JPH06257069A - 繊維加工剤及びそれを使用する繊維加工方法 - Google Patents

繊維加工剤及びそれを使用する繊維加工方法

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JPH06257069A
JPH06257069A JP6469293A JP6469293A JPH06257069A JP H06257069 A JPH06257069 A JP H06257069A JP 6469293 A JP6469293 A JP 6469293A JP 6469293 A JP6469293 A JP 6469293A JP H06257069 A JPH06257069 A JP H06257069A
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JP
Japan
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fiber
phosphoric acid
acid amide
ammonium chloride
amount
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JP6469293A
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Inventor
Shinichiro Kamiyama
紳一郎 上山
Rika Kurihara
リカ 栗原
Hiroyuki Toba
啓之 鳥羽
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 副生するハロゲン化アンモニウムを含有す
る粗製のリン酸アミド化合物を使用した繊維加工の、黄
変を防止し、白度を向上させ、固着性、繊維加工剤の保
存安定性を改善する。 【構成】 副生するハロゲン化アンモニウムを含有す
る粗製のリン酸アミド化合物を使用し、該ハロゲン化ア
ンモニウム1当量に対しアルカリ金属水酸化物0.4〜
0.95当量を添加して中和したことを特徴とする繊維
加工剤及びそれを使用する繊維加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維に対して脱アンモニ
ア縮合で固着する機構を有する繊維加工剤及びそれを使
用する繊維加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸アミド化合物は防炎あるいは防縮
等の繊維加工に使用されており、着用時にホルムアルデ
ヒドを遊離して皮膚障害を起こすことが無いことから、
近年多用されている。一般に、リン酸アミド化合物を防
炎あるいは防縮等に使用する繊維加工剤は中性の水溶液
又はアルカリ性物質あるいは酸性物質を溶解したアルカ
リ性水溶液あるいは酸性水溶液として調整され、更に必
要により例えば柔軟剤、浸透剤、撥水剤、架橋剤等を含
有せしめて調整される。次いで、例えばセルロース系繊
維にこの繊維加工剤を含浸せしめ、加熱処理、洗浄等の
工程で繊維加工される。ここで、ハロゲン化アンモニウ
ムを含有する粗製のリン酸アミド化合物を含有する繊維
加工剤を使用して繊維加工すると、ハロゲン化アンモニ
ウムを原因とする加工布の白度低下や強度低下等の問題
が起きていた。この為、該粗製リン酸アミド化合物を精
製して使用するか、或いは粗製のリン酸アミド化合物を
使用する場合には、例えば特開平2−259162号の
加工処理する際に加熱処理後酸性水溶液で洗浄する方
法、特開平3−97963号の加工液調製の際に塩素イ
オン吸着剤を添加する方法、特開平4−50371号の
加工液調製の際にリン酸塩類を添加して更にpH8.0
以上にする方法等、加工処理時での改善方法が種々提案
されている。しかし、工業的にはより安価且つ簡便な方
法が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な状態におい
て、該粗製のリン酸アミド化合物を精製することなく繊
維加工剤に使用する方法を見出すことに本発明の目的が
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハロゲン化ア
ンモニウムを含有する粗製のリン酸アミド化合物を使用
する繊維加工剤において、ハロゲン化アンモニウムの除
去にアルカリ金属水酸化物を使用して中和するのが適切
であり、その際完全に中和するのではなく、むしろ少量
のハロゲン化アンモニウムを存在させることの優位性を
見出したことに基づく。即ち、本発明はハロゲン化アン
モニウムを含有する粗製のリン酸アミド化合物に、ハロ
ゲン化アンモニウム1当量に対しアルカリ金属水酸化物
0.4〜0.95当量を添加して中和したことを特徴と
する繊維加工剤であり、その繊維加工剤を使用する繊維
加工方法である。
【0005】ハロゲン化アンモニウムを含有する粗製の
リン酸アミド化合物の製造方法について説明する。尚、
原料として使用する安価で入手し易いハロゲン化物とし
ては塩化物であるので、以後ハロゲン原子を塩素原子と
置き換えて説明していくことにする。粗製のリン酸アミ
ド化合物は一般的に次の反応式に従って製造される。 O=PCl3 +6NH3 → O=P(NH2 3
3NH4 Cl 通常、上記反応はオキシ塩化リンを有機溶媒に溶解し、
アンモニアを吹き込む方法で行い、塩素原子を−NH2
に置換する。ここで同時に遊離した塩素原子はアンモニ
アと反応して塩化アンモニウムを多量に副生する。本発
明の粗製のリン酸アミド化合物は反応有機溶媒液を単に
濃縮し、析出した結晶を濾過・乾燥して得られる。
【0006】アミド化に際しては副反応として分子間で
部分的な縮合が起こり、上記式のリン酸トリアミドの
他、2分子のリン酸トリアミドが1分子のNH3 を放出
して縮合したイミド二リン酸テトラアミドNH(PO)
2 (NH2 4 、3分子のリン酸トリアミドが2分子の
NH3 を放出して縮合したジイミド三リン酸ペンタアミ
ド(NH)2 (PO)3 (NH2 5 、同様に4分子縮
合物、5分子縮合物等の縮合物を生成し、これらの混合
物として得られる。又、リン酸アミド化合物としては、
アミド基の一部がアルコキシ基、モノアルキル置換アミ
ドあるいはジアルキル置換アミド等で置換されたものも
含まれる。勿論、一部の塩素原子が残存していても、あ
るいは加水分解して水酸基になっている化合物であって
もよく、これらが混在するも繊維加工の妨げにならな
い。
【0007】本発明のアルカリ金属水酸化物としては水
酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが挙げられる。この
時のアルカリ金属水酸化物の使用量は含有される塩化ア
ンモニウム1当量に対し、0.4当量から0.95当量
であり、好ましくは0.5当量から0.9当量である。
【0008】即ち、繊維加工剤は、副生塩化アンモニウ
ムを多量に含有するリン酸アミド化合物の水溶液とアル
カリ金属水酸化物の水溶液を混合し、過剰の塩化アンモ
ニウムをアンモニアとアルカリ金属塩化物に分解する。
この水溶液の調製に際しては該リン酸アミド化合物の水
溶液とアルカリ金属水酸化物の水溶液とを使用していず
れかの一方の水溶液に他方の水溶液を添加してもよく、
或いは一方に水溶液に他方の固体を添加して溶解しても
よい。工業的には前者の水溶液同士の添加方法が好まし
い。
【0009】この繊維加工剤のリン酸アミド化合物の濃
度としては、繊維加工時の繊維に付着する期待量、繊維
加工の目的及び浸漬したあとのピックアップ率等により
種々の濃度を取り得るが、例えば防縮加工の場合には2
〜30%、好ましくは5〜15%である。更にこの繊維
加工剤には必要により例えば柔軟剤、浸透剤、撥水剤、
架橋剤等を含有せしめて調整してもよい。
【0010】上記のようにして調整された繊維加工剤を
使用して繊維加工する方法を説明する。繊維を繊維加工
剤に浸漬して絞り、次いで室温〜140℃で予備乾燥す
る。更に乾燥布を120〜220℃の温度で10秒乃至
30分間、好ましくは130〜170℃の温度で2〜7
分間加熱処理(キュアリング)し、温水洗浄して付着し
ている水可溶性物を除き、乾燥して加工布ができる。洗
浄に際してはソープを使用する洗浄を加えてもよい。こ
こで使用する繊維としては、アミノ基と染着反応するヒ
ドロキシル基あるいはアミノ基を有する繊維であればよ
く、具体的に挙げれば、例えばセルロース系繊維、ウー
ル系繊維等がある。又、これらの繊維を含む混紡布、交
織布であってもよい。
【0011】本発明の副生塩化アンモニウムをアルカリ
金属水酸化物で完全に中和するのではなく残るように中
和した繊維加工剤で繊維加工した場合、繊維に対する固
着性を改善し、防縮性、防炎性、白度、エレメンドルフ
引張強度等が極めて向上するのである。更に、この様に
調整した繊維加工剤中のリン酸アミド化合物の組成が4
8時間後においても極めて安定である。この安定性はア
ルカリ金属水酸化物において効果的である。塩化アンモ
ニウムの存在下でリン酸アミド化合物は容易に分解する
傾向にあり、繊維加工剤を調整後直ちに使用することは
不可能である工業的生産の場合、この安定性は重要な効
果である。
【0012】次いで、実施例を挙げて本発明を説明す
る。 実施例1 粗製リン酸アミド化合物(日本曹達(株)製、リン酸ア
ミド38%,塩化アンモニウム62%)150重量部
を、水酸化ナトリウムの使用量が塩化アンモニウム1当
量に対して、0.5当量(34.8g)及び0.9当量
(62.6g)になる水酸化ナトリウム水溶液550重
量部に溶解し、残留する塩化アンモニウムの異なる2種
類の繊維加工剤を調整した。これらの繊維加工剤に綿ブ
ロード生地を浸漬して、ピックアップ率100%に絞
り、100℃の温度で2分間予備乾燥をした。次いで、
この綿布を150℃の温度で2分間加熱処理(キュアリ
ング)した後、50℃の温度の0.5g/l炭酸ナトリ
ウム水溶液に5分間浸漬洗浄し、更に流水中で10分間
水洗浄した。120℃の温度で3分間乾燥して2種の加
工布を得た。
【0013】比較例1 実施例1において、水酸化ナトリウムを使用しないで粗
製リン酸アミドを水に溶解した以外は実施例1と同様に
して、塩化アンモニウムが全量残留した繊維加工剤を調
整し、加工布を得た。
【0014】比較例2 実施例1において、水酸化ナトリウムの使用量を塩化ア
ンモニウム1当量に対して、1当量(69.5g)にな
る水酸化ナトリウム水溶液に変えて溶解した以外は実施
例1と同様にして、塩化アンモニウムが残留しない繊維
加工剤を調整し、加工布を得た。
【0015】実施例2 実施例1、比較例1及び比較例2で得た加工布につい
て、白度及びエレメンドルフ引張強度の性能試験を行っ
た。次いで、一部を下記に示す洗濯試験を行い、洗濯試
験前後から加工布の防縮性の試験を行った。それらの結
果を第1表にまとめて示した。
【0016】〔白度測定方法〕色差計を使用し、Lab
表色系色度図のb値を測定し、黄色系着色の度合いとし
た。一般に、Lab表色系色度図において、白度を表示
する場合にはL値を以て表示するのが通常である。しか
し、本加工布の場合、目視では明確に差異が確認できる
が、白度が高いためL値では明確にできないのでb値で
比較した。
【0017】〔エレメンドルフ引張強度測定方法〕JI
S L1004に準じて、エレメンドルフ織物引裂試験
機((株)大栄科学精器製作所製)を使用して測定し
た。
【0018】〔洗濯試験方法〕昭和61年2月21日消
防庁告示第1号「防炎性能に係わる耐洗たく性能の基
準」に準じて、温水25lにJIS K3303に準じ
た洗剤、マルセルソープ(共栄社油脂化学工業製)25
gを溶解した洗濯液を使用して、60℃にて15分間回
転洗濯し、40℃の温水で5分間のすすぎを3回繰り返
し、2分間の脱水の後、60℃で乾燥させた。この洗濯
サイクルを5回繰り返した。
【0019】〔防縮性試験〕JIS L1042の準じ
た方法により、縦及び横それぞれ3線の長さの平均値を
求め下記の計算式にて収縮率を算出した。 収縮率(%) = (L−L’)×100/L ここで、Lは洗濯前の長さ、L’は洗濯後の長さを表
す。尚、収縮率が少ないほど防縮性が優れていると言え
る。
【0020】 第1表において、一般に白度及び引張強度は原布を加工
すると必ず低下するものであるが、アルカリ金属水酸化
物の使用量が0.5〜0.9の場合には加工布における
それらの低下が少ない。即ち、繊維加工剤中の残留する
塩化アンモニウムが多い、つまり水酸化ナトリウムの使
用量が少ない場合には加工布の防縮性、白度及び引張強
度等の性能低下が起こる傾向にある。一方、繊維加工剤
中の残留する塩化アンモニウムが無い、つまり完全に中
和した場合には、リン酸アミド化合物の加工布への固着
が不十分となり、収縮率が大きく防縮性に劣るものとな
った。
【0021】実施例3 実施例1で使用したリン酸アミド25gと、水酸化ナト
リウムの使用量が塩化アンモニウム1当量に対して、
0.5当量(5.8g)及び0.9当量(10.4g)
になる水酸化ナトリウムとを水100mlに溶解した。
その水溶液を室温で攪拌して、24時間及び48時間後
の安定性を試験した。その安定性はリン酸アミド化合物
をGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフ、東
ソー製、HPLC−8000型)分析で分析し、その混
合物GPCチャートパターンから約6個の主ピークの
内、変化の大きい第3番目のピーク(分子量約95前
後、リン酸トリアミドと考えられる)の相対面積比の経
時変化をもって表すことにした。その結果まとめて第2
表に示した。
【0022】比較例3 実施例3における、水酸化ナトリウムの使用量を塩化ア
ンモニウム1当量に対して、0当量、1.0当量(1
1.6g)及び1.2当量(13.9g)になる水酸化
ナトリウム水溶液に変えた以外は実施例3を同様に行っ
た。その結果まとめて第2表に示した。
【0023】 第2表において、粗製リン酸アミド化合物の混合物は、
アルカリ性物質の使用量が0.5〜0.9の場合におい
て保存安定性に優れていることを明らかにしている。こ
の様に混合物組成が繊維加工剤調整時において、安定で
あることは工業的に極めて大切なことである。
【0024】
【発明の効果】加工布が黄変する欠点を改善する効果ば
かりでなく、加工布への固着量を高めて防縮性を向上、
エレメンドルフ引張強度を向上、更に繊維加工剤の保存
安定性をも向上させる等の効果がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸アミド化合物を含有する繊維加工
    剤において、ハロゲン化アンモニウムを含有する粗製の
    リン酸アミド化合物を使用し、該ハロゲン化アンモニウ
    ム1当量に対しアルカリ金属水酸化物0.4〜0.95
    当量を添加して中和したことを特徴とする繊維加工剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維加工剤を使用する繊
    維加工方法。
JP6469293A 1993-03-01 1993-03-01 繊維加工剤及びそれを使用する繊維加工方法 Pending JPH06257069A (ja)

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