JPH0625856Y2 - 開閉器の鎖錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は変電所等において使用される開閉器の保守点検
時等に、誤操作による開閉器の動作を防止するための手
動操作方式の機械的な鎖錠装置に関する。

「従来の技術」 一般に断路器あるいは接地装置等の開閉器は、操作装置
によりこの開閉器に連結された主軸を回動することによ
って、開閉操作が行われる。開閉器と操作装置との間を
連結する前記主軸には、開閉器の保守点検時に誤操作に
より開閉器が動作することを防止するために、手動操作
方式の機械的な鎖錠装置が設けられる場合がある。ま
た、この鎖錠装置には鎖錠状態および解除状態を表示す
る表示部が設けられている。

従来技術における上記鎖錠装置は、多数のレバーおよび
複雑なリンク等により構成されて、開閉器を鎖錠しかつ
鎖錠状態の表示を行っていた。またこの鎖錠装置は、鎖
錠、あるいは解除操作を容易に行うことができるよう
に、その全体が外部に露出されていた。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来技術においては、多数のレバーや複雑なリンク
機構等により鎖錠装置が構成されているので、構造が複
雑になるばかりでなく、価格的にも高価となる欠点があ
った。

また、レバーやリンク等の可動部が外部に露出されてい
るため、雨水や塵埃等による故障が生ずる危惧があり、
信頼性が乏しいばかりでなく、作業者に対する安全性に
も問題があった。

「課題を解決するための手段」 本考案は上記従来技術の課題を解決することを目的とす
るもので、開閉器の開閉操作を行う主軸およびこの主軸
に固着されたレバーをカバー内に収納し、該カバーを貫
通して摺動可能に鎖錠ピンを配設し、該鎖錠ピンの前記
カバーの内部側の一端部を前記カバーの外部側から前記
レバーに係合させることにより、前記主軸の回動を規制
して前記開閉器の開閉動作を鎖錠するとともに、該鎖錠
ピンの前記カバーの外部側の他端部に鎖錠状態を表示す
る表示部を配設して構成する。

「作用」 開閉器の開閉操作に伴って可動する開閉器の主軸および
レバーがカバー内に収納されているので、信頼性および
安全性に優れる。

開閉器の開閉動作を鎖錠するには、カバーの外部から鎖
錠ピンのカバー外部側の他端部を押して、この鎖錠ピン
をカバー内部側へ移動させる。この結果、鎖錠ピンのカ
バー内部側の一端部が主軸のレバーに係合し、この主軸
の回動が規制されて開閉器の開閉動作が鎖錠される。こ
のとき同時に、上記鎖錠ピンの移動により、この鎖錠ピ
ンのケース外部側の他端部の表示部に鎖錠状態が表示さ
れる。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面に基づいて、詳細に説明す
る。

図示されない開閉器と操作装置間を連結する主軸１に
は、切欠部２ａ、２ｂを有するレバー２が固着されると
ともに、この主軸１およびレバー２はカバー３内に収納
されている。前記カバー３を貫通する鎖錠ピン４は、こ
のカバー３に摺動可能に装着されている。鎖錠ピン４の
前記カバー３の内部側の一端部４ａは、この鎖錠ピン４
が前記カバー３内側へ移動したときに、前記レバー２の
切欠部２ａまたは切欠部２ｂに係合し、このレバー２を
介して主軸１の回動が規制されるようになっている。ま
た、この鎖錠ピン４の前記カバー３の外部側の他端部４
ｂには、突起から成る鎖錠状態の表示部５が形成されて
いる。

前記カバー３の外部側に固着された支え６には、前記表
示部５が嵌挿される楕円穴６ａが形成されている。この
支え６に上端部が回動可能に取付けられたシャッタ７に
は、鎖錠装置の鎖錠状態および解除状態にあるときに、
前記表示部５の先端部がそれぞれ突出する表示穴７ａお
よび７ｂが形成されている。

なお、８はシャッタ７の開閉をロックする南京錠であ
る。

次に上記本考案の装置の動作を説明する。

第１図は図示されない開閉器が開路状態にあり、この開
閉器は主軸１が時計方向に回動することにより閉路操作
が行われる。また、鎖錠装置は解除状態、すなわち鎖錠
ピン４のカバー３の内部側の一端部４ａがレバー２の切
欠部２ａと係合していない状態にあり、従って主軸１は
回動可能であるので、開閉器の開閉操作を行うことがで
きる。一方、表示部５はシャッタ７に形成された解除状
態の表示穴７ｂから突出されており、鎖錠装置が解除さ
れた状態にあることを表示している。なお、このときシ
ャッタ７は南京錠８によってロックされており、かつ鎖
錠ピン４の表示部５がシャッタ７の表示穴７ｂから突出
しているので、誤って鎖錠ピン４をカバー３の内部側に
押しても、鎖錠ピン４は移動できないので、誤って鎖錠
されることはない。

保守点検時等に誤操作による開閉器の開閉動作を防止す
るためには、先ずカバー３の外部側で南京錠８を解錠
し、シャッタ７を上方に回動する。この結果、鎖錠ピン
４の表示部５とのシャッタ７の表示穴７ｂとの係合が解
除されるので、鎖錠ピン４は移動可能になる。従って、
この鎖錠ピン４のカバー３の外部側の他端部４ｂをカバ
ー３の内部側に押せば、鎖錠ピン４のカバー３の内部側
の一端部４ａがレバー２の切欠部２ｂに係合する。この
状態を第３図に示す。

この後、シャッタ７を下方に回動すれば、上記鎖錠ピン
４のカバー３内側への移動により、この鎖錠ピン４の表
示部５も支え６の楕円穴６ａ内を移動して鎖錠状態の位
置に移動しているので、シャッタ７の鎖錠状態の表示穴
７ａに前記鎖錠ピン４の表示部５が貫挿されて、この表
示穴７ａから突出する。この結果、鎖錠装置の鎖錠状態
が表示される。この後、シャッタ７に南京錠８を装着す
れば、シャッタ７がロックされ、かつ鎖錠ピン４の表示
部５がシャッタ７の表示穴７ａから突出しているので鎖
錠ピン４は移動できず、誤って鎖錠装置の鎖錠状態が解
除されることはない。この状態を第４図に示す。

一方、この状態で誤操作により開閉器の閉路操作を行っ
て主軸１を時計方向に回動した場合、レバー２の切欠部
２ａに鎖錠ピン４の一端部４ａが係合しているので、主
軸１の時計方向の回動が規制される。従って開閉器は閉
路動作しないので、安全に保守点検作業が実施できる。

なお、開閉器が閉路状態にある場合には、鎖錠ピン４の
一端部４ａをレバー２の切欠部２ｂに係合させることに
より、上記と全く同様に主軸１の反時計方向の回動が規
制されるので、誤操作による開閉器の開路動作を防止で
きるので、その詳細は省略する。

「考案の効果」 以上、実施例とともに詳述したように本考案によれば、
開閉器の開閉動作に伴って可動する主軸およびレバーが
カバー内に収納されているので、信頼性が高く、かつ安
全である。一方、鎖錠装置の手動操作はカバーの外部側
から行うことができるので操作が容易であり、かつ鎖錠
状態の表示部もカバーの外部に配設されているので確認
も容易である。

また開閉器の開閉動作の鎖錠、および鎖錠装置の鎖錠状
態の表示を鎖錠ピンの移動のみで行うので、構造が簡単
で価格的にも安価であるばかりでなく、信頼性も高い。
さらに、鎖錠状態の表示は、鎖錠あるいは解除の最終位
置でなければできない構造であるため、非常に確実であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の開閉器の鎖錠装置の一実施例
を示すもので、第１図は鎖錠装置の解除状態を示す正面
一部断面図、第２図は第１図の側面図、第３図は鎖錠装
置の鎖錠操作途中の状態を示す正面一部断面図、第４図
は鎖錠装置の鎖錠状態を示す正面一部断面図である。 図において、 １は主軸 ２はレバー ３はカバー ４は鎖錠ピン ５は表示部 である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉器の開閉操作を行う主軸およびこの主
   軸に固着されたレバーをカバー内に収納し、 該カバーを貫通して摺動可能に鎖錠ピンを配設し、 該鎖錠ピンの前記カバーの内部側の一端部を前記カバー
   の外部側から前記レバーに係合させることにより、前記
   主軸の回動を規制して、前記開閉器の開閉動作を鎖錠す
   るとともに、 該鎖錠ピンの前記カバーの外部側の他端部に、突出する
   表示部を配設し、かつ該鎖錠ピンの鎖錠位置および解除
   位置で、前記表示部の先端がそれぞれ突出する二つの表
   示穴が形成されたシャッタを配設して、該鎖錠ピンの鎖
   錠および解除状態を表示するとともに、該鎖錠ピンの移
   動を規制する、 ことを特徴とする開閉器の鎖錠装置。