絶縁物にスパッタ法、蒸着法等によりコーティング処理
を施したもの、あるいは(2)ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、エポ
キシ等の耐熱性樹脂製シートまたはこれらとガラスファ
イバー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属
繊維等との複合体の表面に、金属単体、合金、透明導電
性酸化物等の層をメッキ、スパッタ、蒸着、塗布等の方
法で形成して導電性処理したものが挙げられる。
【0042】また、帯状基板を磁力により変位させる場
合には、帯状基板は磁性体である必要があり、マルテン
サイト型およびフェライト型のステンレススチール、鉄
およびその複合体等がその材質として挙げられる。
【0043】
【作用】以下、図面を参照しながら本発明の装置をさら
に詳細に説明する。
【0044】図1および図2は本発明の機能性堆積膜の
連続的形成装置の一例を示す模式的断面図であり、図1
は帯状基板停止時の状態を、図2は帯状基板移動時の状
態を示している。
【0045】図1および図2において、磁性体からなる
帯状基板101は、送り出し用ボビン102から巻き出
され、成膜室104内の堆積膜形成室105を通過し、
巻き取り用ボビン103に巻き取られるようになってい
る。ボビン102,103には、それぞれステッピング
モータ−106,107が接続され、間欠的移動制御回
路108からの信号によって帯状基板101を間欠的に
移動するようになっている。なお、成膜室104内には
帯状基板101を裏面から支持する支持ローラー115
が配設されている。成膜室104内の帯状基板101の
裏面側には、温度制御部材109が帯状基板101の裏
面に密着可能に配設され、温度制御装置110によって
温度制御されている。温度制御部材109の内部には電
磁石111が組み込まれ、間欠的移動制御回路108か
らの信号によって、間欠的に磁力を発生するようになっ
ている。
【0046】なお、堆積膜形成室105には、堆積膜の
原料ガスを導入するためのガス導入管112、真空排気
を行なうための排気管113、プラズマを生起するマイ
クロ波を導入するためのマイクロ波導入窓114が設け
られている。
【0047】次に、この機能性堆積膜の連続的形成装置
による堆積膜の形成方法について説明する。
【0048】まず、成膜室104を貫通するように、送
り出しボビン102から巻き取りボビン103まで、帯
状基板101を張り渡し、間欠的移動制御回路108か
らの制御信号によって、送り出しボビンおよび巻き取り
ボビンを間欠的に微小角回転させ、帯状基板101を間
欠的に停止、移動、…と移動させる。
【0049】また、帯状基板の裏面側から僅かに離れて
配設された温度制御部材109を、温度制御装置110
によって所定の温度に制御しながら、帯状基板101の
停止に同期した間欠的移動制御回路108からの信号で
電磁石111に磁力を発生させて磁性体の帯状基板10
1を変位させる。これにより帯状基板の停止時に同期し
て帯状基板と温度制御部材とが間欠的に密着される。
【0050】これにより、帯状基板101は長手方向に
停止、移動、…と間欠的に移動しながら、停止時には図
1に示したように厚さ方向に変位して温度制御部材10
9と密着し、移動時には図2に示したように温度制御部
材109から離れるという動作を繰り返す。
【0051】次に、不図示の真空排気装置によって成膜
室104を排気管113を通して排気する。所定の真空
度に到達したら、排気を続けつつガス導入管112から
堆積膜の原料ガスを導入し、堆積膜形成室105の内部
に一定の圧力の原料ガス雰囲気を形成する。続いて、マ
イクロ波導入窓から不図示のマイクロ波電源から供給さ
れたマイクロ波電力を堆積膜形成室105内に導入し、
プラズマを発生させる。
【0052】これにより、堆積膜形成室内の原料ガスが
分解され、間欠的に移動する帯状基板101の表面上に
堆積膜が形成される。
【0053】このとき、帯状基板101の温度制御は、
長手方向への移動が停止している状態で、温度制御部材
109からの熱伝導によって行なわれるため、堆積膜の
形成が低圧下で行なわれても高い温度制御性が維持され
る。さらに、帯状基板101の移動は、温度制御部材1
09から離れた状態で行なわれるので、移動時に帯状基
板の裏面が擦れて傷つくことがない。
【0054】次に、図3および図4に示した本発明の機
能性堆積膜の連続的形成装置について説明する。
【0055】図3および図4に示した装置は、図1に示
した装置をガスゲートを介して3台連結した装置構成
で、3層の機能性堆積膜の連続的形成を可能にしたもの
である。これらの図は同一の装置の異なる状態を示して
おり、図3は帯状基板停止時の状態を、図4は帯状基板
移動時の状態を示している。
【0056】なお、図4の301〜324と図3の20
1〜224はそれぞれ同一のものを示している。図3に
おいて、帯状基板201は、送り出し室220の送り出
しボビン202から送り出され、n型層成膜室221、
i型層成膜室222、p型層成膜室223を通過し、巻
き取り室224の巻き取りボビン203に巻き取られ
る。その間、帯状基板はボビンに接続され、間欠的移動
制御回路208により制御されたステッピングモーター
206,207により間欠的に移動されながら、その表
面にn,i,pの3層の機能性堆積膜、例えばnip構
造の光起電力素子が形成される。
【0057】221〜223の各成膜室には堆積膜形成
室205、温度制御部材209、温度制御装置210、
電磁石211、ガス導入管212、排気管213、マイ
クロ波導入窓214、支持ローラー215が設けられ、
マイクロ波CVD法による膜堆積が行なわれる。220
〜224の各真空室はガスゲート216によって接続さ
れており、ガスゲート216には分離用ガス導入管21
7から分離用のガスが導入され、隣り合う成膜室の原料
ガスの混入を阻止する。
【0058】221〜223の各成膜室の電磁石211
は、全て間欠的移動制御回路208に接続されており、
帯状基板201の間欠的移動の停止時には全て同時に磁
力を発生し、帯状基板201を図3に示したように各成
膜室の温度制御部材209に同時に密着させ、帯状基板
201の移動開始時には全て同時に磁力の発生を止め、
帯状基板201を図4に示したように各成膜室の温度制
御部材209から同時に離す。
【0059】また、本発明の他の装置例を図5,6,7
および図8に示す。図5,6および図7,8は図1およ
び2に示した装置の間欠的密着手段を、電磁石を用いて
磁性体からなる帯状基板を変位させる方式から、機械的
に帯状基板または温度制御部材を変位させる方式に変え
たものであり、図5および6では帯状基板を、図7およ
び8では温度制御部材を変位させる。図中401〜41
5,501〜515は図1および2における101〜1
15にそれぞれ対応している。
【0060】図5および6において間欠的密着手段は電
磁ソレノイド420、ばね421、変位アーム422お
よび変位ローラー423から構成される。
【0061】変位ローラー423は、電磁ソレノイド4
20およびばね421により駆動される変位アーム42
2の先端に配設され、間欠的移動制御回路408からの
信号でその位置を帯状基板の厚さ方向に変位される。
【0062】間欠的移動制御回路からの信号がないと
き、変位アーム422はばね421に押され、変位ロー
ラー423を帯状基板401の裏面に押し当て、帯状基
板401を温度制御部材409から離して回転支持す
る。
【0063】間欠的移動制御回路からの信号があると
き、変位アーム422は電磁ソレノイド420に引か
れ、変位ローラー423を帯状基板401の裏面から離
し、張り渡された帯状基板401の裏面と温度制御部材
409とを密着させる。
【0064】図7および8において間欠的密着手段は電
磁ソレノイド520、ばね521、変位ア−ム522か
ら構成される。
【0065】変位ア−ム522は電磁ソレノイド520
および521により駆動され、先端に接続した温度制御
部材509を間欠的移動制御回路508からの信号で帯
状基板の厚さ方向に変位させる。
【0066】間欠的移動制御回路からの信号がないと
き、変位アーム522はばね521に押され、温度制御
部材509を帯状基板501の裏面に押し当てて密着さ
せる。
【0067】間欠的移動制御回路からの信号があると
き、変位ア−ム522は電磁ソレノイド520に引か
れ、温度制御部材509を帯状基板501の裏面から分
離させる。したがって図7および8に示した装置と図
1,2および図5,6に示した装置とでは間欠的密着手
段を制御する信号を出すタイミングは逆になる。
【0068】また、本発明のさらに他の装置例を図9お
よび10に示す。図9および10に示した装置は図1お
よび2に示した装置と同様の電磁石を用いた間欠的密着
手段および温度制御部材を5組備えていて、堆積膜形成
時の帯状基板の形状を平面形から円筒形に変えたもので
あり、図中601〜615は図1および2における10
1〜115に対応している。
【0069】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何等限定される
ものではない。
【0070】(実施例1)図3に示した本発明の装置を
用い、以下の操作によって帯状基板上にn,i,p型の
アモルファスシリコン膜を連続的に形成した。
【0071】まず、幅30cm、長さ120m、厚さ
0.13mmで、表面が鏡面加工され、磁性体のSUS
430からなる帯状ステンレス基板201を、送り出し
室220の送り出しボビン202から巻き出し、ガスゲ
ート216で接続された221〜223の3つの成膜室
を通過させて、巻き取り室224の巻き取りボビン20
3に巻き取られるようにセットした。次に、送り出しボ
ビン202および巻き取りボビン203に接続されたス
テッピングモーター206,207を、間欠的移動制御
回路208からの制御信号により間欠的に回転させ、帯
状基板201をその長手方向に間欠的に移動させた。間
欠的移動は1周期が1秒で、そのうち停止が0.9秒、
移動が0.1秒であり、1回の移動距離は1cmであっ
た。なお、帯状基板には長手方向に不図示張力調整機構
により適度な張力を加え、帯状基板が、磁力をかけたと
きには厚さ方向に僅かに変位可能なように、磁力をかけ
ないときには温度制御部材から離れて弛まずに張られる
ようにした。
【0072】続いて、各室をそれぞれの排気管213で
十分に排気した後、各成膜室にガス導入管212から各
々の成膜ガスを導入し、排気量を調整して各成膜室を所
定の圧力に調節した。各成膜室の温度制御部材209を
温度制御装置210により所定の温度に制御しながら、
間欠的移動制御回路208からの制御信号により電磁石
211を間欠的に励磁し、帯状基板201の長手方向の
間欠的移動の停止に同期させて帯状基板201を変位さ
せ、温度制御部材209に間欠的に密着させた。なお、
帯状基板移動時の帯状基板と温度制御部材との距離は2
mmで、帯状基板と温度制御部材との密着時間は1回に
つき0.9秒であった。
【0073】以上のように成膜ガス雰囲気中で帯状基板
を間欠的に移動させながら、各堆積膜形成室205の壁
面のマイクロ波導入窓214から、不図示のマイクロ波
電源から供給された2.45GHzのマイクロ波電力を
導入し、堆積膜形成室205内にプラズマ放電を生起
し、帯状基板表面に100mにわたり、n,i,p型の
アモルファスシリコン膜を連続的に形成した。各成膜室
での堆積膜形成条件を表1に示す。なお、熱電対によっ
て各堆積膜形成室から出た直後の帯状基板の温度を裏面
から測定したところ、100mの堆積膜形成の間、帯状
基板は所定の温度±3℃以内に高精度に温度制御されて
いた。
【0074】
【表1】 上記方法で得られたアモルファスシリコン膜の堆積され
た帯状基板を装置から取り出し、1mごとに9cm×3
0cmの大きさに切り出し、シングルチャンバーの真空
蒸着装置に入れ、真空蒸着法により表2に示す条件でI
TO透明導電膜を積層し、図12の模式的断面図に示す
光起電力素子を100個作製した。
【0075】
【表2】 図12において801は基板、802はn型層、803
はi型層、804はp型層、805は透明導電膜であ
る。
【0076】得られた光起電力素子にAM1.5、10
0mW/cm2 の疑似太陽光を照射し、光電変換効率を
測定した。その値を、帯状基板を非連続的にn,i,p
層用の各成膜室ごとに停止させ、温度制御部材を密着さ
せて十分な時間加熱してからn,i,pの各層を所定時
間堆積させて形成した、作製時に十分に温度制御がなさ
れた光起電力素子(標準素子)の値と比較したところ同
等であり、本実施例の方法で作製した素子の光電変換効
率が良好であることがわかった。また、堆積膜形成後の
帯状基板裏面を観察したところ擦り傷は全く認められ
ず、作製した100個の光起電力素子のうちショートに
よる不良は1個であり、99%の高い歩留まり率を示し
た。
【0077】(比較例1)図11に示した装置を用い、
図3に示した装置の各成膜室の帯状基板の温度制御機構
を棒状ランプヒーターに変えた以外は実施例1と同様に
して、帯状基板上に100mにわたってn,i,p型ア
モルファスシリコン膜を連続的に形成し、100個の光
起電力素子を作製した。このとき、帯状基板の長手方向
への移動は実施例1と同様に1周期1秒で、そのうち停
止は0.9秒、移動0.1秒であり、1回の移動距離は
1cmであり、帯状基板の厚さ方向への変位は行なわな
かった。用いたランプヒーターの構造は図11に示した
通りで、帯状基板701の裏面側の離れた位置に棒状の
ランプヒーター720を配設し、帯状基板の裏面温度を
熱電対722でモニターしながら温度制御装置710に
よりランプヒーター720の出力を調節して帯状基板を
所定温度に制御した。
【0078】堆積膜形成中、はじめの30mの帯状基板
上には表1に示した所定の温度で堆積膜を形成すること
ができたが、それ以降の70mにはi型層成膜室におい
て所定の温度以下にしか加熱することができなかった。
得られた光起電力素子の光電変換効率を測定したとこ
ろ、ショートした素子は1個で、他の99個の素子の光
電変換効率は、実施例1のショートしていない99個の
素子の平均光電変換効率を1とした相対値で1〜0.5
を示し、平均で0.6と低かった。また、堆積膜形成後
の各ランプヒーターの表面を観察したところ膜の付着が
認められ、特にi型層形成用成膜室のランプヒーター表
面にはシリコン膜が厚く付着していた。
【0079】(比較例2)図3に示した装置の電磁石を
励磁したままの状態に保ち、堆積膜形成時に帯状基板と
温度制御部材とが密着し続けるようにした以外は、実施
例1と同様にして帯状基板上に100mにわたってn,
i,p型アモルファスシリコン膜を連続的に形成し、1
00個の光起電力素子を作製した。このとき、帯状基板
の長手方向への移動は実施例1と同様に1周期1秒で、
そのうち停止は0.9秒、移動は0.1秒であり、1回
の移動距離は1cmであった。
【0080】得られた光起電力素子の光電変換効率を測
定したところ、ショートしていない素子は、実施例1の
ショートしていない99個の素子の平均光電変換効率と
同等の効率を示したが、堆積膜形成後の帯状基板裏面に
は擦り傷が多く、65個の素子がショートし、35%と
低い歩留まり率を示した。
【0081】(実施例2)図5および6に示したよう
な、間欠的密着手段が帯状基板を機械的に変位させるも
のである装置を図3のように配列して、実施例1と同様
にして、帯状基板上に100mにわたってn,i,p型
アモルファスシリコン膜を連続的に形成し、100個の
光起電力素子を作製した。このとき、帯状基板の長手方
向への移動は1周期0.6秒で、そのうち停止は0.5
秒、移動は0.1秒であり、1回の移動距離は0.6c
mであった。用いた間欠的密着手段は図5および6に示
した通りで、帯状基板はその移動時に、電磁ソレノイド
による変位アームの変位によって温度制御部材から1m
m離した。
【0082】なお、熱電対によって各堆積膜形成室から
出た直後の帯状基板の温度を裏面から測定したところ、
100mの堆積膜形成の間、帯状基板は所定の温度±3
℃以内に高精度の温度制御されていた。
【0083】得られた光起電力素子にAM1.5、10
0mW/cm2 の疑似太陽光を照射し、光電変換効率を
測定したところ、その値は前記標準素子の値と同等であ
り、本実施例の方法で作製した素子の光電変換効率が良
好であることがわかった。また、堆積膜形成後の帯状基
板裏面を観察したところ擦り傷は全く認められず、作製
した100個の光起電力素子のうちショートによる不良
は1個であり、99%の高い歩留まり率を示した。
【0084】(実施例3)図7および8に示したよう
な、間欠的密着手段が温度制御部材を機械的に変位させ
るものである装置を図3のように配列して、帯状基板の
材質を磁性体でないSUS340に変えた以外は実施例
1と同様にして、帯状基板上に100mにわたってn.
i.p型アモルファスシリコン膜を連続的に形成し、1
00個の光起電力素子を作製した。このとき、帯状基板
の長手方向への移動は1周期2秒で、そのうち停止は
1.5秒、移動は0.5秒であり、1回の移動距離は2
cmであった。用いた間欠的密着手段は図7および8に
示した通りで、帯状基板の移動時に電磁ソレノイドによ
り変位アームを変位させ、温度制御部材を帯状基板から
2mm離した。
【0085】なお、熱電対によって各堆積膜形成室から
出た直後の帯状基板の温度を裏面から測定したところ、
100mの堆積膜形成の間、帯状基板は所定の温度±3
℃以内に高精度に温度制御されていた。
【0086】得られた光起電力素子にAM1.5、10
0mW/cm2 の疑似太陽光を照射し、光電変換効率を
測定したところ、その値は前記標準素子の値と同等であ
り、本実施例の方法で作製した素子の光電変換効率が良
好であることがわかった。
【0087】また、堆積膜形成後の帯状基板裏面を観察
したところ擦り傷は全く認められず、作製した100個
に光起電力素子のうちショートによる不良は2個であ
り、98%の高い歩留まり率を示した。
【0088】(実施例4)図9および10に示したよう
な、堆積膜形成時における帯状基板の表面形状が円筒内
面形状である装置を用い、実施例1と同様にして、帯状
基板上に100mにわたってn,i,p型アモルファス
シリコン膜を連続的に形成し、100個の光起電力素子
を作製した。このとき、帯状基板の長手方向への移動は
1周期1秒で、そのうち停止は0.9秒、移動は0.1
秒であり、1回の移動距離は1cmと、実施例1と同様
であった。用いた間欠的密着手段は図9および10に示
した通りで、Ω型の帯状基板に沿わせて温度制御部材を
5個配設し、移動時には温度制御部材から1mm離れて
いる帯状基板を、長手方向の移動停止時に電磁石により
1mm変位させて温度制御部材と密着させた。なお、熱
電対によって各堆積膜形成室から出た直後の帯状基板の
温度を裏面から測定したところ、100mの堆積膜形成
の間、帯状基板は所定の温度±3℃以内に高精度に温度
制御されていた。
【0089】得られた光起電力素子にAM1.5、10
0mW/cm2 の疑似太陽光を照射し、光電変換効率を
測定したところ、その値は前記標準素子の値と同等であ
り、本実施例の方法で作製した素子の光電変換効率が良
好であることがわかった。
【0090】また、堆積膜形成後の帯状基板裏面を観察
したところ擦り傷は全く認められず、作製した100個
に光起電力素子のうちショートによる不良は1個であ
り、99%の高い歩留まり率を示した。
【0091】
【発明の効果】本発明の装置および方法によれば、大面
積の堆積膜を連続的に形成可能なロール・ツー・ロール
方式の堆積膜形成装置で、低圧下においても堆積膜形成
時の帯状基板の温度を高精度に制御することができる。
【0092】また、本発明の装置および方法によれば、
低圧時の帯状基板の温度制御性を向上させつつ、帯状基
板の材質を輻射熱の吸収率が高いものに限定することな
く、多様な帯状基板上に堆積膜を形成することができ
る。
【0093】また、本発明の装置および方法によれば、
低圧時の帯状基板の温度制御性を向上させつつ、堆積形
成時の帯状基板の表面形状を凸型の円筒外形あるいはそ
れに類する形状に限定することなく、多様な帯状基板の
形状、堆積膜形成空間形状のもとで堆積膜を形成するこ
とができる。
【0094】さらに、本発明の装置および方法によれ
ば、低圧時の帯状基板の温度制御性を向上させつつ、帯
状基板の表面および裏面に擦り傷をつけることなく、形
成した薄膜デバイスの高い歩留まり率を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性堆積膜連続形成装置の1例の基
板停止時の模式的断面図である。
【図2】図1の装置の基板移動時の模式的断面図であ
る。
【図3】直線状連結した本発明の機能性堆積膜連続形成
装置の基板停止時の模式的断面図である。
【図4】図3の装置の基板移動時の模式的断面図であ
る。
【図5】本発明の機能性堆積膜連続形成装置の1例の基
板停止時の模式的断面図である。
【図6】図5の装置の基板移動時の模式的断面図であ
る。
【図7】本発明の機能性堆積膜連続形成装置の1例の基
板停止時の模式的断面図である。
【図8】図7の装置の基板移動時の模式的断面図であ
る。
【図9】円環状連結した本発明の機能性堆積膜連続形成
装置の基板停止時の模式的断面図である。
【図10】図9の装置の基板移動時の模式的断面図であ
る。
【図11】従来の機能性堆積膜連続的形成装置の1例の
模式的断面図である。
【図12】本発明の装置により作成される光起電力素子
の模式的断面図である。
【符号の説明】
101,201,301,401,501,601,7
01 帯状基板 102,202,302,402,502,602,7
02 送り出しボビン 103,203,303,403,503,603,7
03 巻き取りボビン 104,204,304,404,504,604,7
04 成膜室 105,205,305,405,505,605,7
05 堆積膜形成室 106,206,306,406,506,606,7
06,107,207,307,407,507,60
7,707 ステッピングモーター 108,208,308,408,508,608,7
08 間欠的移動制御回路 109,209,309,409,509,609
温度制御部材 110,210,310,410,510,610,7
10 温度制御装置 111,211,311,611 電磁石 112,212,312,412,512,612,7
12 ガス導入管 113,213,313,413,513,613,7
13 排気管 114,214,314,414,514,614,7
14 マイクロ波導入窓 115,215,315,415,515,615,7
15 支持ローラー 216,316 ガスゲート 217,317 分離用ガス導入管 220,320 送り出し室 221,321 n型層成膜室 222,322 i型層成膜室 223,323 p型層成膜室 224,324 巻き取り室 420,520 電磁ソレノイド 421,521 ばね 422,522 変位アーム 423 変位ローラー 720 棒状ランプヒーター 721 反射板 722 熱電対 801 基板 802 n型層 803 i型層 804 p型層 805 透明電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する帯状基板上に成膜する機能性堆
    積膜の連続的形成装置において、(1)帯状基板を該帯
    状基板の長手方向に間欠的に移動させる間欠的移動手
    段、(2)該帯状基板の成膜面の裏面側に配設され、温
    度制御された温度制御部材および(3)該帯状基板と該
    温度制御部材とを、該帯状基板の停止時に密着させ移動
    時に分離させる間欠的密着手段を有することを特徴とす
    る機能性堆積膜の連続的形成装置。
  2. 【請求項2】 帯状基板の間欠的移動の1回の移動距離
    が、堆積膜形成空間の該基板長手方向の長さの1/2以
    下である、請求項1に記載の機能性堆積膜の連続的形成
    装置。
  3. 【請求項3】 温度制御部材と帯状基板との間の距離
    が、10mm以下である、請求項1または2に記載の機
    能性堆積膜の連続的形成装置。
  4. 【請求項4】 間欠的密着手段が、帯状基板の動きに対
    応して作動するよう制御された、電磁ソレノイド、油圧
    シリンダー、空気圧シリンダー、リニアモーター、カム
    等の機械的密着手段あるいは磁力可変磁石である、請求
    項1,2または3に記載の機能性堆積膜の連続的形成装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4に記載の装置
    を用いる機能性堆積膜の連続的形成方法。
  6. 【請求項6】 帯状基板の間欠的移動の1周期中、移動
    時間の割合を1/2以下とする、請求項5に記載の機能
    性堆積膜の連続的形成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017155286A (ja) * 2016-03-02 2017-09-07 住友金属鉱山株式会社 ロールツーロール処理装置及び処理方法

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