JPH06260264A - 面状発熱体の製造方法 - Google Patents

面状発熱体の製造方法

Info

Publication number
JPH06260264A
JPH06260264A JP5041107A JP4110793A JPH06260264A JP H06260264 A JPH06260264 A JP H06260264A JP 5041107 A JP5041107 A JP 5041107A JP 4110793 A JP4110793 A JP 4110793A JP H06260264 A JPH06260264 A JP H06260264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
resin
heating element
film
resin layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5041107A
Other languages
English (en)
Inventor
Mamoru Kameda
守 亀田
Kazutoshi Haraguchi
和敏 原口
Fumihiko Maekawa
文彦 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP5041107A priority Critical patent/JPH06260264A/ja
Publication of JPH06260264A publication Critical patent/JPH06260264A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 銅箔(電極線)と必要とあればPCT性を有
する導電材をも配置した炭素繊維抄紙シート(導電体シ
ート)とポリエステルフィルム(絶縁シート)との間に
熱可塑性ポリウレタンフィルム(樹脂層)を設けた後に
加熱圧縮して該ポリウレタン樹脂の樹脂を該抄紙シート
に含浸させると同時に成形する面状発熱体の製造方法。 【効果】 シート間に隙間を生じることも少なく、電気
絶縁性も充分確保されるし、一体成形が可能であるので
極めて簡便な手段である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は形態がシート状で通電に
より加熱される、いわゆる面状発熱体の製造方法に関す
るものである。本発明方法によって得られる面状発熱体
は、外部よりの水分などの混入による漏電の心配の無い
柔軟な面状発熱体である。このような発熱体を用いれば
平面だけでなく曲面の加熱も自由になり、パイプ、各種
の反応槽、各種機械の部分加熱等、従来液状物の飛散の
恐れの有る部分での加熱が可能になる。
【0002】
【従来技術】面状発熱体としては、従来から各種のもの
が知られている。例えば、ニクロム線を発熱体として、
紙やシートの上に面状に這わせたもの、パイプ状の発熱
体を曲げて面状に加工したもの、更にフィルム、シート
等の基材上に発熱体としてカーボンブラック等の導電性
粒子を添加した塗料、インキ等をコーティング、又は印
刷したもの等があった。しかしこれらの発熱体には各種
の問題があった。例えば、ニクロム線を使う場合、何か
の障害で線の破断が一箇所でも起きれば発熱が止まるた
め、故障が起き易く、また補修も難しい。さらにまたニ
クロム線の部分しか発熱しないがその熱で全体を暖める
ため、どうしても部分的に発熱温度が高くなり、熱可塑
性フィルム等で覆っても完全な絶縁性を確保することが
難しい。
【0003】パイプ状発熱体を使用した場合、絶縁性の
確保は可能であるが自由な曲げ等が難しく加工性に問題
がある。
【0004】カーボンブラック等の導電性粒子を使った
場合は、得られる面状発熱体の単位面積当りの電気抵抗
値(面積抵抗値)が高く、必要とする発熱量を得るため
には、電極間距離を小さくする必要があり、そのため通
常電極部はスパッタリングや印刷で細かくしかも精密に
行なわなければならず技術的にもむずかしかった。しか
もその電極部の一部でも損傷切断すれば通電しなくなる
欠点もあった。そのため小さな発熱体の場合は良いが、
大きな面積を有する面状発熱体には適していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで上記問題点を解
決するため、箔状、繊維状あるいは粉末状の導電体を樹
脂、ゴムあるいは無機質材料等のマトリックスと組み合
わされて作られた抵抗体シートと電極線及び絶縁シート
を積層する方法によって得る面状発熱体が一般的に採用
されつつある。
【0006】このような面状発熱体の場合その消費する
必要電力量より設計されるが、電気抵抗値、価格等を考
えると非常に薄い炭素繊維のシート、ペーパーを抵抗体
シート中の導電体として使用することが多い。ところが
このような導電体は薄膜であるが故に抵抗体シートとし
たときの樹脂保持量が当然ながら低く、抵抗値に大きな
影響を与える因子の一つである樹脂量を自由に設定する
ことが難しかった。また抵抗体シートの樹脂保持量が低
いと該抵抗体シートと電極線及び絶縁シートを積層し、
加熱圧縮成形してもシート間に隙間を生じることなども
多々発生し成形時の効率、電気絶縁性確保等が悪かっ
た。更にまた導電体が薄膜である故に強度も低く、この
ため樹脂含浸作業中でのシート切れ、折れ、曲がり等の
問題も生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこの状況
を改善するために種々検討したところ、箔状、繊維状あ
るいは粉末状の導電体を樹脂、ゴム等のマトリックス中
に分散したシートである抵抗体シートを使用せずにシー
ト状の導電体をそのまま用い、該導電体シートと絶縁シ
ートとの間に樹脂層を予め設けてから加熱圧縮して該樹
脂層の樹脂を導電体シートに含浸させると共に成形する
と、抵抗値に大きな影響を与える樹脂量を自由に設定す
ることができ、またシート間に隙間を生じることもなく
電気絶縁性も充分確保された良好な面状発熱体が得られ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は電極線を配した導電体シー
トと絶縁シートとの間に樹脂層を設けた後に加熱圧縮し
て該樹脂層の樹脂を該導電体シートに含浸させると同時
に成形することを特徴とする面状発熱体の製造方法にあ
る。
【0009】本発明方法は、電極線を配した導電体シー
トと絶縁シートとの間に該導電体シートに含浸させる樹
脂をシート或いはフィルム状で用いる好ましくはこれを
表面層となる絶縁シートに用いるシート、フィルム等へ
塗布又はラミネートされた状態で用い、そして成形時の
加熱−加圧で通電の為の電極線まで一体で成形する有効
な手段である。このため絶縁シート間に隙間を生じるこ
とのない、電気絶縁性も充分確保された面状発熱体を得
ることができる。
【0010】本発明で使用する導電体シートとしては、
導電性繊維を含んだ各種材料より作られたペーパー、シ
ート等を用いることが好ましいが、マット、不織布、織
布等の形状のものも広義な導電体シートとして使用可能
である。即ち導電性繊維を2〜100%含み、通電によ
り発熱する状態が得られればその形態は問わない。例え
ば、導電性繊維、パルプやガラス繊維等をエポキシ樹脂
をバインダーとして抄紙法により作られたいわゆるペー
パー;ランダム状繊維の接触部をバインダーで結び付け
たり、バインダーを使わずニードルパンチにより繊維同
志を結び付けた、いわゆる不織布、マット、シート;導
電性繊維を含んだ糸より織った織布等が挙げられる。
【0011】本発明の目標とする面状発熱体の電気抵抗
値は1〜1000Ωの面積抵抗値であり、更に、到達温
度、使用条件、大きさ等で異なるが一般に5〜300Ω
がより実用的である。例えば、50cm×43cmの大
きさの面状発熱体の場合、面積抵抗値144Ωで100
Wの電力消費量になり、100Vの電圧印荷で約50℃
の表面温度となる。
【0012】前記した導電体シートに用いられる導電性
繊維としては各種の金属繊維、炭素繊維、無機又は有機
繊維に金属を吸着又は蒸着させた繊維等、上記のペーパ
ー、シート、マット、不織布、織布等に加工出来、導電
性を与えることが出来る繊維ならば特に限定しない。但
し通常この目的に合った繊維としては、加工の容易さ、
加工後の柔軟性等から考えて、その直径が100μm以
下の繊維が望ましい。実用上、この目的に合った繊維と
しては、その電気抵抗値、加工の容易さ、価格等から考
えて、炭素繊維は最も適している繊維の一つである。
【0013】上記導電性繊維と共に使用される他の繊維
は、特にその種類を限定しない。但し、求める電気抵抗
値を得る為には、使用する導電性繊維の電気抵抗値に応
じて導電性繊維の密度(g/m2)を変える必要があ
り、必要量の導電性繊維を保持、固定化する為のその他
の混合繊維の量、種類も変える必要がある。加えうる他
の繊維としては、各種の有機繊維類、ガラス繊維やセラ
ミック繊維等の無機繊維類、パルプ等、ほとんどの繊維
形状の物が使用できる。
【0014】更に、求める電気抵抗値、及びその他の機
能に応じて、繊維状以外の形態の材料も加えることも出
来る。導電性やその他面状発熱体としての性質を変える
場合に、又、ペーパー、シート、マット、不織布、織布
等への加工時に、必要ならば、後記する材料を自由に加
えることが出来る。例えば、導電性を上げる為には微粉
末化した金属粉や黒鉛粉を、製品に色彩を付ける為に各
種の顔料を、また抄紙、シート化の為の各種のサイジン
グ材等が加えられる。また例えば、炭素繊維とパルプを
抄紙して導電性ペーパーにする際には、固定の為に各種
の樹脂を使用するが、本発明に於いてはこの導電性ペー
パーを用いた場合に得られる発熱体の電気抵抗値を考慮
して設計すれば良く、導電性材料以外の材料をひとまと
めにして不導電性材料として評価すれば良い。
【0015】本発明で導電体シートと絶縁シートとの間
に予め形成され、しかも加熱、圧縮によって該導電体シ
ートに含浸される樹脂層の樹脂としては、100〜20
0℃で溶融し、同時に成形時の圧力で該シートに含浸さ
れ、更に数分間後には硬化する熱硬化性樹脂でも良く、
又、100〜200℃で溶融し同様に成形時の圧力でシ
ートに含浸される熱可塑性樹脂でも良い。勿論この両者
を混合した状態でも良い。この目的で使用できる樹脂
は、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹
脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、及び、その他の熱硬
化性樹脂、各種のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹
脂、及びその他の熱可塑性樹脂等が使用できる。
【0016】熱硬化性樹脂を用いる場合は完全硬化して
いない半硬化状態で使用すれば良く、加熱により硬化前
の軟化、溶融状態で含浸され、その後、硬化して導電性
材料を固定化することになる。更に、含浸、硬化の状況
を変えるために、前記した樹脂を混合しても、また変性
して用いてもよく、上述の条件に合う限り使用できる。
これらの樹脂は単独のシート、フィルムとして使用でき
るが、表面に使う絶縁シートあるいはフィルムに塗布、
又はラミネートした状態でも使用できる。後者の方が生
産時の工程上簡略で、より適している。
【0017】前記した方法によって得られた本発明の面
状発熱体はPTC性を発現するものではないが、PTC
性を付与した面状発熱体を製造することも可能である。
かかる場合の方法としては、電極線とPTC性を有する
導電材を配した導電体シートと絶縁シートとの間に樹脂
層を設けた後に加熱圧縮して該樹脂層の樹脂を該導電体
シートに含浸させると同時に成形する方法がある。
【0018】PTC性を付与した面状発熱体の製造にあ
たっては、まず、PTC性を有する導電材を作成する。
この導電材としては硬化後、柔軟性を有する樹脂に導電
性粒子を10〜70重量%混入させた、PTC性を有す
るシートを作成するとよい。柔軟性樹脂としては、各種
のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、及びその他
の熱可塑性樹脂、硬化後も柔軟なタイプのポリウレタ
ン、ポリエステル、各種ゴム系樹脂等、面状発熱体成形
時の加熱で溶融しないフィルム、シート類なら特にその
種類は限定せず使用できる。溶剤に希釈されている樹脂
溶液の場合は、必要量の導電性粒子を混入した後、離型
性を有するフィルムなどへのコーティング等による。
又、熱可塑性の場合は、必要量の導電性粒子を入れて練
肉した後、Tダイでの押し出しや、カレンダー成形、そ
の他の通常のフィルム製造法にて製作すれば良い。
【0019】このPTC性を有する導電材の厚みは特に
制限しないが、通常30〜500μmであり、50〜2
00μmがより実用的である。
【0020】この際、使用できる導電性粒子は、最長部
が1mm以下であれば特にその形状は問わず、球状、円
盤状、板状、又、後述する条件を備えた繊維状、及びそ
れら形状が混合されていても、特に本発明には支障な
い。その材質は、銅、鉄、アルミニューム、その他各種
の金属類、各種炭素質、黒鉛質、更に各種材料の表面を
コーティング、スパッタリング、メッキ、その他の方法
で、金属などの導電性材料で一部、又は全面を覆ってい
ても良い。特にその中でも、各種の黒鉛パウダーは金属
類に比べ、軽量で樹脂との混合も容易であり、本発明に
最も適する材料の一つである。又、本来PTC性付与に
は不向きな繊維状でも特に所謂ミルドと呼ばれている繊
維長1mm以下、望ましくは0.5mm以下の炭素繊
維、金属繊維、金属でコーティング、スパッタリング、
又はメッキ等を施した導電性繊維類も本発明では使用可
能である。
【0021】PTC性を付与した面状発熱体は、導電性
粒子を含んだPTC性を有する導電材即ち前記の如き柔
軟シート或いはフィルムを用い、これを通電量を制御出
来る部分に、出来るだけ薄く、例えば5mm以下の薄さ
で設置することにより達成される。最も望ましくは、電
極線と平行に、通電域全体に渡り横断する形で、幅5m
m以下、望ましくは幅2mm以下でPTC性付与部を設
けるとよい。
【0022】この部分は例えば次のようにして設ける。
一つの方法は導電体シートの一部に電極線と平行に全通
電域を遮断する形で切れ目を入れ、その部分にPTC性
を有する柔軟シート(PTC性を有する導電材)をはめ
込む方法であり、実用上では、切れ目部分とそれの両端
の導電体シート部分を含んでPTC性を有する柔軟シー
トを帯状に重ね合わせ、成形時の加熱、加圧で導電体シ
ートへの樹脂含浸と並行してPTC性を有する柔軟シー
トと導電体シートを接着する方法である。
【0023】二番目の方法は、電極線に隣接してPTC
性を有する柔軟シート部(PTC性を有する導電材)を
設ける方法であり、この場合、更に幾つかの方法があ
る。即ち電極線と導電体シートの間に電極線に並行に狭
い隙間を作っておき、そこにPTC性を有する柔軟シー
トをはめ込む方法、電極線と導電体シートの接着部をP
TC性を有する柔軟シートで全域覆う方法、電極線を二
重にし、その間にPTC性を有する柔軟シートを挟み込
む方法等がある。
【0024】これらの方法に於いては、導電体シートへ
の樹脂含浸の際に、同時に接着固定化して行っても良
い。またPTC性を有する柔軟シートと電極線、及び導
電体シートへの接着は必要ならば接着剤を柔軟シートに
付けて行っても良い。どの方法に於いても、通電加熱の
際の電流は電極線から供給されるが、導電体シートに通
じ発熱する際、PTC性を有する柔軟シート部(PTC
性を有する導電材)を一度は通過することになり、面状
発熱体全体としてPTC性を有することになる。即ち面
状発熱体の通電加熱の際、生じた熱はPTC性を有する
柔軟シート(PTC性を有する導電材)をも暖めること
になり、加熱により抵抗値が増大することになる。
【0025】通電の為の電極線は、導電性シートの電極
線取付位置に直接置いて成形すれば上記した樹脂の含浸
と共にシートへの接着が行われる。この電極線としては
各種の導電性材料が使用可能である。電極線の具体例と
しては、金属のシート、箔類、線類、線の合わさった
束、線を編んだ編み線等が使用可能である。
【0026】また表面の電気絶縁性を得るために用いる
絶縁シートとしては、成形時の温度、圧力で溶融しない
フィルム、シートを使用するのが良い。成形時の温度、
圧力で溶融するフィルム、シートを使用する場合には発
熱させる導電性シートへの含浸が起こり、電気抵抗値が
下降するが、その傾向を考慮して置けば良い。但し、こ
の場合には充分な厚さを有するものでないと、表面の電
気絶縁性は確保できない。
【0027】絶縁シートとして用いるもののうち、成形
時の温度、圧力で溶融しないタイプとしては、含浸させ
る樹脂の成形温度でその形状を保持し、そのまま表面層
となる樹脂フィルム、シートが挙げられる。具体的に
は、ポリフッ化ビニリデン、耐熱性ポリ塩化ビニル、各
種のポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、ポリカー
ボネート、その他各種ポリオレフィン等、ほとんどのフ
ィルム、シートが使用できる。勿論、発熱時の最高到達
温度と成形温度を考慮して材質を選定することが前提と
なる。
【0028】また、成形時の温度、圧力で溶融するタイ
プのものとしては、ほとんどの熱可塑性フィルムが使用
できるが、目的発熱温度より少なくとも20℃以上の溶
融温度を有する材質を選定する必要がある。これらの熱
可塑性樹脂のフィルム、シートは、実際の最高使用温度
を考慮して選定しなければならないが、例えば、最高5
0〜60℃の発熱な場合は、ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、低温溶解タイプのポリエステル等
の熱可塑性樹脂のフィルム、シートが使用できる。しか
し、発熱温度が100℃迄上昇する場合には、更に耐熱
性のある熱可塑性樹脂のフィルム、シートを使用しなけ
ればならない。例えば、熱溶融温度の高いタイプのポリ
エステル、ポリウレタン等のフィルム、シートが使用で
きる。更に発熱温度が高くなっても、同様に最高使用温
度より高い溶融温度を有する熱可塑性樹脂のフィルム、
シートを使用すれば良い。
【0029】これらのフィルム、シートの中で、熱履歴
により溶融温度の上昇する材料は、更に当目的に適す
る。例えば熱可塑ポリウレタン等のフィルム、シート等
は、面状発熱体とした後、実際に発熱を繰り返すことに
より、その溶融温度が上昇することが判明しており、当
発明の熱可塑性樹脂のフィルム、シートとして最も適す
る物の一つである。
【0030】以下、本発明方法についてより詳細に説明
する。最初に面状発熱体の構造を決め、それに従い積み
重ねる。例えば、上層から順に絶縁シート(表面層)と
なるポリエステルフィルム/含浸させる樹脂フィルム/
電極線(例えば数cm幅に切断した銅箔)/導電体シー
ト/含浸させる樹脂フィルム/ポリエステルフィルム
と積み重ねる。もし、PCT性を付与した面状発熱体と
する場合は,例えば上層から順に絶縁シート(表面層)
となるポリエステルフィルム/含浸させる樹脂フィルム
/あいだにPTC性を有する柔軟シートを挟み込んだ二
重になった電極線(例えば数cm幅に切断した二重の銅
箔)/導電体シート/含浸させる樹脂フィルム/ポリエ
ステルフィルム と積み重ねるとよい。
【0031】積み重ねた後、一つの方法は圧縮成形して
面状発熱体とする。この場合には、成形後の離型は、含
浸させた樹脂のフィルムの溶融温度以下に成形品温度を
下げた後で行わなければならない。又、もう一つの方法
は、上述した積み重ね品を予め樹脂のフィルムの溶融温
度以上に加熱しておき、25℃以下の温度に保持された
ロールに挟み、加圧と同時に冷却する方法である。この
ロールを通して含浸する方法は、大量に作る場合には適
しているが、作業の条件を精密に設定しないと良好な含
浸が得られない。その為、少量の場合には、圧縮成形し
て面状発熱体とする方法が便利である。
【0032】勿論、本工程に於いて、表面層となるポリ
エステルフィルムに、含浸させる熱可塑性、又は熱硬化
性樹脂を予めコーティング、又はフィルムをラミネート
して表面層と含浸用樹脂とを一体として使用することは
可能であり、成形工程の簡略化の点でより好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例に従い説明する。 実施例1 炭素繊維”ドナカーボ−S”((株)ドナック製)をパ
ルプ中に30Wt%含んだ目付量;53g/m2の導電
性の混抄紙を22cm×25cmに切断し、その両側
に、145〜150℃で溶融する目付量;55g/m2
の熱可塑ウレタン”Pandex T−5108”(大
日本インキ化学工業製)のフィルムを一枚ずつ配置し、
混抄紙の向かい合った両端に混抄紙と直接接触する状態
で幅10mm、厚み105μmの銅箔を設置して、最外
層に100μm厚みのポリエチレンテレフタレート(P
ET)のフィルム((株)帝人製)を両側に配した。1
60℃で15Kg/cm2の加圧下、圧縮成形して一体
化した面状発熱体を得た。本品は面積抵抗値155Ωで
あり、62Vの印可電圧で発熱し、その表面温度110
℃〜115℃を示した。又40Vの印可電圧で表面温度
50℃〜60℃に発熱した。
【0034】実施例2 実施例1と同じ導電性の混抄紙を使い、熱可塑ポリウレ
タンフィルムの替わりに110℃〜120℃で溶融する
ポリエステルフィルム PH413(日本マタイ製)を
使用し、実施例1と同様にして 130℃で15Kg/
cm2の加圧下、圧縮成形して一体化した面状発熱体を
得た。面積抵抗値153Ωであり41Vの印荷電圧で5
5℃となった。
【0035】実施例3 実施例1と同様にして、熱可塑ポリウレタンフィルムと
して目付量;80g/m2のフィルムを使い、同様の面
状発熱体を得た。面積抵抗値は180Ωであり、80V
印荷電圧で75℃となった。
【0036】実施例4 実施例1と同様な材料を用い、ただ目付量80g/m2
となるよう、熱可塑ポリウレタンは予め表面層となるポ
リエステルフィルムにコーティングしておき、同様の面
状発熱体を得た。面積抵抗値は175Ωであり、80V
印荷電圧で75℃となった。
【0037】製造例(PTC性を有する柔軟シートの作
成) 導電性粒子として黒鉛粉”特CP−2”(富士黒鉛製)
40部を、熱可塑ポリウレタン”PANDEX T51
08”(固形分14Wt%)429部中に入れ、充分攪
拌混合した後、ポリエチレンフィルム上に塗布し、乾燥
後ポリエチレンフィルムを除去する事により、厚さ65
μmの柔軟シートを作成した。
【0038】実施例5 炭素繊維”ドナカーボ−S”((株)ドナック製)をパ
ルプ中に30Wt%含んだ目付量;53g/m2の導電
性の混抄紙を22cm×25cmに切断し、その両側
に、110℃〜120℃で溶融するポリエステルフィル
ム PH413(日本マタイ製)を一枚ずつ配置し、電
極線の銅箔と導電性の混抄紙の間に幅1mmの隙間を開
け、幅20mmに切断した製造例で得た柔軟シートを銅
箔、導電性の混抄紙の両方に均等に懸かるように置い
た。上下の最外層にはポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを置き、130℃で15Kg/cm2の加圧下、圧
縮成形して一体化した面状発熱体を得た。
【0039】室温28℃での面積抵抗値は182Ωであ
り、42Vの印荷電圧で20分後には面状発熱体表面温
度65℃となった。この間、面積抵抗値は徐々に上昇し
20分後には315Ωに迄上昇し、それと共に面状発熱
体表面温度の上昇は止まり、65℃で一定になった。明
らかにPTC性を示す事が確認された。
【0040】実施例6 電極線部は、2枚の厚み105μm、幅10mmの銅箔
の間に20mm幅の実施例5の柔軟シートを挟み込む形
にし、他は全て同様にして、面状発熱体を得た。室温2
8℃での面積抵抗値は180Ωであり、50V印荷電圧
で20分後に70℃となった。70℃での抵抗値は33
0Ωであり、明らかにPTC性を示す事が確認された。
【0041】実施例7 実施例5と同じ導電性の混抄紙を使い、110℃〜11
5℃で溶融する含浸用の熱可塑ポリウレタン”クリスボ
ン A−715”を60μmの厚さでポリエチレンテレ
フタレートフィルムに塗布し、他は全て実施例5と同様
にして面状発熱体を得た。室温28℃での面積抵抗値は
168Ωであり、40V印荷電圧で20分後に67℃と
なった。67℃での抵抗値は290Ωであり、明らかに
PTC性を示す事が確認された。
【0042】
【発明の効果】導電体シートと絶縁シートとの間に樹脂
層を設けてから加熱圧縮して該樹脂層の樹脂を導電体シ
ートに含浸させると共に成形する本発明方法による面状
発熱体は、シート間に隙間を生じることも少なく、電気
絶縁性も充分確保されるし、一体成形が可能であるので
極めて簡便な手段である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極線を配した導電体シートと絶縁シー
    トとの間に樹脂層を設けた後に加熱圧縮して該樹脂層の
    樹脂を該導電体シートに含浸させると同時に成形するこ
    とを特徴とする面状発熱体の製造方法。
  2. 【請求項2】 電極線とPTC性を有する導電材を配し
    た導電体シートと絶縁シートとの間に樹脂層を設けた後
    に加熱圧縮して該樹脂層の樹脂を該導電体シートに含浸
    させると同時に成形することを特徴とする面状発熱体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 導電体シートが、炭素繊維を含むシート
    又はペーパーである請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂層が、フィルム状又はシート状の樹
    脂である請求項1または2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂層が、絶縁シート裏面にコーティン
    グ又はラミネートされている請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂層の樹脂が半硬化状態の熱硬化性樹
    脂である請求項1〜5のいずれか1つに記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 樹脂層の樹脂が熱可塑性樹脂である請求
    項1〜5のいずれか1つに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 樹脂層の樹脂が熱硬化性樹脂及び熱可塑
    性樹脂の双方を含む、請求項1〜5のいずれか1つに記
    載の製法。
JP5041107A 1993-03-02 1993-03-02 面状発熱体の製造方法 Pending JPH06260264A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5041107A JPH06260264A (ja) 1993-03-02 1993-03-02 面状発熱体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5041107A JPH06260264A (ja) 1993-03-02 1993-03-02 面状発熱体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06260264A true JPH06260264A (ja) 1994-09-16

Family

ID=12599257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5041107A Pending JPH06260264A (ja) 1993-03-02 1993-03-02 面状発熱体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06260264A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20070015667A (ko) * 2005-08-01 2007-02-06 에스케이케미칼주식회사 탄소섬유 부직포 매트 면상발열체 및 그 제조방법
JP2017162782A (ja) * 2016-03-11 2017-09-14 東日本旅客鉄道株式会社 発熱ユニット
JP2021012814A (ja) * 2019-07-05 2021-02-04 積水化学工業株式会社 面状発熱体及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20070015667A (ko) * 2005-08-01 2007-02-06 에스케이케미칼주식회사 탄소섬유 부직포 매트 면상발열체 및 그 제조방법
JP2017162782A (ja) * 2016-03-11 2017-09-14 東日本旅客鉄道株式会社 発熱ユニット
JP2021012814A (ja) * 2019-07-05 2021-02-04 積水化学工業株式会社 面状発熱体及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9237606B2 (en) Carbon nanotube sheet heater
US6057530A (en) Fabric heating element and method of manufacture
EP2127473B1 (en) Sheet heating element
US20060278631A1 (en) Laminate fabric heater and method of making
US4434023A (en) Method for producing plate heater
CA1301818C (en) Radiant heating panels
US4442139A (en) Elements comprising fibrous materials
EP0030479B1 (en) Conductive element and process for making the same
KR20180051064A (ko) 면상발열 기기 및 이의 적용 방법
JPH06260264A (ja) 面状発熱体の製造方法
WO2015159665A1 (ja) 炭素被覆面状ヒータ及びその製造方法
KR100909930B1 (ko) 면상발열체 및 그 제조방법
JP2948048B2 (ja) 曲げ加工用複合材料およびその曲げ加工方法
KR101804873B1 (ko) 플렉시블 면상발열체의 제조 방법 및 이에 따라 제조되는 플렉시블 면상발열체
US6517676B1 (en) Recyclable thermoplastic moldable nonwoven liner for office partition and method for its manufacture
JP3314867B2 (ja) 発熱積層体および床暖房用電熱ボード
KR20180085174A (ko) 면상발열체 및 면상발열체의 제조방법
KR20070015667A (ko) 탄소섬유 부직포 매트 면상발열체 및 그 제조방법
JP2002507670A (ja) 発泡法及びアラミド繊維を用いたプリント回路基板製造のための基礎ウェブ
JPH09283265A (ja) 面状発熱体の製造方法
JPH09283266A (ja) 面状発熱体の製造方法
JPH0817560A (ja) 面状発熱体
JPH05144554A (ja) 面状発熱体の製造方法
JPH04191040A (ja) 熱硬化性樹脂化粧板
JP3816587B2 (ja) 面状発熱体及びその製造方法