JPH06260415A - エピタキシャルウエハおよびその製造方法 - Google Patents

エピタキシャルウエハおよびその製造方法

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JPH06260415A
JPH06260415A JP4472993A JP4472993A JPH06260415A JP H06260415 A JPH06260415 A JP H06260415A JP 4472993 A JP4472993 A JP 4472993A JP 4472993 A JP4472993 A JP 4472993A JP H06260415 A JPH06260415 A JP H06260415A
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JP
Japan
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wafer
epitaxial
time
temperature
epitaxial growth
Prior art date
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Pending
Application number
JP4472993A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Tanaka
英行 田中
Takashi Yokoyama
崇 横山
Kunyu Sumita
勲勇 住田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP4472993A priority Critical patent/JPH06260415A/ja
Publication of JPH06260415A publication Critical patent/JPH06260415A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体デバイス用のエピタキシャルウエハお
よびその製造方法に関し、ウエハからエピタキシャル層
への不純物の固相中拡散、および気相を介したオートド
ーピングの課題を解決し、ウエハとエピタキシャル層の
界面における不純物プロファイルが急峻になるエピタキ
シャル成長装置を提供することを目的とする。 【構成】 清浄化によってウエハ表面に生じた非平面形
状を温度T1の第1のエピタキシャル成長工程で略平坦
面とし、その後の第2のエピタキシャル成長工程では、
エピタキシャル温度T2をT2<T1に設定する。これ
により、ウエハとエピタキシャル層の界面における不純
物プロファイルが急峻になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エピタキシャルウエハ
製造方法およびエピタキシャルウエハに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、エピタキシャル成長の分野におい
ては、ウエハとエピタキシャル層の界面における不純物
プロファイルの急峻化に努力が払われている。
【0003】以下、従来のエピタキシャル成長装置につ
いて説明する。図4は従来のエピタキシャル成長装置の
構成を示すものである。
【0004】図4において、1はガス制御装置、2はプ
ロセス制御装置、3は温度コントローラ、4は高周波誘
導加熱装置、5は温度センサ、6はウエハ、7はサセプ
タ、8はRFコイル、9は排気口である。
【0005】次に、以上のように構成されたエピタキシ
ャル成長装置について、図5のウエハ温度の時間変化の
グラフをも用いながら、以下その動作について説明す
る。
【0006】まず、ガス制御装置1によって、ウエハ6
の存在する炉内10を水素(H2)ガスで満たす。
【0007】次に、ウエハ温度をT0(約1200℃)
まで引き上げる。この時の時刻をt1とする。
【0008】ここで、加熱方式としては、誘導加熱方式
を用いている。具体的には、高周波誘導加熱装置4から
RFコイル8に高周波電流を流し、サセプタ7とウエハ
6に誘導電流を発生させる。
【0009】その誘導電流が流れる際に発生するジュー
ル熱により、ウエハ6は加熱される。
【0010】なお、他の加熱方式には、赤外線等の熱線
をウエハに照射する方式等が考えられる。
【0011】そして、炉10内の温度は温度センサ5に
よって計測され、温度コントローラ3によって温度T0
を維持するように制御される。
【0012】このように制御しながら加熱し続けると、
時刻t2に達する頃には、ウエハ表面に存在した膜厚数
nmの自然酸化膜(SiO2)は還元される。
【0013】さらに、時刻t2から時刻t3の間、炉1
0内のH2ガス中に塩化水素(HCl)ガスを混入する
ことにより、表面の欠陥部分や汚染が、Siと共に除去
され、時刻t3には清浄表面が得られる。
【0014】時刻t3以後、ウエハ6の温度を、エピタ
キシャル成長させるに適当な温度T1(約1000℃)
まで下げていく。と、同時に、HClガスをパージす
る。
【0015】結果、炉10内は、再びH2ガスのみ含ま
れる状態に戻される。HClガスが充分パージされた時
刻をt4とする。
【0016】このHClガスが充分パージされた時刻t
4から、H2ガスに、エピタキシャル膜の原料ガスであ
るSiH4とドープする不純物とを加え、時刻t4から
エピタキシャル成長が行われる。所望の厚さのエピタキ
シャル膜が、ウエハ6上に完全に形成された時刻をt5
とする。
【0017】この所望の厚さのエピタキシャル膜がウエ
ハ6上に完全に形成された時刻t5において、原料ガス
SiH4のパージを開始し、時刻t6でパージは終了す
る。
【0018】以後、ウエハ6の温度は、再び室温まで冷
却される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、成長温度T1が高いので、ウエハ6か
らエピタキシャル膜への不純物の固相中拡散、および気
相を介したオートドーピングが発生する。
【0020】このため、図6に示されるように、いわば
不純物界面20のボケ21が発生し不純物の深さ方向プ
ロファイルが鈍ってしまう。
【0021】つまり、ウエハ6自体とエピタキシャル膜
の界面における不純物プロファイルの急峻性が損なわれ
てしまう。
【0022】また、清浄表面上にエピタキシャル成長さ
れた場合には、この傾向が一層顕著な性質として現出し
てしまう。
【0023】そのため、このエピタキシャル膜を有する
ウエハ6を用いた場合、回路遅延時間の増加等、デバイ
ス特性が低下するという課題を有していた。
【0024】本発明は上記従来技術の課題を解決するも
ので、ウエハ自体とエピタキシャル膜の界面における不
純物プロファイルを急峻にしたエピタキシャルウエハお
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、ウエハを清浄化する工程と、前記清浄化
工程で清浄化されたウエハ上にエピタキシャル成長をす
る工程とを有するエピタキシャルウエハ製造方法であっ
て、前記エピタキシャル成長をする工程はシーケンシャ
ルな少なくとも第1の工程および第2の工程とを有し、
前記第1の工程におけるウエハ温度T1と前記第2の工
程におけるウエハ温度T2とをT1>T2の関係になる
ように設定し、前記第1の工程においては、前記第1の
不純物を第1の密度でエピタキシャル成長させ、前記第
2の工程においては、第2の不純物を第2の密度でエピ
タキシャル成長させるエピタキシャルウエハ製造方法で
ある。
【0026】また、本発明は、ウエハを清浄化する工程
と、前記清浄化工程で清浄化されたウエハ上にエピタキ
シャル成長をする工程とを有するエピタキシャルウエハ
製造方法であって、前記エピタキシャル成長をする工程
はシーケンシャルな少なくとも第1の工程および第2の
工程とを有し、前記第1の工程においては、前記ウエハ
を清浄化する工程で形成されたウエハの表面形状を実質
的に平坦化するように、第1の不純物を第1の密度にな
るようにエピタキシャル成長させ、前記第2の工程に
は、第2の不純物を第2の密度でエピタキシャル成長さ
せるエピタキシャルウエハ製造方法である。
【0027】また、このとき、ウエハの清浄化のための
時間に対応して、第1のエピタキシャル工程のエピタキ
シャル成長時間はを設定される。
【0028】また、第1のエピタキシャル工程では、ウ
エハと同一な不純物をウエハにドープされた不純物濃度
と実質的に同一な濃度でドープをする。
【0029】また、第1のエピタキシャル工程の不純物
と第2のエピタキシャル工程の不純物は同種であり、か
つドープ濃度は実質的に等しい。
【0030】一方、本発明のエピタキシャルウエハは、
表面が所定の安定面に対して所定角度、即ち1゜から1
0゜傾斜しているエピタキシャルウエハであって、エピ
タキシャル成長によって形成したウエハ内の不純物密度
または不純物原子種が異なることにより発生するエピタ
キシャルウエハ中の界面が、前記エピタキシャルウエハ
の表面に対して実質的に平行である。
【0031】また、前記界面が、実質的にエピタキシャ
ルウエハの表面となる構成も実現される。
【0032】
【作用】本発明は上記構成によって、まず、安定面から
数度傾いたSiウエハ上にエピタキシャル膜を形成させ
る際、1200℃の表面清浄化処理によって、安定面の
テラスから所定角度傾いたファセット面が発生する。
【0033】ここで、最初の安定面を(111)面とす
れば、清浄化によって現出するファセット面は(33
1)面である。
【0034】ここで、テラスやファセット等の用語の説
明をする。一般に、固体が結晶からできているとき、そ
の表面は、結晶格子を反映した安定な結晶面で覆われ、
多面体となる。
【0035】そのため、鏡面になるまで研磨された平ら
な表面といえども、その表面が安定面から傾いていた場
合、多面体化する場合が一般的である。
【0036】テラスとは、この多面体化する前のウエハ
表面に、最も近い安定面であり、例えば(111)面で
ある。
【0037】また、テラス以外の安定面がファセットで
あり、例えば(331)面である。安定面上にも、所
々、原子層程度の段差が存在し、これをステップと呼
ぶ。
【0038】テラス幅とは、この隣接するステップの間
隔に相当する。以下、これらの用語を用い、作用、実施
例について説明する。
【0039】ウエハにドープされた不純物と同種で同濃
度の不純物を用いる温度T1下における第1のエピタキ
シャル成長を行なうことにより、(331)ファセット
は消失し、ウエハは、(111)面上の単原子層ステッ
プで覆われる。
【0040】この時、(111)面テラス幅は、(33
1)ファセットが存在したときより減少している。
【0041】従って、その後積層する平坦な表面のエピ
タキシャル膜を得るのに必要な成長温度は、T1より低
くてよい。
【0042】そのため、T2(<T1)なる温度で、所
望の不純物を用いたエピタキシャル成長をすることがで
きる。
【0043】このようにエピタキシャル成長温度が低く
なったがために、不純物の固相中拡散、オートドーピン
グが減少し、かつ(331)ファセットを消失させてか
ら所望の不純物を加えているので、ウエハとエピタキシ
ャル層の界面における不純物プロファイルが急峻にな
る。
【0044】また、ウエハとエピタキシャル層の界面
が、積層後のウエハ表面と平行となるため、界面のボケ
が減少され、一層ウエハとエピタキシャル層の界面にお
ける不純物プロファイルが急峻になる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0046】(実施例1)本発明の第1の実施例につい
て図1から図4を参照しながら詳細に説明する。
【0047】図1は、本発明の第1の実施例におけるエ
ピタキシャル成長装置でのウエハ温度の時間変化を示す
グラフである。
【0048】図1において、従来例を示す図5と異なる
点は、エピタキシャル成長中における時刻t4’におい
て、ウエハ温度をT1からT2に下げる点であり、他は
図5と同様である。
【0049】図2は、Siからなるウエハ6の断面図で
あり、11は自然酸化膜であるSiO2膜、12は(1
11)面、13はファセットである(331)面、14
は単原子層ステップ、15はテラス、16はエピタキシ
ャル層である。
【0050】図2(a)は時刻t1以前の酸化膜がまだ
付着している状態、図2(b)は時刻t2において酸化
膜が取り除かれた状態、図2(c)は時刻t3での(3
31)ファセット面積の増大した状態、図2(d)は時
刻t4から時刻t4’での(331)ファセット13が
消失していく状態、図2(e)は時刻t5でのエピタキ
シャル膜が充分に成長した状態を、各々示す。
【0051】図3は、本発明のエピタキシャルウエハ製
造方法を用いたエピタキシャルウエハにおける、ウエハ
の断面とそれに対応した不純物濃度の深さ方向のプロフ
ァイルを示す図で、20は不純物界面、21は不純物界
面20のボケ、22は等間隔に単原子層ステップが並ん
だ状態の面、23はエピタキシャル成長終了後の表面で
ある。
【0052】以上のように構成されたエピタキシャル成
長装置について、図1から図4を用いて、その動作を詳
細に説明する。
【0053】まず、図2(a)に示されるように、エピ
タキシャル成長に用いる基板は、(111)面から所定
角度傾いたSiウエハ6であり、その表面は充分に鏡面
研磨されている。
【0054】この角度は、好適には1゜から10゜の間
に設定される。この程度傾けると、後述するようにエピ
タキシャル成長した表面が平滑になる。
【0055】次に、従来の表面清浄化と同様に、ガス制
御装置1によって、炉10内を水素ガスH2で満たし、
ウエハ6の温度をT0(約1200℃)まで上昇させ
る。
【0056】この温度T0に到達した時刻をt1とす
る。次に、温度T0を維持しながら、ウエハ6の表面の
自然酸化膜(SiO2)を、充分に還元する。
【0057】この充分に還元された時刻をt2とする。
さらに、時刻t2から所定時間の間、温度をT0に維持
し続け、H2ガス中に塩化水素(HCl)ガスを混入す
ることにより、表面の欠陥部分や汚染を、Siと共に除
去する。
【0058】この表面の欠陥部分や汚染が、Siと共に
充分に除去された時刻をt3とし、この時には充分な清
浄表面が得られる。
【0059】この清浄表面においては、鏡面研磨が充分
されていたにもかかわらず、図2(b)に示されるよう
に、(111)面12上でSiの単原子層ステップが束
ねらた状態になっており、具体的には、(111)面1
2から22゜傾斜した(331)ファセット13を形成
するまでにSi単原子層の各ステップが束ねられている
状態である。
【0060】このように一部ファセット化した表面が、
温度T0でのウエハ6の熱平衡状態である。
【0061】また、任意の(331)ファセット13の
面積について観察すれば、温度T0である時間Δt(=
t3−t1)に対応して、その面積は、図2(c)に示
されるように増大する。
【0062】時刻t3以後は、ウエハの温度を、従来の
エピタキシャル成長させる温度T1(約1000℃)に
まで下げていく。
【0063】かつ同時に、HClガスをパージし、その
結果、炉10内は、H2ガスのみの状態となる。
【0064】HClガスが充分パージされた時刻をt4
とする。この時刻t4から、H2ガスに、エピタキシャ
ル膜の原料ガスであるSiH4とウエハ6にドープした
ものと同じ種、濃度の不純物とを加え、エピタキシャル
成長が行われる。
【0065】本実施例では、エピタキシャル成長法とし
て、化学気相堆積(CVD)法を用いた。
【0066】このエピタキシャル成長は、図2(d)に
示されるように、(111)面上にエピタキシャルによ
る単原子層ステップ14(段差0.31nm)が成長
し、束ねられていたもともと存在したSiの各ステップ
が解けていくかのように成長する。
【0067】本実施例においては、時刻t4’には、図
2(e)に示されるように、(331)ファセット13
はほぼ完全に消失し、エピタキシャル成長した表面は、
単原子層ステップ14が、ほぼ等間隔に並んだ実質的に
平坦な状態となる。
【0068】ここで、平坦になるまでの時間Δt’(=
t4’−t4)は、1つの(331)ファセット13が
埋まるまでの時間であるから、t4’の関数であるとい
える。
【0069】従って、Δtによってt4’は決定され
る。この平坦表面は、熱平衡状態ではなく、成長状態に
ある表面である。
【0070】この時の(111)テラス15の幅、すな
わち実質的には各ステップ11間の間隔であるが、は、
時刻t4のエピタキシャル成長する前のステップが束ね
られた表面状態に比べ、充分に狭くなっている。
【0071】一般に、高品質なエピタキシャル成長を行
なう最低限の基板温度は、さまざまなパラメータによっ
て規定されるが、その一つにテラス15の幅がある。
【0072】テラス15の幅が狭いほど、エピタキシャ
ル成長しうる基板温度は低く設定することができるか
ら、そのため、本実施例においては、時刻t4’におけ
る表面において、従来のエピタキシャル温度T1より低
い温度T2でもエピタキシャル成長することができる。
【0073】この時刻t4’においては、それまでと同
じ原料ガスとドーパントを用いてエピタキシャル成長を
所望の厚さまで続行することもできるし、希望する場合
には、ウエハ6そのものへのドーパントと同様なドーパ
ントから、エピタキシャル層16に対する所望のドーパ
ントへの切り替えをもおこなうことができる。
【0074】本実施例においては、時刻t4’からは、
2ガスに加え、エピタキシャル膜の原料ガスであるS
iH4と、これから成長されるエピタキシャル層自体に
ドープする所望の不純物とを用いてエピタキシャル成長
が行われる。
【0075】このとき、温度T2は、従来のエピタキシ
ャル成長を実施する温度T1より低いので、時刻t4’
以降、積み上げるエピタキシャル層16への不純物の固
相中拡散、および気相を介したオートドーピングがきわ
めて減少し、ウエハ6とエピタキシャル層16の界面に
おける不純物プロファイルが、急峻になる。
【0076】同時に、図3に示すように、等間隔に単原
子層ステップが並んだ状態の表面22に対して、所望の
不純物を含んだエピタキシャル層16を形成することに
もなるために、不純物界面20がウエハ表面23方向に
対して、実質的に、一様に平行となる。
【0077】このため、図6に示される従来の(33
1)ファセット等の存在によって生じた界面のボケ21
が実質的に排除され、不純物の深さ方向プロファイル
が、急峻になる。
【0078】そして、所望の厚さのエピタキシャル層1
6が、ウエハ6上に完全に形成された時刻をt5とす
る。
【0079】この所望の厚さのエピタキシャル膜が、ウ
エハ6上に完全に形成された時刻t5から、原料ガスS
iH4のパージを開始し、時刻t6においてこのパージ
は終了する。
【0080】以後、ウエハ6の温度は、再び室温まで冷
却される。なお、時刻t4’から行なわれるエピタキシ
ャル成長において用いる原料および不純物は、それ以前
と同じ原料および不純物でもよいし、全く別種のものと
してもよい。
【0081】(実施例2)本発明の第2の実施例は、第
1の実施例と同様に、ウエハはSiではあるが、その表
面の面方位が(100)から所定角度傾いている場合で
あり、その点のみが、基本的に第1の実施例と異なって
いる。
【0082】以下、本発明の第2の実施例について、図
1から図4を参照しながら詳細に説明する。ただし、こ
れらの図において、第1の実施例の(111)面が、本
実施例では(100)面に対応し、第1実施例の(33
1)ファセットが、本実施例では(311)ファセット
に対応している。
【0083】まず、第1の実施例と同様に、エピタキシ
ャル成長に用いる基板は、(100)面から所定角度、
好ましくは1゜から10゜傾いたSiウエハ6であり、
その表面は充分に鏡面研磨されている。
【0084】次に、ガス制御装置1によって、炉10内
を水素ガスH2で満たし、ウエハ6の温度をT0(約1
200℃)まで上昇させt1、温度T0を維持しなが
ら、ウエハ6の表面の自然酸化膜(SiO2)を、充分
に還元する。
【0085】さらに、時刻t2から所定時間の間、温度
をT0に維持し続け、H2ガス中に塩化水素(HCl)
ガスを混入することにより、表面の欠陥部分や汚染を、
Siと共に除去し、充分な清浄表面を得る(t3)。
【0086】この清浄表面においては、鏡面研磨が充分
されていたにもかかわらず、(100)面12上でSi
の単原子層ステップが束ねらた状態になっており、具体
的には、(100)面12から22、5゜傾斜した(3
11)ファセット13を形成するまでにSi単原子層の
各ステップが束ねられている状態である。
【0087】そして、これ以後は、ウエハの温度を、従
来のエピタキシャル成長させる温度T1(約1000
℃)にまで下げていき、同時に、HClガスをパージ
し、その結果、炉10内は、H2ガスのみの状態となる
(t4)。
【0088】この時刻から、H2ガスに、エピタキシャ
ル膜の原料ガスであるSiH4とウエハ6にドープした
ものと同じ種、濃度の不純物とを加え、エピタキシャル
成長が行われる。
【0089】本実施例においても、エピタキシャル成長
させる手法はCVD法である。このエピタキシャル成長
は、(100)面上にエピタキシャルによる単原子層ス
テップ14が成長し、束ねられていたもともと存在した
Siの各ステップが解けていくかのように成長する。
【0090】そして、本実施例においても、時刻t4’
には、(311)ファセット13はほぼ完全に消失し、
エピタキシャル成長した表面は、単原子層ステップ14
が、ほぼ等間隔に並んだ実質的に平坦な状態となる。
【0091】つまり、この時の(100)テラス15の
幅は、時刻t4のエピタキシャル成長する前のステップ
が束ねられた表面状態に比べ、充分に狭くなっている。
【0092】テラス15の幅が狭いほど、エピタキシャ
ル成長しうる基板温度は低く設定することができるか
ら、そのため、本実施例においても、時刻t4’におけ
る表面において、従来のエピタキシャル温度T1より低
い温度T2でもエピタキシャル成長することができる。
【0093】従って、積み上げるエピタキシャル層16
への不純物の固相中拡散、および気相を介したオートド
ーピングがきわめて減少し、ウエハ6とエピタキシャル
層16の界面における不純物プロファイルが、急峻にな
る。
【0094】そして、時刻t4’からは、H2ガスに加
え、エピタキシャル膜の原料ガスであるSiH4と、こ
れから成長されるエピタキシャル層自体にドープする所
望の不純物とを用いてエピタキシャル成長が行われる。
【0095】同時に、図3に示すように、等間隔に単原
子層ステップが並んだ状態の表面22に対して、所望の
不純物を含んだエピタキシャル層16を形成することに
もなるために、不純物界面20がウエハ表面23方向に
対して、実質的に、一様に平行となる。
【0096】このため、従来の(311)ファセット等
の存在によって生じた界面のボケ21が実質的に排除さ
れ、不純物の深さ方向プロファイルが、急峻になる。
【0097】そして、その後所望の厚さのエピタキシャ
ル層16をウエハ6上に形成し、原料ガスSiH4のパ
ージを行ない、ウエハ6を再び室温まで冷却する。
【0098】なお、本実施例においても、時刻t4’か
ら行なわれるエピタキシャル成長において用いる原料お
よび不純物は、それ以前と同じ原料および不純物でもよ
いし、全く別種のものとしてもよい。
【0099】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、詳細に説明する。
【0100】第3の実施例では、上記第1および第2の
実施例とは異なり、ウエハの材料がSiではなく、Ga
Asである。
【0101】さらに、上記第1および第2の実施例で
は、エピタキシャルさせる手法にCVD法を用いていた
が、本実施例では、分子線エピタキシャル(MBE)法
を用いる。
【0102】まず、その表面は、第1や第2の実施例の
ように、ある安定な結晶面、例えば(111)または
(100)面等から所定角度、好ましくは1゜から10
゜傾いている。
【0103】次に、このウエハを加熱することにより、
高温に維持し、表面を清浄化する。一般に、安定面から
数度傾ければ、その安定面近傍の別の安定面、例えば
(111)または(100)の場合には、(331)ま
たは(311)面が、ファセットとして現出する。
【0104】特に、ウエハを高温にして処理を行なう場
合には、このようなファセット化が発生する。
【0105】従って、本実施例におけるエピタキシャル
成長手法方法あるMBE法でも、表面を清浄化するため
に、ウエハを高温にするため、この様なファセットが現
われることになる。
【0106】そこで、(111)面を用いる場合には、
第1の実施例と同等な処理を施し、(100)面を用い
る場合には、第2の実施例と同等な処理を施すことによ
り、これらの実施例と同様な効果が得られる。
【0107】具体的には、ファセットが発生した清浄化
されたウエハを用いて、エピタキシャル膜の原料ガスと
ウエハ6にドープしたものと同種、同濃度の不純物とを
加え、MBE法によりエピタキシャル成長行なう。
【0108】そして、所定時間後、(331)ファセッ
トまたは(311)ファセットは、ほぼ完全に消失し、
エピタキシャル成長した表面は、単原子層ステップが、
ほぼ等間隔に並んだ実質的に平坦な状態となる。
【0109】本実施例においても、この状態のウエハ表
面のテラスの幅が狭いため、エピタキシャル成長しうる
基板温度は低く設定することができるから、従来のエピ
タキシャル温度より低い温度でもエピタキシャル成長す
ることができる。
【0110】従って、これから積み上げるエピタキシャ
ル層への不純物の固相中拡散、および気相を介したオー
トドーピングがきわめて減少し、ウエハとエピタキシャ
ル層の界面における不純物プロファイルが、急峻にな
る。
【0111】そして、これ以降は、エピタキシャル膜の
原料ガスと、所望種類と濃度を有する不純物を用いてM
BE法によるエピタキシャル成長が行われる。
【0112】またこのとき、等間隔に単原子層ステップ
が並んだ状態の表面に対して、所望の不純物を含んだエ
ピタキシャル層を形成することにもなるために、不純物
界面がウエハ表面方向に対して、実質的に、一様に平行
となる。
【0113】このため、従来の(311)ファセット等
の存在によって生じた界面のボケが実質的に排除され、
不純物の深さ方向プロファイルが、急峻になる。
【0114】そして、その後所望の厚さのエピタキシャ
ル層をウエハ上に形成し、原料ガスのパージを行ない、
ウエハを再び室温まで冷却する。
【0115】なお、本実施例においても、後半行なわれ
るエピタキシャル成長において用いる原料および不純物
は、それ以前と同じ原料および不純物でもよいし、全く
別種のものとしてもよい。
【0116】
【発明の効果】以上のように、本発明は、第1の不純物
をドープする第1のエピタキシャル成長と、第2の不純
物をドープする第2のエピタキシャル成長とを組み合わ
せることにより、清浄化で生じたウエハ表面の非平面形
状を実質的に平面化した上で、その実質的な平面上にエ
ピタキシャル成長を行なうことができる。
【0117】従って、ウエハとエピタキシャル層の界面
における不純物プロファイルを急峻にすることができ、
このようなエピタキシャルウエハを具体的なデバイスに
応用すると、遅延時間が短い、等の素子特性に優れた電
子素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるエピタキシャル成長の
ウエハ温度の時間変化を示す図
【図2】(a)時刻t1以前の酸化膜がまだ着いている
本発明の実施例におけるウエハの断面図 (b)時刻t2での酸化膜が取り除かれた本発明の実施
例におけるウエハの断面図 (c)時刻t3での(331)ファセット面積の増大し
た本発明の実施例におけるウエハの断面図 (d)時刻t4からt4’での(331)ファセットが
消失していく本発明の実施例におけるウエハの断面図 (e)時刻t5でのエピ膜が充分成長した本発明の実施
例におけるウエハの断面図
【図3】本発明の実施例であるエピタキシャル装置を用
いたエピタキシャルウエハの断面と、その不純物濃度の
深さ方向プロファイルを示す図
【図4】従来のエピタキシャル成長装置の構成図
【図5】従来のエピタキシャル成長のウエハ温度の時間
変化を示す図
【図6】従来のエピタキシャル成長装置を用いたエピタ
キシャルウエハの断面と、その不純物濃度の深さ方向プ
ロファイルを示す図
【符号の説明】
1 ガス制御装置 2 プロセス制御装置 3 温度コントローラ 4 高周波誘導加熱装置 5 温度センサ 6 ウエハ 7 サセプタ 8 RFコイル 9 排気口 11 酸化膜 12 (111)面 13 (331)面 14 単原子層ステップ14 15 テラス 16 エピタキシャル成長層 20 不純物界面 22 (331)面が消失した表面 23 ウエハ表面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエハを清浄化する工程と、前記清浄化
    工程で清浄化されたウエハ上にエピタキシャル成長をす
    る工程とを有するエピタキシャルウエハ製造方法であっ
    て、前記エピタキシャル成長をする工程はシーケンシャ
    ルな少なくとも第1の工程および第2の工程とを有し、
    前記第1の工程におけるウエハ温度T1と前記第2の工
    程におけるウエハ温度T2とをT1>T2の関係になる
    ように設定し、前記第1の工程においては、前記第1の
    不純物を第1の密度でエピタキシャル成長させ、前記第
    2の工程においては、第2の不純物を第2の密度でエピ
    タキシャル成長させるエピタキシャルウエハ製造方法。
  2. 【請求項2】 ウエハを清浄化する工程と、前記清浄化
    工程で清浄化されたウエハ上にエピタキシャル成長をす
    る工程とを有するエピタキシャルウエハ製造方法であっ
    て、前記エピタキシャル成長をする工程はシーケンシャ
    ルな少なくとも第1の工程および第2の工程とを有し、
    前記第1の工程においては、前記ウエハを清浄化する工
    程で形成されたウエハの表面形状を実質的に平坦化する
    ように、第1の不純物を第1の密度になるようにエピタ
    キシャル成長させ、前記第2の工程には、第2の不純物
    を第2の密度でエピタキシャル成長させるエピタキシャ
    ルウエハ製造方法。
  3. 【請求項3】 ウエハの清浄化のための時間に対応し
    て、第1のエピタキシャル工程のエピタキシャル成長時
    間を設定する請求項1または2記載のエピタキシャルウ
    エハ製造方法。
  4. 【請求項4】 第1のエピタキシャル工程では、ウエハ
    と同一な不純物を、ウエハにドープされた不純物濃度と
    実質的に同一な濃度でドープする請求項1から3記載の
    エピタキシャルウエハ製造方法。
  5. 【請求項5】 第1のエピタキシャル工程の不純物と第
    2のエピタキシャル工程の不純物は同種であり、かつド
    ープ濃度が実質的に等しい請求項1から4記載のエピタ
    キシャルウエハ製造方法。
  6. 【請求項6】 表面が所定の安定面に対して所定角度傾
    斜しているエピタキシャルウエハであって、エピタキシ
    ャル成長によって形成したウエハ内の不純物密度または
    不純物原子種が異なることにより発生するエピタキシャ
    ルウエハ中の界面が、前記エピタキシャルウエハの表面
    に対して実質的に平行であるエピタキシャルウエハ。
  7. 【請求項7】 表面が所定の安定面に対して1゜から1
    0゜傾斜している請求項6記載のエピタキシャルウエ
    ハ。
  8. 【請求項8】 界面が、実質的にエピタキシャルウエハ
    の表面である請求項4または7記載のエピタキシャルウ
    エハ。
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