JPH06258617A - 液晶表示素子の駆動方法 - Google Patents

液晶表示素子の駆動方法

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JPH06258617A
JPH06258617A JP34550393A JP34550393A JPH06258617A JP H06258617 A JPH06258617 A JP H06258617A JP 34550393 A JP34550393 A JP 34550393A JP 34550393 A JP34550393 A JP 34550393A JP H06258617 A JPH06258617 A JP H06258617A
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liquid crystal
scanning
line
pixel
display
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JP34550393A
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Inventor
Shinjiro Okada
伸二郎 岡田
Yutaka Inaba
豊 稲葉
Kazunori Katakura
一典 片倉
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走査中に走査線のアドレスの飛びを生じるよ
うな走査方法も可能で、画面応答性のよい良質な階調表
示を実現できる液晶表示素子の駆動方法を提供すること
にある。 【構成】 対向して配置した2枚の電極基板間に液晶を
挾持して上下電極の交差部で画素を構成し、該画素内に
閾値分布を形成して階調表示を行う液晶表示素子の駆動
方法において、1画面の表示を線順次走査する第1モー
ドと、1画面の走査中に走査線を飛びこえる第2モード
とを有し、第2モードの場合は走査の最終行及び/又は
走査線の再走査開始行を2回選択することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータの端末、
テレビ受像機、ワードプロセッサ、タイプライター、ビ
デオカメラレコーダーのビューファインダ、プロジェク
ターの光バルブ等に用いられる液晶表示素子の駆動方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子としては、ツイステッドネ
マチック(TN)液晶、ゲスト・ホスト(GH)型液
晶、コレステリック(Ch)液晶或いはスメクチック
(Sm)液晶を用いたものが知られている。
【0003】なかでもTN液晶は、アクティブマトリク
スによるマルチプレキシング駆動によって中間調表示を
行うことができるが、応答性があまり良くない。
【0004】一方、Sm液晶を用いた強誘電性液晶表示
素子は優れた高速応答性をもつ。
【0005】クラーク(Clark)とラガーウォル
(Lagerwall)は、Applied Phys
ics Letters 第36巻、第11号(198
0年6月1日発行)P.899〜901、特開昭56−
107216号公報、米国特許第4367924号明細
書、米国特許第4563059号明細書等で、表面安定
化強誘電性液晶(Surface−stabilize
d ferroelectric liquid cr
ystal)による双安定性強誘電性液晶素子を明らか
にした。この双安定性強誘電性液晶素子は、バルク状態
のカイラルスメクチックC相(SmC*)、H相(Sm
H*)等における液晶分子のらせん配列構造の形成を抑
制するのに十分に小さい間隔に設定した一対の基板間に
液晶を配置させ、かつ、複数の液晶分子で組織された垂
直分子層を一方向に配列させることによって実現され
た。
【0006】また、このような強誘電性液晶(FLC)
を用いた表示素子に関しては、USP4,639,08
9、USP4,655,561、USP4,681,4
04の明細書などにも示されているように、1〜3μm
位のセルギャップを保って2枚の内面に透明電極を形成
し配向処理を施したガラス基板を向かい合わせて構成し
た液晶セルに、強誘電性液晶を注入したものが知られて
いる。
【0007】強誘電性液晶を用いた上記表示素子の特徴
は、強誘電性液晶が自発分極を持つことにより外部電界
と自発分極の結合力をスイッチングに使えることと、強
誘電性液晶分子の長軸方向が自発分極の分極方向と1対
1に対応しているため外部電界の極性によってスイッチ
ングできることである。すなわち、前記カイラルスメク
チック相の状態において、印加された電界に応答して第
1の光学的安定状態と第2の光学的安定状態とのいずれ
かをとり、かつ電界が印加されないときはその状態を維
持する性質、すなわち双安定性を有し、また電界の変化
に対する応答が速やかで、高速かつ記憶型の表示装置等
の分野における広い利用が期待されている。
【0008】強誘電性液晶は、上述のように、一般にカ
イラル・スメクチック液晶(SmC*,SmH*)を用
いるので、バルク状態では液晶分子長軸がねじれた配向
を示すが、上述の1〜3μm位のセルギャップのセルに
いれることによって液晶分子長軸のねじれを解消するこ
とができる(P213−P234 N.A.CLARK
et al,MCLC,1983,Vol 94)。
【0009】かかる強誘電性液晶素子で形成した表示パ
ネルを備えた液晶表示装置は、例えば神辺らの米国特許
第4655561号明細書などに記載されたマルチプレ
クシング駆動方式を用いることによって大容量画素の表
示画面に画像を形成することができる。上述の液晶表示
装置は、ワード・プロセッサ、パーソナル・コンピュー
タ、マイクロ・プリンタ、テレビジョンなどの表示画面
に利用することができる。
【0010】強誘電性液晶素子は2つの安定状態を光透
過および遮断状態とし、主として2値(白・黒)の表示
素子として利用されているが、多値すなわち中間調表示
も可能である。中間調表示法の1つは画素内の双安定状
態の面積比を制御することにより中間的な光透過状態を
作るものである。以下、この方法(面積変調法)につい
て詳しく説明する。
【0011】図1は強誘電性液晶素子のスイッチングパ
ルス振幅と透過率の関係を模式的に示した図で、はじめ
完全な光遮断(黒)状態にあったセル(素子)に一方極
性の単発パルスを印加した後の透過光量Iを単発パルス
の振幅Vの関数としてプロットしたグラフである。パル
ス振幅が閾値Vth以下(V<Vth)のときは透過光量は
変化せず、パルス印加後の透過状態は図2(b)に示す
ように印加前の状態を示す同図(a)と変わらない。パ
ルス振幅が閾値を越えると(Vth<V<Vsat)画素内
の一部分が他方の安定状態、すなわち同図(c)に示す
光透過状態に遷移し全体として中間的な透過光量を示
す。さらにパルス振幅が大きくなり、飽和値Vsat 以上
(Vsat <V)になると同図(d)に示すように画素全
部が光透過状態になるので光量は一定値に達する。すな
わち、面積変調法は電圧をパルス振幅VがVth<V<V
sat となるように制御して中間調を表示するものであ
る。
【0012】しかし、このような単純な駆動方式によれ
ば、図1の電圧と透過光量の関係がセル厚と温度にも依
存するため、表示パネル内にセル厚分布や温度分布があ
ると、同じ電圧振幅の印加パルスに対して異なった階調
レベルが表示されてしまうという問題がある。
【0013】図3は、このことを説明するための図で、
図1と同じく電圧振幅Vと透過光量Iの関係を示したグ
ラフであるが、異なった温度すなわち高温および低温で
の関係をそれぞれ表わす曲線Hおよび曲線Lの2本の曲
線を示してある。すなわち、表示サイズの大きいディス
プレイ(表示素子)では同一パネル(表示部)内に温度
分布が生じてくることは珍しくなく、したがって、ある
電圧Vapで中間調を表示させようとしても、図3に示す
ようにI1からI2までの範囲にわたって中間調レベルが
ばらついてしまい、均一な表示が得られないのである。
【0014】そこで考え出されたのが、本発明者が19
91年4月8日に米国出願No.681,993号とし
て出願した「4パルス法」である。この駆動方法は、図
4および図5に示すようにパネル内の同一走査線上の低
閾値部用と高閾値部用に複数のパルス(図中、A,B,
C,D)を印加することにより、最終的には等しい反転
面積を得るようにしたものである(図中(D))。
【0015】本発明者は、さらに1992年12月2日
に米国出願No.984,694号として出願した、書
き込み時間を「4パルス法」より短縮した「画素シフト
法」を提案している。
【0016】画素シフト法は複数の走査信号線に、同時
に異なる走査信号を入力して、選択することにより、複
数の走査線にまたがった、電界強度の分布を作り階調表
示をする方式である。
【0017】画素シフト法の概略を次に説明する。
【0018】使用できる液晶セルは、図6にその一例を
示してあるように、1画素内の閾値が分布を有するもの
である。図6に示したセルでは、電極間のFLC層55
の層厚が変化しているのでFLCのスイッチングの閾値
も分布を持つことになる。このような画素への印加電圧
を増加していくとセル厚が薄い部分から順にスイッチン
グしていくことになる。
【0019】この様子を図7(a)に示した。図7
(a)中、T1、T2、T3はパネル内の観察している部
分の温度を示している。FLCのスイッチングの閾値電
圧は、温度が高くなるにつれ低くなるが、上記3つの温
度における印加電圧と光透過率との関係を3本の曲線で
示している。
【0020】なお、閾値変動の原因は温度変化以外にも
あるが、説明の便宜上主として温度の変化を用いて画素
シフト法の態様を説明する。
【0021】図7(a)から分かるように、まず画素全
体を暗状態にリセットして温度T1でV1の電圧を画素に
印加したときにはX%の透過率を得ることができるが、
温度がT2もしくはT3まで上昇すると、同じViの電圧
を画素に印加したときには透過率が100%になってし
まい、階調表示が正しく行われなくなる。図7(c)
は、上記各温度における書き込み後の画素の反転状態を
示している。このような条件では、温度変動によって書
き込んだ階調情報が失われるので、表示素子としての用
途範囲が極めて限られたものとなってしまう。
【0022】そこで、図7(d)に示したように、1画
素の情報を2つの走査信号線S1、S2にまたがって表
示することにより、温度変動に対して安定した階調表示
が可能となる。
【0023】以下、この駆動方式について詳しく説明す
る。
【0024】画素内に連続的な閾値分布を持つ強誘電
性液晶セルを用意する:液晶セルの構成は、図6に示す
ような、画素内のセル厚が連続的に分布したものを用い
ることができる。また、本出願人が特開昭63−186
215号公報中で提案しているような画素内に電位の勾
配を有する構成、または容量勾配を持つ構成でも良い。
いずれにせよ、画素内の閾値を連続的に分布させること
により、明状態に対応した領域(ドメイン)と暗状態に
対応した領域(ドメイン)を画素内に混在させることが
でき、これらのドメインの面積比によって階調表示を可
能としている。
【0025】この方法は光量をステップ的に変調する場
合(例えば16階調など)でも使用できるがアナログ的
な階調表示のためには連続的な光量変化が必要である。
【0026】2つの走査信号線を同時に選択する:こ
の操作について図8を用いて説明する。図8(a)は、
2つの走査信号線上の画素をひとまとめにしたときの透
過率−印加電圧特性を示す。図8(a)中では、透過率
0%〜100%を走査線2上の画素Bの表示領域とし、
透過率100%〜200%を走査信号線1上の画素Aの
表示領域として示している。すなわち、走査信号線1本
につき1つの画素を構成するので、2本同時に走査した
場合には、画素A、画素Bの両方が全部光透過状態にな
った時の透過率を200%としている。ここでは、1つ
の階調情報に対して同時に2つの走査信号線を選択する
のだが、1つの階調情報を表示するために1画素分の面
積を持つ領域を割り当てるようにしている。これについ
て図8(b)を用いて説明する。
【0027】温度T1では入力した階調情報は印加電圧
0のとき0%、V100のとき100%に対応する範囲に
書き込まれる。図から分かるように温度T1では、この
範囲(画素領域)はすべて走査信号線2上にある(図8
(b)中、斜線部参照)。ところが、温度がT1からT2
に上昇すると液晶の閾値電圧が下がっているため、同じ
電圧を画素に印加した場合に画素内で、温度T1のとき
よりも大きな領域が反転してしまう。
【0028】これを補正するために、温度T2のときの
画素領域を走査信号線1と走査信号線2にまたがって設
定する(図8(b)の温度T2の場合を示した斜線
部)。
【0029】次に、温度がさらに上昇してT3になった
ときには、印加電圧をV 0〜V100まで変化させて描画さ
れる画素領域を、走査信号線1上のみに設定する(図8
(b)の温度T3の場合を示した斜線部)。
【0030】以上のように温度によって階調表示をする
画素領域を、2つの走査信号線上でずらして設定するこ
とにより、T1からT3の温度範囲において正しい階調表
示を保つことができるようになる。
【0031】同時に選択した2本の走査信号線に印加
する走査信号を互いに異なるものとする:上記で説明
したように、温度変化による液晶反転の閾値変動を、2
つの走査信号線を同時に選択することによって補償する
ためには、2つの選択された走査信号線に印加される走
査信号を互いに異なるものとしなければならない。この
点について図7を用いて説明する。
【0032】走査信号線1と走査信号線2に印加される
走査信号は、走査信号線2上の画素Bと走査信号線1上
の画素Aの閾値が連続的に変化するように設定する。図
7(b)において、温度がT1のときの透過率−電圧曲
線は、透過率100%までは走査信号線2上の領域で表
示されることを示し、その後200%までが走査信号線
1上の領域で表示されることを示す。このように透過率
−電圧曲線が画素Bから画素Aにかけて連続的、かつ等
しい勾配で設定する必要がある。
【0033】したがって図9に示すように走査信号線1
上の画素Aと走査信号線2上の画素Bのセル形状(図9
(b)参照)を等しく設定しても、実質的に画素A、画
素Bに連続的な閾値特性を与えた場合(図7(b)のセ
ル)と同様の表示が可能となる。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】強誘電性液晶素子にお
ける1ラインの選択時間を、60μs〜100μs位に
設定することが、パルス波形の伝播遅延や強誘電性液晶
の自発分極を大きくしないですむなどの点から望ましい
ことが判明した。
【0035】しかしながら、走査線数で1000本以上
の高精細ディスプレイを考えると、1フレーム走査時間
は少なくとも60μs×1000=60msかかる。こ
れはフレーム周波数に直すと16.7Hzである。画面
を線順次走査する場合において、フレーム周波数として
40Hzあれば(少なくとも30Hz)画面内の書き替
えが連続的でスムーズに見える。
【0036】たとえば、画面上でマウスカーソルを動か
す場合などは、40Hz以上ないとマウスカーソルの画
像がばらけてしまい、視認性が極端に悪くなり表示品質
としては劣悪なものとなってしまう。
【0037】このような強誘電性液晶(以下FLC)の
特性を改善するために、FLC素子の画面情報が切り変
わったときに、切り変わった部分を線順次走査するとい
う技術があった(USP4,655,561、USP
5,091,723、USP5,172,107)。
【0038】しかし、前述した画素シフト法は隣接した
2本の走査線上に情報を書き込むのでノーインターレー
スの線順次走査が望ましい。
【0039】走査中に走査線の飛びが生じ画面が書き変
わったときには、パルス内の温度ムラなどにより2本の
走査線にまたがって情報を表示している部分では走査線
の飛びの生じる直前のラインと飛んだ先の直前のライン
で不完全な表示が行われてしまうという問題点があっ
た。
【0040】さらに、1993年3月31日に米国出願
No.041,420号として出願した「Displa
y Apparatus」というタイトルの出願明細書
によって示したようなダミー走査を、走査線の飛びが生
じているときに走査線の飛びと無関係に行おうとする
と、フリッカ(画面のちらつき)を生じてしまう。
【0041】本発明の目的は、画面途中からの走査開始
又は画面途中での走査終了が生じても表示品位を劣らせ
ることのない液晶表示素子の駆動方法を提供することに
ある。
【0042】本発明の別の目的は、画面内に温度分布が
生じても階調表示品位を劣化させることのない駆動方式
が並用できる液晶表示素子の駆動方法を提供することに
ある。
【0043】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、対向
して配置した2枚の電極基板間に液晶を挟持して上下電
極の交叉部で画素を構成した液晶表示素子の駆動方法に
おいて、
【0044】1画面の表示を線順次走査する第1モード
と、1画面の走査中に、走査線を飛びこえる第2モード
と、を有し、第2モードの場合は、走査の最終行及び/
又は走査線の再走査開始行を2回選択することを特徴と
する駆動方法である。
【0045】また本発明は、上記の駆動方法を実行する
制御回路を備えた液晶表示装置である。
【0046】先に説明した技術課題は、理解し易いよう
にFLCを用いた画素シフト法を例に挙げて説明した
が、本発明は、この例に限定されることはなく、少なく
とも2本の走査線を選択して該2本の走査線上の画素に
所定の表示を行う方法全てに適用可能である。
【0047】本発明の構成を更に説明すると、 走査途中において走査線の飛びが発生したとき即ち、
通常の第1モードから第2モードへ移行したときには、
走査線の飛びを生じる直前の走査線(最終行)を2回選
択する。このうち第1回目の選択は、その走査線上の情
報を書き込み、第2回目の選択は最終行の次のラインの
情報を最終行上の画素に書き込む。従って第2回目の選
択は、温度により、基準値より閾値の変動を生じている
画素へのみ書き込みが行われる。
【0048】一方、走査線が飛んだ先(再走査開始
行)での書き込みに関しては、飛んで行った先の走査線
のアドレスの1本前の走査線を1回選択して、温度変動
が生じていた場合の実質的なリセット処理を該1本前の
走査線上の画素に施してから、飛び先の情報を再走査開
始行上の画素に書き込んでゆく。
【0049】従って、温度変動による閾値変動が生じて
いない場合は、1本前の走査線上の画素には情報が書き
込まれないが、閾値変動が生じている場合にはそこに情
報が書き込まれる。
【0050】より好ましくは、上述した2つの処理即ち
最終行の2回選択と再走査開始行の2回選択とを並用す
ることが望ましい。
【0051】更には、画素シフト法のような温度補償の
為の駆動法と並用する場合には、1回目の選択と2回目
の選択では用いられる走査(選択)信号の波形が異なる
ようにする。
【0052】また、最終行の1回目の選択と2回目の選
択との間に時間間隔をおいて、その間に再走査開始行の
選択を行ってもよい。
【0053】更に、フリッカ防止の為に、非選択信号線
にダミー信号を入力する場合には、第2モードに移行し
た時には、ダミー信号の入力を中断し再走査開始行を基
準として再びダミー信号の入力を始めるようにリセット
することが好ましい。
【0054】以下、図10を参照して本発明の一実施態
様について説明する。
【0055】図10のAS1は選択信号1の印加アドレ
スを示す。AS2は選択信号2の印加アドレスを示す。
AIは情報信号線に出力する情報信号がどの走査アドレ
スに相当するものかを示す。TMはAS1、AS2、A
Iが同期して動くタイミング信号である。書込み動作
は、選択信号1が1,2,3・・・と線順次走査を行っ
ていき、選択信号2は選択信号1より1タイミング以上
遅れて、同一走査線に印加され選択される。選択信号1
と2との間は、200μs程度放置することが望まし
い。情報信号はAS1に対応して選択ラインに対応した
情報をタイミング通りに出力して行く。これが第1モー
ドである。
【0056】ここで選択信号1とは、ある画素への第1
回目の書き込みを行う為の、走査線に印加される選択信
号である。
【0057】一方、選択信号2とは、ある画素への第2
回目の書き込みを行う為の、走査線に印加される選択信
号である。よって画素の閾値に変動が生じていない場合
には、その画素は第1回目の書き込みで表示状態が完成
し、第2回目の書き込みでは該表示状態が変化しないよ
うな信号であってもよい。
【0058】以上が第1モードである。
【0059】この書き込み手順に、走査線の飛びが発生
したとき、即ち第2モードについて説明する。第1モー
ドでmラインまで走査したとき(t5)、nラインへ飛
びが生じたときは、まず、タイミングt5において、選
択信号1がmラインをアクセスし、選択信号2はm−1
ラインをアクセスする。そのとき、情報信号はmライン
上の画素に表示すべき情報を出力している。次に、選択
信号1はどのラインにもアクセスしないで休止する(タ
イミングt6)。一方、選択信号2はmラインに入力し
て、これと同期に情報信号にはm+1ライン上の画素に
表示すべき情報を出力する。
【0060】このようにすれば、走査線mライン上の画
素が高温となり閾値が基準値より変動していた時には、
m+1ライン上の画素用の情報信号の印加によって、m
ライン上の画素の表示状態が変化してm+1ライン上の
画素の表示状態との間で協働して組み合わせの表示状態
をつくり、これで表示状態の変動を補償できる。つまり
この場合、隣接する2画素によって所望の表示状態とな
る。
【0061】以上のように、選択信号1が印加されない
期間t6を設けることによりmラインを2回選択する点
が従来と異なる点である。
【0062】また、必要に応じて、消去期間を設けるこ
とができる。
【0063】特に、この方法は、第2モードへの移行が
表示画面の一垂直走査期間の途中に生じ、該表示画面の
途中ではなく最先頭の走査線(1本目)が再走査開始行
となる場合に有効である。なぜなら、1本目の走査線で
あれば後述する再走査開始行の複数回選択処理を行わな
くとも、画面の端部である為表示品位への影響が少ない
からである。
【0064】以上は最終行を2回選択する例について述
べたが、次に同じ図10を参照して再走査開始行を2回
選択する例について述べる。
【0065】タイミングt6’は必要に応じて設けられ
るリセット期間であり、nライン上の画素をリセットす
る為のものである。
【0066】次のタイミングt7においては、選択信号
1の印加は休止しておいて、選択信号2をn−1ライン
に入力する。対応する情報信号出力(n*)はnライン
の消去方向の100%の情報を書き込む為の信号であ
る。即ちnラインが「黒」リセットあれば「黒」100
%、つまり0%の透過率を書き込み、nラインのリセッ
ト方向が「白」である場合には100%の透過率を書き
込む。こうすることでn−1ライン上に高温部があれば
nラインと同じ方向にリセットすべく、nラインを選択
する準備をする。nラインを選択したときnライン上の
高温部の情報をn−1ライン上へ書き込めるようにする
ためである。
【0067】タイミングt8において、選択信号1をn
ラインに入力し、選択信号2はn−1ラインに入力す
る。情報信号はnライン上の情報を出力する。このよう
に再走査開始行(n−1ライン)はタイミングt7,t8
で2回選択されるのである。以下は第1モードと同様で
ある。
【0068】以上の方法は、第1モードの最終行が表示
画面の最後尾である場合に有効である。なぜなら最後尾
行は画面の最下端部にある為、前述した最終行の複数回
選択処理を行わなくても、表示品位への影響が少ないか
らである。
【0069】勿論、前述した2つの例を組み合わせて最
終行及び再走査開始行それぞれについて複数回選択処理
を行う方法は、表示画面途中で部分書き換えを行う場合
に最適な方法である。
【0070】また、別の好ましい例としては、フリッカ
防止用のダミー信号を印加する方式と図10に示した例
とを組み合わせる方法がある。
【0071】画素シフト法を用いて大画面,高精細なF
LC素子を駆動する場合のフリッカ対策として、1本な
いし数本の非選択走査線にダミー信号を入力し見かけ上
の走査周波数を40Hzに近づけることにより、フリッ
カをなくす方式がある。しかし、この方式は通常走査の
周期に着目しているので走査線に飛びを生じたときも同
様のダミー走査をすると、かえってフリッカを生じる。
そこでダミー信号を一時休止して、飛び先での走査周期
に合わせてダミー走査信号の入力タイミングを再設定す
ることが望ましい。もっとも、走査の飛びがマウスカー
ソルなどの小面積のものである場合には、ダミー走査信
号を入力しない方が表示状態としては良好である。
【0072】以上説明した例によれば、走査線の通常走
査に対して、走査線の飛びが発生した場合に、最終行を
2回選択し、最終行上の画素の、第1回選択で書き過ぎ
た部分に次ラインの情報を書き込むことで、走査線上の
情報内容の連続性を保つのである。この場合、次ライン
の情報信号を入力するタイミングは存するが、次ライン
を走査することはない。あくまでも、画面上の情報内容
の連続性を保つためであるから、次ラインを走査するの
は、飛びによる処理を終了して通常走査に復帰した時
か、次ラインを含む走査線上に飛びによる処理が発生し
たときである。
【0073】走査線の飛んでゆく先、即ち最終行と物理
的に連続していない走査線で、最終行に続いて選択され
る走査線ではその走査線上へ書き込まれる情報が、温度
変動によって1本前の走査線にずれるが、1本前のライ
ンは、以前に選択されたときの情報がそのまま残ってい
るので情報のずれを許容しない。
【0074】従って、飛んで行く先の第一行を書き込む
(第一回選択)以前に、第一行のリセット方向と同一方
向へ100%(リセット方向が「白」なら100%、
「黒」なら0%)1本前のラインを書き込んでおかなく
てはならない。
【0075】このように、走査線が飛びを発生するよう
な表示形態を取るときには最終行及び/又は先頭行に関
して特殊なシーケンスを経る必要がある。また、通常走
査のタイミングによってフリッカを軽減する目的で必要
に応じて入力していたダミー信号は、飛びが発生した場
合には中断することが望ましい。
【0076】図11は本発明の方法が採用された表示装
置のブロック構成図であり、図12は図11の装置の画
像情報の通信タイミングチャートである。
【0077】以下、図面にしたがって動作を説明する。
グラフィックスコントローラ102は走査電極を指定す
る走査線アドレス情報とそのアドレス情報により指定さ
れる走査線上の画像情報(PD0〜PD3)を液晶表示
装置101の表示駆動回路(走査線駆動回路104と情
報線駆動回路105とによって構成)104/105に
転送する。本実施例では、走査線アドレス情報と表示情
報とを有する画像情報を同一伝送路にて転送するため、
前記2種類の情報を区別しなければならない。この識別
のための信号がAH/DLであり、このAH/DL信号
がHiレベルのときは、走査線アドレス情報であること
を示し、Loレベルのときは、表示情報であることを示
している。
【0078】走査線アドレス情報は、液晶表示装置10
1内の駆動制御回路111側で、画像情報PD0〜PD
3として転送されてくる画像情報から抽出されたのち、
指定された走査線を駆動するタイミングに合わせて走査
線駆動回路104に出力される。この走査線アドレス情
報は、走査線駆動回路104内のデコーダ106に入力
され、デコーダ106を介して、表示パネル103の指
定された走査電極が走査信号発生回路1074によって
駆動される。一方、表示情報は情報線駆動回路105内
のシフトレジスタ108へ導かれ、転送クロックにて4
画素単位でシフトされる。シフトレジスタ1085にて
水平方向の一走査線分のシフトが完了すると、1280
画素分の表示情報は併設されたラインメモリ109に転
送され、一水平走査期間の間に亘って記憶され、情報信
号発生回路110から各情報電極に表示情報信号として
出力される。
【0079】また、本実施例では液晶表示装置101に
おける表示パネル103の駆動とグラフィックスコント
ローラ102における走査線アドレス情報及び表示情報
の発生とが非同期で行われているため、画像情報転送時
に装置間(101/102)の同期をとる必要がある。
この同期を司る信号がSYNCであり、一水平走査期間
ごとに液晶表示装置101内の駆動制御回路111で発
生する。グラフィックスコントローラ102側は常にS
YNC信号を監視しており、SYNC信号がLoレベル
であれば画像情報の転送を行い、逆にHiレベルのとき
には一水平走査線分の画像情報の転送終了後は転送を行
わない。すなわち、図11において、グラフィックスコ
ントローラ102側はSYNC信号がLoレベルになっ
たことを検知すると、直ちにAH/DL信号をHiレベ
ルにし一水平走査線分の画像情報の転送を開始する。液
晶表示装置101内の駆動制御回路111は、SYNC
信号を画像情報転送期間中にHiレベルにする。所定の
一水平走査期間を経て表示パネル103への書き込みが
終了したのち駆動制御回路(FLCDコントローラ)1
11は、SYNC信号を再びLoレベルに戻し、次の走
査線の画像情報を受け取ることができる。
【0080】図11の113は部分書き換え回路であり
ビデオRAMを内蔵している。ホストコンピュータ等の
命令或いはイメージセンサからの入力等によりビデオR
AMへの記憶情報に部分的に書き換えがなされると、回
路113は第1モードを終了する為と第2モードの開始
即ちmラインの処理を行うべく、走査線アドレス情報と
表示情報とを、部分書き換えに応じて、変更する(図1
0)。この変更により、再走査開始行(n−1ライン)
以降の走査線アドレス情報と表示情報も図10のように
処理を行うべく変更され、領域114内を部分書き換え
する。
【0081】部分書き換えがL行で終了すると、再び第
1モードに復帰する。第1モードへの復帰はL行から不
図示のL+1行に連続的に移行してもよいし、L行から
最先頭の第1行目に戻ってもよい。最先頭行に戻る場合
にはL行目にm行目と同じ複数選択処理を行うことが望
ましい。
【0082】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
【0083】実施例として図6に示したような断面形状
の液晶セルを作製した。図6中、下基板ののこぎり形状
は、金型上に原型を作り、それを、アクリル系UV硬化
樹脂52でガラス基板上へ転写して作った。
【0084】UV硬化樹脂52ののこぎり形状の上に、
ストライプ電極51としてITO膜をスパッタ形成し、
さらにその上層に配向膜54として日立化成社製の配向
膜LQ−1802を、約300Åに形成した。
【0085】対向側のセル基板は、ストライプ電極51
上に、同じ配向膜を形成したもので、凹凸形状はもたせ
ていない。
【0086】定義基板のラビング方向は、平行方向に行
い、上基板のラビング方向に対して、下基板のラビング
方向を約6°右ネジ方向にずらしてセルを構成した。セ
ル厚のコントロールは、薄い部分が約1.0μm、厚い
部分が約1.4μmになるようにした。また、のこぎり
形状の1辺を1画素になるように、下基板のストライプ
電極51をストライプ状に、畝にそってパターニングし
た。
【0087】ストライプ電極51の巾を、300μmと
して、画素サイズを300μm×200μmの長方形に
設定した。
【0088】使用した液晶材料を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】本実施例において用いた駆動波形を図13
に示す。
【0091】図13において、dt0 =200μs,d
1 =50μs,dt2 =20μs,dt3 =30μ
s,|V1 |=13.8V,|V2 |=13.8V,V
i =[−2.75〜+2.75]であり、Vi =−2.
75Vでは100%書き込み、Vi =+2.75Vでは
0%の書き込みがなされるようにした。
【0092】Aは第1回目の書き込み用信号であり図1
0における選択信号1に相当する。
【0093】Bは第2回目の書き込み用信号であり図1
0における選択信号2に相当する。また、Cはリセット
信号である。S1〜S5は連続して並んだ走査線上の信
号を、Iは情報信号を、S2−I,S1−Iは画素の液
晶に印加される合成信号を示している。
【0094】図13の例では画素シフト法を用いている
為に走査信号は一水平走査期間毎に極性反転している。
【0095】この波形のうち、図11の装置を用いて特
に信号AとBとを図10に示すタイミングで発生させ部
分書き換えを行った結果、部分書き換え領域の上下端で
の境界が認識できなくなっていた。
【0096】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明を用い
ることで走査中に走査線のアドレスの飛びを生じるよう
な走査方法も可能となり、所謂部分書き換え方式を使え
ることで、画面応答性のよい良質な階調表示が実現され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の面積変調法における電圧と透過率の関係
を模式的に示した図である。
【図2】従来の面積変調法における電圧と画素の光透過
状態を示した図である。
【図3】図1の関係図に異なった温度での関係を示す図
である。
【図4】従来の4パルス法の駆動方法の説明図である。
【図5】従来の4パルス法の駆動方法の説明図である。
【図6】本発明に適用可能な液晶セルの概略図である。
【図7】従来の画素シフト法の説明図である。
【図8】従来の画素シフト法の説明図である。
【図9】従来の画素シフト法の説明図である。
【図10】本発明による駆動方法を説明するためのタイ
ミングチャートである。
【図11】本発明の表示装置のブロック構成図である。
【図12】図11の装置の画像情報の通信タイミングチ
ャートである。
【図13】本発明の実施例に用いられる駆動信号の波形
を示す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置した2枚の電極基板間に液
    晶を挟持して上下電極の交叉部で画素を構成した液晶表
    示素子の駆動方法において、 1画面の表示を線順次走査する第1モードと、1画面の
    走査中に、走査線を飛びこえる第2モードと、を有し、
    第2モードの場合は、走査の最終行及び/又は走査線の
    再走査開始行を2回選択することを特徴とする液晶表示
    素子の駆動方法。
  2. 【請求項2】線順次走査中に、走査線の飛びが発生した
    ときに、非選択信号線に入力されていたダミー信号の入
    力を停止することを特徴とする請求項1に記載の液晶表
    示素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記液晶はネマチック液晶、コレステリ
    ック液晶、スメクチック液晶のうち少なくともいずれか
    の1つである請求項1に記載の液晶表示素子の駆動方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の駆動方法を実行する制
    御回路を備えた液晶表示装置。
JP34550393A 1992-12-24 1993-12-22 液晶表示素子の駆動方法 Withdrawn JPH06258617A (ja)

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